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高精度(±1℃)の温度センサによる システム性能と信頼性の向上

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高精度(±1℃)の温度センサによる システム性能と信頼性の向上
2013 年 1 月
こ の 号 の 内 容
コールド・クランクやロード・ダンプに
シームレスに対応する入力電圧範囲
2.7V ∼ 40V のモノリシック昇降圧
DC/DC コンバータ 9
第 22 期第 4 号
高精度(±1℃)の温度センサによる
システム性能と信頼性の向上
Christoph Schwoerer、Gerd Trampitsch
±4.75V ∼ ±70V で動作する高精度
モノリシック・オペアンプ
14
2
ノイズの多い大規模な I C システム設
計をバス・バッファで簡略化 17
高性能、高密度実装のシステムが増えてくるにつれて、熱の問題をどのように処
理するかがこれまでになく重要になってきました。多くのシステムでは、冷却シス
テムの能力が全体の性能の向上を大きく制約するようになってきています。通常
の冷却用部品、たとえば場所を取るヒートシンク、電力を消費し、騒音を発生する
(あるいは静かだが高価な ) ファンによって、高密度実装システムのサイズ削減
が思うように進められないことが多くなっています。システ
ムの性能を最大限に上げ、必要以上の冷却を避けつつも
電子機器の安全性を確保するための最善の方法は、シス
テム全体を通じた正確な温度監視を行うことです。
このことを念頭に置いて、リニアテクノロジーは、システム全体に容易に展開できる
高精度温度モニタ・ファミリを開発しました。このファミリのラインナップは以下の
とおりです。
• LTC®2997 は、デバイス自体の温度または外付けダイオードの温度を正確に測
定します。
• LTC2996 は、測定した温度を上限、下限のしきい値と比べ、オープンドレイン
のアラート出力を介して異常の発生を伝える機能を追加しています。
• LTC2995 は、LTC2996 と 2 つの電源電圧モニタを組み合わせることにより、
温度の測定、しきい値と温度の比較、さらに 2 つの電源電圧の監視が可能です。
(2 ページへ続く)
『Analog Circuit Design, Volume 2』、現在販売中。3 ページ参照。
www.linear-tech.co.jp
この号の内容
COVER STORY
高精度(±1℃)の温度センサによる
システム性能と信頼性の向上
Christoph Schwoerer、Gerd Trampitsch
(LTC299x、1 ページからの続き)
1
LTC2997:小型の高精度温度センサ
2mm×3mm の 6 ピン DFN パッケージに収められた LTC2997 は、図 1 に示すように FPGA
DESIGN FEATURES
またはマイクロプロセッサの温度測定に最適です。
コールド・クランクやロード・ダンプにシーム
レスに対応する入力電圧範囲 2.7V ∼ 40V の
モノリシック昇降圧 DC/DC コンバータ
John Canfield
±4.75V∼±70V の範囲で動作し、レール・トゥ・
レールの出力振幅と低入力バイアス電流を特長と
するモノリシック・オペアンプ
Michael B. Anderson
温度測定のために、 LTC2997 は FPGA またはマイクロプロセッサの温度監視用ダイオー
ドに測定用の電流を流し、ダイオードの温度に応じた電圧を VPTAT 端子に出力します。
9
ダイオードを用いた場合の測定誤差は、0℃∼ 100℃および 40℃∼ 125℃という広い温度範
14
2
ノイズの多い大規模な I C システムの設計を
バス・バッファで簡略化
Rajesh Venugopal
LTC2997 は VREF 端子から 1.8V の基準電圧も出力します。これは、FPGA またはマイクロ
プロセッサに内蔵された A/D コンバータの基準電圧として使用できます。外部の温度監視用
囲で、それぞれ ±1 ℃および ±1.5 ℃以下であることが保証されています。標準的な温度測
定誤差は、図 2 に示すように良好です。
また、 D+ ピンを VCC ピンに接続すれば、 LTC2997 に内蔵したダイオードを温度センサとし
17
て使用することができます。VPTAT の電圧には 4mV/K の勾配があり、 3.5ms ごとに更新さ
れます。
理想ダイオードおよびホットスワップ・コントロー
ラによる電源の二重化と障害状態の切り分け
Chew Lye Huat
24
Gabino Alonso
電流および温度モニタ機能を備えた 20V、
