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フィリップモリスジャパンへの期待 - Philip Morris International

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フィリップモリスジャパンへの期待 - Philip Morris International
C O R P O R A T E
〒100-6190
東京都千代田区永田町2丁目11番1号
山王パークタワー22階
TEL 03-3509-7200
URL http://www.pmjkk.jp
O V E R V I E W
CORPORATE OVERV IEW
フィリップ モリス ジャパン株式会社
Ⓒ2012 Philip Morris Japan K.K.
I N D E X
はじめに
企業ミッション……………………………………………………… 1
Message from Philip Morris Japan………………… 3
Message from Philip Morris International… … 5
会社概要……………………………………………………………… 6
フィリップ モリス インターナショナルと
社会的責任… ……………………………………………………… 7
ビジネス環境と責任
企業ミッション
私たちの目標は、日本において最も実行と成果に優れ、
責任を果たし、尊敬されるたばこ会社になることである。
フィリップ モリス ジャパンへの期待……………………… 8
健康上のリスクについての情報提供……………………… 9
添加物とたばこ煙中成分… ………………………………… 10
研究と開発………………………………………………………… 12
未成年者の喫煙防止… ……………………………………… 13
責任あるマーケティング… ………………………………… 15
公共の場所における喫煙…………………………………… 17
喫煙マナーの向上……………………………………………… 18
たばこの不法取引……………………………………………… 19
マネジメント………………………………………………………
21
コーポレート・ガバナンス……………………………………
コンプライアンス…………………………………………………
内部監査とリスク評価…………………………………………
高品質の製品を届けるために………………………
26
品質管理……………………………………………………………
コール センター…………………………………………………
たばこ販売店とのパートナーシップ… …………………
社員とともに…
…………………………………………………
…………………………………………………
33
35
37
39
40
41
DV/子ども虐待防止への取り組み… …………………
環境保全・美化への取り組み………………………………
これまでの主な支援先一覧…………………………………
社員のボランティア活動… …………………………………
日本各地でのボランティア活動……………………………
環境報告… …………………………………………………………
27
29
31
32
ダイバーシティの尊重…………………………………………
人材育成……………………………………………………………
ワーク・ライフ・バランスへの取り組み… ………………
社内コミュニケーションの促進……………………………
快適な職場環境づくり… ……………………………………
社会とともに…
22
23
25
42
45
46
47
49
51
グローバルに取り組む環境マネジメント………………
フィリップ モリス ジャパンの社内エコ活動… ………
52
54
資料
フィリップ モリス ジャパンの組織… ……………………
55
設立25周年 フィリップ モリス ジャパン/
マールボロの歴史………………………………………………………
56
M e ssa g e f r o m P h i l i p M o r r i s Jap an
当社のビジネス環境と
その将来像に対する私たちの取り組み
フィリップ モリス ジャパン株式会社
代表取締役社長
ローラン・ボアサール
る必要があります。また、親会社である世界最大のた
たいと考えています。復興に携わるさまざまなNPO の
ばこ会社、フィリップ モリス インターナショナルが持っ
財源調達を支援するための資金提供に加えて、従業
ているグローバルな知識と経験を通じて、たばこ関連
員が個人として地域活動に参加できるよう労働時間を
の課題に関する適切かつ事実に基づいた情報を提供
ボランティアに費やすこと認める「ボランティア特別休
することにより、主なステークホルダーおよび政策決定
暇」制度を創設しました。フィリップ モリス ジャパンは、
機関との信頼関係を維持する必要もあります。
従業員個人も、また日本で事業を展開する国際企業と
しても、日本の社会に貢献したいと強く望んでいます。
第三に、組織の透明性を高め、重要な意思決定を
フィリップ モリス ジャパンに興味を持っていただき、
当社の製品をご愛用いただいている成人喫煙者に引き
適時かつ効果的に行えるよう責任者の権限を強化する
当社がどんな会社か、また、何を達成しようとしてい
ありがとうございます。当社は日本市場で 25 年以上
続き当社製品を選んでいただけるよう、また他社製品
ことによって、組織としての能力と経営能力をより高め
るかを皆様が理解するのに、この会社案内にある情報
の歴史をもつ国内最大の外資系たばこ会社であり、日
を愛用中の方にも当社ブランドを試していただき、気に
ていきます。それと同時に、全従業員それぞれの業務
が役立てば幸いです。私たちは、成長するための堅固
本においてビジネスを成功すると同時に最も信頼され、
入っていただけるように、高品質で革新的な製品を開
と目標を完遂させる責任を広げるとともに、社内全部
なビジネス基盤を確立し、成長を続けるために必要な
尊敬される企業として認められるように努めております。
発し、効果的なマーケティング計画を立案し、すべて
門がより統一されるためのプロセスを導入し、これを改
企業努力を絶えず実行しています。現在は、変化し続
これらを達成するために、当社のビジネスとそのビジネ
の活動を途切れることなくきちんと実行し、効果が得ら
良して、さらに合理化された効果的な組織構造へと改
ける市場と規制環境の中での挑戦を、持続的なビジネ
ス環境の将来像に対して私たちがどのように取り組ん
れるように注力しております。
善していきます。
スの成功と収益性の確保に転換させることに全力を傾
けています。
しかし、私がここで述べたことだけではなく、
でいるか、この機会に皆様に簡単にご説明したいと思
第二に、たばこ製品の販売量が継続的に減少してい
第四に、
当社は責任ある企業市民として、
ドメスティッ
この目標を達成するために当社が行っていることについ
る日本市場において、収益性の確保を実現していきま
ク・バイオレンスや児童虐待の問題を中心とした重要
て、これからこの会社案内でもっと詳しく戦略や取り組
当社の計画としては、第一に、引き続き日本のたば
す。そのためには自由な小売定価の設定をはじめとし
な取り組みを実施しています。これに加え、東日本大
みをご紹介いたしますので、ぜひご覧ください。
こ市場におけるシェアの拡大に重点をおいています。
て、たばこ事業にかかわる安定した規制環境を確保す
震災による被災地の復興支援においても役割を果たし
います。
3
PHILIP MORRIS JAPAN K.K.
CORPORATE OVERVIEW
4
M e ssa g e f r o m P h i l i p M o r r i s I nt e r n at ion a l
会社概要
フィリップ モリス ジャパン
弾ませており、アルトリアから受けついだ素晴らしい財
産をさらに強固なものにすべく努めてまいります。
当社の強力なインフラ、戦略、資源、社員そしてブ
ランドによって今日までの、そして将来の成功が支えら
れています。フィリップ モリス インターナショナルは、
責任ある事業活動を行い、事業を成長させていくうえ
で、4 つの目標を掲げています。
1
希望価格帯で最高品質の革新的な
たばこ製品を提供することにより成
人喫煙者の期待に応える
2
収益、売上数量、利益、およびキャッ
シュフローの増大、また、バランス
のとれた配当と自社株買いの実施を
とおして株主へ利益を還元する
フィリップ モリス インターナショナル
会長兼最高経営責任者(CEO)
3
ばこ製品に起因する害を低減させる
4
フィリップ モリス ジャパン株式会社は、フィリップ モリ
ス インターナショナルの日本における子会社で、日本で販
売されるフィリップ モリス インターナショナルの紙巻たばこ
製品のマーケティング・販売促進活動を行っています。
主要ブランドには、マールボロ、ラーク、フィリップ・モ
リス、パーラメント、バージニア・エス、ベーシック、ネ
クスト、メリットなどがあります。
フィリップ モリス インターナショナル
社名
本社
統括本部
設立
代表者
社員数
事業拠点
工場
ウェブサイト
シェア
フィリップ モリス インターナショナル
(Philip Morris International Inc.)
ニューヨーク(米国)
ローザンヌ(スイス)
1967 年
会長兼最高経営責任者(CEO) ルイ・C・カミレリ
約 78,000 名
68 ヶ国
56 ヶ所
www.pmi.com
約 28.1%(米国と中国を除く)
フィリップ モリス インターナショナルは、世界の紙巻た
ばこ上位 15 ブランドのうち、全世界で売上げ No.1 を誇
るマールボロを含む7つのブランドを有しており、世界の
約 180ヶ国で製品を販売しています。
関連した疾病のリスクを軽減させる可
能性のある製品の開発によって、た
ルイ・C・カミレリ
フィリップ モリス インターナショナルは国際的な大
包括的な製品規制の支持、たばこに
社名
フィリップ モリス ジャパン株式会社
(Philip Morris Japan K.K.)
本社
〒 100-6190
東京都千代田区永田町 2 丁目 11 番 1 号
山王パークタワー 22 階
設立
1985 年
資本金
5,000 万円
代表者
代表取締役社長 ローラン・ボアサール
社員数
約 1,800 名
ウェブサイト
www.pmjkk.jp
日本国内シェア 約 30.7%( 2011 年末現在)
フィリップ モリス インターナショナルが製品を販売している地域
社会の一員として責任を持ち、最大
限の誠実さをもって事業活動を行う
手たばこ会社であり、世界第 3 位の収益を誇る消費財
メーカーです。当社は長年にわたり、自律成長、新規
5
市場への参入、そして企業買収と統合によって高い業
当社は約180ヶ国でたばこ製品を販売していますが、
績を達成してまいりました。2008 年 3月には、親会社
事業を行うどの国においてもその信念と行動は変わりま
であったアルトリアからスピンオフ(分離独立)し、独
せん。日本でも同じです。今後とも責任ある事業活動
立した企業として新たな歴史を刻みはじめました。当社
を行い、さらなる事業成長に努めることをお約束いたし
は約 78,000 名の社員とともに今後のさらなる成長に心
ます。
PHILIP MORRIS JAPAN K.K.
CORPORATE OVERVIEW
6
ビジネス環境と責任
フィリップ モリス ジャパンへの期待
フィリップ モリス インターナショナルと社会的責任
社会がたばこ会社に求めていること Top5
フィリップ モリス インターナショナルは財務上の成功だけで自社の業績を評価することはありません。世界各国
で事業活動を行う企業市民として、また、たばこ会社として、私たちに向けられている社会の期待にどれだけ応
えているかということも評価の対象にしています。そのためには、まず、私たちに対して社会は何を期待している
のかを見極め、社会の声に耳を傾けなければなりません。私たちは、人々がたばこ会社をどのように見ているのか、
そして何をたばこ会社に期待しているのかを理解するために調査を実施しています。その調査では、喫煙、たば
こ会社、社会的責任などについて人々がどのように考えているかを聞いています。
たばこ会社への信頼性と社会的責任に関して、人びとの
減させる製品の開発を行い、未成年者の喫煙の防止に取り
評価が低いと聞いても皆さんは驚かないかもしれません。し
組むことです。フィリップ モリス インターナショナル(PMI)
かし、これは私たちにとっては深刻な問題です。私たちは、
はこうした期待を真摯に受け止め、これに応えるべく行動を
社会の期待に応えられていないということを容認することは
起こしています。しかし、私たちの社会的責任は、これにと
できません。むしろ、それ以上のことができると確信してい
どまるものではありません。PMIの事業活動において、世
ます。
界中の地域社会への支援から、社員にかかわる問題への取
社会は私たちにさまざまな分野で行動を起こすことを期待
り組み、さらに環境・農業における責任ある活動に至るまで、
していることがわかりました。特に期待されているのは、当
私たちは最大限の誠実さと完全な法令遵守をもって取り組
社製品の健康に対する影響をオープンに話し、リスクを低
んでいます。
私たちの優 先 事 項
1
2
3
4
当社製品と喫煙の危険性について責任を
もって率直にコミュニケーションを図る
包括的なたばこ規制に向けて尽力する
たばこ製品を子どもに近づけないようにする
害を低減する可能性のある製品の
研究開発に努める
喫煙所の設置、
灰皿の提供
未成年者喫煙禁止法を
しっかり守る
喫煙マナーを
向上するキャンペーン
フィリップ モリス ジャパン調査
調査対象:20歳から64歳の男女
(各50%)
1, 000名
調査場所:全国8都市にて
調査方法:直接アンケート1, 000名
調査期間:2009年11月
効率的利用と廃棄物の削減
8
9
児童労働および強制労働の根絶
私たちが業務を行う地域社会への還元
PMIは、これらの課題を最優先事項として行動計画を立
す。もちろんなすべきことはまだ数多く残されていることは承
案し、遂行しています。私たちの取り組みが、世界中の至
知していますが、それでも、社会の期待と私たちの成果の
るところで日々の業務を通じて実際の成果を生みつつありま
ギャップを埋めるために着実な努力を重ねています。
PHILIP MORRIS JAPAN K.K.
