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本人の「意思」を探り、それ に基づく支援のあり方
2014/11/5 世田谷区障害者ケアマネジメント研修 『知的障害の面接技術と対応方法』 本人の「意思」を探り、それ に基づく支援のあり方 社会福祉法人 東京都知的障害者育成会 世田谷区立障害者就労支援センターすきっぷ 上滝彦三郎 本人の「意思」を探り、それに基づく支 援のあり方 研修目的 考え方 対象 ・障害特性の理解(軽度∼中度知的障害) ↓ ・適切な対応のための知識・技術の習得 ①実践性1(対応頻度が高い・対応に困難が 伴うなど) ②実践性2(現場で即時に活用できる) ③実践性3(困難時の打開策) ・サービス提供事業者・相談支援事業者等 本人の「意思」を探り、それに基づく支 援のあり方 内容 「障害特性と障害理解」 ・知的障害総論 ・生涯発達の視点 ・自閉症スペクトラム ・軽度∼中度知的障害者(児)とは 「本人の『意思』を探り、それに基づく支援」 ・知的障害者(児)が理解しやすい 伝え方 ・自己(意思)決定支援 ・就労支援 ・生活支援の必要性 「エンパワーメントにつながる支援技術 と家族支援」 ・エンパワーメント ・伝わりやすいコミュニケーション 法と支援技術 ・障害受容 ・家族支援 「伝わりやすい面接技術とは」 ・ソーシャルワークの面接 ・聴くスキル ・面接の技術 ・質問法 本人の「意思」を探り、それに基づく支 援のあり方 受講希望と現場での悩みごと 知りたい (一部、抜粋) 困っている ・アプローチ方法、コミュニケーション方法 ・対応時の基本姿勢と配慮点 ・「イエスマン」になりがち ・本人に伝わる対応方法 ・なかなか伝わりにくい ・パニック時の対応法 ・家族支援 ・家族理解を得るための苦慮 ・モチベーションや集中力維持 ・拘り、固執、柔軟性の不足 ・自己決定支援と家族支援 ・周囲の期待と本人の希望の相違 本人の「意思」を探り、それに基づく支 援のあり方 受講希望と現場での悩みごと (一部、抜粋) 知りたい 困っている 経験の積 ・アプローチ方法、コミュニケーション方法 み重ね 即効性の ・対応時の基本姿勢と配慮点 ・「イエスマン」になりがち 諦めず 回答なし ・本人に伝わる対応方法 ・パニック時の対応法 ・家族支援 固定性の ・モチベーションや集中力維持 回答なし ・自己決定支援と家族支援 ・なかなか伝わりにくい 五感フル 稼働 ・家族理解を得るための苦慮 希望を ・拘り、固執、柔軟性の不足 知識の積 ・周囲の期待と本人の希望の相違 み重ね もって 本人の「意思」を探り、それに基づく支 援のあり方 本日の配布資料等 1.講義資料(A4:縦) 2.人生チャート図∼Aさんの場合∼(B4:横1枚) 3.冊子 「働く知的障害のある人387人のホンネ」 2014年3月31日 社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会 4.補足資料(A4:縦) 「就労障害者と加齢(高齢)について」 ■DVD 「すきっぷ(就労移行支援事業)紹介」2011年12月放映 「すきっぷOBが働く会社」2013年12月放映 本人の「意思」を探り、それに基づく支 援のあり方 育成会構図 全日本手をつな ぐ育成会 都道府県、政令都市等の 育成会(親の会) 区市町村、施設、学校等の 育成会(親の会) 2014年 全国手をつ なぐ育成会 連合体 本人の「意思」を探り、それに基づく支 援のあり方 「わかりにくい行動にはわけがある」 例えば・・・ 本人 仕事が終わってまっ すぐに帰らない 自分の仕事よりも、 周りの人の仕事が 気になる 就きたい業種にこだ わる 対応 「寄り道しないで帰り ましょう」 「自分の仕事に集中 しなくてはいけませ ん」 「もっと視野を広げ なくては損ですよ」 本人の「意思」を探り、それに基づく支 援のあり方 確認 総合支援法のなかでの「意思決定支援」 「障害者自立支援法」 「障害者総合支援法」 目的の改正 ○「自立」の代わりに、新たに、「基本的人権を享有する個人としての尊厳」を明記。 ○障害福祉サービスに係る給付に加え、地域生活支援事業による支援を明記し、 それらの支援を総合的に行うこととする。 基本理念の創設 ①基本的人権を享有する、個人としての尊厳の保障 ②共生社会の実現 ③身近な場所での支援 ④社会参加 ⑤どこで誰と生活するか選択保障 ⑥社会的障壁除去 本人の「意思」を探り、それに基づく支 援のあり方 確認 総合支援法のなかでの「意思決定支援」 配慮規定・検討規定 検討規定(附則第3条) ③障害者の意思決定支援の在り方 等について検討を加え、その結果に基づいて、所要の措置を講ずるものとする。 