Comments
Description
Transcript
Page 1 647 定量的ウェスタンブロット法の開発とカイニン酸型
647 定量的ウェスタンブロット法の開発とカイニン酸型 グルタミン酸受容体定量への応用 渡辺和泉 新潟大学大学院医歯学総合研究科 分子細胞医学専攻 細胞神経生物学分野 (主任:崎村建司教授) Strategy for Quantitative analysis of Kainate-type glutamate receptor by Newly Developed Western blot Method Izumi WATANABE Dep耐㎜eηfof Ce11ロ1ar Ne醐b∫010既B控血Researc力血s蜘島 Graduate Sc力ool ofMed1αゴandDenla1 Scfence,1V㎏a紐u飾eτs均・ ω輌recfor」Prof K司ガ5岨M醐戊 要 旨 イオン透過型グルタミン酸受容体であるカイニン酸型受容体(KAR)は, GluK1−5のサブユ ニットから構成される.これらは,カイニン酸に低親和性のGluK1−3と,高親和性のGluK4−5 に分類され,前・者がホモメリック受容体として機能するのに対して,後者は前者と複合体形成 をしないと機能しない.脳内でこれらサブユニットは様々な組み合わせで発現していると考え られてきたが,実際のタンパク質量は測定されておらず,その構成は不明であった.本研究で は,KAR各サブユニットに特異的な抗体を用いてウェスタンブロットにより定量する新たな方 法を開発し,海馬及び小脳のP2とPSD画分のKARサブユニット量を定量した.海馬P2画分 ではGluK2:GluK3:GluK4:GluK5が1:0.38:0.08:0.22であり,PSD画分では1.0:0.60:0.07: 0.44,小脳P2画分ではGluK2:GluK3:GluK41GluK5が1:0.78:0.0810.13であり,PSD画分 では1.0:0.74:0.11:0.15であった.これらの結果から,KARは両領域において,高親和性サブ ユニットを含むヘテロメリックのものより,低親和性サブユニットGluK2とGluK3から構成さ れるものが主であることが明らかになった. キーワード カイニン酸受容体,定量,サブユニット構成,ウェスタンブロット はじめに ンバーであり,広く中枢神経系に分布し,興奮性 カイニン酸型グルタミン酸受容体(KAR)は, KARは5種類のサブユニットGluK1−5の4量体で 構成されているが5),各サブユニットmRNAの分 神経伝達を担うことが報告されている1)−4), イオン透過性グルタミン酸受容体ファミリーのメ Reprint req皿ests to:Izumi WArANABE Departrnent of Cellular Neurobiology, Brain Research Institute, Niigata University, 1−757Asahimachi−dori, Chuo−ku, Niigata 951−8585, Japan. 別刷請求先:〒951−8585 新潟市中央区旭町通1−757 新潟大学脳研究所細胞神経生物学分野 渡辺和泉 648 新潟医学会雑誌 第128巻 第12号 平成26年(2014)12月 布は脳領域において異なっている4)6).これらのサ Ge㎜皿y), Glu即参教献19), Glu馴㎜pore ブユニットは,カイニン酸に低親和性のGluK1−3 と,高親和性のGluK4−5に分類され7),低親和性 Corporation, Bedford, MA, USA). サブユニットのGluKl−3は,ホモメリック受容体 キメラタンパク質 として機能するが7)−9),GluK4−5はGluK1−3 各抗KARサブユニット抗体の力価を検定する と組まないと受容体として機能しない10)11). ために,抗GluA2抗体のエピトープと抗 KARサブユニットmRNAは,海馬において GluK2−5抗体の各エピトープを同時に持つキメ ラタンパク質を作製した.このキメラタンパク質 CA1−CA3錐体細胞層,歯状回穎粒細胞層や抑制 性神経細胞に発現しイオンチャネルとして機能し は,AMPA型グルタミン酸受容体GluA2サブユ ている12)13).一方小脳では,顯粒細胞,プルキンエ ニット(1−884)を骨格にして,その細胞内C末 細胞,籠状細胞,星状細胞やグリア細胞など広く 端領域(834−884)をGluK2(841−908), GluK3 発現しており14)15),小脳の培養切片のプルキン (842−919),GluK4(826−952),GluK5(825−979) エ細胞,ゴルジ細胞や培養願粒細胞を用いた電気 にそれぞれ置換したものである(図3A),各 生理学的解析により,機能的なKARがそれぞれに 含まれていることが明らかとなっている16)−18). cDNAsをpEF−BOSベクター20)に挿入し, COS−7細胞とHEK293細胞にPlus Regentと これまでin situハイブリダイゼーション法や電 Lipofectamine Regent(lnvitrogen, USA)を用い 気生理学的手法を用いて,KARサブユニットの発 現パターンやその生理機能が報告されてきたが, てトランスフェクションした.24時間後,細胞は SDSサンプルバッファー(2%sodium dodecyl sulfate(SDS),3.3%グルセロール,125 mM これらサブユニットは脳領域や細胞種特異的に 様々な組み合わせで発現していると考えられてお Tris−HC1(pH 7.4))により4℃で可溶化し, り,KARの機能を規定していると考えられてき 10,000×gで10−20分間遠心分離した上清をキ た.