2.5A 同期整流式モノリシック降圧レギュレータ
K. Bassett
大電流電源における正確なマルチフェーズ
電流分担を実現するサブ・ミリオーム DCR
電流センス
Muthu Subramanian Tuan Nguyen Theo Phillips
パワーシステムマネージメント機能を備えた
高性能、単相 DC/DC コントローラ
LTC2997 は、複数のテスト用電流を流してダイオードの電圧を測定し、それらの結果からプ
ロセス依存の誤差や直列抵抗による誤差を取り除くことにより、見事な高精度を実現します。
DESIGN IDEAS
LTspice IV の最新情報
動作原理
ダイオードに関する等式は、T について次のように解けます。ここで、T はケルビン温度、IS は
30
10–13A 程度のプロセス依存係数、η はダイオードの理想係数、k はボルツマン定数、q は電
子の電荷です。
32
T=
q
VD
•
η • k ln  ID
 I 
S
この等式では、温度と電圧の間に相関があり、プロセス依存変数 IS に依存します。IS の値が同
34
Yi Sun
37
back page circuits
40
じダイオードを 2 つの異なる電流で測定して解くことにより、IS に依存しない式が得られます。
(4 ページへ続く)
図 1.リモート CPU 温度センサ
2.5V TO 5.5V
0.1µF
D+
CPU/
FPGA/
ASIC
2 | 2013年1月: LT Journal of Analog Innovation
VCC
VREF
1.8V
LTC2997
470pF
D–
GND
VPTAT
4mV/K
2mm×3mm の 6 ピン DFN パッケージに収められた LTC2997 は、マイクロプロセッサの温度
監視用ダイオードを用いて FPGA またはマイクロプロセッサの温度を測定するのに最適です。
この構成での測定誤差は、0℃∼ 100℃および 40℃∼ 125℃という広い温度範囲で、それぞれ
±1℃および ±1.5℃以下であることが保証されています。
(LTC299x、2 ページからの続き)
自然対数の項の値は 2 つの電流の比率となり、
図 2.温度誤差と温度(リモート・ダイオードと同じ温度の
離れたダイオード・センサの値を読み取るデバ
LTC2997)
イスとして最適です。実際には、最大距離は配
プロセスには依存しません。
3
q
V – VD1
T=
• D2
η •k
 ID2 
ln  
 ID1
量が 1nF より大きくなると、検出電流を変えた際
のセンサ電圧のセトリングに時間がかかり、温
テスト電流での測定電圧を増やす方向に働くの
で測定誤差の要因になります。合成された電圧
は次のとおりです。
TRMT ERROR (°C)
2
外部のダイオードと直列に入る抵抗成分は、各
VD + VERROR = η
線抵抗よりも配線容量によって制限されます。容
TINTERNAL = TREMOTE
度測定誤差が生じます。たとえば、長さ 10m の
1
CAT 6 ケーブルの容量は約 500pF です。
0
多くのリモート・ダイオード・センサとは異なり、
–1
LTC2997 は更新時間が 3.5ms と短く、測定間
–2
定アルゴリズムを備えているので、急速に変化
隔の間の温度変動にも対応できる堅牢な温度測
kT
I 
• ln  D + RS • ID
 I S
q
–3
–50
ここで、RS は直列抵抗成分です。
する温度にも正確に追従します。LTC2997 デ
–25
0
LTC2997 は、キャンセル電圧を差し引くこと
により、センサ信号からこの誤差項を除去しま
す( 図 3a を 参 照 )。抵 抗 抽 出 回 路 は、 1 つ の
追 加 測 定 電 流(I3)を使 用して測 定 経 路の直
列抵抗を求めます。抵抗値が正しく決まると、
VCANCEL は VERROR に等しくなります。これで、
温度 / 電圧コンバータの入力信号には抵抗成分
図 3.直列抵抗のキャンセル
25
50
TA (°C)
75
125
100
バイス全体を氷水につけた直後に沸騰水につけ
た際の LTC2997 の内部センサのステップ応答
を図 4 に示します。
による誤差がなくなりますので、電流 I1 および
I2 を用いてセンサ温度を求めることができます。
温度制御ループに応用した場合、 LTC2997 に
はデジタルの相当品より多くの利点があります。
図 3b に示すように、最大 1kΩ の直列抵抗によっ
応答速度が速いアナログ出力により、デジタル・
て通常発生する温度誤差は 1 ℃未満です。この
システムで要求される複雑さの多くを取り除くこ
ため LTC2997 は、温度管理システムから数 m
