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マーケティング戦略の立て方 - 正岡マーケティング・マネジメント事務所
マーケティング戦略の立て方 正岡マーケティング・マネジメント事務所 正 岡 幹 之 マーケティングとは Kotlerの定義 個人や集団が製品およびサービスを創造し、 提供し、他者と自由に交換することによって、 自分が必要とし求めているものを手に入れる 社会的プロセスである ニーズに応えて利益を上げること 正岡マーケティング・マネジメント事務所 2 環境分析 -敵を知り己を知らば百戦危うからず(孫子)- 環境分析の構成 統合分析 内部環境分析 外部環境分析 正岡マーケティング・マネジメント事務所 4 内部環境分析 バリューチェーン 事業活動において付加価値が創造される機能 全般管理(インフラストラクチャ) 支 援 活 動 人的資源管理 技術開発 調達活動 購買物流 製造 オペレーション 出荷物流 マーケティング と販売 サービス 主活動 出所:マイケル・E・ポーター(1985) 『競争優位の戦略』 ダイヤモンド社 正岡マーケティング・マネジメント事務所 6 VRIO分析 企業の内部資源が持続的競争優位を 有するための4つの条件 Value:経済価値があること Rarity:稀少性があること Inimitability:模倣されにくいこと Organization:組織化されていること 出所:ジェイ・B・バーニー(2003) 『企業戦略論【上】競争優位の構築と持続』 ダイヤモンド社 正岡マーケティング・マネジメント事務所 7 コア・コンピタンス 競争優位の源泉となる 他社に真似できない核となる能力 顧客に特定の利益を与える 一連のスキルや技術 例:ソニーの軽薄短小化技術 出所:G・ハメル,C・K・プラハラード(1995) 『コア・コンピタンス経営』 日本経済新聞出版社 正岡マーケティング・マネジメント事務所 8 外部環境分析 PEST分析 Political:政治的環境 Economical:経済的環境 GDP・物価・株価・金利 等 Social:社会的環境 法令・規制・税制 等 人口・自然環境・世論 等 Technological:技術的環境 基盤技術の革新・素材の革新 等 正岡マーケティング・マネジメント事務所 10 ファイブ・フォース分析 (業界構造分析) 新規参入の脅威 売り手の交渉力 業者間の 敵対関係 買い手の交渉力 代替製品・サービス の脅威 出所:マイケル・E・ポーター(1995) 『競争の戦略』 ダイヤモンド社 正岡マーケティング・マネジメント事務所 11 ファイブ・フォース分析の詳細 業者間の敵対関係 売り手の交渉力 売り手が少数の企業によって牛耳られている 売り手の製品が買い手の事業にとって重要なものである 売り手にとって買い手の業界が重要ではない 買い手の交渉力 同業者が多いか、似たりよったりの規模の会社がひしめいている 業界の成長が遅い 製品差別化がされていない 買い手が集中していて、売り手の総取引量の大半を購入する 買い手の購入する製品が標準品であるか、または差別化されていない 買い手の取引先を変えるコストが安い 新規参入の脅威 脅威の程度は参入への障壁の高さによって決まる 参入障壁:巨額の投資、規模の経済、製品差別化 他 代替製品・サービスの脅威 既存製品・サービスの機能等を代替しうるものの出現の脅威 正岡マーケティング・マネジメント事務所 12 統合分析 Customer 3C分析 Competitor Customer:市場(外部環境) 市場規模、市場の成長性、市場ニーズ 等 Competitor:競合(外部環境) Company 売上高、市場シェア、ブランドイメージ、技術力、組織力 等 Company:自社(内部環境) 売上高、市場シェア、ブランドイメージ、技術力、組織力 等 出所:大前研一(1982)『The Mind of the strategist: The art of Japanese business』 McGraw-Hill 正岡マーケティング・マネジメント事務所 14 SWOT分析 強み・弱み 内部環境(経営資源:ヒト・モノ・カネ・情報) 機会・脅威 外部環境(PEST分析/ファイブ・フォース分析) 強 み 弱 Strengths み Weaknesses SWOT 機 会 Opportunities 脅 威 Threats 正岡マーケティング・マネジメント事務所 15 マーケティング戦略の構成 セグメンテーション(Segmentation) ターゲティング(Targeting) ポジショニング(Positioning) マーケティング・ミックス(Marketing