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FLP演習 C

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FLP演習 C
FLP演習
C
教授 林 光洋
テーマ
発展途上国の格差・貧困問題と経済・社会開発:学際的・現場重視型アプローチ
学期
通年
単位
4 単位
開講時限
金曜日 6 時限
履修条件
(1) 正規の演習(本ゼミ)、サブゼミ、その他関連行事等に毎回出席し、議論・各種
活動に自主的に、積極的に参加できる学生
(2) FLP 林ゼミ内の他のメンバー(2 年生ゼミ、3 年生ゼミ、4 年生ゼミ)
、さらには
経済学部の林ゼミメンバー(2 年生ゼミ、3 年生ゼミ、4 年生ゼミ)と協力して、
チームワークよくゼミ運営、ゼミ活動のできる学生
(3) 2 年生で 2 年生論文(グループ)、3 年生で 3 年生論文(グループ)、4 年生で修了
論文(個人)を執筆できる学生
(4) 2 年次から 4 年次までの 3 年間、本演習(FLP 林ゼミ)で勉強を続けることので
きる学生(原則、2 年次 4 月から以外、途中での入ゼミの機会はありません)
(5) 大きな夢と根性を持ち、何ごとにも一生懸命打ち込むことのできる学生
(6) 本演習に加えて、原則、林の他の授業(「国際開発論」、「国際協力論」等)も
履修する学生
科目の目的・
発展途上国、経済発展、国際協力などに興味を持ち、それら分野の調査・研究、実
到達目標
践的体験を通じて、発展途上国の格差・貧困是正、国造りに何らかの形で関与・貢
献したいと思い、それを将来実現することのできる学生の育成を目指します。
授業の概要
発展途上国の実態を把握し、開発の阻害要因あるいは促進要因を理解するためには、
学問間の壁を乗り越えて考える柔軟な姿勢が必要であると同時に、拠って立つ基本
的な考え方の枠組みを身につけることも重要です。また、開発分野は、他の分野以
上に現場の感覚を併せ持つことが求められます。そこで、本演習は、開発経済学に
軸足を置きつつ、しかし研究の対象を経済面に限定せず、教育、保健・医療、ジェ
ンダー、環境・エネルギー等の社会・環境面へも広げ、学際的に開発問題を扱って
いきます。本演習は、1 年単位のゼミではなく、3 年間で下記の分野、項目を学ぶ一
貫教育を目指しています。
(1) 開発経済学:開発経済学の基礎と潮流
(2) 格差と貧困:格差・貧困の現状・原因・削減策、経済成長・格差・貧困の関係、
貧困とマイクロファイナンス
(3) 産業開発と海外直接投資:農業開発、工業開発、経済発展と中小企業開発、貿易
と海外直接投資、CSR、BOP ビジネス
(4) 社会開発:教育開発、保健・医療開発、人口問題、女性開発(ジェンダー)
(5) 環境と開発:環境・資源・エネルギーと開発
(6) アジア経済発展の経験:日本の経験、アジア発展途上国の経験、アジアの経験と
アフリカ
1
(7) 国際協力:ODA、国際開発機関、NGOs、民間企業の国際協力、フェア・トレー
ド
授業計画
文献からの知識獲得を基本にしますが、開発の現場を知っている方々への接触・イ
ンタビューなどを通じて、教室と現場をつなぐことのできるような授業を試みます。
具体的には、
(1) 文献を講読し、レジュメの作成・発表、議論を行ないます。
(2) 専門家との交流を通じて現場の情報・感覚の獲得・吸収に努めます。2007 年度以
降、国連開発計画(UNDP)、世界保健機関(WHO)、国連工業開発計画(UNIDO)、
アジア開発銀行(ADB)、米州開発銀行(IDB)、JICA、国際開発センター、三
菱 UFJ リサーチ&コンサルティング、日本経済研究センター、A&M コンサルタ
ント、システム科学コンサルタンツ、シャンティ国際ボランティア会、第三世界