しかしながら脳におけるKARサブユニット メラタンパク質試料としてSDS−PAGEに使用し の量を定量的に解析した報告はなく,その詳細は た. 不明のままである.本研究では,KARサブユニッ トに対する特異抗体を作製し,これらの抗体を用 KARサブユニットノックアウトマウス いてAMPA型グルタミン酸受容体サブユニット GluK2, GluK5ノックアウト(KO)マウスは, GluA2を標準とした定量的なウェスタンブロット C57BL/6N由来ES細胞系統RENKAを使用し作 法の開発を行なった,この手法を用いて海馬と小 製した(1.Watanabe and K Sakimura, unpub− 脳の各細胞画分についてKARサブユニットの各 1ished data), GluK4KOは以前報告されている19). 量を明らかにすることに成功した. マウス脳の細胞分画 材料と方法 細胞分画は0−4℃にて,Carlinらの方法を参考 にして行った21).8−12週齢成体雄C57BL/6N系 抗体 統マウス(Charles River Laboratories Japan)及 ウサギ抗GluK1抗体とウサギ抗GluK3抗体は, びGluK2KO, GluK4KO, GluK5KOマウスの海馬 マウスGluK1のC末端11アミノ酸残基CHQR一 と小脳を取り出し,ホモジネートバッファー (0.32Mショ糖,5mM EDTA,5mM HEPES− 皿Q㎜A(922−934,NM 146072.4͡ のC末端17アミノ酸残基PGKDSMSCST− NaOH(pH 7.4), complete protease inhibitor SLAPVFP(903−919, NM OO1081097.2)に対して cocktail tablet(Roche, Germany))によりホモジ 作製した.ウサギポリクローナル抗体は以下のもの ネートし,1,000×gで10分間遠心分離した.さ を使用した;GuK2(S}map目c systems, Goetdngen, らにその上清を10,000×gで10分間遠心分離し 渡辺:定鷺的ウェスタンブロット法の開発とカイニン酸型グルタミン酸受容体定量への応用 ㈹ 抗G軸K5抗体 抗G拓K4抗体 抗G撫K2抗体 総誤 竃ゾ 竃竃 鎧o緩→』 鱒OK→レ 麗o杖一レ 靖◎}<十 鷲o杖一レ 1部K一争 語OK十 措口K→断 栢OK一レ 75杖 一レ ア5K 十 ア5K→ 抗GluK3抗体 向 譜ぷぷ ±5麟く→ 鱒⑪K→ (C) 抗G汕K1抗体UP雛孟e 海馬P2 COS−7{y$a槍 魂〆蕊謬 抗GluK1抗体翻作 海馬P2 COS一下{y鎗篶 認メぷぷ 、ぶべ \ 購齢騰 参灘§ ぷ麺灘ぷ 叢灘◇ ’w 灘難融轟蕪 〉騨※ “ ◇ } \\ 固は 抗体の特異性の確認 (A)野生型と各ノックアウトマウスの海馬試料(3忙⑳μg)を用いて,抗GluK2抗体, 抗G如欝抗体,抗G{uK5抗体の特異性を確認した.星印は目的のバンド位置を示す. (B)COS−7銅胞にGluK1−GluK3を発現させ顯収した可溶化液(40μg)を用いて抗 G㍍K3抗体の特異性を確認した. (C)野生型及びG{uK2KOマウスの海馬P2画分(10◎μ墓)を矯いた,抗GMK1抗体の 交差反応の確認.借)と同様にCOS−7酬胞可溶化液(⑳μg)を脚いて抗GluK1 抗体の特異性を曜認した。 649 650 新潟医学会雑誌 第128巻 第12号 平成26年(2014)12月 得られた沈殿を1%Triton X−100/ホモジネート マウスの海馬試料を用いて検討した(図lA).ま バッファーで30分間可溶化後,10,000×gで10 た,当研究室ではGluKIKO及びGluK3KOマウ 分間遠心分離し,その上清をP2画分とした. PSD スを保持していないため,抗GluK1, GluK3抗体 画分は,P2画分を0.8 M,1.2 Mのショ糖密度勾 の特異性は,各分子をCOS−7細胞に発現させた 配遠心(90,000×g,2時間)により得たシナプ 抽出物を用いて行った(図1B, C),抗GluK2,抗 トソーム画分をさらに1%Triton X−100で15分 GluK4,抗GluK5抗体は,予測分子量位置にバン 間処理後20,100×gで遠心分離し,得られた沈 ドが認められ,ノックアウトマウスでこのバンド 殿を40mM THs−HCI(pH 8.0)/1%SDSで溶解 が消失することが確認できた(GluK2,102 kDa; したものを用いた. GluK4,107 kDa;GluK5,109 kDa;図2A).抗 GluK3抗体は, GluK3タンパク質のみを認識した ウェスタンブロット (GluK3,104 kDa;図IB),これまで抗GluK3抗体 試料のタンパク質は前述のSDSサンプルバッ ファーに1%メルカプトエタノールを添加し, は,GluK2に交差して認識するものが使われてい ニトロセルロースメンブレン(Amersham, UK) たが,本研究でGluK1とGluK2に交差しない抗 GluK3抗体を作製することができた.次に抗 GluK1抗体(Upstate及び自作抗体)の特異性を へ電気的に転写した.メンブレンは5%スキムミ 調べた(図1C). Upstateの抗体では野生型マウ ルク/TBS−T(137 mM NaC1,0.1%Tween 20, スのP2画分において当該分子量部位にバンドを 20mM Tds−HCI(pH 76))で1時間室温でブロッ 認識したが,このバンドはGluK2KOマウスのP2 キング後,TBS−Tで10分間3回洗浄し,1μg/ml 画分では消失してしまった(GluK1,95 kDa),さ の1次抗体/TBS−Tで3−4時間室温で反応させ た.TBS−Tで10分間3回洗浄後,メンブレンは ペルオキシダーゼコンジュゲート2次抗体で1時 間室温で反応させた.TBS−Tで洗浄後, ECL (Amersham)を用いて,医療用X線フィルム らにこの抗GluK1抗体はCOS−7細胞に発現さ せたGluK1とGluK2両者を認識したことから, (FUJIFILM, Japan)または冷却CCDカメラ内蔵 が,海馬P2画分においてGluK1バンドを検出で 化学発光イメージアナライザー(LAS−4㎜r㎡ni, きなかった.