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炎症講義 • 炎症総論 – 概念・原因 – 炎症と免疫 • • – – 感染に対する反応 非特異性炎 • 機転・治癒過程 • 炎症のメディエータ – 特異性炎 肉芽腫 代表的感染症 – • – – – – – – 主な感染症 細菌が起こす病気 真菌・原虫が起こす病気 • Candida Aspergillus Mucor Carinii Cryptococcus ウィルスが起こす病気 • 肝炎(A型〜 • 肝炎に関連した疾患概念 – 黄疸 肝硬変 • Herpes EBV CMV HPV 日和見感染症/腫瘍 • 細菌・真菌・ウィルス • 多/少/単クローン性増殖 アレルギー Allergy 臓器障害の免疫学的機序 – – • 自己免疫疾患 – – • – – • 拒絶反応 GVHD 免疫不全症 – 2011年5月27日 血管炎・血管炎症候群 • ANCA • Wegener granulomatosis Glomerulonephritis Amyloidosis 移植 – – 性感染症 全身性 膠原病 • Fibrinoid necrosis 臓器特異的 • 臓器細胞特異的抗体/T細胞 自己免疫・膠原病に関連した疾患概念 – • I型 Ⅱ型 • Erythroblastosis fetalis Ⅲ型 • immune complex Ⅳ型 先天性/後天性 自己免疫疾患・膠原病 2011年5月27日 自己免疫発症の考え方 (W Paul, Fundamental Immunology, 2nd Ed:Autoimmunity and autoimmune disease) 1) 正常個体も自己抗体をつくりうる。 2) ある特定の自己抗原(ABO血液型)に対する自己抗体は決してつくられない。この ことは特定の自己応答性細胞が個体発生の早い段階で除去されることを示してい る。 3) 多くのnatural autoantibodyは低親和性のIgM抗体で少量しかみいだされないので、 unmutated germ line V gene由来と考えられる。 4) 自己免疫では通常大量の抗体産生が起こるか、あるいは高親和性の IgG抗体が 産生される。高親和性抗体の産生にはT細胞が必要である。 5) 正常でも臓器特異的に反応するT細胞は存在する。 6) 自己免疫疾患は臓器特異的と全身性にわけられる。 前者では抑制性T細胞の消失、MHC発現の異常、抗原の模倣、 MHC表現 型が重要であり、後者ではポリクローナルB細胞活性化も重要である。 7) 自己抗原を免疫することによる全身性自己免疫疾患のモデルはない。 8) 自己抗体は必ずしも自己免疫疾患の存在を意味しない。 9) 自己免疫の発症には遺伝的要素と環境に左右される。 2011年5月27日 コッホの4原則 • ある一定の病気には一定の微生物が見出 されること • その微生物を分離できること • 分離した微生物を感受性のある動物に感 染させて同じ病気を起こせること • そしてその病巣部から同じ微生物が分離 されること 2011年5月27日 自己免疫疾患の基準(Witebskyの4原則) ある病気が自己免疫疾患であることを確定するための基準 が、1957年Witebskyにより提出された。その基準は、以下の の4つからなる。 (1) 抗体やリンパ球を動物に移入して、病理学的に同様な 病変を作ることができる、 (2) 抗体やリンパ球の標的抗原が明らかであるか、単離で きる、 (3) その抗原を用いて、自己抗体や自己反応性T細胞を動 物に誘導できる、 (4) ヒトの病気と同様な病理学的所見がそのモデル動物で 得られる、 2011年5月27日 自己免疫疾患のスペクトラム • 全身性自己免疫疾患(古典的膠原病) – – – – – – – 全身性紅斑性狼瘡 Systemic Lupus Erythematosus SLE 進行性全身性強皮症 Progressive Systemic Sclerosis PSS 慢性関節リウマチ Rheumatoid Arthritis RA 皮膚筋炎(多発性筋炎) Dermatomyositis(Polymiositis) DM 多発性結節性動脈炎 Polyarteritis Nodosa PN リウマチ熱 Rheumatic Fever RF その他 • シェーグレン症候群 • ベーチェット病 • MCTD Mixed Conective Tissue Disease 2011年5月27日 • 器官特異的自己免疫疾患 – – – – – – – – – – – – – 橋本病 バセドウ病(Grave's Disease) 悪性貧血 インスリン抵抗性糖尿病 Insulin Dependent Diabetes Mellites IDDM 原発性胆汁性肝硬変 Primary Biliary Cirrhosis PBC 重症筋無力症 溶血性貧血 急性糸球体腎炎 Goodpasture症候群 天疱瘡 交感性眼炎 多発性硬化症 抗リン脂質抗体症候群 器官特異的自己免疫疾患 • • • • • • • 橋本病 ashimoto desiease – 抗マイクロゾーム抗体 バセドウ病(Grave’s Disease) – 抗TSHレセプター抗体 悪性貧血 pernicious anemia – 抗内因子抗体 萎縮性胃炎 atrophic gastritis – 抗胃壁細胞抗体 インスリン抵抗性糖尿病 Insulin Dependent Diabetes Mellites IDDM – 抗ラ氏島抗体 原発性胆汁性肝硬変 Primary Biliary Cirrhosis PBC – 抗ミトコンドリア抗体 重症筋無力症 myasthenia gravis – 抗アセチルコリンレセプタ抗体 2011年5月27日 • • • • • • 溶血性貧血 hemolytic anemia – 抗赤血球抗体 Goodpasture症候群 – 抗基底膜抗体 天疱瘡 pemphigus – 抗皮膚細胞膜抗体 急性糸球体腎炎 交感性眼炎 多発性硬化症 橋本病 • 慢性甲状腺炎 • struma lymphomatosa • 抗ペルオキシダー ゼ抗体 • 抗サイログロブ リン抗体 2011年5月27日 橋本病 • 慢性甲状腺炎(橋本病)は、甲状腺における慢性の炎症の ために、びまん性の甲状腺腫大や甲状腺機能低下症を生 じる • 中年の女性に多い疾患 • 甲状腺刺激ホルモン(TSH)は上昇、総トリヨードサイロニン (T3)、総サイロキシン(T4)は低下 • 甲状腺の組織成分に対する自己抗体として、抗サイログロ ブリン(Tg)抗体、抗甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)抗体な どが検出される。 • 生検組織ではリンパ球浸潤、リンパ濾胞や胚中心の形成、 濾胞上皮細胞の変性を認める。 2011年5月27日 Graves disease • 甲状腺機能亢進症 • 甲状腺腫大 • 刺激型抗TSHレセプター 抗体 • Merseburg3徴 – 眼球突出 exophthalmos – 甲状腺腫大diffuse goiter – 頻脈tachycardia 2011年5月27日 全身性自己免疫疾患(古典的膠原病) • • • 全身性紅斑性狼瘡 Systemic Lupus Erythematosus SLE 進行性全身性硬化症(汎発性強皮症) Systemic Sclerosis PSS 慢性関節リウマチ Rheumatoid Arthritis RA – 若年性特発性関節炎 Jevenile Idiopathic arthritis JIA • • • • 皮膚筋炎(多発性筋炎) Dermatomyositis(Polymiositis) 多発性結節性動脈炎 Polyarteritis Nodosa PN リウマチ熱 Rheumatic Fever RF その他 – シェーグレン症候群 – ベーチェット病 – MCTD Mixed Conective Tissue Disease 2011年5月27日 DM Progressive 膠原病 Collagen disease • • • • • • • • • • 女性 関節炎 時空的多様性 緩解増悪 環境因子 フィブリノイド壊死 Fibrinoid necrosis 血管炎 Ⅲ型アレルギー Immune complex 全身性自己免疫疾患 2011年5月27日 SLE Systemic Lupus Erythematosus 全身性紅斑性狼瘡 • • • • • • • • • 女性、関節痛、発熱、蝶形紅斑 抗核抗体(LE細胞)、抗DNA抗体 Hematoxylin body 診断学的価値 免疫複合体腎炎 wire-loop lesion 漿膜炎 Libman-Sachs心内膜炎、脾onion-skin lesion CNSループス ポリクローナルB細胞活性化 抗リン脂質抗体症候群 – 血栓症、習慣性流産 2011年5月27日 SLE診断基準 (アメリカリウマチ協会、1997年改訂) • • • • • • • • • (1) 顔面紅斑 (2) 円板状皮疹 (3) 光線過敏症 (4) 口腔内潰瘍(無痛性で口腔 あるいは鼻咽腔に出現) (5) 関節炎(2関節以上で非破 壊性) (6) 漿膜炎(胸膜炎あるいは心 膜炎) (7) 腎病変(0.5g/日以上の持続 的蛋白尿か細胞性円柱の出現) (8) 神経学的病変(痙攣発作ある いは精神障害) 2011年5月27日 • (9) 血液学的異常 – – – – • • i) 溶血性貧血 ii) 4,000/mm3 以下の白血球減少 iii)1,500/mm3 以下のリンパ球減 iv) 10 万/mm3 以下の血小板減少 (10) 免疫学的異常 – i) 抗2本鎖DNA 抗体陽性 – ii) 抗Sm 抗体陽性 – iii)抗リン脂質抗体陽性 • ・抗カルジオリピン抗体 • ・ループスアンチコアグラント • ・梅毒反応偽陽性 (11) 抗核抗体陽性 2011年5月27日 Immune complexによる組織障害機序 2011年5月27日 抗リン脂質抗体症候群 • 抗リン脂質抗体 – 抗カルジオリピン抗体 – ループスアンチコアグラント • リン脂質依存性の血液凝固を阻害する免疫グロブリン – 抗プロトロンビン抗体 • 血栓症、習慣流産、血小板減少 • 半数はSLEに合併 2011年5月27日 抗リン脂質抗体症候群診断基準 • • • • • • • • 臨床所見の1項目以上が存在し、かつ検査項目のうち1項目以上が存在するとき、抗リン脂質抗体症候群 とする。• <臨床所見> •1.血栓症 画像診断、あるいは組織学的に証明された明らかな血管壁の炎症を伴わない動静脈あるいは 小血管の血栓症(過去の血栓症も、診断方法が適切で明らかな他の原因がない場合は臨床所見に含め てよい。表層性の静脈血管は含まない。) •2.妊娠合併症 – •a. 妊娠10週以降で、他に原因のない正常形態胎児の死亡、または、 – •b. (i)子癇、重症子癇または(ii)胎盤機能不全による妊娠34週以前の正常形態胎児の早産、または – •c. 3回以上つづけての、妊娠10週以前の流産(母体の解剖学的異常、内分泌学的異常、父母の染 色体異常を除く) •<検査基準> •1. International Society of Thormbosis and Hemostasisのガイドラインにもとづいた以下の測定法で、ルー プスアンチコアグラント(LA)が12週間以上の間隔をおいて2回以上検出される。 •2. 標準化されたELISA法において、中等度以上の力価の(>40 GPLまたはMPL、または>99パーセンタ イル)IgG型またはIgM型の抗カルジオリピン抗体(aCL)が12週間以上の間隔をおいて2回以上検出される。 •3.標準化されたELISA法において、中等度以上の力価の(>99パーセンタイル)IgG型またはIgM型の抗 β2-glycoprotein I 抗体が、12週間以上の間隔をおいて2回以上検出される。 