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避難所運営の手引き

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避難所運営の手引き
連 絡 先
あなたの区の災害対策本部連絡先
区
電話番号
FAX 番号
電話
FAX
電話
FAX
電話
FAX
避難所運営の手引き
避難所の開設は、市が開設する避難所を決定し、施設管理者等の協力を得て行います。
しかし、突発的な災害や大規模な災害では、市職員や施設職員だけでは迅速に避難所
電話
FAX
電話
を開設することができないこともあります。
また、避難所での生活は、急な生活環境の変化により様々な負担を強いられることか
FAX
ら、被災者の気持ちに寄り添った避難所運営を行うためには、地域住民の関わりが大切
になります。
このように、避難所の開設・運営は、市職員や施設職員はもとより、地域住民、自主
鍵保管者
避難所名
鍵の保管者名
連絡先(携帯番号など)
防災組織、ボランティア等の相互協力により行われることが重要になります。
この手引きは、避難所運営に関わる者が共通認識を持ち、円滑に避難所運営を行うた
めの基本的な考えについて記載しています。
この手引きを参考に、住民の年齢層や地理的特徴など、地域の特性にあった避難所運
営について話し合っていただければと思います。
自主運営組織協議会
代表者
氏 名
もくじ
連絡先(携帯番号)
代表者
副代表者
施設管理者
活 動 班
総務班 班長
情報班 班長
生活衛生班………………………… 15
開設準備……………………………… 6
救出・救護班……………………… 16
開設…………………………………… 7
食料物資班………………………… 17
避難所運営のための体制づくり…… 9
避難所の開設準備・開設・運営と
総務班……………………………… 13
各班(活動班)の役割……………… 18
避難所開設までの行動チェック表… 20
安定期以降の運営から撤収まで…… 22
別冊様式集
食料物資班 班長
発行 / 福岡市役所 市民局 防災・危機管理課
福岡市避難所運営の手引き.indd 4-1
安全確認・開錠……………………… 5
代表者・副代表者………………… 12
救出・救護班 班長
この冊子は環境に配慮し、古紙配合率100%の再生紙
及び植物油インキを使用しています
情報班……………………………… 14
各班(活動班)の役割
生活衛生班 班長
平成 27 年 3 月
避難所について……………………… 2
福岡市
禁無断転載Ⓒ東京法規出版
15/03/16 16:59
避難所について
1
4
避難所開設・運営の基本方針
避難所の開設・運営は「行政・地域等」の相互協力により行います。
避難所の目的
避難所の開設は、市が開設する避難所を決定し、施設管
理者等の協力を得て行いますが、突発的な災害や大規模な
避難所は災害で住まいを失ったときや、災害から身を守るときなどに、一時的に避難した被災者
災害では、市職員や施設職員だけでは迅速に避難所を開設
等の生活を支援することを目的としています。
することができないこともあります。また、被災者の気持
ちに寄り添った避難所運営を行うためには、地域住民の関
2
わりが大切になりますので、避難所の開設・運営は、市職員や施設職員はもとより、地域住民、
避難所の種類
自主防災組織、ボランティア等の相互協力により行われることが重要になります。
避難所は、被災者を滞在させるために必要となる適切な規模を有し、速やかに被災者等を受け入
在宅避難者への支援も含め、災害時の地域の支援拠点になります。
れることが可能な構造または設備を有する施設であって、福岡市では、下記のとおり公民館や市立
在宅避難をしている人も含めて、物資の供給や情報の共有等を行います。地域に住むすべて
の小・中・高等学校および県立高等学校等を指定しています。
一時避難所
(188 箇所)
収容避難所
(235 箇所)
の人にとって、生活再建の拠点となるような避難所を目指します。
災害により自宅で生活できなくなった被災者を収容し、一時的に生活する場を提供
する施設で、比較的軽微の災害時に優先して開設します。
避難所生活においては、様々な点に配慮します。
避難所での生活は、通常の生活より不便になります。少しでも快適な生活を送るために、避
●公民館、市民センター、拠点体育館等を指定
●避難者が宿泊することが可能な屋内のスペースがある施設
難した人々がプライバシーや高齢者、障がい者、女性、外国人等に対して様々な点をお互いに
●避難者を収容する場所の面積は、避難者 1 人当たり 2㎡を基準として、50 人以上を収
容できる施設
配慮することが大切です。また、男女を交えた多様な人たちの意見を取り入れましょう。
