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東京都福祉のまちづくり推進計画

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東京都福祉のまちづくり推進計画
東京都福祉のまちづくり推進計画
(平成 26 年度~30 年度)
素案
目
次
第1章 福祉のまちづくりの経緯と現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
1 東京都における福祉のまちづくりの経緯・・・・・・・・・・・・・・・・・1
(1)福祉のまちづくりへの取組・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
(2)東京都福祉のまちづくり条例の改正・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
2 社会的な背景・状況等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
(1)社会の情勢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
(2)国の動向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
3 都におけるバリアフリー化の進捗状況(各施設等における状況)
・・・・・・ 8
(1)公共交通・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
(2)建築物・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
(3)道路、公園、交通安全対策等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
(4)面的なバリアフリー整備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
(5)情報提供、社会参加等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
4 福祉のまちづくりに関する都民の意識について・・・・・・・・・・・・・16
第2章 福祉のまちづくりの総合的な推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
1 東京都福祉のまちづくり推進計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
(1)計画策定の趣旨・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
(2)計画の位置づけと計画期間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
(3)計画の内容、事業数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
(4)計画の進行管理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
(5)福祉のまちづくりの推進体制と役割・・・・・・・・・・・・・・・・・21
2 推進計画の目指すべき方向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23
3 福祉のまちづくりの施策の基本的視点・・・・・・・・・・・・・・・・・23
4 推進計画の基本的視点と取組の体系・・・・・・・・・・・・・・・・・・25
Ⅰ 円滑な移動、施設利用のためのバリアフリー化の推進・・・・・・・・26
(1)公共交通におけるバリアフリー化の推進・・・・・・・・・・・・・26
(2)建築物におけるバリアフリー化の推進・・・・・・・・・・・・・・29
(3)道路・公園等におけるバリアフリー化の推進・・・・・・・・・・・33
(4)面的なバリアフリー整備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36
(5)駅前放置自転車対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38
Ⅱ 地域での自立した生活の基盤となるバリアフリー住宅の整備・・・・・39
Ⅲ 様々な障害特性や外国人等にも配慮した情報バリアフリーの充実・・・42
Ⅳ 災害時・緊急時の備えなど安全・安心のまちづくり・・・・・・・・・46
Ⅴ 心のバリアフリーに向けた普及啓発の強化と社会参加への支援・・・・49
第3章 福祉のまちづくりの分野別施策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・52
1 推進計画の基本的視点と取組の体系〔再掲〕
・・・・・・・・・・・・・・ 52
2 具体的施策の体系・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・53
3 計画事業の展開・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・57
Ⅰ 円滑な移動、施設利用のためのバリアフリー化の推進・・・・・・・・57
(1)公共交通におけるバリアフリー化の推進・・・・・・・・・・・・・57
(2)建築物におけるバリアフリー化の推進・・・・・・・・・・・・・・58
(3)道路・公園等におけるバリアフリー化の推進・・・・・・・・・・・59
(4)面的なバリアフリー整備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・61
(5)駅前放置自転車対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・62
Ⅱ 地域での自立した生活の基盤となるバリアフリー住宅の整備・・・・・62
(1)公共住宅の整備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・62
(2)民間住宅の整備促進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・63
Ⅲ 様々な障害特性や外国人等にも配慮した情報バリアフリーの充実・・・64
(1)障害者等への情報提供体制の整備・・・・・・・・・・・・・・・・64
(2)まちなかでの情報提供の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・65
(3)ホームページによる情報提供の内容充実・・・・・・・・・・・・・66
Ⅳ 災害時・緊急時の備えなど安全・安心のまちづくり・・・・・・・・・66
(1)災害への備え及び対応・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・66
(2)日常生活における事故防止・・・・・・・・・・・・・・・・・・・67
Ⅴ 心のバリアフリーに向けた普及啓発の強化と社会参加への支援・・・・67
(1)普及啓発の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・67
(2)ユニバーサルデザイン教育の推進・・・・・・・・・・・・・・・・68
(3)社会参加支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・68
(4)推進体制の整備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・69
第1章 福祉のまちづくりの経緯と現状
1 東京都における福祉のまちづくりの経緯
(1)福祉のまちづくりへの取組
○ 都は、福祉のまちづくりに向けた取組として、昭和 48 年に「身障者のための公園
施設設計基準」
、昭和 51 年に「都立施設の障害者向け整備要綱」
、そして昭和 54 年
に「視覚障害者誘導ブロック設置指針」を策定するなど、障害者の住みよいまちづ
くりを目指して、公園、公共建築物及び道路等の整備を進めてきました。しかし、
その整備は主として障害者の視点に立ったものであり、対象施設も限られたもので
した。
○ その後、昭和 56 年の国際障害者年を契機とする取組を進める中で、昭和 63 年に
「東京都における福祉のまちづくり整備指針」を策定し、高齢者や障害者を含むす
べての人々が、安全かつ快適に施設を利用できるよう公共建築物や公共交通機関、
道路、公園などについての具体的な整備基準を初めて定めました。この指針をもと
に、福祉のまちづくりの観点から、公共的施設の整備等を図ってきました。
○ こうした福祉のまちづくりの取組を進める中、平成 6 年、知事の諮問により設置
された「やさしいまち東京構想懇談会」により、
『東京都における福祉のまちづくり
の総合的なあり方について』の答申が出されました。都はこの答申を踏まえ、福祉
のまちづくりの一層の推進を図るため、平成 7 年 3 月、
「東京都福祉のまちづくり条
例」を制定しました。
この条例により、丌特定かつ多数の人が利用する一般都市施設(※1)のうち、種
類及び規模により定める特定施設(※2)の新設又は改修に当たっては、工事着工前
の届出を義務付け、整備基準に基づく整備を推進しました。
○ そして平成 10 年 1 月、条例に基づく計画であり、かつ都における福祉のまちづく
りの基本となる、東京都福祉のまちづくり推進計画「ハートフル東京推進プラン~
みんなでつくるやさしいまち東京」を策定しました。この計画は、福祉、教育、住
宅、建設、交通等、様々な分野の施策を盛り込んだ、84 の事業からなる総合的な計
画であり、区市町村を主体とした、地域における福祉のまちづくりの基盤整備など
を計画に位置づけ、各施策に取り組んできました。
(※1)一般都市施設・・・建築物、道路、公園、公共交通施設、路外駐車場で丌特定かつ多数の者が利用
する部分を有する施設
(※2)特定施設・・・一般都市施設のうち、特に新設又は改修の際に、規則で定める種類及び規模に応じた
整備基準への適合について届出を求める施設
- 1 -
○ また、この他鉄道駅エレベーター等整備事業、だれにも乗り降りしやすいバス整
備事業などにより、公共交通のバリアフリー(※3)化にも取り組むとともに、平成
12 年に施行された「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化
の促進に関する法律(交通バリアフリー法)
」により、移動円滑化に向けた交通施設
の整備についても着実に進めています。
(2)福祉のまちづくり条例の改正
○ こうしてバリアフリー化が進展する中、東京都福祉のまちづくり条例に基づき設
