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Natural Ground and Precipitated Calciumcarbonate in Woodfree

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Natural Ground and Precipitated Calciumcarbonate in Woodfree
要約
の場合にフィラーの比率だけが異なります。
総
世界的に炭酸カルシウムは上質非塗工紙と塗工紙
ての他の要因は一定です。
の原紙の有力なフィラーとなっています。
な結果は天然の粉砕炭酸カルシウムはペーパーウ
全体としての基本的
エブでの水切れと乾燥が簡単でサイズ要求量が少
炭酸カルシウムフィラーはチョーク、石灰石、大
なく、紙の構造は緻密で紙力も高い事を示してい
理石にある天然の炭酸カルシウムを粉砕して作り
ます。
ます。
紙の製造コストを引き下げるすぐれた道具にもな
粉砕石灰石、或いは大理石の顔料は通常
高い紙力は潜在的に高充填を可能にし、
今一つの炭酸カルシウム
ります。 比較的低比表面積の細かい GCC は標準
の製造は炭酸カルシウムの沈降による生石灰、水
の GCC フィラーより高い不透明性を生み出しま
酸化カルシウム、炭酸ガスから得られます。
す。
GCCと呼ばれます。
れをPCCと呼びます。
こ
PCCの製造は天然の
炭酸カルシウムを焼き生石灰にする工程を採りま
この比較に使われた PCC は高い光散乱係数を提供
す。
します。
PCCもGCCの製造にも夫々に適した天
然の炭酸カルシウムの鉱床が求められます。
通
GCC との比較で紡錘形の PCC は嵩高
さを生み出します。
その結果、顕著により開い
常PCC用の石灰石が原料としては限られている
た紙の構造が見られます。 カレンダー後、S-PCC
と言われています。
充填紙は幾分低い PPS ラフネスを示します。 重
要な事は GCC と S-PCC 充填紙の間の紙の嵩で差
GCCフィラーは殆どは湿式粉砕で作られ
異があるにもかかわらず紙の剛度では差が無いと
65-72%の高濃度スラリーで製紙会社に届けられま
いう事です。
す。
PCCフィラーは製紙会社のオンサイトで
通常は製造されますが、そうでない場合もありま
商業生産でパイロットでの研究で観察された傾向
す。
は確認されています。
個別の状況と顔料の選択
状況がこれらの傾向に強く影響を与えています。
この紙で天然の斜方六面体の結晶形のGCCは抄
GCC と紡錘形 PCC との組み合わせが、プレミッ
紙で紡錘形のPCCと比較されます。
他のPC
クスで使用されるか、別個に添加されるかは別と
Cは潜在的に可能ですが、ここでの比較は製紙用
して、抄紙機システムへの最適点を選ぶ事で好ま
フィラーとして広く使われている紡錘形のPCC
しい結果を得る事が出来ます。
と行ないます。
代的でない抄紙ユニットは乾燥セクション後の乾
製紙の厚さに効果があるのはこ
のS-PCCです。
燥能力に限界がありまあす。
特に、それ程近
そのような状況で
GCC と S-PCC の両方の顔料の組み合わせは、製
製紙のフィラーに使用されている2つの顔料の基
紙会社には特に有利です。
本的な違いを説明する為に 80g/㎡で 22%のフィ
ラー含有の非塗工上質紙をパイロット抄紙機で作
塗工原紙では、
一次フィラーとして GCC は S-PCC
りました。
の応用と較べて早い水切れと早い乾燥シート構造
フィラーのタイプ或いはのブレンド
の潜在性をもたらします。
1, Manufacturing Process for GCC and PCC
これは特に高い坪量
と高充填レベルを意味します。
GCC 充填シート
は通常 S-PCC 充填紙と較べ内部接着値がかなり高
チョーク、石灰石、大理石の鉱床からの天然石灰
い事を示します。
石の洗練された微粉化工程は最終製品への応用に
