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「大豆収量UPのポイント」(PDF:1002KB)

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「大豆収量UPのポイント」(PDF:1002KB)
親切・丁寧、身近な相談しやすい農政局
新技術を取り入れて大
大豆を作ってみませんか!
∼単収300kg/品質Aクラスをめざして∼
中国四国地域の大豆の10a当たり
り収量は全国平均と比較して低く、
その向上が重要な課題となっています。
成 年産大豆10a当たり収量
当たり収量
平成22年産大豆
全 国
162kg
都府県
146kg
中国四国 114kg
中 国
四 国
110kg
143kg
大豆 収量ア プ ポイ トは 適期播種と湿害の回避です!
大豆の収量アップのポイントは、
適期播種と湿害 回避です!
このため、中国四国農政局では梅
梅雨時期でも適期播種と湿害の回避を
可能にする新技術(大豆300A技
技術等)の普及推進を進めています。
大豆300
0A技術等
新技術
術の導入
導入効果
適期播種
気象災害に強い
労働力 軽減
労働力の軽減
経営面積
積の拡大
湿害回避等のほ場の環
環境改善
作業時間の低減
等々・・・
大豆300A技術等新技術とは??
大豆の収量が300kg/10a、品質がAクラ
ラス(1等,2等)品質を目指す大豆生産技術のこと。
「独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構」が中心となり、各地域の気象条件や土壌
条件に応じた低コスト・省力化技術として開発
発されました。
中国四国地域で導入が進
進められている主な新技術
1.不耕起狭畦密植播種技術
不耕起狭畦密植播種技術
[中央農業総合研究センタ ]
[中央農業総合研究センター]
《技術
術の概要》
前作
作のわらが残る圃場でも耕さずに播種を行うことを目的に
開発
発された技術で、播種前耕転を省くので雨による播き遅れ
等が
がなく、また、中耕・培土の省略を前提に条間30cmの密
植に
にするので大豆による雑草抑制が期待できます。
○適応ほ場
場条件等について・・・
・中国・四国地域に多く分布しているカオリン系土壌に有効な技術で、降雨後にク
ラストが
が発生しません。また、降雨後でも比較的早期に播種可能です。
・適切な排
排水対策を前提とする技術です。
・大型トラ
大型トラクタ
クターに装着する必要があるため、小回りがききにくく大規模圃場向きで
に装着する必要があるため、小回りがききにくく大規模圃場向きで
す。作業
業能率は30∼50a/時間です。
2.トリプルカット不耕起播種技術
[近畿中国四国農業研究センター]
《技術
術の概要》
梅雨
雨時期に適期播種を行うことを目的に開発された技術で、
中耕
耕ロータリーの爪を交換し、取り付けた3種類の爪の配置
によ
より①播種溝、②亀裂溝、③施肥溝を同時に作ることで、
播種
種・施肥を同時に行います。
(右記の模式図参照)
○適応ほ場
場条件等について・・・
・中国・四国地域に多く分布しているカオリン系土壌に有効な技術で、降雨後にク
ラストが
が発生しません。また、降雨後でも比較的早期に播種可能です。
・適切な排
排水対策を前提とする技術です。
・中型トラクターに装着できるため、小回りがきくので中小規模ほ場向きです。作
業能率は
は20∼40a/時間です。
・爪の購入
入を希望される時は、近畿中国四国農業研究センターへご相談下さい。
3.小明渠作溝同時浅耕播種技術
[中央農業総合研究センター]
《技術
術の概要》
主に
に大豆播種後のクラスト形成による出芽不良と、透水性・
排水
水性の不良なほ場における湿害・生育不良の軽減を目的
に開
開発された技術で ロータリの両側に付加したサイドディス
開発された技術で、ロ
タリの両側に付加したサイドディス
クで小
小明渠を作溝しながら、浅耕同時播種を行います。
○適応ほ
ほ場条件等について・・・
・土が細
細かくなりやすく降雨後にクラストが発生しやすい、東海以西の土壌に特に
適した
た技術です。
・小明渠
渠を周囲明渠等の排水溝につなげて排水性を確保し、余剰な雨水を圃場外
に排出
出することが重要です
出することが重要です。
・基本的
的には農家所有のロータリ(ダウンカット)と播種機に、サイドディスク等の部
品をボ
ボルトで後付けして改造します。
・作業能
能率は農家所有のトラクタとロータリ幅に依存しますが、概ね30a/時間です。
(斜め前方より撮影)
・改造の
の適不適はロータリの機種に依存します。
★この他にも各地域等で開発さ
されている新技術があります。
☆耕起 整地作業や中耕倍土栽培を行わないこ
☆耕起・整地作業や中耕倍土栽培を行わないこ
ことから、作業の省力化を図ることができます。
○特徴
(播種断面図)
・耕起・整地作業を行わないので、土壌の乾燥を待たずに播
播種作業ができ
ます。
・耕起していない固いほ場を走行するため、効率的に播種作
作業を実施す
ることができます。
麦稈
覆土
・狭い畦幅(30cm)で大豆を播種・栽培するため、中耕・培土
狭い畦幅(30 )で大豆を播種 栽培するため 中耕 培土
土を必要とせず
省力的な栽培です。
大豆種子
生が防げます。
・ほ場面が平坦で堅く、コンバインによる収穫ロスや汚粒発生
播種後
除草剤
散 布
収穫
施肥
播種
防除
カオリン系土壌とは?