置された、都民、事業者、学識経験者等からなる「東京都福祉のまちづくり推進協
議会」
(以下「推進協議会」という。
)は、平成 15 年 8 月、意見具申「
『21世紀の
福祉のまちづくりビジョン』のあり方について」の中で、年齢や障害の有無・種別
にかかわらず、すべての人が利用しやすい都市環境の創造に向けて、ユニバーサル
デザイン(※4)の考え方を基本とした福祉のまちづくりを推進することの重要性を
提言しました。それは、これまでのバリアフリーから一歩進んで、ユニバーサルデ
ザインの考え方へと、大きな転換を迎えた時でもありました。
○ その後、この提言を踏まえ、ユニバーサルデザインの考え方に立った福祉のまち
づくりを、ハード・ソフトの両面から展開してきましたが、本格的な尐子高齢社会
の到来、
「障害者自立支援法」
(平成 18 年 10 月全面施行)や「高齢者、障害者等の
移動等の円滑化の促進に関する法律」
(以下、
「バリアフリー法」という。
)
(平成 18
年 12 月)の施行など、福祉のまちづくりを取り巻く環境は急速に変化しました。
○ こうした社会情勢の変化を踏まえ、推進協議会では、東京都福祉のまちづくり条
例の改正に向けた検討を行い、平成 20 年 11 月、条例改正の基本的考え方が示され
ました。
都はこれを受け、平成 21 年 4 月、ユニバーサルデザインの考え方を理念とした、
新たな福祉のまちづくり条例を施行しました。この条例改正により、ハード・ソフ
ト一体的なまちづくりが促進されるとともに、都市施設(※5)のうち、物販・飲食・
サービス業など都民が日常生活の中でよく利用する特定都市施設(※6)においては、
新設・改修時の工事着工前の届出が義務付けられる対象が広がり、都民の身近なと
ころでより一層整備が促進されることになりました。
(※3)バリアフリー・・・バリアの存在を前提とし、障害者などの特別な配慮が必要な人のためにバリア
の除去を行う取組
(※4)ユニバーサルデザイン・・・年齢、性別、国籍、個人の能力にかかわらず、はじめからできるだけ多
くの人が利用可能なように、利用者本位、人間本位の考え方に立って、快適な環境とするようデザイ
ンすること
(※5)都市施設・・・当初の福祉のまちづくり条例で定義していた「一般都市施設」
(P1注釈※1参照)
を、平成 21 年の条例改正後は「都市施設」と名称を変更した
(※6)特定都市施設・・・当初の福祉のまちづくり条例で定義していた「特定施設」
(P1注釈※2参照)
を、平成 21 年の条例改正後は「特定都市施設」と名称を変更した
- 2 -
2 社会的な背景・状況等
(1)社会の情勢
【高齢化の進行】
平成 22 年の国勢調柶による東京都の 65 歳以上の高齢者人口は、
約 264 万人であり、
総人口(
「年齢丌詳」を除く。
)に占める割合は 20.4%となっています。
東京都の高齢者人口は、平成 27 年まで急速に増加し、その後はやや緩やかに増加す
ると見込まれています。高齢者人口が増加する一方で、総人口は平成 27 年頃に最も多
くなり、それ以降は減尐に転ずる見込みです。高齢化率は上昇を続け、平成 27 年には
23.1%、平成 52 年には 33.5%に達し、都民のおよそ 3 人に 1 人が 65 歳以上の高齢者
という極めて高齢化の進んだ社会が到来することが見込まれています。
<東京都の将来人口推計>
(万人)
1600
40.0%
推計
1400
(1,316)
(1,335)
33.5%
(1,332)
高齢者人口(65歳以上)
1200
73
89
106
124
153
268
230
191
308
324
332
(1,231)
30.0%
350
377
412
27.0%
1000
800
23.1%
高齢者人口割合
836
831
600
864
879
871
869
24.3%
35.0%
29.8%
25.0%
25.2%
20.0%
20.4%
899
870
879
865
854
15.0%
826
777
713
400
10.0%
生産年齢人口(15歳以上65歳未満)
200
256
239
213
173
150
142
142
149
148
142
131
120
112
106
平成2年
(1990)
7年
(1995)
12年
(2000)
17年
(2005)
22年
(2010)
27年
(2015)
32年
(2020)
37年
(2025)
42年
(2030)
47年
(2035)
52年
(2040)
年少人口(15歳未満)
0
昭和50年
(1975)
55年
(1980)
60年
(1985)
5.0%
0.0%
出典:
「日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)
」
(国立社会保障・人口問題研究所)より作成
【尐子化の進行】
東京都における出生数は、昭和 40 年代以降減尐傾向が続き、平成 17 年を底に微増
傾向となり、平成 23 年は減尐に転じたものの、平成 24 年に再び微増となりました。
女性が生涯に産む平均の子ども数である合計特殊出生率は、平成 17 年に 1.00 と過去
最低を記録し、平成 22 年には 1.12 まで増加しましたが、平成 23 年は 1.06、平成 24
年は 1.09 と低水準で推移しており、
依然として尐子化の進行には歯止めがかかってい
ません。
<出生数と合計特殊出生率の推移(東京都)>
出生数
<出生数と合計特殊出生率の推移(東京都)> 合計特殊出生率
万人
25
2.00
東京都 出生数
20
1.75
東京都 合計特殊出生率
15
1.50
107,401
10
1.25
1.09
5
1.00
0
0.75
40年45年50年55年60年元年
5年
10年
15年16年17年18年19年20年21年22年23年24年
出典:
「人口動態統計」
(厚生労働省大臣官房統計情報部)より作成
- 3 -
【障害者数の推移】
平成 24 年度末現在、
都内では、
身体障害者手帱の交付を受けている人が約 47 万人、
愛の手帱(知的障害者(児)を対象)の交付を受けている人が約 7 万人、精神障害者
保健福祉手帱の交付を受けている人が約 7 万人となっています。
平成 12 年度以降の手帱交付者数の推移をみると、増加傾向にあり、平成 24 年度末
における交付者数は、
前年度末に比べ身体障害者手帱では 1.3%、
愛の手帱では 3.8%、
精神障害者保健福祉手帱では 9.8%伸びています。
<身体障害者手帱交付者数推移(障害別)>
(人)
500,000
450,000
439,500
452,109
459,200
465,928
471,833
116,635
120,454
21,358
123,723
126,691
362,665
400,000
110,613
内部障害
肢体不自由
350,000
音声・言語・
そしゃく機能
障害
聴覚・平衡
機能障害
77,902
300,000
250,000
200,000
253,567
251,326
248,687
246,134
241,119
208,227
視覚障害
150,000
100,000
5,382
50,000
0
6,602
6,852
6,989
7,117
7,102
43,508
44,057
44,724
45,299
38,548
38,980
39,013
39,053
39,159
20
21
22
23
24
36,140
42,618
35,014
12
(年度末)
出典:
「平成 24 年度福祉統計年報」
(福祉保健局)より作成
<愛の手帱交付者数推移(障害程度別)>
(人)
74,971
72,261
80,000
64,700
67,292
69,807
28,024
29,790
70,000
60,000
47,859
26,190
50,000
40,000
33,336
31,501
4度(軽度)
3度(中度)
15,510
30,000
2度(重度)
19,887
19,575
19,313
19,023
18,808
1度(最重度)
15,851
20,000
10,000
2,342
2,065
0
12
20
21
22
2,689
2,621
2,577
2,463
19,059
18,564
18,127
17,782
17,360
14,433
23
24
出典:
「平成 24 年度福祉統計年報」
(福祉保健局)より作成
- 4 -
(年度末)
<精神障害者保健福祉手帱所持者推移(等級別)>
(人)
80,000
73,667
67,066
70,000
61,880
55,868
60,000
27,976
23,701
45,112
50,000
21,162
18,395
40,000
14,586
16,810
30,000
20,000
34,697
37,508
39,890
31,621
25,134
2,903
10,000
3級
2級
1級
8,537
0
5,370
5,392
5,852
6,021
5,857
5,801
12
20
21
22
23
24
(年度末)
出典:
「平成 24 年度福祉統計年報」
(福祉保健局)より作成
【外国人旅行者数等の推移】
東京都の外国人人口は、平成 25 年 1 月 1 日現在、390,674 人で人口の約 3%を占めて
います。東京を訪れた外国人旅行者数は、平成 24 年には約 556 万人となっており、平
成 13 年の約 267 万人から約 10 年の間に 2 倍を超える大幅な増加となっています。
<日本・東京を訪れた外国人旅行者数、東京を訪れた国内旅行者数の推移>
訪日外国人旅行者数(千人)
訪都外国人旅行者数(千人)
訪都国内旅行者数(千人)
10,000
9,000
409,326
8,000
訪都国内旅行者数
436,127
425,200
424,468
8,347 8,351
365,978
7,000
6,000
5,000
415,881
350,000
7,334
訪日外国人旅行者数
5,239
4,757
6,728
2,773
2,672
6,790
6,138
5,336
250,000
4,808
4,760
4,180 4,489
訪都外国人旅行者数
2,960
5,942
200,000
4,098
150,000
東日本
大震災
2,747
2,000
6,219
5,562 300,000
5,330
5,212
4,772
4,000
3,000
500,000
469,258
420,100
450,000
8,358
8,611
400,000
457,173
100,000
1,000
0
平成 12年
50,000
0
13年
14年
15年
16年
17年
18年
19年
20年
21年
22年
23年
24年
出典:
「訪日外客数」