これは、等量の内部紙接着剤
でのより高い一次フィラー充填の可能性を示して
います。
よります。
S-PCC は GCC と較べてより高い原紙
の嵩を生み出します。
きる鉱物鉱床が世界中にあります。
然し、この高い嵩は塗工
紙のカレンダーで小さくなります。
GCC フィラーとして製紙業で使用で
鉱物組成に
加えて、顔料の白色度、製紙工場に関して物流面
塗工し、印
での側面が重要で鉱床の選択の為の重大な要素で
刷した後では、表面ラフネス、白紙、印刷光沢と
す。
印刷適性の条件で一次フィラーの選択で得られた
差は無くなってしまうと報告されています。
現在の高い白色度要求に基づいて、多くの大理石
或いは石灰石ベースの原料が GCC フィラー顔料
Introduction
用に使用されます。
顔料の白色度は原料の品質
と個々に調製される製造工程にもよりますが、
何 10 年も市場ではより高い白色度への願望とそれ
Elrepho(R-457)で 95%か、或いはそれ以上です。
への戦略的な実行が観察されてきました。
微粉化は通常湿式粉砕と呼ばれる方法を用います。
散発
的な感応評価や、現実的なこの白さへの必要にも
かかわらず、市場行動での何の影響もありません。
カオリンの品質と比較して、高白色顔料の炭酸カ
ルシウムフィラーは重要であり、原紙の白さを上
げコストセービングになります。
この白色度と
世界的に入手可能な結果として炭酸カルシウムフ
ィラーは上質紙の分野で最も重要な顔料の一つと
なっています。
必要に応じて不純物は機械的に或いは物理化学的
炭酸カルシウムフィラーは今日二つの主要なカテ
に取り除かれます。
ゴリーに分けられています。
程と大きな生産単位特に経済的です。
天然粉砕炭酸カル
高度に自動化された生産工
最終製品
シウム GCC と沈降炭酸カルシウム PCC です。 次
は通常 65-72%の固形分のスラリーで流動的にも
のプレゼンテーションはそれらの製造工程と単一
安定した形です。 製紙塗工用に使用される GCC
顔料とブレンドの両方で上質非塗工紙での応用比
スラリーは今日 78%以上の濃度で供給されていま
較と同様、特別の物性に関して両方のタイプを評
す。
価しています。
紙製品への適合の為不可欠の要素です。
ハイライトは塗工紙で使用され
洗練された物流チェーンは全体の原材料と
船、鉄
る時の一次製紙フィラーとしてのそれらの物性で
道、トラックで供給されるスラリーは製紙工場の
す。
貯蔵タンクに投入され、抄紙工程で何ら処理され
る事なく使用されます。
2
製紙産業用の PCC フィラーの製造工程は天然の炭
が据え付けられねばなりません。
酸カルシウムから始まります。
(図1) 幾つかの
られた一貫した液体炭酸ガス用の貯蔵キャパシテ
特別の技術面の為に、製造工程は主に石灰石鉱床
ィーが炭酸ガスの一時的な不足に対する補償の為
の使用に制限されます。
に度々必要となります。
加えて、選択された石
更に据え付け
PCCの粒子径のコン
灰石は基本的な鉱物学的要求を満たさねばなりま
トロールは正確な反応パラメーターをモニタリン
せん。
グし特別の反応添加剤の添加で為されます。
マンガンと鉄の含有量が高い場合、最終
こ
製品の白色度に悪い影響を与える事が実証されて
のようなPCCは篩後、一般的には 20%位の固形
います。
分濃度で、使用するまでオンサイトで貯蔵されま
産出する石灰石の品質の結果として相
互作用が沈降した製品の結晶性質や視覚的性質で
す。
悪い影響を起こします。
オフサイトと呼ばれるPCC工場ではPCCフィ
上記の基準は総ての可能な石灰石鉱床は PCC 製造
ラーは 35-52%の固形分濃度で製紙工場に船積み
工程で必要な、欠く事のできない中間原料、生石
され、必要に応じて流動的には安定しています。
灰、の製造に受け容れられるソースである事を意
乾燥粉のPCCも市場で入手可能ですし、主に特
味します。
種紙に使用されています。
ん。
厳格な選別が行なわれねばなりませ
