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手作業から自動化デバイスプログラミングへのドライブトレンド
手作業から自動化デバイスプログラミングへのドライブトレンド はじめに: 新しい世代の、より小型でより精密ピッチ半導体デバイスによりオートモーティブ、民生および産業用途における新規シス テムと端末はより高性能化されます。工場の管理者は、増加する作業コストと高度品質への要求からプログラミング工程 において自動装置の時代が来たと言っています。この資料では、自動デバイスプログラミングに向かうトレンドの中身を見て いきます。また、この中で自動プログラミング装置を検討する要因とタイミングについても述べます。 トレンド#1: 中国における賃金の高騰 中国製造業の賃金は増加を続け、現在では年$7,294(45,431 中国元)に達しています。2014 年 4 月 1 日時点で上海 の作業者最低賃金は月$293(1,820 中国元)まで上がりました。作業者コストの増加は特に手作業プログラミング工程に 大きな影響を与えます。中国製造業がベトナムのような低所得市場にアウトソースし始めることが可能な一方、重要な工 場投資を行い大幅な自動化により利益を維持することができます。デバイスプログラミングは、グローバルマーケットで過 去 15 年以上自動化の能力が証明されてきた工程です。 トレンド#2: オンショア化で製造コスト低減を推進・・・ 製造工程のコストを削減し、改革を加速するためにオンショア化を行う西側企業が増加しています。2014 年のボストンコ ンサルティンググループによる調査によると、54%がオンショアを検討し、また、オンショアを行っている企業の増加率は 20%です。アジアにおける賃金の増加、シッピングコストの増加および品質優先がアジアから製造拠点を移動する主要な 要因です。さらに、企業は、米国の"US National Network for manufacturing Innovation"およびドイツの"Industry4.0"イン センティブプログラムを含む政府方針により優遇されています。 東陽テクニカ / DataI/O February 2016 ボストンコンサルティンググループによる調査では 72%の経営陣はコスト目標を達成するために自動化/高度化製造技術 に投資する計画しています。プログラミング工程は、容易に自動化できる重要な工程です。高品質自動プログラミングシス テムは以下の要因でコストを低減します。 - 製造スループットに影響を与えず労働コストを削減 - プログラミングイールド(成功率、品質)を増加 - サプライチェーンの中で仕掛品の最小化 ソース:ボストンコンサルティンググループ "Made in America, Again; Third Annual Survey of US Based Manufacturing Executives October 2014" トレンド#3: 半導体パッケージサイズの小型化 プログラマブル半導体パッケージは、動作速度の増加、高密度化および低電力化への市場要求に迫られています。スマ ートフォン、タブレット、電子書籍およびナビゲーションデバイス市場は継続的に成長を求められています。同時に、より小 型、より薄くおよびより低価格なデバイスパッケージングにより、電子機器メーカはプログラミングコストの増加を適切に抑え る必要性があります。小型部品を安定、安全に扱う上で最も安全でコストが低い方法は自動プログラミング装置を用いる ことです。 以下のチャートは、IC パッケージの歴史とトレンドを示します。右図では、パッケージの小型化とピン数との関係を示します。 トレンド#4: 手動プログラマでは書込み時間の高速化に伴いコストが増加 シリアルブーストテクノロジ対応 DataI/O 社 FlashCOREIII などのプログラミングエンジンでは、プログラミング時間を高速化し ます。多くの産業用途で使用されるマイクロコントローラでは、書込み時間が短い小容量データ(数 k ビットまたは数 k バイト) が対象となります。手作業プログラミングでは、書込み時間が短いためデバイスソケットへの挿抜とトレイ移動が頻繁となり 一人のオペレータが一台の卓上プログラマを運用することになります。 東陽テクニカ / DataI/O February 2016 自動システムでは、1 システム最大 24 プログラマまで実装できるため、オペレータは、複数のプログラマ(ユニット)を一人で 運用することができます。労働賃金が低ければ解決策は単に作業者と共に複数のマニュアルプログラマの追加で済みま す。賢明な工場経営者は高速なプログラミングエンジンを持つ自動システム採用を選択します。 トレンド#5: 工場管理者は「隠れ工場」コストの排除にフォーカス 高いレベルの製品品質は、人手による工程を持いて成功することは困難です。