ショップ、地球の友と歩む会、アジア日本相互交流センター・アイキャン、日本
グローバル・イニシアティブ協会、ミャンマー日本・エコツーリズム、日揮、東
洋エンジニアリング、IHI、双日、電通等、国際機関、援助実施機関、調査機関、
開発コンサルタント企業、NGOs、民間企業からゲストを招いたり、訪問したり
して講義をしてもらいました。
(3) ゼミ員の希望の強さ、やる気の大きさ、学習到達度、準備の程度等に応じて、途
上国での現地調査の実施(3 年次の夏)を検討します。2010 年度はラオスを、2011
年度はフィリピンを、2015 年度はインドネシアを訪問しました。2015 年度は、
①教育班、②防災班、③母子保健班、②水・感染症班の 4 班に分かれてインドネ
シアで現地調査を行ない、最終的には英語で論文(200 ページ前後)をまとめま
した。この現地調査は、教員主導ではなく、学生が自分たちで計画を立て、実施
していくものです。
(4) 2011 年度および 2012 年度は、ゼミ学生が、自主的に中学校、高校に対して訪問
授業を実施しました。2011 年度は、ラオス現地調査と国際協力を主なテーマにし
て、東京都内の 6 つの中学・高校で、2012 年度は、フィリピン現地調査と国際協
力を主なテーマにして、神奈川県内および東京都内の 5 つの高校で訪問授業を実
施しました。
(5) 2009 年度、2010 年度は、JICA 地球広場の「学生だって、卒業したって国際協力!」
イベントの実施を裏方として手伝い、2011 年度は「グローバルフェスタ JAPAN」
(「国際協力の日」のイベント)に JICA 学生支部として参加し、学生ブース開
設と「震災復興と国際協力」のパネル・ディスカッション開催の企画・運営を担
当し、国際協力関係者・団体とのネットワーク形成の機会を得ました。
(6) 2007 年度以降、早稲田大学のゼミとのインカレ合同ゼミ(報告会)を年 1-2 回
開催しています。
(7) 2007 年度以降の白門祭では、FLP 林ゼミの学生が中心になり、経済学部林ゼミの
学生も参加して、フェア・トレードの企画を立て、実行しました。コーヒー、雑
貨等のフェア・トレード商品の店を構えるとともに、NGOs(草の根援助運動、
ACE、第三世界ショップ)の方を招きフェア・トレードをテーマにした講演会を
2
行ないました。
などの学習/活動が中心となります。主に上記で学んだことに基づいて、2 年次には 2
年生論文(グループ)、3 年次には 3 年生論文(グループ)、4 年次には修了論文(個
人)を執筆してもらいます。なお、下記にも留意してください。
①課題の作成や統計資料の整理・加工のために、最低限のパソコン技術(ワード、
エクセル、パワーポイント程度)を身につけておいてください。開発経済学の理解
のために、また文献の講読、現地調査の実施のために、基本的な経済学の知識や英
語の能力の向上に各自努めてください。
②OB/OG との接触が盛んです。1 月に新年会、秋に現役-OB/OG 交流会を毎年実施
しています。海外の開発系大学院へ留学した OB/OG(英国のロンドン大学大学院、
サセックス大学大学院、ブラッドフォード大学大学院、イースト・アングリア大学
大学院、スイスの国際・開発研究大学院、etc.)が 10 人前後いますし、国際協力に
直接携わっている OB/OG(国連工業開発計画(UNIDO)、世界保健機関(WHO)、
JICA、青年海外協力隊員、日本赤十字社、etc.)もいます。それら OB/OG が折りに
触れ特別授業等に来てくれます。
③林が、2012-13 年度の 2 年間、在外研究で不在にしていました。2014 年 4 月から
再開したところです。パイオニア精神を持ってがんばってくれる、バイタリティー
