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はじめに
1
「知ること」
と
「考えること」
の結びつきを
大切にした授業づくり[保健編Ⅰ]
2
1.保健学習の授業について・
・
・
・
・2
2.保健学習のポイント・
・
・
・
・
・
・
・
・2
3.資料の見方・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
・
・
・
・4
小学校
3年生
小学校
4年生
小学校
5年生
小学校
6年生
中学校
3年生
毎日の生活と健康
(1)
単元の目標・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・6
(2)
指導と評価の計画 ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・6
(3)
本時に用いる内容の整理表・
・
・7
(4)
資料・指導方法 ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・7
(5)1時間の流れ・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
・
・
・8
<ワークシート例>・
・
・
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・
・
・
・
・
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・
・10
<板書計画>・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
・11
育ちゆく体とわたし
(1)
単元の目標・
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
・
・
・
・12
(2)
指導と評価の計画・
・
・
・
・
・
・
・
・
・12
(3)
本時に用いる内容の整理表 ・13
(4)
資料・指導方法・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・13
18
(5)1時間の流れ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・20
<ワークシート例>・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・22
<板書計画>・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・23
病気の予防
(1)
単元の目標・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
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・
・
・24
(2)
指導と評価の計画・
・
・
・
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・
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・
・
・24
(3)
本時に用いる内容の整理表 ・25
(4)
資料・指導方法・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・25
24
(5)1時間の流れ・
・
・
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・26
<ワークシート例>・
・
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・28
<板書計画>・
・
・
・
・
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・
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・
・
・29
健康な生活と疾病の予防
(1)
単元の目標・
・
・
・
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・
・30
(2)
指導と評価の計画・
・
・
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・
・30
(3)
本時に用いる内容の整理表 ・31
(4)
資料・指導方法・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・31
12
(5)1時間の流れ・
・
・
・
・
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・
・
・
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・
・
・14
<ワークシート例>・
・
・
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・
・16
<板書計画>・
・
・
・
・
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・
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・
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・
・
・
・17
けがの防止
(1)
単元の目標・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・18
(2)
指導と評価の計画・
・
・
・
・
・
・
・
・
・18
(3)
本時に用いる内容の整理表 ・19
(4)
資料・指導方法・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・19
6
30
(5)1時間の流れ・
・
・
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・
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・
・
・
・
・
・
・
・32
<ワークシート例>・
・
・
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・
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・
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・
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・
・34
<板書計画>・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
・
・
・
・
・
・31
は じ め に
中央教育審議会は子どもたちの教育の充実を図るために,7点の基本的な考え方を示しました。「①
改正教育基本法等を踏まえた学習指導要領の改訂」「②生きる力という理念の共有」「③基礎的・基本的
な知識・技能の習得」「④思考力・判断力・表現力等の育成」「⑤確かな学力を確立するために必要な授
業時数の確保」
「⑥学習意欲の向上や学習習慣の確立」「⑦豊かな心や健やかな体の育成のための指導の
充実」です。これは,これからの学校教育が知・徳・体のバランスがとれ,基礎的・基本的な知識・技
能,思考力・判断力・表現力等及び学習意欲を重視することが求められていることを意味しています。
保健に関するものについては「身近な生活における健康・安全に関する基礎的な内容を重視し,指導
内容を改善すること」「健康な生活を送る資質や能力の基礎を培う観点から,系統性のある指導ができ
るよう健康に関する内容を明確にすること」と示されました。このことを受けて,学習指導要領の体育
科・保健体育科の保健の分野にかかわる改訂が行われています。つまり,改訂のポイントとしては『内
容の改善・充実を図ったこと』『学校段階の接続を意識した系統性を図ったこと』です。新たに示され
た内容としては,小学校では,第3学年で「健康の状態」,第6学年で「様々な保健活動」などがあり
ます。中学校では,第3学年で「医薬品の有効利用」,「個人の健康を守る社会の取組み」などがありま
す。指導計画と内容の取扱いには保健の授業の「指導に当たっては,知識を活用する学習活動を取り入
れるなどの指導方法の工夫を行うこと」と示されました。これらのことは,これからの社会が知識基盤
社会となり,知識の習得とともに習得した知識を活用する学習活動を重視することの具体と抽象の往き
来がより一層求められていると考えられます。
さて,これからの保健の授業の在り方を考えた場合,まずは,今の子どもたちの実態と今後の社会の
状況を把握していくことが重要と考えられます。これからの社会では,自らの健康を管理し改善してい
