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連携・協力と技術研究開発に関する取組

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連携・協力と技術研究開発に関する取組
連携・協力と技術研究開発に関する取組
国土地理院は、測量・地図分野の行政機関として、国内外における幅広い連携・協力を通じて、
国民生活の発展を支える政策や地理空間情報の政策課題に対応するために必要な技術研究開発を
進めています。
産学官による連携・協力
■ 地理空間情報高度活用社会の推進に向けた連携・協力
国・地方公共団体等
地理空間情報に係る課題について
産学官での共有を図り、地理空間情
地理空間情報産学官連携協議会
報の効果的な活用を推進することを
目的として、
「地理空間情報産学官連
産業界
学界
携 協 議 会」及 び 個 別 のテー マ 毎 の
ワーキンググループ(WG)が設置
されており、国土地理院は協議会の
G空間EXPO WG
事務局の一員として産学官の取組を
防災WG
研究開発WG
地理空間情報の共有・相互利用促進に関する専門部会
G空間EXPO
主導しています。
新たなサービス・産業の創出や、既存サービスの高度化・発展に関する民間事業者等の提案や創意工夫の掘り起こし
地理空間情報の活用の有効性や技術に関するセミナー
新産業の創造に寄与する講演会、シンポジウム
新商品・新サービスの展示会
平成27年
(2015年)は11月に東京・お台場の日本科学未来館にて開催
国土地理院
地理空間情報に関する独創的なアイデア、ユニークな製品、画期的な技術、新たなサービス
等について、展示や発表
(プレゼン)を行う場を設け、関係者間の交流を促進する
「Geoアク
ティビティフェスタ」等を実施
■ 技術研究開発の連携・協力
測量成果や地理空間情報の利活用を推
進するために、国の機関や大学と協定を結
び、技術研究開発を実施しています。また、
国
土
技術研究開発が必要なテーマについては、
公募で協力者を募り、共同研究を実施して
います。
地
理
院
J
A
X
A
地理空間・宇宙に関する協力協定
準天頂衛星に関する協力
ALOS、ALOS-2に関する協力
東 津波予測支援に関する共同研究
北
大
学
民
間
情報
提供
気象庁HPより
場所情報コードに関する共同研究
デジタル表現
数値表現
高さ
水平位置
場所情報コード(ucode)
新しい
位置情報基盤
として活用
●
「場所情報コード」について
場所情報コードは、位置に関する情報を皆で整
備・共有するための新たな基盤です。ucodeと呼
ばれるコード体系に準拠し、コードを入れたICタグ
などをスマートフォンなどで読み取ることで、その地
点の情報を見たり、周辺の情報を検索することがで
きます。これまで、産学官の共同研究等を通じて、
ガイドラインの作成や閲覧システムの構築・公開等
を行っています。
<http://ucopendb.gsi.go.jp/ucode/index.html>
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国土地理院概要
事例:場所情報コードを活用した高尾山での標識管理・現在地案内
技術研究開発の推進
基本測量に関する長期計画の着実な推進のために実施すべき研究開発とその推進に必要な方策を示した
計画として、「研究開発基本計画」(平成26年4月)を策定し、技術研究開発を実施しています。
新たな計画では、基本的な課題として、
「地理空間情報の整備力・活用力の向上のための研究開発」、
「次
世代の地理空間情報活用社会の実現のための研究開発」
、「防災・減災のための研究開発」
、
「地球と国土
を科学的に把握するための研究」の4つを掲げています。
■ 干渉SAR(合成開口レーダー:Synthetic Aperture Radar)が捉えた地殻変動
干渉SARは、人工衛星から電波を送受信して、地表面の変動を監視す
る技術です。地震、火山、地盤沈下、地すべりなど、様々な要因の変動
を面的に計測することができます。
平成26年(2014年)に打ち上げられた陸域観測技術衛星「だいち2
号」は、平成 18∼23年
(2006∼2011年)に運用
さ れ て い た「だ い ち」の
後継機で、分解能や迅速
性などの性能が大きく向上
しました。
だいち2号のデータを使
用した干渉SARにより、全
国の変動を網羅的かつ詳
細に監視しています。
干渉SARの仕組み
干渉SARによって捉えられた
平成26年長野県北部の地震に伴う地殻変動
■ 電離層補正技術に関する研究
干渉SARは、電離層が乱れると広域的な誤差が
パターンが一致
生じ、地盤変動の検出が困難な場合があります。
そこで、GEONETの観測データから電離層の電
離の粗密状態を推定し、これを元にして干渉SAR
にあらわれる電離層の影響を軽減する技術の研究
を行っています。この技術により、電離層が乱れ
ている場合にも地盤変動を検出できる可能性が高
まると期待されます。
2008/07/18-2009/7/21の
SAR干渉画像
同日、同時刻の電離層の状態
測位衛星
■ 三次元地理空間情報への取組
屋内測位環境や複雑な都市空間を表現する3次
元の地理空間情報を活用するために、ビル街など
衛星測位が困難な箇所を含む屋内の測位環境の
屋外
改善と屋内外測位の相互連携、3次元地図の整
備・更新に関する研究開発に取り組みます。
タグ
センサー等
移動
屋内
Geospatial Information Authority of Japan
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連携・協力と技術研究開発に関する取組