災害により自宅で生活できなくなった被災者を収容し、一時的に生活する場を提供
する施設で、比較的大規模災害時において多数の被災者が発生したときに開設しま
す。
5
避難所に求められる支援機能
支援分野
●市立小・中・高等学校の体育館等を指定
●避難者を収容する場所の面積は、避難者 1 人当たり 4㎡を基準として、100 人以上を
収容できる施設
安全・生活基盤の提供
●給食設備を有するか、または応急的に給食設備として利用できる施設
※平成 27 年 3 月現在
保健・衛生の確保
3
避難所開設の基準
情報支援
災害の規模が小さく、避難者数が少ないと判断される場合は、一時避難所を優先して開設し、
1
コミュニティ支援
不足する場合に収容避難所を開設します。
原則として、避難所は小学校区単位で定められていますが、災害状況によっては他の小学校区
2
することがあります。
生命・身体の安全確保
❷ 水・食料・物資の提供※
水・食料・衣服・寝具等の提供
❸ 生活場所の提供
就寝・安息の場の提供
最低限の暑さ・寒さ対策
プライバシーの確保
❹ 健康の確保
傷病を治療する援護機能
健康相談等の保健医療機能
❺ 衛生的環境の提供
トイレ・入浴・ごみ処理
❻ 生活支援情報の提供
営業店舗や開業医の情報
❼ 復興支援情報の提供
生活再建・仮設住宅・復興情報
❽ コミュニティの維持・形成支援
避難者同士の励まし合い・助け合い
従来のコミュニティの維持
6
避難所運営に必要なこと
組織づくり、居住組 / 食料、物資の受入、配給 / 部屋割り、名簿の作成 / 自主運営組織協議会
※ 福岡市内において震度 5 弱以上の地震が観測されたときはすべての公民館、小・中学校を避難
所として開設します。
2
福岡市避難所運営の手引き.indd 2-3
❶ 安全の確保
※ 危機回避のために自主避難される方については原則、食料の提供は行いませんので各自で準備して避難するよう
にしましょう。
必要であれば、指定避難所以外の施設についても、施設管理者等の了解を得て、避難所として
3
4
その他、緊急時で指定された避難所を使用できない場合は、最寄りの民間施設等へ使用を要請
内容
※ 各公民館等に備蓄している水・食料等は、大規模地震等により避難所外部からの食料の入手が困難な状況に陥っ
た場合などについては使用が可能です。
の避難所を開設することがあります。
開設する場合もあります。
支援項目
の設置 / 炊き出し、ごみ、風呂、ペット、トイレ / ボランティアの受入 / 取材、問い合わせへの
対応など・・・
3
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7
安全確認・開錠
避難開始から避難所開設までの基本的な流れ
災害が発生した時間帯によって、対応が一部異なります。
突発的な災害や大規模な災害により市が開設できない場合は、地域住民で開設し、避難者を受け入れるため
の準備を協力して進めます。また、施設管理者等がいない場合でも、事前の協議に基づいて進めます。
施設の職員がいる時間帯
指定避難所
1
施設の点検
ill-05
避難所の安全確認
H25×W55
自主運営組織・
避難者
施設管理者・
職員
※ 確認作業はひとりで行わず、複数で実施してください。
施設の安全確認をする人の安全を最優先し、危険が想
定される建物等には近づかず、安全な場所から目視に
安全確認・開錠
より、建物等の外観や周辺、建物等の内部およびトイレ、
ライフライン(電気・ガス・水道等)を確認してください。
避難・避難支援
職員の派遣
●安全確認は基本的に施設の
職員が実施。
福岡市職員
少しでも危険が予測される建物等については、避難所
開設準備
●自主運営組織や避難所担当
職員は、到着時に安全確認
が終了していない場合に支
援。
としての使用は控えてください。
開 設
避難所周辺の確認
火災や津波、河川氾濫、土砂災害による二次災害の危険がないことを確認します。避難所周
運 営
辺で少しでも危険が想定される区域は「立入禁止区域」として、広めに設定し現地で明示して
運営開始
ください。
2
施設の職員がいない時間帯
施設の開錠
災害時、市が開設できない場合は地域住民が協力して避難所を開錠し、開設及び受入準備を進め
指定避難所
ます。原則的には、鍵保管者が避難所にかけつけ、必要な箇所を開錠します。
※鍵保管者の連絡先を、下記に記載しておきましょう。
自主運営組織・
避難者
鍵保管者
避難所名
避難・避難支援
参集
安全確認・開錠
職員の派遣
施設管理者・
職員
連絡先(携帯番号など)
(例)
〇〇小中学校
〇〇小中学校長
〇〇〇 - 〇〇〇 - 〇〇〇〇
(例)
〇〇公民館
〇〇公民館長
〇〇〇 - 〇〇〇 - 〇〇〇〇
開設準備
●開錠は基本的に参集する施
設の職員が行う。
●施設の職員の到着前の開錠