とができます。たとえば、75℃に安定化するヒー
a.簡略ブロック図
b.温度誤差と直列抵抗
6
LTC2997
I1, I2
I3
4
ERROR (°C)
2
D+
RSERIES
RESISTANCE
EXTRACTION
CIRCUIT
VERROR
VBE
D–
+
–
VCANCEL = VERROR
0
–2
VBE
TEMPERATURE
TO VOLT
CONVERTER
VPTAT
–4
–6
4 | 2013年1月: LT Journal of Analog Innovation
0
200
400
600
800 1000
SERIES RESISTANCE (Ω)
1200
設計特集
温度制御ループに応用した場合、LTC2997 にはデジタルの相当品より
多くの利点があります。応答速度が速いアナログ出力により、デジタル・
システムで要求される複雑さの多くを取り除くことができます。
図 4.LTC2997 の内部センサの熱ステップ応答
MEASURE TEMPERATURE AND SET
TARGET TEMPERATURE WITH
RESISTIVE DIVIDER
INTEGRATE
TEMPERATURE
ERROR
PWM
OSCILLATOR
5V
125
100µF
LTC2997 CONNECTED VIA 5 INCH
30AWG WRAPPING WIRES
100
0.1µF
VPTAT (°C)
75
VCC
VPTAT
D–
AIR
–50
0
1
GND
4
200k
ZXM64PO35
5V
–
100k
+
VREF
+
22k
BOILING
WATER
3
2
TIME (s)
–
LTC6079
0
ICE
–25 WATER
1k
LTC2997
470pF
25
100pF
10M
D+
50
10M
VTARGET
75k
VREF
100k
LTC6079
CET 3904
1M
10Ω
RHEATER
5
ターに組み込まれた LTC2997 を図 5 に示しま
図 5.75℃のアナログ PWM ヒーター・コントローラ
す。この用途では、基準電圧出力と分圧抵抗を
0.1µF
用いて 1.392V (= [75 + 273.15]K • 4mV/K)
の目標電圧を生成しています。
150k
2.5V TO 5.5V
0.1µF
初段のマイクロパワー・レール・トゥ・レール・
D+
アンプ(LTC6079)は、LTC2997 の VPTAT 出
VCC
5V
VREF
1.8V
LTC2997
力と目標電圧の差を積分します。積分誤差信号
D–
は PWM 発振器によってパルス幅変調信号に変
VPTAT
4mV/K
100k
1k
GND
換され、この信号が PMOS のスイッチを駆動し
–
(図 7)冷接点補償付きの熱電対温度計(図 8)
7
LTC1150
1
+ 4
62k
10mV/°C
0V AT 0°C
1µF
143k
–5V
て、加熱用抵抗に流れる電流を制御します。
LTC2997 は、摂氏温度計(図 6)、華氏温度計
1.8k
図 6.摂氏温度計
を始め、正確で高速な温度測定が要求される、
0.1µF
あらゆるアプリケーションで使用することができ
ます。
255k
2.5V TO 5.5V
0.1µF
D+
VCC
VREF
1.8V
LTC2997
D–
VPTAT
GND
4mV/K
100k
5V
270k
–
7
LTC1150
1
+ 4
62k
10mV/°F
0V AT 0°F
1µF
–5V
図 7.華氏温度計
2013年1月: LT Journal of Analog Innovation | 5
多くのリモート・ダイオード・センサとは異なり、LTC2997 は更新時間が
3.5ms と短く、測定間隔の間の温度変動にも対応できる堅牢な温度測定
アルゴリズムを備えているので、急速に変化する温度にも正確に追従します。
LTC2996 温度モニタ
5V
LTC2996 では LTC2997 にしきい値入力 VTH
+
OUT = 4mV/K
LTC6078
TYPE K
THERMOCOUPLE
–
1.3k
127k
5V
10k
い値と VPTAT とを常に比較します。図 9 に示す
ように、しきい値の電圧は内蔵の基準電圧に分
5.6pF
0.1µF
VCC
D+
圧抵抗を接続することにより簡単に設定できま
VPTAT
す。
LTC2997
D–
GND
および VTL が追加されており、高温異常(OT)
または低温異常(UT)を検出するために、しき
図 9 のリモート・ダイオードの温度が 70℃より高
VREF
くなると、 VPTAT ピンの電圧は VTH ピンの高
温しきい値を超えます。LTC2996 はこの温度
超過状態を検出し、OT ピンを L にすることに