くために必要な情報を収集し,自らの行動を選択していくことがより一層求められてきます。収集した
情報は,自分にとって都合のよいものばかりではありません。健康を損ねるものもあります。それがゆ
え,行動選択においてよりよいものは何かということを思考したり判断したりすることが問われます。
そのためにも,基礎的な正しい知識を習得しておくことが重要になってきます。
本資料の特徴として一つ目は,学習内容を整理して一覧にしたことです。つまり,子どもたちに指導
する学習内容を知識として明確化し,それを確実に定着させる学習活動を行うために,「内容の整理表」
を作成したことです。この整理表により,一単位時間で押さえておかなければならない用語やキーワー
ドを明確にすることができます。また,内容に関する原理や原則を明らかにすることができます。二つ
目としては,個人で考える場面,グループで検討する場面等において,思考する場面を展開例に取り入
れるようにしたことです。授業者の解説が中心となった,子どもにとって受け身的な授業のみに留まっ
ているのでは,学習内容の確実な定着を期待することが難しいと考えたからです。そして三つ目として
は,指導と評価の計画を表にしたことです。学習内容と評価とが連動されており,学習内容を身に付け
たかどうかを的確に評価できる可能性の高い評価規準の作成を試みています。
本資料を参考により多くの先生方に実践を積んでいただき,目の前にいる子どもたちのために改善を
重ねていってほしいと思います。
1
総
論
「知ること」と「考えること」の
結びつきを大切にした授業づくり
保健編 I
1.保健学習の授業について
保健学習の授業には,確実に学習内容を子どもたちに身に付けさせていくことが求められます。
ここで言う学習内容とは,学習指導要領及び解説の体育科保健領域,保健体育科保健分野に示され
た保健の学習としての原理や原則などです。
しかし,保健指導ではないかと思われる授業がいまだに見られるという実態があり,これは保健
学習と保健指導との違いが正しく理解されていないことに起因していると考えられます。少なくと
も,保健学習とは教科の学習であり,知識の習得やそれを活用する学習活動が主たるものとなりま
す。
一方,保健指導には,集団に対して行うものと,個人や小グループに対して行うものがあります。
集団に対して行うものには,学校行事や学級活動(ホームルーム活動)があり,特別活動として行
われます。大きく見ると,保健学習と保健指導との違いは,教科の学習なのかそれとも特別活動な
のかの違いがあります。教科の学習は,原理や原則の学習です。特別活動は,その目標として「実
践的な態度を育てる」ことを掲げていること,その内容として「健全な生活態度の育成に資する活
動を行うこと」
,その活動例として「心身ともに健康で安全な生活態度の形成」が示されているこ
とを踏まえると,日常生活において実践できるようにすることが求められていると言えます。
したがって,保健学習と保健指導は,目標とするものが異なっており,それぞれの目標に向かっ
て指導と評価を行うことが求められていると言えます。
2.保健学習のポイント
保健学習は,平成20年3月に告示された新学習指導要領において,小学校体育科保健領域,中学
校保健体育科保健分野のいずれにも「保健の指導に当たっては,知識を活用する学習活動を取り入
れるなどの指導方法の工夫を行うこと」が新たに示されました。保健における知識の習得,活用す
る学習活動とはどのような学習なのかを明確にしておくことが求められています。ここでいう知識
を活用する学習には,従来から言われてきている思考・判断を重視した学習活動があると考えられ
ます。自らの健康を適切に管理していくための資質や能力としての思考力や判断力を育成するには,
習得した知識を活用する学習活動が重要であると思われるのです。その方向性として一つは,保健
学習で学んだ抽象的な原理や原則としての知識を具体の事柄にあてはめるところに知識を活用する
学習活動が考えられます。もう一つは,逆に自らの経験や今までに身に付けた知識を活用する学習
活動によって,その内容の原理や原則を導く学習活動が考えられます。つまり,自らの経験や具体
2
的な事柄と抽象的な原理や原則の間を往き来することです。ただし,ここで留意しておかなければ
と」や「行動に移すこと」ではないということです。授業の中味として「これから自分ですること
の条件」などを思考させたり判断させたりすることです。
保健編Ⅰ
ならないことは,ここで用いている「活用」とは,習得した知識を実際の生活場面で「実践するこ
「知ること」と「考えること」の結びつきを大切にするためのポイントとしては次のようなもの
をあげることができます。
□育てる力を明確にする
小学校の保健領域にかかる学習指導要領の目標には,「健康な生活及び体の発育・発達について
理解できるようにし,身近な生活において健康で安全な生活を営む資質や能力を育てる。(3・4
年)
」
「心の健康,けがの防止及び病気の予防について理解できるようにし,健康で安全な生活を営
む資質や能力を育てる。(5・6年)」とあります。中学校保健分野の目標には,「個人生活におけ
る健康・安全に関する理解を通して,生涯を通じて自らの健康を適切に管理し,改善していく資質
や能力を育てる」とあります。つまり,保健の学習内容についての理解を通して,資質や能力を育
てることです。
現行の学習指導要領において積極的に実習などを取り入れる指導方法の工夫が求められたことに
より,簡単なけがの手当やロールプレイング等の実習が数多く取り入れられたのではないでしょう
か。しかし,実習をすることにとどまってしまい,実習をすればよいという誤解にもつながったの
ではないかと思われます。
保健領域や保健分野で育てる力とは,目標にあるように「理解を通して資質や能力」を育てるこ
とであり,学習すべき内容の理解を通して健康で安全な生活を営む資質や能力を育てることとなり
ます。
□何を教えなければならないかを整理する
保健領域・保健分野で教えるべき内容は,学習指導要領に示されているものです。また,配当時
間も限られています。何を教えなければならないのかを整理するには,学習指導要領及び解説を熟
読することです。そして,教えるべき原理や原則は何か,例示として示されているものは何か,指
導上の配慮事項は何か,取扱いの程度はどのくらいか(「理解できるようにする」なのか「触れる
ようにする」なのか)といったことを整理することが大切です。
そこで,本書では学習内容を整理し,より明確にするために「本時に用いる内容の整理表」欄を
設けました。この整理表【学習内容(きまり)―学習内容(きまり)にかかわる具体例―具体例や
方法に用いる用語】を作成することにより,何を教えなければならないのかをはっきりさせること
ができます。
3
3.資料の見方
授業提案は,小学校で4例,中学校で1例を取り上げました。
総
論
小学校3年生…毎日の生活と健康 「1日の生活の仕方」
4年生…育ちゆく体とわたし 「食事,運動,休養及び睡眠の大切さ」
5年生…けがの防止 「けがの発生」
6年生…病気の予防 「病原体がもとになって起こる病気を予防しよう」
中学校3年生…健康な生活と疾病の予防 「感染症の原因」
単元名 指導学年
(1)単元の目標
★「関心・意欲・態度」「思考・判断」「知
識・理解」の観点にもとづき,目標を設定
しています。
(3)本時に用いる内容の整理表
学習内容
学習内容
(きま 具体例や方法
(きまり)
り)にかかわる に用いる用語
具体例
・理解できる ・学習内容に ・学習内容を
(2)指導と評価の計画
ようにする本 かかわる要因 理解させる際
★「学習内容」と「評価」のつながりを明確
時の学習内容 や方法
にするために表形式で見やすくしました。
◇3観点で用いる実現状況の例
「関心・意欲・態度」
・進んで取り組もうとしている
「思考・判断」
・見つけている
・選んでいる
「知識・理解」
・言っている
・書き出している
に必要な押さ
・この具体例 えておきたい
を記述するこ 用語
とが指導内容 ・名称,事実
を明確にする など
ことにつなが
ります
★学習内容に関連する用語やきまりにかかわ
る具体例を明確にしました。
★本時の展開を考える際には,整理表を作成
することが大切です。指導すべき内容を表
★確実に内容が身に付いているかどうかが分
に整理することにより,教える内容が焦点
かる評価が必要であり,毎時間すべての観
化され「何を」教えるのかが明確になった
点について載せています。
学習活動が展開される可能性が高まります。
(4)資料・指導方法
★1時間の中ですべての観点を評価すること
は難しいので,特に重点的に扱いたいこと
だけを取り出します。
★学習活動を効果的に進めるために,本時で
取り扱う資料や指導方法を載せました。
★資料に関しては一般的なデータですので,
自校のデータに置き換えると,より実感が
わき子どもたちの思考活動を助けます。
4
(5)1時間の流れ
○教師の支援 ※評価
つまずきの例
★子どもたちの思考を重視した活動を取り入れ ★支援する内容としては,整 ★指導と評価の
保健編Ⅰ
学習内容及び活動
理表の「具体例や方法に用 一体化を図るた
ました。
各資料の一部(例)
小3:
〈1日の生活の仕方〉
6 曜日別の保健室来室者の表を見て考える。
「この表を見て気づいたことを何でも発
表しましょう。」
