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Infiniiumシリーズ・オシロスコープ用
Agilent EZJIT/EZJIT Plusジッタ解析ソフトウェア (Infiniiumシリーズ・オシロスコープ用) Data Sheet 今日の高速デジタル・システムでは、 エッジ速度が高速化し、データ有効 ウィンドウが短くなっているため、 信号ジッタを解析してデザインの信 頼性を高めることが極めて重要にな っています。AgilentのEZJITジッタ 解析ソフトウェアは、Infiniium 8000、 54850、DSO80000シリーズ・オシロ スコープと組み合わせて、ジッタ成 分を特定し、定量化することができ ます。またジッタとリアルタイム信 号を時間相関させることにより、ジ ッタ成分をトレースして原因を特定 することもできます。 図1. N5400Aは、ジッタを容易に解析できるように複数のビューを表示するだけでなく、コンプ ライアンス・テスト用にジッタを正確にサブ成分に分離できます。 ジッタ解析を最適化するEZJIT Plus ソフトウェアの特長: • 低周波ジッタを捕捉するためにロ ングメモリを利用可能 • 使いやすいジッタ測定 • RJ、DJ、PJ、DDJ、ISIジッタ・サ ブ成分への分離 • 繰り返しまたは任意データ波形の 測定 • 低BERでのTJ評価 • 一定の周波数またはPLLクロッ ク・リカバリ • DDJ対ビット、ヒストグラム、バ スタブ曲線のグラフィカル表示 • リアルタイム測定トレンド、ヒス トグラム、スペクトラム表示 ジッタ解析を容易に EZJITジッタ解析ソフトウェアのウィ ザードを使用すると、Infiniiumオシ ロスコープの設定が簡単に行えます。 時間相関されたジッタ・トレンドと 信号波形表示により、ジッタと信号 との関係がよりクリアに表示されま す。また、わかりやすいディスプレ イと情報のラベル付けにより、測定 結果を容易に理解できます。 図2. EZJITウィザードにより、ジッタ測定が簡単に行えます。 図3. セットアップ・ウィザードに従って、測定のしきい値、ヒストグラム、ジッタ・トレンド、スペクトラム表示を選択します。 2 パラメトリック解析 ジッタ解析ソフトウェアでは、以下 のパラメトリック測定ができます。 シングル・ソース • 周期 • 周波数 • 正のパルス幅 • 負のパルス幅 • デューティ・サイクル • 立ち上がり時間 • 立ち下がり時間 デュアル・ソース • セットアップ時間 • ホールド時間 • 位相 図4. パラメトリック解析によりジッタ成分を解明できます。 クロック • タイム・インターバル・エラー (TIE) • サイクル間ジッタ • Nサイクル・ジッタ • サイクル間の+幅 • サイクル間の−幅 • サイクル間デューティ・サイクル データ • タイム・インターバル・エラー (TIE) • データ・レート • ユニット・インターバル 3 リアルタイム・トレンド、ヒスト グラム、スペクトラム表示 測定データのトレンド表示 (図5) では、 信号波形データとジッタ・トレンド表 示を時間相関させて表示し、ジッタ とシンボル間干渉(ISI)などの関係を 容易に理解できます。 波形データ 波形データと時間相関されたジッタ・ トレンド表示 図5. 信号波形データとトレンド表示を時間相関でき、ジッタと信号条件との関係を容易に理解できます。 4 ヒストグラム表示(図6)は、測定パラ メータの相対頻度をプロットしたも のです。ヒストグラムは、ジッタの 統計的な性質を明らかにします。例 えば、図6に示すヒストグラムはガウ ス関数の形状に似ていますが、これ はランダム・ノイズがこのジッタの 主原因であることを示しています。 図6. ヒストグラム表示は、測定パラメータの相対頻度をプロットして、ジッタの統計 的な性質を示します。 スペクトラム表示(図7)は、ジッタの スペクトラム成分を示します。スペ クトラム表示は、周波数成分からジ ッタの原因を特定するのに便利です。 例えば、スイッチング周波数が33 kHzのスイッチング電源がジッタを注 入しているのではないかと疑われる 場合は、ジッタ・スペクトルから33 kHzのピークを調べることにより、そ の仮説を検証できます。 図7. スペクトラム表示は、ジッタのスペクトラム成分を示すものであり、周波数成 分からジッタの原因を特定するのに便利です。 5 柔軟なクロック・リカバリ データ遷移の時間を測定する場合は、 一定の周波数、フェーズ・ロック・ ループ(PLL)のクロック・リカバリ、 別の入力チャネルなどのクロックを 使用します。PLLのクロック・リカ バリを使用すると、データ・レート およびループ帯域幅を調整すること ができます。 多くの規格では、スペクトラム拡散 クロック方式を使用して、EMIやRFI が特定の周波数に集中しないように しています。