(日本政府観光局(JNTO)
)
「東京都観光客数等実態調柶」
(産業労働局)より作成
○ このような社会的背景の中で東京の活力を維持していくためにも、高齢者の多様な
分野での社会参加の促進や人材の育成、障害者の地域での生活を支援していくための
環境整備、子育てしやすく仕事と両立できる子育て支援環境の整備、外国人旅行者の
受入環境の充実などが今後一層求められています。
- 5 -
○ 平成 23 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災は、未曾有の被害をもたらしました。
その際に、ねたきり等の要介護高齢者や認知症の人、障害者、難病患者、乳幼児、妊
産婦等(以下「災害時要援護者」という。
)の視点に配慮した対応が必ずしも十分で
はなかったとの指摘もありました。今後の防災対策を検討する上では、災害時要援護
者に対して、福祉のまちづくりの観点からも、きめ細かい配慮を踏まえていく必要が
あります。
(2)国の動向
ア 「移動円滑化の促進に関する基本方針」の一部改正
「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法
律(ハートビル法)
」と「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円
滑化の促進に関する法律(交通バリアフリー法)
」を統合・拡充して、平成 18 年 12
月に施行されたバリアフリー法に基づき、移動等円滑化を総合的かつ計画的に推進
するための「移動等円滑化の促進に関する基本方針」
(以下「基本方針」という。
)
が平成 23 年 3 月に改正されました。
改正後の基本方針では、バリアフリー法の移動等円滑化基準への適合義務の対象
となる公共交通施設、道路、都市公園、建築物等の施設設置管理者が講ずべき措置
について、平成 32 年度末を期限として、バリアフリー化の新たな目標が設定されま
した。
<基本方針における平成 32 年度末の整備目標>
・鉄道駅等(3,000 人以上)
:原則 100%
⇒ エレベーター等の設置による段差解消、視覚障害者誘導用ブロックの設
置、障害者対応型便所の設置
等
・ノンステップバス:約 70%
・道路(重点整備地区内の主要な生活関連経路を構成)
:原則 100%
・都市公園
園路及び広場、駐車場:約 60%
便所
:約 45%
・建築物(2,000 ㎡以上の特定建築物)
:総ストックの約 60%
・信号機等(重点整備地区内の主要な生活関連経路を構成)
:原則 100%
⇒ 音響信号機、高齢者等感応信号機等の設置等
また、駅を中心とした地区や、高齢者や障害者などが利用する施設が集中する地
区(
「重点整備地区」
)において、区市町村が、重点的かつ一体的な移動等円滑化を
進めるために作成する「バリアフリー基本構想」について、協議会の活用等により、
事前の検討段階から事後の評価の段階に至るまで、施設を利用する高齢者、障害者
等が参加し、スパイラルアップを図ることが、基本的視点として位置付けられまし
た。
- 6 -
イ その他の法律等の動き
【障害者総合支援法の制定】
「地域社会における共生の実現に向けて新たな障害保健福祉施策を講ずるための
関係法律の整備に関する法律」の施行により、平成 25 年 4 月から「障害者自立支援
法」が「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総
合支援法)
」とされました。
この法律では、法に基づく日常生活・社会生活の支援が、共生社会を実現するた
め、社会参加の機会の確保や社会的障壁の除去などに資するよう、総合的かつ計画
的に行われることが基本理念とされました。また、平成 25 年 4 月からは、障害者の
定義へ難病等が追加されており、平成 26 年 4 月からは、障害程度区分から障害支援
区分への見直し、重度訪問介護の対象拡大、ケアホームのグループホームへの一元
化などが実施されます。
【障害者虐待防止法の施行】
障害者の自立及び社会参加にとって障害者に対する虐待を防止することが極め
て重要であること等に鑑み、障害者に対する虐待の防止、養護者に対する支援等に
関する施策を促進し、障害者の権利利益の擁護に資するため、
「障害者虐待の防止、
障害者の養護者に対する支援等に関する法律(障害者虐待防止法)
」が平成 24 年 10
月に施行されました。
【サービス付き高齢者向け住宅登録制度の創設】
改正後の
「高齢者の居住の安定確保に関する法律」
が平成 23 年 10 月に施行され、
バリアフリー構造等を有し、安否確認や生活相談などの高齢者への支援サービスを
提供する「サービス付き高齢者向け住宅登録制度」が新たに創設されました。
【障害者差別解消法の制定等】
障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本的事項や、国の行政機関、地方
公共団体等及び民間事業者における障害を理由とする差別を解消するための措置な
どについて定めることによって、すべての国民が障害の有無によって隔てられるこ
となく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現につなげること
を目的として、
「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消
法)
」が平成 25 年 6 月に公布され、一部を除き平成 28 年 4 月から施行されることと
なりました。また、平成 18 年 12 月に第 61 回国連総会で採択された「障害者の権利
に関する条約」の批准について、平成 25 年 12 月に国会で承認されました。
- 7 -
3 都におけるバリアフリー化等の進捗状況(各施設等における状況)
平成 21 年 3 月に策定した前回の東京都福祉のまちづくり推進計画(計画期間:平成
21 年度から平成 25 年度まで)では、5つの基本的視点を柱として 112 の事業を掲げ、
各施策を推進してきましたが、主な事業の取り組み実績、各施設等におけるバリアフリ
ー化等の進捗状況は以下のとおりです。
(ただし、各事業の実績については、集計が完
了している平成 21 年度から平成 24 年度)
(1)公共交通
【施策の概要】
○ 鉄道駅における段差解消のためのエレベーター等の計画的な整備によるバリ
アフリー化や、地域の身近な移動手段であるバス車両のノンステップ化などに
より、高齢者や障害者を含むすべての人の円滑な移動を促進します。
【主な取組状況・実績等】
① 都内鉄道駅(JR・私鉄・メトロ・都営地下鉄)のバリアフリー化の進捗状況
○「鉄道駅エレベーター等整備事業」の計画期間における補助実績(平成 21~24
年度)
:41 駅
○「大江戸線可動式ホーム柵の設置」の計画期間における整備実績(平成 21~24
年度)
:全駅 38 駅中、36 駅に整備し、整備率は約 94.7%(平成 25 年 4 月末に
全駅 38 駅に整備完了)
<都内鉄道駅のバリアフリー化の進捗状況>
平成24年度末の状況
全駅数
「車いす対応エレベーター等設置による段差
解消」の整備状況
「だれでもトイレ」の整備状況
(路面電車の駅を除く)
整備済 整備率
駅数 (%)
771
684
88.7
731
677
92.6
「視覚障害者誘導用ブロック」の整備状況
771
766
99.4
「ホームドア、可動式ホーム柵」の整備状況
755
210
27.8
* 全国の整備率(1 日当たりの平均利用者数が 3,000 人以上の駅のみ)は、
「段
差解消」が 81.8%、
「障害者用トイレ」が 79.1%、
「視覚障害者誘導用ブロック」
が 93.4%です。
表中の都の数値は、
3,000 人未満の駅も含むすべての駅数です。
* 「ホームドア、可動式ホーム柵」の駅数は、2以上の事業者の路線が乗り
入れる駅であって、事業者間の乗換改札口が設けられておらず、改札内で相
互乗換ができる場合は、全ての事業者の駅を含めて全体で1駅として計上し
ています。
- 8 -
② 都内のノンステップバス車両の普及状況
○「だれにも乗り降りしやすいバス整備事業」の計画期間における補助実績(平
成 21~24 年度)
:575 両
○ 都営バスの計画期間におけるノンステップバス整備実績(平成 21~24 年
度)
:310 両
<都内のノンステップバス車両の普及状況>
平成24年度末の状況
民営バス
都営バス
合計
全車両数
整備済車両数
4,072
1,452
5,524
3,431
1,452
4,883
整備率
(%)
84.3
100.0
88.4
* 全国の整備率(バス車両の構造及び設備に関する移動等円滑化基準の適用
除外認定車両を除く。
)は、41.0%です。
(2)建築物
【施策の概要】
○ 建築物については、バリアフリー法、
「高齢者、障害者等が利用しやすい建築
物の整備に関する条例」
(以下「建築物バリアフリー条例」という。
)や福祉のま
ちづくり条例に基づき、新設または改修の際に着実に整備を推進します。
○ 公共施設をはじめ、身近な店舗、公営住宅や民間住宅などの整備を推進し、高
齢者や障害者を含むすべての人が、地域において自立した生活を営むことのでき
る環境の整備を推進します。
【主な取組状況・実績等】
① 福祉のまちづくり条例の運用状況
主に、バリアフリー法、建築物バリアフリー条例の対象とならない小規模な建
築物等について、区市町村へ届出する際に整備基準の適合に関して指導します。
<福祉のまちづくり条例の届出件数(実績)>
平成21年
565件
平成22年
989件
平成23年
969件
平成24年
1,078件
* 平成 21 年の福祉のまちづくり条例改正により、200 ㎡未満の物販店舗、飲食
店、サービス店舗等が小規模建築物の整備基準の対象に追加されたため、件数
が増加しました。
(小規模建築物の内数は、平成 21 年の 158 件から、平成 22
年は 622 件に増加)
- 9 -
(参考)
「建築物バリアフリー条例」と「福祉のまちづくり条例」の対象範囲のイメージ
学校、病院、集会場、官公署等、
500㎡以上の物販店、飲食店等が対象
建築物バリアフリー条例
福祉のまちづくり条例
500㎡未満の物販店、飲食店、
2000㎡以上の事務所、寄宿舎等も対象
② バリアフリー法・建築物バリアフリー条例の運用状況
バリアフリー法、建築物バリアフリー条例の移動等円滑化基準の適合状況につ
いて、建築確認申請等の際に審柶を行います。
また、バリアフリー法に基づき、移動等円滑化基準を越え、より高いレベルの
誘導基準に適合する建築物を認定します。
<バリアフリー法の新規認定件数(実績)>
平成21年度
37件
平成22年度
30件
平成23年度
29件
平成24年度
35件
平成23年度
3,505戸
平成24年度
3,621戸
③ 都営住宅のバリアフリー化の進捗状況