小4:
〈食事,運動,休養及び睡眠の大切さ〉
2−3 体のよりよい発育・発達と休養・睡
眠について考える。
「体のよりよい発育・発達にとって,睡
眠はなぜ必要なのでしょう。」
小5:
〈けがの発生〉
2 学校内で起こるけがの状況を知る。
「グラフから,けがはどんな場所で,ど
んな時間に起こっているのかを確認し
ましょう。
」
いる用語」に載っている内 めに,つまずき
容を中心としました。
の例を示しまし
た。
★グラフが読み取れない,パ
ーセントの意味が分からな ★児童の実態に
い児童には補足の説明をし よりつまずきの
ます。
例は異なってき
ます。
★教師の支援について整理表
に照らして判断すると取り
組みがしやすくなります。
★ 評 価 は「 指 導 と 評 価 の 計
画」と関連づけ,具体的な
場面を取り上げました。
小6:
〈病原体がもとになって起こる病気を
予防しよう〉
2 「ゆきこさんは,どうしてこんなに高い
熱が出たのでしょう?」
6 「これまでに分かったことをもとにして,
どうすればゆきこさんはインフルエン
ザにかからないですんだのか,予防の
方法を考えてみましょう。」
中3:
〈感染症の原因〉
3−1 「結核の「流行」や「減少」にはどん
なことが関係しているでしょうか。」
◇ワークシート例や板書計画について
ワークシートを活用することは,学習活動を活発にしたり促進したりするだけでなく教師にとっ
て一人一人の児童生徒が何を理解し,何を考えているのかを知る上でとても大切です。学習のねら
いが達成されているかどうかを把握するためにも欠かせないものです。また,板書計画を作成する
ことは,授業の内容や流れがとらえやすくなるだけでなく展開例を見ただけでは分かりにくいこと
でも,板書計画を見ることにより,その時間のねらいや活動について一目瞭然となります。
5
単元:
「毎日の生活と健康」
(小学校3年生)
(1)単元の目標
○健康の状態,1日の生活の仕方,身の回りの生活や生活環境について,話し合いなどに,意欲
小学校3年生
的に取り組もうとすることができるようにする。
【関心・意欲・態度】
○健康の状態,1日の生活の仕方,身の回りの清潔や生活環境について,課題を設定したり,適
切な解決方法を考えたり,判断したりすることができるようにする。
【思考・判断】
○毎日を健康に過ごすには,調和のとれた生活を続けること,体を清潔に保つこと,生活環境を
整えることなどが必要であることについて理解することができるようにする。 【知識・理解】
(2)指導と評価の計画
時
学習内容
〈健康な生活とわたし〉
関心・意欲・態度
思考・判断
知識・理解
心や体の調子がよい 主体の要因や周囲 主体の要因や周囲の環
心や体の調子がよいなど などの健康の状態に の環境の要因につ 境の要因が健康とかか
1 の健康の状態は,主体の ついて,話し合いな いて,資料などから, わっていることについ
要因や周囲の環境の要因 どに,進んで取り組 健康とのかかわり て,発表したり書いた
がかかわっていること。 もうとしている。
〈1日の生活の仕方〉
を予想している。
りしている。
1日の生活のリズム 食事,運動,休養 毎日を健康に過ごすに
2︵本時︶
毎日を健康に過ごすには,に合わせた生活につ 及び睡眠について,は,食事,運動,休養
食事,運動,休養及び睡 いて,話し合いなど 資料などから,健 及び睡眠の調和のとれ
眠の調和のとれた生活を に,進んで取り組も 康とのかかわりを た生活を続けることが
続けることが必要である うとしている。
予想している。
こと。
必要であることについ
て,ワークシートに書
いている。
〈体の清潔〉
3
体の清潔を保つこと 体の清潔を保つこ 体の清潔を保つことが
毎日を健康に過ごすには,について,実験など とについて,実験 必要であることについ
体の清潔を保つことが必 に進んで取り組もう などを通して予想 て,ワークシートなど
要であること。
〈環境を整える〉
としている。
している。
に書いている。
生活環境を整えるこ 生活環境を整える 生活環境を整えること
毎日を健康に過ごすには,とについて,話し合 ことについて,話 が必要であることにつ
4 明るさの調節,換気など いなどに進んで取り し合いなどをもと いて,ワークシートな
の生活環境を整えること 組もうとしている。 に見つけている。 どに書いている。
などが必要であること。
6
(3)本時に用いる内容の整理表
学習内容(きまり)
学習内容(きまり)にかかわる具体例
具体例や方法に用いる用語
毎日を健康に過ごす 健康には,食事,・食事は,3食しっかり ・朝食はしっかり食べる。
運動,休養及び
には,
食べる。
睡眠などの1日 ・好き嫌いせずに食べる。
②運動
③休養及び睡眠
の調和のとれた生活
・適度な運動
・1日30分以上運動する。
・十分な睡眠と休養をと ・休養
る。
・睡眠
・早寝早起き
を続けることが必要
毎日の生活と健康
の生活の仕方が ・適度な運動をする。
かかわっている。
①食事
・10時間は寝る。
であること。
(4)資料・指導方法
今回の学習では,毎日の生活を振り返って学習をしやすくするために朝,昼,夜の3枚の絵を使
用する。自分の生活の中で規則正しい生活ができた時とできなかった時の生活の様子を考え,振り
返ることによって,心や体の調子がよくなる生活の仕方を考えさせるため,以下の点に配慮して学
習を進めることにした。
・健康によい生活,悪い生活がはっきりと分かること
・自分の生活のどこを直せばよいのかが分かること
・もしかしたら,自分にも健康によい生活ができるかもしれないという気持ちがもてること
【資料1】ある学校の6月保健室来室者人数(内科的)
火
☹☹☹☹☹☹☹☹☹☹
(15)
☹☹☹☹☹
☹☹☹☹☹☹☹☹
水
☹☹☹☹☹☹☹☹☹☹
木
☹☹☹☹☹
金
☹☹
月
(8)
(10)
(5)
(2)
7
(5)1時
学習内容及び活動 (・予想される児童の反応)
1 「健康」とは,どういうことかについて前時の学習内容の確認をする。
健康とはどういうことだと思いますか?
・健康は,心や体の調子がよい状態を言う。
小学校3年生
2 担任から「スッキリ生活派」,「グッタリ生活派」の様子を聞き,自分はどちらにあてはまる
かを考える。
自分の生活が「スッキリ生活派」,「グッタリ生活派」のどちらにあてはまるかを考えてみまし
ょう。
3 「スッキリ生活派」,「グッタリ生活派」は,どのような1日を過ごしているのかを考える。
☆3つの絵を見て,自分の朝,昼,夜の生活の仕方を振り返り,ワークシートに記入する。
なぜ,
「スッキリ生活派」,「グッタリ生活派」なのかを朝,昼,夜に分けて,自分の生活を振
り返ってみましょう。
4 「スッキリ生活派」,「グッタリ生活派」それぞれワークシートに書いたことを発表する。
スッキリ生活派
8
グッタリ生活派
朝 朝ごはんを食べた。早く起きた。
朝ごはんを食べていない。朝寝坊した。
昼 外で体を動かして遊んだ。
おうちの中で遊んだ。
夜 9時前に寝た。
11時に寝た。
間
時
間の流れ
○教師の支援 ※評価
つまずきの例
○「健康とは,心や体の調子がよい状態である」ことを押さえる。
伝える。
活派」,「グッタリ生
スッキリ生活派
・気持ちよく目覚めた。
活派」どちらにあて
・学校では,学習も運動も頑張れた。
ない。
グッタリ生活派
毎日の生活と健康
○「スッキリ生活派」,「グッタリ生活派」の朝の様子や学校での様子を ・自分が「スッキリ生
はまるのか予想でき
・自分の生活を振り返
・お母さんに起こされて,なんか体が疲れている。
れない。
・頭がぼーっとして,勉強や運動にやる気が起きない。
○選択できない児童には,昨日や今日の生活を振り返り,自分の生活は,
どちらにあてはまるかを考えるように声かけする。
○朝,昼,夜の生活の様子について交互に発表させることで,「スッキ ・自分がどのような生
リ生活派」
,
「グッタリ生活派」を対比させ,違いを考えやすくする。
活を送っているのか
とらえることができ
ない。
9
5 生活リズムと,食事,運動,休養及び睡眠の関係について説明する。
健康には,食事,運動,休養及び睡眠などの1日の生活の仕方がかかわっている。
〈食事〉
食事は,3食しっかり食べる。
〈運動〉
適度な運動をする。
〈休養及び睡眠〉 十分な休養及び睡眠をとる。
小学校3年生
6 曜日別の保健室来室者の表を見て考え,学習の振り返りをする。
この表を見て気づいたことを何でも発表しましょう。
○ある学校の6月保健室来室者人数(内科的)
・月曜日に保健室に行く人が多い。
・日曜日に寝るのが遅いから,月曜日に具合
が悪くなる人が多い。
・月曜日は,寝坊して朝ごはんを食べられな
い人がいる。
今日の学習で分かったことをワークシートに書きましょう。
火
☹☹☹☹☹☹☹☹☹☹
☹☹☹☹☹
(15)
☹☹☹☹☹☹☹☹
水
☹☹☹☹☹☹☹☹☹☹
木
☹☹☹☹☹
金
☹☹
月
(8)
(10)
(5)
(2)
〈ワークシート例〉
毎日の生活と健康 ☆朝起きてから夜寝るまでの生活の様子を振り返ろう。
○ある学校の6月保健室来室者人数 左の表を見て気づいたこと
火
☹☹☹☹☹☹☹☹☹☹
☹☹☹☹☹
(15)
☹☹☹☹☹☹☹☹
水
☹☹☹☹☹☹☹☹☹☹
木
☹☹☹☹☹
金
☹☹
月
10
(8)
月曜日に保健室に来る子が多い理由はなんでしょ
うか?
