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微生物学のはじまりと発展 微生物学の基本技術 微生物学のルーツ 19
1 微生物学のはじまりと発展 2 微生物学の意義は? 3 人間の社会生活と微生物学の関わり • 農業分野 – 窒素固定, 窒素循環, 畜産 • 食品分野 – 食品保存, 発酵食品 • 医療分野 – 疾病診断, 疾病治療, 疾病予防 • 環境分野 – 環境修復, 微生物マイニング • バイオテクノロジー – 遺伝子操作生物, 医薬品製造, 遺伝子治療 4 微生物学の基本技術 • 顕微鏡観察 • 培養 • 無菌操作・滅菌 5 微生物学のルーツ 6 微生物の発見 Antony van Leeuwenhoek 1632-1723 • オランダのアマチュア顕微鏡制作者 • ロンドンの王立協会に送った「小動物 “wee animalcules” 」のスケッチが1684年に 発表された。 7 19世紀における二つの謎 1.自然発生(spontaneous generation)は起こるか ? 2.伝染病の正体は何か? 8 自然発生説の否定 Louis Pasteur 1822-1895 • • • • 9 スワンネックフラスコ (パスツールフラスコ) 実験 滅菌手法の確立 効果的な食品保存法の発達 パスチュライゼーション 病原菌説 Robert Koch 1843-1910 • 炭疽病(anthrax) Bacillus anthracisの研究を通して、コッホの条件 ( Koch’s postulates)を確立した。 • 固形培地上でのコロニー形成による病原菌の分離 10 コッホの条件 1. 病気の個体には例外なくその微生物が存在し、健康な個体には存在しない。 2. 病気の個体からその微生物が分離され、純粋培養できる。 1 3. その純粋培養によって、健康な個体にその病気を発病させることができる。 4. 発病させた個体から、再びその微生物を分離し、純粋培養できる。 11 微生物の地球化学的役割の発見 • Martinus Willem Beijerink (1951-1931) • Sergei Winogradsky (1856-1953) – 集積(選択)培養法の確立 – 化学合成独立栄養細菌の発見 – 窒素固定細菌、硝化細菌、硫黄酸化細菌 12 海洋微生物学のパイオニアBernhard Fischer • ドイツキール大学衛生学教授 • 海水と魚エキスの培地を用いて海洋細菌を分離、計数し広く分布を調査し た。 (1890’s) – 103-104 CFU ml-1 – 発光細菌 Photobacterium indicum, Pseudomonas phosphorescensの分離 13 海洋微生物学の体系化 • スクリプス海洋研究所教授Claude E. ZoBell • “Marine Microbiology, a Monograph on Hydrobacteriology” (1946) – – – – – – – – 14 海洋での試料採集と分析 海洋細菌の計数法(ZoBell2216E培地) 海洋細菌の分布に影響する要因 海底沈降物における活性 海洋細菌の特性 水生酵母および菌類 有機物の変換 海洋における窒素循環 20世紀初頭の海洋学における細菌群集の位置づけ • 培養法による海洋細菌の計数値(103-104 CFU ml-1)からは、生態学的に 大きな役割は期待できない。 15 新しい方法論の開発と海洋微生物群集の生態学的役割の見直し • L. R. Pomeroy (1974) 「微生物食物網」 • J. Hobbie (1977) 蛍光顕微鏡による直接計数法 • J. Fuhrman & F. Azam (1980) 放射性チミジン法による海洋細菌群集の増殖速度測 定 • F. Azam (1983) 「微生物ループ」の提唱 16 直接計数法 17 2 18 19 放射性チミジン法による細菌生産量の見積もり 20 チミジン法とロイシン法の概要 21 新しい海洋微生物群集の発見 • S. W. Chisholm (1988) 原核緑藻類の発見 Prochlorococcus marinus • O. Bergh (1989), L. M. Proctor & J. A. Fuhrman (1990) 海水中に多量 のウイルス粒子の発見 22 現代の海洋学における海洋微生物群集の位置づけ • 常に105-107 cells ml-1の細菌現存量を維持し、基礎生産有機物のおよそ半 分程度は、細菌群集に利用される。 • 海洋細菌を含む微生物群集の組成は、時空間的に大きく変動し、その変動 が、海洋における有機物質の循環に大きく影響する。 23 海洋生態系の物質循環 24 培養に依存しない微生物の研究 分子微生物生態学 • コッホ以来の微生物学の基本手法である培養法では、環境中の微生物群集 の全体像を明らかにすることはできない。 • 多くの新しい微生物系統群の発見 25 26 分子微生物生態学の基本手法 ゲノム科学の微生物生態学への利用 微生物ゲノム生態学 • ゲノム科学の技術を利用して、生態系における微生物群集の遺伝子を網羅 的に解析することによって、その生態系における役割を明らかにする。あ るいは、新規有用遺伝子を探索する。 • メタゲノム科学(Metagenomics) 27 メタゲノム科学の基本手法 28 29 Homework • Metagenomics(メタゲノム科学)の最近の動向を調べてみよう。 3