は、事前協議で決めたこと
を基に、鍵の保有者が実施。
開 設
●安全確認も同様。
運 営
運営開始
福岡市職員
4
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鍵の保管者名
5
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開設準備
1
開設
1
機材・物資の確認
避難所運営に必要な主な機材、物資。
● 筆記用具
● 各種名簿(日報など)
● テーブル ・ホワイトボード
● 敷材(シート類) ● ガムテープ
● 照明器具セット(懐中電灯、投光器、ランタン等)
● 延長コード
● シート類 2
● 屋内用仕切り用品 ● その他
居住スペースの区画割
事前に施設管理者等と協議の上で想定した下記レイアウト図を参考に、安全を確認した後、必要
なスペースをレイアウトします。レイアウトにあたっては以下の点に留意しましょう。
受付を設置する
活動しやすいように通路を設定する
● プライバシーに配慮する(男女別更衣室、
物干し場など)
● 情報が行き届くように複数の掲示板や立て
看板を設置する
トイレが使いやすいように要配慮者は通路
側に配置
● 季節によっては給水、暖房器具の設置も必
要 など
●
●
●
避難者の受入
● 受け入れる避難者を町内ごとに受け付けします。その際 避難者名簿(別冊様式集① -2)に必要
事項を記入してもらいます。名簿は避難後の支援の基となるので、名簿への記入を必ず周知し
避難者に協力を求めます。
●「避難者名簿」は、避難所への入所希望者を世帯単位で作成し、世帯ごとに1枚記入してもらい
ます。また帰宅困難者など他の地域からの避難者等はそれぞれ別に受け付けします。また、個
人情報ですので、取り扱いには注意してください。
● ペットについては、動物の毛などによるアレルギーや衛生上の問題が発生するおそれも考えら
れますので、原則居住スペースへの同伴は禁止です。ペットの飼育スペースや飼育方法につい
ては、避難所運営を行っていく上で、決定し
ていきます。 ペット台帳(別冊様式集① -3)
● 居住スペースへ避難者を誘導します。施設の
広いスペースから避難者を収容します。
● 要配慮者(高齢者、障がい者、妊産婦等)は、
トイレに近い場所、食べやすい食事を用意す
るなど心身の状況に応じた生活ができるよう
に配慮が必要です。また、DV 被害者等の避
難者にも配慮が必要です。
レイアウト例(体育館の場合)
避難所にあった施設のレイアウトを事前に決めておきましょう
●
女性
更衣室
男性
更衣室
居住スペース
掲示板
ステージ
高齢者等
優先
スペース
居住スペース
通路
入 口
居住スペース
●
運営に必要な箇所、必要な
スペースを順次割り振り、
利用範囲を明示し避難所
運営の際には掲示板など
に貼り出します。
避難所の安全確認、スペー
ス確保などの準備が整っ
た ら、 避 難 所 を 開 設 し 避
難者を受け入れます。
居住スペース
受付
自主運営組織
協議会本部
2
負傷者・要配慮者の救護
避難所の中に負傷者や病気の方がいるかどうかを確認し、
けがや病気の程度の軽い人に対しては、応急手当を実施します。
避難者の中に医師や看護師などがいれば協力を要請します。医師などがいなければ、災害対策
本部へ連絡し、医療機関等への搬送を手配します。
病気の人、障がいの人など支援を要する避難者は、
家族と一緒の部屋にするなどの準備を行います。
場合によっては、災害対策本部へ連絡し、福祉施設などへの収容を手配する必要があります。
配置図
掲示板
物資スペース
インフルエンザなどの感染症の疑いがある場合は部屋を別にすることも検討が必要です。
負傷者報告リスト(別冊様式集① -4)
※短期避難の場合は最低限のスペース確保を行い、必ずしも上記のようにレイアウトを行う必要はありません。
※車で避難してくる方も考慮し、校庭の解放や受け入れ台数の調整、許可証の発行等についても事前に検討してお
きます。
6
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3
避難所運営のための体制づくり
災害対策本部への報告
● 避難所の開設と避難の状況について、災害対策本部に報告します。その際は 避難所開設状況報
告書(別冊様式集① -1)で報告してください。
● 災害対策本部への報告は、原則として派遣された市職員又は施設管理者が行いますが不在の場
合や、緊急の場合は、地域の代表者などが行います。
● 災害対策本部への報告は避難所に対する支援の基になるので、
可能な限り速やかに行います。
(そ
の際、負傷者や、病気の人、障がいの人等や、避難所及び周辺の状況も併せて報告します。)
● 開設の報告後も、定期的に報告を行います。