〈作業体型〉
し、乾燥するに
高土壌水分で耕うんしたり、耕うん後に降雨があると、透水性が低下し
播種前
排水
つれ土壌表面が硬化してクラスト(土膜)を形成し 大豆の発芽を著しく
つれ土壌表面が硬化してクラスト(土膜)を形成し、大豆の発芽を著しく
く低下させてし
除草剤
対策
まう土壌のこと。 全国にあるが、東海、近畿、中国、四国及び九州に特に多い。
散 布
☆お手持ちの中耕ロータリーの爪を交換するだ
だけで導入できます。
(爪模型)
○特徴
・麦収穫後のほ場でも、すぐに不耕起播種を行うことができま
ます。
・お手持ちのロータリー爪を交換するだけで部分耕、麦播種などの
各種条件に対応可能です。
③施肥溝(爪・赤)
(播種断面図)
①播種溝(爪・緑)
・3条植と6条密植に対応しています。(右記写真は6条用)
大豆種子
布を行う
・施肥・播種作業と同時に、オプションで殺虫剤や除草剤散布
ことも可能です。
ことも可能です
肥料
作業時
・肥効調節型肥料を用いた不耕起密植無培土栽培により、作
間を慣行より10a当たり0.75時間削減できることが実証され
れていま
す。
↑②亀裂溝(爪・青)
播種後
除草剤
散布
施肥
播種
中耕
培土
収穫
播種前
除草剤
散布
排水
対策
防除
〈作業体型〉
☆クラスト形成や排水不良による大豆の湿害を
を軽減し、発芽が安定します。
○特徴
・広畦表面の深さ5cm程度の浅耕により、前作物残さと土
壌が 適度に混和され、降雨後も空隙を確保するため、ク
ラストが生じにくくなり、出芽が安定します。
・浅耕部分にあった降雨は、小明渠により速やかに流出す
ることから、湿害が軽減され、出芽・苗立ちが安定します。
(播種断面図)
小明渠間隔 2m
耕うん前の
ほ場表面
・荒起こし作業を省略し、浅耕・施肥・播種・作溝作業を同
時に実施することから、播種作業前の降雨の影響を受け
にくく、省力化と作業の高能率化が図られます。
浅耕の耕深約 5cm
7cm
浅耕部分
種子
未耕部分
12cm
広畦部分
小明渠
〈作業体型〉
排水
対策
↑クラスト形成し発芽が抑制されています。
播種前
除草剤
散布
小明渠作溝・耕
うん・施肥・播種
播種後
除草剤
散布
通常の
管理
第39回(平成22年度)全国豆類経
経営改善共励会 大豆経営の部
農林水産大臣賞 「伊藤 仁 氏」
担い手不足の影響で耕作者がいなくなった他集落の農地
伊藤氏は、5ha程度の農地で営農を開始し、高齢化や担
を積極的に借り受け、規模拡大を図っています。工夫を凝
凝らした排水対策や適期防除 適期収穫等の基本技術を
凝らした排水対策や適期防除、適期収穫等の基本技術を
を積極的に借り受け 規模拡大を図 ています 工夫を凝
徹底することにより多収かつ高品質な生産を実現していま
ます。
●伊藤 仁 氏の概要●
主な品種名:フクユタカ
経営面積:19.40ha(うち大豆作面積 4.30ha)
単
収:269kg/10a
労働時間:6.25hr/10a
上位等級比率:91%
《 山口県山陽小野田市 》
第39回(平成22年度)全国豆類経
経営改善共励会 大豆集団の部
合法人 うもれ木の郷」
生産局長賞 「農事組合
(農)うもれ木の郷は徹底した排水対策を行うとともに、団地化による4年サイクルのブロックローテーションや耕
収の2倍以上の多収かつ高品質な生産を実現していま
起・播種の一環作業等を行うことにより、常に県平均単収
す。また、実需者のニーズの把握に努めるとともに、法人
人の女性組合員で組織する「四つ葉サークル」では、法
人で生産した大豆を使用した豆腐加工を行うなどの取組
組を行っています。
●(農)うもれ木の郷の概要●
主な品種名:サチユタカ
単
収:283kg/10a
労働時間:10.8hr/10a
経営面積:91.2ha(うち大豆作面積 10.3ha)
上位等級比率:81 9%
上位等級比率:81.9%
《 山口県阿武郡阿武町》
類経営改善共励会 大豆集団の部
平成22年度 中国四国ブロック豆類
うづと」
中国四国農政局長賞 「農事組合法人
「
らえ、稲-麦-大豆の2年3作のブロックローテーションの確
(農)うづとは、集落全体のほ場を一つの農場としてとら
大型機械化体系の確立を進めたことにより、地域の平
立に取り組むとともに、乾田不耕起密植栽培を取り入れ大
均以上の収量が確保されています。
●(農)うづとの概要●
主な品種名:サチユタカ
経営面積:24.8aa(うち大豆作面積 6.0ha)
単
収:205kg/10a
労働時間:20.85hr/10a
上位等級比率:77%
《 広島県世羅郡世羅町》
大豆の収量をUPするためには、排
排水対策等の基本技術が重要です!
このパンフレットに関するお問い合わせは・・・
中国四国農政局生産部生産振興課
話086−224−4511(内線2424、2422)
電話
「中国四国の大豆」HP http://www
w.maff.go.jp/chushi/seisan/daizu/index.html
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