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25号 - 星ふる学校「くまの木」
くまの木 会報くまの木 No.25 平成 21 年度 夏号 修学旅行で星ふる学校「くまの木」に来たことがきっかけとなり、昨年より 横浜市立南太田小学校 6 年生と塩谷町の農家との交流事業が始まりました。今 年は 21 戸の農家のところへ出向き、丸一日農作業を手伝い、農家の方と交流 を深めました。農村体験から帰った子どもたちは塩谷町休養村センターの野外 ステージで「ありがとうコンサート」を開き、受け入れ農家の方に感謝の気持 ちを伝えました。 特定非営利活動法人 塩谷町旧熊ノ木小学校管理組合 〒329-2213 塩谷町熊ノ木 802 番地 TEL: 0287-45-0061, FAX: 0287-45-1666 -1- 星ふる学校「くまの木」 (塩谷町やすらぎの体験交流施設)は、ここを拠点と した安らぎの場、体験と交流の場を多くの人々に提供し、人と地域の活性化に 寄与するとともに、これら事業を通じて社会貢献することを目的としています。 目 次 巻頭言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 頁 くまの木だより・・・・・・・・・・・・・・4∼6 頁 会員の声・・・・・・・・・・・・・・・・・・7 頁 掲示板、事務局より・・・・・・・・・・・・・8頁 (6 月 27 日撮影) 高原山麓のとある湿地にハッチョウトンボを観察しに行ってきました。ハッチ ョウトンボは日本で一番小さなトンボで、体長は 2cm ほどしかありません。その 体の大きさのせいか、シオカラトンボなどと比べると飛翔力は弱く、人が近づいて もあまり逃げようとしません。浅い池の中は他の肉食昆虫がたくさんいる世界。小 さなトンボの小さなヤゴが成虫になるのは大変なことでしょう。高原山麓の豊かな 自然を実感した一日でした。 -2- 巻頭言 地域通貨の可能性と限界 理事長 遠藤正久 してしまった。農村と同様に都会でも人 宇都宮大学農学部の原田淳准教授と と人との心のつながりが薄れていった。 加藤弘二准教授をお迎えし、座談会「と っても愉快な都市農村交流②」を開催し そのような地域社会であらためて人 た。テーマは地域通貨。星ふる学校「く と人の心をつなげるツールとして地域 まの木」は「とちぎ農林倶楽部」と共催 通貨が取り入れられた。鈴木さんが関わ で年間会員制の農業体験を実施してい った「こころ」では地域住民に“私がで るが、今回始めて地域通貨「でれ」を試 きること” 、 “してほしいこと”を登録し 行した。この地域通貨を発展させるため てもらい、とよおか地域通貨研究会事務 の勉強会として座談会が企画された。 局のコーディネーターが仲介し、人と人 座談会ではとちぎ農林倶楽部の市川 をつなぐ役割を担った。さらにリサイク さんが国内の地域通貨の状況や「でれ」 ル市、有機農業体験、ゲーム大会などで の試行結果について、原田先生が地域通 新たな自分発見と交流の場を設けた。リ 貨の意義と農村について、加藤先生が新 サイクル市は継続しているが、 「こころ」 しい農村コミュニティーと地域通貨に はその後停止したそうだ。 ついて、そして NPO 会員の鈴木さんが 地域通貨を導入している多くの組織 北海道旭川市で関わった地域通貨「ここ より地域通貨の普及と継続が課題とし ろ」の事例について発表した。 てあげられる。法定通貨の場合、人は自 らそれを求め、使いたいときに使いたい かつての農村はゆいなどの共同作業 ところで使う。ところが地域通貨の場合、 や年中行事、灌漑や里山の共同管理など が行なわれ、自己完結型の社会であった。 特別なてこ入れをしないと普及・継続が 生きていくための必要性から幾世代に 難しい。そこから地域通貨の可能性と限 もわたり形成されてきた社会であり、人 界が見えてくる。 と人とのつながりは必然的に強かった。 今回の座談会を通じ、地域通貨は使 ところがこの 50 年ほどの急速な経 う人や使えるエリアだけでなく、用途や 済発展や技術進歩とともに、農村社会の 目的を限定することが無理のない現実 人口は減り、高齢化は進み、経済基盤は 的運用方法だということを学んだ。