2011年5月27日 関節リウマチ Rheumatoid arthritis • 末梢関節からはじまる関節の破壊 – 変形、脱臼 – 朝のこわばり • – Swan neck deformity, ulnar deviation リウマチ因子 – 変性IgGに対する自己抗体 • • • 抗CCP抗体 Pannus リウマチ結節 関節周囲 – palisading granuloma • • Sjogren症候群の合併 JIA Juvenile idiopathic arthritis – 小児 大関節 ssDNA 2011年5月27日 関節リウマチ Rheumatoid arthritis ä÷òAé©å»çRëÃÇ®ÇÊÇ—ååê¥äwìIéwïW é©å»çRëÃÇ‹ÇžÇÕååê¥äwìIéwïW éæä ÅEïaë‘DzÇÃä÷òA 環状シトルリン化ペプチドと反応 抗CCP 抗体 êfífäÓèÄ 。 R A 特異的で高感度。 リウマトイド因子 IgG に対する自己抗体。 R A に対する特異性は低い。 IgG 型 リウマトイド因子 R A 特異的だが、陽性率は高くない 。 マトリックス メタロプロテイナーゼ (M M P-3) 2011年5月27日 -3 骨破壊の指標として有効。 R A 特異的でない ● 早期R A 診断基準 ● • • • • • • 関節リウマチ診断基準 (アメリカリウマチ協会、1987年) 1.少なくとも1時間以上持続する朝のこわばり 2.3個以上の関節の腫脹 3.手(wrist)、中手指節関節(MCP)、近位指節関 節(PIP)の腫脹 4.対称性関節腫脹 5.手・指のX線の変化 6.皮下結節(リウマトイド結節)7.リウマトイド因子 陽性 1~4は6週間以上持続。 • 以上7項目中4項目満たすものをRAと診断する。 2011年5月27日 Sjogren症候群 • 外分泌腺の慢性炎症 – keratoconjunctivitis sicca – xerostomia • 原発性 • 2次性 – RAに合併 • 抗RNP抗体 SS-A SS-B • B cell lymphoma 2011年5月27日 Sjogren症候群 • 1933年にスウェーデンの眼科医ヘンリック・シェーグレンが発表した • 中年女性に好発する慢性唾液腺炎と乾燥性角結膜炎を主徴とし、多彩な自己抗体の出現や高 ガンマグロブリン血症をきたす自己免疫疾患の一つ。乾燥症が主症状となるが、唾液腺、涙腺だ けでなく、全身の外分泌腺が系統的に障害されるため、autoimmune exocrinopathyとも称される。 • 原発性 涙腺、唾液腺に限局する腺型と病変が全身諸臓器におよぶ腺外型 • 2次性 膠原病(関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、皮膚筋炎、混合性結合組織病) に合併 • 病理 唾液腺、涙腺では、導管周囲に単核球の著明な浸潤と腺房細胞の萎縮、消失、導管上 皮細胞の増殖などによる内腔の狭窄 – 浸潤単核細胞の多くはCD4+αβT細胞であり、周囲にはB細胞浸潤も認められる。 • ポリクローナルな高ガンマグロブリン血症 • 抗核抗体、リウマトイド因子、抗SS‐A抗体、抗SS‐B抗体などの自己抗体 • 悪性リンパ腫や原発性マクログロブリン血症を発症した状態(5%) • 耳下腺腫脹を特徴とするMikulicz病はIgG4関連疾患に位置づけられた 2011年5月27日 若年性特発性関節炎 Jevenile Idiopathic Arthritis JIA • • • • • • 全身型 – RF陰性 RF陽性はまれ – 関節炎と全身症状(熱、皮疹、心膜炎) – SPRASH症候群 • spiking fever, pericarditis, rash, arthritis, splenmegaly, hepatomegaly • 成人発症スチル病 多関節型 少関節型 乾癬性関節炎 付着部炎関連関節炎 慢性虹彩炎 2011年5月27日 PSS Progressive systemic sclerosis 進行性全身性硬化症 • • • • • • 皮膚や内臓が硬くなる変化(硬化(※) という)を特徴 (1)線維芽細胞の活性化(その結果、膠原線維が多量に産生され、皮膚や 内臓の硬化が生じる)、 (2)血管障害(その結果、レイノー症状や指尖部の潰瘍などが生じる)、 (3)免疫異常(その結果、自己抗体が産生される) – anti-Scl 70 DNA topoisomerase I – anti-centromere antibody 線維化 – 皮膚(マスク様顔貌)、sclerodactyly先端(肢端)硬化症、消化管(食道 線維化)、肺線維症、腎(悪性高血圧) レイノー症状 – 冷たいものに触れると手指が蒼白~紫色になる症状で、初発症状と して最も多い 2011年5月27日 厚生労働省 強皮症新診断基準 (竹原班、2003年) • •大基準:手指あるいは足趾を越える皮膚硬化※• • 小基準: – •1)手指あるいは足趾に限局する皮膚硬化 – •2)手指尖端の陥凹性瘢痕、あるいは指腹の萎縮※※ – •3)両側性肺基底部の線維症 – •4)抗トポイソメラ-ゼ I (Scl-70)抗体または抗セントロメ ア抗体陽性 • •除外基準 – •※限局性強皮症(いわゆるモルフィア)を除外する – •※※手指の循環障害によるもので、外傷などによるもの を除く • •判定:大基準を満足するか小基準の 1)および 2)~4)のうち 1項目以上を満足する 2011年5月27日 2011年5月27日 MIXED CONNECTIVE TISSUE DISEASE • • • • SLE, polymyositis, PSS, RA U1 RNP antibody paucity of renal disease good response to steroids 2011年5月27日 混合性結合組織病(MCTD)診断の手引き(厚生MCTD調査研究班、1996年改訂) • • • • • • • 混合性結合組織病の概念:全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎などにみられる 症状や所見が混在し、血清中に抗U1-RNP抗体がみられる疾患である。 •I.共通所見(1所見以上が陽性) – 1.レイノー現象 2.指ないし手背の腫脹 •II.免疫学的所見•抗U1-RNP抗体陽性(II の所見が陽性) •III. 混合所見(A, B, C項のうち、2項以上につき、それぞれ1所見以上が陽性) •A. 全身性エリテマトーデス様所見 – 1.多発関節炎 – 2.リンパ節腫脹 – 3.顔面紅斑 – 4.心膜炎または胸膜炎 – 5.白血球減少(4000/uL以下)または血小板減少(100,000/uL以下) •B. 強皮症様所見 – 1.手指に局限した皮膚硬化 – 2.肺繊維症、拘束性換気障害(%VC=80%以下)または肺拡散能低下(%DLco=70%以下) – 3.食道蠕動低下または拡張 •C. 多発性筋炎様所見 – 1.筋力低下 – 2.筋原性酵素(CK)上昇 – 3.筋電図における筋原性異常所見 2011年5月27日 混合性結合組織病(MCTD)診断の手引き (厚生MCTD調査研究班、1996年改訂) • •診断: • • – 1.I の1所見以上が陽性 – 2.II の所見が陽性 – 3.III のA, B, C項のうち、2項以上につき、それぞれ1所見以上が陽性 以上の3項を満たす場合を混合性結合組織病と診断する。 •付記: • • • • 1.抗U1-RNP抗体の検出は二重免疫拡散法あるいは酵素免疫測定法 (ELISA)のいずれでもよい。ただし、二重免疫拡散法が陽性でELISAの結果 と一致しない場合には、二重免疫拡散法を優先する。 2.以下の疾患標識抗体が陽性の場合は混合性結合組織病の診断は慎重 に行う。 •1)抗Sm抗体•2)高力価の抗ニ本鎖DNA抗体•3)抗トポイソメラーゼ I 抗体(抗 Scl-70抗体)•4)抗Jo-1抗体 3.肺高血圧症を伴う抗U1-RNP抗体陽性例は、臨床所見が充分にそろわな くとも、混合性結合組織病に分類される可能性が高い。• 2011年5月27日 Polyarteritis nodosa • • • • • transmural necrotizing inflammation of mediumu to small-sized artery in any organ young aduts malaise, fever of unknown cause no glomerulonephritis sparing pulmonary circulation 2011年5月27日 皮膚筋炎 Dermatomyositis • がんのリスク • ヘリオトロープ皮疹 • 近位筋 筋力低下 2011年5月27日 皮膚筋炎・多発性筋炎の診断基準 (厚生省自己免疫疾患調査研究班、1992年) • • 1.診断基準項目 •(1)皮膚症状 – – – • • • • • • • • • • •(a)ヘリオトロープ疹:両側または片側の目瞼部の紫紅色浮腫性紅斑 •(b)ゴットロン徴候:手指関節背面の角質増殖や皮膚萎縮を伴う紫紅色紅斑 •(c)四肢伸側の紅斑:肘、膝関節などの背面の軽度隆起性の紫紅色紅斑 •(2) 上肢または下肢の近位筋の筋力低下 •(3) 筋肉の自発痛または把握痛 •(4) 血清中筋原性酵素(クレアチンキナーゼまたはアルドラーゼ)の上昇 •(5) 筋電図の筋原性変化 •(6) 骨破壊を伴わない関節炎または関節痛 •(7) 全身性炎症所見(発熱, CRP上昇, または血沈促進) •(8) 抗Jo-1抗体陽性 •(9) 筋生検で筋炎の病理的所見:筋線維の変性および細胞浸潤 2.診断基準判定•皮膚筋炎:(1)の皮膚症状の(a)~(c)の1項目以上を満たし, かつ経過中 に(2)~(9)の項目中4項目以上を満たすもの•多発性筋炎:(2)~(9)の項目中4項目以上を 満たすもの 3.鑑別診断を要する疾患•感染による筋炎、薬剤誘発性ミオパチー、 内分泌異常に基づく ミオパチー、筋ジストロフィー、その他の先天性筋疾患 2011年5月27日 リウマチ熱 Rheumatic fever • • • • Group A streptococcal pharyngitis sore throat migratory polyartyritis of the large joints carditis 弁膜症 Ashoff body – Anitschkow cell(plump macrophage) – Catapillar cell • • • • subcutaneous nodule erythema marginatum 小舞踏病 Sydenham chorea ミオシンとの交差抗原 M蛋白 2011年5月27日 リウマチ熱 Rheumatic fever • A群溶連菌に感染して(sore throat)後1~3週間に生じる全身性の非 化膿性疾患の一つである。特徴として結合織の炎症が関節、心臓、 血管、神経等を冒すとされる。特に心臓では弁膜、心内外膜、心筋が 好発部位であり、5~15歳が好発年齢である。 • 抗ストレプトリジンO(略称ASOまたはASLO) • 大症状として心内外膜、心筋の全ての層が炎症を起こす 弁膜症の原因 – Ashoff body • Anitschkow cell(plump macrophage) • • Catapillar cell 関節炎は移動性・多発性で疼痛、発赤、腫脹、圧痛を生じるmigratory polyartyritis of the large joints • 小舞踏病(四肢、体幹、顔筋に起こる不随意運動)小舞踏病 Sydenham chorea • 無痛性の皮下小結節subcutaneous nodule • 体幹・四肢近位の皮膚に移動性の輪状紅斑erythema marginatum 共通症状としては発熱、前胸痛、腹痛、頭痛、倦怠感、食欲不振などを起こ す。 2011年5月27日 • リウマチ熱 Rheumatic fever 2011年5月27日 2011年5月27日 Behcet病 • ベーチェット病は、1937年トルコのベーチェットによって提唱された疾 患で、多臓器侵襲性の難治性の病気である。