抗体の特異性から,GluK1タンパク GE, USA, EZ capture MG, ArTO, Japan)で検 質の定量を断念し,本研究ではGluK2−5のみ定 出した. 量解析した. ウェスタンブロットの定量解析 抗カイニン酸受容体抗体力価の測定 ウェスタンブロットで得られたバンドのシグナ GluK2−5タンパク質の定量をするにあたって, ル強度は,ImageJ software, imageQuant TL(GE まず各抗KARサブユニット抗体の力価を, Healthcare)とCS Analyzer ver3.0(ATTO)を AMPA型グルタミン酸受容体(AMPAR)とカイ 使用して測定した. ニン酸受容体(KAR)のキメラタンパク質を用い 100℃,5分間還元後,8%SDS−PAGEを行い, GluK2を認識していることが明白であった.これ に対し,本研究で作製した抗GluK1抗体は, COS−7細胞に発現させたGluK1には反応した て補正することにした,AMPARサブユニットの 結 果 GluA2は脳内で多く発現していることから, GluA2を4つのKARサブユニット量を比較する KARサブユニット抗体の特異性 定量解析の前に,抗GluK抗体の特異性を確認 標準タンパク質に選んだ.そこで,GluA2の細胞 した.抗GluK2, GluK4, GluK5抗体の特異性は, したキメラタンパク質(GluA2K2−5)を設計し, 野生型マウス,GluK2KO, GluK4KO, GluK5KO キメラタンパク質発現ベクターを作製した(図 内C末端領域をKARサブユニットのものと置換 渡辺 定麓的ウェス穿ンプロッ1・法の開発とカイニン酸型グルタミン酸受容体定鑑への応用 651 葛A).G姐A2K2−5キメラタンパク質はGhjA2と クに対する抗GluA2抗体とそれぞれの描GluK抗 GluK2−5の各2つのエピトーブを持つことから, 体のシグナル強度は,各エピトープへの結合親和 抗G玉uA2 N末端抗体の力価を標準として抗 控に依存する、図2Bの条件では,抗GluA2抗体 欄uK2−5C末端抗体の力価を求めることができ る.本研究では,ウェスタンブロットのバンド強 で認識された甜μgのGluA2Kのバンドと抗 GluK抗体で認識された憩μgのGl翻Kのバン 度をこの力価比で補正し,脳のGluK2−5サブユ ドのシグナル強度が同じであるので,抗GluK抗 ニット量を測定した.模式図で力価の討算の基本 体の力価は抗ぱ戚抗体の2倍となる.このよう となる考え方を示した(図2B). GluA2Kタンパ に,抗Gh皇A2抗体に対する抗G重uK2−5抗体それ ㈹ [C) シ籔ル 抗GluA2抗体 灘oo白 G拍経一噛纏)白編搬一C戟搭) や研拳や㌧ぷ㌔ぼ㈱烈麟 G撫A書ζ2−5 キメラタンバク ] Gl山く2掲剤品08) 拍口白導 GぬK3田鞭与欝) o G垣1く4(826一部2} ζ} 5 雀口 丁5 2杜 変日 Gl蝋司蛭ふ9ア9〕 抗(刮uK2田杭{事 GluA2一醗{麹撒《蕩泊(3−Cl{鷹) 謬難oロ (B) 抗休綴応 ζ31麟2憧 口氾A猟 杭鯨 議論 ]姫白o 藤 繍繍繍評》 口 翻鍮 \、 識識 や鑓壁・撫鍵麓口醐 韓勢 繍麟昂麟枠鰍灘灘・ 賠o日o導o び麟騨 糠導加oo 雛 0 5 ][) 15 2{〕 噺 ぷぱ ポ評 鰍隠匿強螺置i璽 鑓 部oむoo登 へ箏轟贈凸》凸貼{嶋 麹磯 》㈱繍鯵舗C嚇》 燃 閤u蛭裡構]磯購一畷口}剛醐轡 ぱロま ㌔ 麟 》 難 30む白o頒 口u願一権曄)(引蝋駆◎(櫛 ま 陪頓櫃婿轟》ぴ㈱ G滅鰍5 酬鱒懸 鱒む白導白口 ・蒙・鰻購 馨 白 憶 2嚢 品 翻 /鴻タンバウ) 闇2 各抗体の力価定量 (A)キメラタンパク,GMA2Kの構造の模式図. (B)抗体力億沈較の例.Gh躍Kタンパクを抗G包A2抗捧と抗G已K2抗体それぞれで 検出したときの抗体の力纒の比をバンドの濃さから求める.このときの磁戚抗 体二Gh』K2抗体は驚2となる、 に)G玉uA2杭体に対するGluK2−Glu臨抗体の力価比を標準曲線を描き求めた. 新潟医学会雑誌 第128巻 第12号 平成器年(201の12月 652 それの力価を求め,各サブユニットの定鷺に用い あることがわかる た.抗GluA2抗体と抗G加K抗体により認識され する. (図2C).各抗体力鍾比は後述 たバンドのシグナル強度に極端な差がある場☆, 定量の鑑差が大きくなるので,それぞれのバンド ウェスタンブロットによる定量方法 のシグナル強度が近い範遡で淀較した.各 本研究で粛いた定量方法を,海馬PSD鰯分の GluK2の定量を例にしてポす.この方法では,① Gh澁K2−5の標準曲線から,抗GluA2抗体と抗 GluK抗体のバンドのシグナルが同程度の強度で 抗体力価比の灘定,②試料のサブユニット量の測 巳mA2 (A) 麟u搬 翻麟猟灘螂灘欝陪日{融(3{uA2縫(鋤灘罵総D口) 窯禦樫嵩←三巴 ←巴 ㏄灘←芸巴 ⑳ ざシ る 婁 ・ 1灘 ・灘 . 灘 ・ 冊 (B) § 繰蕩 < sざ. 