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スマートフォン向けの情報拡散型デジタルサイネージの提案
DEIM Forum 2015 E1-4 スマートフォン向けの情報拡散型デジタルサイネージの提案 白浜 勝太† 森本 哲郎† 上善 恒雄†† † 大阪電気通信大学総合情報学研究科 〒 575–0063 大阪府四條畷市清滝 1130-70 †† 大阪電気通信大学総合情報学研究科 〒 575–0063 大阪府四條畷市清滝 1130-70 E-mail: †{mw14a002,mw13a007}@oecu.jp, ††[email protected] あらまし 都市の情報インフラとして定着しつつあるデジタルサイネージは,今後,広告や情報を設置周辺の人達に 見せるだけではなく,センサやアクティブマーカーを用いて,ユーザが所持している端末に対して情報を拡散してい くものになりうる.本報告では,アクティブマーカーを用い,スマートフォン同士もしくは,デジタルサイネージと スマートフォンで,プッシュ通信しデータのやりとりを行う情報拡散型デジタルサイネージを提案し, その利用シーン を想定して開発したプロトタイプの構造と使用感, 実用に供するための課題についてまとめている. キーワード パーソナライズ, デジタルサイネージ, アクティブマーカー, スマートフォン 1. は じ め に 2. 背 景 人々の趣味趣向を把握し,それにあった広告を提供するター 我々は,web ベースで動くタッチディスプレイ型デジタルサ ゲティング広告は様々な手法がある.インターネット上でブラ イネージのシステムを開発してきた.通常時は,従来のデジタ ウザの閲覧履歴から参照する手法や,cookie を用いて閲覧者を ルサイネージと変わらず広告画像や映像を流し,ユーザが画面 識別する手法等が用いられている.ターゲティング広告を行う をタッチすると周辺情報や駅・バスの時刻表を閲覧することが ことで,これまでアプローチできなかった人々に対して,効率 出来るシステムである. よく商品やサービスをアプローチすることが出来る. このデジタルサイネージは,インターネットに接続されて制 公共施設や商業施設などに配置されているデジタルサイネー 御されており,リアルタイムに配信コンテンツを制御すること ジは,従来のものだと登録された広告画像または,映像を表示 が可能である.サーバから広告データやコンテンツデータをア させ不特定多数の人々に対して,限定された時間しかユーザの プリケーションキャッシュとして取得する. 目には映らない.それに比べてスマートフォンを所持している アプリケーションキャッシュとは,HTML5 の API [2] [3] [4] ユーザはスマートフォンと接する時間が長く,スマートフォン であり,ブラウザによって保存できる拡張子が異なるが,HTML の所有率が増加傾向にある.MMD 研究所で行なった携帯端末 や JavaScript,CSS,画像,サウンド,動画などのファイルを 購入に関するの調査結果 [1] によると,2014 年 4 月での,ス ローカルに保存できる.これにより端末が,何らかの障害によ マートフォン所有率 56.5%,10 代の所有率は 84.5%という結 りオフライン状態になったとしてもアプリケーションキャッシュ 果が出ており,2012 年 5 月の調査結果と比較すると,17%増加 があることに動作し続けることが出来る.マニフェストファイ している.今後も更にスマートフォンの所有率は増加すると考 ルとはキャッシュするファイル,画像,映像などのデータを指 えられる. 定するファイルである. デジタルサイネージに注目させる方法の一つとして,プロ システムは図 1 のような構成になっている.サーバは,cen- ジェクションマッピングと融合することで人々の目を引きやす tOS をベースに HTML5,CSS,PHP,JavaScript,MySQL くなる.プロジェクションマッピングでのイベントが盛んに行 を使用し,構成している.端末の OS は Windows を使用して われており,最近では,JR 東京駅に対してプロジェクション おり,起動時に web ブラウザである Google Chrome を kiosk マッピングを行い,多くの人達を引き寄せた.プロジェクション モードという全体表示状態で起動し,設置場所ごとに指定され マッピングはインパクトが大きく,人々の目をひきつけやすい. た URL を参照するようにしている.サーバにサイネージの固 今後,デジタルサイネージは広告や情報を設置周辺の人達に 有 ID を GET 送信し,情報を取得し,デジタルサイネージに 提供するだけでなく,センサやアクティブマーカーを用いて, ユーザが所持している端末に対して情報を拡散していくものに なりうると考える. 