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Benesse 教育研究開発センターが選ぶ「調査データ クリップ! 子どもと教育」
2009 年 3 月 10 日
CLIP0012C【子育て③】
子育て ~第3回~(2009 年版)
【3-1】母親が心がけるしつけは人間関係の大切さ
■子育てで心がけていること
あいさつやお礼ができるようにし
つけている
友だちづきあいは大切にするよう
に教えている
49.5
目上の人・先生・高齢者などへの
言葉づかいを教えている
48.8
朝起きる時間や夜寝る時間など規
則正しい生活リズムを身につける
42.1
食事の態度やマナーを教えている
41.9
3.1
1.1
0.1
44.6
3.3
34.7
11.2
3.2
1.1
1.4
0.3
43.0
6.7
1.1
0.1
4.2
52.6
1.0
0.2
ゲーム機で遊ぶルールを決めている
51.1
29.0
多少いやなことがあっても我慢す
るようにしつけている
0
5.5
23.1
19.7
1.0
1.9
8.6
1.3
0.4
2.2
5.6
32.9
40
あまり心がけていない
1.3
9.1
44.0
40.8
20
まあ心がけている
17.3
61.2
24.2
子どもが手伝う家事を決めている
5.5
2.5
40.2
28.5
携帯電話の使い方についてルール
を決めている
とても心がけている
37.4
50.9
子どもの帰宅時間には、だれかが
家にいるようにしている
1.0
0.1
58.3
自分でできることは自分でするよ
うにしつけている
0.1
1.3
29.8
67.8
60
ぜんぜん心がけていない
1.1
100(%)
80
持っていない
無答不明
出 典:「第3回子育て生活基本調査報告書」Benesse 教育研究開発センター(2008)
調査対象:首都圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)の小学1年生から中学3年生の子どもをもつ保護者 7,282 名
* 分析は母親のみ 6,770 名)
小中学生の子どもをもつ母親に、子育てで心がけていることをたずねた調査結果をみると、
「とても心がけている」割合がもっ
とも高かったのは、「あいさつやお礼ができるようにしつけている」
(67.8%)で、次いで「友だちづきあいは大切にするよう
に教えている」(58.3%)、「自分でできることは自分でするようにしつけている」
(50.9%)となっている。母親の多くが子
育てにおいて人間関係を大切にすることや、自立に向けた基礎的なしつけを中心に心がけている様子がうかがえる。
一方、中学生で所有率が6割を超えた携帯電話(『携帯電話』第3回【3-1】参照)については、携帯電話を持っている小学
生の母親の 52.7%、中学生の母親の 40.9%が携帯電話の使い方について「とても心がけている」と回答しており、心がけて
いないという母親は少ない。小学生に携帯電話を持たせる際には、しつけに心がけている様子がうかがえる。
【3-2】子育てのストレス、自分の時間の確保が多い
■子育て生活での経験とストレス
(%)
93.0
80.4
80
74.7
66.4
63.5
60
(内)
55.2
40
(内)
56.0
イライラする
「非常にイライラする」
(+「ややイライラする」
)
53.1
39.4
(内)
20.8
(内)
10.3
(内)
40.0
(内)
60.5
31.6
(内)
55.3
25.1
(内)
40.9
家の中に子どもが遊
べるスペースがあま
りなくて苦労する
住居の間取りの使い
勝手が悪く、家事や
育児がしづらい
夜泣きがひどい
自分1人で過ごす
スペースを確保する
のが難しい
2
大勢の人がいるよう
な公共の場で子ども
の扱いに困る
夫婦 人のための
時間を確保するのが
難しい
子どもに文句や不平
を言われたり、駄々
をこねられたりする
自分のための時間を
確保するのが難しい
子どもに遊んでと
せがまれる
あなたがおもちゃや
散らかっているもの
を片付け続けている
0
58.4
(内)
47.2
(内)
26.4
20
経験したことがある
100
出 典:「第1回妊娠出産子育て基本
調 査 報 告 書 」Benesse 次
世代育成研究所(2007)
調査対象:第1子を持つ、または妊娠
中の妻・夫 4,479 名
育児期の妻・夫に、乳幼児のいる生活の中でストレスになり得る 12 項目について経験の有無と、ストレスの度合いをたず
ねた調査結果から、妻のストレスについて 10 項目を取り上げてみた。
育児期の妻がストレスを「経験したことがある」と回答したものの上位3項目は、
「あなたがおもちゃや散らかっているも
のを片付け続けている」(93.0%)、「子どもに遊んでとせがまれる」
(80.4%)
、
「自分のための時間を確保するのが難しい」
(74.7%)となっている。
経験している割合が高く、ストレスも強く感じている(
「非常にイライラする」+「ややイライラする」
)ものは、
「自分のた
めの時間を確保するのが難しい」
(経験率 74.7%、ストレス 55.2%)
、
「子どもに文句や不平を言われたり、駄々をこねられた
りする」
(経験率 66.4%、ストレス 56.0%)であった。子どもとの関係において、文句や不平を言われたり駄々をこねられた
りすることにはストレスを感じる人が多いが、遊んでとせがまれることに対しては、ストレスと感じる人は少ないことがわかる。
一方、経験したことがある割合は低いが、経験した人のストレスが高いものは、
「夜泣きがひどい」
(経験率 39.4%、スト
レス 60.5%)で、経験した人の中での割合としては第1位となっている。
※データをご利用の際は、必ず出典(調査報告書名、刊行所名、刊行年)を明記してください。
1
Benesse 教育研究開発センターが選ぶ「調査データ クリップ! 子どもと教育」
2009 年 3 月 10 日