紗 ys溺 き サンゴルの櫟難曲線 G糠A2顧口樽準曲繰 岨日斑] yご軒囎鰍 鵜難oロベ R漢=口日ア3目 部口醸簿・ 欝 £ 加oo導 鶏嚢欝 y=位±雛翼 斑雛頗・ 汗=ぴ賠賠 毘づ醗 2醗難鵬 雀憩簸 燕 moo簿・ 鋼6品 汀735 梧剤5 口鱒7 倍簿o奪・ ㍗6加 ザ97悦函 口 R完=o息ぎ了6 煩 白 5 fぴ 乍5 2慈 25 口 o.5 寸 う5 2 (C) G汕A2鯨鍵 国uK2シダナル強渡 撤ぷuA2抗体に対寸る= (磯uA剖く司 麟uA21く2盤 (詞uK2シグナル強穫 G幅舵に対する (海馬PS別 Gl糠織欄対鍛 = 備鶏臨口{撰) 撰ンパタ貿相対盤 X 抗Gl蜻く2抗体力懸 =乍ぱ3 G畑A2シグナル強度 1(勤A2搬) 溝馬閤籔叢閲u蛭) ] 》く x 海馬P$〔ゴ綴(磁u織) G汕A2シグナル強度 晦羅器助 G撫縫抗昧 x紐口= 74 力癒比 図3 ウェスタンブロットによるタンパク質の驚漿 (A)Gl翻K2と海馬PSD画分を翻一ゲルでS梛一PAGEした後,抗磁醐抗体と抗 ㌫uK2抗体でウェスタンブ腿ットを行った. (B)GiuA2K2シクナルの標準曲線から抗体力鱗を桔めた(墜Gl涯,口ぶuK2)、海馬 PSご)藏分のα扉翅とGluK2のバンドシダナルの標準曲線(O Gk1A2,0G]uK2)、 各バンドの数値を計鱒に田いる.力薗i比とG姐K2量を求める計算式. 渡辺:定量的ウェスタンブロット法の開発とカイニン酸型グルタミン酸受容体定量への応用 653 定を同時に行う.そのために①GluA2K2キメラ (EPSC)がAMPARのものに比べ非常に少ないと タンパクと②海馬PSD画分を同一ゲルで泳動し, いう報告を支持している22)23).また全ての画分で それぞれ抗GluA2抗体と抗GluK2抗体により検 出した(図3A).①各抗体で認識されたGluA2K2 GluK2−5の中で最も発現量が多いのはGluK2で あることがわかり,脳領域や細胞画分によって のバンドのシグナル値から標準曲線を描き直線性 KARサブユニットの量及び構成に差があること を確認した(図3B左),次にバンドのシグナル値 が明らかとなった. で近い範囲のもののみ(GluA2;7955,12233, 16266,20311,GluK2;7648,15925,22496)を図3C 海馬及び小脳におけるKARサブユニットの定 量解析は,GluK2がどの領域においても発現量が 上に示した計算式にそれぞれ導入し力価比を求め 高いのに加え,KARサブユニットの構成が異なる 平均力価を算出した.②海馬PSD画分のGluA2 とGluK2のバンドのシグナル値から標準曲線を ことを示唆した.このことを理解しやすくするため に,各領域と画分のGluK2を1とした時の割合を算 描き直線性を確認した(図3B右),そして,バン 出しサブユニットの量比を単純化した(図5A). ドのシグナル値全て(GluA2;11712,17735,21658, GluK2;7600,13937,18415)と①で求めた平均力 各サブユニット発現レベルは,海馬と小脳のどの 画分でもGluK2, GluK3, GluK5, GluK4の順にな 価比(10.3倍)を図3C下の式に導入し計算値を っていた.P2画分では,海馬GluK2が他の 平均化し,海馬PSD画分のGluA2に対する GluK3−5を合わせたものの2倍近く多く,GluK2: GluK2量(7.3%)を求めた.同様に図2Cの抗 GluK3:GluK4:GluK5・=1.0:038:0.08:0.22と GluA2抗体への抗GluK2, GluK3, GluK4, GluK5 抗体の力価比を計算すると,8.4,2.4,33,31倍と なる,一方小脳ではGluK2とGluK3がGluK4と GluK5を合わせた8倍以上多く発現しており, なる. GluK2:GhlK3:GluK4:GluK5=1.0:0.78:0.08: 0.13であった.PSD画分では,海馬GluK2の量は 海馬及び小脳における各カイニン酸受容体サブユ GluK2−5の約50%となり, GluK2:GluK3:GluK4 ニット量 :GluK5=1.⑪:0.6:0.07:0.44だった.小脳では 海馬P2画分, PSD画分と小脳P2画分, PSD Gh1K2:GluK3:GluK4:GluK5=1.0:0.74:0.11: 画分において,前述の方法でGluK2−5のGluA2 に対する相対的割合を定量した.電気泳動するタ 0.15となった.また,他の目立つ特徴として GluK4は全ての領域と画分で非常に量が少なく, ンパク質量は,各抗体の力価と各サブユニットの GluK5は小脳より海馬において発現量が高かっ 組織に含まれる量によって変えた.GluA2に対す た. る相対量を図4に示した.海馬P2画分では, GluK2, GluK3, GluK4, GluK5はそれぞれGluA2 低親和性GluK2, GluK3サブユニットが海馬と に対して,9.2±0.8%,3.5±0.9%,0.77± 小脳の主要成分である 0.30%,2.0±0.3%(各n=3,平均値±標準誤 次に各脳領域間のKARサブユニットのタンパ 差,図4A)であった.海馬PSD画分では,7.0± ク量を比較することにした.標準としたGluA2の 含有が海馬と小脳の各画分で異なっている24). 0.6%, 4.2±0.8%, 0.47±0.09%, 3.1±0.2% (n=3,図4A).小脳P2画分では,22±2%, そこで海馬P2画分のGluK2を1とした時の各画 17±4%,1.9±0.4%,2.8±0.5%であった くn=3,図4B).小脳PSD画分は,9.9±2.4%, 分のGluK2の量比を求めることにした. GluA2K2 7.3±1%,1.1±0.1%1.4±0.2%(n=3,図 る各画分のタンパク量を抗GluK2抗体で認識さ 4B).これらの結果から,海馬と小脳において KARはAMPARよりも少ないことが示され,この れた脳試料の標準曲線から計算した(図5Bテー ブルGluK2列),各画分のGluK2の量比をもとに ことはKARを介した興奮性シナプス後電流 補正し,他のKARサブユニットの割合を求めた. (1.25μg)を基準に,このシグナル強度と一致す 新潟難学会雑誌 第鷲8巻 第捉号 平威艶年口o懲)頚月 日54 (A)ま 蚕 鱒 警 8 き § き 6 口GluK黛 4 臨G馳K3 園G自K4 繍αuK5 2 ① o 海馬PSD 海馬搬 海馬 G睡A2% G輸K2 P2 粉o 鐙o PSD lB)_ 古紬K4 quK當 α7ア±03白 2.