厳格な制限の例として、南アフリカの或る
オンサイト PCC 工場(オンサイトは製紙工場の敷
2、
地内で製造される PCC を意味します)が欧州から
Morphological difference
のソースによる彼らの需要の一部をカバーする為、
天然の粉砕炭酸カルシウムフィラーは斜方六面体
地元の原料を使用した時に制約があって、現在、
の粒子形がそのまま残っています。
この問題を強いられています。
Cは或る技術と化学的な制約の中で調整されます。
GCCとPCCの応用
然し、PC
これらの差異はPCCの製造コストで重要な変化
地元の石灰石を焼いて生石灰にするには通常化石
燃料が必要です。
を導きます。
PCC製造工程で生石灰は水
和されて水酸化カルシウムになります。
焼成さ
れた石灰石は水に触れると反応し強く放熱し、水
酸化カルシウムとなり高いアルカリ性を示します。
1 回以上の反応で炭酸ガスと再炭酸化し化学的に
沈降炭酸カルシウムができます。
です。
これがPCC
必要な炭酸ガスはオンサイトの硫酸で処
理したパルプラインのライムキルン(石灰がま)
か化石燃料ベースの製紙工場の発電所からの煙道
ガスから得られます。
炭酸ガスの利用だけでな
世界的に殆どの一般的な製紙用で使用されている
く、炭酸ガスのガス濃度、温度、純度のような品
PCCの粒子形は紡錘形です。
(図2) この構造
質的な要素もまた考える事が不可欠となります。
が紙の嵩を高くします。
ですから炭酸ガスの冷却とクリーニングシステム
望めば製造できますが、高度な技術と高いコスト
3
紡錘形以外の粒子形も
がかかります。
次の結果の説明を簡単にする為
に紡錘形PCCをS-PCCと呼びます。
(図2)
3、
非塗工上質紙の生産でのGCCとS-PC
C
Comparisons made on a pilot paper
3.1
machine
トライアル条件
単一顔料として、或いはブレンドとして両方の顔
料を比較する目的でパイロット抄紙機で実験が行
この実験で使用されました S-PCC の品質はオンサ
なわれました。
イト生産工場から商業的に得られる代表的な
この実験の目的は顔料自身と得
られる紙の品質と同様工程を含む応用での直接、
S-PCC フィラーです。
間接の効果にありました。
は Elrepho
これらの3つのフィラー
R-457 で約 95%の白色度を示してい
ます。
パイロット抄紙機の取り幅は 70cm でスピードは
80m/分です。
提供されるもの:
25%硫酸処理
3.2
Papermaking process
の松パルプ(30°SR)と 75%の硫酸処理されたカ
図4で示されていますように、100%
バパルプ(30°SR)です。
サイジング剤として
用は 100% GCC と較べてワイヤーサクションロ
助触媒を含んだ AKD が 0.12%(dry/dry)添加で使
ールの後のドライコンテンツが明らかに少なくな
用されました。
っている事を示しています。
フィラーとサイズ剤の好ましい
S-PCC の使
リテンションが微粒子リテンションシステムを使
い 0.5%のカチオン澱粉を添加する事で達成されま
した。
通常の生産条件に続いて市場で得られる
アニオン OBA(0.2%)が加えられました。
(1/3 ウ
エットエンド、2/3 サイズプレス) 重量は 80g/
㎡で紙中のフィラーコンテントは 22%でセットす
るよう調整しました。
使用されたフィラーグレードに関する特別の顔料
使用された
コンビネーションで GCC を含有する事でフィラ
2μ以下 60%で比表面積 7.0 ㎡/g
ーの S-PCC 部分の減少が乾燥時では改善される事
データは図3に書かれています。
GCC は 60/7.0;
これは大理石から得られる欧州の標準品質です。
を示します。
GCC
ートウエブウエット強度を改善する事になります。
85/7.5 は 2μ以下 85%で比表面積 7.5 ㎡/g
高いドライコンテンツは最初のシ
