...

同報告書【別紙-2】

by user

on
Category: Documents
3

views

Report

Comments

Transcript

同報告書【別紙-2】
【別紙-2】
各
工 場 名
王子製紙㈱
釧路工場
問題の要点
重油ボイラー、回収ボイラーで
NOx 基準値を超過したが自治体
に報告しなかった。
工
場
の
原
原
因
と
再
発
防
止
因
対
策
再
1)主な原因
1) 根本対策
① 操業の継続を重視する意識が強く、環境への配慮及び法令遵守
の意識が希薄になっていた。
①
②
発
防
止
対
策
法令遵守、環境保全を最優先した工場運営を行う。
基準値を超過するおそれのある場合は当該ボイラーを停止する。
「各法令基準値を超過するおそれのある場合には当該ボイラーを停止する。」旨、作業手
順書に明記し、部署員全員に周知徹底した。
(7月30日手順書改訂、徹底済み)
2) 管理上、操業上の対策
① 環境保全とコンプライアンスの徹底教育
・ 全従業員対象に2回/年以上の環境保全、コンプライアンスに関する教育を実施する。
2007 年 8 月中に第1回目の教育をする。
・ 7月 13 日を「工場環境の日」に設定し、環境保全の重大さを全従業員にうえつけ、風
化させない。(7 月 30 日に制定し、来年度から「工場環境の日」に環境キャンペーン実
施予定)
② 各部門の法令遵守チェック機能向上
各担当部門の法令遵守チェック機能が働いていなかった。
・ ばい煙基準値遵守状況の確認方法改善として3,5,8,9号ボイラーの窒素酸化物
・ 釧路市と公害防止協定を締結していた「硫黄酸化物(総量
の電子データを日報として打ちだし、1時間データを確認することにした。また、担
規制)」及び「4,6,7号石炭ボイラーの窒素酸化物」
当課長はデータ確認後、異常の有無を担当部長、公害防止管理者および環境管理室へ
について、操業部門は操作・監視画面での監視だけでなく、
毎日報告することにした。
(7月5日から実
電子データから各データ1時間値を日報として打ちだし、
施)
確認していた。また、これを管理部門もチェックしていた。
・ 工場環境委員会で全ボイラーのSOx、N0x 連続測定データ月報による法令遵守状況
しかし、今回違反が確認された4缶のボイラーの窒素酸化
の確認を行う。
(7月17日から実施)
物データについては、両部門とも確認をしていなかった。
・ 環境影響の大きい部署の環境内部審査用にチェックリストを作成し、内部審査を強化
・ 前記のようなデータ取り扱いをしていたため、毎月の工場
する。また、環境内部審査(1回/年)の審査員の一員として、公害防止主任管理者又
環境委員会および、毎年実施している環境内部審査でも今
は公害防止管理者をあてる。
(今年度内部審査から実施…11月頃)
回の法令違反を見つけることができなかった。
2)管理上、操業上の問題
① 従業員への法令遵守意識教育(浸透)が不充分であった。
②
基準値超過(法令違反)発生警報が分かり難かった。
・各法令基準値の異常に関する「警報」は操作・監視画面上に
しか現れず、重大な「警報」を部署全体で認識できていなか
った。
④ 設備変更、運転条件変更時の手順に不備があった。
・ 設備変更、運転条件変更時の手順書に環境影響に対する留
意・指示を明記していなかった。
・ 設備変更時の運転条件について環境への影響確認を充分に
していなかった。
③
重大な警報の見直し
・ 各法令基準値の異常に関する「警報」を制御室内に出し、警告灯で部署員全員が異常
を認識できるようにした。
(7月27日設置済み)
④
設備変更、運転条件変更時の運転手順の整備
・ 環境影響を明記した要領書の書式を作成し、社内報告するようにした。
(7月25日、作成・運用開始)
・ 設備変更時は最適運転条件を事前に確認後、稼働する。 (7月25日決定)
3) 基準値を超過した各ボイラーの問題
① 3号ボイラー(常用缶)
主燃料の黒液*1発生量減少に伴い重油混焼の期間が増加し、そ
の燃料の変化に適合した空燃比等運転条件を模索した操業を
していた。この運転条件模索時(重油混焼操業時)に窒素酸化
物基準値超過を発生させていた。
② 5号ボイラー(予備缶)
高負荷運転時の適切な空燃比調整ができておらず、窒素酸化物
3)基準値を超過したボイラーの運転方法、設備改善
① 3号ボイラー(常用缶)
燃料と空気量の比率および空気吹き込み場所を調整することで、窒素酸化物発生量を抑
制できる燃焼条件を把握した。
この条件を標準化することで、7 月 1 日以降基準値内で運転中。
③
② 5号ボイラー(予備缶)
低負荷であれば基準値内で運転可能なことが確認できた。最大蒸発量の制限を設け、低
1/11
工
場
名
問題の要点
原
因
基準値を超過させていた。
③ 8号ボイラー(予備缶)
最適運転条件の範囲が狭いボイラーであるため調整が難し
く、安定運転できないまま稼動させたことがあった。これに
より窒素酸化物基準値を超過させていた。
④ 9号ボイラー(常用缶)
「低負荷対応バーナー*2」という新設備導入後に最適運転条件
を確認しないまま稼動させてしまった。これにより窒素酸化物
基準値を超過させていた。
注釈
*1
*2
黒液:木材チップからパルプを製造する際に得られる抽出液
のこと。濃縮してボイラーの燃料として使用している。
低負荷対応バーナー:通常よりも低い最低蒸発量まで燃焼
可能なバーナー。
再
発
防
止
対
策
(7月26日から最大蒸発量に制限を設定)
負荷運転を行う。
③ 8号ボイラー(予備缶)
設備改善を実施し、基準値内で運転可能なことを確認できるまでは稼動しない。
④ 9号ボイラー(常用缶)
低負荷バーナー使用時の最適運転条件を把握し、基準値内で運転できることを確認し、
この条件を標準化することで、6 月 25 日以降基準値内で運転中。
