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平成22年秋号

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平成22年秋号
NO.10 発行:神宮館 東京都台東区東上野 1-1-4 TEL03(3831)1638 http://www.jingukan.jp 発行人:木村依史
る桂の木が紅葉して、月が明るく輝くと
呼 ば れ て い ま す。
「 桂 月 」 と は、 月 に あ
またこの八月は、別名で「月見月(つ
きみづき)
」
「 桂 月( か つ ら づ き )」 と も
する説などがあります。
張り月(ほはりづき)」「張り月」からと
「初月」からとする説、稲の穂が張る月「穂
めて雁がくる月で「初来月(はつきづき)」
うになったという説と、北の方角から初
が落ちる月」が転じて、こう呼ばれるよ
旧暦の八月を「葉月」と呼ぶのは、こ
の月が秋にあたり、葉が紅葉をして「葉
ま た「 長 月 花( な が つ き ば な )」 と 呼 ば
「詠月(ながめづき)
」
「寝
他に「菊月」
覚月(ねざめつき)」とも呼ばれています。
いう説があります。
な が づ き )」 の 略 し た こ と ば か ら き た と
「稲熟月(いねあがりづき)」
「穂長月(ほ
いう説、さらに「稲刈月(いねかりづき)」
稲が毎年実ることを祝う意味からきたと
稲 を 刈 っ て 収 め る 時 期 の た め、「 長 」 は
雨月(ながめつき)」からきたという説、
い う 説 と、 雨 が 多 く 降 る 頃 の た め、「 長
が つ き )」 と 呼 ば れ、 こ れ が 略 さ れ た と
旧暦の九月を「長月」と呼ぶのは、夜
がだんだん長くなるため「夜長月(よな
「 醸 成 月( か み な し づ き )」 か ら 転 じ て、
他には、雷のならない月「雷無月(か
みなしづき)」、新穀で酒を醸す月なので
も言われます。
に使われた「の」の意味を持つ「な」と
「の」は「無」とも書き、
「水無月」の際
ま た 神 を 祭 る 月 で あ る こ と か ら「 神 の
月 」 と い う 説 も 有 力 で す。 こ の こ と ば の
(かみありづき)」と呼ばれます。
といわれます。そこで出雲では「神在月
うので、各地から神様がいなくなるため、
の神様が集まって一年の出来事を話し合
旧 暦 の 十 月 を「 神 無 月 」 と 呼 ぶ の は、
広 く 言 わ れ る 説 と し て、 出 雲 大 社 に 全 国
神無月(かみなづき)
い う 伝 説 に 由 来 し て い ま す。「 葉 月 」 の
こう言われたという説があります。
長月(ながつき)
葉もその桂の葉からきているという説も
れるのは、秋菊のことです。
1
葉月(はづき)
あります。
季節のことば
秋号
summer
autumn
平成二十二年庚寅
重陽の節句
四季を知る
9月9日は菊に長寿を祈る日です。奇数は縁起の良い「陽」
歳時記
ぐらし
とされ、最大の陽が重なる日のため「重陽」と言われます。
起源はいつ?
日本には中国から伝来し、平安時代には宮中の行事のひ
とつとして貴族の間だけで行われていたようです。中国か
ら伝わってきた珍しい花である菊をながめながら、菊酒を
飲んだり詩歌を詠むなど、長寿を祈った宴でした。
現在では、重陽の節句が開催されることは少ないですが、
京都の上賀茂神社では、無病息災を祈る重陽の節会が行わ
れています。
なぜ菊の花なのでしょうか?