より害の少ない製品を作る
5 社員、取引先、顧客に対する公平な処遇
6 持続可能な葉たばこ栽培の促進
造過程における自然資源の
7製
私たちにとって、責任とは、まず製品から始まります。だからこそ、私たちは
オープンかつ率直に健康に対する喫煙のリスクについて伝え、当社製品が販売
されるあらゆる地域でたばこ規制を支持することに尽力しています。
フィリップ モリス ジャパンでは、社会が企業やたばこ会社に対して何を期待しているのかを
エヴァン・ハーウィッツ
多くの分野で行動を起こすことを期待されているということがわかりました。現在、当社はこ
コーポレート アフェアーズ担当上級副社長
フィリップ モリス インターナショナル
7
1
2
3
4
5
喫煙が健康に
及ぼす影響を伝える
できるだけ明確に理解するための調査を、定期的に実施しています。調査の結果、当社は、
れらの最優先課題に対する行動計画を立て、実行しています。
ビジネス環境と責任
ビジネス環境と責任
健康上のリスクについての情報提供
添加物とたばこ煙中成分
当社は、喫煙が健康に及ぼす影響などについて、たばこのパッケージに小冊子を添付するなど、
さまざまな形で積極的に情報提供を行っています。
たばこ製品にはさまざまな添加物が含まれています。当社は、成人喫煙者の皆様がたばこ製品に何が含ま
れているのかを知るべきであると考え、添加物情報をウェブサイトで公開しています。
たばこを止めたい成人喫煙者は、禁煙方法についての
たばこ会社は成人喫煙者に対して、喫煙が健康に
及ぼす重大な影響についてオープンかつ率直に情報
を伝えるべきであると当社は考えます。
ローラン・ボアサール
代表取締役社長
フィリップ モリス ジャパン株式会社
喫煙が健康に及ぼす影響について伝えることも当社の
重要な責任です。
正しい情報を得ることが必要です。禁煙は包括的なたば
こ政策の中核となるべき要素であるという公衆衛生当局
の考えに当社は同意するとともに、喫煙による健康上のリ
スクについて積極的に情報提供を行っています。
製品に使われている添加物についてオープンであ
ることは重要だと考えています。当社がこういった情
報を規制当局および社会に提供する日本初のたばこ
会社であることを誇りに思っています。
ローラン・ボアサール
代表取締役社長
フィリップ モリス ジャパン株式会社
タールとニコチン値についての
追加文言の記載
添加物情報を政府に提出
フィリップ モリス インターナショナル(PMI)では、添加
物の使用が製品の全体的な毒性を高めるかどうかを判断
するために、PMI 製品で使用される全ての添加物を独自
に評価しています。PMIの科学的な分析により、特定の
添加物の使用が喫煙による健康上のリスクを高めると判断
当社は、たばこ製品に使用されているすべての添加物
した場合、その添加物は世界中のPMIの全製品で使用
喫煙は、心血管疾患(心臓病)
、肺がん、慢性閉塞
日本で販売されているすべてのた
を規制当局および公衆に報告し、たばこ製造業者に公表
が禁止されます。フィリップ モリス ジャパンでは、日本で
性肺疾患(肺気腫や慢性気管支炎)など、数多くの深刻
ばこ製品のパッケージにはタールとニ
を義務付ける規制を支持しています。
販売されている当社のたばこ製品に使用されている添加
な疾病を引き起こします。喫煙者がこれらの疾病のいず
コチンの値を記載することが法律によ
当社のたばこ製品は、主にたばこの葉で構成されてい
物に関する詳細な情報を日本政府に提出しています。
れかにかかる可能性は、非喫煙者に比べてはるかに高く
り定められています。しかし、たばこ製品の吸い方は人
ます。そして、そのたばこの葉には数百年前から添加物
なります。また喫煙には依存性があり、やめることは極め
によって異なります。各銘柄に表示されているタール、ニ
が使用されており、成人喫煙者の多種多様な嗜好に合
て困難な場合があります。これが、世界中の主要な医療
コチンの量は、喫煙者が実際に吸い込む量を正確に示す
わせた味わいや香りをもたらすため製品の差別化を目的と
機関および科学機関の見解です。また、これらはフィリッ
ものではありません。また、その目的で表示しているもの
して、さまざまな添加物が使われています。当社は、成
プ モリス ジャパンの見解でもあります。
でもありません。これらの数値は、国際標準化機構(ISO)
人喫煙者および政府はたばこ製品に何が含まれているの
すべてのたばこ製品には依存性があり、禁煙や、その
によって開発され、標準化された測定方式に基づいてお
かを知るべきであると考え、添加物についての情報を提
他のたばこ製品の使用をやめることは、非常に難しい場
り、さまざまな銘柄を同一の試験環境のもとで機械に「吸
供しています。
合があります。世界保健機関 (WHO)をはじめとする公衆
わせて」比較し、得られたものです。実際に喫煙したとき、
衛生機関は、たばこに含まれるニコチンが依存を引き起
表示されている機械による測定値と同量のタールとニコチ
こすと結論付けています。同時に、何百万もの人々が禁
ンを吸うことになると誤って考えている喫煙者の方もいる
煙に成功しているという事実を知っておくことも重要です。
と報告されています。成人喫煙者に正確な情報を提供す
喫煙による深刻かつ有害な健康への影響について正確な
るために、フィリップ モリス ジャパンでは、ISO 数値を
一般的に、たばこ製品には、銘柄特有の味わいや香り
情報を成人喫煙者を含む一般消費者に提供することは、
記載している一部製品のパッケージや広告に、
「あなたが
をもたらすため、さまざまな香料が添加されています。ま
たばこ規制の基本的な目的であり、政府のたばこ政策の
吸い込むタールとニコチンの量は、たばこの吸い方によっ
た、保湿や加工補助のための添加物も加えられているほ
中核となるべき要素です。
て異なります。」との文言を自主的に記載しています。
か、巻紙やフィルターなど、たばこの葉以外の材料にも
添加物情報の公開
政府に提出したCD-ROM
添加物は使われています。
C o l u m n
当社は、自社ウェブサイト(www.pmjkk.jp)において、喫
煙による健康への影響や禁煙、受動喫煙などに関する情報を
提供しています。また、政府当局や県・市などの地方自治体
との対話の場を活用して、喫煙と健康に関する当社の考えや
情報をオープンかつ率直に話しています。2006年11月には、
日本で販売される当社の主要たばこ製品にさまざまな情報を
記載した5種類の小冊子(オンサート)を添付し、喫煙が健康
に及ぼす影響やたばこ製品を取り巻くさまざまな問題について
喫煙者に伝えるコミュニケーション活動を実施しました。
9
PHILIP MORRIS JAPAN K.K.
たばこ製品に使われる添加物の試験・評価について、
オンサートの文言
たばこの煙は、喫煙しない人、特に子どもの健康に悪影響を及
ぼすと厚生労働省は言っています。
禁煙すると、病気のリスクを大幅に減らすことができます。
国際的に認められた基準やガイドラインは未だ存在しま
せん。また、日本においては、添加物情報の開示を含め、
添加物に関する規制は確立されていません。フィリップ
子どもの前では喫煙は控えましょう。
モリス ジャパンでは、2008 年 1月より、日本でたばこ会
低タールのたばこのほうが害が少なく、健
康上のリスクが少なくなるということは、
立証されていません。
社として初めて、自主的にたばこ製品に含まれる添加物
情報の公開をしています。
CORPORATE OVERVIEW
10
ビジネス環境と責任
ビジネス環境と責任
研究と開発
添加物とたばこ煙中成分
リスクを低減する可能性のある製品の開発は、フィリップ モリス インターナショナルの
研究開発における重要課題の一つであり、長年にわたりその研究に取り組んでいます。
従来型の紙巻たばこや、刻みたばこといったその他た
安全な紙巻たばこというものはありません。しかしなが
的であると言えます。
ばこ製品の含有物および排出物を規制することは、たば
ら、リスクや喫煙が健康に及ぼす影響を低減する可能性
害の低減政策を推進することは、喫煙開始の防止およ
こ製品における基本的な理解を深める上での重要なス
のある紙巻たばこをたばこ製品の一つとして喫煙者に提
び禁煙を奨励する政府の目的の遂行を妨げることにはな
たばこの煙に含まれる成分として、今日までに約 5,000
テップであり、さらには、リスクを低減するたばこ製品の
供することを目指し、その研究開発に努めています。
りません。それどころか、害の低減を支持する者の多くは
の化学物質が特定されています。公衆衛生当局は、こ
規制にも深く関わってきます。製品規制のための科学的
の内 45 から70の化学物質が発がん性物質、刺激物質、
基礎は、有効な試験方法のコンセンサスを含めいまだ開
あるいはその他の有害物質であり、喫煙によって健康に
発途上ですが、当社としては、近い将来、規制が策定さ
害をもたらす可能性があると指摘しています。たばこ煙中
れ実施されることを期待しています。
の成分の測定は、喫煙による健康への害を評価するうえ
当社は、たばこ製品の添加物、煙成分、たばこの葉
長年にわたり、フィリップ モリス インターナショナル
つは、たばこ関連疾患のリスクを減らす可能性のある製
で非常に重要です。しかし、今日、煙成分の測定につい
の含有物、パッケージ材料の成分でたばこに触れるもの、
(PMI)ではリスクを低減する可能性のある製品の開発を
品の研究と開発です。そしてもう一つは、害の低減という
て国際的に認められた方法は、タール、ニコチン、一酸
製品設計、たばこ製品に関するその他の事項に対する規
目指して、最先端の研究者とともに、喫煙が健康に及ぼ
化炭素の測定を除いて存在しません。当社は煙成分の
制(試験、報告、成績基準の義務付け)を支持します。
す影響の解明に取り組んでいます。PMIが世界中で展開
測定について、国際的な基準を定めるべきであると考え
また、科学的な基準および方法における差異をなくすこと
している研究プログラムには、3つの大きな目標があります。
ています。
が極めて重要であるという、FCTCの締約国会議作業部
たばこ煙の成分について
会およびその他のグループの考えに同意します。しかし製
製品規制
品規制はいまだ初期段階にあり、広く受け入れられた科
学的基準および試験方法が確立されていない中で、規
制当局が製品規制を進め、起こりうる公衆衛生上の影響
この重要な目的を積極的に支持しています。たばこの害
研究開発プログラム
の低減は、喫煙防止と禁煙の取り組みを補うものであり、
これに対抗するものではないと、当社は考えます。
当社では二つの方法で害の低減を支持しています。一
たばこ製品が健康に及ぼす影響に関する全般的な科学
上の知識の積み上げに貢献する
健康への影響を減らす可能性のある製品への改良・設
計方法を開発する
その改良の効果を評価する有効な方法を開発する
原則に基づいた規制を支持するという方法です。
リスクを低減する製品に関する規制
当社は、リスクを低減する製品に関する規制は、たば
こ製品規制において極めて重要であると考えています。
米国連邦議会およびその他の機関が表明したように、十
害の低減に基づいた規制に対するフィリップ モリス イ
や他の悪影響について十分に理解することなく実施基準
PMI が現在取り組んでいる研究には、たばこの葉が
分な科学的根拠のない主張が行われるのを、規制により
ンターナショナル(PMI)のビジョンでは、製品規制が常
を課すのは時期尚早であると考えています。
燃える際に発生する有害な化学物質の形成を防止するこ
防止することができます。また、そうした主張が確実に厳
に重要な核となってきました。害の低減とは、害のある
先端に火をつけて喫煙するたばこ製品(従来型たばこ)
と、あるいはそのレベルを低く抑えることにも焦点をあて
格かつ一律の基準に基づいて行われるようになります。
活動に対応する政策であり、活動そのものを防止するより
のリスクを大幅に低減するためにできることは、今のとこ
て、研究開発に取り組んでいます。この研究から得られ
最後に、忘れてはならないのが、リスクを低減する製
も、活動により引き起こされる害を減らすことを目指しま
ろほとんどないというのが当社の見解です。しかし、リス
たデータが、リスクを低減する新製品の開発の礎となるこ
品であると公衆衛生当局が認める紙巻たばこは、現在の
す。喫煙およびたばこの使用においては、害の低減は多
ク低減においては実行可能であり、成人喫煙者が受け入
とを期待しています。
ところ市場に存在しないということです。喫煙のリスクに
くの場合、たばこ関連疾患のリスクを減らす、従来型の
れられるような製品であれば、提案された改良案にリスク
たばこ製品の改良または新しいたばこ製品の開発の目的
低減の合理的根拠がある場合、従来型のたばこ製品の
について言及する際に用いられます。
改良には反対しません。
ついて懸念がある喫煙者にとって、そのリスクを減らす最
害の低減
善の方法は禁煙をすることです。将来的には、ある製品
が喫煙関連疾患のリスクを低減する可能性を持つと立証
できるようになるかもしれません。そのような製品につい
害の低減政策は、実質的にすべての公衆衛生当局に
て成 人 喫 煙 者に伝
認知されている、「たばこの使用は今後も続く」という見
えるための規制を策
解に基づいています。
定することは、たば
「人々は喫煙を続ける」というこの認識により、疾病を引
こ政 策の重 要な要
き起こすリスクを減らすたばこ製品の開発はたばこ政策の
素の一つです。
非常に重要な要素であると、多くの公衆衛生当局は結論
付けました。これは、人々にたばこの使用を始めないよう、
また、たばこの使用をやめるよう働きかけることにのみ焦
点を置く、抑制に基づいたアプローチをとる団体と対照
11
PHILIP MORRIS JAPAN K.K.
CORPORATE OVERVIEW
12
ビジネス環境と責任
ビジネス環境と責任
未成年者の喫煙防止
フィリップ モリス ジャパンは、未成年者の喫煙防止活動に積極的に取り組んでいます。
■ 自動販売機に成人識別機能を導入
当社は、未成年者の喫煙を深刻な社会問題であると
また、2008 年 12月より、販売店の未成年者たばこ
捉えています。未成年者の喫煙の要因はさまざまであり、
購入防止をサポートするためのウェブサイトを開設してい
規制当局、学校、保護者など、社会全体でこの問題の
ます。このウェブサイトでは、販売店が年齢確認する際
解決策を探り、取り組んでいかなければなりません。当
のさまざまな状況に応じた接客方法を動画で視聴するこ
子どもたちに対して影響力のある方、例えば保護者、
自動販売機の利用防止を目的として、成人識別機能を
社もまた、たばこ会社としてどのような役割を担うべきな
とができます。また、証明書提示を求める店頭サインや
教師といった人びとには、未成年者の喫煙を防止するう
導入する取り組みを実施しました。成人識別たばこ自動
のかを熟慮し、未成年者の喫煙防止に向けたさまざまな
販売店員の教育に利用できる未成年者喫煙防止対応マ
えで重要な役割があると考えています。そこで2007 年、
販売機は全国をいくつかのエリア
プログラムの開発を行っています。
ニュアルなどをダウンロードして、使用することができま
当社はフィリップ モリスUSA 社が青少年育成の専門家
に分けて順次稼動し、2008 年 7
す。
らと共同で開発した小冊子『たばこを吸わない子どもを育
月1日より全国的に導入を開始し
む』の日本語版を作成して日本の健康教育関係者らに紹
ました。当社のすべての自動販
介しました。この冊子には保護者が子どもに喫煙しないこ
売機には、この成人識別機能が
とを促すためのアド
搭載されています。
アクセス防止への取り組み
未成年者に影響を与える
大人への啓発活動
当社は、たばこを販売する前に、口頭だけではなく何
バイスなどが記載さ
らかの証明書の提示を求めて年齢確認することを販売店
れています。
TIOJの一員として、全国たばこ販売協同組合連合会
および日本自動販売機工業会と共に、未成年者のたばこ
に推奨しています。店頭での実施を支援するために、証
明書の提示を聞き入れない場合など、想定されるさまざ
まな難しいケースと対処方法をまとめたDVD『未成年喫
煙防止は年齢確認から』を製作し、併せて製作したカウ
ンター用サインやステッカーとともに、コンビニエンススト
ア、スーパーマーケット、一般のたばこ小売店などに広
く提供しています。
小冊子『たばこを吸わない子どもを育む』
タスポカード
成人識別自動販売機
■ 啓発活動
PMJ未成年者喫煙防止ウェブサイト
http://www.stop-under20.com
有識者による
未成年者喫煙防止委員会
販売店への啓発ツールの配付、全国の高校や中学校
への未成年者喫煙防止啓発ポスターの配布、社団法人
青少年育成国民会議とのタイアップによる未成年者喫煙
2005 年、当社は有識者数名の協力を得て未成年者
防止ポスターキャン
喫煙防止委員会を立ち上げました。この委員会には、当
ペーンなどを、TIOJ
社のほかに教育者や医療関係者など約 10 名が参加し、
は継続的に実施して
定期的に会合を持って未成年者の喫煙を防止するための
います。
勉強会や調査などを実施しました。
上:DVDの一場面「気の短い
お客様への対応」
右:DVD『未成年喫煙防止は
年齢確認から』
カウンター用サイン
ステッカー
日本たばこ協会における
業界としての取り組み
当社は、社団法人日本たばこ協会(TIOJ)として取り
組んでいる未成年者喫煙防止活動についても、正会員
企業として積極的に推進しています。
13
PHILIP MORRIS JAPAN K.K.
