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第9回 : 車両運搬車 - 日本自動車車体工業会

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第9回 : 車両運搬車 - 日本自動車車体工業会
 社会に欠かすことのできない車体工業会会員が
製造している多種多様な
「働くクルマたち」
につい
て毎回、車種を選定してその特徴等、日頃は目にし
ないところを含めて紹介していく。
第9回目としてトラック部会の会員が製造している
第9回 : 車両運搬車
「車両運搬車」
の主な車両を紹介する。
1.
主要車種
①単車複数台積車両運搬車
資料提供:細谷車体工業㈱
5台積み車両運搬車(型式名:MAAAG)の特徴・工夫等
多種・多様な商品車を、効率よく最大5台搭載可能な車両運搬
車。長距離配送や、
ディーラー配送など、幅広くオールマイティー
に使用できる。荷台の昇降には、故障の少ない油圧シリンダーを
車両運搬車の今昔
使用し、
電装系トラブル時の対応策として、
手動式非常バルブを装
車両運搬車の誕生と発達は、
日本のモータリゼーションの発展と大きく関わっている。1955年5月に
「国民車構想」
が政府
備。サイドの外枠は、極力柱の数を
から発表されると、
これを機に工場から販売店に新車を運ぶ陸送会社が、全国で誕生した。1955年5月には、
日本で第1号と
減らし、作業者の乗降性を配慮(一
なる車両運搬専用の2階式車両運搬車が製造された(写真参照)。
部、
対応できないシャシあり)
。
1960~1970年代のいざなぎ景気に乗り、乗用車の保有台数が2,000万台を突破する中、車両運搬車製造メーカーも全
国に誕生し(現在は7社)増産体制が整備された。
車両諸元
全長
(mm)
11,990
全高
(mm)
3,700
全幅
(mm)
2,490
最大積載台数
そして、車の保有台数が3,000万台を超えた1975年には、6台積
5
②トレーラ式車両運搬車
のセミトレーラ式車両運搬車も生産されるようになり、さらに、乗用
資料提供:㈱浜名ワークス
亀の子トラクタ+HST110HGTBの特徴・工夫等
車の増産が拡大したバブル期の1986年には、
トラクタの屋根上にも
積載装置を持つ、通称亀の子型トラクタも誕生し大量輸送に応えら
トラクタ上部にも積載可能な亀の子タイプで、
積載効率重視の連結全長17mのフルサイズ・トレーラ。車軸上のフロアを昇
れる体制が整った。
降式とし、
上段中央フロア後部を後ろ側のフロアと独立させて昇降させることが可能。防錆性の高い内スライド式主柱を採用
また、日本製乗用車の海外輸出の増大につれ、工場から港への大
すると同時に、
幅広車の積載作業性に優れたスライド車軸を標準装備。
量輸送対応として、1993年に日本で第1号の連結全長19mの8台
積みセンターアクスル型フルトレーラ式車両運搬車が開発された。
1955年 日本第1号2階式車両運搬車
2011年には、
より大型の乗用車やSUVを効率よく運ぶために、連結
車両積載時の様々な工夫
全長21mまで大型化した新型車も追加され、現在に至っている。
トレーラ式の車載方法の特徴
車両をできるだけ沢山載せるために、
2階部分
のフロアは油圧シリンダーで上下に様々な動き
車両諸元
トラクタ
トレーラ
全長
(mm)
7,100
12,380
全高
(mm)
3,650
3,610
全幅
(mm)
2,490
2,490
連結全長
(mm)
16,950
最大積載台数
7
をさせることができる。中には車両を8台も積載
可能な運搬車もある。
1台積スライド式車両運搬車の誕生
フルトラクタ+HFT202RAの特徴・工夫等
資料提供:㈱花見台自動車
車両諸元
連結全長21mの新規格フルトレーラで、
乗用車8台を積載することが可能。
トラク
大量輸送が要求される一方で、
小口配送及びユーザー納車、
引取り、
故障車
タ下段にはティルトアップスライドフロアを、
トレーラ上段フロアにはスナップ機構を
両の搬送等を目的とした1台積スライド式車両運搬車が、
1972年に開発され、
設け、
幅広い車種の積載を可能とした。また、
トラクタとトレーラの連結部には油圧駆
現在陸送会社、
販売店等の多くのお客様に利用されています。
動の渡り道板を装備。さらに、
衝撃吸収性及び静粛性に優れ、
積載車両にも優しいエ
最大の特徴は車載方法
アサスペンションを標準装備。
フロアを後方へスライドさせて後端を地面まで下げ、車両をスムーズに載
せ降ろしできるようにしたのが最大の特徴。中にはフロアを丸ごと車両後方
へスライドして降ろせるタイプもある。
フルトラクタ フルトレーラ
全長
(mm)
10,870
11,980
全高
(mm)
3,770
3,490
全幅
(mm)
2,490
2,490
連結全長
(mm)
20,930
最大積載台数
8
1972年 1台積車両運搬車
「セフテーローダ」
3.
生産台数
車種 年度
1台積スライド式
セフテーローダ(型式名:SF20AA)の特徴・工夫等
『セフテーローダ』は車両及び各種自走機械、故障
車両の搬送において安全性に優れ、人員の省力化、
時間の短縮、
トラックシャシへの負荷の軽減、荷台の
耐久性などにより効率的な業務の運用に有効。
車両諸元
全長
(mm)
6,860
全高
(mm)
2,170
全幅
(mm)
2,190
2台積以上
セミトレーラ式
フルトレーラ式
計
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2,159
1,545
1,921
2,362
3,036
3,241
3,491
328
118
191
186
297
333
364
60
20
79
153
252
304
307
1
0
2
3
1
9
1
2,548
1,683
2,193
2,704
3,586
3,887
4,163
(単位 : 台)
働くクルマたち
43
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働くクルマたち
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