でこれも大理石ベースから得られるもので標準
GCC と較べて高い紙不透明性が得られるよう設計
この傾向は顔料選択の機能としてワイヤーサクシ
されています。
ョンロールの後の脱水についてはサードプレス後
4
(図5)で見られる値で確認されます。
会に、S-PCC と同じサイズプレスでのスターチ高
いピックアップが観察されました。
パイロットマシーンの設備の為、プレ乾燥セクシ
ョンでの蒸気要求が記録されていませんが、ポス
ト乾燥セクションでは記録されています。
シー
トウエブで 50%以上 S-PCC 部分を増やしますと高
い蒸気要求がある事が示されています。
フィラーとして S-PCC で脱水がスローダウンする
効果は少なくとも部分的には、それから形成され
る顔料と紙のより大きな嵩張った構造によって説
明されます。
バルキーになるほど水切れに必要
な力は大きくなります。
もしプリズム構造の
PCC が使われますと、脱水作用は GCC で見られ
たように好転するでしょうが、結果として GCC と
較べてこのような製品は紙の嵩を上げる事はでき
この事の簡単な説明は、気孔を増やした嵩に関し
ません。 ブレンドで S-PCC の含有量を高くする
て S-PCC の多いサイズプレスでの高いスターチ要
か、100%PCC にすると、サイズプレスピックアッ
求で行なわれたコメントと同じです。
プでのドラスティックな増加が従来のサイズプレ
3.3
スで観察されます。
Paper quality
パイロットマシーンでの紙の生産はシートをマシ
ーンカレンダーを通して終了します。
カレンダ
ー圧はそれぞれ15と30kN/m です。 単一フィ
ラーとして、
或いは GCC とのブレンドでの S-PCC
を使用する時、嵩高で厚い紙が出来ます。
この現象の起源は高い紙の嵩とよりポーラスな紙
の構造がサイズプレス前の低いサイジング効果に
導く高い紙の湿度と関係しています。
特別高い
紙の嵩を達成する為、有機フィラーに関する同じ
パイロットマシーンで異なった調査を行なった機
5
GCC
100 部から始め GCC と S-PCC をブレンド
し、S-PCC
は出来ないという事です。
100 部までを見ますと紙の厚さと嵩
はどちらもほぼ直線です。
重量の減少は特に紙
の剛度を落とし、不透明度も当然の事として下が
S-PCC は GCC との
ります。
比較では単一フィラー比較では嵩高です。
欧州のコピー機で使用されている標準ミニマム
これは紙では更に粒子相互の凝集で比較的高い嵩
80g/㎡の紙をセットする事が必要です。(北米の紙
張った構造を作り出しています。
と比較して充填率が高い)
紙の繊維の増
これは、これらの結
果と関係しています。
加と紙の嵩、厚みとの間の分離は大きくなってい
PCC の化学的物理的パラメーターは紙の
ます。
嵩の力学的な発達につれて影響する事は可能です。
単一繊維間と繊維フロックの間で S-PCC の増加は
結果として水素結合の発生を抑制し紙力強度を下
げます。
しかし、S-PCC 顔料で出来た嵩高い紙は自動的に
紙の剛度を引き上げるという事はありません。(図
10)
市場の紙の調査はこの後半の観察で確認さ
れます。
100%S-PCC と 100%GCC60/7.0 の間の引っ張り強
さの違いは非常に重要です。
GCC 85/7.5 もま
た GCC 60/7.0 と較べて低い引っ張り強度を示し
ています。
S-PCC を使用する時嵩高い紙を作れる事から 80g
これはGCC60/7.0 と較べてGCC
85/7.5 の方が細かい事から説明されます。
/㎡の重量を 75g/㎡に落として紙の厚さを維持する
事が出来ないかという事が期待されますが、それ
ここで特に示されていませんが、以前の研究とテ
6
ストでわかっている事ですが、紙の内部接着での
ドウッドの混合品が原料で使用されていますが、
影響に関する GCC と S-PCC の間に重要な差があ
近い将来成長の早いアカシアを使う予定です。