のある皆さんを歓迎します。
暫定的な授業計画は下記の通りですが、ゲストによる特別授業、4 年次ゼミ特別活動の
内容・進捗状況等によって変更されます。
1.4 年次のゼミ活動:イントロダクション(1)
2.4 年次のゼミ活動:イントロダクション(2)
3.4 年次修了論文の執筆に関するガイダンス(1)
4.4 年次修了論文の執筆に関するガイダンス(2)
5.4 年次修了論文の研究計画作成
6.4 年次ゼミ特別活動(1)
7.輪読(1)
8.4 年次ゼミ特別活動(2)
9.4 年次修了論文(研究計画)発表(1)
10.輪読(2)
11.4 年次修了論文(研究計画)発表(2)
12.輪読(3)
13.4 年次ゼミ特別活動(3)
14.輪読(4)
15.輪読(5)および前期まとめ
16.4 年次ゼミ特別活動(4)
3
17.4 年次修了論文(中間)発表(1)
18.4 年次ゼミ特別活動(5)
19.4 年次修了論文(中間)発表(2)
20.4 年次ゼミ特別活動(6)
21.4 年次ゼミ特別活動(7)
22.4 年次ゼミ特別活動(8)
23.4 年次修了論文(ドラフトファイナル)発表(1)
24.4 年次修了論文(ドラフトファイナル)発表(2)
25.輪読(6)
26.輪読(7)
27.輪読(8)
28.4 年次修了論文(ファイナル)発表(1)
29.4 年次修了論文(ファイナル)発表(2)
30.ゼミ活動まとめ
評価方法
出席、課題の準備・発表・提出、議論への参加度、ゼミ員同士の協力度合い、演習
(ゼミ)活動における貢献度などにもとづいて総合的に評価します。
テキスト・
授業開始後、適宜紹介しますが、日本語文献であれば、
参考文献等
・ 大塚啓二郎、2014 年、『なぜ貧しい国はなくならないのか:正しい開発戦略を考
える』、日本経済新聞出版社.
・ 大坪滋、木村宏恒、伊藤早苗編、2009 年、『国際開発学入門』、勁草書房.
・ 小浜裕久、2009 年、『経済論文の技法:データが語る・データで語る』、日本評
論社.
・ 斎藤優、1995 年、『国際開発論:開発・平和・環境』、有斐閣.
・ 佐藤寛編、2007 年、『テキスト社会開発:貧困削減の新たな道筋』、日本評論社.
・ 下村恭民、他、2009 年、『国際協力 新版:その新しい潮流』、有斐閣.
・ 世界銀行、1994 年、『東アジアの奇跡:経済成長と政府の役割』、東洋経済新報
社.
・ 髙木保興、河合明宣、2014 年、
『途上国を考える』
、放送大学教育振興会.
・ 坪井ひろみ、2006 年、『グラミン銀行を知っていますか:貧困女性の開発と自立
支援』、東洋経済新報社.
・ 速水佑次郎、2000 年、『開発経済学:諸国民の貧困と富(新版)』、創文社.
・ 渡辺利夫、2010 年、『開発経済学入門(第 3 版)』、東洋経済新報社.
・ A. アトキンソン、2015 年、『21 世紀の不平等』、東洋経済新報社.
・ A. バナジー、E. デュフロ、2012 年、『貧乏人の経済学:もういちど貧困問題を
根っこから考える』、みすず書房.
・ R. チェンバース、1995 年、『第三世界の農村開発:貧困の解決 私たちにできる
こと』、明石書店.
・ P. コリアー、2008 年、『最底辺の 10 億人:最も貧しい国々のために本当になす
べきことは何か?』、日経 BP 社.
4
・ W. イースタリー、2009 年、『傲慢な援助』、東洋経済新報社.
・ M.エスワラン、A.コトワル、2000 年、『なぜ貧困はなくならないのか:開発経
済学入門』、日本評論社.
・ FLO、IFAT、NEWS、EFTA 編、2008 年、『これでわかるフェアトレードハンド
ブック:世界を幸せにするしくみ』、合同出版.
・ B. ミラノヴィッチ、2012 年、『不平等について:経済学と統計が語る 26 の話』、
みすず書房.