(10)
(5)
(2)
☆学習してわかったことを書きましょう。
※食事,運動,休養及び睡眠について,資料をもとにして,健康とのか
かわりを予想している。
【思考・判断】
不良を訴えて保健室
使用する方法もある。
に来る児童が多いの
○生活のリズムが崩れやすい月曜日に気持ちが悪いなどの内科的な理由
で保健室に訪れる児童が多いことに気づかせ,食事,運動,休養及び
かを予想することが
毎日の生活と健康
○児童にとって身近な課題とするために,自校の保健室来室者の統計を ・なぜ,月曜日に体調
できない。
睡眠の生活の仕方がかかわっていることを当てはめて考えられるよう ・食事,運動,休養及
び睡眠の調和のとれ
にする。
た生活を続けること
※毎日を健康に過ごすには,食事,運動,休養及び睡眠の調和のとれた
が必要であることに
生活を続けることが必要であることについてワークシートに書いてい
ついての記述ができ
る。
ない。
【知識・理解】
※1日の生活のリズムに合わせた生活について,話し合いなどに,進ん
で取り組もうとしている。
【関心・意欲・態度】
〈板書計画〉
〈1日の生活の仕方〉
スッキリ生活
早くふとんに入った
グッタリ生活
寝るのがおそくな
った
スッキリ生活
朝ごはんを食べた
朝は,早く起きた
朝,起きるのがお 外で遊んだ
そかった
朝ごはんをしっかり 朝ごはんを食べら
食べた
れなかった
9時に寝た
友だちと運動した
月
運動をほとんどし
なかった
3食しっかり食べよう
☆ 10時間は寝よう
☆ 30分以上は運動しよう
グッタリ生活
朝食を食べない
運動していない
11時に寝た
火
☹☹☹☹☹☹☹☹☹☹
☹☹☹☹☹
(15)
☹☹☹☹☹☹☹☹
水
☹☹☹☹☹☹☹☹☹☹
木
☹☹☹☹☹
金
☹☹
(8)
(10)
(5)
保健室来室者の表 (2)
11
単元:
「育ちゆく体とわたし」
(小学校4年生)
(1)単元の目標
○体の発育・発達について,資料などを用いた話し合いに,意欲的に取り組もうとすることがで
きるようにする。
【関心・意欲・態度】
○体の発育・発達について,自分の経験やグラフ等の資料をもとにして,考え判断することがで
きるようにする。
【思考・判断】
○体の発育・発達には,個人差があること,思春期になると心と体の変化が起こること,調和の
とれた食事,適切な運動,休養及び睡眠が必要であることについて理解することができるよう
にする。
【知識・理解】
小学校4年生
(2)指導と評価の計画
時
学習内容
関心・意欲・態度
思考・判断
知識・理解
〈体の発育・発達〉
体は,年齢にともなって
1 変 化 す る こ と。 体 の 発
育・発達には,個人差が
あること。
体の発育の仕方や
体の個人差につい
て,話し合いなど
に進んで取り組も
うとしている。
体の発育の仕方や体
の個人差について,
身長の伸び方の資料
をもとに見つけてい
る。
体は,年齢にともなっ
て変化すること,体の
変化には,個人差があ
ることについて,言っ
たり書いたりしている。
〈思春期の体つきの変化〉
体は,思春期になると次
2 第に大人の体に近づき,
体つきが変わること。
思春期の体つきの
変化について,人
に聞くなど,進ん
で取り組もうとし
ている。
思春期の体つきの変
化について,資料や
人から聞いた話をも
とに,その特徴を見
つけている。
思春期には,人によっ
て違いはあるが,男女
の特徴が現れることに
ついて,言ったり書い
たりしている。
〈思春期の体の中で起こる変化〉 思春期の体の中で 思春期の体の中で起 思春期には,初経,精
体は,思春期になると次第 起こる変化につい こる変化について, 通,変声,発毛などが
に大人の体に近づき,初経 て,人に聞くなど,資料や人から聞いた 起こり,また異性への
3
や精通などが起こったりす 進んで取り組もう ことをもとに,その 関心も芽生えることに
特徴を見つけている。ついて,言ったり書い
ること。また,異性への関 としている。
心が芽生えること。
4︵本時︶
12
〈食事,運動,休養及び睡眠の大切さ〉 体 の よ り よ い 発 体のよりよい発育・
体をよりよく発育・発達 育・発達について,発達について,資料
させるには,調和のとれ 資料をもとに自分 や自分の生活などを
た食事,適切な運動,休 の生活を見直す学 もとに,よい点や改
たりしている。
調和のとれた食事,適
切な運動,休養及び睡
眠が必要であることに
ついて,言ったり書い
養及び睡眠が必要である 習に進んで取り組 善点について見つけ たりしている。
もうとしている。 ている。
こと。
(3)本時に用いる内容の整理表
学習内容(きまり)
学習内容(きまり)にかかわる具体例
具体例や方法に用いる用語
体をよりよく発育・ 体をよりよく発育・発達させるには,
発達させるには,
・調和のとれた食事をとること。
①調和のとれた食事
②適切な運動
・調和のとれた食事
・体を発育・発達させるには,次のものを ・たん白質
摂取する必要があること。
・カルシウム
体をつくるもとになるたん白質 不足しが
③休養及び睡眠
・ビタミン
ちなカルシウム 不可欠なビタミン
が必要であること。
・運動は適切に行うことにより,体が丈夫 ・適切な運動
・1日30分以上の運動
になること。
・運動をすると体の発育・発達によいこと
として次のものがある。
・いろいろな動きができるようになる。
心臓や肺の働きが高まる。
・休養及び睡眠は,量を考えて適切にとる ・適切な休養及び睡眠
・体をよりよく発育・発達さ
こと。
・睡眠は,寝る時刻を意識すること。
育ちゆく体とわたし
骨が太く丈夫になる。
せるもの(成長ホルモン)
・21時から22時の間の就寝
(4)資料・指導方法
①インタビュー活動 思春期の体の変化について学習を進めるためには,保護者や家族,教職員
など身近な人の気持ちなどについてインタビューする活動もよい。体の発育・
発達には個人差があることや誰でも経験する変化であることを理解させる。
②グラフや表の活用 学習内容を確実に理解させていくためにグラフや表を活用する。視覚的に
考えさせていくことで思考が深まり,説得力のある話し合いや説明を行うこ
とができるようになる。
【資料1】 平成18年都内小学校4年生保護者への調査結果→「1時間の流れ」における,体のより
よい発育・発達と食事の関係について
考える場面で使用する。
【資料2】
睡眠と成長ホルモンの関係を表したグラフ →「1時間の流れ」における,体のより
よい発育・発達と睡眠の関係について
考える場面で使用する。
③生活チェックの活用 保健学習の発展として,学習したことを毎日の生活に生かしていけるよ
うな生活点検が考えられる。その中に保護者欄を設けると,家庭での意識
を高めるのに効果的である。
13
(5)1時
学習内容及び活動 (・予想される児童の反応)
1 前時の復習をする。
2 自分の体のよりよい発育・発達に必要なことを考える。
自分の体をよりよく発育・発達させていくために,必要なことは何でしょう。
・ごはんを食べること ・運動すること ・寝ること ・好き嫌いしないで食べること
2−1 体のよりよい発育・発達と食事の関係について考える。
体のよりよい発育・発達にとって,食事はなぜ必要なのでしょう。
☆給食の献立について考え,給食には次のような栄養素が含まれていることを理解する。
小学校4年生
栄養素の役割は体をつくり,動かすこと。
・たん白質(体をつくる:筋肉) ・カルシウム(体をつくる:骨)
・ビタミン (体を調整する)
☆毎日の食事の工夫について知る。
2−2 体のよりよい発育・発達と運動の関係について考える。
体のよりよい発育・発達にとって,運動はなぜ必要なのでしょう。
☆ペットボトルに砂をつめた骨密度の教具を使い,運動すると骨が丈夫になることを体感する。
☆運動を適切に行うことにより,体が丈夫になることを理解する。
運動を適切に続けると体は丈夫になる。
・骨の密度が高くなり丈夫になる。 ・いろいろな動きができるようになる。
・心臓や肺の働きが高まる。
☆運動することで食欲が出たり,ぐっすり眠れたりするなど,生活のリズムがよくなることを理
解する。
14
間
時
間の流れ
○教師の支援 ※評価
つまずきの例
○体は年齢にともなって変化すること,体の発育・発達には個人差があ
ることを押さえる。
○3年で学習した,健康の保持増進には1日の生活のリズムに合わせて,
食事,運動,休養及び睡眠が必要であることを思い出させる。
・バランスよく食べてもらうための工夫。
育ちゆく体とわたし
○給食では,多様な食品が使われていることに気づかせる。
○栄養素を理解しやすくするために,具体的な食材を提示する。
○栄養素を多くとること(1日30品目)やバランスが大事であり,調和
のとれた食事につながることを押さえる。
【資料1】
○骨の密度の様子がわかる教具を用意し,体験を通して理解ができるよ
うにする。
○運動の時間の目安は,30分以上であることを伝える。この時間は,20
分休みや昼休みの時間を使うことで補えることを押さえる。
・補足説明として,運動が神経の発育,発達を促進させることを伝えて
もよい。
15
2−3 体のよりよい発育・発達と休養及び睡眠の関係について考える。
体のよりよい発育・発達にとって,睡眠はなぜ必要なのでしょう。
☆人が睡眠をとる理由を考える。
・眠くなるから ・疲れをとるため ・体を大きくするため
☆体をよりよく発育・発達させるもの(成長ホルモン)の分泌時刻のグラフから,寝る時刻は何
時頃がよいのか考える。
☆休養及び睡眠では,量が大事ということを理解する。
適度な休養及び睡眠をとる。
・体をよりよく発育・発達させるもの(成長ホルモン)の出る時刻は決まっている。
21時から22時の間に,多く分泌され始めるので,この時刻までに寝られるようにす
るとよい。
小学校4年生
3 今日の学習を振り返る。
これから紹介する A さんの生活の様子について,よいと思うところや悪いと思うところを,
理由も合わせて書いてみよう。
☆今日の学習で学んだことから,よい点や改善点をまとめ,ワークシートに記入する。
〈ワークシート例〉
育ちゆく体とわたし
1.食事,運動,休養・すいみんにとって大切なことは?