本報告では,アクティブマーカー等の識別子を発する端末を 用い,デジタルサイネージとスマートフォンもしくは,スマー トフォン同士で,プッシュ通信しデータのやりとりを行い,ユー ザの目を引く広告としての意義を高めるための情報拡散型デジ タルサイネージを提案する. 表示している. このデジタルサイネージは,スタンドアローン型のデジタル サイネージとは違い,即座に別の広告を反映させることができ, 人々が行き来する空間,時間に合わせてターゲティング広告を 行うことが出来る. 3. 関 連 研 究 デジタルサイネージのコンテンツを提供している SCALA [5] 我々が行ったプロジェクトの一つで,グランフロント大阪の 北館 3F の ACTIVE Lab で図 2 のようにプロジェクションマッ ピングと Kinect を用いたシリアスゲームを開発した [10].こ のようにオブジェなど,平面でないものに情報を投影すること で,インパクトやエンタテイメント性を与えることができた. 図1 システム が,デジタルサイネージとリフト技術を組み合わせたものを開 図 2 プロジェクションマッピング型サイネージの例 発した.リフト技術により,棚上に並べてある商品を手に取る ことで,その商品についてデジタルサイネージに表示され,顧 客の目を引くようなコンテンツとなっている. 他にも iBeacon を用いて,近くにあるスマートフォンを感知 デジタルサイネージの市長効果測定技術の調査・研究報告 書 [11] によると,視聴率の取得,視聴者推定するためにカメラ してそのスマートフォンに商品データを送る.その商品データ を用いて,人々がデジタルサイネージを見た時の顔を認識し, をスワイプすることで,その商品の映像データがデジタルサイ そこから性別,推定年齢などのデータだけ保存する.カメラで ネージで表示され,インタラクティブなショッピング体験がで 撮った映像や画像は,プライバシーの問題があるので,すべて きる.顧客の行動の変化に基づいてパーソナライズしていき, 破棄している. 顧客が求めているものを予測分析し,デジタルサイネージに表 4. 情報拡散型デジタルサイネージの提案 示させる.BLE を用いて店舗内の顧客の位置を特定すること が可能になっており,パーソナライズされた顧客の近くにある 4. 1 従来のサイネージの問題点 商品に関する情報を送信することができる. 従来のデジタルサイネージからは,以下の様な 4 つの問題点 OFF Line が開発した AirTalk [6] というアプリは Bluetooth 通信で使えるチャットアプリで,インターネットを使用する, が考えられる. ( 1 ) 他のメディアと比べてユーザとの接する時間が少なく, しない関係なくどちらの環境でも使える.最大 50Km の周囲に ユーザの目に入った時に興味のあるコンテンツを表示している メッセージを送受信でき,場所に自分のポストを投稿すること かという点. ができる.災害発生時,Wi-Fi や 3G,LTE が繋がらない環境 で自分の居場所を Bluetooth 通信で伝えることもできる. DNP と DNP デジタルコム [7] が,JR 東京駅構内ナビとい う形で BLE Beacon を使いナビゲーションシステム [8] の実証 実験を行っている.広告・販促情報のプッシュ型配信サービス の応用も考えている.具体的には、大量のビーコン端末を東京 ( 2 ) タッチパネル型ディスプレイのデジタルサイネージで あれば,使いたくても他のユーザが触って使えない場合があ る点. ( 3 ) デジタルサイネージに気がつかないことがある点. ( 4 ) 広告を出す側が,どれほどの広告効果があるのかわか りづらい点がある. 駅構内に設置し,iPhone の専用アプリが端末からのビーコン 公共施設や商業施設では,デジタルサイネージに気づいても 信号を受け取ることで現在地を測位し、目的地までのルート らうために人々の目につきやすいところに大量にデジタルサイ を検索する.JR 東京駅では天井にある案内版のところに BLE ネージを設置し,表示している広告を同期させ,ユーザの目に Beacon が設置されている. 入りやすくさせていることが多い.しかし,目に入るの広告は 最近,プロジェクションマッピングを用いたイベントで注目 瞬間的なものである. を集めたのは,JR 東京駅が 100 年目を迎えたことで行われ 広告を出す側は顧客が,どのような情報を得て商品を購入し たスペシャル・オープン・ウィーク [9] で,2012 年に行われた ようという考えに至ったかわからない.分かることができれば, TOKYO HIKARI VISION を 1/20 スケールの模型で展示し 効率よく宣伝することが出来る. ている.