TIOJ未成年者喫煙防止啓発ポスター
CORPORATE OVERVIEW
14
ビジネス環境と責任
ビジネス環境と責任
責任あるマーケティング
フィリップ モリス ジャパンでは責任あるマーケティングの実践として、関連法令だけでなく、
より厳しい基準を自主的に設定・遵守してマーケティング活動を行っています。
当社では、成人喫煙者に当社製品を選択してもらうこと
のみを目的に、マーケティング活動を行っています。当社
のマーケティング活動が子どもたちを対象とすることはあり
ません。当社では、たばこのマーケティングに関連する法
律および省令に加え、社内で独自に定めるマーケティング
に関するポリシーを遵守しています。
フィリップ モリス インターナショナル(PMI)の
マーケティング活動が従う3つの基本原則
PMIは、子どもたちを対象としたマーケ
ティング活動を行わない。また、未成年
者に特に訴求力を持つ可能性のある画像
またはその他のコンテンツを使用しない。
PMI は、すべての広告物およびパッケー
ジに健康警告を表示する。
PMI のすべてのマーケティング活動は、
世界的な水準での良識および現地の文
化、伝統、慣習を尊重しなければならな
い。
たばこ事業法第 40 条1項
「製造たばこに係る広告を行う者は、未成年
者の喫煙防止及び製造たばこの消費と健康と
の関係に配慮するとともに、その広告が過度
にわたることがないように努めなければなら
ない。」
日本では、たばこ製品にかかわる広告および販売促進
活動は、たばこ事業法ならびに財務省による省令で定め
フィリップ モリス ジャパンは、日本の関連法令、日本
たばこ協会の自主基準に加えて、PMI 独自の「PMIの広
告およびマーケティングに関するポリシー」に則ってすべ
てのマーケティング活動を実施しています。PMIの定め
るポリシーは、PMIの子会社すべてに適用される基準で
PMIでは、テレビ、ラジオ、広告看板など、媒体を使っ
あり、世界中でPMI がビジネスをするにあたり、明確か
た広告の全面的な禁止を含め、たばこ製品のマーケティ
つ一貫した基準となるものです。
ングに対して適切な規制が加えられることを支持していま
す。
日本たばこ協会の自主基準
社団法人日本たばこ協会(TIOJ)は、たばこ事業法の
趣旨に沿い、自主基準を定めています。
TIOJ自主基準の一例
■ 屋外広告看板など、公共性の高い場所で
の広告を行わない。
日本の関連法令
フィリップ モリス インターナショナルの
広告およびマーケティングに関するポリシー
■ 主として未成年者に人気のあるタレント、
モデル、キャラクターを広告に使用しない。
■ 新聞、雑誌等の印刷出版物を用いた製品
広告について、掲載媒体、広告の掲載面
および面積、広告回数などを制限する。
「PMIの広告およびマーケティングに関するポリシー」
の一例
■当社の広告とマーケティングには、未成年
者を訴求対象とするもの又はとりわけ未成
年者に訴求する画像(漫画、若者に人気
のある有名人又は 25 歳未満のモデルを含
む)を使用することはできない。
■ 当社は、未成年者に向けた又はその読者
が主として未成年者である出版物に広告を
掲載しない。
■ 当社は、映画、テレビの娯楽番組、劇場
作品、又はその他一般の人びと向けのい
かなる作品(例えばビデオゲーム等)にお
いても、たばこ製品、広告、又はたばこの
ブランド名を付した物品の使用のために、
金銭の支払いや寄付を行わない。
当社は未成年者に対して一切マーケティング活動
を行いません。当社では関連法令を遵守するだけにと
どまらず、より厳しい基準を自主的に設定・遵守し、
日々の事業活動を行っています。責任あるマーケティ
ングは企業としてのコミットメントです。
マーテン・キラ
マーケティング ディレクター
フィリップ モリス ジャパン株式会社
られる指針によって規定されています。
2003 年 5月、WHO(世界保健機関)においてたばこ
規制枠組条約が採択され、日本では翌 2004 年に批准し
たことに伴い、2004 年 3月に財務省が「製造たばこに係
る広告を行う際の指針」を改正しました。これには、未
成年者喫煙防止に十分配慮し、過度な広告を避けること
などが明記されています。
15
PHILIP MORRIS JAPAN K.K.
CORPORATE OVERVIEW
16
ビジネス環境と責任
ビジネス環境と責任
公共の場所における喫煙
喫煙マナーの向上
喫煙者と非喫煙者の双方にとって快適な環境を提供する施設づくりの支援をするとともに、
非喫煙者や子どもたちがたばこの煙を避けることができる環境づくりを推進しています。
当社では、特に吸殻のポイ捨て防止に焦点をあて、ポイ捨てをなくす環境づくりと
喫煙者へのコミュニケーションを通じて、喫煙マナーの向上に取り組んでいます。
当社は、非喫煙者や子どもたちがたばこの煙を避ける
が掲出されるべきです。
当社では、喫煙マナーの向上において、特に吸殻
ことができる環境づくりを推進しています。屋内の公共の
一方、レストラン、バー、カフェ、クラブ、その他の娯
のポイ捨て防止に焦点をあてた活動を推進しています。
場所における喫煙についての規制が設けられることを支
楽施設では、喫煙可とするのか、制限あるいは禁止する
灰皿を提供するなどして喫煙者がポイ捨てをなくす環境
持するとともに、喫煙が認められている場所では、喫煙
のかを、事業主が自由に決めることができるべきであると
をつくることと、喫煙者へのコミュニケーションを通じて
者と非喫煙者の双方にとって快適な環境が提供される施
考えます。喫煙に関するその施設の方針が、受動喫煙は
気づきや行動変容を促す啓蒙活動の二つの側面から働
設づくりを支援しています。
非喫煙者に有害であるという公衆衛生上の見解と合わせ
きかけることが重要であると考えています。
て表示されていれば、人々はこれらの情報を元にその施
公共の場における喫煙規制
設に入るかどうかを決めることができるでしょう。
屋外の公共の場所および車や家の中といったプライ
■ たばこのパッケージ上でのコミュニケーション
パッケージに「No!ポイ捨て」の
マークを記載し、成人喫煙者に
吸殻を適切に灰皿に処理していた
灰皿・喫煙所の提供
ベートな場所での喫煙を規制で禁止するのは、正しい解
だくようお願いしています。
パッケージの
「NO!ポイ捨て」
マーク
環境中たばこ煙とは、火のついたたばこの先端から出
決法とは思えません。屋外での喫煙は、主に子ども向け
当社は、
たばこ販売店、
自治体、環境団体などを通じて、
る煙と、喫煙者が吐き出す煙を合わせたもののことをいい
の場所である場合と危険である場合を除き、認められるべ
携帯灰皿やスタンド灰皿を広く提供しています。2005 年
ます。
きだと当社は考えます。また、プライベートな場所に関し
からスタンド灰皿約 8,000 台、携帯灰皿約 80 万個以上
公衆衛生当局は、環境中たばこ煙への曝露(受動喫煙)
ては、
規制よりも啓発が適切な方法であると考えています。
を提供しています。
ルの会場において、喫煙マナーの啓発活動や喫煙所の
なお、伊丹空港や海老名 SAをはじめ、公共の場所
設置を行っています。また、2006 年より継続的に参加し
にて喫煙所を設置し快適な喫煙環境の整備に努めてい
ている、港区のポイ捨て防止啓発活動および清掃活動な
ます。
ど、各自治体や地域の組織・団体が実施するポイ捨て
は非喫煙者に深刻な疾病を引き起こすと結論付けていま
す。喫煙による健康への影響と共に、環境中たばこ煙が
非喫煙者の健康に及ぼすリスクについての公衆衛生当局
の結論は、広く周知される必要があります。そして、環境
中たばこ煙が健康に及ぼす影響についての公衆衛生当局
の結論に基づいて、
たばこの煙がある場所に居るかどうか、
また喫煙者であれば、いつどこで喫煙するかについては、
こうした公衆衛生当局の見解を基に判断されるべきです。
また、喫煙者の皆様には、子どもや妊婦の周りでは喫煙
を控えるようにするべきです。
公共の場所での喫煙を規制することは、多くの場所での
禁止も含め、適切な措置であるとフィリップ モリス ジャパ
ンは考えます。しかしながら、非喫煙者、特に未成年者
を環境中たばこ煙から守ろうとするとともに、一方で何百万
といる喫煙者が一部の公共の場所では喫煙できるよう、バ
ランスのとれたものとなるようにすべきであると考えます。
病院および健康関連施設での喫煙は、明らかに禁止さ
れるべきです。学校およびその他の未成年者のための施
設も同様です。また、公共交通機関や一般公共サービス
を提供する施設(スーパーマーケット、銀行、郵便局など)
といった、人々が行かなければならない公共の場所につ
いても、禁煙とすることは適切であると考えます。こうし
た場所では、喫煙が禁止されている旨を明白にする表示
17
喫煙者へのコミュニケーション活動
PHILIP MORRIS JAPAN K.K.
C o l u m n
神奈川県は2010年4月に日本全国初の「公共的施設にお
ける受動喫煙防止条例」
を施行しました。条例の趣旨は以
下の通りです。
■ 屋外イベントや各自治体での啓発活動
当社は、屋外で開催されるイベントや音楽フェスティバ
防止啓発活動やクリーンアップ活動に、当社社員が全国
各地で積極的に参加しています。
日本特有の社会事情を考慮し、施設の種類、規
模等に応じた基準が設けられている。
① 公共の建物、
公共の交通機関、
病院のように多くの人々
が利用しなければならない施設においては禁煙を含め
た規制としている。
② 人々が選んで利用する施設については、施設の種類に
応じた規制にし、施設管理者に喫煙ポリシーについて
選択できるある程度の裁量が認められている。
③ 主に成人が利用する施設や小規模施設については、
特例第2種施設とし、施設の特徴や規制遵守の現実
性を考慮した規制となっている。
左・中央:PMJが提供している
携帯灰皿
右:PMJが提供しているスタンド
灰皿
施設の入口に喫煙ポリシーに関する掲示が義務
付けられている。
条例の施行までに十分な準備期間を設け、さら
に施行後も、条例の執行状況、県民や有識者の
声、対策の実施状況などを検討することで、条
例がより現実に即したものになると思われる。
この条例は日本特有の社会事情が考慮されており、また、
世界の国々で実施されているさまざまな喫煙規制の有効
な要素が多く取り入れられていると考えます。その結果、
非喫煙者と喫煙者両方の立場に即したバランスの取れた
ものとなっており、当社はこの条例を支持し、今後屋内の
公共的場所での喫煙規制を検討する他県に模範になるこ
とを期待しています。
CORPORATE OVERVIEW
18
ビジネス環境と責任
ビジネス環境と責任
たばこの不法取引
たばこの不法取引は広範囲にわたって影響を及ぼす深刻な問題であり、フィリップ モリス インター
ナショナルは業界と政府の協力関係が不法取引への対応に極めて重要であると考えています。
たばこへの課税
■ 不法取引に対するPMI の取り組み
あっても紙巻たばこの構造の変更が余儀なくされる可能
フィリップ モリス インターナショナル(PMI)は、横流
性があるという事実も考慮すべきです。当社は、これらの
し商品や偽造品にかかわらず、たばこの不法取引に強く
構造の変更が、成人喫煙者に受け入れられない、あるい
現在の日本のたばこに関する従量税の仕組みは、グ
たばこの不法取引とは通常、輸入関税・物品税・売
反対し、継続的な対策を取っています。PMIは、不法
は喫煙の健康リスクを高めるような製品につながる場合、
ローバルなベストプラクティスに沿うものと考えます。政
上税などの財政関連法、製品表示法、その他のたばこ
取引を撲滅するために多大な経営資源を投じ、技術的解
政府は同基準を義務付けるべきではないと考えます。
府が国民の健康と税収に関する施策の双方の目的を達成
の販売に関する規制に違反するたばこが市場に持ち込ま
決策や指針、システムを構築しています。
もしイグニション・プロペンシティを低減する基準を実
しようとするなら、たばこ税の増額は緩やかかつ予測可
れるか、その市場で販売されることをいいます。違法たば
PMIは、対策の一つとして違法な紙巻たばこの撲滅
施する場合、これらの基準は、紙巻たばこを「火災にな
能な方法で行われるべきです。また、同時に、たばこの
こは、価格や課税に関する法律、関税法、その他規制
を目指す専 門 部 署 Brand Integrity Groupを設 置し、
らない」ものにするわけではないことを公衆、喫煙者の方
価格規制のあり方についても、公衆衛生当局の施策に適
に違反して市場に入り込み、また販売されます。輸入関
全 世 界に専 任 者を配 置しています。Brand Integrity
に明確にしていかなければなりません。イグニション・プ
合する形で、製造業者が、自由に価格設定(引き上げ)
税やたばこ税、消費税などは納められず、各種規制を遵
Groupは、違法な紙巻たばこの製造、輸送、流通、販
ロペンシティを低減する基準を満たすように製造された紙
を行えることができることが必要と考えます。さらに公衆
守していません。違法たばこには、商標権所有者または
売に対処するための戦略と行動計画を策定、実施してい
巻たばこを含め、燃焼するものはすべて、適切に扱わな
衛生目的の実現を弱めることとなる不適当に廉価なたばこ
権限を付与された者が製造した真正品が現地で適用され
ます。
ければ、火災を起こす危険性があることを理解して頂き
の製造および販売防止も検討されるべきと考えます。
る税金を払わずに販売される場合と、商標権所有者の許
PMIは、効果的な規制の策定と有意義かつ実効性の
たいと思います。成人喫煙者の方は、取り扱いおよび廃
可なく製造された偽造たばこである場合とがあります。
ある行使において業界と政府との協力が 不法取引への
棄の際に十分注意して頂くことが重要です。
たばこ製品の不法な製造および取引を防止する規制や
対応に極めて重要であると考えています。また、世界的
行政措置が、複数の国や地域で検討されています。 た
規模での偽造や横流しは大きな課題であり、政府、たば
ばこ規制枠組み条約(FCTC)第 15 条は、偽造を含むあ
こ業界、成人喫煙者による結束した行動が必要です。
■今日、世界の潮流を反映して、政府の目標は、喫
煙率を低下させることで公衆衛生の増進をはかる
たばこ税制の仕組みを作ることにあります。
■従って、たばこの価格とその課税に関する措置は、
たばこの規制に対する包括的なアプローチの中の
必要な要素であり、政府の目標を実現するうえで
も重要な手段となります。増税にあたっては、穏
やかで予測可能な方法を採ることで、政府は、上
記の公衆衛生の目的を実現すると同時に、他の政
策のための財源ともなるべき、計画的な歳入源を
引き続き保持できます。
■急激で大幅なたばこ税の引き上げにより、結果と
して健康や財政目的が達成できなかった国々でみ
られたように、たばこの不法取引や安価なたばこ
へのシフトといった意図せぬ、好ましくない結果を
招かないためにも、たばこ税の増税は、穏やかで
予測可能なものでなければなりません。
■さらに、激しい競争環境におかれているたばこの
マーケットの状況下に於いて、たばこ製造業者に
は、他の国で通例となっているように、自らの小
売価格を自由に設定することが許されるべきです。
■たばこ規制に関する包括的なアプローチのひとつ
として、穏やかで予測可能なたばこ税の増税の実
施により、政府は、意図せぬ好ましくない結果を
招くことなく、全体の喫煙率を低下させながらも、
歳入も確保するという、健康と財政の双方の目的
を実現することができます。
19
不法取引
PHILIP MORRIS JAPAN K.K.
