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集落観察 - SAWADA LAB
第 10 回居住環境デザイン 2011/07/14 「集落観察」 ■集落の事例 ①集落名 ②国 ③土地の問題点 ④形の理由 集落は地形や材料、気候、位置関係、周辺の環境によって形態が代わっている。 修士 2 年 中島 彩 修士 1 年 岩間 貴昭 ■はじめに ①エムラーニ ①福建省田寮抗 ①アルベロベロ 数百年、数千年と残ってきた集落を通 ②イラン ②中国 ②イタリア し、成り立ちを見ることにより世界の多 ③雨の降らない砂漠地 ③敵に襲われる危険性のある地域 ③住民にとって苦しい税金 様な展開に気づかされる。 ④限られた水を利用するため ④敵から防御するため ④すぐに解体するため 例えば、白川郷の合掌造り。豪雪地帯と いう環境と屋根裏の床面積拡大のため、 急な角度を持っている特徴的な茅葺屋根 になったと考えられている。 合掌造りは、補修や茅葺の葺き替えが 30 年 から 40 年に一度、必要である。屋 雨の降らない砂漠地のため、雨を集めて長い地下下水によっ て平地に送り集落を構える。 この集落は、それぞれの住居の地下 を流れる小川のネットワークによって人工オアシスを形成する。そ のため、建築は小さな領域に分割され、密接して立ち並んでいる。 敵から防御するため集落が小さな中心(庭や広場)をもつ住居の集合 (クラスター)によって構成されている。 したがって、住居の配列規則ある いは集落の構造上のカテゴリーがある。円や方形の、ほとんど集合住居 といえそうな中庭を共有し、強い境界をもつクラスターの集合からなる 形式をもっている。 15世紀末、 ナポリ王は周辺に石だらけしかなく、細々と暮らしてい た人々から家の数によって税金を取っていた。そのため、すぐに解体 でき税金をごまかせる家を作った。周辺環境から産出された石造の 集落のため、色調の一体感がある。 さらに年月が経てば、退色してゆ き、辺りの色彩と同化する。 根の葺き替えには、多くの人手と時間を 要し周辺の住民の協力が必要である。岐 ①アブ・ソウバット ①ホガタバード ①江南省山頭 阜県という雪が降る気候のため、屋根に ②イラク ②イラン ②中国 満遍なく日が当たるように屋根はどの家 ③大きな川がその土地の大半を占めて ③雨の降らない砂漠地 ③日差しの強い気候 屋も東西を向いている。また、それは集 いるため ④川の上で生活するため ④限られた水を利用するため ④強い日差しを避けるため 落の南北に細長い谷にあり、南北それぞ れの方向から強い風が吹くので、風を受 ける面積を少なくするためである。 このように、自然環境によって集落の 形態が決まるのである。 ラザーコ湖から流れる川の上で生活するために家族ごとに島 をつくり、その上に住居をつくる。住居は2・3年ごとに立て替えら れ、島の間は100メートルほど距離で点在し、 カヌーで交通する。 日差しの強い気候のため、庭に面して横穴住居をほっていく地 下住居である。住居の中央の広場で物干し場や遊び場、 トイレな どの公共領域である。 ①アカブーヌー ①四川省若爾盖紅光 ①ハイデラバード・シンド ②ニジェール ②中国 ②パキスタン ③日差しの強い気候 ③強い風と乾燥度の高い気候 ③気温・湿度ともに高い気候 ④強い日差しを避けるため ④強い日差しと砂を防ぐため ④涼風を取り得れるため 日差しの強い気候のため、開口部がほとんどなく、風通しを良 くするため少し浮かせている。住居などの配列規則はまちまちで あるが、集落を構成する諸要素がパラディグマ(同類項の集合)を 形成している。 ■終わりに 地質のうえで農作が不可能であるところから、水道で水を運び、果樹 園や農地を成立させている。建築は小さな領域に分割され、そうした領 域に対して小さなドーム状に屋根を架ける形式を基本としている。 広い乾燥した平坦地に直線状に住居が一列に並んでいる。住居の 前には家畜の領域があり、放牧の拠点となっている。 また、住居一つ一 つが強い日差しと砂を防ぐシェルターの役割を果たしている。 パキスタンの酷暑地帯に ある住居だが、部屋にアラビア海から の涼風を少しでも取り入れようとして、煙突のような風洞の上に板 で作った風受けを取り付けてい る。 ■その土地の問題を解決する建築 長い年月が経ち、現代に姿を残してい る集落は持続的な作業の表れである。集 落の形態は人々がなしえた記録であり、 そこに住む人々によって自然の解釈が異 なる。つまり、集落の形態は人々が翻訳 した自然の記録である。集落の記録を読 み解くことが、その土地の問題を解決す る未来の建築に繋がるのではないだろう か。 参考文献 集落の教え 100 原広司 ①グァテマラ山奥の集落 ②グアテマラ共和国 ③熱帯性で気温が高い ④自然換気と採光を取り入 れるため 那覇市立城西小学校 / 原広司 那覇市(日本) 沖縄はその暑い気候であるため、グァテマラ山奥の集落 の換気システムを用いて那覇市立城西小学校を作った。壁 があると換気がしにくいため、壁がない教室が連続-してい る。 ①カナク族の小屋 ②パラオ共和国 ③熱帯の気候 ④自然換気を行うため JMチバウ文化センター / レンゾ・ピアノ ヌメア (ニューカレドニア) 熱帯気候のニューカレドニアにあるため、カナク族の小屋 のフォルムを取り込み、外装の下見材よって、そよ風を建物 のなかに入れる。また、ベンチュリー効果によって上昇気流 を導いて上から建物の外に換気をしている。