プロジェクションマッピングを使うことによってユー 4. 2 情報拡散型デジタルサイネージ ザに大きなインパクトを与える事ができる. 前述した問題点を解決するために,我々はスマートフォンを 活用したデジタルサイネージのシステムを計画した.システム によってユーザ自身にもしくは,デジタルサイネージとか人形 構成は図 3 のようになっており,デジタルサイネージとスマー に自分の組み合わせた服をプロジェクションマッピングで表示 トフォンは,それぞれ固有の ID を持っており,その ID と商 する,そこで気に食わなければ,スマートフォンかデジタルサ 業施設や公共施設の情報,周辺情報,そして広告情報をデータ イネージの操作で組み合わせを変更してプロジェクションマッ ベースで紐付けしている.周りにこの情報の送信先になるス ピングもそれに同期する. マートフォンがないかデジタルサイネージに設置されている それは自分のスマートフォンが何を発信しているかによって アクティブマーカーが電波を常に発している.アクティブマー サイネージに近づいた後の効果が変わる.ユーザ毎のお気に入 カーの電波に反応したスマートフォンは,デジタルサイネージ りのコンテンツからプロジェクションマッピングで表示させる. の ID を受信し,その ID をサーバに送ることで,データベー スマートフォン同士だと自分の組み合わせを相手に教えてあ スから商業施設や公共施設の情報,周辺情報,そして広告情報 げたり,デジタルサイネージとかにこの情報を送信するとその を取得する. 情報を公共の場に表示させたりして,自分が考えたもの,お気 これにより,ユーザがデジタルサイネージに気が付かなくて に入り情報を拡散することが出来る. も,触れる事ができなくても,デジタルサイネージから情報を 4. 4 視聴率によるデジタルサイネージのアクション 各スマートフォンに送ることで,目に触れる機会が増える. 視聴率を推測する方法は関連研究で述べているように,カメ ユーザが,この情報を取捨選択することにより,パーソナラ ラを用いて顔認識したり,視線追跡用のカメラを使ったりして イズされていき,ユーザの趣味趣向を把握してく,これにより, 現在,デジタルサイネージを見ている人数を計測する.人数が スマートフォンが ID から情報を取得するときに,パーソナライ 少ない時には,前述したようにプロジェクションマッピングを ズしたデータを使い,ユーザの趣味趣向にあったデータをトッ 使い目を引くような演出をすることが出来る. プトピックスとして優先的に通知することができる. ユーザが取捨選択した情報は,固有の ID と紐付けして,デー 顔認識から性別と年齢を推測し,今表示している広告と結び つけることでパーソナライズするときに使える. タベースに登録しておく.スマートフォン同士がすれ違うこと 4. 5 取得したデータの活用 で,この ID を通信し合い,ユーザは趣味趣向のあっている新 パーソナライズされたデータからターゲティング広告に使え しい情報を取得できたり,新しい人達とコミュニティを広げた ることはもちろん,店舗にアクティブマーカーを設置すること り,商品やサービスをおすすめしあったりと,情報共有するこ によって,ユーザの趣味趣向にあった広告をスマートフォンで とが出来る. これは新たなるターゲティング広告となりうる. 取得してから,ユーザがその広告を宣伝している店舗に訪れて パーソナルデータとして使えるデータは,性別,年齢,移行 いるかどうかがわかり,広告効果がどのように出ているのか把 履歴,趣味・興味である.移行履歴は,デジタルサイネージのア 握することが出来る.実際に効果がでている顧客に対して店舗 クティブマーカーや各店舗にもおいてあるアクティブマーカー 側は更にアプローチすることが出来る. の電波の電波を受け取った時の地点から求める. データベースに登録されるデータは,ID,年齢,性別,取得 した情報郡,捨てた情報群である. デジタルサイネージやスマートフォンのローカルストレージ にたまっている ID から,どのデジタルサイネージかスマート フォンとすれ違ったかがわかる.頻繁に同じデジタルサイネー ジの ID を取得しているのであれば,そのユーザはその公共施 設,商業施設を多く立ち寄っているということがわかる. アクティブマーカーの電波の取得しはじめた時間と取得し終 わった時間から,その店舗にどのくらい滞在していたかがわか り,その店舗にたいして興味があるかどうかもわかる. 4. 6 災害時の動作 災害発時には,3G,LTE,Wi-Fi 等の通信ができなくなり, インターネットに繋がらなくなり,サーバに接続することがで きない.