4) 環境データの透明化
① 日報データ、測定データを定期的に北海道(釧路支庁)および釧路市へ報告する。
(7月20日から実施)
② 工場周辺住民への情報公開(測定データの報告、工場見学会等)を実施する。
(今年度から実施予定)
5)復旧措置履行
ボイラーを停止した場合は原因を究明し、再発防止策を講じる。
6)事故発生時の自治体への報告
ボイラーを停止した場合には連絡手順書に則り、速やかに報告する。
7)住民説明会開催
当工場近隣住民への説明会を5回開催し、経緯とその状況を説明した。
王子製紙㈱
苫小牧工場
NOx の基準値は一日平均値で遵
守すればよいと誤認していた。
1)管理上の問題
①法規制に対する認識不足
ボイラーの運転を担当している動力課員及び環境管理部門の全
員が、窒素酸化物の連続測定における測定値の取り扱いを、公
害防止協定における排出量の考え方(1 時間平均値を1日間平均
した値)と同様であると誤認していたため、1 日平均値で管理し
ていた。
排出基準値を1時間平均値で超過しても1日平均値で超えてい
なければ違反にならないと誤認していた。
②チェック体制
上記排出基準の認識のため、ボイラーの運転を担当している動
力課では課長まで日報をチェックしていたが、1日平均値のみ
をチェックしていた。
また、環境管理部門でも上記のように誤認していたため、動力
課から送付されてくる1日平均値を記載した表のみをチェック
していたので、法令遵守のチェック機能が働かなかった。
2)設備及び操業管理上の要因
(1)9号ボイラー
①燃料圧力調節弁の作動不良による燃焼空気量の過剰
2006 年 1 月から 3 月までの期間、燃料圧力調節弁の作動不良に
より燃料圧力が脈動して、燃料の流量変動がおきた。
1)管理上の対策
①排出基準遵守教育の実施
公害防止主任管理者及び公害防止管理者が、大気汚染防止法のばい煙に関する法令に関し
て、動力課員全員と環境管理室員全員に対して教育を実施した。
(2007 年 8 月 10 日完了)
②チェック体制の強化
日報は 1 時間平均値(以下 1 時間値)をチェックし、従来の動力課長までのチェックに加
えて、動力部長と公害防止管理者及び公害防止主任管理者が排出基準値と1時間値を対比
してチェックするよう体制を強化した。
(2007 年 7 月 16 日より実施済)
2)設備及び操業管理上の対策
(1)9号ボイラー
①燃料圧力調節弁の取替
2006 年 4 月に作動不良を起こした燃料圧力調節弁を交換した。
それ以後、燃料圧力調節弁の作動不良に起因する窒素酸化物濃度の排出基準値超過は起き
ていない。
2/11
工
場
名
問題の要点
原
因
これにより黒煙発生のおそれがでたため、燃焼空気量を過剰に
供給した結果、サーマルNOx発生量が増え、窒素酸化物濃度
が上昇したと考えられる。
この要因は燃料圧力調節弁の保守管理不備によるものである。
再
発
防
止
対
策
今後は定期的に年1回(ボイラー停止時)燃料圧力調節弁の計器出力と現場開度が、信号
通りに作動することを確認する点検を実施し記録に残すこととする。なお、不良があった場
合は整備を行うこととする。
また、水平展開として10号ボイラーの燃料圧力調節弁についても、定期的に点検する。
(9号ボイラー 2007 年 11 月実施予定)
(10号ボイラー 2007 年 8 月実施済)
②ボイラー負荷変更速度の不適正(負荷上昇・下降速度の過大)
北海道電力から自家発電より安価な深夜電力を購入するため、
深夜電力使用が始まる21時から23時頃にボイラー負荷(蒸
気発生量)の下げ変更、また深夜電力使用が終了する7時から
9時頃にボイラー負荷の上げ変更を行ってきた。
ボイラー負荷の下げ変更時は黒煙の発生防止のため、燃料が下
がりだしてから燃焼空気量を下げ、ボイラー負荷の上げ変更時
は、同様の理由により燃料を増やす直前に燃焼空気量を増やす
調節を自動で行っている。従ってボイラー負荷変更時は、燃焼
空気量が過剰気味の運転となる。
ボイラー負荷を変更する際、負荷上昇又は下降速度が早過ぎた
ため、燃焼空気量の過剰度合いがより大きくなり、その結果、
サーマルNOx発生量が増え、窒素酸化物濃度が上昇したと考
えられる。
②ボイラー負荷変更速度の適正化(負荷上昇・下降速度の緩和)
ボイラーの負荷(蒸気発生量)変更時に燃焼空気量が適正に追従するようボイラー負荷変
更速度を現状より緩やかにする。
③燃料バーナー詰まりによる燃焼空気量の過剰
燃料バーナーは複数あり、詰まりが発生したバーナーの燃料噴
射量が減った分は、他のバーナーの燃料噴射量が増えるため、
それぞれのバーナーからの燃料噴射状態が不均一となる。
燃料噴射量が増えたバーナーの燃焼不良による黒煙の発生を
防止するため、燃焼空気量を過剰に供給したことによりサーマ
ルNOx発生量が増え、窒素酸化物濃度が上昇したと考えられ
る。
③燃料バーナー詰まり掃除の定期化
従来は、燃料バーナーの掃除は不定期に行っていた。
今後は、ボイラー負荷の比較的軽い時期(北海道電力からの購入電力増となる土・日曜日)
に合わせて、定期的に燃料バーナーを掃除するようにした。
2007 年 7 月 21 日より実施した結果、燃料バーナー詰まりがなくなり燃焼が安定し、窒素酸
化物濃度の排出基準値超過は起きていない。
(2007 年 7 月 21 日より実施済)
(2)10号ボイラー
①ボイラー負荷変更速度の不適正(負荷上昇・下降速度の過大)
北海道電力から自家発電より安価な深夜電力を購入するため、
深夜電力使用が始まる21時から23時頃にボイラー負荷(蒸
気発生量)の下げ変更、また深夜電力使用が終了する7時から
9時頃にボイラー負荷の上げ変更を行ってきた。
ボイラー負荷の下げ変更時は黒煙の発生防止のため、燃料が下