○ 計画期間における建替実績
平成21年度
3,203戸
平成22年度
3,402戸
○ 計画期間における既設都営住宅の住宅設備改善等実績
平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度
高齢者向け改善(※7)
3,378戸
7,972戸
6,221戸
5,654戸
障害者向け改善(※8)
エレベーター設置
526戸
33基
1,000戸
34基
746戸
34基
592戸
33基
(※7)高齢者向け改善・・・高齢者からの要望を受け、玄関、便所、浴室などへの手すり設置、浴室出入口
戸を中折れ戸に取替え、玄関内外部にインターホン設置、玄関ノブをレバーハンドルに取替えを行う
などの改善のこと
(※8)障害者向け改善・・・障害者からの要望を受け、玄関、便所、浴室などへの手すり設置、台所に火
災・ガス漏れ警報及び遮断装置付メーターの設置、玄関内外部にインターホン設置を行うなどの改善
のこと
- 10 -
④ 宿泊施設のバリアフリー化の進捗状況
○ 計画期間における補助実績
平成21年度
17件
平成22年度
18件
平成23年度
13件
平成24年度
15件
* 補助対象は、宿泊施設における通路の段差解消、階段・廊下等への手すり
設置、車いす使用者用客室の整備など、バリアフリー整備のための施設改修
工事貹等です。
(3)道路、公園、交通安全対策等
【施策の概要】
○ 高齢者や障害者等が日常・社会生活において利用する主要な施設(鉄道駅、公
共施設、福祉施設、病院等)を結ぶ道路のうち、区市町村が定めるバリアフリー
基本構想の重点整備地区等において位置づけられた都道(以下「特定道路(都道)
」
という。
)について、重点的にバリアフリー化を推進します。
○ 区市町村が定めるバリアフリー基本構想の重点整備地区内等において、
「高齢
者等感応式信号機(※9)」
、
「視覚障害者用信号機(※10)」
、
「エスコートゾーン(※11)」
を整備し、高齢者や視覚障害者等のバリアフリー化を推進します。
○ 都内の公園を高齢者や障害者を含めたすべての人が快適に利用できるよう、福
祉のまちづくり条例等に沿って整備を推進します。
○ 高齢者や障害者を含めたすべての人にとって移動の障害となっている駅前の
放置自転車の問題を広く都民に周知し、行政・事業者・地域住民が協力・協働し
て放置自転車対策を推進します。
【主な取組状況・実績等】
① 「特定道路(都道)
」のバリアフリー化の進捗状況
○ 計画期間における整備実績(平成 21~24 年度)
:12km
平成21年度
4km
平成22年度
6km
平成23年度
1km
平成24年度
1km
(※9)高齢者等感応式信号機・・・交通の円滑を阻害するため十分な横断青時間を確保できない場所におい
て、専用の押ボタン又は携帯用発信機を操作することにより、同青時間を延長し、高齢者等が安全に
横断できるようにした信号機のこと
(※10)視覚障害者用信号機・・・横断する視覚障害者の安全性、利便性を向上させるために、歩行者用灯
器の青時間を擬音等の音響で知らせる機能を付加した信号機のこと
(※11)エスコートゾーン・・・道路を横断する視覚障害者の安全性、利便性を向上させるために横断歩道
上に設置され、横断時に横断方向の手がかりとする突起体の列のこと
- 11 -
○ 平成 24 年度末時点で、特定道路(都道)全長 72km のうち、71km を整備し、
整備率は約 99%
* 平成 24 年度末時点で、
駅、
公共施設、
病院等を結ぶ都道のバリアフリー化は、
特定道路を含む対象延長 327km のうち 271km が完了し、整備率は約 83%です。
* 全国の重点整備地区内の主要な生活関連経路を構成する道路のうち、バリア
フリー化した道路の整備率は、平成 24 年度末で約 81%です。
② 高齢者等・視覚障害者用の信号機、エスコートゾーンの整備状況
高齢者等感応式信号機
視覚障害者用信号機
エスコートゾーン
計画期間における
平成24年度末時点
整備実績
の整備箇所数
(平成21~24年度)
56か所
636か所
406か所
1,885か所
388か所
521か所
③ 都立公園の整備状況
○ 計画期間において、福祉のまちづくり条例に沿って整備した新規開園面積
(平成 21~24 年度)94.8ha
平成21年度
32.9ha
平成22年度
30.0ha
平成23年度
12.8ha
平成24年度
19.1ha
④ 「駅前放置自転車」対策の進捗状況
○ 計画期間における放置自転車等の台数の推移(※毎年 10 月に調柶)
平成21年度
約53,000台
平成22年度
約48,000台
- 12 -
平成23年度
約42,000台
平成24年度
約35,000台
(4)面的なバリアフリー整備
【施策の概要】
○ 公共交通施設、建築物、道路など個々の施設の部分的・点のバリアフリー整備
にとどまることなく、丌特定多数の人が利用する鉄道駅や公共施設等を核とした
周辺地域を、連続的・一体的に整備することで、面的な整備を推進します。
○ 鉄道駅や商店街・公共施設等の集中している地区等を、区市町村がユニバーサ
ルデザイン福祉のまちづくり事業に基づく指定地区(※12)又はバリアフリー基
本構想に基づく重点整備地区等として定め、住民・事業者・行政が協働して、公
共交通施設・建築物・道路・公園等のバリアフリー整備を一体的に推進します。
・駅エレベーター等設置
・駅前広場・ペデストリアンデッキ(※13)整備
・駐輪場整備、歩道整備(段差解
消・視覚障害者誘導用ブロック・サイン
整備等も含む)
・公共施設・トイレ・公園の改修など
<区市町村の区域全体>
「指定地区」又は「重点整備
地区」、鉄道駅・公共施設等
の集中地区
【主な取組状況・実績等】
① ユニバーサルデザイン福祉のまちづくり事業の「指定地区」での整備状況
○ 計画期間における補助実績(平成 21~24 年度)
:8 地区
平成21年度
新規 3地区
平成22年度
新規 2地区
平成23年度
新規 3地区
平成24年度
-
○ 平成 24 年度末時点で、指定地区は 20 地区(10 区 5 市)で、都補助事業によ
り面的なバリアフリー整備を推進
指定地区の例:池袋駅西口周辺地域(豊島区)
、柴又地域(葛飾区)
、鶴川駅等
周辺地区(町田市)
、西新井大師周辺地区(足立区)
、千歳烏山
駅周辺地区(世田谷区)
、西武立川駅周辺地区(立川市)など
(※12)指定地区・・・都が「ユニバーサルデザイン福祉のまちづくり事業」において、地域特性・ニーズ
を踏まえた、連続性のある一体的・面的な整備を行う区市町村を支援するにあたって、区市町村が
指定する丌特定かつ多数の人によって利用される頻度が高い駅前広場、商店街、公共的施設等の集
中している地域のうち特定の区域のこと
(※13)ペデストリアンデッキ・・・駅前広場などに設置される歩行者のための高架の通路であり、駅と商
業施設を直結する場合や複数の建物を連続的につなぐ場合等に設けられる
- 13 -
② 「バリアフリー基本構想」の「重点整備地区」での整備状況
○ 計画期間における基本構想策定に係る補助実績(平成 21~24 年度)
:14 区市
平成21年度
3区市
平成22年度
4区市
平成23年度
4区市
平成24年度
3区市
○ 平成 24 年度末時点で、都内 17 区 9 市で基本構想を策定し、64 地区を重点整
備地区として定め、面的なバリアフリー整備を実施
(5)情報提供、社会参加等
【施策の概要】
○ 高齢者や障害者を含めたすべての人が、生活する地域において、社会参加をす
ることができる環境を整備していきます。
○ 乳幼児を連れた子育て世帯が安心して外出ができるよう、授乳場所、おむつ替
えスペースなど子育て環境の整備を推進します。
○ 高齢者や障害者をはじめ、すべての人があらゆる場面において必要な情報を多
様な手段で入手できるよう、情報のバリアフリー化に取り組みます。
○ 特に、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、外国人など、情報を徔ることが
困難な人に対し、点字、音声、絵文字・記号・多言語表記、手話・筆記、IT機
器等による多様な情報提供手段の整備を推進します。
○ まちの中で困っている人に対し自然に声をかけ助け合えるような思いやりの
心を育てるとともに、視覚障害者誘導用ブロック上への放置自転車や置き看板を
行わないようにするなど、ルールやマナーを守ることの大切さを啓発していきま
す。
【主な取組状況・実績等】
① 社会参加の推進
○ 身体障害者補助犬給付事業
・計画期間における給付実績(平成 21~24 年度)
:盲導犬・介助犬・聴導犬 33 頭
平成21年度
8頭
平成22年度
10頭
平成23年度
8頭
平成24年度
7頭
○ 赤ちゃん・ふらっと事業
・計画期間における整備実績(平成 21~24 年度)
:1,043 か所
平成21年度
495か所
平成22年度
234か所
平成23年度
199か所
平成24年度
115か所
・平成 24 年度末時点で、
「授乳やおむつ替え等のスペース」を設置:1,129 か所
- 14 -
② 情報バリアフリー・情報提供の推進
○ 点字による即時情報ネットワーク事業、点字録音刊行物作成配布事業
新聞や都の刊行物等について、点字又は音声による情報を視覚障害者に提供し
ます。
(平成 24 年度の実績)
・新聞等(点字版)
:実施回数 235 回 延配布者数 23,500 人
・都刊行物:年間 12 種類 1 種類に付き、点字:723 部 録音物:1,130 本
○ 東京ひとり歩きサイン計画
外国人旅行者や障害者、高齢者を含めたすべての人々が安心して東京の観光を
楽しめるように、ピクトグラム(絵文字)や多言語で表記した観光案内標識を整
備します。
・計画期間における整備実績(平成 21~24 年度)
:244 基
平成21年度
80基
平成22年度
44基
平成23年度
79基
平成24年度
41基
・平成 24 年度末現在で、957 基を整備
③ 思いやりの心の醸成
○ 奉仕体験活動の推進
・平成19年度から全都立高校で奉仕体験活動を実施(24年度実績189校)
※参考
福祉のまちづくりに関する調柶(平成 23 年度「都民の生活実態と意識」
)の結果
○ 外出先で、高齢者や障害者、乳幼児を連れた人などが困っているのを見かけ
たことがある人に、その時どのような行動をとったか、についての回答
・ 「積極的に自ら手助けをした」と回答した人の割合が 58.1%
(49.8%:平成 16 年度調柶)7 年前より 8.3 ポイント増加
- 15 -
4 福祉のまちづくりに関する都民の意識について
都では、福祉・保健・医療施策推進の基礎資料とするため、毎年度「東京都福祉保
健基礎調柶」を実施しており、平成 23 年度は「都民の生活実態と意識」について調柶