口腔粘膜のアフタ性潰 瘍、皮膚症状、眼のぶどう膜炎、外陰部潰瘍を主症状とし、急性炎 症性発作を繰り返すことを特徴とする。 • 地域的な分布を見てみると、世界的にはシルクロードに沿った帯状 の地域に偏っており、日本では北高南低の分布を示す。本症での失 明率の高いことや、20歳代後半から40歳代にかけての働き盛りに発 病が多いこと、腸管型や血管型、神経型などの特殊型ベーチェット 病の死亡が少なからずみられたことから、医学的のみならず、社会 的にも注目を集めた。 • HLA-B51の陽性率が高く、発病にHLAーB51そのもの、あるいはこれ に連鎖する素因の役割が重視されている。 • 細菌由来の65kd熱ショック蛋白(heat shock protein;HSP)と交差反 応性を示す宿主由来HSP • 自然免疫 Th17細胞 2011年5月27日 ベーチェット病の診断基準 • • • • • • • • • • • • • • 1 主症状 (1)口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍 (2)皮膚症状 a.結節性紅斑様皮疹 b.皮下の血栓性静脈炎 c.毛嚢炎様皮疹、座瘡様皮疹 d.(参考所見)皮 膚の被刺激性亢進 (3)眼症状 a.虹彩毛様体炎 b.網膜ブドウ膜炎 (網脈絡膜炎) c.参考所見 a、b、を経過したと 思われる網脈絡膜萎縮、視神経萎縮、併発性白 内障、続発性緑内障、眼球癆 (4)外陰部潰瘍 2 副症状 (5)関節炎症状 (6)消化器症状 (7)副睾丸炎 (8)血管系症状 (9)中枢神経症状 (10)呼吸器症状 (11)泌尿器症状 2011年5月27日 • • • • • • • • • • • • 3 参考となる検査手段 (1)皮膚の針反 応(2)HLA抗原系、BW51(B5) (3)末梢血白血球に関する検査 白血球(好中球) 増多、遊走能亢進 (4)血清CRP (5)赤血球沈降速度 (6)血清蛋白と免疫グロブリン IgG、IgA、IgD増量 (7)血清補体活性と補体量 4 病型診断の基準 (1)完全型 経過中に4主症状の出現したもの (2)不全型 a.経過中に3主症状(あるいは2主症 状と2副症状)が出現したもの b.経過中に定型 的眼症状とその他の1主症状(あるいは2副症状) が出現したもの (3)疑い 主症状の一部が出没するが不全型の条 件を満たさないもの、および定型的な 副症状が 反復あるいは増悪するもの IgG4関連疾患 • • • • • ミクリッツ病(Mikulicz disease)、Kuttner腫瘍 自己免疫性膵炎(AIP):腫瘤形成性 IgG4関連硬化性胆管炎 IgG4関連腎症 IgG4関連肺病変 • 後腹膜線維症の一部 • 下垂体炎の一部(IgG4関連下垂体炎) • • • • リーデル甲状腺炎 慢性前立腺炎の一部(IgG4関連前立腺炎) IgG4関連リンパ節症(Castleman病との鑑別) IgG4関連多臓器リンパ増殖性疾患(IgG4+MOLPS)multiple organ lymphoproliferative syndrome 2011年5月27日 IgG4関連疾患 • • 男性中高年 高IgG4血症(135 mg/dl以上)、高γグロブリン血症、抗酸球増多、 IgE高値、アレルギー疾患(喘息など) • • ステロイド有効 病理学的特徴 – 瀰漫性リンパ球・形質細胞浸潤、IgG4陽性形質細胞の浸潤、 – 腫瘤形成性と瀰漫性病変 組織のIgG4陽性形質細胞浸潤(強拡大5視野でIgG4+/IgG+が50% 以上) • • • • High Serum IgG4 Concentrations in Patients with Sclerosing Pancreatitis Hideaki Hamano, M.D., Shigeyuki Kawa, M.D., Akira Horiuchi, M.D., Hiroshi Unno, M.D., Naoyuki Furuya, M.D., Taiji Akamatsu, M.D., Mana Fukushima, M.D., Toshio Nikaido, Ph.D., Kohzo Nakayama, Ph.D., Nobuteru Usuda, M.D., and Kendo Kiyosawa, M.D. N Engl J Med 2001; 344:732-738March 8, 2001 2011年5月27日 Castleman病 • • • • • • • リンパ節組織の過形成を特徴とする原因不明の非腫瘍性病変。 巨大リンパ(淋巴)節過形成症(giant lymphnode hyperplasia)、血管性リンパ組 織様過誤腫(angiomatous lymphoid hamartoma)など様々な呼称があるが、 Castleman病が一般的。 IL-6の過剰産生、自己抗体上昇 慢性炎症症状、間質性肺炎や糸球体腎炎、二次性アミロイドーシス 欧米の報告では、ヒトヘルペスウイルス8型(HHV8)の関与が強く示唆されて いるが、日本では、HHV8の関与は少なく、HIV(→AIDS)合併例の報告が多 い。 平均年齢は50才。治療は切除、ヒト化抗IL-6受容体抗体(tocilizmab) 病理組織学的には、 – ①硝子血管型(hyaline vascular type)は、壁に硝子化と豊富な血管増生を 伴う大きな胚中心をもつリンパ濾胞の増生を特徴、約90% – ②形質細胞型(plasma cell type)は、リンパ濾胞間の広範な形質細胞の 増生が特徴で、濾胞内の硝子化血管増生は乏しく、無構造な好酸性物 質が認められる。