がりだしてから燃焼空気量を下げ、ボイラー負荷の上げ変更時
は、同様の理由により燃料を増やす直前に燃焼空気量を増やす
調節を自動で行ってきた。従ってボイラー負荷変更時は、燃焼
空気量が過剰気味の運転となった。
ボイラー負荷を変更する際、負荷上昇又は下降速度が早過ぎた
ため、燃焼空気量の過剰度合いがより大きくなり、その結果、
サーマルNOx発生量が増え、窒素酸化物濃度が上昇したと考
えられる。
(2)10号ボイラー
①ボイラー負荷変更速度の適正化(負荷上昇・下降速度の緩和)
ボイラーの負荷(蒸気発生量)変更時に燃焼空気量が適正に追従するようボイラー負荷変更
速度を現状より緩やかにする。
変更前:30 分で 30,000KW(蒸気発生量では約 100t/h)上昇・下降させていた。
変更後:2007 年 7 月 17 日から上昇・下降速度が緩やかになるように 40 分で 30,000KW に変
更した結果、燃焼空気量が適正に追従し、窒素酸化物濃度の排出基準値超過は起きていな
い。
(2007 年 7 月 17 日より実施済)
変更前:30 分で 30,000KW(蒸気発生量では約 100t/h)上昇・下降させていた。
変更後:2007 年 7 月 17 日から上昇・下降速度が緩やかになるように 40 分で 30,000KW に変
更した結果、燃焼空気量が適正に追従し、窒素酸化物濃度の排出基準値超過は起きていな
い。
(2007 年 7 月 17 日より実施済)
3/11
工
場
名
問題の要点
原
因
再
発
防
止
対
策
②燃料バーナー詰まり掃除の定期化
②燃料バーナー詰まりによる燃焼空気量の過剰
従来は、燃料バーナーの掃除は不定期に行っていた。
燃料バーナーは複数あり、詰まりが発生したバーナーの燃料噴
今後は、ボイラー負荷の比較的軽い時期(北海道電力からの購入電力増となる土・日曜日)
射量が減った分は、他のバーナーの燃料噴射量が増えるため、
に合わせて、定期的に燃料バーナーを掃除する。
それぞれのバーナーからの燃料噴射状態が不均一となる。
2007 年 7 月 21 日より実施した結果、燃料バーナー詰まりがなくなり燃焼が安定し、窒素酸
燃料噴射量が増えたバーナーの燃焼不良による黒煙の発生を防
化物濃度の排出基準値超過は起きていない。
止するため、燃焼空気量を過剰に供給したことによりサーマル
NOx発生量が増え、窒素酸化物濃度が上昇したと考えられる。
(2007 年 7 月 21 日より実施済)
③落雷による停止生産設備の運転方法
③落雷による工場負荷変動による影響
生産設備の一部が自動停止した場合は、速やかにボイラー運転状態を安定させる。
受電設備への落雷の影響により工場の生産設備である抄紙機の
ボイラーの運転状態が安定し、窒素酸化物濃度が安定していることを確認してから、停止し
一部とパルプ設備の一部が自動停止となった。このためボイラ
た生産設備の運転再開許可を関係職場に連絡する。
ー負荷が、急激に下がったことから、過剰空気度合いが大きく
生産設備の運転再開は段階的に行い、ボイラー負荷の上昇を緩やかにし、急激な負荷上昇に
なり、サーマルNOx発生量が増え、窒素酸化物濃度が上昇し
よる窒素酸化物濃度の排出基準値超過を防止する。
たと考えられる。
(落雷時に対応)
その後、停止した抄紙機とパルプ設備の運転再開により、ボイ
ラー負荷が、急激に上がったことから、燃料の上がりに対し燃
焼空気量の過剰度合いが大きくなったため、サーマルNOx発 3)その他の対応
(1)監視体制の強化
生量が増え、窒素酸化物濃度が上昇したと考えられる。
①窒素酸化物濃度の警報設定の見直し
従来は、上限警報を排出基準値の 210ppm に設定し、事前警報を 205ppm に設定していた。
2007 年 7 月 16 日から、動力課操業員がより早く上昇傾向を把握するため、上限警報を
205ppm、事前警報 190ppm に変更した。
変更前:1 段階目(事前警報)
変更後:1 段階目(事前警報)
205ppm
190ppm
2 段階目(上限警報) 210ppm
2 段階目(上限警報) 205ppm
(2007 年 7 月 16 日実施済)
②窒素酸化物濃度の監視体制強化
現状は瞬時値とチャート情報で監視を行っている。
今後は 10 分間と1時間の移動平均値を追加し、監視機能を強化する。
さらに、制御室に移動平均値(10 分間と1時間)を表示するデジタル表示盤と警告灯など
の警報装置を設置し、動力課操業員全員が監視できる体制にする。
(2007 年 11 月実施予定)
③環境測定装置の点検・保守
環境測定装置は月 1 回、定期点検を行っている。
また、記録計の数値や動きが通常と違う、と動力課操業長が判断した場合は、保守担当者に
連絡し点検・整備を依頼していた。
しかしながら、ばい煙排出基準が 1 時間平均値の 1 日平均値と誤認していたことから、夜間
については朝まで待って保守担当者へ連絡していた。
今後は、記録計の数値や動きが通常と違うと動力課操業長が判断した場合は、夜間でも朝ま
で待たず、直ちに、保守担当者を呼出しの上、点検・整備を行う。
(2007 年 8 月より実施済)
(2)窒素酸化物濃度の排出基準値超過が予想される時の対応
窒素酸化物濃度が下がらず、排出基準値超過が 10 分間継続された場合は動力課操業長の判
断で、生産設備(パルプ設備・抄紙機)への供給電力を制限してボイラー負荷を下げる。
それでも、窒素酸化物濃度の排出基準値超過が 1 時間継続するおそれがあると動力課操業
長が判断した場合は、ボイラー停止操作をする。
(都度対応)
4/11
工
場
王子製紙㈱
富士工場
名
問題の要点
ボイラー設置時に富士市と決め
たばい煙濃度の協議値のうち、
NOx 濃度について一部のボイラ
ーで協議値を超えたが、データ
を改ざんしてその異常を自治体
に報告しなかった。
原
因
再