食事
運動
休養・すいみん
2.A さんの生活について考えよう。よいところや悪いところを理由も合わせて書いてみよう。
16
○睡眠中に体をよりよく発育・発達させるものが,体の中でつくられて
いることを押さえる。
・グラフの読み取り方
○体をよりよく発育・発達させるもの(成長ホルモン)の分泌時刻のグ が分からない。
ラフを用意する。
【資料2】
育ちゆく体とわたし
・補足説明として,休養及び睡眠は体の発育や細胞の修復,新生を促進
させることを伝えてもよい。
※体をよりよく発育・発達させるには,調和のとれた食事,適切な運動,
休養及び睡眠が必要であることについて,言ったり書き出したりして
いる。
【知識・理解】
※体のよりよい発育・発達について,資料をもとに自分の生活を見直す
学習に進んで取り組もうとしている。
【関心・意欲・態度】
※体のよりよい発育・発達について,資料や自分の生活などをもとによ
い点や改善点について見つけている。
【思考・判断】
〈板書計画〉
〈食事,運動,休養及び睡眠の大切さ〉
食事は体をつくる大切な材料
たんぱくしつ
保護者の思い
睡眠は寝た時間より寝る時刻
カルシウム
ビタミン
運動は体をじょうぶにする
17
単元:
「けがの防止」
(小学校5年生)
(1)単元の目標
○交通事故や身の回りの生活の危険が原因となって起こるけがの防止,けがの簡単な手当てにつ
いて,資料などをもとにした話し合いに,意欲的に取り組もうとすることができるようにする。
【関心・意欲・態度】
○交通事故や身の回りの生活の危険が原因となって起こるけがの防止,けがの簡単な手当てにつ
いて,自分の生活の振り返りなどをもとに,考えることができるようにする。 【思考・判断】
○交通事故や身の回りの生活の危険が原因となって起こるけがの防止,簡単な手当てについて,
理解することができるようにする。
【知識・理解】
(2)指導と評価の計画
1︵本時︶
時
小学校5年生
18
学習内容
関心・意欲・態度
けがの原因につい
〈けがの発生〉
けがの原因は,人の行動と て,資料などをも
環境がかかわっていること。とにした話し合い
に進んで取り組も
うとしている。
思考・判断
知識・理解
けがの原因につい けがの原因は,人の行
て, 環 境 と 人 の 動と環境がかかわって
行動に分類したり,起こることについて,
防止の方法を見つ 具体例を書いている。
けたりしている。
〈身の回りの生活の危険が
原因となって起こるけがと
その防止〉
けがの防止には,周囲の危
2
険に気づくこと,的確な判
断のもとに安全に行動する
こと,環境を安全に整える
こと。
身の回りのけがの
防止について,調
べたり話し合った
りする活動に進ん
で取り組もうとし
ている。
身の回りのけがの
防止について,学
校や地域にある危
険をさける方法を
見つけている。
けがの防止には,周囲
の状況をよく見極め,
危険に早く気づく,的
確な判断のもとに安全
に行動することについ
て,具体例を書いてい
る。
〈交通事故の原因とその防
止〉
交通事故には,人の行動と
環境がかかわっている。
3 交通事故の防止には,周囲
の危険に気づくこと,的確
な判断のもとに安全に行動
すること,環境を安全に整
えること。
交通事故の原因と
防止について,調
べたり話し合った
りする活動に進ん
で取り組もうとし
ている。
交通事故の原因と
防止について,道
路にある危険をも
とにして,交通事
故を防ぐ方法を見
つけている。
交通事故には,人の行
動と環境がかかわって
いること,交通事故の
防止には,周囲の危険
に気づき的確な判断の
もとに安全に行動し環
境を安全に整えること
について,具体例を書
いている。
〈けがの手当て〉
けがをしたときには,速やか
に手当てをすることがある。
自分でできる簡単な手当て
4
には,傷口を清潔にするこ
と,圧迫して出血を止める
こと,患部を冷やすこと。
けがの手当ての方
法について,資料
などをもとにした
話し合いに進んで
取り組もうとして
いる。
けがの手当ての方
法について,けが
の種類・程度など
による手当てを選
んでいる。
けがをしたときは速や
かに手当てをすること,
けがの手当てには傷口
を清潔にすること,圧
迫して出血を止めるこ
と,患部を冷やすこと
などについて,書いて
いる。
(3)本時に用いる内容の整理表
学習内容(きまり)
学習内容(きまり)にかかわる具体例
具体例や方法に用いる用語
けがの原因は,
学校生活での ・
「人の行動」には,人が ・けがの原因
①人の行動
事故が原因と 入り交じったり,ボールが ・人の行動
②環境
なって起こる 飛んだりする運動場での運 ・けがの防止
がかかわっているこ け が は,「 人 動の行い方や遊び方に,気 ・運動の行い方
の 行 動 」 と づくことや判断することが ・遊び方
と。
「 環 境 」 が か ある。
かわって発生 ・
「環境」には,危険な場 ・環境
している。
所の点検によって,安全な ・安全に整える
環境をつくることがある。
(4)資料・指導方法
○授業で使用する資料
【資料1】黒板掲示用
各学校のけがの状況をグラフに表したものが
あると子どもたちに関心をもたせるにはよい。
のデータ(日本スポーツ振興センター.2004
年)などを抜粋して使用してもよい。
大日本図書「新版 たのしい保健5・6年」p.4
けがの防止
「たのしい保健5・6年(大日本図書 p. 4)」
ここでは,けがの場所や時間を覚えるのでは
なく,けがの状況から自分たちがけがをした時
の様子を考えさせたい。
【資料2】教科書を使用(拡大して黒板に掲示してもよい)
教科書 p. 2- 3の絵図は,導入で使用するこ
ともできるが,本時では授業のまとめにおいて
使用する。今回の計画では,自分の経験からけ
がの原因を考えさせるので,授業の導入では教
科書を見せないで進めたい。
大日本図書「新版 たのしい保健5・6年」p.2-3
19
(5)1時
学習内容及び活動 (・予想される児童の反応)
1 本時の課題を知る。
☆本時では,学校における様々な危険を発見することを通し,けがを防止する方法について考え
ることを知る。
2 学校内で起こるけがの状況を知る。
グラフから,けがはどんな場所で,どんな時間に起こっているかを確認しましょう。
・校庭が多い。
・休み時間や体育の時間も多い。
けがは,休み時間が多いことが分かりました。また,場所は校庭が多いことが分かりました。
3 けがの原因は,「行動」と「環境」であることが分かる。
今度は自分がけがをした時のことを思い出してください。けがをしたのはなぜですか。
☆それぞれが発表し,フラッシュカードに書き,黒板に掲示する。
・ふざけていた。 ・ルールを守らなかった。 ・周りが見えていなかった。
小学校5年生
・夢中になっていた。 ・じゃりがあって,すべって転んだ。
・段差があって,つまずいた。 ・校庭が狭いので,ぶつかった。
出てきたものを2つのグループに分けて欲しいと思います。どのように分けられますか。ワー
クシートに分けてみましょう。
☆それぞれがワークシートに分ける。
・ふざけていた。
・じゃりがあった。
・ルールを守らなかった。
・段差があった。
・周りが見えていなかった。
・校庭が狭い。
・夢中になっていた。
・すべって転んだ。
・つまずいた。
今の分類から,けがはどのようなことが原因で起こるのですか。
自分のこと(行動)
20
周りのこと(環境)
間
時
間の流れ
○教師の支援 ※評価
つまずきの例
○グラフについては,各学校のデータを使うと児童が「自分たちのこ
と」と受けとめやすくなるが,教科書 p. 4でも可能。
○円グラフについては,5年生の算数で学習してあるが,グラフが読み ・円グラフを読み取れ
取れない,パーセントの意味が分からない児童には補足の説明をする。 ない。
○ここではグラフについて考えることが学習の中心ではないので,時間 ・パーセントの意味が
をあまりかけず,けがは休み時間に,校庭で多いことを理解させるよ
分からない。
うにする。
※けがの原因について,資料などをもとにした話し合いに,進んで取り
組もうとしている。
【関心・意欲・態度】
○思いつかない児童に対しては,自分がけがをした時のことや友達がけ ・けがをした理由が思
がをした時の状況を思い出させるようにする。
いつかない。
○「たまたま」と答える児童に対しては,「たまたまというのは,どう ・ け が を し た 理 由 を
「たまたま」と答える。
にする。
○分類することを通して,「行動」と「環境」という2つの要因に気づ ・2つに分ける分け方
けがの防止
いうこと?」と教師の追発問により児童の考える理由を引き出すよう
が分からない。
かせるようにする。
○最初はヒントなしで取り組ませる。
○ヒントとして「ふざけていた」のは誰? 「ルールを守らなかった」
のは誰? というように,人に注目させる。「じゃりで……」「段差が
あって……」は,人の行動には入らないので,別のグループになる,
ということを知らせる。
※けがの原因について,「人の行動」と「環境」に分類している。
【思考・判断】
※けがの原因は,「人の行動」と「環境」がかかわって起こることにつ
いて,具体例を書いている。
【知識・理解】
21
4 けがを防ぐ方法を考える。
学校内でのけがを防ぐには,どうしたらよいでしょうか。「∼ない」という言い方を使わない
でワークシートに書いてみましょう。
5 教科書の挿絵をもとに本時の学習を振り返る。
教科書 p. 2―3の中で,この後にどんなことが起こるかを予想し,どうしたら防げるか考え
てみましょう。
☆教科書を見ながら発表する。
〈ワークシート例〉
けがの防止
1.黒板に出てきた「けがの原因」を2つに分けてみましょう。
小学校5年生
自分のこと(行動)
周りのこと(環境)
2.けがを防ぐにはどうしたらよいでしょうか。自分のこと(人の行動)を中心に「∼ない」
という言い方を使わないで答えましょう。
人の行動 防止するためには
・ → ・ → ・ → ・ → ・ → 22
※けがの原因について,防止の方法を見つけている。
【思考・判断】
〈板書計画〉
発表をフラッシュ カードに書いていく
〈けがの防止〉
○けがをしたのはどんな時?