また、検討に当たっては、障害者等及びその家族その他の関係者の意見を反 映させるために必要な措置を講ずるものとする。 その他所要の整備 障害者(児)に対する意思決定支援 ○指定障害福祉サービス事業者、指定障害者支援施設等の設置者等は、 障害者の意思決定の支援に配慮するとともに、常にその立場に立って支 援を行うよう努めなければならないものとする。 ○指定障害児通所支援事業者、指定障害児入所施設等の設置者等は、障 害児及びその保護者の意思をできる限り尊重するとともに∼ 本人の「意思」を探り、それに基づく支 援のあり方 知的障害のある人を支援するあなたへ 1.あなたは本人の声を本当に聴いていますか 2.あなたは本人が自己決定していくことを支援するの であって、決して自分の思いが先になっていないの か常に確認していますか 3.あなたは、目の前の人がたとえ失敗しても一人の 人間として責任をとっていくことを支援していますか 4.あなたは、主役は本人であって、支援者№2であるこ とを自覚していますか 本人の「意思」を探り、それに基づく支 援のあり方 知的障害のある人を支援するあなたへ 1.あなたは本人の声を本当に聴いていますか 2.あなたは本人が自己決定していくことを支援するの であって、決して自分の思いが先になっていないの か常に確認していますか 3.あなたは、目の前の人がたとえ失敗しても一人の 人間として責任をとっていくことを支援していますか 素直に 4.あなたは、主役は本人であって、支援者№2であるこ 見直す とを自覚していますか 本人の「意思」を探り、それに基づく支 援のあり方 知的障害のある人を支援するあなたへ 働く喜び 「どうして働くのか」と問われた時に 働く喜び 実習先・就労先の決定 最善策が実は押し付け? 励まし ギャップ 本人の 気もち 就労先 決定 人間関係 職場内の人間関係・指示系統統一の弊害 生活支援 生活の希望と不安 そんな時には 生活 人間 支援 関係 励ましとギャップ なんとかして欲しい。けれど・・・ ・・本人座談会より・・ 本人の「意思」を探り、それに基づく支 援のあり方 知的障害のある人を支援するあなたへ ひとりよが りの支援 素直に 見直す チーム 支援 確認 の場 本人との意 識のずれ 本人の「意思」を探り、それに基づく支 援のあり方 知的障害のある人を支援するあなたへ 知的障害者の特徴・・成年後見に視点を置いて 高齢者 知的障害者 後見期間 ・比較的短期間 ・著しく長期間 後見計画の ベース ・認知症になる以前の生活様式を ベースとする ・年齢や本人の個性に応じたライフ スタイルをベースとする。→計画を 変更することが多い 後見の視点 ・心身の安全を図り、安定した環境 下で、最期まで見守る ・心身の安全を図るために、日中活 動の場、居住の場、余暇活動の場 等を考え、必要に応じて変更する 財産管理 ・介護に有効に使い、侵奪の防止を 図る ・福祉サービスを有効に使い、侵奪 防止を図る。財産を得る途も考える 身上監護 ・必要な介護を受け、安全・安心な 生活の維持ができているかどうかを 見守る ・身上監護の在り方は多岐に亘る。 本人の好み、ライフスタイルに応じ て変更することが多い 本人の「意思」を探り、それに基づく支 援のあり方 知的障害のある人を支援するあなたへ 知的障害者の特徴・・ライフステージに視点を置いて 親の重い想い 高校卒業 高校入学 青年期 自立を目指す 本人 小学校入学 ポイント 面談時に親子の力関係を見抜く視点 本人の「意思」を探り、それに基づく支 援のあり方 知的障害のある人を支援するあなたへ 知的障害者の特徴・・本人の周りに視点をおいて 家族 支援 機関 学校 本人 家族 本人 支援 機関 NG 支援機関 支援機関 ポイント 面談時に周囲の関係図を洗い出す視点 本人の「意思」を探り、それに基づく支 援のあり方 知的障害のある人を支援するあなたへ 知的障害者の特徴・・対峙する姿勢に視点をおいて 自信獲得 これまで自信を削がれる経験を重ねてきた 家族支援 本人の後ろに見え隠れする家族 通じない こんなにしてあげているのに何で通じないのか 繰り返し 同じことを丁寧に繰り返せば、自ずと入る 暗示法 できる、のびる、できる、のびる ポイント 本意にアプローチする視点 本人の「意思」を探り、それに基づく支 援のあり方 知的障害のある人を支援するあなたへ 知的障害者の特徴・・対峙する姿勢に視点をおいて 関係性 築くには時間がかかるが、崩れるのは瞬時 多角的見方 一方的な見方は避ける(疑心暗鬼は良いかも) 広角的視点 就労・生活・支援、広く見据えた支援 チーム支援 抱え込みの弊害 ホンネ 本音を引き出す ポイント 本音にアプローチする視点 本人の「意思」を探り、それに基づく支 援のあり方 知的障害のある人を支援するあなたへ 