ります。 フィラーとしての S-PCC の使用は標準
GCC 製品と較べて内部接着(Scott bond)がかな
り低くなります。 GCC との高い Scott bond は
結果として GCC の幅広い粒度分布カーブの結果
として説明されます。
抄紙工程中に形成された
沈殿した GCC 凝集体はより濃く固められ繊維と
繊維の接着を壊す事はありません。
研究所のテストに基づき平均の S-PCC 粒子径が約
2μを超えますと、引っ張り強度は落ちます。 最
これらのパルプは欧州の標準のファイバーミック
も高い紙の嵩を作り出す微粉の少ない S-PCC グレ
スのパルプと較べて嵩高でかなり光散乱が高いで
ードは高い紙粉を出す傾向があります。
す。 実際引っ張り強度と Scott ボンドは比較的低
コピー
く空隙も高いです。
機ではよく知られている問題です。
これらの技術的な側面と高
いフィラー充填率を上げたい製紙メーカーが紙の
S-PCC の使用で大きな繊維の裂け目が出来、GCC
強度を損なう事なく繊維の高い嵩を残して GCC
と較べた場合紙の空隙は大きくなります。
を選びました。
図 15 の値は紙の表面のラフネスでの顔料の影響に
関係しています。
S-PCC の量が増えるとラフネ
スが低下する傾向が観察されます。
S-PCC100
部と GCC100 部を較べると 0.5 から 0.8μの差の範
囲が ParkerPrintSurf で測定されます。
これら
の印刷物のサンプルでの測定されたラフネスの差
はそれ程重要な影響はでませんでした。
S-PCC と GCC の組み合わせとブレンドで空隙は
積極的に影響されます。
になります。
即ち紙の表面がより密
通常、紙の構造の空隙は更にエネ
ルギーコストをかけ繊維を精製して効果的に調製
されます。
エネルギーをかけて強く精製します
と、紙と繊維は吸湿性をもつようになります。
最近、アジアでは上質紙ベースのシートの新しい
生産ラインが稼動を始めました。
今は南国ハー
既に述べましたように、すべてのこれらのフィラ
7
ーは Elrepho
ています。
R-457 で 95%の顔料白色度を示し
生産原紙での白色度の違いは殆どあ
りません。
GCC と較べて S-PCC の白色度が僅かに高いのは
主にフィラーと繊維の空間の為の比較的高い光散
乱係数の為です。
僅かに黒い繊維は隠蔽性は少
し良い。 この実験で S-PCC を増やすと CIE 白色
度には悪い影響がありました。
GCC の光散乱効果もまた、細かい粒子で粒度分布
幅が狭くなりますと紙の不透明性を改善するよう
になります。 これは GCC85/7.5 のデータで御覧
いただけます。
また GCC/S-PCC のブレンドで
も見る事ができます。
関係文献で詳しく書かれていますように、AKD で
のサイジングは S-PCC 使用でしばしば困難を伴い
顔料の電荷の異なったタイプでアニオン系の漂白
ます。 この現象はこれらの実験でも見られます。
剤との反応が見られるとの説明があります。
し
図 20 で示されていますように、S-PCC50%で
かし、GCC の品質はアニオンでの湿式粉砕で、一
AKD を 0.12%添加した場合、紙のサイジングとし
方 PCC は若干自然にカチオンがかっています。
て不十分だという結果を示しています。
粒子構造と狭い粒度分布幅の効果で S-PCC は高い
光散乱効果を示します。
この高い光散乱効果は
紙の不透明性に好ましい影響を与えます。
8
されねばなりません。
このリスクを最小にする
為に一般に紙の製造では始めから高い量の AKD
が加えられています。
PCC 充填紙の分析では加
水分解された AKD(ケトン)が大量に確認できま
す。
3.4
パイロット抄紙機での実験要約
同じ条件で行なわれた次の実験で 50%以上高い
AKD 需要が求められるサイジングに到達するのに
必要でした。 そのような高い AKD 要求量になっ
た第一の理由は両方で PCC を使用する時の水酸化