発
防
止
対
策
1)管理上の問題
① 複数の者による、元データの確認がされていなかったため、協
議値の超過およびデータ改ざんが見逃されていた。
1)管理上の対策
①協議値遵守のための管理体制の構築
従来は、自動分析計記録(生データ)と照合確認作業がされていなかったため、これを改
める。また各データのチェック体制が不十分であり、担当者任せであった。今後は、課長、
公害防止主任管理者及び環境管理室によるチェック頻度を上げて改ざん等の防止を図る
と共に、操業上の問題点を的確に把握していき操業改善にも繋げていく。
(2007 年 8 月 15 日完了)
② 「操業管理値」および「警報設定値」が協議値と同レベルの値
に設定されていた。
②操業管理値等の見直し
07 年 7 月より通常の操業管理値を協議値より低い設定に変更し、警報設定値についても修
正し、協議値を遵守する体制とした。
(2006 年 6 月完了)
③従業員へのコンプライアンス教育の実施
協議値遵守第一を徹底教育する。(2007 年 8 月末完了予定)
③ 操業の継続を重視する意識が強かった。
2)設備および操業上の問題
① 1号ボイラー
通常 脱硝設備による NOx自動制御を行なっていたが、負荷変
動発生時は操業者が手動操作で対応していた。しかし、個人差
などによって適正な操作が行われない場合があり、結果として
協議値超過を発生させた。
2)設備および操業上の対策
①1号ボイラー
・従来、負荷増加に従い設定した量のアンモニアを注入する制御をしていたが、この制御ソ
フトに問題があり十分制御しきれなかった。今回ソフトを再調整し、自動制御を改善した。
(2007 年 8 月 15 日完了)
・ 全ての NOx 対策を実施しても協議値超過が 10 分継続された場合は、操業長判断で生産設
備への蒸気、電力の供給を制限して、ボイラーの負荷を下げる。それでも協議値超過が 1
時間継続するおそれがあると操業長が判断した場合は、ボイラー停止操作をする。
(2007 年 8 月 1 日完了)
② 2号ボイラー
1、3 号ボイラーに比べ協議値が 200ppm と高かったため超過し
ないと思い込み対応が遅れた。
② 2 号ボイラー
・ 濃淡燃焼および低酸素燃焼操業の標準化をする。特に、濃淡燃焼が出来ない低負荷時に、
NOxが高くなるため、その領域での操業は行なわないこととする。
(2007 年 8 月 15 日完了)
・ 低負荷になる場合は、他のボイラーとの負荷調整、若しくは大気放出により負荷上昇操
作を行なうことで対処する。(2007 年 8 月 15 日完了)
・ 低酸素運転時のボイラー出口酸素最低管理値を、1.5%から 1.2%に変更し標準化した。
(2007 年 8 月 15 日完了)
・ 全ての NOx 対策を実施しても協議値超過が 10 分継続された場合は、操業長判断で生産設
備への蒸気、電力の供給を制限して、ボイラーの負荷を下げる。それでも協議値超過が 1
時間継続するおそれがあると操業長が判断した場合は、ボイラー停止操作をする。
(2007 年 8 月 1 日完了)
③
③
3号ボイラー
脱硝設備が設置されておらず操業的に厳しい状態にあったが、
操業の継続を重視した結果、協議値超過を発生させてしまっ
た。
3 号ボイラー
・ 1999 年 3 月に高効率バーナー(低酸素型バーナー)を採用したことにより設置当初と比
較し NOx が低減したが、更に 2006 年 2 月 25 日に実施したガス再循環設備の増強および
その操業標準化により、協議値以下の操業が可能となった。(2006 年 2 月 25 日完了)
・ ガス再循環操業標準化に合わせ、従来からの2段燃焼および低酸素運転時のボイラー出
口酸素最低管理値を、1.0%から 0.8%に 変更し標準化した。
(2007 年 8 月 15 日完了)
・ 全ての NOx 対策を実施しても協議値超過が 10 分継続された場合は、操業長判断で生産
5/11
工
場
王子製紙㈱
春日井工場
名
問題の要点
ばい煙濃度の定期測定を自社で
行っていたが、2002 年より社外
の測定機関に測定を委託したと
ころ、従前の自社測定値との乖
離があったので、従前の数値に
近い値にデータを改ざんした。
基準値の超過は無かった。
原
因
2002年10月以降、自社分析から外部分析に変更したが、1
号ボイラーと 1 号石灰キルンのばいじんとSOxの測定値で、自
社分析値より外部分析値が低い数値となり、それ以前の測定値と
整合性を図るため、安易に報告値を上方修正してしまった。
再
発
防
止
対
策
設備への蒸気、電力の供給を制限して、ボイラーの負荷を下げる。それでも協議値超過
が 1 時間継続するおそれがあると操業長が判断した場合は、ボイラー停止操作をする。
(2007 年 8 月 1 日完了)
④ 全般
・ ボイラーへの急激な負荷変動を与えないよう、マシンの蒸気取り出し制御を見直し、制限
を設ける制御に変更を検討する。(2007 年 9 月末日までに実施予定)
・ 自治体との連絡を密にしてコミュニケーションを図る。
1)コンプライアンス教育の再徹底
① 工場内の全従業員(正規外従業員、派遣社員含む)に行動規範遵守の再教育を実施し、特
に法の遵守については重点的に取組む。
②
教育の実施状況および理解度について、各部において定期的(1回/6 ヶ月)にチェックを
行い、コンプライアンス意識の定着を図る。
(①、②:今回の問題の説明と再発防止のための教育
管理職向けの教育:2007年9月末までに実施予定
一般職向けの教育:2007年10月末までに実施予定
その後は定期的に実施)
③ 開催回数、時間等の見直しも行ない、継続的なコンプライアンス意識の啓発を図る。
(10月末予定)
2) 環境保全および報告書作成管理体制の見直し