避難所生活が長期になる場合は、避難所の生活環境を整えるためのルールづくりや、避難者同士が協力して
避難所の運営を行うための組織づくりなどが必要になります。
1
避難所のルールづくり
災害時という混乱状態のなかで、不特定多数の人が集まり共同生活を送ることになる避難所では、
避難者の負担やストレスが大きくならないよう配慮が必要です。運営に当たって配慮すべき点につ
いて話し合い、必要に応じて避難所のルールを定めて避難者に掲示板で知らせ、理解を求めましょう。
報告例
❶避難所開設の報告 (被害状況によっては、応急危険度判定士の支援要請等)
❷避難者の概算人数(避難者名簿より把握している人数)の報告
❸負傷者等の報告と救護支援要請等
❹備蓄品等の配布状況および過不足状況の報告
❺通信手段、ライフライン状況等の報告
❻各派遣職員の参集状況の報告
❼その他の報告
決めておきたい避難所のルール(例)
●避難所全体のルール
●食料配付のルール・伝達文
●トイレ使用ルール
●ペット飼育のルール
●火気使用のルール
●タバコの場所
●夜間の警備体制について
●飲酒の取り決め など
ルールの掲示例(イメージ)
衛生管理
生活時間
●起床時間:6 時 消灯時間:21 時
●手洗い、うがいを徹底しましょう。
●食料の配給時間 朝… 8 時から
昼… 12 時から
夕… 18 時から
●残飯やごみは分別して所定の場所に廃
棄してください。
●配給や配食は食べられる分だけ貰うよ
うにしましょう。
※食料の配給は居住組単位で行ないます。
●残り物は捨てましょう。
避難所全体
清掃
●「立入禁止」場所には入らないでください。
●居住空間は、各自で清掃します。
●トイレは決められた場所を利用してください。
●通路など避難者全員で使用す
る共用部分は、全員が協力し
合って清掃します。
●喫煙は、定められたスペースのみ可能です。
●靴はポリ袋に入れて運びましょう。
●携帯電話は、マナーモードにするなどしてまわ
りの人への配慮をします。
●トイレは、毎日 9 時と 15 時の
2回、交替で清掃します。
●ペットは指定された場所で飼い主の責任を
もって飼育してください。
※掲示する際は、重要ポイントを赤字やアンダーラインを引くなど工夫しましょう。
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2
自主運営組織協議会の設置
自主運営組織協議会体系
(名称は地域で自由に設定してください)
● 避難者同士が協力して避難所の運営を行うために、
「自主運営組織協議会」を設置します。
● 協議会には、避難所運営の具体的な業務を担う「班」を置きます。
● 避難所運営に様々な意見を反映させるため、女性が協議会へ参加することにも配慮します。
● 避難所運営を円滑に行うため、定期的に会議を開催します。
(最低 1 日1回は開催)
● 避難所運営組織協議会の構成については、日頃から話し合い、避難所運営の訓練もしておきま
しょう。
居住組の編成
(名称は地域で自由に設定してください)
● 避難者のストレスを減らし、安心して避難所生活が送れるよう、避難者をできる限り顔見知り
同士で「組」分けした「居住組」を編成します。
(町内会単位等を目安)
● 各居住組の代表者として「組長」を選任し、必要に応じて自主運営組織協議会の会議に参加し
ます。
活動班の業務
総務班
自主運営組織協議会の運営、
災害対策本部等との連絡・調整、施設の利用管理
情報班
情報収集と情報提供、避難者の把握
生活衛生班
感染症予防、生活衛生環境の管理
救出・救護班
要配慮者への対応、被災者の健康状態管理
食料物資班
食料・物資の調達、管理、配給・炊き出し
●避難者 ( 住民 ) の代表
●施設管理者
3
活動班
災害対策本部など
防災関係機関の支援
● 旅行者、通勤 ・ 通学者、帰宅困難者などは、別途まとめて居住組を編成します。
● 居住組の構成については、日頃から話し合っておきましょう。
自主運営組織協議会の構成名簿は掲示板などに貼りだしましょう
自主運営組織協議会編成名簿(別冊様式集② -1)
自主運営組織協議会
代表者
氏 名
連絡先(携帯番号)
代表者
副代表者
施設管理者
活 動 班
総務班 班長
情報班 班長
生活衛生班 班長
救出・救護班 班長
食料物資班 班長
※自主運営組織協議会には女性も参加するように配慮しましょう。
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福岡市避難所運営の手引き.indd 10-11
11
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各班(活動班)の役割
総 務 班
自主運営組織協議会の連絡調整、外部との窓口、避難所を円滑に運営するための居住スペースの決定、避難
代表者・副代表者