・ D. モヨ、2010 年、『援助じゃアフリカは発展しない』、東洋経済新報社.
・ T. ピケティ、2014 年、『21 世紀の資本』、みすず書房.
・ C. K. プラハラード、2005 年、『ネクスト・マーケット:「貧困層」を「顧客」
に変える次世代ビジネス戦略』、英治出版.
・ S. ナヤ、2013 年、『アジア開発経済論:持続的成長、貧困削減、危機克服の経
験』、文眞堂.
・ J. サックス、2006 年、『貧困の終焉:2025 年までに世界を変える』、早川書房.
・ A. セン、2002 年、『貧困の克服:アジア発展の鍵は何か』、集英社.
・ J. スティグリッツ、2012 年、『世界の 99%を貧困にする経済』、徳間書店.
・ M. P. トダロ、S. C. スミス、2010 年、『トダロとスミスの開発経済学』、ピア
ソン.
・ M. ユヌス、2008 年、『貧困のない世界を創る:ソーシャル・ビジネスと新しい
資本主義』、早川書房.
などが参考になります。なお、本演習履修者は、日本経済新聞を読むように心がけ
てください。
授業外の学習活動
授業計画の欄ですでに説明したように、履修者の努力次第で、途上国での現地調査、
(見学調査・実態調
中学校・高校向けの訪問授業、他大学とのインカレ合同ゼミ、フェア・トレード関
査を除く)
連の活動、その他の教室外の活動を実施することが可能です。
実態調査
前述の通り、本演習は 3 年間の一貫型教育システムを採用しています。現地調査は、
参加者が条件を満たした場合、3 年次の夏に実施します。テーマ、研究対象国、研究
手法、研究計画、訪問先のアポイントメント取得、ロジスティクス等ほぼすべてを、
履修者の皆さんに決めてもらったり、手配・実行してもらったりする予定です。
その他
特記事項
(1) プログラムが盛りだくさんで、忙しい演習(ゼミ)です。演習(ゼミ)活動を充
実させるには、またそれを楽しむには、メンバーの自主性とやる気が必要です。
根性があり、FLP に学生生活をかけることのできる皆さんを歓迎します。
(2) 林ゼミを希望する場合、説明会や授業参観等に参加して、どのようなゼミである
かを自ら確認し、当日配布されるアンケート用紙に必要事項を記入して提出し、
入ゼミの意思表明をしてください。入ゼミを希望するものの都合がつかずそれら
に参加できない場合、林あるいはゼミのメンバーに必ず連絡し、個別に相談を受
け、意思表明する機会をつくるように努めてください。
参考 URL
(1) 林ゼミホームページ:http://c-faculty.chuo-u.ac.jp/~mhayashi/
(2) 経済学部林ゼミ:http://www2.chuo-u.ac.jp/econ/thesis/pdf/10/hayashi.pdf
5
(3) 林ゼミの 2010-11 年の活動は、中央大学の雑誌『草のみどり』の下記の号で報
告されています。経済学部林ゼミの紹介ページ
(http://www2.chuo-u.ac.jp/econ/thesis/pdf/10/hayashi.pdf)から、それら記事にリン
クが張られているので参考にしてください。
1) 林光洋ゼミナール活動報告(1)
:私たちがラオス現地調査プロジェクトから学
んだこと(第 252 号、2012 年 1 月発行)
2) 林光洋ゼミナール活動報告(2)
:中学校・高校向け訪問授業とそこから学んだ
こと(第 253 号、2012 年 2 月発行)
3) 林光洋ゼミナール活動報告(3):国際協力イベント「グローバルフェスタ
JAPAN2011」に参加して(第 254 号、2012 年 3 月発行)
4) 林光洋ゼミナール活動報告(4)
:鈴木敏文奨学金を受給して青春をかけたフィ
リピン現地調査(第 256 号、2012 年 6 月発行)
5) FLP 国際協力プログラム活動報告:笑顔をつなぐフェアトレード−学生が取り
組む普及活動−(第 255 号、2012 年 5 月発行)
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