を行いました。その中で、福祉のまちづくりに関する実態と意識に関する調柶の結果
は次のとおりです。
前回調柶を行った平成 16 年度から福祉のまちづくりが都民の意識としてどう進展
したのか等も踏まえ、今後の施策展開を図っていく必要があります。
① 東京の福祉のまちづくりの印象
「施設や設備のバリアフリー化が進み、それらが適正に利用されているが、思い
やりの心が醸成されていない」が 27.5%、
「施設や設備のバリアフリー化は進んだ
が、それらが適正に利用されていない」が 24.9%、
「施設や設備のバリアフリー化
が進み、それらが適正に利用されている。加えて、思いやりの心が醸成されている」
「施設や設備のバリアフリー化が進んだ」との印象を持っている人の割
が 4.9%で、
合は 57.3%となっています。一方、
「施設や設備のバリアフリー化が丌十分であり、
さらに整備を進める必要がある」の割合は 38.1%となっています。
無回答, 1.9
施設や設備のバリアフ
リー化が進み、それらが
適正に利用されている。
加えて、思いやりの心が
醸成されている, 4.9
施設や設備のバリアフ
リー化が進み、それらが
適正に利用されている
が、思いやりの心が醸成
されていない, 27.5
その他, 2.7
施設や設備のバリアフ
リー化が不十分であり、さ
らに整備を進める必要が
ある, 38.1
総数
100%
(6,242)
施設や設備のバリアフ
リー化は進んだが、それ
らが適正に利用されてい
ない, 24.9
- 16 -
② 日常よく出かけるところに着くまでのバリアの有無
日常よく出かけるところ(職場、学校、買い物先など)に着くまでに、道路や駅、
電車やバスなどで、バリアフリー化が進んでいないために、丌便や丌安を感じると
ころがあるかについて、
「ある」は 39.2%、16 年度調柶と比べ 21.1 ポイント低くな
っています。
しかし、外出時に障害のあるグループと乳幼児連れのグループにおいては、約
55%がバリアありとなっています。
無回答 1.4
本調査 総数=6,264人
ある 39.2
ない 59.4
無回答 0.3
16年度調査 総数=4,242人
ある 60.3
0
20
ない 39.4
40
60
80
100
%
③ 日常よく出かけるところに着くまでのバリアの箇所
日常よく出かけるところに着くまでにバリアを感じるところが「ある」と回答し
た人(2,455 人)に、バリアを感じる箇所を聞いたところ、
「道路」の割合が最も高
く 71.5%、次いで「公共交通施設」が 61.6%と続いています。
(%)
74.9
80
71.5
本調査 総数=2,455人
16年度調査 総数=2,560人
61.6
60
56.2
34.7 34.3
40
15.5
20
19.4
0.2
0
道
路
公
駅
共
、交
バ通
ス施
乗
設
り
場 (
鉄
等
道
)の
公
バ共
ス交
等 通
の機
車 関
両
(
)電
車
公
園
、
- 17 -
1.1
そ
の
他
1.0
0.2
無
回
答
④ 住宅(共同住宅)のバリアフリーについて
現在住んでいる共同住宅で、バリアフリー化が進んでいないために、日常生活に
おいて、丌便や丌安を感じることがあるかを聞いたところ、
「ある」の割合は 25.4%、
16 年度調柶より約 7 ポイント減尐しています。
本調査
(2,971)
ある
ない
25.4
73.7
平成 16 年度
(2,135)
32.3
無回答
0.9
0.1
67.6
0%
20%
40%
60%
80%
100%
⑤ まちの中での情報提供について
まちの中での案内標示等の整備状況に関する意識について、
「整備されている」と
「やや整備されている」と思う人を合わせた割合は 72.5%となっています。
総数=6,264 人
やや整備されている
整備されている
整備されていない
あまり整備されていない
13.7
58.8
2.7
23.8
1.1
無回答
⑥ 外出時に困っている人を見かけたときの行動
過去 1 年くらいの間に、外出先で高齢者や障害者、乳幼児を連れた人などが困っ
ているのを見かけたことがある人(2,677 人)に、その時どのような行動をとった
か聞いたところ、
「積極的に自ら手助けした」の割合は 58.1%で、16 年度調柶と比
べて 8.3 ポイント高くなっています。
話しかけたり、声をかけたりしたが、手助けまで
に至らなかった
積極的に自ら手助けをした
本調査 (2,677)
相手から求められ手助けをした
58.1
何もしなかった
7.8
17.0
無回答
15.4
1.1
その他
16年度調査 (1,990)
49.8
5.9
19.3
0.6
24.0
0.3
0.7
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
(%)
- 18 -
⑦ ユニバーサルデザインの認知度
「ユニバーサルデザイン」
という言葉や意味を知っていたかどうか聞いたところ、
「以前から言葉も意味も知っていた」と「言葉は知っていたが、意味は今回はじめ
て知った」
を合わせた割合は 53.6%、
「言葉も意味も、
今回はじめて知った」
は 44.7%
となっています。16 年度においては、それぞれ 48.2%、45.0%でした。
その他, 1.0
無回答, 0.7
以前から言葉も
意味も知ってい
た, 31.2
言葉も意味も、今
回はじめて知っ
た, 44.7
総数
100%
(6,242)
言葉は知ってい
たが、意味は今
回はじめて知っ
た, 22.4
⑧ 福祉のまちづくりで特に重点的に取り組む必要があること
「道路と歩道を分離したり、歩道の幅を広げたり、段差を解消するなど、道路の
整備」の割合が最も高く 63.0%、次いで「駅にエレベーターを設置するなど、公共
交通施設や公共交通機関の整備」が 59.7%、
「災害時に援護が必要な方に対しての
避難誘導・案内標示の整備など、災害への備えと対応」が 54.2%と続いています。
70
63.0
60
59.7
54.2
50
総数=6,264人
44.9
40
35.8
34.1
32.5
31.4
30
26.1
16.7
20
16.1
11.0
10
4.0
3.8
点
等字
、録
社音
会刊
参行
加物
のの
推配
進布
を、
支手
え話
る技
仕能
組取
み得
づ者
くの
り配
置
福
祉
の
ま
うち
、づ
普く
及り
、へ
推の
進理
に解
努と
め協
る力
こを
と得
ら
れ
る
よ
1.9
1.4
そ
の
他
無
回
答
0
道
路
と
歩
段
道
差
を
を
分
解
離
消
し
す
た
る
り
な
ど、
歩
、道
道
路の
幅
のを
整
広
備
げ
た
り
、
駅
に
エ
レ
ベ
ー
やタ
公ー
共を
交設
通置
機す
関る
のな
整ど
備、
公
共
交
通
施
設
災
案
害
内
時
標
示に
援
の護
整
が
備
必
な
要
ど
な
、方
災
害に
対
へし
の
備て
えの
と、
避
対
難
応
誘
導
・
学
校
や
る、
地
心
域
を
醸、
職
成
場
す
な
る
ど
た
で
め
、
のお
教
互
育
をい
を
広
理
め
解
る
し
こ
と、
思
い
高
齢
者
や
障
害
の
あ
る
方
に
も
住
み
や
す
い
住
宅
の
整
備
個
々
に
整
備
体す
的る
、だ
計け
画で
的な
にく
進、
め地
る域
こで
と、
連
続
的
、
一
建
物
の
出
入
口
利を
用自
す動
るド
建ア
物に
内す
のる
整な
備ど
、
多
く
の
人
が
施
設
や
設
備
が
適
正
に
利
用
り
さ
れ
る
た
め
の
仕
組
み
づ
く
- 19 -
園
路
・
散
策
場路
でな
あど
るの
公段
園差
・を
河解
川消
のす
整る
備な
ど
、
憩
い
の
交
通
安
全
全
対
・策
安
心や
地
に域
暮
らの
防
す
犯
た
活
め
動
の
体へ
制の
支
整
援
備
な
ど
、
安
当
事
者
の
意
見
を
反
映
す
る
り
こ
と
が
で
き
る
仕
組
み
づ
く
案
内
標
示
等
の
設
い置
情な
報ど
提、
供分
のか
充り
実や
す
く
利
用
し
や
す
第2章 福祉のまちづくりの総合的な推進
1 東京都福祉のまちづくり推進計画
(1)計画策定の趣旨
この計画は、すべての人が安全、安心、快適に暮らし、訪れることができるユニバ
ーサルデザインを基本理念としたまちづくりを進めるため、福祉のまちづくり条例に
基づいて、福祉のまちづくりに関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基
本となる計画として策定します。
(2)計画の位置づけと計画期間
この計画は、福祉のまちづくり条例第7条に基づき策定するもので、都における福
祉のまちづくりの推進にかかわる、福祉、教育、住宅、建設、交通、安全・安心、観
光等のあらゆる分野の施策を盛り込んだ計画です。
計画期間は、平成 26 年度から平成 30 年度までの 5 年間を対象としています。
計画の策定に当たっては、福祉のまちづくりを推進する上で必要な関連施策や他の
計画との整合性を図っています。
(3)計画の内容、事業数
この計画の範囲は、条例に規定されているものだけでなく、災害対策や事敀防止な
ど安全・安心にかかわる施策などについても盛り込んでおり、掲げた事業は 97 事業で
す。
なお、各年度の取組については、社会経済状況等の変化を踏まえ、必要に応じて見
直していきます。
(4)計画の進行管理
福祉のまちづくりを効果的に推進する
ため、計画に盛り込む各事業の目標を設
定するとともに、結果だけではなくプロ
セス(過程)も重視し、事業者や都民の
参加のもと、検証及び定期的な評価を行
い、その結果に基づいて新たな施策を講
じる、スパイラルアップの仕組みによる
進行管理を行います。
- 20 -
<スパイラルアップの仕組み(イメージ図)>
(5)福祉のまちづくりの推進体制と役割
福祉のまちづくりを推進するために
は、都民、事業者、行政、そしてNP
Oなど地域社会の様々な活動主体が、
理解と協力のもと、一体となって推進
することが重要です。また、それぞれ
が果たす役割と責任を明確に認識し、
主体的に行動し、互いに協働して進め
ていくことが必要です。
<福祉のまちづくり推進主体の連携(イメージ図)>
事業者
都・区市町村
都 民
地域における活動主体
(NPO、ボランティア団体、自治会等)
<都の役割>
都は、
福祉のまちづくりを推進するために先導的な役割を担うとともに、
区市町村、
事業者、都民等との参加と協力の下に、広域的な観点から福祉のまちづくりを一体的
に推進することが役割であり、次の取組を行うことが求められています。
① 福祉のまちづくり条例の普及・啓発を図るとともに、高齢者や障害者を含めたす
べての人が自由に移動し、社会参加できるよう福祉のまちづくり推進の仕組みづく
りを検討し、推進主体の有機的な連携を促進