CLIP0012C【子育て③】
【3-3】鉛筆を正しく持てる小・中・高生は1割以下
■子どもの生活技術(正しくできる割合)
(%)
80
76.0
70.3
70
59.5
60
56.6
50
51.4
45.6
40
30
10
18.9
10.0
54.6
10.0( )( ) 18.0
14.6
12.1
12.5
5.6
3.8 2.3
2.9
4.7
26.0
22.7
21.4
4.7
4.1
35.4
35.4
雑巾を前後にして
逆手でねじって
絞れる
箸を正しく
持って使える
36.7
38.7
36.9
鉛筆を正しく
持って使える
29.0
23.6
23.2
23.7
7.1
6.1
7.2
小
小
小
中
中
中
4
5
6
1
2
3
9.3
出 典:「青少年の生きる力を育むための総合
的調査研究」文部科学省(1998)
調査対象:小学生~大人 2,739 名
25
歳以下
小
3
7.6
大学
小
2
高校
小
1
0
生卵を黄身を
こわさずに
正しく割れる
44.7
32.0
24.6
73.7
68.4
63.8
61.0
57.5
48.8
41.7
25.2 24.8
12.8
56.1
58.5
33.0
36.3
20
54.3
65.7
62.0
62.2
ひもを前で正しく
花結びができる
生活技術の実技調査から、子どもがふだん接する機会が多い5項目を取り上げてみた。
正しくできる割合が高かったのは、「生卵を黄身をこわさずに正しく割れる」
「ひもを前で正しく花結びができる」で、い
ずれも小学校6年生で5割を超えている。ひもの花結びについては、小学校1年生では 12.5%だったものが、6年生では
58.5%と大きく増加し、衣服や靴などのひもを結ぶ機会が増えるにつれ、折々大人の指導がよく行われているものと思われる。
「箸を正しく持って使える」割合は、年齢とともに増える傾向にあるものの、小学校全体で 15.7%、中学校全体で 23.1%、
高校で 23.7%と、2割強にとどまっている。親の世代(26 歳~ 50 歳)をみても、いずれも 50%台前半で推移しており、
約半数の親が箸を正しく使えていないことがわかる。このことが子どもたちに大きな影響を与えていると思われる。
「鉛筆を正しく持って使える」割合は、どの学齢段階においても1割以下と極端に低く、加齢による増加もあまりみられない。
親の世代をみても、30 歳台~ 40 歳台の前半までは 15%前後、46 ~ 50 歳は 27.5%と、正しく持てる人が3割にも満た
ないことがわかる。鉛筆の持ち方は低年齢のうちに身につき、その使い方が固定してしまうものと思われる。
さらに、意識調査と実技調査の結果を対比させてみると、鉛筆を正しく持って使えていると思う割合と実技結果の差は、各
年齢層においても 38 ~ 71 ポイントの差があり、意識と実態には大きなズレがあることがわかる。
【3-4】15 歳のときに一人でできると思うこと、日本、韓国で低い傾向
■子どものしつけ 15歳のときに一人でできると思うもの(複数回答)
身の回りの整理整頓をする
日 本
女の子
91.2
0
20
40
60
80 100(%) 0
20
40
60
韓 国
92.3
94.8
男の子
女の子
アメリカ
0
20
40
60
80 100(%) 0
80 100(%) 0
20
40
60
80 100(%) 0
91.9
95.1
92.5
95.3
40
60
(%) 0
80 100
20
40
60
80 100(%) 0
フランス
男の子
92.5
93.7
女の子
92.7
94.2
0
20
40
60
(%) 0
80 100
20
40
60
(%) 0
80 100
80 100(%) 0
60
40
20
40
60
80 100(%)
40
60
80 100(%)
6.4
47.6
20
14.4
7.7
30.6
91.9
女の子
20
40
90.8
男の子
0
68.7
20
働いて報酬を得る
15.4
41.4
86.4
85.2
88.3
男の子
家族のために食事を作る
マナーを守る
80 100(%) 0
60
20
80.7
72.8
84.6
20
40
80 100(%) 0
60
82.0
20
60
(%)
80 100
33.0
65.1
40
60
35.4
49.0
20
40
80 100(%) 0
20
40
60
(%)
80 100
出 典:「家庭教育に関する国際比較調査報告書」独立行政法人国立女性教育会館(2005)
調査対象:日本、韓国、タイ、アメリカ、フランス、スウェーデンの0~ 12 歳までも子どもと同居している親、
またはそれに相当する人(サンプル数は各国とも約 1,000)
家庭教育に関する国際比較調査から、自立のしつけについて、15 歳のときに一人でできると思うものについてたずねた結
果をみてみると、「身の回りの整理整頓をする」「マナーを守る」ことができると思う親は、日本、韓国、アメリカ、フランス
とも 85%以上で、ほとんどの子どもは「一人でできる」と考えられている。
「家族のために食事を作る」は、アメリカで約8割の親ができると思っているが、日本(54.9%)
、韓国(38.5%)、フラ
ンス(56.7%)では低く、国によって差が生じている。これを子どもの性別でみると、4か国とも女の子への期待が大きいが、
その差がもっとも大きいのは日本で、27.3 ポイントと他の国を大きく上回っている(フランス 16.1 ポイント、韓国 17.0
ポイント、アメリカ 11.8 ポイント)。
「働いて報酬を得る」も国によって差が現れた項目で、アメリカは、男女ともに8割以上が「できる」と考えられており、他
の3か国に比べて圧倒的に高い割合を示している。
※データをご利用の際は、必ず出典(調査報告書名、刊行所名、刊行年)を明記してください。
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