自主運営組織協議会の立ち上げおよび運営
●避難者に自主運営組織協議会の設置について理解してもらい、中心となって活動する班長を選出
させて各班を編成します。
者からの意見や要望の受付など、その役割は多岐に渡ります。
自主運営組織協議会の運営(事務局)
●自主運営組織協議会の事務局として、各班の活動が円滑に進むように連絡・調整を行います。
●会議の開催連絡や会議の記録 自主運営組織協議会議事録(別冊様式集② -2)等を作成します。
●「避難所日報」避難所日報(別冊様式集② -3)を作成して、避難所の状況を記録します。
●各班長への役割分担を説明します。
●会議を開催して各班の活動状況を共有し、今後の活動を決定します。
●避難所内の状況を把握し、必要事項を協議し決定します。
●避難者の増減に合わせて、避難スペースの変更などを決定します。
外部との窓口
●マスコミ等の取材に対しては、避難所では原則受け付けず、災害対策本部に行ってもらいます。
自主運営組織協議会の総括、組織内の連絡調整
●避難者や各班への指示、避難者への周知など、自主運営組織協議会全体を取り仕切ります。
●代表者の指揮のもと、災害対策本部との連絡・調整の実務を担います。
●派遣された災害ボランティアを受け入れ、ボランティアの活動を調整・管理します。
●必要に応じてボランティアを要請します。ボランティア要請書(別冊様式集② -6)
●避難者への指示などは、班長を通して全員にもれなく周知します。
●各班において、要配慮者および男女のニーズの違いや、プライバシーへの配慮が行われているか
確認します
●避難者の意見・要望の取りまとめを行います。
居住スペース等の割り振り
●避難所の状況が落ち着いてきたら、居住組を編成し代表として組長を1人選任し、組長を通じて
災害対策本部および関係機関との連絡・調整
●災害対策本部との連絡窓口となり、避難所の状況や各班からの要請事項などの調整をします。
●避難所運営に関係するほかの関係機関等との連絡・調整をします。
情報をもれなく避難者に周知してもらいます。
●居住スペースと共有スペースを明確にします。
●居住スペースでは区画を明確にするために、荷物や敷き物などで仕切ります。
●通路には、各世帯の区画が1か所以上面するように設定します。
●要配慮者へは、生活しやすい場所を提供できるように配慮します。
避難所生活のルール作成
●運営上必要となるスペースを確保し、すでに避難者が占有している場合には事情を説明して移動
●避難所の状況に応じて方針やルールの決定、変更を適時行います。
してもらいます。
●施設管理者と調整のもと、仮設トイレや物資・食料の保管場所、トラックなどの荷下ろし場所な
どさまざまな避難所利用の場所選定をします。
避難者からの意見や要望の受け付け
●避難者から意見や要望を受け付けて、自主運営組織協議会へ報告します。
●受け付け箱(意見箱)を設置します。
●とくに女性や乳幼児がいる世帯、障がい者、介護が必要な高齢者などの要配慮者には十分に把握
できるように留意します。
12
福岡市避難所運営の手引き.indd 12-13
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情 報 班
生活衛生班
地域の安否情報や被害状況、生活状況、復旧状況などを収集し、避難者へ情報を発信しするとともに掲示板
避難所生活においての生活環境の整備が主な役割となります。安全確認、トイレの確保、水の確保、衛生環
の管理および避難者安否確認の窓口になります。
境の整備、感染予防、ペット連れ避難者の対応などを行います。
各種情報の収集
避難所トイレの確保
●収集した情報は必ず時刻と発信元を明確にしたうえで、代表者へ連絡します。
●デマなどを予防するため、慎重な判断を行うように努め、情報の混乱を防ぎましょう。
●避難者にとって必要な情報をテレビ、ラジオ、新聞などから効率よく情報収集します。
●地域の復旧・復興状況など、避難者の生活再建につながる情報を収集し、広く避難者に知らせます。
●地域における支援拠点として、他の避難所、各町内会とも連携し、安否をはじめとした在宅避難
者の情報についても収集、把握します。
●避難所のトイレが使用可能か確認し、使用できない場合は簡易トイレの確保を行います。
●消毒液などを確保し、衛生面に配慮します。またトイレと居住スペースは別々の場所にします。
●使用できるトイレの場所の周知や、利用方針について注意事項を貼り出します。
衛生環境の整備
●飲料水のほか、手洗いなどに使用する生活用水を確保します。
●食品衛生の観点や水の使用を控えるため食器はできるだけ使い捨てを使用します。
●毎日一回の清掃時間を設け、換気と身の回りの清掃を周知します。
避難者の把握・リストの作成
●トイレ、入浴施設などの共有部分は、当番制度を設け交代で清掃するようにします。