しかし,ローカル通信は可能である.ID のデータを 送受信しても,サーバにつながらないため,災害時には実デー タを送受信する必要がある.デジタルサイネージは,災害発生 時に避難場所情報を周りにあるスマートフォンに送信する.ス 図 3 情報拡散型のシステム マートフォン同士がすれ違うことで,避難場所情報を入手でき てない人に対して教えてあげることが出来る.救助が必要な場 4. 3 プロジェクションマッピングとの組み合わせ プロジェクションマッピングを組み合わせることで,見た目 にインパクトがつき,ユーザの目を引きやすくなる.例えば, 自分で考えた服の組み合わせをスマートフォンに登録しておく. スマートフォンを持ったままデジタルサイネージに近づくこと 合,スマートフォンで自分の位置を周りのスマートフォンに知 らせることもできる.メッセージの送受信を行うことも可能で あり,デジタルサイネージに対してメッセージを送っておくこ とによって生存者確認や,周りの状況を把握することが出来る. 5. 開 発 計 画 20byte 程度の通信である.この 20byte の中に固有の ID の情 報をいれデータの送受信を行う.提案で前述したとおり,その 5. 1 BLE を用いた Peripheral/Central 通信 ID をサーバに送ってデータベースから ID にあった情報を取得 我々は提案したものを開発するにあたって,アクティブマー しスマートフォンが受信する.これで提案で述べた情報拡散が カーの代わりに BLE を使うことにした.BLE とは,Bluetooth 出来るのではないかと考えられる. Low Energy [12] の略であり、標準化団体の Bluetooth SIG が 5. 2 取得できるデータ 定めた通信規格のひとつである.BLE は低消費電力仕様となっ この開発ができた際に,取得できうるデータは以下の 7 つで ており,通信帯域は 2.4GHz 帯を利用している.BLE の通信距 離は最大で 50m 前後で同時接続数に制約がない. GATT とは,Generic ATTribute profile の略であり,BLE 端末同士が接続してデータの送受信を行う際の方法や形式を 決めるものである.GATT に合わせることによって異なる端 末間でもデータの送受信を行うことが可能である.データ構 造の最小単位を attribute として扱い,サービス,キャラクタ リスティック,ディスクリプタの 3 つの要素で構成されている. データを転送する際の最小単位の属性値をキャラクタリスティ クスと呼び,基本的にはこの読み書きを行う.ディスクリプタ はキャラクタリスティクスの追加情報,いわゆる任意属性値を 持つ.1 つの機能を構成するものをサービスと呼び,キャラク タリスティクスやディスクリプタから構成される.複数のサー あると考えられる. ( 1 ) アプリケーション起動時のスマートフォンのタッチ履 歴を取得することが出来る. ( 2 ) スマートフォンが広告情報を受信した時のユーザの取 捨選択情報. ( 3 ) セントラル側で,ビーコンの領域内に入った時間を取 得することが出来る. ( 4 ) セントラル側で,ビーコンの領域外に出た時間を取得 することが出来る. ( 5 ) サーバ側でビーコンの領域内の滞在時間を計算し,取 得することが出来る. ( 6 ) サーバ側でビーコンの周辺人数を計算し,取得するこ とが出来る. ビスで構成される全体の機能をプロファイルと呼ぶ.このプロ ( 7 ) サーバ側または,セントラル側で広告を受け取った後 ファイルに基づいて BLE 端末同士がデータの送受信を行う. に宣伝されている店舗に訪れたかどうか確認することが出来る. BLE の通信方式は,ペリフェラル/セントラル通信方式を採 このデータを用いることで,ユーザのパーソナライズが可能に 用する.ペリフェラルとは,自分自身の存在を知らせるために なり,広告を配信している店舗側も広告効果を把握することが 電波を使って周囲にアドバタイズする.つまり,電波を発信し 出来る. 続ける.ビーコンの役割.アドバタイズとは,情報を発信する 5. 3 災害時の動作 ことをいう.セントラルとは,ペリフェラルが存在しているか 災害時は BLE 通信で災害情報を拡散する.デジタルサイネー どうか走査する.つまり,必要なデータを受信し続ける. ペリフェラル/セントラル通信方式は一方向通信であり, ジが動作できていれば避難場所や経路情報をスマートフォンに 対して実データを送信する.BLE 通信で 1 秒間に送信できる Apple が提供しているサービスである AirDrop 等がこの通信 データは約 0.5MB である.