② 都民、事業者等への福祉のまちづくりについての理解と主体的な活動を促進する
ため、意識の醸成、情報の提供、技術的支援の実施
③ 区市町村が地域における福祉のまちづくりの推進主体として、最大限役割を発揮
できるよう、区市町村の取組を支援
④ 福祉のまちづくり条例に基づき、都立施設の整備について、ユニバーサルデザイ
ンの視点に立って推進
<区市町村の役割>
区市町村は、住民に最も身近な自治体として、それぞれの地域の特性、ニーズに応
じた福祉のまちづくりを推進することが役割であり、次の取組を行うことが求められ
ています。
① 住民等の参加の下、地域における福祉のまちづくり推進体制を整備
② 地域の状況や住民ニーズの把握に努め、きめ細かい福祉のまちづくりの施策を展
開
③ 区市町村自らが設置する都市施設の整備について、ユニバーサルデザインの視点
に立って推進
<事業者の役割>
都市施設を所有し管理する事業者は、行政や他の事業者と連携、協働して、高齢者
や障害者を含むすべての人が安全かつ円滑に施設を利用できるように努めることが
役割であり、次の取組を行うことが求められています。
① 自らが所有・管理する施設や物品及び提供するサービスなどについて、国、都、
区市町村の定める法令や条例、ガイドラインの趣旨を十分に踏まえた取組を実施
- 21 -
② 都市施設の整備について、施設を主に利用する都民の意見を、計画段階だけでは
なく、整備中、整備後の各過程で取り入れて推進
<都民及び地域社会の役割>
福祉のまちづくり推進のため、高齢者や障害者を含めたすべての人にとって暮らし
やすく、訪れやすい福祉のまちづくりへの理解を深め、それを進める取組に積極的に
参加、協力することが都民及び地域社会の役割であり、次の取組を行うことが求めら
れています。
① 地域を支える都民一人一人やNPO等が、高齢者や障害者を含めたすべての人々
の多様性の理解を深め、受容する姿勢を持つ
② 高齢者や障害者を含めたすべての人が、自ら地域社会への参加と交流を図り、地
域の人々とふれあいを深めるなど、地域における福祉のまちづくり推進の一員とし
て地域の人々と連携し、協働して主体的に活動
- 22 -
2 推進計画の目指すべき方向
東京においては、急速に尐子高齢化が進行しており、平成 37 年には都民の 4 人に 1
人が高齢者となる超高齢社会が到来する見込みであり、高齢者の自立と社会参加による、
健全で活力ある社会の実現が求められています。また、すべての人が、障害の有無によ
って分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実
現することも求められています。
このような社会の実現のためには、高齢者、障害者等が自立した日常生活及び社会生
活を営むことができる社会を構築することが重要であり、そのための環境の整備を一刻
も早く推進していくことが必要です。
都は、こうした状況を踏まえ、はじめから、
「人」をまちづくりの中心に据えることに
より、多様な生き方を尊重し、すべての人が、安全、安心、快適に暮らし、訪れること
ができる、ユニバーサルデザインを基本とした福祉のまちづくりを進めていきます。
2020 年には、東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。都は、今
後、次のような社会を目指し、ユニバーサルデザインの先進都市東京の実現に向け、一
層の施策の充実に努めていきます。
<目指す社会>
☆ 一人ひとりの個性が大切にされる社会
☆ だれもが、安心して住み、暮らし続けることのできる社会
☆ だれもが、自由に移動でき、積極的に社会参加のできる社会
3 福祉のまちづくりの施策の基本的視点
ユニバーサルデザインの理念に基づく福祉のまちづくりを推進していくため、次の5
つの基本的視点に立った福祉のまちづくりの施策化を図っていきます。
(1)円滑な移動、施設利用のためのバリアフリー化の推進
高齢者、障害者等が社会参加をするに当たり、移動や施設の利用は重要な手段で
あることから、日常生活の中で通常利用する公共交通、建築物、道路及び公園等の
各々について、移動等の円滑化を促進することは、自立した生活を営む上で大きな
意義を持ちます。
そこで、住民が日常生活の中で福祉のまちづくりの進展を実感できるよう、物販
店や飲食店等の身近で利用頻度の高い施設のバリアフリー化を進めるとともに、地
域全体を視野に入れ、施設と最寄駅等を連続して結ぶ移動経路も含めた、面的に広
がりのある整備を、地域住民と連携しながら推進していきます。
- 23 -
(2)地域での自立した生活の基盤となるバリアフリー住宅の整備
住宅は、生活の基盤であると同時に、都市を形づくる基本的な要素です。住宅の
ありようは、都民生活の質はもとより、都市の活力や景観、地域社会の維持形成と
も密接に関連しています。
誰もが住み慣れた地域で暮らし続けることのできるよう、公共住宅のバリアフリ
ー化を進め、民間住宅のバリアフリー改修などを支援するとともに、高齢者や子育
て世帯が安全で安心して暮らせる住環境を整備していきます。
(3)様々な障害特性や外国人等にも配慮した情報バリアフリーの充実
高齢者や障害者を含めたすべての人が、地域の中で自立して生活していくために
は、誰もが必要な情報を必要なときに入手し、発信できることが必要です。
情報は分かりやすく、また必要な情報を適切な時期に容易に入手できることが大
切であり、情報バリアを有する人たちの特性に応じた情報提供の取組を展開してい
きます。また、観光施設や文化財が多い東京において、国内外の旅行者はもちろん
のこと、視覚や聴覚に障害を持つ方々も、他の人々と交流し、歴史や文化に触れ、
楽しみ、鑑賞できるように、ハード・ソフトの両面から配慮した取組を進めていき
ます。
(4)災害時・緊急時の備えなど安全・安心のまちづくり
平成 23 年 3 月に発生した東日本大震災などの近年の大規模災害の経験を生かし、
東京の防災力を向上し、安全な都市を実現していきます。特に、災害時要援護者に
対しては十分に配慮し、防災知識の普及、災害時の情報提供、避難誘導、救護・救
済対策等防災の様々な場面において、福祉のまちづくりの観点も踏まえた、きめ細
かな取組を進めていきます。
また、日常生活の中で発生する事敀を防止し、地域の中で安心して生活していけ
るよう、安全教育等の理解を促進するための取組など、安全対策を推進します。
(5)心のバリアフリーに向けた普及啓発の強化と社会参加への支援
心のバリアフリーを推進していくため、ハード面での整備に加え、利用者である
高齢者や障害者を含めた人々の多様性の理解を図り、互いに思いやる心を育むソフ
ト面での取組として、普及啓発を一層進めていきます。
また、すべての人が、生活する地域において社会参加できるための環境整備を支
援していきます。
- 24 -
4 推進計画の基本的視点と取組の体系
取 組
基 本 的 視 点
Ⅰ 円滑な移動、施設
利用のためのバリア
フリー化の推進
Ⅱ 地域での自立した生
活の基盤となるバリア
フリー住宅の整備
Ⅲ 様々な障害特性や外
国人等にも配慮した情
報バリアフリーの充実
Ⅳ 災害時・緊急時の備
えなど安全・安心のま
ちづくり
Ⅴ 心のバリアフリーに向
けた普及啓発の強化と社
会参加への支援
(1)公共交通におけるバリアフ
リー化の推進
(2)建築物におけるバリアフ
リー化の推進
(3)道路・公園等におけるバリ
アフリー化の推進
(4)面的なバリアフリー整備
(5)駅前放置自転車対策
(1)公共住宅の整備
(2)民間住宅の整備促進
(1)障害者等への情報提供体制の
整備
(2)まちなかでの情報提供の充実
(3)ホームページによる情報提供
の内容充実
(1)災害への備え及び対応
(2)日常生活における事敀防止
(1)普及啓発の充実
(2)ユニバーサルデザイン教育の推進
(3)社会参加支援
(4)推進体制の整備
- 25 -
基本的視点Ⅰ 円滑な移動、施設利用のためのバリアフリー化の推進
住民が日常生活の中で福祉のまちづくりの進展を実感できるよう、物販店や飲食店
等の身近で利用頻度の高い施設の整備を進めるとともに、地域全体を視野に入れ、施
設と最寄駅等を連続して結ぶ移動経路も含めた、面的に広がりのある整備を、地域住
民と連携しながら推進していきます。
(1) 公共交通におけるバリアフリー化の推進
<現状>
○ 都内の鉄道駅については、エレベーター整備などによる段差解消、だれでもトイ
レ・視覚障害者誘導ブロック等の整備が進み、バリアフリー化は着実に進展しました。
○ 地域の身近な移動手段であるバス車両のノンステップ化も、着実に進展しました。
○ 都内の公共交通施設・車両のバリアフリー化は、全国の整備率と比べ進展しました。
~福祉のまちづくり条例の整備基準の主な内容~
● 高齢者、障害者等を含むすべての人の移動等円滑化に配慮し、外部から駅舎等
内へアプローチし、車両等にスムーズに乗降できる連続性のある移動動線を1以
上確保します。
・駅舎等の出入口…幅 90cm以上(エレベーターのかご、昇降路の幅は 80cm
以上)
・コンコース、通路…幅 140cm以上
・傾斜路…幅 120cm以上(階段併設は 90cm以上)
、こう配屋内 1/12 以下、屋
外 1/20 以下
・改札口通路のうち、1 以上は幅 90cm以上
・駅舎等の出入口から車両等の乗降に至る経路上に視覚障害者誘導ブロックの敷
設など
<課題>
○ 都内の公共交通施設(鉄道駅)
・車両(バス)のバリアフリー化は、全国の整備率
と比べ進展していますが、とりわけ交通需要が大きい東京のような大都市においては、
高齢者や障害者等を含めたすべての人々が、公共交通施設等を安全、安心、快適に利
用できるように移動等の円滑化をさらに推進していく必要があります。
○ 鉄道駅では、エレベーター等の整備を進め、駅の出入口からホームまで誰でも円滑
に移動できる経路(以下「移動等円滑化経路」という。
)を1ルート確保する取組を
進めてきました。しかし駅の構造・地形上の制約などにより、エレベーター整備が困
難な駅(整備困難駅)が残っており、整備困難駅について、今後、どのように整備し
ていくかが課題となっています。
(整備が困難な例)
・ ホームが狭く、エレベーターを整備するスペース確保が困難
・ 地下鉄等の駅で、地上部に構造物があるため、エレベーターの整備が困難
- 26 -
○ さらに、
可能な限りすべてのルートにおいても移動等円滑化経路を確保することや、
他の事業者や他の公共交通施設への乗換経路に関しても移動等円滑化経路を確保でき
るよう、さらなる充実が必要です。
○ また、視覚障害者等の転落を防止するための設備としても非常に効果の高いホーム
ドアや可動式ホーム柵(以下、
「ホームドア等」という。
)について、整備を進めてい
くことが重要ですが、都内での整備率は約 27.8%(平成 24 年度末時点)にとどまっ
ています。