らゆる形態の不法取引をなくす措置を講じるよう、締約
国に義務付けています。また、この問題に関する国、地
域、そして世界的な協定が「たばこ規制に不可欠な要素」
であると述べています。
イグニション・プロペンシティ
低減たばこ
紙巻たばこの不法取引は、政府、消費者、製造業者
近年、世界の多くの国々で、たばこ製品のイグニション・
に損害を与えます。ブランドの保護と成人喫煙者の期待
プロペンシティ
(放置されたたばこの火が他の物へと燃え
に応える真正品の提供が確実に行われるよう、当社は違
移る可能性)を低減する基準が導入されています。基準
法たばこに対抗するための幅広い措置をとっています。た
導入は、紙巻たばこの不注意な取り扱いを原因とする火
ばこ製品におけるあらゆる形態の不法取引の阻止を目的
災を減少させることを意図しています。
とした、追跡、探知、表示、記録管理の義務付け、厳
他国が紙巻たばこのイグニション・プロペンシティを低
格な免許制の導入などの厳しい規制および執行措置を当
減する基準の導入を検討する前に、長期にわたってたば
社は支持します。また当社は、世界中の政府と、紙巻た
このイグニション・プロペンシティの低減を義務付けてい
ばこの不法取引対策についての具体的な協定や覚書の
る国々−すなわちアメリカとカナダ−の経験を、紙巻たば
締結に取り組んでいます。
こを原因とする火災が減ったかどうかという観点から基準
を義務付けることの効果を評価するため、十分に検証す
べきと当社は考えます。
紙巻たばこのイグニション・プロペンシティを低減する
基準の義務付け導入を検討する国は、いかなる基準で
CORPORATE OVERVIEW
20
マネジメント
コーポレート・ガバナンス
フィリップ モリス インターナショナルでは、
コーポレート・ガバナンスは事業成長の礎であると考えています。
長期的な成功に向けて経営に取り組むとともに、
株主の期待に応える、
透明性の高い企業統治に努めています。
フィリップ モリス インターナショナル(PMI)では、
なりません。
組織全体に幅広く適用される指針およびポリシーに基
取 締 役 会は、2月、3月、5月、6月、9月、11月、
づいて事業活動を展開しています。これら指針および
12月に定期的に開催されるほか、必要に応じて臨時取
ポリシーは、株主利益の保護、法令遵守、風評リスク
締役会が開催されます。また、PMIには社外取締役に
および法務リスクの管理、適正な情報開示という経営
より一年ごとに選任される首席社外取締役がいます。
における重要課題が達成されるよう策定されています。
執行役員(Executive Officers)
PMIには取締役会長を兼務する最高経営責任者
コーポレート・ガバナンス指針
針では、
PMIの取締役会が情報に基づいた決定を下し、
が設置されています。
コーポレート・ガバナンス指針項目
経営の最重要課題の一つとしています。
また、コンプライアンス体制を整え、内部監査機能の強化とリスク評価を徹底することで
組織の健全性・透明性の向上に努めています。
委員会(Board Committees)
取締役会から独立した立場で支援する5 つの委員会
進め方を定めています。
フィリップ モリス ジャパンは、コーポレート・ガバナンスの強化を
員がいます。
PMIの取締役会によるコーポレート・ガバナンス指
会社と株主に最善の利益をもたらすよう、企業統治の
マネジメント
(CEO)に加え、取締役を兼務しない16 名の執行役
■
■
■
■
取締役会の役割と責任
取締役会の構成、構造、ポリシー
取締役会の開催 ■ 取締役会の各委員会
能力評価と後継者育成 ■ 役員報酬
フィリップ モリス インターナショナルの
コーポレート・ガバナンス体制
■ 監査委員会
■ 報酬・リーダーシップ開発委員会
■ 財務委員会
■ 指名・コーポレート・ガバナンス委員会
■ 製品開発・規制委員会
子会社のコーポレート・ガバナンス体制
PMI の各子会社では、それぞれの国の法に基づい
た取締役会が設けられています。また、各国の法的要
件に従って、会議内容の記録など、取締役会や株主
取締役会(Board of Directors)
総会におけるさまざまなプロセスを確立しています。こ
現在取締役会は、取締役会長と9 名の社外取締役
の体制は、PMI の各子会社の独立性を確保することを
の計10名で構成されています。取締役会の主な役割は、
目的にしています。
株主に対する義務を果たすこととともに、会社の長期的
さらに、すべての関連情報の迅速かつ正確な公表と
成功を達成することです。取締役会は、経営の基本方
報告を行うため、各子会社からPMIへ報告する体系
針を決定し、ビジネスの方向性を定め、日々の業務執
とプロセスを確立しています。各子会社は四半期ごと
行の責任を担う執行役を監督する役割があります。各
に、財務諸表、内部統制、予想外の出来事など60 項
取締役は、この役割を果たすに際して、会社の最善の
目以上に関して記載したコーポレート・ガバナンス報
利益のために誠意をもってビジネス判断を下さなければ
告書の提出が求められます。
CORPORATE OVERVIEW
22
マネジメント
マネジメント
コンプライアンス
コンプライアンスとは、法令遵守はもとより、高い倫理観とインテグリティ(誠実さ・高潔さ)を
持って行動することであると考えています。
フィリップ モリス インターナショナル(PMI)にとって
コンプライアンスとは、法令遵守はもとより、高い倫理
観を持ち、インテグリティを持って行動することを意味
コンプライアンス原則および
実務指針
フィリップ モリス インターナショナル
職務倫理規定
社員が従うべき行動基準が定められており、世界中
の PMI の全組織で共有されています。職務倫理規定
は次の項目を網羅しています。
● 職場環境
● 利益相反、贈答および接待
● 事業活動
● 消費者への対応
● 企業情報、リソース、財務情報の開示
● コミュニティ、社会
コンプライアンスとは、法律やポリシーを守ること
だけにとどまりません。それは、私たちの活動すべ
ての根幹をなすものであり、
「正しいことをする」
こと
が真に社員全員の精神に根付いている企業文化を
維持していくことです。
職務倫理規定」を配布し、継続
計画を策定・実施しています。
的な意識向上のためのトレーニ
ングを実施しています。さらに、
各事業部門による取り組み
します。社員一人ひとりがその責任を担うものであり、
日々の業務活動の基盤となっています。
野を特定・評価し、そのリスクを軽減するための行動
各事業部門がその業務に関連
PMIでは、職務倫理規定の基準を推し進めて実践
コンプライアンス専任部門を設置し、組織全体にお
した特定のコンプライアンスのト
させるために、18 の原則および実務指針を定めていま
けるコンプライアンス推進をサポートしています。
レーニングを策定・実施してい
ます。また、オンライン上でのト
す。社員は各自の業務に関連する法律やポリシーを理
解・遵守することが求められています。
コンプライアンス委員会
レーニングも適宜行っています。
PMI職務倫理規定
日本語版
コンプライアンス委員会は財務・法務・人事・コン
コンプライアンス原則および実務指針
■ 企業情報の管理
■ 雇用
■ 個人情報の保護
■ マーケティング、パッケージおよび販売活動
■ 競争と公正な取引
■ 知的所有権
■ 通常たばこ製品の規制、開発および製造
■ 環境、職場、安全衛生(EHS)
■ ベンダーの把握
■ 顧客および第三者メーカーの把握
■ 認められる支払い形態
■ 慈善寄付
■ 民間の個人および PMI 社員への贈答品および接待
■ アメリカ合衆国以外の国の公務員や政府系職員お
よび政府系機関との接触
■ 税務
■ コンプライアンス違反が疑われる場合の報告
■ アメリカ合衆国の公務員および政府系職員との接
触および同国での政治活動
■ コンビューターテクノロジーの使用
プライアンス部門の代表者で構成され、報告されたコ
ンプライアンス上の問題に対応し、改善措置を提言し
ています。
報告および相談窓口
当社では、法律、社内コンプライアンス原則・実務
財務目標であろうと、市場目標であろうと、ある
いは競合他社に勝るための努力であろうと、コンプ
ライアンスとインテグリティへのコミットメントを超
えるものは存在しません。また、上司の機嫌をとる
ようなことが、この中核となるコミットメントを凌ぐ
ことは決してありません。コンプライアンスとインテ
グリティこそが、常に最優先されるべきことです。
ルイ・C・カミレリ
指針または職務倫理規定に反する疑いがあるいかなる
会長兼CEO
フィリップ モリス インターナショナル
行為も報告するよう社員に求めています。これにより、
会社は早期に潜在的な問題を発見し、改善または防
止策をとることができます。このため社員が助言を求め
たり、コンプライアンス問題を報告できるようさまざま
な相談窓口を設けています。外部機関によって運営さ
れるコンプライアンス・ヘルプラインも設置しています。
また、当社は誠意を持ってコンプライアンス上の問
題を報告する社員に対するどのような報復も容認しませ
ん。
ローラン・ボアサール
代表取締役社長
フィリップ モリス ジャパン株式会社
フィリップ モリス ジャパンにおける
コンプライアンス体制
コンプライアンス教育
コンプライアンスを推進していくためには、社員一人
ひとりが職務倫理規定上の基準、そして、日々の業務
コンプライアンス部門
各事業部門が事業活動においてリスクとなり得る分
23
PHILIP MORRIS JAPAN K.K.
コンプライアンス トレーニング
に直接影響を及ぼす法律および社内のガイドラインを
理解しておく責任があります。そのため、全社員に
「PMI
CORPORATE OVERVIEW
24
マネジメント
内部監査とリスク評価
フィリップ モリス インターナショナルは、信頼されるグローバル企業を目指し、
内部統制の強化などの徹底に努めています。
財務報告にかかる内部統制
内部監査
米国証券取引委員会登録企業は2002 年に制定さ
内部監査部門、外部監査人に加えて、PMIは、コー
れたSOX 法のもと、企業の責任強化策の一環として
ポレート・オーディター(内部監査人)を当社を含む各
財務報告に関する企業の責任(302 条)と経営陣に
子会社に派遣し、定期的に監査を実施しています。監
よる内部統制の評価(404 条)が求められています。
査の結果は、PMI の監査委員会へ直接報告されてい
2008 年にJ-SOX 法が導入される以前の2002 年より、
ます。
フィリップ モリス ジャパンはフィリップ モリス インター
ナショナル(PMI)の子会社として財務報告にかかる内
■ PMI の監査体制
部統制監査を毎年実施しています。また、外部監査
外部監査
人がその監査内容および監査結果の妥当性を第三者
監査
の立場で監査しています。
社内リスク調査評価
当社の内部監査部門では、PMI のリスク評価モデル
を使用し、毎年ビジネスリスクの評価を行っています。
当社が行う業務フローをグループ分けし、それぞれに
ついて、統制環境、内部統制に影響を及ぼすと思わ
れる外的・内的変更要因、過去の内部・外部監査の
実施状況、量的・質的なリスクの影響度などを検討し、
採点を行っています。内部監査部門は、年次リスク評
価の結果をもとに、重要度の高い分野を対象とした年
間業務監査計画を策定し、リスク評価の結果とともに
マネジメント(経営陣)へ報告します。マネジメントの
承認を受けた監査計画に則り、内部監査を実施すると
ともに、より効率的で有効性の高い内部統制を構築す
べく、各部門およびマネジメントに対して提言を行って
います。
25
PHILIP MORRIS JAPAN K.K.
透P
明M
性 I
との
健事
全業
性活
の動
確プ
保ロ
セ
ス
の
フィリップ モリス ジャパン
監査
社内監査
フィード
バック
監査
コーポレート・オーディット
(内部監査)
派遣
報告
フィリップ モリス インターナショナル
監査委員会
高品質の製品を
届けるために
フィリップ モリス ジャパンでは、成人喫煙者により高品質の製品を届けるため、
厳重な品質管理はもちろん、
成人喫煙者や販売店からの意見を速やかに関連部署に届けて、
品質およびサービスの向上につなげる体制を整備しています。
高品質の製品を届けるために
高品質の製品を届けるために
品質管理
フィリップ モリス インターナショナルでは、原材料の調達から成人喫煙者の手に
製品が届けられるまでのあらゆる段階において、厳重な品質管理を行っています。
最先端技術の品質管理システム
製造現場における品質管理
たばこのパックには工場コード、ケースにはバーコー
出荷後の品質管理
ドラベルが付けられており、これらによってその製品が、
どの機械で、いつ製造されたのかを1 時間単位で正確
品質を保証するために、フィリップ モリス インターナ
PMIでは、製造段階で多くの社員が製品の品質管
製造工場での厳重な品質管理を経て出荷された製
に特定することができます。さらに、保存されているあら
ショナル(PMI)では、最新鋭の技術を採用したグロー
理に携わっています。例えば、①原材料の調達、②納
品は、日本に到着してからも引き続き品質確認が行わ
ゆる記録やサンプルから、どのような品目がどの段階で
バルな品質管理システムを完備しています。このシステ
入材料の到着、③たばこ葉の加工および紙巻たばこの
れます。入港後の製品に不適品が発見された場合、
使用されたのかを簡単に特定することができます。ある
ムは、原材料の情報、サプライヤー(納入業者)の情
製造工程、④完成品、⑤そのあとの物流の各段階にお
不適品の影響度、対象品の入港状況などを迅速に調
特定の製造分について、例えば、印刷業者が使用した
報、生産工程から当社および競合他社製品の品質評
いても厳しい品質チェックを経ており、そのプロセスに
べ、検品を行うことで、市場への流通を未然に防いで
原材料にまでさかのぼって追跡することも可能です。
価まで、あらゆる情報を管理しており、それらを報告・
は、300 項目以上の品質基準があります。上記で述べ
います。また、今後の生産に生かされるよう、不適品
監視するとともに継続的な改善にも生かしています。ま
たように、サプライヤーおよび PMIの品質研究室によっ
に関する報告書と写真が PMI の製造工場の品質管理
た、すべての工程、作業指示ガイドライン、品質基準、
て実施された測定データはすべて集中データベースに
担当者に報告されます。
およびツールはデータ化され、品質管理システムに保
保管されているほか、サプライヤーからの納入品にはす
持されています。
べてPMI が定める品質基準を満たしていることを示す
分析証明書の添付が求められています。
トレーサビリティシステムの構築
PMIでは、製品に不具合が発見された時、問題がど
私たちは、製造センターやすべてのサプライヤー
で実施する厳しい品質管理プロセスを持ち、これに
より不適品を検出して取り除き、最高レベルの品
質を維持することに努めています。私たちの目標は
不適品の数をゼロにすることであり、この目標を達
成するため、懸命に努力をしています。
アンドレアス・シュワルツ
こで発生し、影響を受けうる量がどれくらいかを即座に
オペレーションズ ディレクター
フィリップ モリス ジャパン株式会社
詳細を調べるとともに、問題の再発を防止するための措
置を講じる体制が整えられています。
■ 品質管理検査の流れ(一部抜粋)
紙巻たばこの製造工程
たばこ葉の加工工程
完成品
納入資材
出荷
ケースの補強、運搬状態のモニタリング、発注番号と製造日の印刷を経て、
伸縮フィルムで梱包された製品は、専用パレットに乗せられて日本に送られ
ます
刻みたばこをふるいにかけて品 質を
チェック
27
たばこ葉の湿度が保たれているかを
チェック
PHILIP MORRIS JAPAN K.K.