知的障害者の特徴・・支援計画はチームで多角的に 支援計画作成 支援 機関 福祉事 務所 (CW) 本人 家族 ポイント 支援 機関 複数が関わる視点 本人の「意思」を探り、それに基づく支 援のあり方 知的障害のある人を支援するあなたへ 知的障害者の特徴・・権利侵害を受け易いことに視点をおいて 自分を 護る力 彼らを護り、育 てる支援 ポイント 権利侵害を 受け易い 声をあげにくい 自分の現状に 気が付かない 自立補助・本人擁護の視点 事例 ○好・成功事例 ×失敗事例 ○事例1(相談室) ×事例2(相談室) ○事例3(相談室) 性別 女性 女性 女性 年齢 24 40 41 障害 知的4度 知的4度 知的4度 支援 開始 時 ・正社員希望 ・保護的就労 ・理想と現実のかい離 ・一般就労への希望 ・スピードを求められる作 業環境を応募 ・保護的就労 ・飛び出す勇気持てず← 不良時の戻り先を考える と不安 対応 ・正社員以外の道を 提案 ・応募内容が適していな いと説明→聞き入れても らえず ・本人、家族の思いをよく よく聞く ・面談の繰り返し 変化 結果 ・正社員に向けてチャ レンジ続ける→結果 を得られない ・契約社員にて就職 ・2週間の実習予定→1週 ・一般就労に至る 間に短縮。ミスマッチン グにより採用に至らず キー ワード ・経験積み重ね ・自己納得 ・マッチング ・不安の軽減 ・気持ちの盛り上げ 事例 ○好・成功事例 ×失敗事例 ○事例4(作業室) ○事例5(作業室) ○事例6(作業室) 性別 男性 女性 女性 年齢 35 25 19 障害 知的4度 知的4度(ボーダー) 知的3度 支援 開始 時 ・長い在宅生活 ・集団に馴染めない ・コミュニケーションに配 慮が必要 ・特別支援校から訓練の ため通所 ・具体性がないと行動が とりにくい 対応 ・作業室ゆっくり慣れ る提案 ・提供プログラムの積 み重ね ・集団時の行動様式が分 ・個別支援計画時の目標 からない不安→行動の取 設定 り方を伝える、繰り返す 変化 結果 ・前向きになり就労 チャレンジ ・就職 ・分からない、伝わらない ・設定目標の達成の積み 重ね→一般就労に至る ことが減る→ストレス減 少→安定 キー ワード ・集団生活経験 ・あわてず焦らず ・未経験からくる不適応 ・具体的目標 ・達成による自信感享受 事例 ○好・成功事例 ×失敗事例 ○事例7(作業室) ○事例8(作業室) ×事例9(作業室) 性別 女性 男性 女性 年齢 19 29 47 障害 知的4度・視覚 知的3度 知的3度・精神症状 支援 開始 時 ・体調不良による経験 ・就労希望 幅の狭さ ・行動に時間がかかるが 正確性高い 対応 ・体調考慮した支援 ・考慮した就労設定 ・正確性高いことを本人、 ・経験を重ねることで自 家族に伝え続ける 信再獲得を目指す 変化 結果 ・就労決定・就労安定 →自信感享受 ・本人、行動範囲が広が る(積極性)→母親が明 るく変化→相乗効果 ・環境変化により不安定 ・家族が就労に拘る キー ワード ・働くことによる自己 実現→自信 ・自信により行動力変化 ・見極め ・家族期待との不一致 ・保護的就労から一般へ チャレンジ→離職→作業 室 事例 ○好・成功事例 ×失敗事例 ○事例10(作業室) ×事例11(作業室) ○事例12(作業室) 性別 男性 男性 男性 年齢 16 20 18 障害 知的4度 知的4度 知的3度・精神症状 支援 開始 時 ・窃盗、万引等で少年 ・障害児教育なし 院送致・保護観察中 ・就労希望 ・拘り→家庭内暴力 ・就労希望 ・急激な変化はNG 対応 ・支援者、CWとの信 頼関係構築 ・環境設定→課題軽減 ・人的距離感の学び ・家庭との役割分担 ・見通しがつく、緩やかな 計画作成及び実行 変化 結果 ・実習経験積み重ね →就職 ・就職後、職場及び家庭 で問題行動。エスカレー ト ・実習で納得、満足、明 るい見通し→就職 キー ワード ・信頼感と自信 ・支援ネットワーク ・家族期待大 ・成育歴 ・本人に見合った支援計 画・マッチング 本人の「意思」を探り、それに基づく支 援のあり方 事例から見えてくる事がら 説明より実体験・実経験 経験 心の変化 周囲の変化 励ま し 自信 プラスの循環 ・・・・・・・・・・・ 周囲 変化 本人の「意思」を探り、それに基づく支 援のあり方 知的障害のある人を支援するあなたへ 総括 言葉の裏 側を探る 自己決定 支援 ポイント 権利擁護 本人らし い生き方 の実現 チーム 支援 ホントの幸せを支援する視点 2014/11/5 世田谷区障害者ケアマネジメント研修 『知的障害の面接技術と対応方法』 ご清聴いただき、 ありがとうござい ました。 社会福祉法人 東京都知的障害者育成会 世田谷区立障害者就労支援センターすきっぷ 上滝彦三郎