●避難者名簿をとりまとめて避難者を把握します。最初はおおむねの人数でもかまいません。避難
者の詳しい情報は落ち着いてから避難者のリストを作成します。
●できるだけ正確に把握するために、町内会単位を目安に避難者のリストを作成し入退所の把握に
つとめ、代表者を通じて災害対策本部へ連絡します。
●災害対策本部の支援は、登録された避難者数をもとに提供されることを避難者全員に周知し、避
難者名簿の受付を徹底します。
●安否の確認(家族などの安否確認に訪れた方へ対応する)に対応します。
●けがの人や病気の人などの情報を確認します。
●地域で逃げ遅れた人や避難できない人がいないか確認します。
●ごみ収集管理及びごみ処理のルール(分別、生ごみの処理)を周知します。
感染症予防
●手洗い用の消毒液を調達し、特に炊き出し担当者や体調不良者などに対しては手洗いの徹底を励行しま
す。
●インフルエンザなどの感染症を予防するため、定期的な換気を施し、手洗いうがいを全員に周知します。
ペットへの対応
●ペット連れ避難者に対し衛生面やアレルギー対策の観点から、居住スペースにペットは入れないことを
説明したうえで、ペットスペースの確保を行います。
●個人情報を取り扱うという立場を踏まえながら対応します。
生活環境の整備
収集した情報の発信・伝達
●収集した情報や災害対策本部からの情報を整理し、時刻や場所などを明記して代表者の指示のも
と、掲示版や施設内放送などによって避難者へ提供します。
●自主運営組織協議会で定めた避難所生活の各種ルールについて、掲示板に掲示し、避難者に周知
します。
●掲示板は施設内の出入口近くなど、避難者全員が目に付きやすい場所に設置します。
●避難所内での情報伝達は原則として掲示板による文字情報(貼り紙など)で行います。
●重要な情報は口頭での伝達も行います。
●情報伝達の漏れを防ぐために、避難者には掲示板を見るように周知します。
●停電に備え、自家発電機、投光器などの照明器具、それらにかかわる配線器具や電源などを準備、設置
します。
●仮設風呂・シャワーが設置された場合には、男女別に利用時間を決めるなど、入浴の利用計画を定めて、
運営します。
●洗濯場所や洗濯物を干す場所を男女別に設けるなど、洗濯に関する計画を定めます。
施設の警備による防犯、危険箇所への対応
●施設・設備について定期的に確認し、異常があった場合は施設管
理者または代表者を通じて災害対策本部へ連絡します。
●新たな災害により施設内に新たな危険箇所が発生した場合は立ち
入り禁止にします。
●情報伝達にあたっては、文字を大きくする、ふりがなを付けるなどの工夫をします。
●巡回により避難者の防犯に努めます。夜間巡回は男性の担当が望
ましいでしょう。
●視覚や聴覚に障がいのある人や外国人など情報が伝わりにくい要配慮者に対しては、それぞれ対
●女性や子どもは、人目のない所や夜間のトイレ等に1人で行かな
いように注意喚起します。
応した伝達手法を行う配慮が必要です。
●特に重要な情報については居住組長に伝達し、組長が居住組全員に伝達します。
14
福岡市避難所運営の手引き.indd 14-15
15
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救 出・救 護 班
食料物資班
避難所へは、災害で負傷した人や病気の人も避難しますので、状況に応じて適切な対応を行います。また高
避難所で必要な食料や物資の量を把握し、調達、管理、提供を行います。また必要に応じて炊き出しや、救
齢者・障がい者・妊産婦・乳幼児・外国人など、災害時に支援が必要となる要配慮者の生活支援なども行います。
護資材や日常品物資の手配および物資の受け入れも行います。
調達・管理
負傷した方や病気の方への対応
●負傷者報告リスト 負傷者報告リスト(別冊様式集① 4)を作成して傷病者の状況や体調を把握し、
代表者を通じて災害対策本部に連絡します。
●食料・物資の必要数を把握し、代表者を通じて 物資要請票(別冊様式集② -4)で災害対策本部
に要請をします。
●発生直後は、施設内に医療品がある場合はその分で対応し、そのあとは必要となる医薬品などの
種類・数量を取りまとめ、代表者を通じて災害対策本部へ要請します。 物資要請票(別冊様式
集② -4)
●対応に当たっては、避難者の中に医療関係者がいれば、手伝ってもらいます。
●対応が困難な傷病者は速やかに救急車「119 番」の手配を行います。
●避難者の健康管理のために、健康相談の場を定期的に確保します。
●食料は、消費期限・賞味期限を確認し、保管方法に気を付けます。
●届いたものは場所を決めて保管し、物資管理票(別冊様式集② -5)に記載して在庫管理を行いま
す。
●物資の受け入れ作業は重労働となるため、避難者に協力を呼びかけます。