ティッピングとロッドの接続を確認
スティックの直径、重さ、吸引の際の
抵抗力を検査
完成品が均一にできているかを目視で
チェック
パッケージの色や印刷内容にミスがな
く、正確に印刷されているかを確認
CORPORATE OVERVIEW
28
高品質の製品を届けるために
高品質の製品を届けるために
コール センター
高品質のサポートサービスを一貫して提供し、迅速かつ誠意ある対応をするよう努めています。
また、意見や情報は海外製造工場や関係部署と速やかに共有し、満足度の向上につなげています。
者や販売店からの製品に関する意見や情報を迅速、
成人喫煙者、販売店と
当社をつなぐコール センター
かつ正確に海外の製造工場や関連部署に伝えることに
問い合わせの内容
品質向上に向けたデータ管理
より、製品の品質およびサービスのさらなる向上に努
めています。成人喫煙者、販売店がすぐに連絡できる
CRCCでは製品の注文は受け付けておらず、製品や
成人喫煙者や販売店から寄せられた意見や情報は、
フィリップ モリス ジャパンのカスタマー レスポンス
ように、当社たばこ製品のすべ
サービス向上のためのサポートサービスを提供していま
社内のデータシステムで一括管理されています。製品
コール センター(CRCC)は2003 年 8月に設置され、
てのパッケージにCRCC へのフ
す。CRCCに寄せられる問い合わせには2種類あります。
に関する情報は海外製造工場とのオンラインシステム
各種問い合わせに迅速に対応しています。熟練した
リーダイヤルを記載しています。
一つは成人喫煙者からの問い合わせ、もう一つはたば
(GCRS)により、即時に共有が可能となっています。
こ販売店からの問い合わせです。
チームスタッフが状況を的確に把握し、迅速に対応す
ることによって満足度を高めます。さらに、成人喫煙
パッケージに記載されたフリーダイヤル
■ お客様の声に基づいた製品改善の流れ
■ コールセンターに寄せられた問い合わせ内訳
● 営業関連
● 製品関連
成人
喫煙者
販売店
フリーダイヤル
Eメール/インターネット
電話・メール対応
フィリップ モリス
インターナショナル
海外製造工場
コール センター
(CRCC)
これにより、海外製造工場では、このデータを厳格に
分析・検討し、さらなる品質向上へとつなげていきます。
また工場だけではなく、その他の関係部署ともこの情
報を共有し、より良い製品やサービスを提供するように
努めています。
● たばこ自動販売機関連
● キャンペーン関連
● 広報関連
■ 原因究明
■ 対策実施
フリーダイヤル
訪店対応
営業員
GCRS※による
製品クレーム情報の
収集と報告
電話対応の様子
フィリップ モリス
ジャパン関連部署
■ マーケティング
■ セールス
■ 広報 など
VOICE
製品や
サービスの向上
成人喫煙者および販売店とのダイレクトコミュニケーション
用することにより、顧客満足につなげ、
私どもは、お問い合わせに対し、誠意ある態度で丁寧に対
がけています。
─当社のお客様
応することが、お客様のさらなる信頼獲得につながると確信し
品質の更なる向上に反映させるよう心
ております。会社を代表し、お客様に接する立場にあること
を忘れないよう常日頃心がけています。
お客様はとても大切なステークホルダーです。お問い合わ
せいただくお客様の声を役立て、ご提案・ご意見を有効に活
及川 徹
オペレーションズ
※GCRS:Global Consumer Response System=グローバル消費者対応システム
29
PHILIP MORRIS JAPAN K.K.
CORPORATE OVERVIEW
30
高品質の製品を届けるために
たばこ販売店とのパートナーシップ
フィリップ モリス ジャパンは、当社製品を扱うたばこ販売店との関係強化を図り、
より良いビジネス環境の構築に努めています。
当社製品を取り扱っている
たばこ販売店
未成年者へのたばこ販売防止の支援
当社は、店頭における未成年者への販売防止をサ
現在、フィリップ モリス ジャパンでは日本全国にあ
ポートするために、掲示物や販売員教育用 DVDを制
る約 29 万店のたばこ販売店を通じて、成人喫煙者の
作し、販売店に提供しています。
皆様にたばこ製品をお届けしています。当社製品を取
り扱っているたばこ販売店には、一般のたばこ小売店
をはじめ、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、
鉄道の売店などがあります。
当社の販売活動
当社は、それぞれのたばこ販売店の事業活動に合っ
たより良い販売環境づくりをサポートし、ビジネス関係
のさらなる強化に努めています。全国のたばこ販売店
の継続的な繁栄を目指し、地域の販売動向やお店の
特徴を踏まえ、立地に合った品揃えの提案など、さま
ざまな支援サービスを提供しています。また、銘柄を
選びやすい商品の陳列方法を提案し、成人喫煙者が
たばこ製品を求めやすい店づくりを支援しています。
31
PHILIP MORRIS JAPAN K.K.
社員とともに
社員は会社にとって一番大きな財産です。
フィリップ モリス ジャパンでは、すべての社員が公平に評価され、
それぞれの個性や能力を伸ばして、
それを生かすことができる職場環境づくりに努めています。
社員とともに
社員とともに
ダイバーシティの尊重
ダイバーシティとは人々の多様性を意味します。しかし、それは性別、肌の色、経歴等で人々が恩恵を受
けることではありません。最良な人々で最良な組織を築き上げることです。ダイバーシティは私達のビジ
ネスの成功における重要な要素です。
雇用ポリシー
が活躍しています。性別にかかわらず、個人の業績と
仕事のプロセスを正当に評価し、その評価に見合った
障がいのある方へのサポート
適正な待遇を行っています。現在、PMJ の女性管理
本制度は、健康で、働く意欲と能力がある希望者が、
契約社員として最長 65 歳まで(1 年ごとの契約更新)
フィリップ モリス ジャパン(PMJ)は、コンプライア
職比率は25 パーセントに達しています。女性社員の活
当社では、障がいのある方がさまざまな業務分野に
働くことができる制度で、定年退職後の仕事と生活の
ンス・ポリシーの一つである雇用ポリシーにおいて、
躍がビジネスを支える原動力となっており、今後もさら
おいて、
それぞれの能力を発揮しています。ポジション・
充実をサポートしています。
人種・肌の色・宗教・性別・国籍・年齢・性的指向・
なる向上に努めていきます。
専門部署などを分けることなく、それぞれのできること
婚姻状況あるいは障がいの有無などにとらわれることな
く雇用の機会均等にコミットすることを定めています。
また、いかなるハラスメント(嫌がらせ)も許容しないこ
を理解し、障がい上難しい仕事は他の社員がサポート
日本における外国籍社員の採用
とを明記しています。
しています。
また、定期的な通院が必要な場合には、通院に必要
な時間を就業時間とみなす制度があり、業務と健康管
また、採用、異動、能力開発においても、性別に関
当社では、フィリップ モリス インターナショナルの他
理のバランスをサポートしています。今日、当社の障がい
係なく公正な機会を提供し、社員の能力を最大限に発
の子会社から異動してきた社員のほか、ここ日本にお
者雇用率は全国平均を上回っており、さらなる障がい者
揮できる職場環境の充実と維持に取り組んでいます。
いても、外国籍の人材の採用を進めています。現在、
の雇用を推進しています。
米国、英国、オーストラリア、フランス、韓国、台湾など、
女性が活躍できる職場環境
およそ16ヶ国 の異なる国籍を持つ社員が当社で活躍
しています。
当社では、さまざまな部署において多くの女性社員
VOICE
VOICE
チャンスを与えてくれる会社
せずに仕事ができる会社です。採
員を尊重し、チャンスを与えてく
なく同じチャンスが与えられます。
用や昇進に際しても、性別に関係
再雇用制度の導入
VOICE
れます。私は、今までたくさんの
キャリア、国籍、性別、環境
あらゆる社員に対して平等な会
国でいろいろな部署を経験し、大
などそれぞれが個々に違うからこ
そ価値があります。いろいろな価
の個性として受け入れられていま
た。会社は常に社員の成長とレベ
ぶつかり合うことがあったとして
ルアップのためのプログラムを考えています。もちろん、
も、恐れることなく、より良い解決策を導きだすことが
りがいのある職場です。
です。
永山 美由樹
エグゼキューション ストラテジー
PHILIP MORRIS JAPAN K.K.
VOICE
障がいも個性の一つ
を育てながら管理職を目指すことができました。世界中
が数多く存在することも、大きな励みになっています。
最高執行責任者
フィリップ モリス インターナショナル
ダイバーシティについての
私たちの考え方
きなプロジェクトにも携わりまし
のフィリップ モリス インターナショナルには女性管理職
アンドレ・カランザポラス
フィリップ モリス ジャパンは社
結婚や出産でキャリアを中断する
必要がないので、私自身、子ども
私たち一人ひとりは、唯一無二の存在です。持っ
ているスキルは、一人ひとり違いますし、経歴や外
見もさまざまです。職場に各人がもたらすスキル、
経験、考えも人それぞれです。当社は、このよう
な多様な価値観、スタイル、考え方を理解し、そ
れを最大限に発揮してもらえる会社です。それこそ
が、当社が持つ会社としての最大の強みの源泉で
あり、それは今後も不変です。
当社では、60 歳の定年を迎えた社員が引き続き勤
多くの女性が活躍
女性であることをまったく意識
33
務を継続できるよう、再雇用制度を導入しています。
求められるものも大きいですが、チャンスが無限大でや
ルカ・ナンニ
ファイナンス
値観や考え方を尊重し、時には
できる人材がまさにフィリップ モリス ジャパンの“人財”
矢橋 美佳
ヒューマン リソース
フィリップ モリス ジャパンは、
社であり、障がいに関しても1つ
す。仕事上でのハンディは周りで
カバーしてもらいつつ、結果を出
すことは健常者と変わりありません。障がい者雇用は、
全社員が同じ基準で仕事を進める風土の表れと考えて
います。
工藤 直大
ヒューマン リソース
CORPORATE OVERVIEW
34
社員とともに
社員とともに
人材育成
フィリップ モリス ジャパンでは、幅広くパフォーマンスを評価し、能力を開発するプロセスを導入しています。
各社員のキャリア開発につながるさまざまな研修を提供しています。
ます。当社では、結果だけでなく、結果に至る過程、
じて社員のキャリア形成を支援しています。
ります。このプログラムでは、
そして組織にどれだけ貢献したかを総合的に評価して
一方、オフ・ザ・ジョブ・トレーニング(OFF-JT)
① 思考力(ロジカルシンキング)
います。また、MAPはパフォーマンスの評価だけでな
としては、グローバル・プログラムと日本独自のプログ
②ビ
ジ ネ ス コミュニケーション
(プレゼンテーション/
フィリップ モリス ジャパンはパフォーマンス評価にお
く能力開発も目的としています。業績の評価と併せて
ラムがあり、部門、役職、また各社員ごとに必要とさ
交渉力/ライティング/ミーティングの進行など)
いてMAP
(Managing and Appraising Performance)
改善の必要がある分野を明確にし、社員の今後の能
れる研修を提供しています。
③ 英語
というプロセスを導入しています。MAPでは、フィリッ
力開発計画を立てるとともに、社員のキャリアプランに
管理職の育成についてはグローバル・プログラムが
を主軸に業務の生産性を向上するスキルを習得し、業
プ モリス インターナショナル(PMI)の社員が年間を
ついても話し合っています。
用意されており、全世界のPMI各社のマネジャーがリー
務目標達成に寄与します。これらの研修プログラムの
ダーシップおよびマネジメントにおいて同じ知識とスキ
ほか、社外講座、社内講座、eラーニング学習など、
ルを有しています。また、日本独自のプログラムとして、
それぞれのスキル向上に最適な学習環境を提供してい
パフォーマンス評価
通じて継続的に運用する共通の基準と定義が定められ
ています。
さまざまなプログラムで
キャリア開発
パフォーマンス評価には、
❶ 目標設定
『グローバル・コミュニケーション・プログラム』があ
ます。
(面談で、当該期間における業務目標を設定)
❷ 中間レビュー
オン・ザ・ジョブ・トレーニング(OJT)で学ぶこと
(目標およびその達成度の中間確認、必要ならば軌道修正
が一番効果的な方法であるとの考えのもと、当社では
を行う)
❸ 期末レビュー
さまざまな経験を積むことができるOJT 環境を整えて
(一年間の目標達成度を詳細に振り返り、総合的に評価)
います。具体的には、ショート・ターム・アサインメン
という3 つのステップがあります。どのステップにおいて
ト(STA:海外での短期間勤務)、ジョブ・ローテーショ
も上司と緊密なコミュニケーションを図り、社員が 1 年
ン(他部門への異動)、ジョブ・ポスティング(社内公
間で何をどのようにして達成したのかを詳細に振り返り
募制度)、タスクフォースやプロジェクトへの参加を通
オン・ザ・ジョブ・トレーニング
キャリア開発
ジョブ・ローテーション
ジョブ・ポスティング
タスクフォース
ほか
35
PHILIP MORRIS JAPAN K.K.