地域 崩壊し、農村コミュニティー機能も低下 通貨は普遍的な万能薬ではない。 ******************************************************************** -3- 人が大勢出入りする場所をツバメは 好むこと、蛍光灯の上など意外なところ くまの木だより に巣を作ることなどを知りました。 (活動の様子をお知らせ 6 月は東荒川ダム公園で恒例の「モリ するコーナーです。) アオガエル観察会」でした。 はじめに明るい時間帯のカエルの様子 やモリアオガエルのオスを観察しました。 ◆ くまの木自然クラブ 明るいうちはカエルがほとんど鳴かない 4月より新会員を加え 25 名でスタ ことを知りました。 ートしました。初回は恒例のガイダンス そのあと夕食のお弁当を食べましたが、 と「田んぼの生きもの調べ」。うららか 雷雲が発生したため活動を中止しました。 な晴天の下、楽しい観察会ができました。 途中で活動を止めたのは初めてでした。 林先生がアカハライモリの臭いを嗅がせてくれました。 強烈な臭いは「うっ!」、言葉になりませんでした。 身を乗り出してモリアオガエルを観察。 5 月はくまの木周辺と玉生商店街の 2 班に別れ「ツバメ調査」をしました。 納屋の蛍光灯の上にツバメの巣を発見。 -4- 7 月はくまの木周辺で「学校まわりの トンボを調べよう」でした。ビオトープ には 13 種類のトンボがいました。 里山作業は蜂が一番の大敵です。 ◆ くまの木里山応援団 4月は伐採したコナラなどの雑木に シイタケ、ナメコ、ヒラタケの駒入れ をしました。来年秋の収穫が今から楽 しみです。 ◆ 修学旅行が増えてきました 夏休み前の 5 月、6 月、7 月は小学 校の修学旅行のシーズンです。今年は神 奈川県の三つの小学校が星ふる学校「く まの木」にやってきました。 6 月よりフィールドを NPO 会員の ① 5 月 25 日∼26 日の一泊で横浜市立 和気辰夫さんの山林に変更し里山作り 六つ川西小学校の 6 年生がやってき 活動を再開しました。6 月 28 日は昔 ました。初日は塩谷町の 17 戸の農 の通学路であった「トチノキ坂」の復 家に出かけ農村体験。二日目は 3 班 活作業を行ないました。 に別れ、 「魚つかみ取り」 、 「うどん打 ち」、「パン作り」を体験しました。 受け入れ農家との対面式で農村体験のスタート 7月は「トチノキ坂」の整備のつづ ② 6 月 12 日、相模原市立若松小学校 きと、今は通る人もない尾根筋の町道を 草刈しました。アシナガバチの巣があり、 の 6 年生がくまの木で「木工」 、「絵 市川団長が刺されてしまいました。夏の 手紙」 、 「日光彫」の体験をしました。 -5- ◆ とちぎ夢大地応援団ジュニア (財)栃木県農業振興公社が主催し、 子供達に農業と農村に関心を持っても らう目的で「とちぎ夢大地応援団ジュニ ア支援事業」が行なわれています。今年 は塩谷町上寺島地区で大豆の栽培や自 然観察活動が予定され、6 月 27 日は川 の生きもの調査。くまの木自然クラブの 絵手紙に熱中する若松小学校の児童たち スタッフ 4 名が指導に当たりました。 ③ 7 月 8 日∼10 日の二泊三日で横浜 市立南太田小学校の 6 年生がやって きました。二日目は農村体験をし、 解散前に「ありがとうコンサート」 を受入農家さんに披露しました。 (会 報表紙の写真) 最終日はくまの木 で体験学習をして帰りました。 ◆ バーベキュー施設 くまの木校庭にあった古いプール更 衣室を撤去し、バーベキュー施設兼物置 を新設しました。屋根や照明設備が完備 したので夕立がきても安心です。 ピザパンとバターロールを作り昼食をとりました。 星ふる学校「くまの木」は塩谷町と協 力して修学旅行の受入と農村体験(子ど も農村交流)を推進しています。年毎に 農村体験にやってくる学校が増えてく ることでしょう。 立派なバーベキュー施設兼物置が完成しました。 -6- 県内の NPO を巡るバスツアーの訪 会員の声 問先の一つとして「くまの木」を取 り上げ、事前の打ち合わせとしてお 私と「くまの木」 邪魔しました。ぽぽらでは、県内の 近藤奈穂美 ボランティア・NPOの方々とお会 このたび、大学時代より約10年 いしてお話しを伺い、それを情報誌 住んだ宇都宮を離れ、 「新潟県妙高市 や冊子などの記事にしたり、事業に 」で新しい生活を始めました。この ご協力いただいたりする機会がたく 2ヶ月間、見るもの、聞くもの、出 さんありました。その中でも「くま 会う人…毎日全てが新鮮です。妙高 の木」は縁あって4年を通して、私 市は、平成17年4月に、古くから が係わらせていただいた団体の一つ 自然・歴史・文化・産業などでつな でした。さまざまな季節に足を運ぶ がりの深い「新井市」 「妙高高原町」 機会をいただいただけでなく、もと 「妙高村」の 3 市町村が合併し誕生 もと自然体験活動や畑作業などが好 した、人口約3万人の市です。地域 きだった私は、気づけば今では会員 全体の約8割が森林で、西部には越 にまでならせていただきました。 後富士と称される「妙高山」に代表 「くまの木」を拠点とした「やす される標高 2,000∼2,500m の山 らぎと癒しの空間」は、豊かな自然 岳が峰を連ねています。こうして塩 もさることながら、何よりそこに係 谷町に負けないくらいの豊かな自然 るスタッフのみなさん、地域の方々、 に囲まれ毎日生活していると、ふと そしてそこを訪れる人との「温かさ 「くまの木」のことを思い浮かべる の交感」により生み出されていると ことがあります。 思います。 「くまの木」との出会いは今から 場所は遠くからになりますが、こ 4年前。私が「とちぎボランティア れからも時々「くまの木」を思い浮 NPO センターぽぽら」に勤務し始め かべ、微力ながら応援したいと思い て間もなくのことでした。ぽぽらの ます。 主催事業として、私が企画した栃木 -7- 掲示板 (会員の情報交換の場) 第 7 回「くまの木」星空コンサート 今年も「くまの木」星空コンサートを下記予定で開催します。今回は地元熊ノ木 区長さんが実行委員会に入り、熊ノ木区が後援団体として協力してくれることにな りました。また塩谷幼稚園の園児の歌や遊戯、塩谷ユリピー吹奏楽団の演奏、そし て常連「アクアマリン」の出演とコンサートは盛りだくさんです。地元住民の心と 心を結ぶ手作りコンサートを目指し、気合を入れた実行委員会が動きだしました。 ◆ 日時: 2009 年 10 月 3 日(土)、14:00,開演、16:00 時終了 ◆ 場所: 星ふる学校「くまの木」体育館 後日ボランティアスタッフを募集しますが、ご協力くださいますよう。 事務局より 今月号の「会員の声」は近藤奈穂美さんに語っていただきました。とちぎボランテ ィア NPO センター(愛称: ぽぽら)のスタッフをされ、くまの木もいろいろお 世話になっていましたが、今では NPO 会員にまでなっていただいているありがたい存在 です。妙高市は四季を通じて居心地のよさそうな所ですが、くまの木(=安らぎの空間) にも足繁く遊びに来てください。 くまの木自然クラブが塩谷地区青少年育成連絡協議会より「青少年育成優良団体」 として表彰されました。くまの木自然クラブが発足して 5 年。この間自然クラブ指 導者は献身的に活動してきました。それが評価された喜びを皆で共有したいと思います。 編集後記 相変わらず会報の発行は遅れてしまい、衆議院は先に解散し、皆既日 食も過ぎてしまいました。本格的な夏を迎え、くまの木は一番忙しい 時期を迎えました。連日子どもたちの元気な声が聞こえます。 くまの木 第 25 号 発行: 平成 21 年 7 月 25 日発行 特定非営利活動法人塩谷町旧熊ノ木小学校管理組合 編集責任者: 〒329-2213 遠藤正久 塩谷郡塩谷町熊ノ木 802 番地 TEL: 0287-45-0061, FAX: 0287-45-1666 URL: http://www8.ocn.ne.jp/ kumanoki/ (会報くまの木のオリジナルカラー版を上記 URL からご覧いただけます。) -8-