○けがを防ぐには?
人の行動
○小学校のけがの状況
○2つのグループに分けてみよう
→
けがの防止
→
→
けがは,休み時間に
校庭で多い
→
↓
↓
自分
まわり
(人の行動)
(周りの環境)
各学校のデータを
フラッシュカードを2
使うのが望ましい
つのグループに分ける
けがの例を出し,「∼ない」と
いう言葉を使わないで,けが
を防止する方法を考える
23
単元:
「病気の予防」
(小学校6年生)
(1)単元の目標
○病気の予防について関心をもち,意欲的に学習に取り組もうとすることができるようにする。
【関心・意欲・態度】
○病気の予防について,話し合いをもとに考えることができるようにする。
【思考・判断】
○病気の起こり方とその予防について,理解することができるようにする。
【知識・理解】
(2)指導と評価の計画
時
学習内容
関心・意欲・態度
思考・判断
知識・理解
〈病気の起こり方を知ろう〉 病気の起こり方につ 病気の起こり方 病気の起こり方につい
病気は,病原体,体の抵抗 いて,友達と意見を について,病気 て,言ったり書き出し
1 力,生活行動,環境などが 出し合う話し合いに,を防ぐことにつ たりしている。
かかわり合って起こること。進んで取り組もうと ながる生活の仕
している。
方を選んでいる。
〈病原体がもとになって起 病原体がもとになっ 病原体がもとに 病原体がもとになって
2︵本時︶
こる病気を予防しよう〉
て起こる病気の予防 なって起こる病 起こる病気の予防には,
病原体がもとになって起こ について,友達と意 気の予防につい 病原体が体に入るのを
る病気の予防には,病原体 見を出し合う話し合 て,資料や話し 防ぐことがあることに
が体に入るのを防ぐこと。 いに,進んで取り組 合いをもとに予 ついて,具体例を挙げ
もうとしている。
小学校6年生
〈体の抵抗力をつけよう〉
想している。
ている。
病原体がもとになっ 病原体がもとに 病原体がもとになって
病原体がもとになって起こ て起こる病気の予防 なって起こる病 起こる病気の予防には,
3
る病気の予防には,体の抵 について,友達と意 気の予防につい 体の抵抗力を高めるこ
抗力を高めること。
見を出し合う話し合 て,資料や話し とがあることについて,
いに,進んで取り組 合いをもとに予 言ったり書き出したり
もうとしている。
24
想している。
している。
4 〈生活の仕方によって起こる病気1〉
(略)
(略)
(略)
5 〈生活の仕方によって起こる病気2〉
(略)
(略)
(略)
6 〈たばこの害から身を守ろう〉
(略)
(略)
(略)
7 〈酒の害から身を守ろう〉
(略)
(略)
(略)
8 〈薬物乱用の害から身を守ろう〉
(略)
(略)
(略)
(3)本時に用いる内容の整理表
学習内容(きまり)
学習内容(きまり)にかかわる具体例
具体例や方法に用いる用語
病原体がもとになっ ・インフルエンザは,インフルエンザウイ ・インフルエンザ
て起こる病気の予防
ルス(病原体)が原因で起こる病気であ ・インフルエンザウイルス
には,病原体が体に
ること。
(病原体)
入るのを防ぐこと。 ・インフルエンザは,病原体(インフルエ ・咳,くしゃみ
ンザウイルス)が体に入り,数が増える ・空気中
と発病すること。
・鼻や口から体内へ
・インフルエンザの予防には,病原体が体 ・マスク,うがい
に入ることを防ぐこと。
・人混みを避ける
・病原体のありそうなところに近づかない。・道筋を断ち切る
・道筋を断ち切る。
(4)資料・指導方法
○授業で使用する資料
【資料1】
物語(後出参照)
・お話を通して,病原体が体に入ると発病することに気づかせたい。
【資料2】
イラスト
病気の予防
25
(5)1時
学習内容及び活動 (・予想される児童の反応)
1.これから,あるお話をします。よく聞いてください。
2.ゆきこさんは,どうしてこんなに高い熱が出たのでしょう?
・寝不足で遊んだから。 ・寒かったから。 ・遊びすぎたから。
・近くに咳をしていたり,くしゃみをしている人がいたから。
・風邪をひいたから。
・熱を出させる何かが体に入った? ・ウイルス?
3.ウイルスが体に入ると,熱が発生します。どの場面でウイルスは体の中に入ったのでしょ
う?
・満員電車の中。 ・乗り物を待っている時。 ・家に帰って,うがいをしないで寝ちゃった時。
4.みんなが知っている,すごく高い熱の出る病気って?
・インフルエンザ
5.インフルエンザは,「ウイルス」が体内に入り,数が増えることで発病します。
ここで,続きの話を聞いてください。
インフルエンザウイルス(病原体)が原因で起こる。
病原体の数が増えると発病する。
6.ゆきこさんは,インフルエンザにかかったんだね。
では,これまでに分かったことをもとにして,どうすればゆきこさんはインフルエンザに
小学校6年生
かからないですんだのか,予防の方法を考えてみましょう。
・満員電車に乗らなければよかった。 ・時間をずらせばよかった。 ・行かなければよかった。
・マスクをして出かければよかった。 ・予防接種を受けておけばよかった。
・前の日に,ちゃんと寝てればよかった。 ・電車の窓を開ければよかった。
・帰ってきてから,うがい,手洗いをすればよかった。
7.いろいろな予防の方法が出てきたけど,これらをグループ分けしてみましょう。
・満員電車,時間をずらす,行かない
→病原体のありそうなところに近づかない
・マスク,うがい,手洗い→道筋を断ち切る
・予防接種,寝不足→抵抗力(次時扱う)
・換気→?
26
インフルエンザを予防するには
病原体が体の中に入るのを防ぐ。
間
時
間の流れ
○教師の支援 ※評価
つまずきの例
○病原体(ウイルス)が原因であることを押さえる。
○感染経路(ウイルスが咳やくしゃみで空気中へ→鼻や口→体内)を押
さえる。
○発生源,感染経路,うつる側の状態にそれぞれ着目させグループで話 ・分け方が分からない。
・話し合いに参加でき
し合わせる。
んで取り組もうとしている。
【関心・意欲・態度】
○「道筋を断ち切ること」,「発生源(病原体のありそうなところ)に近
ない。
病気の予防
※インフルエンザの予防について,友達と意見を出し合う話し合いに進
づかないこと」を押さえる。
※インフルエンザの予防について,資料や話し合いをもとに予想してい
る。
【思考・判断】
→予防接種については,次時で扱うようにする。
○病原体がもとになって起こる病気の予防には,「発生源(病原体のあ
りそうなところ)に近づかないこと」,「道筋を断ち切ること」をワー
クシートを使ってまとめさせる。
※病原体がもとになって起こる病気の予防には,病原体が体に入るのを
防ぐことがあることについて,具体例を挙げている。 【知識・理解】
27
〈ワークシート例〉
2.病原体がもとになって起こる病気を予防しよう
組 番 名前
1.ゆきこさんは,どうすればインフルエンザにかからないですんだのでしょう。
予防の方法を考えてみましょう。
2.いろいろな予防の方法が出てきました。これらをグループ分けしてみましょう。
病原体に近づかない
道筋を断ち切る
小学校6年生
3.インフルエンザはどのようにして起こるのかをまとめましょう。
(1)インフルエンザの原因となる( )が,せきやくしゃみで空気中に出る。
(2)それが( )や( )から体にはいる。
(3)体の中で( )が数を増やすことで発病する。
4.今日の学習で分かったことはなんですか?