●避難が中長期化した場合、季節に応じた物資の必要性を検討します。
炊き出しの実施
●炊き出しを行うため、必要な人数を確保します。避難者全員に呼びかけ、一部の人や女性のみに
要配慮者への生活支援
負担が集中することがないよう配慮し、皆で分担します。
●避難者の健康状態に配慮し、環境の良い避難スペースに配置します。
(1 階など)
●炊き出しを行うために必要な道具を調達します。
●避難所での生活が困難な場合は、福祉施設への移送について検討します。
●声かけなどにより、定期的に健康状況や困っていることがないか等を確認します。
●被災者の精神的なケアについて、専門家による定期的な相談の場を設けるなどの対策を行います。
●避難所の子どもたちへの対応について、遊び部屋や勉強室の確保、または、子どもの世話ができ
る方を募ります。
炊き出しに必要な主な道具
●薪、プロパンガス等の調理用熱源
●なべ、フライパン、炊飯、コンロ等の調理器具
●包丁、まな板、おたま、長箸等の調理用具
●皿、割り箸、スプーン等の食器(衛生が確保できない場合は使い捨てが望ましい)
●炊き出しの実施、衛生管理には避難者の中から調理師、栄養士などの有資格者を募り、出来る限
り事故のないように配慮します。
食料・飲料水の配給
●担当者は、衛生面に配慮し手洗い・うがいを徹底します。
●食物アレルギーの方に配慮して、できるだけ食品表示も行います。
●配給に関しては、配給ルールを決めます。
●食べ残りは、その日のうちに廃棄します。
食料・物資などの配給ルール
●物資・食料・飲料水などは公平に分配します。
●数量が不足する場合は要配慮者を優先して分配します。
●配給は各居住組の組長へ渡し、組内で分配します。
●配給は、時間と場所を定めて周知します。
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避難所の開設準備・開設・
総務班
災害発生
情報班
運営と各班(活動班)の役割
生活衛生班
救出・救護班
食料物資班
1時間~3時間
開 設 準 備・開 設
施設の点検 ( 建物の外
1 施設の点検 ( 建物の外
1 観や周辺、建物の内部 )
観や周辺、建物の内部 )
2 施設の開錠
2 施設の開錠
3 機材・物資の確認
4 居住スペースの区画割
安全確認する人の安全を最優先し、施設の安
全を確認します
安全を確認する。人の安全を最優先します
5 避難者の受入
受付の設置、避難者名簿、ペット台帳等を準備します
原則的には鍵保管者が避難所にかけつけ
開錠をします
原則的には鍵保管者が避難所にかけつけ
6 負傷者・要配慮者の救護
避難者の中に負傷者や要配慮者がいないか確認します
必要な箇所の開錠をします
避難所運営に必要な機材、物資を確認します
7 災害対策本部への報告
開設状況を災害対策本部に報告をします
運営に必要なスペースを割り振ります
8 その他
避難者に協力の呼びかけをします
運 営(短 期)
1日~2日
●開設の報告 ( 災害対策本部 ) や施設
管理者との調整
様式① -1「避難所開設状況報告書」
●スペースの区割り
●立ち入り区域の明示
●避難所日報の作成
様式② -3「避難所日報」
●受付担当の配置
●ごみ分別準備
●避難者名簿の作成
●感染症予防対策
様式① -2「避難者名簿」
●ペット対策
●各種情報の収集および整理
様式① -3「ペット台帳」
●情報収集した内容の精査および発
信
●救護者の健康管理
●避難者名簿作成の協力
運 営(中・長 期)
●停電対策
●負傷者リスト作成
●飲料水等の確認
様式① -4
「負傷者報告リスト」
●備蓄物資の確認
●医療等の相談
●避難行動要配慮者支援
●救助機材の確認
●物資の配布準備
様式② -4
「物資要請票」
●食物アレルギー対応
●救出・救護活動
自主運営組織協議会立ち上げ
3日~数週間
●自主運営協議会の運営・会議の開催
様式② -2
「自主運営組織協議会議事録」
●ボランティアの受入
●区災害本部との連絡調整
●情報掲示版の設置
●トイレ、風呂の提供
●要配慮者の状態管理
●炊き出しの実施
●避難所ルールの掲示
●洗濯場の検討
●子どもたちの対応
●取材、安否確認対応
●避難者ニーズの把握
●被災者の精神的なケア
●季節に応じた生活必需品
の調達
●復旧、復興情報
●防犯対策
●健康巡回・相談
●避難所内整理
●健康巡回・相談
●救援物資管理
●在宅避難者の情報把握
●各町内会との連携
●避難者入退所者管理
閉鎖へ
閉 鎖(撤 収)
●縮小・統合・閉鎖の検討
●被災者支援情報の集約・掲示
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●物資の整理
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避難所開設までの行動チェック表
