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平成24年度第2回 堺市都市計画公聴会記録

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平成24年度第2回 堺市都市計画公聴会記録
平成24年度第2回
堺市都市計画公聴会記録
日時:平成25年3月8日(金)
午前10時~
場所:堺市堺区南瓦町2番1号
堺市総合福祉会館5階
第3研修室
都市計画課
平成24年度
第2回堺市都市計画公聴会
1 対象となる都市計画案件
南部大阪都市計画第一種市街地再開発事業の決定
南部大阪都市計画地区計画の決定
南部大阪都市計画高度利用地区の変更
2 日時
平成25年3月8日(金)
午前10時00分開会
3 場所
堺市堺区南瓦町2番1号
堺市総合福祉会館5階
4 出席者
午前10時20分閉会
(1)議長
第3研修室
堺市建築都市局都市計画部都市計画課
課長補佐
辻本 豊
(2)公述人
原田 克史(本人の希望により、氏名を記載)
(3)公述聴取者
堺市職員
(4)傍聴人
6名
1
平成24年度 第2回堺市都市計画公聴会 全文
(午前10時00分開会)
●司会(髙坂主幹兼施設係長)
お待たせいたしました。ただいまより、南部大阪都市計画第一種市街地再開発事
業の決定、南部大阪都市計画地区計画の決定、南部大阪都市計画高度利用地区
の変更について、都市計画の公聴会を開催いたします。
私は、本日司会を務めさせていただきます、堺市都市計画課 主幹兼施設係長の
髙坂と申します。よろしくお願いします。
公聴会の開催にあたりまして、皆様にお願いがございます。
本会場は禁煙となっておりますので、タバコはご遠慮願います。携帯電話をお持
ちの方は、電源をお切りいただくか、マナーモードに設定をしていただき、通話しな
いようにお願いいたします。
また、私語や議長の許可していない撮影や発言等は禁止されております。公述人
の発言がよく聞こえるように、ご静粛にお願いいたします。
本日の議事は、堺市都市計画課長補佐の辻本が議長として進行いたします。
議長、よろしくお願いします。
●議長(辻本課長補佐)
本日、議長を務めさせていただきます、堺市都市計画課課長補佐の辻本でござい
ます。よろしくお願いいたします。
開催にあたりまして、まず公聴会についてご説明いたします。
公聴会は、あらかじめご提示させて頂いております原案について、ご意見を述べ
ていただくもので、その意見を踏まえて都市計画の案を作成するため、開催するもの
でございます。
公聴会の記録につきましては、後日堺市において作成した後、公述人の方に郵
送にて記録の確認をさせていただきます。
その後、公聴会でのご意見に対する堺市の考え方とともに、都市計画決定の手続
きである案の縦覧を行う際、一般の閲覧に供し、意見書の受付を行います。また、本
市のホームページにおいても掲載いたします。
その後、堺市都市計画審議会へ付議する際には、本公聴会でのご意見やそれに
対する堺市の考え方及び意見書が提出されていればそれも審議の資料として提出
し、報告いたします。
次に、本日の公聴会における公述の方法について申し上げます。
最初に、堺市の事務局より、都市計画の原案について説明があり、その後、公述
人の方に公述していただくことになります。
公述にあたりましては、こちらのですね、公述人席までお越しいただきます。
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公述の内容につきましては、公述申出のときにご提出いただきました要旨に従っ
て、ご発言をお願いいたします。発言時間は30分以内となっています。公述の制限
時間の 2 分前になりましたら、ベルを 1 回、制限時間に達したらベルを 2 回鳴らすよ
うにいたしますので、時間厳守をお願いいたします。
最後に、会場の皆様にお願いいたします。
本日の公聴会は、意見を述べていただく場であり、質疑応答を行う場ではございま
せん。また、あらかじめ公述の申出のあった方に公述していただく場でございますの
で、傍聴される方は、発言や拍手等を慎まれるようお願い申し上げます。
もし、本公聴会の秩序や進行を乱す行為があった場合、堺市都市計画公聴会要
綱に基づき、この会場から退場していただくこともありますので、ご注意いただくように
お願いいたします。
それでは、事務局は、都市計画の原案を説明してください。
●事務局(林主幹兼土地利用係長)
都市計画課 主幹兼土地利用係長の林でございます。
宜しくお願いします。
それでは、「堺東駅南地区第一種市街地再開発事業の決定等」について、説
明会の時のこのリーフレットに基づきまして、説明させていただきます。
座って説明させていただきます。
まず、あの、「素案作成までの経緯」のところでありますけれども、堺東駅
周辺地域は、商業施設や行政機能が集積する本市随一の中枢性を有する地域で
すが、近年の社会経済情勢の変化に伴い、大型店の撤退、空き店舗の増加が進
むなど、賑わいが低下し、これを再生して、活性化を図ることが喫緊の課題と
なっております。
また、平成 23 年 3 月に策定した堺市マスタープラン「さかい未来・夢コン
パス」においては、広域的な都市圏の中枢を担う政令指定都市・堺の玄関口と