28
【資料1】物語
1月最後の日曜日のこと。
ゆきこさんは,家族で遊園地に行きました。
楽しみにしていたので,昨日の夜は,なかなか眠れませんでした。
朝早く家を出たのですが,遊びに行く人が多かったようで,電車は満員。
窓も閉め切ったままで,とっても息苦しい感じがしました。
近くでは,せき込んでいる人もいました。
約1時間,遊園地まで満員電車の旅でした。
ゆきこさんが遊園地に着くと,たくさんの人が来ていました。
また,1月の末でしたから,冷たい風も吹いていて,とても寒い日でした。
でも,ずっと行きたかった遊園地だったので,
乗りたいジェットコースターに,1時間待ちして乗ったり,
できたばかりのアトラクションに,並んだりしました。
並んでいた人の中には,くしゃみをしている人もいました。
ゆきこさんは,日が暮れるまで,存分に楽しい時間を過ごしてくることができました。
家に帰ってきたゆきこさんは,
はしゃぎすぎたせいか,疲れてしまい,
夕飯も食べず,お風呂も入らず,すぐに布団に入り,寝てしまいました。
あれから,4日後。
ゆきこさんの様子がおかしいのです。
「あれ? 体がだるいな。ぞくぞくしてきた…。
」
ゆきこさんは,夜になるとなんだか熱っぽかったので,熱を測りました。
その高熱は,次の日も下がりませんでした。
〈続きの話〉
その後も,熱はなかなか下がらず,
病院に行ったら,インフルエンザと分かり,
結局1週間学校を休んでしまいました。
〈板書計画〉
〈病原体がもとになって起こる病気を予防しよう〉
(例)インフルエンザウイルス → せき・くしゃみ → 鼻・口 → ウイルス増加 → 発病
病気の予防
○病原体が体に入る道筋と病気の起こり方
○インフルエンザの予防
・マスクをする
︱
・人混みをさける 病原体が体に入るのを防ぐことが大切!
︱
・うがいをする
29
(エ 感染症の予防)
単元:
「健康な生活と疾病の予防」
(中学校3年生)
(1)単元の目標
○感染症の予防について,自分の経験や資料,仲間との意見交換などをもとに,話し合う活動に,
意欲的に取り組もうとすることができるようにする。
【関心・意欲・態度】
○感染症の予防について,自分の経験や資料,仲間との意見交換などをもとに,考えることがで
きるようにする。
【思考・判断】
○感染症は,病原体が主な要因となって発生すること,感染症の多くは,発生源をなくすこと,
感染経路を遮断すること,主体の抵抗力を高めることによって予防できることについて理解す
ることができるようにする。
【知識・理解】
(2)指導と評価の計画
時
学習内容
1︵本時︶
〈感染症の原因〉
関心・意欲・態度
思考・判断
知識・理解
感染症の原因について,感染症の原因に 感染症の原因や
①感染症は,病原体が身体に侵 自分の経験や資料,仲 ついて,予想し 条件が関係して
入して発病すること。
間との意見交換をもと たり自分の考え 発病することに
②感染症の発病には,自然環境,に話し合う活動に,進 を整理したりし ついて,書き出
社会環境,主体などの条件が んで取り組もうとして ている。
関係していること。
〈感染症の予防〉
している。
いる。
感染症の予防について,感染症の予防に 感染症の予防の
①感染症を予防するには,発生源 自分の経験や仲間との ついて,予想し 3つの対策につ
2
をなくすこと,感染経路を遮 意見交換をもとに話し たり自分の考え いて,言ったり
断すること,身体の抵抗力を 合う活動に,進んで取 を整理したりし 書き出したりし
高めることが有効であること。 り組もうとしている。 ている。
〈エイズの予防〉
ている。
エイズの感染経路や予 エイズの感染経 エイズの感染経
①エイズの病原体は,ヒト免疫 防について,資料や仲 路や予防につい 路や適切な予防
3
不全ウイルスであり,主な感 間との意見交換をもと て,予想したり,について,言っ
染経路は性的接触であること。に話し合う活動に,進 自分の考えを整 たり書き出した
②感染を予防するには,性的接触 んで取り組もうとして 理したりしてい りしている。
中学校3年生
をしないことが有効であること。 いる。
〈性感染症の予防〉
る。
主な性感染症の感染経 主な性感染症の 主な性感染症の
①性的接触で感染する疾病を性 路や予防について,資 感染経路や予防 感染経路や適切
4
感染症ということ。
料や仲間との意見交換 について,予想 な予防について,
②感染を予防するには,性的接 をもとに話し合う活動 したり,自分の 言ったり書き出
触をしないことが有効である に,進んで取り組もう 考えを整理した したりしている。
こと。
30
としている。
りしている。
(3)本時に用いる内容の整理表
学習内容(きまり)
学習内容(きまり)にかかわる具体例
具体例や方法に用いる用語
①感染症は,病原体 ・病原体には,細菌やウイルスなどがある。・病原体・細菌・ウイルス
が身体に侵入して発 ・感染症は,病原体が体に入って増えるこ ・感染・感染症
病すること。
と(感染)によって起こる。
・主体の条件には,身体の抵抗力,栄養状 ・抵抗力
②感染症の発病には, 態がある。
・栄養状態
自然環境,社会環境,
・自然環境(温度・湿度)
・自然環境には,温度,湿度がある。
主体などの条件が関
・社会環境には,住居,人口密度,交通な ・ 社 会 環 境( 住 居・ 人 口 密
係していること。
どがある。
度・交通)
(4)資料・指導方法
○指導方法(授業づくり)について
・資料を読み,最初に自分で考え,次に仲間との意見交換から考えを深めさせられるようにした。
・読み物資料(
【資料2】【資料3】)は各自の考えやグループでの話し合いが深まるように,必
要事項を盛り込みつつ,生徒が興味や関心をもてるように,できるだけ簡潔に,また,具体的
なイメージがもてるように作成した。
・最後に「学習のまとめの質問」を行い,1時間の学習の内容を振り返らせるとともに,学習内
容の定着を確認し,事後指導ができるようにした。
・学習の流れにそって活用できるようにワークシートを作成した。
【資料】
・ノロウイルス(学校における感染症発生時の対応 埼玉県教育委員会 平成17年3月)
・結核(かけがえのない自分,かけがえのない健康【中学生用】 文部科学省)
(学校における結核マニュアル 教師用参考資料 文部科学省)
・他教科との関連(産業革命については,2年生の社会科の授業で学習)
〈板書計画〉
〈感染症の発生〉
(各グループの発表カード ○病原体・ウイルス・細菌
を掲示)
感染・病原体が体内に侵入して増えること
発病・感染症の症状が現れること
(「発生要因の分類」の作業)
・主体の条件(抵抗力・栄養状態) ・主体の要因
・自然環境 (温度・湿度) ・自然環境
・社会環境 (住居・人口密度・交通など) ・社会環境
健康な生活と疾病の予防
○感染症の発病の条件
31
(5)1時間の流れ
学習内容及び活動 (・予想される生徒の反応)
1 感染症について確認する。
1−1 教師の話や教科書から,病原体の感染によって起こる病気を感染症ということや,病
原体には細菌やウイルスがあることを確認する。
2 病原体の身体への侵入について考える。
「ノロウイルスによる感染性胃腸炎の対応(教室でおう吐した生徒が出た場合)」
について の部分にはどんなことばが入るでしょうか。
2−1 【資料1】の に入ることばを【資料2】を参考にして各自で考える。
2−2 【資料1】の に入ることばを確認する。
【資料1】のような対応をするのはなぜでしょうか。
2−3 個人の考えをまとめた後,グループで話し合う。
・周りの生徒や処理した人にうつらないようにするため。 ・ウイルスを殺すため。
・ウイルスの感染力を弱めるため。
感染症は病原体が体に侵入して発病すること。
3 主体の要因と環境の要因について考える。
3−1 【資料3】から,各自で「流行」や「減少」にどんなことが関係しているかを考える。
結核の「流行」や「減少」にはどんなことが関係しているでしょうか。