約10% 2011年5月27日 血管炎 • Pathogenesis of non-infectious vascultis – Immune complex – Antineutrophil antibodies – Anti-endothelial antibody 2011年5月27日 • Large vessel 主な血管炎 – Giant cell (temporal) arteritis – Takayasu arteritis • granulomatous inflammation • Medium-sized vessel – Polyarteritis nodosa – Kawasaki disease • Mucoctaneous lymphnode syndrome • 小児急性熱性疾患 • Small vessel – Wegener granulomatosis • 上気道壊死性肉芽腫 • 肺を中心に起こる壊死性血管炎 • 壊死性糸球体腎炎 – Churg-Strauss syndrome • 好酸球性炎症、好酸球増多、ぜんそくを伴う – Microscopic polyangitis • 膠原病に伴う血管炎 2011年5月27日 側頭動脈炎概念 • 中・大動脈の動脈炎を主徴とする原因不明の疾 患 • 頸動脈とその分枝,特に側頭動脈の病変が主 • 半数にリウマチ性多発筋痛症 – 他に原因のない肩、腰周囲の筋肉痛を起こす病気で、 血液で高度の炎症反応を認める • 巨細胞を伴う汎血管炎 Giant cell arteritis – 主に中・大動脈を侵し,リンパ球, マクロファージが巨 細胞とともに集積 肉芽腫形成 2011年5月27日 大動脈炎症候群(高安病)概念 • 大動脈とその主要分枝及び肺動脈,冠動脈に狭 窄,閉塞又は拡張病変をきたす原因不明の非特 異性炎症性疾患。 • 狭窄ないし閉塞をきたした動脈の支配臓器に特 有の虚血障害, あるいは逆に拡張病変による動 脈瘤がその臨床病態の中心をなす。 • 病変の生じた血管領域により臨床症状が異なる ため多彩な臨床症状を呈する。 • 若い女性に好発する。 2011年5月27日 大動脈炎症候群(高安病) 診断上重要な身体所見 • • • • • • • • (1) 上肢の脈拍ならびに血圧異常(橈骨動脈の脈 拍減弱,消失,著明な血圧左右差) 脈なし病 (2) 下肢の脈拍ならびに血圧異常(大動脈の拍動 亢進あるいは減弱,血圧低下,上下肢 血圧差) (3) 頸部,背部,腹部での血管雑音 (4) 心雑音(大動脈弁閉鎖不全症が主) (5) 若年者の高血圧 (6) 眼底変化(低血圧眼底,高血圧眼底,視力低下) (7) 顔面萎縮,鼻中隔穿孔(特に重症例) (8) 炎症所見:微熱,頸部痛,全身倦怠感 2011年5月27日 結節性動脈周囲炎(結節性多発動脈炎) • (1) 主要症候 – 1 発熱(38°C以上,2週以上)と体重減少(6ヶ月以内に6kg以上) 2 高血圧 3 急速に進 行する腎不全,腎梗塞 4 脳出血,脳梗塞 5 心筋梗塞,虚血性心疾患,心膜炎,心不全 6 胸膜炎 7 消化管出血,腸閉塞 8 多発性単神経炎 9 皮下結節,皮膚潰瘍,壊疽,紫 斑 10 多関節痛(炎),筋痛(炎),筋力低下 • • (2) 組織所見 中・小動脈のフィブリノイド壊死性血管炎の存在 (3) 血管造影所見 – 腹部大動脈分枝(特に腎内小動脈)の多発小動脈瘤と狭窄・閉塞 • • • (4) 判定 1 確実(definite) 主要症候2項目以上と組織所見のある例 2 疑い(probable) – (a) 主要症候2項目以上と血管造影所見の存在する例 – (b) 主要症候のうち1を含む6項目以上存在する例 • • (5) 参考となる検査所見 1 白血球増加( 10,000/μ・以上) 2 血小板増加 (400,000/μ・以上) 3 赤沈亢進 4 CRP強陽性 (6) 鑑別診断 1 顕微鏡的多発血管炎 2 ウェゲナー肉芽腫症 3 アレルギー性 肉芽腫性血管炎 4 川崎病血管炎 5 膠原病(SLE,RAなど) 6 紫斑病血管炎 2011年5月27日 結節性動脈周囲炎(顕微鏡的多発血管炎) • (1) 主要症候 – 1 急速進行性糸球体腎炎 2 肺出血,もしくは間質性肺炎 3 腎・肺以外の 臓器症状:紫斑,皮下出血,消化管出血,多発性単神経炎など • (2) 主要組織所見 – 細動脈・毛細血管・後毛細血管細静脈の壊死,血管周囲の炎症性細胞 浸潤 • (3) 主要検査所見 – 1 MPO-ANCA陽性 2 CRP陽性 3 蛋白尿・血尿,BUN,血清クレアチニン 値の上昇 4 胸部X線所見:浸潤陰影(肺胞出血),間質性肺炎 • (4) 判定 – 1 確実(definite) (a) 主要症候の2項目以上を満たし,組織所見が陽性の 例 (b) 主要症候の1及び2を含め2項目以上を満たし,MPO-ANCAが陽性 の例 – 2 疑い(probable) (a) 主要症候の3項目を満たす例 (b) 主要症候の1項 目とMPO-ANCA陽性の例 • (5) 鑑別診断 – 1 結節性多発動脈炎 2 ウェゲナー肉芽腫症 3 アレルギー性肉芽腫性 血管炎(チャーグ・ストラウス症候群) 4 川崎病血管炎 5 膠原病(SLE,RA など) 6 紫斑病血管炎 2011年5月27日 ウェゲナー肉芽腫症 概念・定義 • ウェゲナー肉芽腫症は病理組織学に • (1)全身の壊死性・肉芽腫性血管炎 • (2)上気道と肺を主とする壊死性肉芽腫性炎 • (3)半月体形成腎を呈し、 • その発症機序に抗好中球細胞質抗体(ANCA)の一つであ るPROTEINASE-3(PR-3) に対する抗体 (PR-3 ANCA) が 関与する血管炎症候群である。 • WGは元来生命予後のきわめて悪い疾患であるが、発症早 期に免疫抑制療法を開始すると、高率に寛解を導入できる 疾患であることがわかってきた。 • WGの早期確定診断にANCAの定量は極めて有用である 2011年5月27日 ウェゲナー肉芽腫症 • • • 1 主要症状 – (1) 上気道(E)の症状 E:鼻(膿性鼻漏,出血,鞍鼻),眼(眼痛,視力低下,眼球 突出),耳(中耳炎),口 腔・咽頭痛(潰瘍,嗄声,気道閉塞) – (2) 肺(L)の症状 L:血痰,咳嗽,呼吸困難 – (3) 腎(K)の症状 血尿,蛋白尿,急速に進行する腎不全,浮腫,高血圧 – (4) 血管炎による症状 • 1 全身症状:発熱(38°C以上,2週間以上),体重減少(6カ月以内に 6kg以上) • 2 臓器症状:紫斑,多関節炎(痛),上強膜炎,多発性神経炎,虚血性心 疾患(狭 心症・心筋梗塞),消化管出血(吐血・下血),胸膜炎 2 主要組織所見 – 1 E,L,Kの巨細胞を伴う壊死性肉芽腫性炎 – 2 免疫グロブリン沈着を伴わない壊死性半月体形成腎炎 – 3 小・細動脈の壊死性肉芽腫性血管炎 3 主要検査所見 Proteinase-3(PR-3)ANCA(蛍光抗体法でcytoplasmic pattern,C-ANCA)が高率に 陽性を示す。 