人手プロセスによる人的エラー率は、作業 複雑度、作業者モチベーション、疲労、工程ステップの数、トレーニング、ペースと工程設計を含む数多くの要因により影 響を受けます。エンドユーザは製品品質に高い期待を持っています。手作業工程で導入される問題を検出する内部シス テムの開発が必要となります。製品の中の問題を工場出荷前に特定および修正しようとする努力を説明する表現として 「隠れ工場」と呼んでいます。隠れ工場には検査、急送、在庫過剰、必要以上のロットサイズ、余剰装置、追加直接労 働、管理時間、エンジニアリング時間、追加フロアスペースおよび保証クレームなどが含まれます。低い品質の全てのコス トを取得することは難しいため、多くの会社では一般的に自身の隠れ工場のサイズを小さく見積ってしまいます。手作業工 程の高い変動性により欠陥の可能性が増加し隠れ工場のコストを増加させてしまいます。 半導体コンポーネントのプログラミングは、複数の手作業ステップを含む工場ステップの典型例です。手作業プログラミン グでは、作業オーダの発行、倉庫から部品の出庫、プログラミング作業センターに移動、梱包の開封、プログラミングソケ ットに手作業で挿入、正しいソフトウェアバージョンにてプログラム実施、倉庫に移動、そして在庫として入庫します。この工 程の多くの手作業ステップは、正しくないバージョンでの書込み、ESD ダメージの不検出、コプラナリティ(ハンダ接地面の 不均一性)問題、複数回書込みによる部品異常の誘発、部品リード(足)損傷、パッケージに入れる際に部品位置の回 転、部品のマーキングミスおよび部品のスクラップ(廃棄)等の欠陥の原因となります。部品プログラミングの自動化は、こ れらの非付加価値作業の低減に対する有効な手段となります。書込み自動化は、オートモーティブ、産業および民生電 子製品においてコストと品質で競争力を持つための基盤となります。 東陽テクニカ / DataI/O February 2016 手作業プログラミング関連の 40 典型問題の内、36 問題は自動機システムを用いて解決され、残りの 4 問題は、工程制 御ソフトウェアに関連したものです。 東陽テクニカ / DataI/O February 2016 各種手法を用いた自動プログラミングソリューションにて低コスト、高品質を保証 部品ダメージの減少-手作業でのプログラミングソケットへの部品挿入の際にリード(ピン)にダメージを与えます。自動プロ グラミング装置は、実質的に手作業プログラミングで一般的に発生するコプラナリティ(ハンダ面への接地均一性)問題を 排除します。コプラナリティ問題は、潜在的な欠陥に結び付き、また、最終アセンブリ、バーンイン、あるいは、エンドカスタ マに製品が届くまで発見されません。エンドカスタマで発見される品質欠陥は部品レベルで認識される欠陥に対して修正 に掛かるコストは 10~100 倍高額となると一般的に理解されています。 製造プロセスの初期、 中期、後期に検出 されるエラーのコスト ロットおよびシリアル番号トラッキング-医療、航空宇宙およびオートモーティブなどの多くの高度に規制された産業では部 品のトラッキングに対して大変厳しい規制があります。自動プログラミング装置のいくつかのベンダでは部品のシリアル番号 とロット管理を行う高度なソフトウェアを提供しています。 製品コストの低減-製品コストの低減は、手作業労働の低減、検査作業の低減、組み上げやセットアップ労働の低減、保 証苦情の低減およびロット、シリアル番号トラッキングを行う労働コストの低減などを通じて行うことが可能です。 ソフトウェアエラー率の低減-部品プログラミングの自動化では、最新ソフトウェアバージョンがロードされたかや正しいバー ジョンレベルが適切に部品にマーキングされたかを保証します。 製品信頼性の向上-部品書込み回数の制限から、自動プログラミングシステムは本質的に手作業プログラミングに比べ 高信頼性です。結果としてボード/製品製造の信頼性が向上します。潜在的欠陥は低減され、保証苦情コストの低減にも 繋がります。 自動化が製品のバラツキとコスト低減に重要な役割を果たすことは明らかです。従来から、手作業工程が人的エラーによ り、いかに高い製品バラツキを引き起こすか、人的エラーがいかに複数ステップ工程で作り上げられるかを多く見てきまし た。高い製品バラツキでは、工場(「隠れ」工場)において製品欠陥を含む多くのコストの高い作業を必要としています。フラ ッシュメモリプログラミングのような手作業工程の自動化は、製品コストおよび品質に重要な影響を持ちます。結果として、 工場をグローバル市場の中でより競争力のあるものにします。 まとめ 労働賃金の増加、デバイスの小型化、「隠れ」工場コストと人的エラーは、手作業から自動デバイスプログラミングへの移 行を加速させています。プログラミング自動化、高品質、高効率生産性、精密部品ハンドリング、および優れたメンテナン ス性に経験が深いベンダに是非ご相談下さい。 東陽テクニカ / DataI/O February 2016