今後の鉄道駅におけるホームドア等の整備に当たっては、扉の位置の異なる車両へ
の対応(車両扉の統一等の技術的困難さ)
、停車時間の増大等のサービス低下、多額の
整備貹用など様々な課題がありますが、これらを総合的に勘案した上で、優先的に整
備すべき駅を検討し、可能な限り支援するなど、ホームドア等の整備を促進する必要
があります。
○ 都営バスについては平成 24 年度末にすべての車両のノンステップ化が完了しまし
たが、民営バスについては、整備率は約 84.3%(平成 24 年度末時点)となっており、
引き続きノンステップバスの整備が必要となっています。
<今後の施策の方向>
○ 高齢者や障害者を含めたすべての人の円滑な移動を促進するため、民間鉄道駅でエ
レベーター等の整備による段差解消が必要なすべての駅に整備を行うよう、鉄道事業
者や区市町村へ働きかけるとともに、支援を行っていきます。
○ 都営地下鉄においては、他路線との乗換駅等においてエレベーターを整備し、さら
なる利便性の向上を図ります。
ホームドアについては、三田線と大江戸線の全駅に整備を完了しており、新宿線と
浅草線に関して、相互直通運転を実施している各社と整備に向けた検討を進めていき
ます。
また、利用者の利便性向上を図るため、駅ホームのベンチを増設します。
○ 地域における身近な移動手段であるバス車両については、民営バスのノンステップ
バス導入に関して、必要なすべてのバスをノンステップ化するよう事業者へ働きかけ
るとともに、支援を行っていきます。
○ 都営バスにおいては、バス停留所における、上屋の整備とベンチの増設を行い、利
用者の快適性向上を図ります。
- 27 -
【施策の体系】
1 円滑な移動、施設利用のための
バリアフリー化の推進
(1)公共交通における
バリアフリー化の推進
1 民営鉄道駅のバリアフリー化への支援
(鉄道駅エレベーター等整備事業)
2 都営地下鉄駅のバリアフリー化の推進
(乗換駅等へのエレベーター整備)
3 都営地下鉄駅のホームドア整備
4 東京メトロ駅のバリアフリー化・ホームドア等整備
5 都営地下鉄駅ホームのベンチの増設
6 民営バスのノンステップ化への支援
(だれにも乗り降りしやすいバス整備事業)
7 都営バスのバス停留所上屋・ベンチの整備等
- 28 -
(2) 建築物におけるバリアフリー化の推進
<現状>
○ バリアフリー法、建築物バリアフリー条例及び福祉のまちづくり条例に基づき、毎
年度、相当数の建築物のバリアフリー化が進展しています。
○ 平成 21 年の福祉のまちづくり条例改正により、200 ㎡未満の物販店舗、飲食店、サ
ービス店舗等が小規模建築物の整備基準の対象に追加されたため、新設・改修を行う
場合の整備は着実に進展しました。
~各種法令に基づく整備基準について~
○ 東京都では、バリアフリー法に基づき、建築物バリアフリー条例を制定し、バ
リアフリー法で定める、①バリアフリー化が義務づけされる用途(特別特定建築
物)の追加、②規模の引き下げ、③バリアフリー化の整備基準の強化、を行うこ
とで、建築物のバリアフリー化を推進しています。
また、福祉のまちづくり条例では、建築物バリアフリー条例等の整備基準に加
え、
「観覧席・客席」及び「公共的通路」に関する基準を追加するとともに、対象
とする建築物の用途と規模をより広範に定めています。
<バリアフリー法及び建築物バリアフリー条例>
○ バリアフリー化の基準への適合の義務対象となる建築物
建築物の用途と規模は、下表のとおりです。下表に該当する建築物を、新築、
増築、改築、用途変更しようとする際、建築基準法に基づく確認申請や中間・
完了検柶時に審柶を受けます。
バリアフリー化が義務づけされる用途(特別特定建築物)
学校(すべて)
、病院又は診療所(患者の収容施設を有するもの
に限る。
)
、集会場(一の集会室の床面積が200㎡を超えるもの
に限る。
)又は公会堂、保健所・税務署その他の丌特定かつ多数
の者が利用する官公署、老人ホーム・保育所・福祉ホームその他
これらに類するもの、老人福祉センター・児童厚生施設・身体障
害者福祉センターその他これらに類するもの、卙物館・美術館又
は図書館、車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場を構成
する建築物で旅客の乗降又は待合の用に供するもの、公衆便所
診療所(患者の収容施設を有しないものに限る。
)
、百貨店・マー
ケットその他の物品販売業を営む店舗、飲食店、郵便局又は理髪
店・クリーニング取次店・質屋・貸衣装屋・銀行その他これらに
類するサービス業を営む店舗、自動車の停留又は駐車のための施
設(一般公共の用に供するものに限る。
)
- 29 -
規 模
(床面積の合計)
すべての規模
500㎡以上
バリアフリー化が義務づけされる用途(特別特定建築物)
劇場・観覧場・映画館又は演芸場、集会場(すべての集会室の床
面積が200㎡以下のものに限る。
)
、展示場、ホテル又は旅館、
体育館・水泳場・ボーリング場その他これらに類する運動施設又
は遊技場、公衆浴場、料理店
共同住宅、公共用歩廊、複合建築物
規 模
(床面積の合計)
1,000㎡以上
2,000㎡以上
○ バリアフリー化の基準について
出入口や廊下等、傾斜路などの建築物特定施設をそれぞれの基準で整備する必
要があります。特に、利用居室と、①道等、②車いす使用者用便房、③車いす使
用者用駐車施設を結ぶ経路は、階段等の段差を設けず、平坦又は傾斜路やエレベ
ーター等で移動できる経路(移動等円滑化経路)を1つ以上設けなければなりま
せん。
<福祉のまちづくり条例>
○ 届出及び整備基準への適合が義務付けられる対象について
建築物の用途と規模は、下表のとおりです。建築物バリアフリー条例等で対象
となる新築、増築、改築、用途変更に加え、大規模の修繕、大規模の模様替えの
際にも届出が必要となります。
建築物バリアフリー条例等の対象ではないが、
福祉のまちづくり条例の対象となる用途の例
診療所(患者の収容施設を有しないもの)
、百貨店・スーパーマ
ーケット・コンビニエンスストアなど・飲食店、郵便局又は理髪
店・クリーニング取次店・銀行その他これらに類するサービス業
を営む店舗
事務所、寄宿舎又は下宿
規 模
500㎡未満
2,000㎡以上
○ 小規模建築物の整備基準について
生活に身近な店舗等のうち、床面積の合計が 200 ㎡未満のもの(小規模建築物)
について、実態に配慮した遵守基準を定めています。
【小規模建築物として対象となる施設】
診療所(患者の収容施設を有しないもの)
、百貨店・スーパーマーケット・コ
ンビニエンスストアなど・飲食店、郵便局又は理髪店・クリーニング取次店・
銀行その他これらに類するサービス業を営む店舗
【整備基準の内容】
・ 敷地内の通路:段差を設けず、歩行者と車いす使用者がすれ違える幅(120cm
以上)
・ 出入口:段差を設けず、車いす使用者が通過できる幅(80cm 以上)
・ 便所:便所を設置する場合は、車いす使用者も使える便房(個室)を設置
- 30 -
<課題>
○ 都内の建築物の大多数を占める既存建築物では、敷地や建築物の構造上の制約、福
祉のまちづくり条例の整備基準等への適合が努力義務にとどまることなどにより、整
備が進みにくいことが課題となっています。しかし、高齢者や障害者を含むすべての
人が、身近な地域で、自ら買い物をしたり、食事などに出かけられることができるよ
う、既存建築物に対するバリアフリー化対策を、今後、地域において推進していく必
要があります。
○ とりわけ都民の生活に密着した小規模建築物においては、出入口等の整備基準を満
たしたとしても、内部に段差のある店舗や、カウンターの座席しか用意されていない
飲食店、商品棚の間の通路が狭い物品販売店などでは、車いす使用者が食事や買い物
などができないことがあります。しかし、既設の配置状況を前提に、段差を解消する
こと、席や商品棚の間隔を後から確保することは、スペース上の制約を大きく受ける
ため困難な場合があります。
そのため、例えば飲食店では、内部の段差が解消できない場合は、入口の近くに車
いすで利用できる席を設けること、また、内部にトイレを設置するスペースがない
場合は、建築物全体あるいは、周辺の商店街などの地域全体で、共有の誰でも利用で
きるトイレを用意するなどの工夫が必要です。
また、小規模建築物を含む既存建築物においても、改修を待つことなく、仮設のス
ロープを活用することや、従業員による人的対応などを店舗等の運営マニュアルなど
に定めるとともに、利用者に明らかにしていくなどの対応を進めることが必要です。
<今後の施策の方向>
○ 福祉のまちづくり条例に基づく届出先である区市町村に対して、適切な条例運用に
向けた支援を行うとともに、努力基準に適合している場合に交付する適合証制度を活
用し、より望ましい基準への誘導を図ります。
○ バリアフリー法に基づき、義務となる基準を超え、より高いレベルの誘導基準に適
合する建築物を認定する制度について、周知を図り、質の高い建築物のバリアフリー
化を推進します。
○ 店舗等の内部について、整備基準を満たした上で、それに加えて必要となる、段差
解消やレイアウトなどにあたっての配慮や工夫を示したガイドラインを活用し、区市
町村、施設整備や店舗経営を行う事業者に対して、積極的に働きかけていきます。
○ 観光振興施策の一環として、観光やビジネスのために東京を訪れる障害者や高齢者
などが、安全かつ安心して宿泊施設を利用できるよう、都内における宿泊施設のバリ
アフリー化を支援し、旅行者の増加を図ります。
○ 商店街の振興、地域経済の活性化の観点から、商店街が、だれでもトイレの設置や
案内サインの表示など、ユニバーサルデザインに基づく施設の整備などを行う取組を
支援します。
- 31 -
○ 子育て家庭が、安心して気軽に外出できる環境を整備するため、授乳やおむつ替え
などができる設備「赤ちゃん・ふらっと」を、保育所、児童館、公共施設や商業施設
など、様々な場所に設置促進するとともに、
「赤ちゃん・ふらっと」の所在等を広く周
知していきます。
○ 都庁舎、体育施設(駒沢オリンピック公園総合運動場、有明テニスの森公園テニス
施設、障害者総合スポーツセンター、多摩障害者スポーツセンター)
、文化施設(庭園
美術館、写真美術館、文化会館等)
、都立学校など、都立施設の改修に当たっては、利
用者が安全、安心、円滑に利用できるよう、バリアフリー化を促進していきます。
○ オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて都が新設する恒久施設について、
ユニバーサルデザインの視点に立った整備を行い、誰もが快適にスポーツを楽しめる
環境を整えます。
【施策の体系】
1 円滑な移動、施設利用のための
バリアフリー化の推進
(2)建築物における
バリアフリー化の推進