2011年5月27日 ウェゲナー肉芽腫症 • • • 4 判定 – (1) 確実(definite) • (a) 上気道(E),肺(L),腎(K)のそれぞれ1臓器症状を含め主要症状の3項目以 上を示す例 • (b) 上気道(E),肺(L),腎(K),血管炎による主要症状の2項目以上及び,組織所 見1,2,3の1項目以上を示す例 • (c) 上気道(E),肺(L),腎(K),血管炎による主要症状の1項目以上と組織所見1, 2,3の1項目以上及びC(PR-3)ANCA陽性の例 – (2) 疑い(probable) • (a) 上気道(E),肺(L),腎(K),血管炎による主要症状のうち2項目以上の症状を 示す例 • (b) 上気道(E),肺(L),腎(K),血管炎による主要症状のいずれか1項目及び,組 織所見1,2,3の1項目を示す例 • (c) 上気道(E),肺(L),腎(K),血管炎による主要症状のいずれか1項目とC(PR-3) ANCA陽性を示す例 5 参考となる検査所見 1 白血球,CRPの上昇 2 BUN,血清クレアチニンの上昇 6 識別診断 1 E,Lの他の原因による肉芽腫性疾患(サルコイドーシスなど) 2 他の血管 炎症候群(顕微鏡的PN,アレルギー性肉芽腫性血管炎(Churg-Strauss症候群)など) 2011年5月27日 川崎病(MCLS、小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群)診断の手引き • • • • • • • • • • A 主要症状 1.5日以上続く発熱(治療によって5日未満で解熱した場合も含む) 2.両側眼球結膜の充血 3.口唇、口腔所見:口唇の紅潮(唇が真っ赤)、苺舌、口腔咽頭粘膜のび まん性発赤 4.不定形発疹(いろいろな発疹) 5.四肢末端の変化:(急性期)手足の硬性浮腫、嘗蹠ないしは指趾先端 の紅斑(手足の先がてかてかぱんぱんにむくんだり、手のひらや指の先 が赤い発疹が出現する) (回復期)指先からの膜様落屑(指先から皮がべろべろむけてくる) 6.急性期における非化膿性頚部リンパ節腫脹 6つの主要症状のうち5つ以上の症状があれば川崎病と診断する。 ただし、4つしか症状が認められなくても、心臓の検査(断層心エコー、心 血管造影法)で心臓に冠動脈瘤が確認され、他の病気が否定されれば川 崎病と考える。 2011年5月27日 川崎病(MCLS、小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群)診断の手引き • • • • • • • • • • • • • • • B参考条項 以下の症状・検査所見は川崎病によく見られるものである。 1 心雑音、奔馬調律、心電図異常(PR・QT延長、異常Q波、低電位差、ST-Tの変 化、不整脈)、胸部X線(心陰影拡大)、断層心エコー(心膜液貯留、冠動脈瘤) 2 下痢、嘔吐、腹痛、軽度黄疸 3 核左方移動を伴う白血球増加、血小板増加、CRP陽性 4 尿中WBC増加 5 BCGのあとが赤く腫れる 6 咳、鼻汁 7 関節の痛み、腫れ 8 けいれん、顔面神経麻痺など 備考 1 主要症状の四肢末端の変化は、指先からの膜様落屑が重要。 2 急性期の非化膿性頚部リンパ節腫脹は他の主要症状に比べて頻度が低い(約 65%)。 3 性比は1.3~1.5で男子に多く、年齢分布は4歳以下が80~85%を占め、致命率 は0.1%前後である。 4 再発例は2~3%、同胞例は1~2%。 5 主要症状を満たさなくても、他の病気が否定され、川崎病が疑われる容疑例が約10%存在 する。このなかには、冠動脈瘤が確認される例がある(ので注意しなければならない)。 2011年5月27日 アレルギー性肉芽腫性血管炎 (allergic granulomatous angiitis : AGA) Churg-Strauss syndrome • 先行症状・所見として気管支炎喘息発作と末梢血好酸球増多 を有する症例に、血管炎を生じ、末梢神経炎、紫斑、消化管潰 瘍、脳硬塞・脳出血・心筋梗塞・心外膜炎などの臨床症状を呈 する疾患である。 • 30~60歳の女性に好発する。男:女 = 4:6でやや女性に多い。 • 抗好中球細胞質抗体の中の抗MPO抗体(抗ミエロぺルオキシ ダーゼ抗体)が、50%の症例で検出される。 2011年5月27日 ANCA-associated vasculitides • ANCA anti-neutrophil antibody – ANCAはエタノール固定したヒト好中球の蛍光抗体法間接法によ るパターンから分類 – c-ANCA proteinase-3 (PR3, cytoplasmic) • Wegener granulomatosis – acute necrotizing granuloma(上気道、肺) – necrotizing or granulomatous vasculitis (上気道、肺) – crescentic glomerulitis – p-ANCA myeloperoxidase(MPO, perinuclear) • microscopic polyangitis(leukocytoclastic vasculitis) – 小動脈の血管炎 • Churg-Strauss syndrome – 喘息、好酸球増多、血管炎 • pauci-immune crescentic glomerulonephritis – 糸球体に抗体がそまらない半月体形成腎炎 – 上記疾患に合併する腎炎も含む 2011年5月27日 Buerger disease(バージャー病) • Leo Buergerによって初めて報告された • 