◎±駄3 7。o意[]B 4遼±《}日 口47±α⑪9 3、1±0、2 3◎ § 確 報 25 e 20 鷲 三 〇 磁luK3 轡繍±α臼 3。5±α禦 葡 [コG撫K2 鱒 翻Gl蝋3 錘G惣K4 已 民 疋 ⊇ o 5 ■αuK鷺 o 」躯脳PSD 小脳P2 小脳 O翰A2%き 鱗u搬 P2 ±o⑪ 控±2 雀ア±4 pso ]o⑪ 99±a4 7.3土to 鱗麟⑬ GluK4 鐡ul弱 t9±α4 T1±口1 2u士oお W4±ぴ2 図4AMPA受容体Gl醐に対するKARサブユニット量 (A)海馬把,P鋤画分 (B)小脳P2, PSD画分のGluA2(100%) に対するG玉u閲パ:且uK5の 舗合を求めた. 655 渡辺:定量的ウェスタンブロット法の開発とカイニン酸型グルタミン酸受容体定量への応用 (A) GluK2 GluK3 GluK4 GluK5 海馬P2 1 0.38 0.08 0.22 海馬PSD 1 α60 0.07 0.44 小脳P2 1 0、78 0.08 α13 小脳PSD 1 α74 0.1↑ α15 口GluK2 ■GluK3 国GluK4 ■GluK5 海馬P2 海馬PSD 小脳P2 」」、脳PSD 0 1 0.5 2 卍5 2.5 (B) G佃K2 αuK3 GiuK4 GluK5 海馬P2 1 0.38 α08 O、22 海馬PSD 3,57 2.13 0.24 1.57 小脳P2 1.28 0.99 0.11 0.16 小脳PSD 3.83 2.83 0.43 0.56 口GluK2 海馬P2 海馬PSD 小脳P2 小脳PSD 7 6 5 4 3 2 1 0 図5 各画分におけるKARサブユニットの比率 (A)GluK2を基準とした時の各画分のGluK2−GluK5の割合. (B)海馬P2画分におけるGluK2を基準とした時の各領域と画分の GluK2−GluK5の割合 1 2 3 656 新潟医学会雑誌 第128巻 第12号 平成26年(2014)12月 PSD画分とP2画分でGluK2−5のタンパク量 定に応用し,新たな知見を得ることができた.こ を比較すると,GluK2−5全てでP2画分からPSD の手法は他にも応用可能であり,適当な標準タン 画分ヘサブユニットが濃縮されていることがわか パク質を選べば,同一の画分に存在する様々な分 った(図5B).低親和性サブユニットのGluK2と 子の量の比較が可能になる. 特にGluK3は,海馬 (GluK2:GluK3:GluK4: カイニン酸受容体は中枢神経系に広く分布して GluK5=1.0:0.38:0.0810.22) よりも小脳 おり,構成する5つのサブユニットのmRNAの くGluK2:GluK3:GluK4:GluK5ニ1.28:0.99: 発現から,脳部位や細胞によってホモメリック及 0.11:0.16)で割合として高い.海馬PSD画分の びヘテロリックな組み合わせが多数存在すると考 GluK5の割合は小脳PSD画分よりも3倍高い. えられてきた.本研究では,低親和性サブユニッ 一方GluK2, GluK3, GluK5の割合は両領域で同 トのGluK2とGluK3が海馬と小脳で多く発現し じであった.海馬PSD画分で(GluK2:GluK3: ていること,またそれに対し高親和性サブユニッ GluK4:GluK5=3.57:2.13:0.24:1.57),小脳 トのGluK4とGluK5は,特に小脳において低親 PSD画分では(GluK21GluK3:GluK4:GluK5ニ 和性サブユニットより極めて少ないことを明らか 3.83:2.83:α43:0.56)となった.Gll1K2とGluK4 にした. はそれほど海馬PSD画分で濃縮していないのに GluK1は海馬では抑制性神経細胞と少数の錐体 対して,GluK3とGluK5は濃縮していた.さらに, 細胞に発現されることが知られているが13)26), GluK2−5の4つのKARサブユニットは小脳 本研究では高い力価の抗GluK1抗体が得られず PSD画分に3−4倍濃縮していた.そしてGluK4 測定できなかった,さらに,in vitro合成GluK1に が海馬と小脳どちらの領域でも発現割合が低いこ 強く反応するがGluK2に交差してしまうUpstate とが明らかになった.またGluK5は小脳PSD画 分よりも海馬PSD画分により多く発現している の抗GluK1抗体でもGluK2KOマウス海馬P2画 分でバンドが検出できないことから,GluK1は ことが,定量的に明らかになった.これらの結果 GluK2よりも相当少ないことが予想される.さら から,GluK2, GluK3, GluK5は海馬PSD画分に なるKARサブユニット構成を明らかにするため 主要に発現し,さらに小脳PSD画分では低親和 には,特異性と力価の高い抗GluK1抗体の作製が 性のGluK2とGluK3が主要に発現していること 必要となる. が示めされた. 高親和性サブユニットのGluK4の発現は海馬で 非常に少なかったが,GluK5は多く発現していた. 考 察 一方,低親和性サブユニットのGluK2とGluK3は 海馬で非常に多く発現していた.GluK4/GluK5ダ 本研究で開発した定量的ウェスタンブロット法 ブルノックアウトマウスでは,高親和性サブユニッ は,標準タンパク質と比較したい分子類を融合し トの欠損により苔状線維とCA3間シナプスでの KAR−EPSCが消失する27).