2
避難所を開設するまでに行う行動要領を□チェックしながら確認していきましょう
安全確認・開錠
1
施設の点検
すべての項目に当てはまる場合に使用可能です
安全な場所から目視で、施設の外観を確認する
施設内の点検を行う
□
□
□
□
□
□
□
□
建物の形が大きく変形している箇所はない
建物が傾斜したり、沈んだりしていない 建物に大きなひび割れはない 周辺に崩壊しそうな建物がない
内装に大きなひび割れはない
天井、照明器具など落下する恐れはない トイレが使用できる ライフライン(電気・ガス・水道など)問
題がない
居住スペースの区画割
避難者を誘導するための受付を設置
スペースの確保
□
□
□
避難者名簿等を準備する
施設管理者等と協議をしたうえで必要なス
ペースを割り振る
活動しやすいように通路を確保する
プライバシーに配慮する
□
床にテープなどを貼り、通路などの位置を
レイアウトする □
□
□
□
敷材(シートなど)を敷く □
□
□
立ち入り禁止区域など紙に書いて表示する
男女別更衣室のスペースを確保する 物干し場などは、目隠しなどの配慮を行う
授乳スペースを確保する
トイレなどを掲示する トイレ等が使いやすいように要配慮者は通
路側に配置する
掲示板の設置
□
2
周囲の状況や天候に配慮した場所に設置する
避難者全員が見渡せる場所に設置する
施設の開錠
□
開設
錠保管者に開錠を依頼
1
※事前に協議し、協議結果を記載しておきましょう
避難者の受入
受入は原則、町内会単位で行うようにしましょう
□
□
□
開設準備
1 機材・物資の確認
□
□
□
□
□
□
□
□
□
□
2
□
□
□
筆記用具
テーブル
敷材(シート類)
非常用発電機
延長コード 照明セット
屋内用仕切り用品 その他( )
避難者名簿に記入する
旅行者、通勤・通学者・帰宅困難者などは、別途まとめて登録する
ペット連れ避難者にはペット登録台帳に登録後、所定のペット飼育場所を案内する
負傷者・要配慮者の救護
避難者の中に医師や看護師などがいれば協力を要請しましょう
□
□
□
負傷している避難者がいないか確認する
病気の人、障がい者の人など支援を要する避難者を確認する
インフルエンザなど感染の恐れがある場合は、部屋を別にする
懐中電気
防災無線
3
各種名簿(日報など)
避難の状況や施設の被害状況などを報告します
ホワイトボード
□
□
ガムテープ
20
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災害対策本部への報告
避難所開設の報告
□
□
負傷者の報告
被害状況報告
その他必要事項など
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安定期以降の運営から撤収まで
安定期(3 週間目以降)は、避難生活の長期化に伴って避難者の要望が多様化するため、柔軟な運営が求め
られる期間です。運営体制の見直しを図り、相談体制の確立、こころのケアなどを図るとともに、避難者の自
立に向けた取組にあわせた避難所運営をします。一方、避難者数の減少に伴い、避難所の統廃合や撤収を進め
ます。
避難生活長期化の注意点
● 避難所での生活が長期化した場合は、災害対策本部と相談し、プライバシーに配慮したスペース
の区画割を見直します。
● 長期化に伴い、避難者の備品等の増加が考えられ、スペース配分が不均等になる場合もあること
から可能な限り収容人数に合わせた区画割を家族単位で見直します。
● 自分勝手な行動が起こらないように、避難所のルールを徹底します。
● 避難所生活が長引くとストレスなどから、些細なトラブルが発生することもあります。避難者の
変化に注意を払いましょう。
安定期の自主運営組織協議会
● 発災から時間が経過し、避難所の状態が落ち着いて、特に連絡事項がない場合でも避難所生活
を円滑に進めるために、最低 1 日 1 回は会議を開催し、各班で情報を共有し、連携を確認します。
● 避難者の減少に伴い、必要に応じて、避難所の運営体制を見直します。
避難所運営の手引き
様式集
避難所統廃合に伴う移動
● 避難所の縮小・統合が進められる際は、避難者に対し移動などについて周知します。
● 避難所の移動が決定した場合は、移動の日時、荷物の搬送方法等について周知します。
避難所の撤収・閉鎖
● 避難所の撤収が決定した場合は、まず避難所の閉鎖時期と撤収準備などについて避難者へ説明
します。
● 回収が必要となる物資等がある場合は災害対策本部へ連絡し、避難所施設内の片付けや清掃を、
避難者の協力を得て行います。避難者の撤収が確認された後、自主運営組織協議会は避難所閉
鎖日をもって終了(解散)します。
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