カルシウムの残量同様、乾燥セクションに入る前
のシートウエブの高い紙の水分が見られるからで
す。 高温と高水分で AKD と水の間の反応(加水
フィラーの GCC も S-PCC も共に高品位の白色度
分解)が強くなります。 AKD の加水分解は微量
のシートに適しています。
の水酸化カルシウム(アルカリ性)の存在で更に
GCC はシートウエブの脱水、乾燥も比較的簡単で
促進されます。
す。
他方、S-PCC はかなり嵩高い紙を提供しま
す。
しかし、この嵩高さは自動的に紙の剛度に
斜方六面体の天然の
導くものではありません。
フィラーとしての
GCC は S-PCC より紙の剛度を下げません。
こ
れは GCC を高充填できコスト低減できる利点で
す。 S-PCC の特別の構造と幅の狭い粒度分布は、
この顔料に高い光散乱係数を与え、紙の不透明性
を上げます。
細かい粒子を多く持ち幅の狭い粒
度分布の GCC85/7.5 は GCC60/7.0 と較べて高い
光散乱係数を与え、紙の不透明性を上げます。
GCC との比較で PCC を使用する時によく見られ
GCC をフィラーとして使用した紙は S-PCC の紙
る高いpH 値はこれらの微量の水酸化カルシウム
と較べてかなり紙の空隙が低くなっています。
の存在から発生しています。
S-PCC で作った紙はカレンダリングの後、表面の
強いシェアがかか
り、窒素飽和状態下では(壊れた)結晶の核から
ラフネスを低くします。
この低い表面ラフネス
出てきたアルカリ源が存在する事は明らかです。
に関する印刷サンプルで顕著な差異は見られなか
ったという事を申し上げねばなりません。
このアルカリの放出に関連して、ある期間を超え
たサイジングロス(サイズリバージョン)は認識
斜方六面体の粒子構造と、その結果pH が安定し
9
脱水、水切れ性質が良くなった為、サイジング剤
の使用量が S-PCC と比べ GCC では少なくなりま
す。
2つの顔料の異なった比率での組み合わせが求め
られる紙の品質にとって早く柔軟に調製できます。
目標の品質の条件に到達する為の最適な顔料比率
が安易に調整できます。
3.5
これに関する代表的な例(図 23:
Notes from the field
欧州の製紙会社
は長網抄紙機で産地の違う 100%S-PCC を使う高
パイロット抄紙機で見られた顕著な傾向は存在す
品質の 80g/㎡のコピー紙を作る為に数回実験を行
る生産ラインで幾つかの場合に確認されました。
ないました。 お客様は脱水が明らかに悪くなり、
顔料によって生じる基本的な差異は主にそれぞれ
従って抄紙機の速度を 10%下げねばならない事が
の技術条件によります。
わかりました。
目的が市場でよく売れ
更に開いた紙の構造がエネルギ
る紙の品質を作るという事を考えれば、直接の顔
ー需要の 20%増やす高い繊維精製をする事で塞ぐ
料比較が幾つかの必要な正しい測定で大きく影響
事ができました。
されます。
50%S-PCC/50%GCCにする事でお客様は当初
実際は、新しい巨大な生産機械が十
分な水切れと乾燥容量を組み込んでいます。
乾
フィラーの組み合わせを
の機械速度に戻し、繊維精製も下げる事ができま
燥セクション後の潜在的なボトルネックは主に古
した。図23)
い生産設備に見られます。
全く同じの平滑レベルで紙の厚さは 2μ、不透明性
S-PCC と GCC の厚い紙での組み合わせは不十分
で 0.5%下がります。 この顔料配合で 10%近い紙
な水切れと乾燥容量に遭遇した時、大きな利点っ
の強度の増加が観察されました。
があります。
上のフィラー充填のコピー紙が大量に生産され、
市場を席巻しています。
欧州で 28%以
この紙を分析しますと
GCC100%の紙が成功していることがわかります。
そのような選択をする事で、製紙メーカーは嵩高
く強度のある紙を得る事ができます。 AKD 要求
量は通常の水準を保ち生産速度は 100%GCC 使用
4.