① 行政にばい煙データの報告を行う際には、測定データ(外注)を基本とし、報告書を添付
の上、複数の者で数値の一致を確認できる体制に変更する。
(7月23日より実施中)
② 各施設に設置している連続測定器(SOx、NOx 計)データについても、管理用だけでな
く測定データ(外注)とのつき合わせにも使用する。
(7月23日よりデータ集積中)
③ ばい煙量等測定記録表についても、複数の者により測定データ(外注)と一致しているか
確認できる体制に変更する。
(9月初旬より実施予定)
④「工場環境委員会」(1回/月開催)で、従来の議題に加え該当する測定データ関係の報告
を行う。
(9月中旬開催の環境委員会より実施予定)
⑤ 連続測定機器については、ゼロ点調整および較正を定期的(1 回/月)に実施する。
(点検は実施中、10月初旬より記録チェックと実施有無の確認を環境管理部門で行なう)
⑥ 測定データについては、定期的(1 回/年)な精度管理を行なう。
(2008年3月実施予定)
⑦ 該当設備のチャート類についても相互チェックシステムを採用する。
(8月13日より環境管理室で相互チェックを実施中)
⑧ 公害防止管理者による内部監査(2 回/年)を追加実施する。
(1回目は10月上旬に、2回目は2008年3月に実施予定)
(その他)
2007年9月末までに最終的な手順を環境マネジメントシステムの規程に盛り込み、漏
れがないようにする。
6/11
工 場 名
王子製紙㈱
米子工場
問題の要点
自治体との協定値を超過してい
たにもかかわらず、適正な報告
を怠っていた。(法基準の超過な
し)
原
因
1. 10 号ボイラーでの窒素酸化物の協定値超過について
1)管理上の問題
① 協定値超過発生時に自治体への報告がなされなかったのは、排
出濃度について 1 時間平均値で超過した場合に報告が必要との
認識が不十分であった。
再
発
防
止
対
策
1.
10 号ボイラーでの窒素酸化物対策
1)管理上の対策
① 日常の管理、報告において 1 時間平均値で協定値を超過してはならないこと、ならびに 1
時間の超過があれば関係当局への報告が必要なことを周知させた(2007 年 8 月 7 日から実
施)。
2)設備・操業上の問題
① 負荷(蒸気発生量)変動により、窒素酸化物発生量が増加した際
に、その排出を抑制する尿素添加を手動操作で行っていたた
め、運転員の対応が遅れてしまった。
2)設備・操業上の対策
① 窒素酸化物排出量を低減させる尿素の添加については、窒素酸化物排出濃度値を読み取っ
て尿素を自動添加できるように設備を改造した(2007 年 8 月 16 日完了)。尿素の自動添加
が開始されても窒素酸化物排出濃度が依然上昇傾向にあるときは、尿素自動添加設備が的
確に作動しているかどうかを確認し、異常があるときは手動操作に切り替えて尿素を添加
する。尿素添加の対応にもかかわらず、窒素酸化物排出濃度が時間値で超過するおそれが
ある場合はボイラーを停止する(2007 年 8 月 17 日より運用開始)。
② 警報の設定を 120ppm に変更する(暫定設定として 2007 年 8 月 20 日実施)。
② 警報の設定値が 135ppm と協定値 140ppm に近く、135ppm の警報
が出されてからの対応では間に合わなかったと考えられる。
2. 1 号ボイラーでの硫黄酸化物の協定値超過について
1)管理上の問題
① 監視業務として連続記録計チャートの確認がなされていなか
った。
2. 1 号ボイラーでの硫黄酸化物対策
1)管理上の対策
① 連続記録計チャートの確認については、毎日のチャートと日誌の照合を操業長が行い、さ
らに管理職は操業長が確実に照合しているかどうかを確認する(2007 年 8 月 10 日から実
施)。
2)設備・操業上の問題
① 硫黄酸化物総排出量の超過は、黒液を燃焼せずに重油のみを燃
焼した時に発生している。当該ボイラーの硫黄酸化物排出濃度
連続測定機からのデータを日報に集計するプログラム*に設定
ミスがあり、実際には硫黄酸化物が排出されていたにもかかわ
らず日報には硫黄酸化物濃度が「0」と集計されており、超過
に気付かなかった。 (* 測定値の不良指示(マイナス指示)をキャン
2)設備・操業上の問題
① 黒液を燃焼しない場合の燃料として、硫黄酸化物発生量が少ない再生油または A 重油を使
用できるように 2007 年 9 月末を目処に設備対応する。
再生油または A 重油を使用しても硫黄酸化物排出濃度が上昇した場合は、煙道への水スプ
レーを行う。煙道への水スプレーは、従来は設備保護とばいじん対策として使用していた
が、脱硫に対しても効果があることが確認できており、当該作業を硫黄酸化物排出濃度低
減策として標準化する。
煙道への水スプレー対応でも硫黄酸化物排出濃度が下がらず、総排出量が時間値で超過す
るおそれがある場合はボイラーの負荷を下げる(2007 年 9 月末予定)。
② 硫黄酸化物排出濃度集計プログラムについては、マイナス側数値のみを「0」として、プラ
ス側数値は小さい値でも測定値をそのままを集計して、その数値が日報に印字されるよう
に 2006 年 11 月に修正済みである。
また、硫黄酸化物は排出量で規制されており、今後排出量で管理できるように、2007 年
10 月初旬を目処に工場全体の総排出量および各ボイラー排出量のリアルタイム値を操作
パネルに表示させるとともに、日報に記入欄を追加する。
硫黄酸化物排出濃度集計プログラムについては、容易に変更できないように、2007 年 8 月
末を目処に扱っているコンピュータにロックを掛ける。
セルして「0」と表示させるプログラム)
②
集計プログラムは、当初は正常であったと考えられるが、重要
なプログラムであるにもかかわらず変更可能な状態になって
いた。
3)環境保全およびコンプライアンスの徹底
① 遵法教育