グローバル・
プログラム
日本独自の
プログラム
■ プロジェクトマネジメント
■ リーダーシップ
(管理者向け)
■ コーチング
(部下をどう育成するか)
■ 思考力
(ロジカルシンキング)
■ ビジネスコミュニケーション
■ 英語
受講しました。講座はケーススタ
という部署を経て、現在オペレー
のコミュニケーションに利用して
ざまな部署で学び、いろいろな角
私は社外のライティング講座を
います。これらのプログラムは自
ファイナンスとプロキュアメント
ションズに所属しています。さま
度からフィリップ モリス ジャパン
分の足りないスキルを補うことが
のビジネスを見ることができたこと
役立っています。
部署で生かせる機会も多く、日々チャレンジしています。
でき、スキルアップ、モティベーションの向上に大きく
下里 信二
ほか
VOICE
ジョブ・ローテーション
ディを用いた実践的な内容で日々
オフ・ザ・ジョブ・トレーニング
ショート・ターム・アサインメント
VOICE
社外講座でスキルアップ
インフォメーション サービス
は貴重な経験です。また、他部署で学んだ事を現在の
高柳 麻里
オペレーションズ
CORPORATE OVERVIEW
36
社員とともに
社員とともに
ワーク・ライフ・バランスへの取り組み
フィリップ モリス ジャパンではさまざまな面から社員のワーク・ライフ・バランスを支援しています。余暇
を充実させるための福利厚生サービスのほか、さまざまな制度を整え、その利用の促進を図っています。
育児・介護サポート
福利厚生サービス
社員のメンタルヘルスケア(EAP)
当社は外部のカウンセリング機関と契約し、社員とそ
退職後の生活のサポート
の家族がさまざまな悩みをプロのカウンセラーに気軽に
フィリップ モリス ジャパンでは、育児や介護をする
当社は、福利厚生アウトソーシング会社『福利厚生
無料で相談できる社員支援プログラム
(EAP)を用意し
当社では退職金制度として確定拠出年金制度(DC
社員の仕事と生活の両立をサポートし、また、休職し
倶楽部(リロ クラブ)』と契約し、社員の余暇の充実を
ています。キャリアに関することから、職場での人間関
Plan)を導入しています。社員が退職後も安心して生
た場合も安心して職場復帰できるよう、各種制度を用
サポートしています。
係、家族や友人に関することなど、プライベートな問題
活ができるよう、全社員が入社と同時にDC Planに加
意しています。
社員とその家族は国内外の宿泊施設や各種レジャー
まで幅広く相談が可能で、相談者の名前や相談内容の
入します。会社が拠出した掛金を自ら運用し、退職後
施設、育児や介護に関する外部サービス等、さまざま
守秘義務は厳守されます。対面のほか電話やメールな
の生活原資を計画的に積立てることができるようサポー
なサービスを格安で何度でも利用できます。
どでも相談が可能で、勤務地に関係なくすべての社員
トしています。
育児休業:子が 1 歳に達する日まで(特別な事情の
ある場合は 1 歳 6ヶ月に達する日まで)
が平等にサービスを
育児関連一例
育児短時間勤務:3 歳未満の子を養育する社員は
希望により所定労働時間より1 時間短い勤務時間と
することが可能(有給)
子の看護休暇:小学校就学前の子を養育する社員
は子の病気やケガの看護のための休暇を年間 5日ま
で取得することが可能(無給)
受けることができ、社
員がモチベーション
を持続して働くことが
心身の健康管理へのサポート
できるようサポートし
ています。
介護関連一例
育児休業サポートプログラム:
外部のインターネットプログラム
wiwiwを導入し、育児休業者の
スムーズな復職と豊かな育児生
活をサポート
当社では全社員を対象に定期健康診断を毎年 1 回
介護休業:対象家族一人につき93日間
者全員が人間ドックを受診できるとともに、診断結果
当社では、全社員が入社と同時に団体生命保険に
介護短時間勤務:介護休業と通算し93日以内で所
定労働時間より1 時間短い勤務時間とすることが可
能(有給)
は産業医によりチェックされ、必要に応じて産業医と
加入します。会社が全額保険料を負担し、災害や不
健康診断
カウンセリングルーム
VOICE
団体生命保険
実施しています。この健康診断では35 歳以上の希望
の面談も実施されるなど、社員の健康管理をバックアッ
慮の事故による入院・後遺障害に対するサポートのほ
プしています。
か、仮に死亡した場合は、社員または遺族に保険金
が支払われる仕組みとなっており、万が一の場合でも
フィリップ モリス ジャパンでは、社員が異なるラ
イフステージで仕事と生活のバランスを無理なく取
れる仕組みを提供し、社員が活き活きと仕事がで
きる職場づくりを目指しています。社員の生活の充
実は仕事へもよい影響をもたらすと考え、今後もさ
まざまな取り組みを推進していきます。
社員やその家族が安心して生活を送れるようバックアッ
プしています。
産休・育児休業
私は3歳と1歳の二児の母です。
フィリップ モリス ジャパンでは次
女の時に産休・育児休業を取得
し、6ヶ月の頃から復帰しました。
産休・育児休業や復職後の育児
サポートも充実していますが、何
よりも周りの方々に支えられていると実感しています。
毎日、感謝の気持ちでいっぱいです。
堀内 久代
インフォメーション サービス
マルタ・カマチョ
ヒューマン リソース ディレクター
フィリップ モリス ジャパン株式会社
37
PHILIP MORRIS JAPAN K.K.
CORPORATE OVERVIEW
38
社員とともに
社員とともに
社内コミュニケーションの促進
快適な職場環境づくり
日本全国で活動しているフィリップ モリス ジャパンの社員たち。当社はさまざまなツールを駆使して、社員
間および経営陣と社員とのコミュニケーションの強化を図り、より働きやすい環境づくりに取り組んでいます。
フィリップ モリス ジャパンでは、社員が快適なオフィスライフを送ることができる
職場環境づくりに努めています。
フィリップ モリス ジャパン(PMJ)では、経営陣と
オフィスは社員が 1日の大半をすごす場所です。フィ
社員がオープンに意見交換できる場を設けるとともに、
他部署とも情報を共有できるコミュニケーションツール
を採用しています。
社内報:VOICE
当社では、社内報「VOICE」を年4回発行しています。
この社内報の目的は、各部署の業務や活動、社員紹介
を通じて自分の所属以
リップ モリス ジャパンでは、快適なオフィス環境づくり
C o l u m n
に努めるとともに、災害時には社員が迅速に行動でき
2008年9月には、当社の救急活動に対する姿勢
るよう、さまざまな防災対策を講じています。
外の部 署や会 社 組 織
経営陣によるオープンドア
経営陣による社員向けコミュニケーションセッション
「オープンドア」
を四半期に一度開催しています。
オープンドアは、ビジネスの進捗状況や問題点を話し
合うことで全社員が会社の方針および戦略をより深く理
解できるようにするとともに、社員の考えや懸念事項を経
営陣に対して直接伝えることができる機会となっています。
このオープンドアは、全国の社員が参加できるよう、イン
ターネットを通じて生中継で放映され、地方から参加して
全体についての理解を
防災対策への積極的な取り組み
深めることです。また、
国 内 外の主 要な業 界
当社では、予期せぬ災害に迅速に対応するため、自
ニュースや海外のフィ
衛消防隊の設置に加え、社員の防災への啓発活動を積
リップ モリス インター
極的に行っています。全社員向けに防災キット(防災の
ナショナルの活動など、
深い関心と理解を示し、救急行政の推進に多大な
貢献をした」ということで感謝状が授与されました。
当社は、全社員に対して会社負担での普通救急救
命講習会の受講を推奨し、災害や天災または緊急
の事故に対する社員の危機意識を高めるよう日頃
から努めています。
心得・帰宅ルートの地図・DVD等)
を配布しているほか、
社員から知りたいとの
普通救命講習や社外専門家による講演会等を実施して
要望が寄せられた情報
います。一方、自衛消防隊は定期的に社内で、大地震
も掲載しています。
発生時の社員の安否確認や救護活動、避難所の設営な
どの実地訓練を行い、災害時には緊急時対応マニュア
社内報
「VOICE」
ルに沿って、社員全員が迅速に行動をとれる体制を整
いる社員がEメールで経営陣に質問することができます。
えています。
フィリップ モリス ジャパンではオープンで自由に
発言できる環境が整っています。役職や職務年数
にかかわらず、新しい社員の方にも積極的に発言
し、自分の考えを提案することを期待しています。
井上 哲
「オープンドア」
の開催
が評価され、麹町消防署より
「日頃から救急業務に
コーポレート アフェアーズ ディレクター
フィリップ モリス ジャパン株式会社
オフィス内での分煙
感謝状贈呈式の様子
当社では社内の喫煙ポリシーを策定し、オフィス内に
空気清浄機を備えた完全分煙型の喫煙室を設けていま
す。オフィス内は、
すべての共用スペース(会議室を含む)
での喫煙を禁止し、喫煙室と空気清浄機のある個室の
み喫煙が可能です。
社員向け情報共有ツール:EBB
東京本社内には、EBB
(Electronic Bulletin Board)
と呼ばれる電子掲示板が、8ヶ所の共有スペースに設
置されており、各種の
活 動 報 告やビジネス
の動向、業界の最新
動向などが放映されて
います。
休憩室に設置されているEBB
39
PHILIP MORRIS JAPAN K.K.
喫煙室
CORPORATE OVERVIEW
40
社会とともに
DV/子ども虐待防止への取り組み
DVや子どもへの虐待は深刻な社会問題となっています。フィリップ モリス ジャパンでは、家庭内での暴
力や子どもへの虐待をなくし、安心・安全な暮らしの実現を目指して、さまざまな取り組みを行っています。
ドメスティック・
バイオレンス被害者への支援
暴力から逃れた被害者が自立を目指しても、多くの
場合、経済的な問題から生活再建が困難であるとい
う現実に対して、フィリップ モリス
全国共通 DV ホットライン
全国共通DVホットライン連絡会が実施する通話無料
のDV電話相談「全国共通DVホットライン」事業の2003
年立ち上げより、継続的な支援を行い、被害者が全国ど
こからでも、フリーダイヤルで電話相談できる環境を提
供しています。
ジャパン(PMJ)は被害者の自立支
援を中核とした取り組みを行ってい
ます。同時に、支援者のバーンア
ウト(燃え尽き)予防など、支援者
側の状況の改善についても取り組
んでいます。
社会とともに
フィリップ モリス ジャパンは、ドメスティック・バイオレンス(DV)や
子どもへの虐待が起こらない社会づくりを目指す人道的活動をサポートしています。
また、日本の美しい自然を守り、継承していくための NPOと協働した取り組みや、
ボランティアなどの社会的活動を積極的に行っています。
DV 被害当事者サポートPMJ 基金
ドメスティック・バイオレンス(DV)のような問題
に関する地域の取り組みは、社会にとっても私たち
のビジネスにとっても、結果が見えるまでに時間が
かかります。しかし、DVは非常に重要な課題であ
り、私たちはこの問題に対処していくことを決意し
ています。
ピーター・ニクソン
コミュニケーションズ&コントリビューションズ担当副社長
フィリップ モリス インターナショナル
NPO法人全国女性シェルターネットとともに、DV被
害女性の生活再建を支援するための基金「DV被害当事
者サポートPMJ基金」を2007年に立ち上げました。こ
れは、DVの被害者に対しての資金的支援を行うための
基金で、当社が原資として設立時に1,000万円を拠出
し、その後継続的に資金的支援を行っています。被害
女性が自立を目指す際の転宅費用や生活費として役立
てていただいています。これまでに233人に対し、総額
5,770万円の支援を行っています。
2007年「DV被害当事者サポートPMJ基金」
の設立に際し、
原資を拠出
CORPORATE OVERVIEW
42
社会とともに
社会とともに
DV/子ども虐待防止への取り組み
子ども虐待防止
厚生労働省によると、子どもへの虐待は急激に増え
続けており、当社では社会全体で早急に対応すべき問
題であると考え、さまざまな活動に取り組んでいます。
当社の活動の柱は二つです。
オレンジリボン運動
広く一般の人びとに、虐待の起こらない社会をつ
❷ 子どもたちの自立を支援する活動
子どもの虐待を早期に発見し、虐待防止を援助する
ために1999年に設立された社会福祉法人こどもの虐待
2006年から参加しています。毎年11月、社員がオレン
しています。
防止全国ネットワーク推進の「オレンジリボン運動」に、
ジリボンのバッジを着用
し、社有車に同ステッカー
防止センター(CCAP)に賛同し、電話相談事業を支援
電話相談は、専任の
をしてしまう親や、虐待
を配布するなど、啓発活
して話せる電話相談を
動を行っています。
に悩む子どもたちが安心
提供しています。
社会福祉法人こどもの虐待防止
センター(CCAP)
のロゴマーク
自立支援プログラム
子どもたちが、18歳で自立をする際に役立つ社会生活
の基礎知識を学ぶ講座です。半年から1年かけて継続
的に実施し、生活技術をはじめ、困難に直面した際の
精神的な対処方法などを幅広く習得することができま
す。当プログラムは里親に養育されている子どもたちの
支援を行っている団体と、施設で養育されている子ども
たちへの支援を実施している団体の協働によって実施さ
れています。
フィリップ モリス ジャパン ホープチェスト
施設のニーズに応じた支援を行っています。
日本の社会問題に取り組むことは、私たちにとっ
て優先課題の一つです。
特に、ドメスティック・バイオレンスと子どもの
虐待は、非常に深刻な問題であり、放っておくこと
はできません。私たちフィリップ モリス ジャパンで
は、個人として、そして企業としてできることを常
に探し続けています。
井上 哲
コーポレート アフェアーズ ディレクター
フィリップ モリス ジャパン株式会社
東京の自立援助ホームと子どもシェルターで一時的に
生活する子どもたちへの資金的な支援を行う「PMJホー
プチェスト」を2007年に創設しました。その後、児童
福祉関係者および有識者から構成された「PMJホープ
チェスト」全国展開設立準備委員会において、「制度」
「運営委員会」
「事務局」
「支援金給付条件」を議論し、
より現実的かつ実情に合致した自立支援として、全国
全国の自立援助ホームと子どもシェルターへと支援を広
げています。「PMJホープチェスト」の運営は、社会福
祉法人カリヨン子どもセンターに委託し、支援金の総額
および事務局費用を寄付することで社会的養護下の子
どもたちの自立を積極的に支援しています。
Stakeholder's VOICE
社会福祉法人カリヨン子どもセンター(以下、カリヨン)
は、
といった夢や希望をかなえてあげることが可能となったのです。
設を卒園したものの帰る場所のない子どもなどの緊急避難場
る「PMJホープチェスト」としてのご寄付をいただいておりま
養育放棄された子ども、虐待を受けた子ども、児童養護施
自立支援プログラムの講座
す。子どもは1人につき10万円までの範囲で、また、希望
カリヨンは、
「学校で勉強して技術や資格を習得したい、
りの25%は自己資金でまかなえるよう貯蓄に努めます。
持っていても、親からの援助が受けられない子どもと出会う
支援いただいた子ども、また、巣
もしくは独り立ちをしなければいけない」などという思いを
する内容の75%を上限とした援助を受けることができ、残
現在、この基金にて、就学をご
たびに、すべてを支援してあげることはできないという現実
立ちの準備を進める子ども、大学
このような、カリヨンだけでは解決することが困難な問題に、
PMJのご支援に深く感謝します。
差しのべてくれました。それが「PMJホープチェスト」基金です。
社会福祉法人カリヨン子どもセンター
フィリップ モリス ジャパン株式会社
(以下、PMJ)
が援助の手を
「フィリップ モリス ジャパンホープチェスト」
のロゴマーク
カリヨンではPMJより、シェルター運営費と、子どもに贈
所としてのシェルターや、シェルターを出ても帰る家がない子
どもが入所する自立援助ホーム2施設を運営しています。
に直面していました。
PHILIP MORRIS JAPAN K.K.