古代の中国では、菊は「翁草(おきなくさ)
」
「千代見草
(ちよみくさ)
」
「齢草(よわいくさ)
」と言われ、
邪気を祓い、
長生きをする効能があると信じられていました。平安時代
には日本でも「菊の被綿(きせわた)
」といって、重陽の節
句の前日に菊の花に綿をかぶせ、菊の香りと露をしみこま
せて、その綿で身を清め不老長寿を願う行事が行われてい
たそうです。
防災の日(防災グッズ) どんぐり
1923 年(大正 12 年)関東大震災が起きた9月1日に、
堅い皮をもっているブナ科の木の実のことを、総称して
避難訓練を行うことで広く知られている「防災の日」。この
「どんぐり」と言います。秋になると、山や公園に落ちてい
日を節目に、防災グッズの点検をしてみましょう。
る「どんぐり」、いろいろな形がありますが、集めて遊ぶの
突然やってくる災害、日頃から心構えをしておきましょう
も楽しいですね。
自宅であったり、外出先であったり、職場だったりと時
いろいろな「どんぐり」を探してみよう
間も場所も想定できないのが地震です。いつどこで、災害
葉が落ちる落葉樹では、ミズナラ、コナラ、クヌギ、カ
にあっても少しでも被害を少なくするために、心構えをし
シワなどがあり、常緑樹では、アカガシ、イチイガシ、ア
ておきましょう。
ラカシ、マテバシイ、スダジイなどがあります。それぞれ
1.非常持ち出し袋の保管場所は、取り出しやすい場所に。
形が違うので、代表的な物を紹介しましょう。
2.家族との連絡方法・集合場所を決めておく。
3.丈夫な靴・手袋・服を着用する。
4.火災や倒壊の恐れのある場所へは近づかない。
イチイガシ
イヌブナ
クヌギ
コナラ
マテバシイ
ミズナラ
5.体の不自由な方へ声かけをする。
おもちゃを作って遊ぶ
保管されている防災グッズの保存期間は大丈夫? 葉が黄色くなってきた山や野、公園へ行った時に、思わ
「非常持ち出し袋」に最低必要なものを用意し、毎年この
ず拾って帰ってくることはありませんか。
時期に点検しておきましょう。乾パン、レトルト食品、飲
そんな拾ってきた「どんぐり」を使ってコマや小さなお
料水などは賞味期限を点検し、1年に1回は交換しておき
もちゃを作ってみましょう。作り方はご自身の想像力を発
ましょう。他に常備薬や救急用品、笛、懐中電灯、携帯ラ
揮して、爪楊枝や紙 、 ネジやマジックを使ってみましょう。
ジオ、電池、缶切り、軍手、ビニール袋、保温シート、ひも、
手持ちの物で充分楽しめるおもちゃができます。幼かった
携帯用折りたたみバケツ、衣類、厚手のバスタオルなどです。
頃を思い出してみるのも、一興ですね。
2
日本の縁起物
ほうき
写真提供
日本枝朶パーム工業
株式会社
「ほうき」は「箒」と書き「玉箒」
「箒持(は
はきもち)
」として『古事記』の中に登場し
お香
ます。古くは「ははき」と言い、正倉院に
6世紀半ばに日本へ
は養蚕の儀礼用として「子日目利箒(ねの
仏 教 が 伝 来 し た 頃、 一
ひのめのとぎぼうき)
」という箒が奈良時代
緒にお香も伝わったよ
のものとして残っています。
う で す。 仏 前 を 清 め、
箒は妊婦のおなかをなでたり、産室に立
祈願を込める儀式に使
てておくと安産になる、と言われたりしま
わ れ、 さ ら に 宮 中 で は
した。さらに、長居をするお客を早く帰す
穢れを祓い、場を清めるための儀式にも使われました。
ために箒を逆さに立てておくという話や、
平安時代には薫衣(くのえ)といって、香炉の上に籠を置
箒をまたぐと罰が当たるとも言われました。
き、そこへ着物を被せて香りを移して楽しみました。その様
これは箒の「掃き出す」や「払う」という
子は『源氏物語』にも登場しています。貴族の間では、暮ら
行いが、出産や邪気祓いに結びついたため
しの中に香りをふんだんに取り入れるようになりました。武
と伝えられています。
士が台頭してきた鎌倉時代にも、出陣の際に心を静めるため
箒が昔からほとんど変わらない形をし、
に香をたき込めたとも言われています。
平安時代から掃除に使われたのは、暮らし
現在ではお香の香りをかぐことで、脳内に心地よさをもた
の中で欠かせない道具として役立っている
らす物質が分泌され、癒し効果があることもわかりました。
からでしょう。
お香は現代の暮らしに欠かせないものとして広まっています。
季節の食材
しめじ
主な産地/長野、新潟県
美味しい旬は9〜 11 月です。昔
から「香り松茸味しめじ」といわれ、
天然の本しめじの味はすばらしいと
賞賛されています。
ビタミン B1、B2、Dとカリウム、
食物繊維が豊富で、生活習慣病の予
防のほか、粘膜を強くしたり肌の健
康を守る効果があります。50 gで9
キロカロリーほどです。
3
!