宮田 章裕らは [13] 災害発生時には 方式を使っている. スマートフォンとデジタルサイネージ間で websocket での通信 一般的にスマートフォンはセントラルの役割を持ち,周辺機 を実装している.websocket 通信だと,デジタルサイネージが 器がペリフェラルの役割を持っていたが,iOS6 以降からはス 災害時でも動いている必要があるが,BLE 通信であれば,ス マートフォン自身もペリフェラルになることが出来るように マートフォン同士であれば情報交換でき.デジタルサイネージ なった.AndroidOS も 5.0 からの新 API でペリフェラルにな に頼る必要がない点である. ることが出来る. iOS では,CoreBluetooth.framework,CoreLocation.frame work を使用し,CLLocationManager と CBPeripheralManager を両方動かすことで送受信の両立が可能になる.Android では,android.bluetooth.le を使用する. デジタルサイネージにペリフェラルの役割をつけるために ビーコンを取り付ける.これでデジタルサイネージはペリフェ ラルとセントラルの 2 つの役割を持つ.スマートフォンも,発 信と受信を同時に行うようにする必要があるため,ペリフェラ ルとセントラルの 2 つの役割を持たせる.基本的には,ペリ フェラルとセントラルの双方向通信を行う場合はサーバーを経 由する必要があるが,このようにする事で双方向通信が可能に なる.4 後は店舗ごとにビーコンを置くことでペリフェラルの 役割を与えることができる. BLE 通信で,一回データ通信の出来るデータのサイズは 図 4 Peripheral / Central 通信方式 6. ま と め 今後,前述した計画にそってプロトタイプを開発していき, 本当にターゲティング広告として効果になるのかどうか,パー ソナライズするにあたってのアルゴリズム等を実証実験を行い, 考えていかなければならない.今回は,BLE 通信でのプロトタ イプの開発であるが,他にもローカルで良い通信方法があれば 採用してみたい.今,考えられる問題点はプライバシーの問題, なりすましによるデータ取得,プロジェクションマッピングを 使う点で,その広告はどこが準備するのか等の問題点があるが, もし実用できればこれまでのデジタルサイネージよりユーザの 目を引くことが出来るだろう. 文 献 [1] MMD 研究所,2014 年 4 月携帯端末購入に関する定点調査 (2014). [2] W3C,HTML5,http://www.w3.org/TR/html5/browsers .html(2014). [3] 伊牟田悠作,土屋樹一,西田純二,上善恒雄,公共情報基盤と してのデジタルサイネージ, 第 45 回土木計画学研究発表会論文, (2012). [4] 白濱勝太,三神山駿,森本哲郎,西田純二,上善恒雄,人流に基 づく動的デジタルサイネージ広告の試み,第 63 回電子化知的財 産・社会基盤研究会,情報処理学会 (2014) [5] SCALA,The Connected Store,http://scala.com/the-conn ected-store/(2014). [6] OFF Line,AirTalk,http://off-line.co.jp/airtalk/(2014). [7] 大日本印刷 DNP デジタルコム,ビーコンを活用した駅構内の ナビゲーションアプリを開発,http://www.dnp.co.jp/news/ 10105891 2482.html(2014). [8] JR 東 日 本 ,東 京 駅 構 内 ナ ビ ,http://www.jreast-app.jp/snavi/(2014). [9] 東京ステーションギャラリー,スペシャル・オープン・ウィーク, http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201411 SPECIA L OPEN WEEK.html(2014). [10] Yazan Al Jilani,Rieko Kadobayashi,Tsuneo Jozen,Do Adults Want to Learn by Playing Digital Games?(2014). [11] 財団法人 ニューメディア開発協会,デジタルサイネージの市長 効果測定技術の調査・研究報告書 (2011). [12] Bluetooth SIG Proprietary,Master Table of Contents & Compliance Requirements(2014). [13] 宮田章裕,瀬古俊一,青木良輔,橋本寮,渡辺昌洋,井原雅行, 複数人同時閲覧のためのデジタルサイネージとモバイル端末の 連携方式,情報処理学会研究報告 Vol.2013 No.22,情報処理学 会 (2013).