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 が愉快、そして、このお店がそれはそれは不思議で、ひたすら楽しい。ありきたりだが、
つキーパーソンが、
ビストロ
﹁口ひげ﹂
のオーナー
︵ルー・ジャコビ︶
である。このオーナー
すれ違いを起こし、それでも何より相手を想って、さらにすれ違う。この二人を取り持
画になっているのがポイントである。出会った二人は、まず恋に落ちるのだが、何かと
娼婦という仕事についての価値判断を下すのではなく、この職業で生きているから、映
任した、何事にも真面目に取り組む巡査︵ジャック・レモン︶がやってくる。ここで、
あるときのパリの娼婦である。そこに、前任地は田舎で手柄を立て、このたびパリに赴
そこでだが、この映画には、女性の背中をしゃんと伸ばさせ、素敵な笑顔でもって映
画館を出ていく効果があると私は思う。主人公のイルマ︵シャーリー・マクレーン︶は
はならなかったと想像する。
はどうだったろうか。女性にとっては、それらの任侠映画を観ても、男性のような姿に
てしまう。残念ながら、私自身はこの光景を見たことがない。では、そんなとき、女性
昔、仁義や渡世人を描く映画を観ると、その映画館帰りの男性陣は、すっかり肩をい
からせて帰途につく、と聞いたことがある。主人公に自分を重ね、まさに、その気になっ
い幸福感﹂を感じる。もっと言えば、
﹁生きていてよかった﹂と思う。
映画を観て、
﹁人生は素敵だな﹂と思えると、
﹁徳をした﹂
、あるいは﹁何とも言えな
主演 シャーリー・マクレーン ジャック・レモン 監督 ビリー・ワイルダー 制作 一九六三年 アメリカ
︶ 神部 順子
あなただけ今晩は ︵ Irma la Douce
あとは観てのお楽しみである。
この絵は古里先生が描いてくださったものを使わせて頂いた。イルマの衣装は非常に
インパクトがある。緑色を上手に着こなすのは難しい。それを描くのはさらに難しいは
ずだ。しかし、子犬を抱いてお客さんを待つイルマや、シャンパンで乾杯をする幸せそ
うな二人、
どれも古里先生は素敵に仕上げて下さった。この場を借りて御礼を述べます。
感謝しています。
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