より、温度制御システムにアラートを通知します。
図 8.冷接点補償付きの熱電対温度計
同様に、温度が -20 ℃より低くなると、 UT ピン
を介して通知します。LTC2996 は、温度が対応
するしきい値を超える状況が、 3.5ms ごとの更
2.25V TO 5.5V
0.1µF
1.8V
VCC
VREF
43k
OT
LTC2996
UT
VTH
36k
VPTAT
VTL
102k
新間隔換算で連続 5 回に達すると、オープンド
OT T > 70°C
UT T < –20°C
TEMPERATURE
CONTROL
SYSTEM
ので、多くのアプリケーションでは外付け抵抗は
不要です。
470pF
図 9.温度超過しきい値と温度低下しきい値を備えた
GND
ピンおよび UT ピンには、VCC ピンとの間に弱
い 400k の内部プルアップ抵抗が内蔵されてる
4mV/K
D+
リモート温度モニタ
レインのアラート出力をプルダウンします。OT
MMBT3904
図 10 に示すように、 LTC2996 を使用して、電
D–
池など異常な温度に弱いデバイスを、決められ
た範囲内の温度に維持するヒステリシス制御を
実現できます。
5V
1.8V
30.9k
40.2k
VREF
1.09V
1.49V
VCC
このアプリケーションでは、低温側しきい値が
0.1µF
10Ω
RHEATER
VPTAT
LTC2996
VTH
OT
VTL
D+
HIGH IF T < 0°C
MMBT3904
B6015L12F
極的に利用したものです。この設定では、温度
470pF
が決められた範囲内に収まっている間は、UTと
D–
UT
きい値は 0 ℃に設定されています。この設定は
一見すると上下逆のようですが、しきい値を超え
IRF3708
ると OT および UT がプルダウンされることを積
110k
GND
100 ℃に設定されているのに対して、高温側し
HIGH IF T < 100°C
2N7000
OT の両方が NMOS のゲートをプルダウンする
ことにより、加熱用抵抗および冷却ファンはオフ
になります。温度が 100℃を超えると、低温側の
図 10.バンバン・コントローラによる 0℃∼100℃の温度の維持
6 | 2013年1月: LT Journal of Analog Innovation
設計特集
LTC2996 では LTC2997 にしきい値入力 VTH および VTL が
追加されており、高温異常(OT)または低温異常(UT)を検出
するために、しきい値と VPTAT とを常に比較します。
実際、電池を積み重ねて直列に接続した場合、
いずれかの電池の温度が目的の動作範囲から
外れたかどうかをモニタするのに必要な追加の
2.25V TO 5.5V
0.1µF
VCC
VREF
D+
LTC2996
OT
43.2k
VTH
UT
VTL
VPTAT
BATTERY
SUPERVISOR
10k
TALERT
INT
力)追加すれば十分です。
D–
GND
LOW IF TEMPERATURE
OF ANY CELL
TCELL > 70°C
OR
TCELL < 0°C
温度モニタとデュアル電圧モニタ / スーパーバイザ
を兼ね備えた LTC2995
ほぼすべての電子システムでは、温度モニタに
加えて複数の電源の電圧監視が要求されます。
この要求を満たすため、LTC2995 は LTC2996
とデュアル電圧スーパーバイザを組み合わせ
0.1µF
VCC
VREF
て、図 12 に示すように 2 本の電源ラインの過電
D+
LTC2996
圧状態および低電圧状態をモニタします。
OT
43.2k
VTH
UT
VTL
VPTAT
LTC2995 にはチャネルごとに 2 つの高電圧入
力および低電圧入力が増設されており、これら
28k
110k
子電圧が 2.25V ∼ 5.5V のバッテリ、たとえばリ
チウムイオン電池をモニタする場合は、各電池
の温度を監視するのに配線を 1 本(アラート出
28k
110k
配線はわずか 3 本(VCC、GND、およびアラー
ト出力)に過ぎません。電池を並列に接続し、端
GND
は 500mV の内部リファレンスと常に比較され
D–
ます。VH1 または VH2 の い ず れ か の 電 圧 が
500mV より低くなると、LTC2995 は UV 出力
ピンを L にすることにより、低電圧状態を警告
します。同様に、VL1 または VL2 のいずれかの
図 11.バッテリ・スタック内の
電池の温度の監視
電圧が 500mV より高くなると、 OV ピンを L
にすることによって過電圧状態を示します。
モニタしている電源電圧のノイズによる不必要
なリセットを防止するため、LTC2995 のロー