3−2 マーカー箇所をもとに「流行」や「減少」に関係していることをグループで予想する。
3−3 グループの考えをまとめて記入した発表カードを黒板に貼り,発表する。
・空気が悪いことが関係する。(感染の仕方・工場・高地や海浜の療養所での治療などから)
・人が集まっていることが関係する。(都市化・人里離れた療養所での治療などから)
・栄養状態が関係する。(戦後に低下傾向・予防対策などから)
・治療薬や予防の仕方が関係する。(ストレプトマイシンの発見・予防対策などから)
3−4 感染症の発生の要因を確認する。
3−5 感染症の発生の要因を主体の状況,自然環境,社会環境に分類する。
感染症の発生には,主体の栄養状態,抵抗力,湿度や温度などの自然環境や住居,人口密
度・交通などの社会環境が関係すること。
4 本時の学習を確認する。
中学校3年生
インフルエンザが流行している時に,同じ教室で一緒に生活しているのに,かかる人とかからな
い人がいる理由を「感染」
「発病」
「病原体の侵入」
「抵抗力」
「栄養状態」を使って説明しなさい。
4−1 本時の学習をもとに「学習のまとめの質問①」について考え,記入する。
感染症の発生や流行に関係する「自然環境」「社会環境」とは具体的にどんなことですか。
4−2 本時の学習をもとに「学習のまとめの質問②」について考え,記入する。
4−3 本時のまとめを聞き,次時の学習についての見通しをもつ。
32
○教師の支援 ※評価
つまずきの例
○小学校での感染症の学習や,生活習慣病との違いを確認する。
○表や写真を利用し,細菌やウイルス,感染症の種類について確認する。
○感染と発病の違いを押さえる。
○【資料2】を教師が読み,参考になる箇所にマーカーを引かせた後,
個人で考えさせ,発表させる。
○教師が に入ることばを伝える。
○[質問2]につながる内容なので,細かい説明はしない。
○個人で予想させてから,グループ(4人程度)で話し合わせる。
※「ノロウイルスによる感染性胃腸炎」の対応について,資料や仲間と
の意見交換をもとに,進んで取り組もうとしている。
【関心・意欲・態度】
○感染症は病原体が体内に侵入して感染し,発病することを確認する。
○【資料1】の各項目ごとに対応の理由を考えられるように助言する。
・考えをまとめられな
い。
○【資料3】を教師が読み,参考になる箇所にマーカーを引かせる。
○各自の考えをもとに,グループの考えをまとめさせる。
※結核の「流行」や「減少」の原因について,資料や今までの学習を参
考に,進んで取り組もうとしている。
【関心・意欲・態度】
※結核の発病について,資料や仲間の意見をもとに,予想したり,自分
の考えを整理したりしている。
【思考・判断】 ・話し合いが進んでい
○助言をしたり,意見をまとめる手助けをしたりする。
ない。
○発表カードをもとに感染症の発生要因を分類する。
○結核だけでなく,他の感染症の発生要因も同じように分類できること
を確認する。
健康な生活と疾病の予防
○授業で分かったことや,考えたことをもとに「学習のまとめの質問」
に答えさせる。
・答えられない。
○学習や教科書を参考に考えさせる。
・理解が不十分の場合
※感染症の原因や条件が関係して発病することについて,書き出してい
は事後指導を行う。
る。
【知識・理解】
○本時のまとめを行い,次時の学習の見通しについて話す。
33
〈ワークシート例〉
「健康な生活と疾病の予防」ワークシート №1(感染症)[ 月 日]
[質問1]
【資料1】「ノロウイルスによる感染性胃腸炎の対応(教室でおう吐した生徒が出た場
合)
」で の中にはどんなことばが入るでしょうか。【資料2】を参考にして考
えましょう。
【資料1】 「ノロウイルスによる感染性胃腸炎の対応(教室でおう吐した生徒が出た場合)」
1 授業を中断し,おう吐した生徒の近くの生徒を る。
2 おう吐物を処理する人は必ず ・ を着用する。
3 おう吐物を新聞紙等で取り除いた後, をしみこませた雑巾で拭く。
4 処理に使用した新聞紙や雑巾は に入れて口を縛り,処理する。
5 処理をした人は必ず ・ をする。
6 現場は をする。
【資料2】
ノロウイルスによる感染性胃腸炎はここ数年で患者数が急激に増えている新顔のウ
イルスで,平成9年に食中毒の1つとして追加されました。
このウイルスは乾燥などに強く,また,食品の中で増えるのではなく,人の腸の粘
膜で増えます。感染力が強く,ウイルスの数がごく少量でも感染し,発症します。ウ
イルスが口からはいってから1∼2日で,吐き気,おう吐,下痢,腹痛,発熱(38度
以下)といった症状が見られます。
ノロウイルスはウイルスを取り込んだカキなどの二枚貝を不十分な加熱で食べるこ
とにより感染します。また,ノロウイルスに感染した人が,用便後の手洗いが不十分
なまま調理をすると食品がウイルスに汚染され,その食品を食べた人が感染し,食中
毒になります。
ノロウイルスに感染した人のおう吐物にもウイルスが含まれています。そのおう吐
物の処理が不十分だと,ウイルスが乾燥して舞い上がり,直接,人の口から取り込ま
れ感染するおそれがあります。
中学校3年生
[質問2]
「ノロウイルスによる感染性胃腸炎の対応(教室でおう吐した生徒が出た場合)」で,
【資料1】のような対応をするのはなぜでしょうか。
私の考え
34
グループの
考え
[質問3]
結核の「流行」や「減少」にはどんなことが関係していると考えられますか。
【資料3】を参考にグループで話し合いましょう。
【資料3】
結核の歴史は古く,エジプトのミイラの中には結核にかかっていたものもあり,古
くから人々を苦しめていたと考えられています。日本には6∼7世紀頃に大陸から伝
わったようです。
結核は,結核菌に感染することで起こる感染症です。
結核菌は,重症の結核患者のせきやくしゃみで飛び散り,空気中をただよう結核菌
を吸い込むことで感染します。
欧米では,18世紀以降,産業革命(産業機械が発明され,家での手工業から機械化
された大きな工場に人を集めて作業をするように生産技術が変わった)や,都市化が
進行する中で,まず,都市に大流行が起こり,徐々に地方に拡がっていきました。こ
うして,ヨーロッパ各国やアメリカでは多くの人が結核で亡くなりました。
日本でも,20世紀初め頃の産業革命の頃に欧米と同じように大流行し,ピークの時
(大正7年)の死亡率は人口10万人に対して257.1人と,多くの人が結核で亡くなりま
した。その後も,長い間,結核が死因の第1位をしめるなど,労咳とか肺病とか言わ
れ,
「不治の病」と恐れられていました。
当時,この病気に対する治療法は人里離れた高地や海浜の療養所での安静生活だけ
でしたが,産業革命が一段落して,生活水準が向上してくると結核にかかる人の数は
次第に減り始めました。そして1944年のストレプトマイシン(治療のための薬)の発
見やその後の予防対策の普及などによりさらに減少してきました。日本では,戦後,
本格的に低下傾向になりました。
グループの
考え
健康な生活と疾病の予防
○「流行」や「減少」の原因を分類すると……。
35
「健康な生活と疾病の予防」ワークシート №2(感染症)[ 月 日]
◇学習のまとめの質問◇
【学習のまとめの質問①】
インフルエンザが流行している時に,同じ教室で一緒に生活しているのに,かかる人とか
からない人がいるのはどうしてですか?〈 〉の中のことばを使って説明してください。
「感染」「発病」「病原体の侵入」「抵抗力」「栄養状態」
【学習のまとめの質問②】
感染症の発生や流行には,その人の健康状態の他に自然環境と社会環境が影響しています。
具体的にはどんなことですか。
自然環境の条件には,
があります。
社会環境の条件には,
があります。
◇本時を振り返って◇
中学校3年生
36
今日の授業で「分かったこと」や「予想したり考えたりしたこと」
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