スペクトラム拡散クロ ック方式は、単純にクロック周波数 をFM変調したものであり、通常変調 周波数はクロック周波数よりかなり 低い周波数です。レシーバ・ハード ウェア内のPLLの帯域幅により、ク ロック周波数のゆっくりとした変化 をトラッキングしながら、より速い 変化を測定することができます。 PLLなし オシロスコープのクロック・リカバ リ・ソフトウェアは、レシーバで発 生したジッタを表示するために、ク ロック・リカバリ回路のPLLの動作 をエミュレートする必要があります。 図8の上図には、33 kHzで変調された 2.5 Gb/s信号(上部の黄色のトレース) が表示されています。下の紫色のト レースは、ジッタ・トレンドです。 ここでは、33 kHzののこぎり波変調 がはっきりとわかります。 適切な帯域幅でPLLをエミュレート するように設定されたオシロスコー プのクロック・リカバリ・ソフトウ ェアを使用することにより、オシロ スコープはレシーバが受信する信号 を表示します。図8の下のスクリーン に示すように、33 kHzの変調は、ジ ッタ・トレンドから取り除かれてい ます。 PLLあり 収集されたデータの最初の部分は、トレンド表示から消えてい ます。この期間は、PLLがロックするのに必要な期間です。 図8. 一定の周波数またはフェーズ・ロック・ループ(PLL)のクロック・リカバリを選択できま す。PLLクロック・リカバリを使用すると、データ・レート、ループ帯域幅、ダンピング・フ ァクタを調整できます。 6 ジッタ・コンプライアンスのため のRJ/DJ分離 通常ジッタ分離は、クロック・リカ バリ回路にストレスを加えるように デザインされた繰り返し波形を使用 して行います。しかし、マルチベン ダ・チップセットを使用した多くの 組込みデザインでは、ライブ・トラ フィックのテストに制限されます。 EZJIT Plusを使用すると、コンプラ イアンスのためにジッタを解析する 際に周期データや任意データを選択 することができます。任意データ・ モードでは、ISIフィルタ(図9)によ り、捕捉波形のNエッジ離れたそれぞ れの立ち上がりエッジと立ち下がり エッジの間のVictim(影響を受けてい る側)-Aggressor( 影響を与えている 側)の関係が表示されます。すべての 有意な関係を捕捉するのに十分な幅 のフィルタを設定することにより、 ISIの問題を迅速に解析し、RJ/DJパ ラメータを正確に分離して、低BER でTJを評価することができます。 図 9. ISIフィルタは、立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの間の Victim(影響を受けている 側)-Aggressor(影響を与えている側)の関係を示しています。 図10. RJ/DJウィザードにより、ユーザはデータ・パターン・タイプ、TJ BAR計算レベル、クロック・リカバリ・タイプ、ジッタ測定しきい 値を選択できます。 7 低BERでのジッタ分離とジッタ評価 4画面同時表示のジッタ測定結果ディスプレイでは、ジッ タ母集団と分布、繰り返しパターン内のデータ依存ジッタ 対ビット、アイ開口対ビット・エラー・レートを測定する バスタブ曲線プロットなどの複数の表示を行えます。 複合ヒストグラムは、データ依存ジッタ、全ジッタ、ラン ダム・ジッタ、周期ジッタの相対的な寄与を表示します。 全ジッタは、データ依存ジッタの確率密度関数(PDF)と ランダム/周期ジッタのPDFとのコンボリューションで す。 簡易表示は、既存の測定結果タブおよび測定ツールバーを 活用して、EZJIT Plus測定機能をInfiniium表示ウィンド ウに統合します。RJ/DJのグラフィカル表示ウィンドウを 最小化して、電圧対被試験時間波形を表示する場合でも、 ジッタ測定結果タブでジッタ分離結果を見ることができま す。 ウィザードにより、複雑なジッタ測定の設定が簡単になり、 測定のしきい値電圧やクロック・リカバリなどのパラメー タをユーザが完全に制御できるようになります。 8 ロングメモリによる低周波ジッタ の捕捉 ズのバーストが生じ、PLLが除去で きない場合があります。 ロングメモリは、ジッタ解析で特に 有用です。ジッタ解析には、Agilent 54850シリーズではオプションの1 M メモリ(2 Gサンプル/s以下のサンプ リング・レートでは32 M)を推奨しま す 。 20 Gサ ン プ ル /sの サ ン プ リ ン グ・レートと2.5 Gb/sの入力データ・ レートでは、1 Mメモリで、最低20 kHzのジッタ周波数成分を捕捉できま す。Infiniium 8000シリーズでは、4 Gサンプル/sのサンプリング・レート で、最低312 Hzのジッタ周波数成分 を捕捉できます。 図11に例を示します。上部の黄色の トレースは、シリアル・データ信号 です。真ん中の緑のトレースは、デ ータ信号で短期間のジッタのバース トを生じさせている非相関アグレッ サ信号を示しています。下部の紫の トレースはシリアル・データ信号か ら導出されたジッタ・トレンド信号 を示しています。