ボイラー運転において排気ガス対策が全てに優先され、協定値を短時間であっても超過し
てはならないという姿勢を管理職が明確に示し、運転員に対して遵法教育を実施する(第 1
回は 2007 年 8 月 3 日、第 2 回は 8 月 7 日に実施)。
7/11
工
場
名
問題の要点
原
因
再
②
③
王子板紙㈱
江戸川工場
ボイラーの NOx の基準値を超過
しても自治体に報告しなかっ
た。
1)管理上の問題
① 法令遵守の教育不足で、基準値オーバーに対する問題意識が低
く、基準値超過のままでの操業を行った。
② 基準値超過の状態が発生していたにもかかわらず、その情報が
上位管理者及び公害防止主任管理者に報告されていなかった。
③ 排出基準値遵守のための管理手順書はあったが、手順が具体的
でなく適切な運用ができていなかった。
④ 窒素酸化物の警報を都の基準値と同じ 80ppm に設定していたた
め排出基準を超えやすい状況にあった。
2)設備及び操業上の問題
①空気過剰運転
生産設備が不調で、ボイラー負荷の変動が大きく負荷の低い状態
が続いた時期に、過剰な燃焼空気を使用する傾向にあり、そのた
め窒素酸化物濃度が高い傾向にあった。
②蒸気注入による窒素酸化物低下対策
NOx を低減させるための蒸気注入設備があるが、この設備を適切
に活用できていなかった。
③窒素酸化物異常警報に関して
異常警報の発報が、ボイラー制御室内に限定されているため、排
出基準値超過の情報が担当者に限定されていた。
④2006 年 5~6 月にかけ,重油からガスへの燃料転換を行ったが、低
負荷操業時の空気と燃料の比率設定が適切でなかった。
発
防
止
対
策
内部監査
担当職場のばい煙管理が適正に行われているかの確認のため、環境管理室による内部監査
を実施する(2007 年 8 月 17 日より開始)。確認方法はチャートと日報との照合によって行
い、頻度は 1 回/週とする。
法規則等の確認
常に最新情報の入手に努め、変更があった場合は関係者に周知させる(2007 年 8 月中旬よ
り取組み中)。
1)管理上の対策
① 法令遵守(コンプライアンス)の教育を実施する。(管理職対象:2007 年 8 月 21 日実施、
全従業員には 2007 年 9 月末までに実施予定)
② 操業管理体制の見直しを行い、担当管理者は、ばい煙連続データ(1時間値)をチェック
し基準値遵守状況を上位管理者及び公害防止主任管理者へ報告し確認を受けるようにする
(2007 年 7 月 13 日より実施)。
③ 排出基準値遵守ため、作業手順書を新たに設定し(7 月 12 日実施済)運転者に教育した(2007
年 7 月 30 日徹底済)。
④ 窒素酸化物管理値及び警報の発報値を 75ppm に変更した(2007 年 7 月 12 日より実施済)
。
運転員は 75ppm を超過する場合は、発生抑制の対策を行うと共に管理職への連絡を行うこ
ととする。
2)設備及び操業上の対策
①ボイラーの最低燃焼条件の変更
これまで設定の蒸気発生量の最低負荷条件下では過剰空気になりやすい傾向があったの
で、最低負荷条件を上方修正して、過剰空気の抑制を行った(2007 年 7 月 20 日より実施)。
また、ボイラ-低負荷で窒素酸化物が 75ppm 以上となる場合、蒸気の大気放出を行いボイ
ラ-負荷を上げる操業を行うこととした(2007 年 7 月 12 日より実施済)。
②蒸気注入による窒素酸化物低下対策
自動的に蒸気を注入するとガスバーナーが失火する恐れがあるので従来は窒素酸化物上昇
時に手動で蒸気を注入している。しかし自動添加が出来るように、メーカーの技術指導を
受けながら対策を検討する(2007 年 9 月末までに検討する)。
③窒素酸化物異常警報に関して
・ 窒素酸化物異常警報を 75ppm に設定し、75ppm を瞬時でもオーバーしたら、蒸気注入を行う
よう作業標準書を変更した(2007 年 7 月 12 日より実施)。
・ 窒素酸化物の異常警報を、管理職及び上位管理職の携帯電話に通知するシステムを採用する
(2007 年 9 月末までに実施予定)。
④空気―燃料 曲線の変更
第1回目: 燃料を重油からガスに転換後、第1回目の空気-燃料曲線の設定を行った(2006
年 10 月実施済)。
第 2 回目: 低負荷状況での窒素酸化物が発生しやすい状況にあったため、空気-燃料曲線の
設定変更を行った(2007 年 7 月 12 日実施済)。
8/11
工 場 名
王子板紙㈱
日光工場
問題の要点
SOx 計器の測定レンジが 0~
200ppm しかなかったので、異常
時にはレンジオーバーしてお
り、K 値 14.5(=426ppm 相当)の
基準を遵守したかどうか、正確
な濃度が不明であった。
原
因
発
防
止
対
策
1)管理上の問題
① 運転者にK値規制とそのK値に対応する SOx 濃度の関係、吸収
塔での脱硫の仕組の理解度が低く、レンジオーバーの測定不能
にも関わらず規制値超過は無いだろうという操業優先の安易
な考えから、測定不能のまま操業を行っていた。
② 上位管理者へのトラブル報告はあったが、規制値超過の報告が
なかったため適切な対策指示がされなかった。
1)管理上の問題の対策
① ボイラー運転員にK値規制と SOx 濃度の関係、脱硫の仕組みについての再教育を行ない、
基準値超過を発生させない運転方法を確立させる。(7月20日までに終了予定)
2)設備上の問題
① 排脱吸収塔(湿式スクラバー型式)散水液には水酸化マグネシ
ウム(アルカリ液)を添加しているが、この水酸化マグネシウ
ムを購入品から自製化した際(05 年7月より)
、設備不備と運
転方法未確立な間、未溶解部質が発生し、散水スプレーのノズ
ル詰りが発生した。
② pH 計故障時、pH の値が不明となり pH コントロールが出来ず、