名の社員が全国約180ヶ所の児童養護施設を訪問し、
社会的養護下の子どもたちの自立を支援するため、
展開を決定し、2010年11月からは、一定の条件のもと、
43
2007年より社員が業務の一日を奉仕活動に費やす
「ボランティア・デー」
を実施しています。毎年約1,600
相談員が対応し、虐待
を貼付するほか、社員が
「オレンジリボン」
のバッジ
自立支援プログラムとは、施設や里親の元で暮らす
児童養護施設でのボランティア活動
くっていこうというメッセージを伝えていく、児童虐待
取引先などでリーフレット
❶ 虐待防止のための活動
子どもホットライン
この「PMJホープチェスト」基金によって、子どもの自立や、就学
受験に向け頑張る子どもがいます。
理事長 弁護士 坪井
節子
CORPORATE OVERVIEW
44
社会とともに
社会とともに
環境保全・美化への取り組み
これまでの主な支援先一覧
美しい日本を保ち、さらに美しくしていこうとのメッセージを込めて、
“keep Japan beautiful”というテーマを掲げ、さまざまな環境美化、環境保全活動を行っています。
フィリップ モリス ジャパンは、日本社会が抱える重要で緊急を要する課題解決のため、
それらの課題に直接的に取り組む民間非営利組織(NPO)に対し、継続した支援を行っています。
活動のフォーカス
「フィリップ モリス ジャパンKJB 瀬戸内基金」
■ 子ども虐待防止
(特)児童虐待防止全国ネットワーク
子ども虐待防止月間において、オレンジリボン運動に賛同し、社員の参加によって虐待防止啓発活動を実施
(特)里親子支援のアン基金
①「気持ちのわかちあい」をテーマに子ども虐待防止を呼びかけるウェブサイト、
「オレンジリボンネット」運営を支援
②高校 3 年生の里子向け「自立支援プログラム」実施を支援
③自立支援基金「フィリップ モリス ジャパンホープチェスト」により、自立を迎える子どもたちへ家電製品とリクルー
トスーツ購入費用を助成
内海地域で環境美化・保全に取り組む組織や団体への
(社福)
カリヨン子どもセンター
①親からの虐待などにより緊急的避難を必要とする子どもたちを受け入れているシェルター事業を支援
②自立支援基金「フィリップ モリス ジャパンホープチェスト」により、自立援助ホームで自立を目指す子どもたちを
支援
県まで、瀬戸内海を囲む11の府県から毎年20以上の
(特)
日本子どもソーシャルワーク協会
子どもへの虐待を含むさまざまな問題を抱える家庭へのケアワーカー派遣事業の支援を通して、事業運営とケアワー
カー養成を支援
豊かな瀬戸内海の自然を守るため、「フィリップ モリ
ス ジャパンKJB(keep Japan beautiful)瀬戸内基金」
を設立し、瀬戸内海環境保全協会の協力のもと、瀬戸
助成事業を2007年に開始しました。大阪府から大分
フィリップ モリス ジャパンは、日本の豊かな自然を
美しいままで、そしてさらに美しく継承することで、そ
団体を選定し、海岸での漂着ごみの収集や河川の清掃、
干潟生物の生息環境保護、子どもたちへの環境教育な
ど、多岐にわたる活動を助成しています。
れらの場所で生み出される自然の営みを守っていきた
(特)子どもの村を設立する会
ダンシング・フォー・エイズ・オーファン
虐待に悩む親子支援を行う電話相談事業「子どもホットライン」設立を支援
エイズ問題に苦しむ子どもたちを救済するためのチャリティバレエ公演に児童養護施設の子どもたちを招待する費用
を支援
■ DV被害当事者支援
いと願っています。
(特)全国女性シェルターネット
①「DV 根絶国際フォーラム・第 10 回全国シェルターシンポジウム 2007」を支援(2003 年よりの継続支援)
②「DV 被害当事者サポート PMJ 基金」立ち上げに際し、原資を拠出
によるごみ問題の解決や、瀬戸内海地域の環境を守る
(特)
ネットワーク虹
助成制度設立など、日本の山、海、川にフォーカスし
①全国組織での通話無料ホットラインを支援(設立の 2003 年よりの継続支援)
② DV 被害者支援組織の人材育成を目的とした国際研修プログラムを支援
③ DV 被害者支援組織で被害者支援に携わるスタッフのバーンアウト予防プログラム実施を支援
(社)被害者サポートセンターおかやま
DV 被害者を含む犯罪被害者支援にかかわる組織運営費用を助成
日本の自然美の象徴である富士山における不法投棄
た取り組みを進めています。
■ 環境保全・環境美化 〜 “keep Japan beautiful”
「海ごみサミット」への支援
(社)瀬戸内海環境保全協会
2012瀬戸内海環境保全協会で挨拶するPMJアゼノヴィック社長
(当時)
当社は、海に漂着するごみ問題を解決するため活動
を行っている環境NPO法人JEANが主催する、「海ごみ
サミット」
を2007年より継続的に支援しています。
富士山の美化活動
富士山を世界文化遺産としてユネスコの世界遺産リストへの登録を目指した活動を支援
(特)富士山クラブ
毎年 7 月に社員参加により団体と富士山清掃活動を実施
(特)JEAN /クリーンアップ全国事務局
団体が開催する「海ごみサミット」を支援
(特)
ベアフット協会
音楽を通して環境を考えるベアフットフェスティバルを支援
A Seed Japan
(社)国土緑化推進機構
富士山が世界の山となる日を目指してユネスコの世界
文化遺産登録のための活動を推進する、NPO法人富士
山を世界遺産にする国民会議を応援しています。また、
富士山における不法投棄などによるごみ問題に取り組む
NPO法人富士山クラブに対し、作業車両の燃料費など
への支援を行っています。
当社の社員も積極的にこ
日本経団連自然保護基金
第6回海ごみサミット
清掃活動を行っています。
(特)
日本 NPO センター
テンプル大学ジャパンキャンパス
植樹による緑化活動への支援
国内外の NGO が実施する自然保護への支援
「PMJ 市民活動 〜 住民活動助成」を協働で実施(2004 年から継続)。このファンドを通し、27 の NPO を支援
協働で 2004 年から 2006 年の 3 年間にわたり、
NPO の組織基盤強化を目的とした活動支援事業
「NPO ブラッシュ
アップセミナー」を実施。セミナー内容をワークブックにまとめ、全国の NPO 支援センター等に配布
テンプル大学ジャパンキャンパスの生涯教育プログラム
「NGO スキルディベロップメント・トレーニング修了証書プ
ログラム」と大学学部生対象の NGO コース「NGO と国際開発」の支援
■ 緊急時支援
(社福)
中央共同募金会
富士山を世界遺産にする
国民会議のロゴマーク
野外イベントでの環境対策事業「ごみゼロナビゲーション」を支援
■ その他 NPO 活動支援
(特)市民社会創造ファンド
の活動に参加し、毎年夏
に、社員による富士山での
協働で「KJB 瀬戸内基金」を立ち上げ、瀬戸内海域で環境美化・保全に取り組む 47 組織・団体を助成
(特)
NPO 富士山を世界遺産にする国民会議
①能登半島地震:2007 年 3 月 25 日に発生した能登半島地震に際し、役員・社員からの募金に会社から
同額をマッチングし、中央共同募金会へ寄付
②新潟県中越沖地震:2007 年 7 月 16 日に発生した新潟県中越沖地震に際し、
ボランティア活動資金を中央共同募金会へ寄付
③岩手・宮城内陸地震:2008 年 6 月 14 日に発生した岩手・宮城内陸沖地震に際し、中央共同募金会へ寄付
※
(特)
=特定非営利活動法人、(社)
=社団法人、(社福)
=社会福祉法人、特に表記のないものは特定の資格がない組織・団体
法人名称は2008年9月1日現在
45
PHILIP MORRIS JAPAN K.K.
CORPORATE OVERVIEW
46
社会とともに
社会とともに
社員のボランティア活動
社員一人ひとりがボランティア活動を通して、
地域や社会に貢献できるような環境を整えています。
PMJ ボランティア・デー
社員による社会貢献
社員一人ひとりが、業績に貢献するだけでなく、地域
社員自身が活動に参加することは、企業が社会貢献
活動を進めるうえで重要であるとともに、社員自身にとっ
ても、貴重な体験や出会いを得られる機会となります。
フィリップ モリス ジャパンでは、社員一人ひとりが、
業績に貢献するだけでなく、地域社会のためにも貢献
できる環境を提供しています。
社会に貢献していくことも重要であると考え、2007年よ
り業務の一日をボランティア活動に費やす
「PMJボラン
ティア・デー」
を設けています。毎年PMJボランティア・デー
では、全社員の9割にあたる約1,600名の社員が、全国
の児童養護施設などを訪問し、掃除、雑草除去、自転車
修理、子どもたちとの交流や学習のお手伝いなど、施設
の要 望に応じ
た幅広い活動
当社は社員参加型のボランティア活動により地域や
社会に貢献できるような機会を提供し、社員の参加を
NPO協力のもと被災地の子どもたちへ送るペープ
サートや指人形などの遊具作りを社員とその家族が行
いました。また、経済団体連合会主催のボランティア
活動に参加するなど、さまざまな形で社員が復興支援
活動に参加しております。
促しています。
2011年11月には、ドラゴ・アゼノヴィック前社長を
含む、44名の社員が日本全国から参加し、宮城県石
復興支援
巻市内沿岸部での復旧作業に取り組みました。参加者
2011年3月に発生した東日本大震災に際しては、東
に取り組んで
各地でのクリーンアップ活動
あらゆる場面で社員の参加を促進
さまざまな形での支援活動
は道路の側溝にたまった泥のかき出し作業および、石
巻市内の水産加
日本大震災からの復興支援を目的とした「ボランティア
います。
工工場や一般宅
特別休暇」を設立し、社員の高い社会貢献意識を後押
での作業を行い
ししています。同時に、ボランティアプログラムへの参
富士山の清掃活動をはじめ、海岸や公園、川などで
ました。
加の機会を提供し、被災地での家屋の泥のかき出しや
清掃活動を継続的に実施しています。2003年に神奈
家財道具の運び出しなどにも貢献しました。また、被
川の海岸1ヶ所から始まったこの活動は、現在では日本
施設での作業の様子 全 国9ヶ所に拡 大
災地の子ども支援を目的にマッチング募金も実施。有
志の社員1,031
され、500名 近く
名から集まった
の社員と家族が参
約800万 円と当
加しました。
社の拠出をあわ
VOICE
泥のかき出しを行う、
アゼノヴィック前社長
せ、 総 額1,600
富士山を世界遺産に
万円を寄付しま
した。
富士山クリーンアップ活動に参
加し、現状はテレビや新聞で報道
ビーチクリーンアップ
活動
されている以上に深刻な状態なの
だと実感しました。「富士山を世
水産加工工場での
作業の模様
被災地でボランティア活動をする社員
界遺産に」と言うことは容易です
富士山の清掃活動
が、継続してこのような活動を行
うこと、そして私たち一人ひとりが環境保全に対する意
識を持つことが重要であると感じました。当社のこのよ
うな取り組みは今後も重要であり、一人でも多くの社員
ペープサート作成の模様
に参加してもらえたらと思います。
境 光敏
フィールド セールス プロモーション
47
PHILIP MORRIS JAPAN K.K.
CORPORATE OVERVIEW
48
社員とともに
日本各地でのボランティア活動
フィリップ モリス ジャパンでは、社員一人ひとりがボランティア活動に参加することは非常に重要である
と考え、全国各地でさまざまな取り組みを実施しています。
これまでにボランティア・デーの活動を行った主な施設
北海道
都道府県
北海道
東北
都道府県
青森県
岩手県
宮城県
関東
都道府県
茨城県
栃木県
群馬県
埼玉県
千葉県
東京都
中部
都道府県
新潟県
富山県
49
施設名
柏葉荘
札幌南藻園
スマイルプラネット企業組合
十勝学園
函館厚生院くるみ学園
都道府県
施設名
浩々学園
幸樹園
一関藤の園
みちのくみどり学園
乳銀杏保育園
ラ・サール・ホーム
都道府県
施設名
内原和敬寮
自生園
窓愛園
道心園西ホーム
きずな
星の家
下野三楽園
地行園
東光虹の家
フランシスコの町
若葉養護学校
いわつき
エンジェルホーム
カルテット
埼玉育児院
埼玉 ベア-ズホーム
雀幸園
泰山木のある家
フリースクールりんごの木
ホザナ園
若竹ホーム
恩寵園
子山ホーム
成田学園
野の花の家
晴香園
ほうゆう・キッズホーム
あけの星学園
朝陽学園
今井城学園
エスオーエスこどもの村
おうぎ寮
カリヨン子どもセンター
救世軍機恵子寮
救世軍世光寮
共生会希望の家
都道府県
施設名
聖母愛児園
新潟県若草寮
新潟天使園
ルンビニ園
都道府県
PHILIP MORRIS JAPAN K.K.