閉塞性血栓血管炎(thromboangiitis obliterans, T.A.O.) • 四肢の主幹動脈に閉塞性の血管全層炎をきたす • とくに下肢動脈に好発 • 間欠性跛行や安静時疼痛、虚血性皮膚潰瘍、壊 疽(特発性脱疽) • 男女比は9.7対1と圧倒的に男性 • 喫煙が関与 2011年5月27日 移植病理 • 移植拒絶反応 rejection – Hyperacute • 数分から数時間 • classic Arthus reaction • antigen-antibody reaction of the level of vascular endothelium – Acute • 数日 • humoral response -vasculitis • cellular response-interstitial mononuclear cell infiltrationinitial months – Chronic • 4 to 6 months • vascular changes, interstitial fibrosis 2011年5月27日 • 移植片対宿主反応 Graft-versus-Host Reaction – 急性 • Cytotoxic T cells • 移植後100日以内 • 上皮細胞障害 – 肝、消化管、皮膚 – アポトーシス – 慢性 • 皮膚、粘膜、外分泌腺 の萎縮、線維化 先天免疫不全症 • なぜ重要か – 細胞分化のモデル 2011年5月27日 骨髄移植の病理 • GVHD – CD8+ T細胞による上皮の障害 粘膜・皮膚 • TMA thrombotic microangiopathy – – – 血管内皮傷害に基づく微小血小板血栓と虚血による症状をきたす症候群 • 微小血管症性溶血性貧血(microangiopathic hemolytic anemia, MAHA)、 • 血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura, TTP)、 • 溶血性尿毒症性症候群(hemolytic uremic syndrome, HUS)など その症状や標的臓器が急性GVHDと同様であり、また両者が合併することも多い 病態 • 血管内皮傷害に基づく微小血管の血小板血栓形成 • 原因としては、 – 移植前処置としての大量の抗癌剤、放射線、シクロスポリン (cyclosporine, 以下CsA)やタクロリムス(tacrolius, 以下FK506)等の 免疫抑制剤、急性GVHD等 • 傷害をうけた血管内皮からの、thrombomodulin, vonWillebrand factor(vWF), tissue plasminogen activator(t-PA)等が放出 – 血小板血栓を形成し、それに伴って、通過する赤血球の破砕、溶血 – 各臓器の虚血による多彩な症状が惹起されます。 • 肝VOD veno-occlusive disease) – ガンシクロビル・アシクロビル長期連用 • RRT regimen related toxicity 治療に伴う早期合併症 2011年5月27日 2011年5月27日 Congenital immunodeficiency • Defects of lymphocyte maturation – – – – – • B cell immunodeficiency – – • Severe combined immunodeficiency(common g-chain) X-linked ADA(adenosine deaminase), deficiency PNP (purine nucleoside phosphorylase)deficiency Autosomal recessive(Rag gene mutation) X-linked agammaglobulinemia Bruton disease Btk Ig heavy chain deletions T cell immunodeficiency – DiGeorge syndrome • • Defects of lymphocyte activation – – – – – – – • Selective Ig isotype deficiency X-linked hyper-IgM syndrome CD40 ligand Common variale immunodeficiency T cell receptor complex expression of signaling defects X-linked lymphoproliferative syndrome Defective class II MHC expression: the bare lymphocyte syndrome TAP(transporter associated with antigen processing) defciency Congenital disease of innate immunity – – – – • • third and fourth pharyngeal pouche(thymus, parathyroid) Chronic granulomatous disease phagocyte oxidase enzyme Leukocyte adhesion deficiency-1 Leukocyte adhesion deficiency-2 Chediak-Higashi syndrome lysozomal functions of neutrophil Wiskot-Aldrich syndrome X-linked, eczema, thrombocytopenia, bacterial infection ataxia-telangiectasia autosomal rescessive, ataxia, vascular malformation, tumors, immunodeficiency 2011年5月27日