縁起がいい物って何だろう? これってどうして大切なの? どうやって使うの?
そんな疑問にお答えするコーナーです。
旬の野菜や
魚・果物を
食べて元気になる
さつまいも
主な産地/鹿児島、茨城県
9〜 11 月が旬です。原産地はメ
キシコといわれ、やせた土地でも育
つので、江戸時代に飢饉の救済作物
として全国に広がりました。
デンプンと糖分が多く含まれ、熱
を加えるとデンプンの一部が糖分に
変わって甘みが増してきます。ビタ
ミンCや食物繊維も含まれるので便
秘の解消や美容に良いといわれます。
イラスト/下田麻美
いちじく
主な産地/愛知、和歌山、兵庫県
旬は8〜 10 月ですが、店頭に出回
る時期が早くなってきています。聖
書にも登場する古い果物です。 カルシウムや鉄の他に、カリウム
が含まれ、血圧を下げる効果がある
ので、高血圧や動脈硬化などの防止
に役立ちます。また、水溶性のペク
チンも含まれているので、整腸作用
があり、便秘や美肌に有効です。
だ っ た り と、 姉 妹 や 友 達 と 遊
「あやとり」です。一人、二人
ま っ た 形 を 作 っ て 遊 ぶ の が、
一本のひもを輪にして両手
の指にひもを掛けながら決
あ り ま す。 歌 い 出 し も「 か っ
く、 地 域 に よ り 微 妙 に 違 い が
歌 の 内 容 は、 全 国 統 一 で は な
のが「はないちもんめ」です。
二 組 に 分 か れ て、 歌 い な が
らメンバーの取り合いをする
はないちもんめ
んだことを思い出します。
は な い ち も ん め 〜 」「 ふ る さ
あやとり
は じ ま り は、 記 録 が 現 存 し
て い な い の で 不 明 で す が、 世
ともとめて〜」などがありま
は じ め に ジ ャ ン ケ ン で、 同 じ 数
の 二 つ の グ ル ー プ を つ く り、 そ れ
神宮館から
耳よりなお知らせ
いよいよ今年も平成二十三
年版の暦が全国の書店にて発
売 に な り ま し た。 い ち 早 く 来
年 の ご 予 定 を 立 て た い 方、 運
気の流れをお知りになりたい
方 は、 お 近 く の 書 店 で お 買 い
求め下さい。
し た。 こ ち ら は 九 星 別 に 一 冊
に て 発 売 し て お り ま す の で、
暦と合わせてぜひご覧下さい。
(十一月立冬のころお届け)
次号のお知らせ
冬至、勤労感謝の日 他
縁起物 神棚 他
季節の食材 春菊 他
むかし遊び 福笑い 他
恵 子 今 回 の 表 紙 の 写 真 は 満 月 と
す す き。 と て も 印 象 深 い 写 真 で す
ね。 お 月 見 を し な が ら お 団 子 や お
酒を頂くのはいかがでしょうか。
仁 美 お 香 は 最 近 女 性 の 間 で も 流
行 し て い ま す。 取 り 入 れ や す い 香
り も あ り ま す の で、 お 部 屋 に 置 く
だけでも雰囲気が出ますよ。
術、 食 欲 の 秋 い ろ い ろ あ り ま す が、
真理子 天高く馬肥ゆる秋。食べ物
も お い し く 運 動 に も 最 適 で す。 芸
さ ら に こ の『 神 宮 館 九 星 占
い 』 に は、 今 年 の 九 月 か ら の
今年はどんな秋を過ごしますか。
お友達にプレゼントとして喜
活 用 い た だ け ま す。 ご 家 族 や
この機会に習慣にしましょう。
に 一 回 防 災 の 日 に 点 検 す る こ と を、
通 子 防 災 に つ い て は 普 段 あ ま り
考 え た り 準 備 を し な い の で、 一 年
求めいただいてからすぐにご