一方GluK2KOマウス た同一分子上に2つのエピトープを持つキメラタ ンパク質を複数作ることにより,異なった力価を の同部位におけるKA−EPSCは消失し,さらに苔 持つ抗体を用いても,バンドの濃さを比較すると 状繊維での長期増強(urp)は障害された15)28). いう簡便な手法で,特定の画分に含まれる異なっ 免疫沈降実験において,GluK2/GluK3, GluK4と た分子のタンパク量の多寡を測定することが可能 GluK5は共沈する29)−31)ことから,海馬CA3透 である,これまで質量解析法など大がかりな装置 明層のKARはこれらサブユニットのヘテロマー が無いとできなかった25),特定分子間の量の比 として存在することが示唆されてきた32).しか 較が簡便にできることは画期的なことである.本 し本研究で,海馬PSD画分において低親和性サ 研究では,この手法を興奮性神経伝達を担うカイ ブユニットGluK2とGIuK3は高親和性サブユニ ットGluK4とGluK5の3倍高い発現量であるこ ニン酸型グルタミン酸受容体サブユニット量の測 渡辺:定量的ウェスタンブロット法の開発とカイニン酸型グルタミン酸受容体定量への応用 657 とが分かった(図5).このことは高親和性サブユ 結 ニットと組まない低親和性サブユニットの存在を 語 示唆するが,これらはチャネル形成に寄与してい ないことが想定され,その生理的役割は今後解明 本研究は定量的ウェスタンブロット法を開発 すべき課題である. し,その技術を応用してカイニン酸型グルタミン P2画分からPSD画分への濃縮の差は細胞内で 酸受容体の定量を行った.その結果,これまで mRNA量から推定されていた結果とは異なり,低 のKARサブユニットの局在を反映しており,海 馬においてGluK2とGluK4はシナプス後肥厚以 外やプレシナプスにも多数存在し,GluK3と 親和性サブユニットがKARの主要な構成成分で あることがわかった.今後,低親和性サブユニッ GluK5はシナプス後肥厚に多く局在することが予 トの生理的役割は遺伝子改変マウスの解析を発展 想される. させ解明していきたい. これまでの研究では抗GluK2/GluK3抗体を使 文 用したものが多く,特異的な抗GluK3抗体を使用 献 して内在のGluK3を調べた報告はない.本研究で は,特異的な抗体を用いてマウス脳において初め 1)Lerma J:Roles and rules of kamate receptors in てGluK3が確認でき,さらにGluK3は海馬と小 synaptic transmission, N砿Rev〔N田rosci 4: 脳において予想以上に多く発現していることを見 481−495,2003. 出せた. 本研究において最も興味深い点は,小脳におい て高親和性サブユニットGluK4とGluK5の発現 が非常に少ないことである(図5).これまで, 2)Lerma J:Kainate receptor physiology.ατれ Opi皿. Ph㎜aco16:89−97,2006. 3)Pinheiro P and Mulle C:Kainate receptors. Ce∬ 了了ssue.Res.326:457−482,2006. 4)Contractor A, Mulle C and Swanson GT K由nate GluK4とGluK5両方共が小脳において少ないこ receptors coming of age:milestones of two とは予想されていなかった.ラット小脳穎粒細胞 decades of research. Tre刀ds Neurosc∫,341 においてGluK5 mRNAは強く発現しているにも 154−163,2011. かかわらず6)12),免疫組織化学の報告33)と一致 5)Ayalon G and Stern−Bach Y:Functional して,小脳でのGluK5タンパクの発現量は非常に Assembly of AMPA and Kainate Receptors Is 少なく,これらの領域では翻訳レベルでの調節が Mediated by Several Discrete Protein−Protein 行われているのかもしれない.アフリカツメガエ Interactions, Neロron 31:103−113,2001, ル卵母細胞11)やHEK293細胞34)において, 6)Wisden W and Seeburg PH:Acomplex mosaic of GluK5を含むKARは低親和性サブユニットによ り構成されるKARよりもグルタミン酸に対して high−affinity kainate receptors in rat brain.∫ 高いチャネル活性を持つことがhl vitroの実験で 示されており,高親和性サブユニットを持つヘテ ロマーがチャネル機能の中心だと考えられてき Neurosc五13:3582−3598,1993. 7)Bettler B, Egebjerg J, Sharma G, Pecht G, Hermans−Borgmeyer I, Moll C, Stevens CF and Heinernann S:Cloning of a putative glutamate receptor:alow af丘nity kamate−binding subunit た,このことは,GluK4/GluK5ダブルノックアウ トマウス海馬での観察27)からも支持されている. NeIro118:257−265,1992. それゆえ小脳において,高親和性サブユニットを σShea−Greenfield A, Deneris ES, Moll C, 持たない多量の低親和性サブユニットGluK2と Borgmeyer U Hollmann M and Heinemann S: GluK3の存在は, KARがイオンチャネル以外にも Cloning of a novel glutamate receptor subunit, 働いているのではないかという考えを起こさせ GluR5:Expression in the nervous system du百ng る. 8)Bettler B, Boulter J, Hermans−Borgmeyer I, development. Neuro皿5:583−595,1990, 658 新潟医学会雑誌 第128巻 第12号 平成26年(2014)12月 9)Egebjerg J, Bettler B, Hermans−Borgmeyer I …md Heinemann S:Cloning of a cDNA]br a gluta− 6838−6843,2000. 