パス・フィルタは、UV または OV をアサートす
オープンドレイン出力 UT が内部プルアップによ
する目的にも使用できます。損傷した電池、短
りNMOS のゲートを駆動し、ファンがオンにな
絡した電池、または使い古した電池は発熱する
ります。同様に、温度が 0℃より下がるとヒーター
場合があり、最悪の場合は発火することがありま
がオンになります。
す。LTC2996 は、図 11 に示すように、追加の
バッテリ関連では、LTC2996 はいくつかの異な
る電池で構成された大型バッテリの温度を監視
配線を最小限に抑えながら各電池の温度を個
別に監視します。
る前にコンパレータの出力を時間積分していま
す。コンパレータが出力ロジックを作動させるた
めには、コンパレータに入力されるトランジェン
トが十分に大きく、ある程度の時間継続する必
要があります。さらに、LTC2995 には、すべて
のフォルトが解消された後、UV および OV のア
サート状態を保持するための調整可能なタイム
2013年1月: LT Journal of Analog Innovation | 7
モニタしている電源電圧のノイズによる不必要なリセットを防止するため、LTC2995 の
ローパス・フィルタは、UV または OV をアサートする前にコンパレータの出力を時間
積分しています。コンパレータが出力ロジックを作動させるためには、コンパレータに
入力されるトランジェントが十分に大きく、ある程度の時間継続する必要があります。
アウト期間(tUOTO)があります。この遅延により、
にすると、LTC2995 は「ピンポン」モードになり、
まとめ
周波数が 1/tUOTO を超えるノイズの影響が最小
内部ダイオードと外付けダイオードの測定を約
リニアテクノロジーの高精度温度センサ / モニタ
限に抑えられます。さまざまなアプリケーション
20ms の周期で交互に行うようになります。
に対応するために TMR ピンとグランドの間にコ
ンデンサ(CTMR)を接続することによってタイ
ムアウト期間(tUOTO)の調整が可能です。
LTC2995 は、LTC2997 や LTC2996 よりも柔
の新ファミリは、内部ダイオードまたは外付けダ
イオードをセンサとして使用して、測定した温度
最後に、LTC2995 は極性選択(PS)ピンを使用
に比例するアナログ出力を発生することができ
して、2 つの温度しきい値を両方とも超過温度
ます。このファミリは、小型の温度センサから、
の制限値または両方とも低下温度の制限値に設
範囲外の状態を通知できる複合型の温度およ
定できます。この機能により、システムは温度の
軟性の高い温度測定機能およびモニタ機能を備
変化のレベルに合わせて対応することができま
えています。後者のデバイスは、外付けダイオー
す。たとえば図 12 に示すように、温度が 75℃よ
ドが接続されると必ず外部モードに切り替わる
り高くなったら(たとえばファンをオンに切り替え
ので、D+ を VCC に接続して内部ダイオードを測
るために)注意の信号を受け取り、 125℃より高
びデュアル電圧スーパーバイザに及んでいます。
これらのデバイスを用いることにより、複雑さを
最小限に抑えつつ、アナログ温度制御ループの
構築や、温度(および電圧)のモニタを簡単に行
定する必要がありますが、LTC2995 にはダイ
くなったら(システムをオフに切り替えるために)
オード選択(DS)ピンが追加されているので、動
アラートを受け取るようにすることなどが考えら
作中に内部ダイオードと外付けダイオードを切り
れます。
うことができます。n
替えることができます。DS ピンをフロートのまま
図 12.±10% のデュアル OV/UV 電源と 75℃ /125℃の OT/OTリモート温度モニタ
ASIC/
CPU/
FPGA
2.5V
1.2V
D+
470pF
VCC
0.1µF
D–
PS
DS
64.4k
VH1
LTC2995
10.2k
デジタル出力が必要なら
LTC2990 および LTC2991 は、デジタルの I2C
出力および制御だけでなく、電圧および電流
の監視機能も備えています。詳細については、
www.linear-tech.co.jp/2990 または
www.linear-tech.co.jp/2991 をご覧ください。
8 | 2013年1月: LT Journal of Analog Innovation
VPTAT
VL1
45.3k
TO2
194k
TO1
VH2
OV
10.2k
UV
VL2
45.3k
TMR
GND
5nF
140k
VT1
VT2
20k
VREF
20k
A/D
OT T > 125°C
OT T > 75°C
+10%
–10%
Fly UP