Mix) 製品戦略 価格戦略 流通戦略 正岡マーケティング・マネジメント事務所 販売促進戦略 16 セグメンテーション 市場を同質の層に細分化 性別 男性・女性 人口統計的変数 6歳未満・6歳~12歳・13歳~15歳・16歳~19歳・20代・30代・40代・50代・ 年齢 60代・70代・80歳以上 300万未満・300万~500万未満・500万~800万未満・800万~1000万未満・ 所得 1000万以上 社会経済的変数 職業 経営者・管理職・事務職・技術職・作業員・主婦・学生 教育 中卒以下・高校中退・高校卒・大学中退・大学卒・大学院中退・大学院修了 地域 北海道・東北・関東・中部・関西・中国・四国・九州 5000人未満・2万人未満・5万人未満・10万人未満・50万人未満 都市規模 地理的変数 100万人未満・400万人未満・400万人以上 人口密度 都会・郊外・地方 気候 太平洋側・日本海側 性格 強圧的・社交的・権威主義的・野心的 心理的変数 ライフスタイル 保守的・革新的 アウトドア派・インドア派 使用頻度 少量使用者・中程度使用者・多量使用者 行動的変数 使用状態 非使用者・旧使用者・潜在的使用者・初回使用者・定期的使用者 正岡マーケティング・マネジメント事務所 17 ターゲティング 細分化した市場から標的市場を選定 選定の主な判断基準 採算が見込める市場規模があり今後も成長が見込める 自社の経営資源における強みが活かせる 競争が無いまたは勝てる A市場 B市場 細分化 C市場 B市場 D市場 正岡マーケティング・マネジメント事務所 18 ポジショニング 競合他社とは異なる魅力的なポジションに 自社製品を位置付け 高 価格 Ⅱ Ⅰ 保守的 革新的 Ⅲ Ⅳ 低 正岡マーケティング・マネジメント事務所 19 製品戦略① アイデアの 創 出 経済性分析 アイデア・ コンセプト スクリーニング 開発とテスト 製品化 テスト・ マーケティング 正岡マーケティング・マネジメント事務所 マーケティング 戦略の開発 市場導入 20 製品戦略② アイデア・スクリーニングの基準 企業目標に合致しているか 消費者ニーズを満たしているか 差別化されているか 製品ライフサイクルのどの期にあるのか 製造技術力を有しているか 製品開発費が調達できるか 営業部門が扱えるか 採算がとれるか 社会的・環境的に問題はないか 法的規制にかからないか 正岡マーケティング・マネジメント事務所 21 価格戦略① コスト志向型価格設定 需要志向型価格設定 コストに利益をのせた価格設定 購買者の知覚価値に基づいた価格設定 競争志向型価格設定 競合製品の価格に基づいた価格設定 正岡マーケティング・マネジメント事務所 22 価格戦略② 端数価格 威光価格 慣習価格 段階価格 抱き合わせ価格 キャプティブ価格 上澄み吸収価格 市場浸透価格 正岡マーケティング・マネジメント事務所 23 流通戦略① 主な流通チャネル(消費財) メーカー 消費者 メーカー 小 売 消費者 メーカー 卸 売 小 売 消費者 メーカー 販売会社 小 売 消費者 正岡マーケティング・マネジメント事務所 24 流通戦略② 開放型流通チャネル 販売場所が消費者に近いほど売れる製品 →どこででも買える状況をつくり、市場を広くカバー 選択的流通チャネル 消費頻度がさほど高くなく、ある程度の製品イメー ジの保持が必要な製品 →イメージに適した流通チャネルを選択 排他的流通チャネル 高いブランド・イメージを保つ必要のある製品 →販売権を専属的に与え、流通チャネルを限定 正岡マーケティング・マネジメント事務所 25 販売促進戦略① プッシュ戦略 営業を通じて自社製品を押し出す 製造業者 営業 卸売業者 小売業者 消費者 ビジネスマナーの習得 商品知識の蓄積 業界慣習の理解 名刺・カタログ・サンプル・ プレゼンテーション資料の用意 営業トークのマニュアル化 リテール・サポートの遂行 正岡マーケティング・マネジメント事務所 26 販売促進戦略② プル戦略 広告宣伝を通じて指名買いを引き出す 製造業者 指名注文 卸売業者 指名注文 広告宣伝 小売業者 指名買い 広告宣伝 □自社ホームページ □自社看板 □テレビCM □ラジオCM □新聞広告 □雑誌広告 □インターネット広告 □交通広告 □街頭広告 □折込 消費者 正岡マーケティング・マネジメント事務所 27 販売促進戦略③ 購買や販売の意欲を高める短期的な インセンティブ 主な具体策 対消費者向け サンプル、クーポン、キャッシュバック、プレミアム、 粗品、懸賞、コンテスト、ゲーム、下取り 等 対流通業者向け 対消費者と共通するもの アロウワンス、コンベンション 正岡マーケティング・マネジメント事務所 28 ご清聴有難うございました