して、商業・業務・行政・文化・居住機能を集積・強化させるとともに、駅前
等の利便性を向上させることとし、平成 24 年 7 月に策定した「堺 都心のまち
づくりプラン」では、堺東駅周辺地域の将来イメージを、「堺を代表する賑わ
いと風格のあるまちなみの形成や都市機能の充実により、市民や来訪者がそれ
ぞれの目的に向けていきいきと活動するまち」としております。
昭和 56 年に堺東駅前地区市街地再開発事業により整備されましたジョルノ
ビルは、大型テナントの撤退後、商業機能が低下した状態が続いており、建築
物の耐震性能の課題もあることから、地元において建替えに向けた検討が進め
られ、平成 24 年 12 月には地権者から堺市に対しまして市街地再開発事業等の
都市計画手続きを進める要請がございました。
これらを踏まえ、当該地区の課題を解消し、本市の中心市街地である堺東駅
周辺地域を活性化することを目的として、市街地再開発事業及び地区計画の決
3
定と、それに伴う高度利用地区の変更を行おうとするものです。
内容については、リーフレットの 2 ページ目、見開きのところを開けていた
だきまして、ご覧ください。
1-1「市街地再開発事業の決定」について、名称は堺東駅南地区第一種市街
地再開発事業、面積は約 0.7 ヘクタール、規模としましては、建築面積が約
3,200 平米、延べ床面積約 46,000 平米、地上 24 階、地下 2 階で、主要用途は
商業施設、住宅、駐車場とし、住宅建設の目標は約 330 戸でございます。
また、公共施設としまして、区域の北側の市道堺東駅三国ヶ丘線及び区域南
側の市道三国ヶ丘御幸通南三国ヶ丘 1 号線をそれぞれ拡幅するとともに、堺東
駅と当地区を接続している歩行者デッキを改修・再整備し、再開発ビルと市役
所前の市民交流広場を歩行者デッキで接続することとしております。
続きまして、1-2「地区計画の決定」について、名称は堺東駅南地区地区計
画、面積は約 0.7 ヘクタールで、地区施設の配置及び規模、建築物等に関する
事項を定める地区整備計画を定め、公共施設の整備や建築物等を規制・誘導す
ることとしております。
詳細についてはリーフレットをご参照ください。
最後に、1-3「高度利用地区の変更」について、当該地区に現在指定されて
おります高度利用地区(堺東駅前地区)は、昭和 45 年に堺東駅前地区第一種
市街地再開発事業に併せて決定したものですけれども、今回の市街地再開発事
業及び地区計画の決定に伴いまして、廃止しようとするものでございます。
説明は以上でございます。
●議長(辻本課長補佐)
ただいまの都市計画の原案について、1名の方から公述の申し出があり、ご発言
いただく予定になっております。
公述人の方は、公述人席に進んでいただき、ご発言していただきます。
それではお願いいたします。
●公述人(原田 克史)
建築物に伴う駐車場のことで申し上げます。そもそも、業務用車両はともかく、駅前
でありながら、どうして駐車場が設けられなければならないのでしょうか。駅の間近な
れば車はいらざるものでありましょう。公共交通機関の利用を呼びかけながら、何故
かかるチグハグを為さんとされるのか。都市建設の骨格たる一貫性を欠いてもらって
は困ります。行政がフラついた姿勢であるから、世間はなお一層しまりのない無責任
な風潮に赴いてしまうのではないでしょうか。
車社会の弊害は多々挙げられまするが、中にも最近特に取りざたされているのが
商店街の衰退と買い物難民とでありましょう。これは、いずれの場合も広大な駐車場
を擁する大規模商業施設の出現がおおかたの要因であると言われております。つま
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り、マイカーでもってそうした施設にまとめ買いに走る。昔からあった地元の店舗は素
通りです。ために個人経営の店屋さんは続々と淘汰され、商店街もまた急速度にさ
びれてまいったものでありましょう。
また、かつては、子供たちのために解放されていた空き地も、今やほとんど全てが
駐車場として用いられ、しかも、そこには「ここで遊んではならぬ」との冷厳な文字が
子供の入場を拒絶しております。児童憲章には「すべての児童はよい遊び場と文化
財を用意され、悪い環境から守られる」とありますけれども、にも拘らず、車優先社会
はかくして地域から子供たちの遊び場をことごとく奪ってきたのであります。
子供は、この国家社会の将来を担って貰わなければならない実に大切な存在であ
り、したがって、子供の育成は、同時に未来の育成であります。児童の健全育成がな
されうる健康な社会づくり、この重要な眼目が見落とされていはしますまいか。児童福
祉法は曰く、第一条「すべて国民は、児童が心身ともに健やかに生まれ、且つ、育成
されるよう努めなければならない。」第二条「国及び地方公共団体は、児童の保護者
とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。」とありますように、児童の
健全育成は社会の連帯責任として謳われております。
それから、一方の、もう一個の駐車場ですけれども、店舗用の地下駐車場のほか
に、4 階から 24 階までが 330 戸の住宅で、これがための駐車場としてタワーパーキン