上質塗工原紙での一次フィラーとしての
GCC と S-PCC
の操業に匹敵します。
上質塗工原紙用に求められる主な性質は十分な引
っ張り強さ、高寸法安定での安定した吸水と湿潤
性と同様, 良好な内部接着(Scott bond)です。 高
い白色度と、求められる不透明性は緻密な表面と
ともに利点を考える場合は必要なものです。
10
一
次と二次フィラーを含む顔料比率はグラム数にも
実際には一次フィラーとして GCC を使用する事
よりますが 12-20%です。
は高重量の紙では特に利点があります。
ここで
隠れた理由は主に脱水と水切れ性質を改善です。
パイロット抄紙機での実験で 80g/㎡の塗工原紙が
作られました。
そして、既に述べましたようにこのフィラーで
Scott bond が高くなります。
一次フィラーとして GCC と
高い水切れは生産
S-PCC はそれぞれ8と 12%で比較されました。
速度を上げます。 標準 GCC での高い Scott bond
塗工損紙を追加しますので塗工原紙の 2 次顔料の
は基本的にフィラーの高充填を可能にします。
量は 8%でした。 ダブルコーティングとシングル
フィラーの高充填は紙の不透明性と白色度に影響
コーティングの間の中間を使いますと、片面 15g/
します。
㎡のシングルコートの塗量がベントブレードで塗
られました。
同じフィラー充填量で一次フィラーに S-PCC を使
塗工紙はその後カレンダー掛けさ
れオフセット印刷を行ないました。
った紙は顔料の高い光散乱係数の為に標準 GCC
この実験結
果の要約は次の通りです。
と較べ高い不透明性を示します。
違いは主に一
次フィラーの添加量によります。
GCC85/7.5 の
フィラーは細かい粒子が少ない S-PCC を使った場
合と似た不透明性を示します。
上質紙塗工原紙
で一次フィラーとして標準 GCC と S-PCC の組み
合わせが米国でも知られています。
S-PCC 一次
フィラーと一緒に塗工損紙からの顔料をよく見る
と既に GCC/クレー/S-PCCの組み合わせが
見られます。
結論
再度、GCC 充填紙はシートウエブの高い水切れ性
質を示しました。 内面接着(Scott bond)は標準
GCC がかなり高かったです。 期待通り、S-PCC
パイロットも商業生産の例でも GCC と S-PCC の
を一次フィラーとして使用した塗工原紙は高い嵩
重要な特性を示しています。
を示し、塗工紙のカレンダー掛け後は目視では大
非常に異なっており、様々な最終需要で紙を作る
差はありませんでした。
オプションの広い範囲を提供します。
これらは性能では
GCC は強
さ、高充填の可能性、水切れと乾燥の容易さ、サ
基本的に、塗工し、カレンダー掛けを行なった後
イズ要求量が少ない、シート密度の高さを提供し
では印刷適性同様、ラフネス、白紙、印刷光沢に
ます。
関して重要な差異は認められませんでした。
低密度(嵩高)な性質を提供します。
し
PCC は低充填量で高い不透明性を与え、
この方法
かし、影響された事は、フィラーによって生み出
で製紙会社はそのグレードに応じた特性を選ぶ事
された塗工原紙の差による塗工紙の光学的性質で
が出来ます。
した。
白色度を提供します。
11
この顔料の両方が低コストで高い
Fly UP