19) mate receptor subunit activated by kainate bllt Akashi K, Kakizaki T, Kamiya H, Fukaya M, Yamasaki M, Abe M, Natsume R, Watanabe M not AM耽1Va加五℃351:745−748,1991. and Saldmura K NMDA receptor GluN2B(GluR 10)Herb A, Burnashev N, Werner P, Sakmann B, epsilon 2/NR2B)subunit is crucial for channel Wisden W and Seeburg PH:The KA−2subunit hlnction, postsynaptic macromolecular organiza− of excitatory amhlo acid receptors shows wide− don, and ac6n cytoskeleton at hippoc㎜pal C品 spread expression in brain and fbrms ion chan− nels with distantly related subunits.1V斑ro皿81 synapses.∫∧治1∬ηscf.29:10869−10882,2009. 20) 775−785,1992. 11)Sakimura K, Morita T, Kushiya E and Mishina M:Primary structure and expression of theγ2 Mizushima S and Nagata S:pEF−BOS, a power一 血lmammalian expression vector.1VUcJe∫c Aα’ds 1∼es.18:5322,1990. 21) Carlin RK, Grab DJ, CohenRS and Siekevitz P: subunit of the glutarnate receptor channel selec− Isolation and characterization of postsynaptic 6ve for kamate.∧尼αron 8:267−274,1992. densities from various brain regions:enl予chment 12)Bahn S, Volk B and Wisden W:Kainate receptor of d遊rent types of postsynaptic densities.∫Ce〃 gene expression in the developing rat brain.∫. ∧な}urosc輌.14:5525∼5547,1994. 』克bヱ86:831−845,1980. 22) 13)Bureau I, Bischoff S, Heinemann SF and Mulle C: Kainate receptor−mediated responses in the vation of kainate receptors.388:179−182,1997. 23) CAI field of wild−type and GluR6−deficient Frerldng M, Malenka RC and Nicoll RA:Synaptic activation of kainate receptors on hippocampal Inice.」1Vε}ulroscf.19:653−663,1999. 14)Castillo PE, Malenka RC and Nicoll RA K菰nate Wgnes M and Co正nghdge GLI The synapdc acti− interneurons.ハ悟1.ハ1bロτosα’.1:479−486,1998. 24) 畦地裕統:脳内AMPA型グルタミン酸受容体 receptors mediate a slow postsynaptic current in サブユニット分布の定量的解析.新潟医学会雑 hipPocarnpal CA3 neurons,∧磧加1℃388:182−186, 言志125:532−546,2011. 1997, 25) 15)Mulle C, Sailer A, P6rez−Ota601, Dickinson− Cheng D, Hoogenraad CC, Rush J, Ramm E, Schlager MA Duong DM, Xu P, Wilayawardana Anson H, Castillo PE, Bureau I, Maron C, Gage SR Hanfelt J, Nakagawa T, Sheng M and Peng J: FH, Mann JR, Bettler B and Heinemann SF: Rela6ve andε1bsolute quant並ica廿on of postsynap− Alteredsynapticphysiology andreducedsuscepti− tic density proteome isolated丘om rat五〕rebrain bihty to ka㎞ate−inducedse迦esin GluR6−de五一 and cerebellum. Mo1. Ce∬. Pぱeom∫cs 5:1158− cientmicture.1Vヨ加re 392:601−605,1998. 