真ん中の緑のアグ レッサ信号の各遷移と一致するタイ ミング・エラーのバーストが見える はずです。 その他のジッタ解析サポート Rj/Dj分離やバスタブ曲線の作成など のジッタ解析機能については、 N5400A EZJIT Plusジッタ解析を用意 しております。 低周波ジッタの測定が必要ない場合 もあります。例えば、ほとんどのシ リアル・データ・レシーバのクロッ ク・リカバリPLLは、比較的低周波 数のジッタを非常に効果的に除去で きます。ただし、低い繰り返しレー トでイベントが発生した場合は、よ り高い周波数でのジッタまたはノイ シリアル・データ信号 アグレッサ信号と疑われるもの タイム・インターバル・エラーのトレンド アグレッサ信号の立ち上がりエッジと時間 的に対応している高周波ジッタのバースト に注目してください。 図11. ほとんどのシリアル・データ・レシーバのクロック・リカバリPLLは、低周波ジッタを除去します。ただし、 低周波で発生するイベント(真ん中の緑のトレース)が、高周波を含むジッタのバーストの原因となる場合があり ます(下部の紫のトレース)。 9 使用できるオシロスコープ EZJIT/EZJIT Plusジッタ解析ソフトウ ェアは、オペレーティング・ソフトウ ェアのバージョンがA.03.90以上の Agilent54850およびDSO80000シリー ズ・オシロスコープで使用できます。 E2681A EZJITジッタ解析ソフトウェ アもオペレーティング・ソフトウェア のバージョンがA.03.15以上のAgilent DSO/MSO 8000シリーズ・オシロスコ ープで使用できます。 以下の表は、一般的に使用される 様々なデータ・レートでの最適なオ シロスコープの選択肢を示したもの です。 推奨 オシロスコープ オシロスコープ 帯域幅 利用できる 最大収集メモリ タイム・インターバル・ エラー・ジッタ測定の ノイズ・フロア データ・レート テクノロジー 250 Mb/s GbE(4x250 Mb/s) DSO8104A DSO8064A MSO8104A DSO8604A 600 MHz 16 Mサンプル 7 ps RMS 333 Mb/s DDR DSO8104A DSO8064A MSO8104A DSO8604A 600 MHz 16 Mサンプル 7 ps RMS 533 Mb/s DDR DSO8104A MSO8104A 1 GHz 16 Mサンプル 5 ps RMS 1 Gb/s ファイバ・ チャネル1063 54854A 4 GHz 1 Mサンプル 1.8 ps RMS RapidIO 1.5 Gb/s シリアルATA 54855A 6 GHz 1 Mサンプル 1.4 ps RMS 2 Gb/s ファイバ・ チャネル2125 54855A 6 GHz 1 Mサンプル 1.4 ps RMS 2.5 Gb/s PCI Express RapidIO 54855A 6 GHz 1 Mサンプル 1.4 ps RMS 3 Gb/s SATA II SAS DSO81004A 10 GHz 2 Mサンプル 1 ps RMS 3.125 Gb/s XAUI(4x3.125 Gb/s) DSO81004A 10 GHz 2 Mサンプル 1 ps RMS 4.0 Gb/s ファイバ・ チャネル4250 DSO81204A DSO81304A 12 GHz 13 GHz 2 Mサンプル 0.8 ps RMS 4.8 Gb/s Fully Buffered DIMM DSO81304A 13 GHz 2 Mサンプル 0.8 ps RMS 5.0 Gb/s PCI Express II DSO81304A 13 GHz 2 M サンプル 0.8 ps RMS 10 表示ツール ジッタ・デバッグ・ビュー 測定トレンド ヒストグラム テキスト ジッタ変調スペクトラム マルチ収集 ジッタ・コンプライアンス・ビュー リアルタイム・アイ バスタブ曲線 DDJ対ビット・プロット 複合ヒストグラム TJヒストグラム RJ/PJヒストグラム RJ/PJスペクトラム(DDJ除去) ジッタ/タイミング測定 クロック測定 周期 パルス幅(+、−、両方) 周波数 デューティ・サイクル(+、−) 差動交差電圧(+、−、両方) タイム・インターバル・エラー サイクル間ジッタ Nサイクル・ジッタ サイクル間の+/−幅 サイクル間デューティ・サイクル データ測定 タイム・インターバル・エラー データ・レート ユニット・インターバル イベント数による サイズによる パルス幅ジッタ E2681A EZJIT N5400A EZJIT Plus E2690A Advanced √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ * * √ √ √ √ √ √ √ √ √ E2681A EZJIT N5400A EZJIT Plus E2690A Advanced √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ √ 遅延測定 セットアップ/ホールド 位相 ユーザ定義 √ √ √ √ √ √ √ エッジ・レート測定 立ち上がり/立ち下がり時間 差動立ち上がり時間解析 √ √ √ √ コンプライアンス・テスト測定 E2681A EZJIT N5400A EZJIT Plus E2690A Advanced √ √ √ √ √ √ √ √ 全ジッタの分離成分 ランダム・ジッタ(RJ) デターミニスティック・ジッタ(DJ) 周期ジッタ(PJ) データ依存ジッタ(DDJ) シンボル間干渉(ISI) デューティ・サイクル歪み(DCD) 全ジッタの評価 BER範囲 パターン長さの制限 周期モード 任意モード *** √ *** √ √ √ 10−18 10−20 212** − − * E2688Aシリアル・データ解析ソフトウェアが必要です。 ** PJの測定確度を高めるために収集あたり32パターンの繰り返しが推奨されます。128回の繰り返しで確度が最高になります。 *** これらの項目は直接計算されたのではなく、他の値から導出されたものです。 11 アジレント・テクノロジー株式会社 オーダ情報 本社〒192-8510 東京都八王子市高倉町9-1 オシロスコープとともにEZJITジッタ 解析ソフトウェアをご注文になる場 合は、以下の表に示すオプションを ご注文ください。 計測お客様窓口 受付時間 9:00-19:00(土・日・祭日を除く) FAX 、E-mail 、Web は 24 時 間 受 け 付 け て い ま す 。 オプション番号 オシロスコープ EZJIT EZJIT Plus 概要 DSO80000シリーズ 002 004 Infiniium DSO80000オシロスコープ用の EZJITおよびEZJIT Plusジッタ解析ソフト ウェア(工場でインストール) 54850シリーズ 002 004 002 - Email Infiniium 8000シリーズ用の EZJITジッタ解析ソフトウェア (工場でインストール) [email protected] 電子計測ホームページ www.agilent.co.jp/find/tm Infiniium 5485XAオシロスコープ用の EZJITおよびEZJIT Plusジッタ解析ソフト ウェア(工場でインストール) DSO8000シリーズ TEL ■■ 0120-421-345 (0426-56-7832) FAX ■■ 0120-421-678 (0426-56-7840) ● 記載事項は変更になる場合があります。 ご発注の際はご確認ください。 Copyright 2006 アジレント・テクノロジー株式会社 既存のオシロスコープ用のEZJITジッ タ解析ソフトウェアをご注文になる 場合は、以下の製品をご注文くださ い。 Agilent Open www.agilent.co.jp/find/open モデル番号 説明 N5400A 購入済みのInfiniium 5485XAおよびDSO80000シリーズ・オシロスコ ープ用のEZJIT Plusジッタ解析ソフトウェア N5401A EZJITからEZJIT Plusへのアップグレード(Infiniium 5485XAおよび DSO80000シリーズ・オシロスコープ用) E2681A 購入済みのInfiniium 5483XA、5485XA、DSO80000シリーズ・オシ ロスコープ用のEZJITジッタ解析ソフトウェア Agilentは、テスト・システムの接続とプログラ ミングのプロセスを簡素化することにより、電子 製品の設計、検証、製造に携わるエンジニアを支 援します。 Agilentの広範囲のシステム対応測定 器、オープン・インダストリ・ソフトウェア、 PC標準I/O、ワールドワイドのサポートは、テス ト・システムの開発を加速します。 電子計測UPDATE www.agilent.co.jp/find/emailupdates-Japan 関連カタログ Agilentからの最新情報を記載した電子メールを無 料でお送りします。 タイトル 種類 カタログ番号 Infiniium 54850シリーズ・オシロスコープ、 InfiniiMax 1130シリーズ・プローブ Data Sheet 5988-7976JA Infiniium 54800シリーズ・オシロスコープ Data Sheet 5988-3788JA Infiniium 8000シリーズ・オシロスコープ Data Sheet 5988-4241JAJP リアルタイム・ジッタ解析によるジッタ 発生源の検出 Application Note 1448-2 5988-9740JA Agilent Direct www.agilent.co.jp/find/agilentdirect テスト機器ソリューションを迅速に選択し使用で きます。 September 9, 2010 5989-0109JAJP 0000-00DEP