グなるものが備えられるようですが、これの電力消費量が、目安として、一月にほぼ
7,000 キロワットアワーとのことです。要らざる物のために月々7,000 キロワットアワーで
あります。このような野放図な電力浪費のために、この豊かな地球生命の基が刻々と
痩せ細ってまいるやに聞いております。申すまでもなく、生命の惑星と言われる地球
は、全宇宙の中にも誠にまれなる奇跡的存在であります。この唯一無二なる地球の
命運を、ただに眼前の利便さだけのために危うくしてしまうようなことをあえてなさねば
ならぬ道理が何処にあるのでありましょうか。2006 年の推定によりまするに、人類が生
態系に与えている負荷は、地球の生物学的能力を 40 パーセント以上上回っていると
言われます。それから 7 年後の現在の比率は更に高いものとなっておりましょう。叡智
ある都市の在り方とは何か。環境モデル都市なる堺は、一段とその重大なる責務に
覚醒して参らねばなりません。
ちなみに、世界的な数学者であられた岡潔先生は、「宇宙は地球を守るために存
在している」とまで言い切っておられます。この伝で参りますと、もし人類をしてみずか
ら地球の破滅を招くような事態にいたらしむることあらば、それは地球を護持してくれ
ている大宇宙に対しても甚だ相すまざるものと申さねばならんでありましょう。
さて、周知のごとく、ヨーロッパの先進都市においては、都心部に車を乗り入れさ
せない施策が実現されております。進取の気風を誇れる堺としては尚更のこと、そう
した欧州の先進的取組みを一躍全国に先駆けて導入すべきでありましたろう。まして
や、堺は、先ほども申しましたように、環境モデル都市ではなかったでしょうか。なれ
ば当然、地球環境や社会環境改善の上にも、ひときわ積極的に公共交通機関、わ
けても鉄道輸送の推進に力こぶを入れてもらいたきものであります。
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ところで、本市は自治、ないしは自由都市との触れ込みではありますが、では一体、
自由とはいかなることを申しますのか。社会哲学者のハイエクは、「道徳的信念なくし
て自由がうまく機能することはない」と説き、ギリシャのプラトンは、「完全な自由とは常
に善を選ぶ力である」と喝破しております。そして、我が日本国憲法第十二条に曰く、
「この憲法が日本国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、こ
れを保持しなければならない。また、国民は、これを濫用してはならないのであって、
常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う。」とありますように、不断の努力、
すなわち絶えざる努力、そして責任を負わねばならぬことが厳正に規定されておりま
す。
事ほど左様に、真の自由なるもののためには、高い意識とそれに伴う真摯な努力と
が必要とされているのです。きょうびのごとく労苦や骨折りを厭い、ともすれば、安易
に流されがちなこの浮薄な風潮にあって、果たして隆々とした本物の自由は確立さ
れうるのでありましょうか。つらつら思いまするに、現在のように気力に欠くる世相は堺
人として何ともふがいないことではありますまいか。そもそもが、我らの堺の先人は木
っ端船の如きもので、堂々波濤を乗り越えて、海外雄飛をなすという雄大な心で生き
られたのであります。我々もまた堺人なれば、先人に劣らぬ太い志でもって国際社会
第一等の人間都市をこの堺に築くのだというくらいな雄図を抱いておりたきものであり
ます。
斯くの如く、いやしくも自由を標榜するからには、道義心はもとより、人としての自制
心や抑制心といった溌剌たる気象を励ましめ、以てその確乎とした精神をバネとなし、
然るのち、初めて真正なる自由都市への飛躍が望みうるものともなり得ましょう。こうし
た首尾一貫せる真剣な気構えなくして、単に看板だけの自由や人権であるならば、
それは無気力社会の勝手気ままを増長せしむるのみにして、結句人間精神の衰微
に加担せるだけのものとしかなり得ないものと思われます。
都市計画の要諦は、まず何よりも精神の建立をその基盤となすのであらねばなりま
すまい。子々孫々を想い、地球人類の行く末あらしむるためにも、今日の腐敗せる惰
性を打破すべく、凛乎として生気あるプランをこの堺から打ち樹てていただきたいも
のです。
以上述べてまいりましたる理由から、駐車場設置のことは賢明なる考慮のもとに、
ぜひともこれを颯爽と撤回せられんことを衷心からお願い申しあぐる次第であります。
おわり。
●議長(辻本課長補佐)
以上で公述人の発言は終了いたしました。
本日お聴かせ頂きましたご意見については、内容をよく整理させていただいた上
で、今回の都市計画の原案に関係するものについては、その案を縦覧する際に閲
覧に供し、併せて、ホームページ等で公表いたします。
6
●司会(髙坂主幹兼施設係長)
本日は、貴重なご意見をお聞かせいただきまして、ありがとうございました。
以上をもちまして、都市計画の公聴会を終了いたします。
ありがとうございました。
(午前10時20分閉会)
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