16)Renard A Cr6pel F and Audinat E:Evidence]br 1170,2006. 26) two types of non−NMDA receptors in rat cere− Patemain AV, Herrera MT, Nieto MA and Lema Jl GluR5 and GluR6 kainate receptor subunits bellar Pu面nle cells mainl泣ned in sUce cultures. coexist in hipPocampal neurons and coassemble M9ロτoP・harπlacolo」9夕34:335−346,1995. to form functional receptors.∫Neロrosc∫.20: 17)Savidge JR, Sturgess NC, B口stow DR and Lock EA Characterisation of kahlate receptor mediat− 196−205,2000. 27) Fern鋤des HB, Catches JS, Petralia RS, Copits ed whole−cell currents in rat cu1加red cerebellar B&Xu J, Russell砥Swanson GT and Contractor granule cells.1Veロ1ηPllarmacolo』gy 381375−382, Al High−affinity kainate receptor subunits are 1999, necessary for ionotropic but not metabotropic 18)Bureau I, Dieudonne S, Coussen F and Mulle C: Kainate receptor−mediated synaptic currents in signaling.、∼buroη63:818−829,2009. 28) Contractor A, Swanson G and Heinemann SF: cerebellar Golgi cells are not shaped by d血sion Kainate Receptors Are Involved in Short−and of glutamate. Proc. Na f1. Acad,5c∫. U 5.」4.97: Long−Teml Plasticity at Mossy Fiber Synapses 渡辺1定量的ウェスタンブロット法の開発とカイニン酸型グルタミン酸受容体定量への応用 in the Hippocampus.八胎ロroη29:209−216,2001. 29) 32) a皿dMulle C:Distinct subunits in heteromeric RS:Biochemical and assembly properties of kainate receptors mediate ionotropic and GluR6 and KA2, two members of the kainate metabotropic function at hipPocampal mossy receptor faln丑y, determi皿ed with subunit−specif− fiber synapses.∫.1Veロrosc∫.25:11710−11718, 1994, 2005, 33) Gallyas F, Ball SM and Mohlar E:Assembly and Coussen F, Normand E, Marchal C, Costet P, cell su㎡ace expression of KA−2subunit−con− Choquet D, Lambert M, Mege RM and Mulle Cl taining kainate receptors,」. Neuroc力em.86: Recruitment of the Kainate Receptor Subunit Glutamate Receptor 6 by Cadherin/Catenin 31) Ruiz A Sachidhanandam S, Utvik JK Coussen F Wenthold RI, Trumpy VA, Zhu WS and Petralia ic antibodies. J. Bfo1. C力e刀1.269:1332−1339, 30) 659 1414−1427,2003. 34) Fisher JL and Mott DD:Distinct functional roles Complexes.∫Neumsα’.22:6426−6436,2002. of subunits within the heteromeric kainate recep− Darstein M, Petralia RS, Swanson GT, Wenthold tor.∫1Vεロrosα’.31:17113−17122,2011. RI and Heinemann SF:Distribution of kainate receptor subunits at hippocampal mossy fiber synapses.∫」Vヒ}ロroscf.23:8013−8019,2003. (平成26年1月17日受付)