ば れ る 一 冊 で す。 全 国 の 書 店
4
この季刊紙名の 「 ももとせ 」 は 「 百歳 ( ももとせ )」。当社創業百周年を記念して、この名前をつけ創刊しました。
て嬉しい〜」
「もんめもんめ
界 各 地 に 伝 わ っ て い ま す。 日
す。 ど ち ら に し て も「 あ の 子
ぞれのグループは横に手をつない
てうれしいはないちもんめ」と歌
い な が ら、 足 を 振 り 上 げ て 前 に す
すみます。歌わないグループ②は、
後ろに下がります。
に な っ た 占 い 本 で す。 女 性 向
ま た、 待 望 の 新 刊 本『 神 宮
館九星占い』も発売になりま
ん め 」 と、 歌 い な が ら 足 を 振 り 上
け の 優 し い 雰 囲 気 で、 恋 愛 運
さらに後ろに下がったグループ
② が「 ま け て く や し い は な い ち も
げて前に出ます。①「隣のおばちゃ
バ イ ス と ラ ッ キ ー ア イ テ ム、
運 勢 や、 毎 日 の ひ と こ と ア ド
や仕事運といった各分野別の
ん ち ょ っ と 来 て お く れ 」 ②「 鬼 が
怖くて行かれない」①「お釜かぶっ
て ち ょ っ と 来 て お く れ 」 ②「 お 釜
底 抜 け 行 か れ な い 」 ①「 お 布 団 か
運気の流れをバイオリズムの
ぶってちょっときておくれ」②「お
布団ボロボロ行かれない」とお互
グラフで説明するといったよ
九星占い / 定価 各 525 円
運 勢 が 載 っ て い ま す の で、 お
で解説した本です。
を今までにない分かりやすさ
う な、 ご 自 身 の 本 命 星 の 運 勢
いに歌いながら前に出たり下がっ
た り し ま す。 ① は「 あ の 子 が ほ し
い 」 と 歌 い な が ら 前 に 出 て、 ② は
「あの子じゃわからん」と歌います。
①「この子がほしい」②「この子じゃ
わ か ら ん 」 と 歌 い、 ①「 相 談 し ま
し ょ」 ②「 そ う し ま し ょ」 で、 お
互いのグループがほしい子を決め、
「決まった」といいます。①②の順
に 決 ま っ た 子 の 名 前 を 呼 び、 そ の
子 が 前 に 出 て ジ ャ ン ケ ン を し、 負
けた子が勝った子のグループに入
ります。それをくり返します。
編集後記
高島暦 / 定価 2000 円
遊び方
本 で は、 江 戸 時 代 か ら 庶 民 の
が欲しい〜」の言葉が入りま
す。 遊 び 道 具 を 必 要 と し な い
「うまのめ」
で、どちらかのグループ①が「かっ
遊びとして普及しました。
手軽な遊びです。
「あみ」
遊び方
二人以上でする遊びもあります
が、 こ こ で は「 一 人 あ や と り 」 の
一 部 を 紹 介 し ま す。 ひ も は、 毛 糸
が使いやすいようです。
はじめに両手の親指と小指にひ
も を か け、 中 指 で 反 対 側 の 親 指 と
小指のひもをすくった状態をつく
イラスト/下田麻美
「つづみ」
ります。(「やま」)次に親指以外の
指で手前の糸を向こう側にします。
親 指 で 手 前 の 二 本 を と り、 人 差 し
指 に か か っ た 糸 を 外 し、 隣 の 糸 を
と り、 小 指 に か か っ た 糸 を 外 し、
手前の糸を向こう側にして「かわ」
を つ く り ま す。 そ の 後 は、「 あ み 」
「うまのめ」
「つづみ」
「ふね」
「やま」
にもどります。
「かわ」
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