手動操作で水酸化マグネシウムの添加をした。
2)設備上の対策
① 水酸化マグネシウム自製設備については、アジテーターの強度、自製時仕込み濃度の低下
と、自己発熱時間延長により反応時間を充分にとることにより、未反応分の減少を図った。
(06年2月実施済み)また、配管内スケール付着防止のため、スケール防止剤の添加を
おこなった。
(07年1月より実施済み)
③ SOx 計の測定レンジが 0~200ppm(宇都宮市公害防止指導事務処
理要綱の基準値 426ppm に対し、通常の管理値 150ppm)であった
ため、上記トラブル時にレンジオーバーの測定不能状態が発生
していても基準値超過を認識できなかった。
3)操業上の問題点
① スクラバー閉塞時の作業方法として水酸化マグネシウム(アル
カリ)液の補充を止め、循環液を酸性化させ詰り部質の溶解洗
浄を行なった。この作業の間 pH を4近くまで低下させている
ため、脱硫率が低下し排出基準値を超過した可能性がある。
王子板紙㈱
佐賀工場
再
NOx の基準値が 250ppm である 1)管理上の問題
が、ボイラーNOx 計器のレンジ ① 管理職の排出基準値に対する意識が低く運転員への十分な教
育がなされていなかったため規制値の超過を見逃していた。
を 0~250ppm の範囲で管理して
いた。これまで 250ppm を超過し ② 排出基準値遵守のための具体的な管理手順書がなかった。
たと判断されることがあった
が、超過と認識していなかった。
③
公害防止管理者は、日報の日間平均値の確認のみを行い連続記
録紙の記録を確認していなかった。このため公害防止管理者は
計器のレンジ超過・排出基準値の超過に気づかず、運転現場か
らの異常等の報告が無ければ、それ以上は細部にまで精査しな
かった。
②
操業管理体制の見直しを行い、管理日報、ばい煙測定チャートの報告を従来は動力課長ま
でだったものを、工務部長および公害防止主任管理者まで報告することとした。
(7月13日実施済み)。
②
pH 計を2重化し、1台が故障したときにも pH の測定が可能にした。
(10月末)2重化ま
での対策として、故障時には水酸化マグネシウム添加調節弁を手動操作にて通常開度より
開き、余剰添加を行なうよう作業手順書を作成し標準化する。(7月17日作成済み)
③ SOx 計の測定レンジを 0~500ppm に変更、規制値までの硫黄酸化物濃度を測定可能とし上
限警報を設置した。(7月17日実施済み)
3)操業方法の対策
① 規制値を超過する恐れがある場合は燃料種類を C 重油から A 重油への切替えを行い、さら
に超過の恐れが残るときは当該ボイラ-を停止する。(7 月 22 日作成済み)
1)管理上の対策
① 管理職自ら排出基準値遵守に対する認識を改め運転員に対しても教育を行った。またコン
プライアンス教育については 2 回/年継続的に実施する。(2007 年 7 月 13・14 日実施)
② 排出基準値遵守のための具体的な管理手順書を作成し運転員に教育した。
また①の定期教育時に管理手順書含めて教育する。(2007 年 7 月 18 日作成、19 日教育実
施)
運転員が、毎日連続記録紙を 1 日分切取り公害防止管理者へ提出する。公害防止管理者は、
連続記録紙を確認し、ばい煙の排出状況を上位管理者へ報告する。
(2007 年 7 月 13 日より
実施)
③ 運転員は、窒素酸化物濃度が管理値 170ppm を超過するような場合は、排出抑制のための
対策を行うこととする。更に不測の事態には、管理職への連絡を行う。
(2007 年 7 月 13 日
より実施)
④ 日報の 1 時間値に排出基準を超過した値があれば数値に印を付ける等の改善をする。
(2007
年末までに実施予定)
9/11
工
場
名
問題の要点
原
因
再
発
防
止
対
策
2)設備上の問題
① 窒素酸化物濃度測定器のレンジの上限を 250ppm としていた。
ボイラーの設備能力として通常 170ppm 以下で運転するように
設計されているため 250ppm まで排出濃度が達することは無い
と考え、上限を 250ppm としていた。日間平均値を出力する日
報にも 250ppm 以上の値が記入されないことに平成 18 年 9 月ま
で気付かなかった。
② 警報に不備があった。
窒素酸化物濃度が管理値:170ppm を超過した場合警報を出す
が、一旦リセットすると二度と警報を出さない仕組みになって
いる。また重要な警報として他の警報と区別がされておらず、
異常時には多くの警報が吹鳴するので運転員が気づきにくい
状況であった。
2)設備上の対策
①窒素酸化物濃度測定器のレンジの上限を 500ppm と変更する。
平成 19 年 1 月に上限レンジを 300ppm へ変更したが、その後も上限レンジを
超過する状況が発生したので排出基準値の 2 倍の 500ppm に
さらに変更する。(2007 年 8 月末までに実施予定)
③
③ボイラーが低負荷となった場合は、自動的に蒸気を大気放出しボイラー負荷を増加させ窒素
酸化物を抑制する自動制御を検討する。(2007 年 9 月末までに可能性を検討し実施時期につ
いて報告する)
④窒素酸化物制御のための尿素噴霧装置等の設置を検討する。(2007 年 9 月末までに可能性を
検討し実施時期について報告する)
⑤窒素酸化物排出基準超過時は、ボイラーを停止する。
ボイラー低負荷時は、窒素酸化物が上昇しやすい構造となって
いる。近年省エネを(蒸気・電力)進めた結果ボイラーの低負
荷運転の割合が多くなっているので条件としては悪くなった。
②窒素酸化物濃度が管理値:170ppm を超過した場合、警報が発報し続けるように単独の警報を
設置する。硫黄酸化物についても同様。(2007 年 8 月末までに実施予定)
3)操業方法の問題