国際連携・協力
国土地理院は、国土の測量に関する我が国唯一の行政機関として、国際的活動を展開しています。
■ 国際観測事業の推進
世界21カ国で構成される国際VLBI事業(IVS)に参
加し、協働観測や相関処理局及び解析センターの役
割を担う他 、評 議員を派遣し、IVSの運営に積極的
に関与しています。解析の結果は、地球規模のプレー
ト運動の監視等に活用されています。
また、国際GNSS事業(IGS)にも参加しています。
国際VLBI観測網
■ アジア太平洋地域の地殻変動監視
■ 地球地図プロジェクトの推進
アジア太平洋地域の国々と協働で宇宙測地技術を
地球地図とは地球環境問題など地球規模の課題に対処するた
活用した観測ネットワークを構築し、地殻変動の把握・
め、世界各国の地理空間情報当局の協力で整備する地球の全陸
地震発生メカニズムなどを解明することで、アジア太
域の統一仕様のデジタル地理空間情報です。現在、167の国と16
平洋地域の防災・減災に貢献しています。
の地域がプロジェクトに参加して地球地図の整備を進めています。
<http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/pasia/top_J.HTML>
<http://www.gsi.go.jp/kankyochiri/globalmap.html>
地球地図プロジェクトの
進捗状況(2015年1月現在)
GNSS観測で得られた速度ベクトル
■ 測量技術の海外展開支援
国土地理院では、海外展開に関心のある測量・
地図分野の日本企業のビジネス展開支援のため
に、関係する国際会議の機会を活かしつつ、日本
の優れた測量・地図作成技術の相手国政府への
プロモーション活動を行うとともに、本邦企業が
海外展開を行う際の阻害要因の調査とその解決支
援を実施します。
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国土地理院概要
■ 地理空間情報の活用を図るための国際協力
●地理空間情報の国際標準化
ISO/TC 211は地理空間情報の国際標準化を
目的としています。日本は投票権のある正式メン
バーで、国土地理院も規格策定に参画しています。
国際規格と整合した地理空間情報の整備が進め
ISO/TC 211
連携
WG1 フレームワークと
参照モデル
: :
WG10 ユビキタス・
パブリックアクセス
国内委員会
国際標準化
国内標準化
ば、データの相互利用や流通促進が期待されま
す。国土地理院は国際規格と国内標準の整合を図
るため、技術支援等を行っています。
策定
策定
国際規格
(ISO 191**シリーズ)
<http://www.gsi.go.jp/GSI/isotc211.html>
日本工業規格
(JIS X 71**シリーズ)
ISO/TC 211 第39回総会
整合
●地球規模の地理空間情報管理に関する 国連専門家委員会
(UNCE-GGIM)
地理空間情報に係る加盟国間の国際協力推進のために平成23年(2011年)に国連経済
社会理事会に設置された委員会に参画し、国際的な地理空間情報の活用促進に貢献してい
ます。
国連総会は、平成27年(2015年)2月に測量分野で初めての決議を行い、人々の生活
や経済活動において正確な緯度・経度を測ることの重要性を認めました。国土地理院は、
UNCE-GGIM第4回会合
世界各国と連携して地球上の位置の基準を維持していきます。
<http://www.gsi.go.jp/kokusaikoryu/kokusaikoryu61002.html>
●国連防災世界会議
第3回国連防災世界会議が平成27年(2015年)3月に仙
台市で開催され、採択された「仙台防災枠組2015-2030」
において、地理空間情報技術を活用してハザードマップなど
のリスク情報を整備、更新、提供することが重要であること
が記載されました。その実現に向け貢献していきます。
<http://www.gsi.go.jp/BOUSAI/WCDRR.html>
第3回国連防災世界会議
ワーキングセッション
多岐にわたる
国際連携の数々
仙台防災枠組2015-2030
二国間協力の推進
南極観測
・日韓測地・地図協力会議、日中測量・地図協力会議
政府の南極地域観測統合推進
本部の一員として、測地観測や地
形図等の作成を行っています。成
果 は 広く公 開され、観 測 隊 の 円
滑・安全な活動に貢献しています。
測量及び地図作成に関する技術と事業について 、技術
協力、情報交換等を推進することを目的としています。
・ 天然資源の開発利用に関する日米会議(UJNR)
地震調査
専門部会
地震観測手法の研究や観測結果などの意見交換を通じ、
地震災害軽減に資することを目的としています。
開発途上国への技術協力
開発途上国における地図の整備と測量技術の向上のた
め 、国際協力機構(JICA)
を通じ、開発途上国の国家
測量・地図作成機関を対象
とした技術協力を行ってい
ます。
国際会議への積極的参加
・地球規模の地理空間情報管理に関する国連専門家委員会
(UNCE-GGIM)
・国連アジア太平洋地域地図会議(UNRCC-AP)
・国連地球規模の地理空間情報管理に関するアジア太平洋
地域委員会(UN-GGIM-AP)
・国連地名標準化会議(UNCSGN)
・国連地名専門家グループ会合(UNGEGN)
・国際標準化機構の地理情報専門委員会(ISO/TC 211)
Geospatial Information Authority of Japan
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