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平成 27年度 科研費学内奨励金研究計画書
(様式第2号) 申請者氏名 猪股圭佑 平成 27年度 科研費学内奨励金研究計画書 研 究 課 題 名 研 究 目 的 ビザンティン聖堂における壁面装飾によって構成された建築空間に関する研究 ビザンティン聖堂のモザイク及びフレスコをレイアウトした展開図、合成写真、3次元モデルを作成し、 壁面装飾によって意味付けされた神聖な建築空間の構成について明らかにする。 [研究の概要] 研究の概要および 期待される成果 (1)研究概要 (2)研究経過 (3)研究計画・ 方法・成果 必要経費を含め、 当該研究の特色や 新規または独創性 等を具体的に記入 してください。 ビザンティン聖堂のドーム上部は神の世界、下部は地上の世界という一つの宇宙の イメージを意味すると考えられている。しかし、現存するビザンティン聖堂やその図像 史料、叙述史料が極めて少ないこともあり、個々の聖堂における壁面装飾による空間 構成については、これまで検討されていない。本応募研究課題ではビザンティン美 術、建築、キリスト教関係資料の調査を行い、各聖堂のモザイク及びフレスコをレイア ウトした展開図、合成写真、3次元モデルを作成することにより、壁面装飾によって意 味付けされた建築空間について明らかにする。建設当時の状況をシミュレーションす ることで、壁画の多くが剥落しているビザンティン聖堂においても、建設当時の空間を イメージすることができる。そして壁面装飾によってどのように神聖な宗教的空間が創 造されたかを知ることに意義がある。壁面装飾によって構成された建築空間の意味を 明らかにすることは、建築史、美術史それぞれの分野に限定した研究ではこれまで得 られなかった新たな知見をもたらすと考える。 [研究経過・背景など] これまでに、ビザンティン聖堂における建築空間の断面構成と壁画における山との関 係を分析・考察した(日本建築学会計画系論文集,76, 670,2477-2485, 2011など)。さ らに、コーラ修道院の内ナルテクスにおける壁画の主題及び配置による空間構成の 分析を行い、「キリストの両性」を表現する建築空間が壁画の配置によって形成され ていたことを考察した(Intercultural Understanding Vol.4, 2014など)。本応募研究課題 は、建築空間について考える際の素養として、壁面装飾に必要な知見を確立するも のである。 [研究計画・方法] ビザンティン美術、建築、キリスト教関係資料を収集、整理し、聖堂の歴史及び様式、 構造、機能、壁画と聖書における記述との関係などを調査する。図面をCADデータに おこし、平面図、断面図、展開図、天井伏図及び3次元モデルを作成する。さらにモザ イク及びフレスコの画像データをレイアウトした展開図、合成写真、3次元モデルを作 成する。これらを分析・考察し、壁面装飾によって意味付けされた建築空間について 明らかにする。 [期待される成果] ビザンティン聖堂の建設当時の状況をシミュレーションすることで、考察した内容につ いての客観的な検証が可能になる。聖堂のモザイク及びフレスコをレイアウトした展 開図、合成写真、3次元モデルのデジタルアーカイブは、特に史料の乏しいビザンティ ン聖堂について、建築史、美術史分野における研究発展に役立つだけでなく、貴重な 文化遺産の保存に繋がると考えられる。 [次回 科研費申請時期(予定)] ( 平成27年11月 ・ 平成28年11月 ) (該当する年に○印をつけてください) 研 究 科 研 究 期 間 種 費 目 研 予算配賦決定通知日 ~ 平成 28年3月31日 若手研究(B)