3)操業方法の対策
① ボイラー低負荷等で窒素酸化物濃度が上昇した場合の具体的 ① ボイラー低負荷時及び微粉炭機切替時は、重油の混焼・蒸気の大気放出によるボイラー負
なマニュアルが無かったため排出抑制のための対策が不十分
荷増加等の対策をすることとした。
(2007 年 7 月 18 日手順書作成、19 日教育、尚対策の実
であった。
施は 2006 年 10 月より実施)
② 2006 年 3 月より木質燃料の混焼を開始し 8 月に制御方法を改善 ② ボイラー低負荷時は、木質燃料の混焼比率を下げ燃焼空気過剰を防止し窒素酸化物濃度の
した。9 月より木質燃料の混焼比率を計画値の 5%としたが、
上昇を抑制するよう作業標準を定めた。
(2007 年 7 月 18 日手順書作成、19 日教育、尚対策
木質燃料を使用するとボイラー低負荷時に NOx が出やすい傾向
の実施は 2006 年 10 月より実施)
があるが、操業のマニュアルが出来ていなかった。
10/11
工 場 名
王子板紙㈱
富士工場
問題の要点
原
因
焼却炉における「連続測定によ 1.連続測定における窒素酸化物1時間値の協議値超過の原因
る窒素酸化物」及び「ばいじん」 1)当該時間帯(1時間の間)において窒素酸化物濃度の低減操作
の協議値超過に対する指導を受
が遅れた。警報としては 操作・監視画面の表示及び警報ブザ
けた
ーがあるが、一旦警報を解除すると再発報しないようになって
いるため部署全体で異常を認識できなかった。
2)異常を示す窒素酸化物の警報設定値が、協議値95ppm に対し
90ppm と近い値であった。
3)焼却炉の窒素酸化物濃度は、通常年2回の定期分析結果の報告
義務のみであり連続測定の1時間値は協議値超過とはなら
ないとの思い込みをしていたため、上位管理者への報告がなさ
れなかった。又、上位管理者もチェック体制が不十分であった
ため協議値超過の事実を把握しておらず富士市への報告もな
されなかった。
2.定期分析におけるばいじん協議値超過の原因
1)協議値0.02g/m3N に対し 定期分析結果0.03g/m3N
と超過したにもかかわらず、分析異常であると解釈して再測定
を行わなかった。
過去及び前回の定期分析値がほとんど0.01g/m3N と低い値
であったこと 又、2ヶ月前に実施した前回定期分析以降 運
転及び設備面の変更がなかったことから、今回の定期分析値
0.03g/m3N は測定異常値であろうと誤った判断を行った。
又、2 ヵ月後に実施した次の定期分析において 0.01
g/m3N と良好な結果が出たため問題なしと判断した。
2)協議値超過に対するチェック体制が不備であったこと、又上位
管理者によるチェック体制も不十分であり工場幹部まで協議
値超過の事実が報告されておらず、富士市への報告もなされな
かった。
再
発
防
止
対
策
1.連続測定における窒素酸化物1時間値の協議値超過の改善対策
1)制御室内に非常用警告灯(回転灯)を設置し、警報設定値を超えた場合 警告灯を
継続して点灯させ、担当部署全員が確実に異常を周知し早期にアクションをとるよう改善
する。警告灯は警報を解除しても窒素酸化物濃度が警報設定値以下に改善される
まで点灯し続ける構造とする。
(2007 年 9 月末完了予定)
2)警報設定値を90ppm から80ppm へ変更した。
(2007 年 8 月 3 日実施済)
3)窒素酸化物濃度上昇時の操作手順及び異常時の焼却炉停止を徹底する。
(2007 年 8 月 15 日徹底済)
4)窒素酸化物の日報及び連続測定チャートは、毎朝担当操業長及び課長がチェックを行い捺
印して課長が 3 年間これを保管する。
(2007 年 8 月 3 日より実施済)
5)窒素酸化物協議値超過の恐れがあり焼却炉を停止した場合は、理由の如何にかかわらず
担当部長及び工場長まで報告する。
(2007 年 8 月 15 日徹底済)
6)工場長は、環境委員会を毎月開催し協議値超過がなくても問題点があればそれを報告させ
る。
(2007 年 8 月 17 日より実施済)
7)協議値を超えると判断され焼却炉を停止した場合は、原因調査報告及び改善対策を速や
かに富士市へ報告し指導を受ける。
(2007 年 8 月 15 日徹底済)
2.定期分析におけるばいじん協議値超過の改善対策
1)定期分析により協議値超過が確認された場合、担当課長は焼却炉の停止を指示すると
ともに工場公害防止管理責任者及び工場長に必ず報告し原因の調査を行う。又速やかに
富士市に届出しその後の処置について指導を仰ぐ。
(2007 年 8 月 15 日徹底済)
2)工場長は、ばいじん協議値超過の事実を確認した後、必要な処置又は対策を講じる。
(2007 年 8 月 15 日徹底済)
3)定期分析結果報告書は、担当者任せにせず、担当課長及び公害防止管理責任者の両者で
チェックし捺印後 担当課長が3年間これを保管する。(2007 年 8 月 3 日より実施済)
4)ばいじん協議値超過の恐れがあり焼却炉を停止した場合は、速やかに富士市へ報告し
点検結果を報告した後、富士市の許可を受けてから運転再開する。
(2007 年 8 月 15 日徹底済)
3.環境保全およびコンプライアンス教育の徹底
1)大気汚染防止法及び協議値についての遵守意識強化のための教育を、公害防止管理責任者
より全管理職及び当該部署の全員(発電ボイラー・焼却炉とも)に対し実施する。
教育は、9月末までに実施するものとし実施結果については富士市へ報告する。
(2007 年 9 月末迄に実施予定)
2)全従業員を対象に年2回以上の環境保全及び法令遵守に関する教育・研修を実施する。
(2007 年以降毎年実施)
3)7月17日を「工場環境の日」に設定し、環境保全及び法令遵守の啓蒙活動を行う。
(2008 年より実施)
11/11
Fly UP