北海道
秋田県
山形県
福島県
東京都
神奈川県
石川県
福井県
施設名
光が丘学園
羊ヶ丘養護園
ふぉれすと鉱山
北光社ふくじゅ園
焼きたてパン喫茶 夢の樹
施設名
感恩講児童保育院
県南愛児園
山形学園
アイリス学園
いわき育英舎
白河学園
施設名
暁星学園 暁星学園 清周寮
錦華学院
クリスマス・ヴィレッジ
子供の家
こどもの地域生活サポーターこぴあ 小山児童学園
至誠学園
自立援助ホーム あすなろ荘
杉並学園
砂町友愛園養護部
生長の家神の国寮
星美ホーム
聖フランシスコ子供寮
聖友学園
東京愛育苑向島学園
東京育成園
東京家庭学校
東京都石神井学園
福音寮
福田会東京本院
二葉学園
ベトレヘム学園
まつば園
むさしが丘学園
武蔵野児童学園
若草寮
川崎愛児園
春光学園
心泉学園
旭児童ホーム(鈴木ホーム)
聖園子供の家
成光学園
聖母愛児園
中心子どもの家
中里学園
施設名
あすなろ学園
林鐘園
偕生慈童苑
都道府県
山梨県
長野県
岐阜県
静岡県
近畿
都道府県
三重県
滋賀県
京都府
大阪府
中国
都道府県
鳥取県
岡山県
広島県
四国
都道府県
徳島県
香川県
九州
都道府県
福岡県
佐賀県
沖縄
都道府県
沖縄県
施設名
明生学園
興望館沓掛学荘
三帰寮
大野慈童園
美谷学園
夕陽ヶ丘
静岡恵明学園児童部
静岡ホーム
誠信少年少女の家
清明寮
まきばの家
都道府県
施設名
津市たるみ児童福祉会館
みどり自由学園
小鳩の家
舞鶴双葉寮
鹿深の家
つばさ園
平安徳義会養護園
和敬学園
生駒学園
大阪市立 入舟寮
大阪西本願寺常照園
大阪府 健康の里
大阪市立弘済みらい園・のぞみ園
公徳学園
子供の家
四恩学園
信太学園
松柏学園
都道府県
施設名
鳥取こども学園
双樹学院
岡山聖園子供の家
玉島学園
救世軍愛光園
都道府県
施設名
阿波国慈恵院
亀山学園
恵愛学園
都道府県
施設名
古処学園
聖小崎ホーム
ひばりが丘学園
報恩母の家
若葉荘
若松児童ホーム
和白青松園
佐賀清光園
聖華園
都道府県
施設名
石嶺児童園
都道府県
沖縄県
愛知県
大阪府
兵庫県
和歌山県
広島県
山口県
愛媛県
高知県
長崎県
熊本県
大分県
宮崎県
鹿児島県
施設名
梅ヶ丘学園
岡崎平和学園
子どもの家ともいき
照光愛育園
晴光学院
知多学園松籟荘
中央有鄰学院
チルドレンズ・ホーム溢愛館
豊橋若草育成園
名古屋養育院
名広愛児園
施設名
聖家族の家
清心寮
聖ヨハネ学園
高津学園
武田塾
東光学園
長谷川羽曳野学園
レバノンホーム
若江学院
アメニティホーム広畑学園
神戸少年の町
神戸真生塾
子供の家
三光塾
若草寮
旭学園
こばと学園
和歌山市旭学園
施設名
子供の家三美園
仁風園
津田子供の家
光の園 摂理の家
下関大平学園
施設名
三愛園
松山信望愛の家
子供の家
施設名
浦上養育院
清風園
慈愛園子供ホーム
藤崎台童園
森の木
カリタスの園 竹の寮
みどり学園
仁風学園
愛の聖母園
施設名
島添の丘
CORPORATE OVERVIEW
50
環境報告
グローバルに取り組む環境マネジメント
フィリップ モリス インターナショナルでは、たばこ製造工場での環境マネジメントシステムの構築や、
葉たばこ栽培における環境保護に積極的に取り組んでいます。
けています。その結果、PMIの26 工場において、国
たばこ葉の栽培、たばこの製造、マーケティング、
セールス活動など当社のすべての事業活動は環境
に影響を与えます。フィリップ モリス インターナショ
ナルは地球環境を尊重し、その保護に努めています。
マーティン・キング
オペレーション担当上級副社長
フィリップ モリス インターナショナル
コミットメントの遵守に向けた
取り組み
際的に認められた環境マネジメント認証 ISO14001 ※1
を取得しています。主に日本市場向けのたばこ製品の
製造を行っているドイツとスイスの2 工場では、すでに
ISO14001を取得済みです。
※1 ISO14001:国際標準化機構による環境マネジメントシステムの
国際規格。経営方針の中に環境方針を取り入れ、その環境方針に基
づいて計画、実施を行う環境マネジメントの基準となる規格。
Good Agricultural
Practice(GAP)
:
優良な農業の手法
フィリップ モリス インターナショナル(PMI)は、環
環境報告
フィリップ モリス インターナショナルは、どのような事業活動も環境に影響を与えるものであると認識しています。
そのため、葉たばこ栽培における環境への配慮や、
製造工場での環境マネジメントシステムの構築のほか、
たばこ製造を行っていない日本においても活動に伴う環境への負荷低減に取り組むなど、
すべての事業活動において地球環境の保護に努めています。
境の尊重および保護へのコミットメントを遵守するため
PMIでは購入する葉たばこが環境を保護し、安定し
に、以下のことに取り組んでいます。
た収穫が確保される条件で栽培されるように努めてい
ます。
■ 関連する法令や規制の遵守
■ PMI の事業活動が地球環境に与える影響の特定と
評価
■ 目的を達成するための測定可能な目標の設定と、
目標に対する進捗度合いのモニターおよび報告
■ PMIの事業活動にかかわるリスクを特定・評価し、
それらのリスクを防止し分析するための適切な行動
■ 危機管理プロセスの維持
■ 予想される危険や関係する環境課題についての社
員への情報伝達と訓練
■ PMI の製造・加工施設の全拠点への環境マネジメ
ント責任者の配置
葉たばこの生産における持続的な発展とは、地球環
境に与える影響を最小限にとどめる方法で作物を栽培
していくことを意味します。その実践に向けてPMIでは
「GAPガイドライン」
を定めました。これにより、農家の栽
培過程を評価し、その改善点を見極めることができます。
GAPとは、土壌、空気、水、動植物などの環境を維持、
保護、あるいは改善すると同時に、経済的にも採算が
合い、安全に、かつ高品質な作物を生産していくため
の活動のことです。また、持続可能な農業に向けた施
策とは、代替燃料の使用、森林保護、および水資源の
保全を含みます。
PMIは、世界 33ヶ国にある56の工場において環境
PMI のGAPガイドラインでは、農家に対して次のよ
マネジメントシステムを構築しています。このシステム
うな測定可能な目標を設定し、毎年評価しています。
では、エネルギー消費や大気中への排気、廃棄物の
量、水使用量など、PMIの事業活動が地球環境に与
える影響を追跡することを、それぞれの施設に義務付
CORPORATE OVERVIEW
52
環境報告
環境報告
フィリップ モリス ジャパンの社内エコ活動
グローバルに取り組む環境マネジメント
フィリップ モリス ジャパンは日本でたばこの製造を行っていません。しかし、約 1,800 名の社員が日々
事業活動を行うことによって与える環境への影響は少なくないと認識しています。
■ 森林伐採を回避し、森林の再生を促すプログラム
の確立
■ 化学農薬使用削減のための代替技術の導入など、
総合的な害虫対策
■ エネルギーの効率的利用の促進
■ 地下水、帯水層およびその他の水資源を保護す
るプログラムへの参加
製造工場やオフィスにおける3R
PMIでは3R(リデュース、リユース、リサイクル)を
推進しています。
PMI の水使用量は順調に削減されており、2003 年
を基準に、2004 年から2008 年の間に約 26 パーセン
方メートル削減されたことになり、オリンピックのスイミ
ングプール約700杯分に相当します。スイスでは、
オフィ
スや工場の冷暖房に湖水の再利用を行っており、これ
が CO2 の排出量を抑えることに貢献しています。また、
PMIでは、環境に配慮した製造活動を行っていま
アジアやアフリカなどの工場では、一度使用した水を
す。2004 年には、すべての工場で エネルギーイヤー
敷地内の緑化のために再利用しています。
2004 を打ち出し、エネルギー評価ツール、成功事例
PMIは工場から出る紙や金属などの廃棄物の約 75
集、エネルギー・マッピング・ツールを開発しました。
パーセントを再資源化のため、リサイクル業者に引き渡
その結果、2003 年を基準にし、2004 年から2008 年
しています。
にかけて10 パーセント近くの使用エネルギー削減を達
成しました。また、電力や化石燃料の消費を減らした
エコキャップ運動
2007年、当社本社における缶飲料、ペットボトル、
パックジュース、紙コップを原則廃止し、代わりにマイ
マグ(各自のカップ)の使
用を促進する活動を実施
やむを得ずペットボトルの飲料を利用した際には、
キャップを分別し、エコキャップ推進協会を通してリサ
イクル業者に送る活動をしています。リサイクル業者か
ら得た収益で、エコキャップ協会が発展途上国の子ど
しました。結果として缶
もたちのためにワクチンを供給する仕組みです。
約6,800本/月、ペット
ボトル約5,500本 /月、
紙コップ約2,200個/月
の削減を達成しました。
マイマグ
エコバッグ運動の推進
コバッグを持つことで、ごみの削減、資源の使用量の
削減、そして温室効果ガスの排出量削減等の効果を得
Reduce
3 パーセント減少しました。
ペットボトルのキャップ回収ボックス
ることができます。当社はそのような考えのもと、オリ
ジナルのエコバッグを製作し、2007年には全社員に配
発生抑制
布したほか、地方自治体、環境保護団体、取引先など、
2008 年、スイスではCO2 を排出する燃料に課せられ
約15万枚のエコバッグを提供しました。
る炭素税を導入しています。日本で販売している当社製
は、2000 年から2010 年にかけてのエネルギー削減プ
マイマグの推進
スーパーなどのレジ袋の使用を控え、一人ひとりがエ
■ 3R の図
ことで、CO2 の排出量も2004 年から2008 年にかけて、
品の多くはスイス工場で製造されています。スイス工場
づきや行動変容が、事業の環境負荷低減につながると
考え、社内でのエコ活動に積極的に取り組んでいます。
トの削減を達成しました。これは1 年間に約 120 万立
製造工場におけるエネルギー使用量
とCO2の削減
フィリップ モリス ジャパンでは、社員一人ひとりの気
Recycle
再資源化
3R
Reuse
再利用
ログラムと、スイス当局から合意を得たCO2 削減目標達
成により、炭素税導入の2008 年より炭素税が免除され
ています。
エコバッグ
53
PHILIP MORRIS JAPAN K.K.
CORPORATE OVERVIEW
54
資料
設立 25 周年
フィリップ モリス ジャパン
フィリップ モリス ジャパンの組織
フィリップ モリス ジャパンは、ファイナンス、マーケティング、セールス、ヒューマンリソースなどの部署で構成されており、
社員はさまざまな分野で活躍しています。以下で各部署の紹介をします。
キー アカウント
全国の主要なコンビニエンスストア、スーパーマーケット、鉄道
売店のチェーン本部を担当し、新製品やプロモーションの企画
の開発・営業活動、そして自動販売機や各種陳列棚に関する提
案の開発・営業活動を行っています。
セールス
たばこ販売店において、当社ブランドの紹介や各製品の販売促進
活動を行っています。販売促進業務は、営業員が担当しており、
地域の特性や各販売店に適した販売方法の提案をはじめ、最新
情報の提供をするなど、販売店との良好な関係を築きながら営業
の最前線で活躍しています。
セールス オーガニゼーション ディベロップメント
営業員をはじめとするフィールド(営業)の社員を対象とした、
組織開発プランの作成と各種研修の開発・実施を行います。“新
人育成コース” や “プロジェクトマネジメント” の運営、さらに
管理職向けの研修の開発・運営などを行っています。
エグゼキューション ストラテジー
マーケティングと営業の接点として、店舗プロモーション活動の
戦略・企画の立案、ならびに組織内コミュニケーションの核を
担う部署です。また、ビジネスの可能性を最大限に引き出せる
ように、経営目標、戦略、実行プランの策定、評価・分析、コーディ
ネート、導入のサポート、コミュニケーション、モニタリングな
どを行います。
マーケティング
成人喫煙者に選ばれるようにブランドの認知度やイメージを向
上するプログラムの開発・導入を行っています。また、各国の
規制に沿った会社として誇りを持てる責任あるマーケティング活
動を行っています。
ファイナンス&プランニング
ファイナンス&プランニング部は、正確な財務情報をいち早く提
供することで、ビジネスのあらゆる面から当社の事業活動をサ
ポートしています。また購買では、優れた品質の製品を効率的
に提供しています。
インフォメーション サービス
ビジネスの目標を達成するうえで、良質な情報システムと革新的
なテクノロジーを提供することは大変重要です。インフォメーショ
ン サービスでは、業務の効率化を支援するシステムやアプリケー
ションを提供し、システム環境の整備を行うことにより各部門の
業務をサポートしています。
PHILIP MORRIS JAPAN K.K.
ナショナルの日本法人です。
フィリップ モリスが日本でビジネスを開始したのは1950年
代のこと。日本市場の大きな可能性を予見して代表的なブラ
ンドの販売を日本の商社を通じて開始し、1985年に正式に
日本法人としてフィリップ モリス株式会社が設立されました。
オペレーションズ
高品質な製品が、最もタイムリーで費用効率的な方法で日本市
場に供給されることを確保し、あらゆるオペレーションの観点か
らその専門知識とガイダンスを用いて、フィリップ モリス ジャパ
ンとフィリップ モリス インターナショナルのビジネスをサポート
しています。
フィリップ モリス ジャパンの歩み
1985年フィリップ モリス株式会社設立。
2000年本社が赤坂ツインタワーより現在の山王パークタ
ワーに移転
2003年フィリップ モリス セールス プロモーション株式会
2005年マールボロのテイクバック(他社による国内でのラ
社とフィリップ モリス株式会社が統合され、フィ
リップ モリス ジャパン株式会社が誕生。
社員数約20名、日本のたばこ市場でのシェアは1.8%からの
スタートでしたが、着実に成長を遂げ、2003年には現在の
フィリップ モリス ジャパン株式会社となり、2010年には設
立25周年を迎えることができました。
今日、フィリップ モリス ジャパンは全国に約1,800名の社
員を擁し、日本のたばこ市場で30.7%のシェア(2011年現
在)
を有する日本第2位のたばこ会社となっています。
イセンス製造・販売を終了。フィリップ モリス ジャ
パンによる販売となる)
。
2007年“Keep Japan Beautiful” のテーマのもと、企業
市民として、日本の環境美化、保全に積極的に
貢献。
2010年 日本法人設立25周年
2012年ローラン・ボアサールが社長に就任。
コーポレート アフェアーズ
コーポレート アフェアーズの役割は、たばこ業界に効果的な規制
を実現するために政府と協力し、また、さまざまなNPOと社会貢
献活動を通じて社会の期待を理解し、それに応えていくことです。
ヒューマン リソース
フィリップ モリス ジャパンの戦略やビジョンと連動した才能あふ
れる人材の採用や育成を行い、組織の活性化を支援しています。
また、一人ひとりの社員が個々の能力を最大限発揮し、自分の
価値を高められる企業環境をつくり上げるよう取り組んでいます。
法務
法務部のビジョンは、世界でも一流の法的観点からのアドバイ
スとサポートにより、会社のコアバリューに沿った成功に貢献す
ることです。法務部は、ポリシーやコンプライアンス、そして法
律の側面からアドバイスを行い、社員一人ひとりが安全に業務
を遂行し、かつ社会的責任を果たせるようサポートします。
コンプライアンス
社内研修等の実施を通し、コンプライアンス態勢の充実および強
固なコンプライアンス・カルチャーの一層の浸透に向けた全社の
取り組みを推進し、責任ある事業目標達成をサポートします。コン
プライアンス問題に関する報告・相談窓口の整備、社員への周知
徹底および調査を通し、問題の早期発見、解決、防止に努めます。
日本のたばこ市場で揺るぎないリーダーとしての地位を築き、最も信頼され、
尊敬されるたばこ会社として認められるという当社の企業ミッションを達成するために、
フィリップ モリス ジャパンの各部署は一体となって取り組んでいます。
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フィリップ モリス ジャパンは、フィリップ モリス インター
マールボロの歴史
「マールボロ 」と言えば、アメリカ西部と“マールボロ・カウ
話の世界のように雄大な見晴らしで、ため息がでるほど美し
ボーイ”の力強い姿を想像する人が多いかもしれません。とこ
く、色彩と生命に満ち無限の豊かさを備えた場所が故郷とし
ろが、実はマールボロ は1885年に英国で女性喫煙者向けの
てあたえられました。それが “マールボロ・カントリー” です。
商品として登場しました。この時の広告は華やかなドレスに身
そこにはカントリーがもたらす力と興奮、そして“マールボロ・
を包んだ女性がマールボロ を手にしたもので、優雅な雰囲気
マン” に求められる真の強さとスキル、そして統率力が表現さ
が漂っています。
れています。
このキャンペーンは大きな反響を呼び起こしました。これに
“マールボロ・カントリー”キャンペーンは
広告史上に残る不朽の名作
よってマールボロ は、1975年までに米国でたばこ銘柄首位
マールボロ が “男のたばこ”に転身したのは1954年のことで
今日でもマールボロ は世界のリーディングブランドとして、第
す。コルクチップフィルターを採用し、より強く、より味わい
2位の銘柄のおよそ3倍の売上を誇っています。卓越した喫
の地位を獲得し、世界でも最もよく売れるたばことなりました。
深くなったたばこを、革新的なパッケージ、フリップトップで
煙体験を提供するための最高品質、プレミアム感、そしてリー
包みました。人目を引く赤と白のデザインが大胆かつ男性的
ダーシップ。“マールボロ・カントリー” のキャンペーンコンセ
で、いまや赤いルーフトップのデザインは世界中で知られて
プトは、初期と全く変わらず、全世界で継続中です。
います。
日本でのマールボロ の販売は1973年に開始され、現在は
1962年には、もうひとつ重要な決断が下されました。そ
日本市場で第2位の販売量を誇るブランドです。2008年に
れまではさまざまな男たちを広告に登場させてきましたが、力
は250億本を超える売上を記録しており、日本はフィリップ
強く男性的で、時間を超えた価値を描きだすために、“マール
モリス インターナショナルにおいて、マールボロ の販売本数
ボロ・マン”つまりアメリカのカウボーイを起用することにした
ナンバーワンの市場です。これからも、この栄光ある歴史に
のです。翌1963年には、“マールボロ・マン” に、まるで神
実績を積み上げ、さらなる発展を目指していきます。
CORPORATE OVERVIEW
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