8 東京都福祉のまちづくり条例の運用等
9 既存建築物のバリアフリー化の推進
10 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の
促進に関する法律に基づく認定
11 区市町村福祉のまちづくりに関する基盤整備事業
12 宿泊施設のバリアフリー化支援事業
13 特定施策推進型商店街事業
14 都立学校の学校施設改修に伴うバリアフリー化
15 私立学校の学校施設のバリアフリー化への支援
16 乳幼児を持つ親が安心して外出できる
環境の整備事業(赤ちゃん・ふらっと事業)
17 都庁舎の改修に伴うバリアフリー化
18 都立体育施設等の大規模改修に
伴うバリアフリー化
19 都立文化施設の改修等に伴うバリアフリー化
20 オリンピック・パラリンピック競技会場の整備
- 32 -
(3) 道路・公園等におけるバリアフリー化の推進
<現状>
【道路】
○ 都民生活を支える最も基礎的な社会基盤として重要な役割を担っている道路につい
て、高齢者や障害者を含めたすべての人が安全で快適に歩行・移動ができるよう、歩
車道の分離、路面の平坦性、有効幅員の確保などのバリアフリー化に取り組んできま
した。
高齢者や障害者などを含む多くの人が日常生活で利用する駅や公共施設、病院など
を結ぶ都道において、歩道の段差解消、こう配の改善、視覚障害者誘導用ブロックの
設置などに取り組み、バリアフリー化は着実に進展しました。
このうち、区市町村が定めるバリアフリー基本構想の重点整備地区等において位置
付けられた特定道路(都道)については、重点的にバリアフリー化を進め、ほぼ整備
が完了しました。
○ 歩道の整備・改善などにより安全で安心して歩ける道路空間を提供するとともに、
道路の無電柱化により快適な道路空間を形成してきました。また、都市計画道路を中
心とした広域的な道路ネットワークの充実や、道路と鉄道の立体交差化の推進等を図
ってきました。
○ 高齢者や障害者などの交通事敀を防止し、
安全に、
安心して道路を利用できるよう、
高齢者や障害者に配慮した信号機の設置、エスコートゾーンの整備を進め、着実に進
展しました。
【公園】
○ 公園は、都民にゆとりや安らぎを不え、自然と触れ合うレクリエーションの場の提
供、美しい景観や魅力の創出、ヒートアイランド現象の緩和など環境の保全、震災時
の避難場所となる防災の拠点など、多様な面において都市活動を支える重要な役割を
担っています。
そのため、誰もが安心して快適に公園を利用できるよう、各法令に基づき、園路の
移動円滑化、だれでもトイレや車いす使用者用駐車スペースの整備などに取り組み、
ユニバーサルデザインを基本とした公園づくりが進展しました。
【河川】
○ 河川は、水辺に親しむ場、生き物を育む場、自然と触れ合える場、美しい景観の創
出など、都市に残された貴重な空間であり、誰もが安心して水辺に親しめるよう、河
川の整備にあわせ、可能な限り、水辺の散策路の整備やバリアフリー化を図ってきま
した。
<課題>
今後も引き続き、ユニバーサルデザインの考え方を踏まえて、誰もが安全で快適に
利用できる道路、公園、河川の整備を進めていく必要があります。
- 33 -
<今後の施策の方向>
【道路】
○ 高齢者や障害者を含めたすべての人が安全で快適に広域的な移動ができるよう、歩
道や地下歩道の整備、視覚障害者誘導用ブロックの設置、横断歩道橋等へのスロープ・
エレベーターの整備を進め、利便性の向上を図ります。
駅や公共施設、病院などを結ぶ都道においては、重点的に、歩道の段差解消、勾配
の改善、
視覚障害者誘導用ブロックの設置などのバリアフリー化を引き続き進めます。
○ 道路上の電線類は都市景観を損ね、歩道の電柱は歩行者や車いすの通行の妨げとな
ります。また、災害時には、電柱の倒壊や電線の切断が物資輸送や救急活動の支障と
なり、復旧を遅らせる要因となります。
そのため、良好な都市景観の創出、安全で快適な歩行空間の確保、都市防災機能の
強化を図るため、電線類を地下に収容し、無電柱化を推進します。
○ 渋滞のない効率的で利便性の高い都市の実現は、すべての人の安全かつ快適な移動
を可能とすることから、区部環状道路や多摩南北道路をはじめとする都市計画道路な
どの道路ネットワークを充実させ、交通環境の向上を図ります。
○ 道路交通を阻害し、安全で効率的な都市活動の障害となる踏切を除却し、都市の機
能や利便性を向上させるため、道路と鉄道の連続立体交差事業を推進します。
また、この事業に伴い立体化される駅施設を安全かつ快適に利用できるよう、鉄道
事業者と調整し、エレベーターの整備等を図っていきます。
○ 高齢者や障害者等の安全安心な歩行を確保するため、高齢者等感応式信号機(P11※
9参照)
、視覚障害者用信号機(P11※10参照)、エスコートゾーン(P11※11参照)、ゆとりシ
グナルなど(※14)について、区市町村の定めるバリアフリー基本構想の重点整備地区
や、高齢者や障害者等の利用者が多い場所を優先し、交通状況なども勘案し整備を促
進します。
【公園】
○ 都立公園では、
「東京都立公園における移動等円滑化の基準に関する条例」及び「東
京都福祉のまちづくり条例」に基づきバリアフリー化を進め、視覚障害者の利用を補
助するためのトイレの音声案内、乳幼児を連れてトイレを利用するためのベビーベッ
ド・ベビーチェアの設置など、すべての利用者が安心して、快適に利用できる都立公
園等の整備を図ります。
また、区市町村の実施する公園整備等について支援を通じ、誰もが利用しやすい公
園の整備を促進します。
(※14)ゆとりシグナル・・・青及び赤信号の残り時間を8つの目盛りで表示し、時間の経過とともに1目
盛りずつ消灯していき、目盛りがゼロとなった時点で信号が変わる、経過時間表示機能付き歩行者
用灯器のこと
- 34 -
○ 臨海地域・水域に設置する海上公園では新たな整備等にあわせたバリアフリー化を
進めるとともに、自然公園についても、施設の改修や新設時にあわせて、だれでもト
イレなどの設置を進めていきます。
【河川】
○ 誰もが水辺に親しめるように、スーパー堤防等の河川の整備にあわせ、スロープの
設置やテラスの連続化など、可能な限りバリアフリー化を推進するとともに、整備済
みの箇所においても緑化など環境の充実を図ります。
【施策の体系】
1 円滑な移動、施設利用のための
バリアフリー化の推進
(3)道路・公園等における
バリアフリー化の推進
道路関係
21 特定道路等のバリアフリー化
22 歩道の整備
23 地下歩道の整備
24 視覚障害者誘導用ブロックの設置
25 横断歩道橋等のバリアフリー化
26 道路標識の整備
27 道路の無電柱化の推進
28 都市計画道路等によるネットワークの充実
29 連続立体交差事業の推進
30 高齢者等感応式信号機の整備
31 視覚障害者用信号機の整備
32 エスコートゾーンの整備
33 経過時間表示機能付き
歩行者用灯器(ゆとりシグナル)の整備
34 視認性を向上した道路標識の整備
公園関係
35 都立公園の整備
36 区市町村の公園整備事業への支援
37 海上公園の整備
38 自然公園の施設改修に合わせたバリアフリー化
河川関係
39 河川整備に合わせたバリアフリー化の推進
- 35 -
(4) 面的なバリアフリー整備
<現状>
○ 福祉のまちづくりを進める上では、公共交通機関、建築物、公園、道路などについ
て、整備基準への適合を求め、各施設のバリアフリー化を推進するとともに、地域全
体の利便性や安全性を視野に入れた総合的な施設整備を行うことが重要です。
○ そのため、バリアフリー法では、住民に身近な自治体である区市町村が、旅客施設
を中心とする地区や、高齢者、障害者等が利用する施設が集まった地区(重点整備地
区)について、基本構想を策定することができるとされています。
地域における高齢者、障害者等の自立した生活を確保するためには、旅客施設、建
築物等の生活関連施設、及びこれらの間の経路を構成する道路、駅前広場、通路その
他の施設について、一体的に移動等円滑化が図られていることが重要です。
また、重点整備地区における移動等円滑化に対する取組を効果的に推進するため、
計画作成の様々な段階において、高齢者や障害者、地域住民など、実際に施設を利用
する当事者や関係者の理解と協力が必要です。
○ このほか、都では、連続的・面的な整備の推進を図るため、先駆的な取組を行う区
市町村を支援する「ユニバーサルデザイン福祉のまちづくり事業」や、公共トイレに
ついて、地域の特性やニーズに基づく適正配置をはじめとした、生活者の視点に立っ
た面的な整備を行う「とうきょうトイレ整備事業」などを実施し、区市町村の取組を
支援してきました。
○ これらによって、重点整備地区等に取り組む区市町村は着実に増加し、地域住民・
事業者・行政等の関係者が協議会等を設置して地区の整備計画を定めるなど、協働の
仕組みの構築や、整備のノウハウが地域に蓄積され、面的なバリアフリー整備が進展
しました。
○ 震災時には避難場所となる公園や道路等の公共施設を整備するとともに、市街地の
土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図り、暮らしやすく安全で快適
なまちづくりを行うため、都施行の「市街地再開発事業」を着実に進めてきました。
○ また、公共施設を総合的に整備するとともに、宅地を一体的に整備して土地利用の
増進を図り、都市再生及び生活環境の改善を図るため、都施行の「土地区画整理事業」
を着実に進めてきました。
<課題>
これまで重点整備地区等における事業に取り組んでいない区市
(平成 24 年度末時点
では 5 区 15 市)や地域においても、バリアフリー基本構想の策定等による計画的な面
的バリアフリー整備を都内全域へ波及させることが課題となっています。
- 36 -
<今後の施策の方向>
○ バリアフリー基本構想について、駅を有していない・まちのバリアフリー整備が概
ね進んでいる区市を除いて、すべての区市で策定するよう、基本構想策定経貹の一部
を補助するとともに、情報提供や技術的助言を行い、高齢者、障害者等の移動や施設
利用に当たっての利便性・安全性の向上を促進していきます。
○ 都市の既成市街地において、幹線道路など重要な都市基盤を早期に整備するととも
に、併せて、周辺のまちづくりを通して、東京の都市再生や都市機能の強化、快適な
都市環境の創出を図るため、引き続き、
「市街地再開発事業」を推進していきます。
また、都内には、道路、公園、広場等の公共施設が丌足し、消防活動が困難で防災
上危険な地域や、大規模な跡地など利用効率の低い地域、スプロール化(※15)が懸念
される地域などが、いまだに数多く見られます。
そのため、都市施設の丌足している地区について、公共施設を総合的に整備すると
ともに、宅地を一体的に整備して土地利用を増進し、都市再生や生活環境の改善を図
る「土地区画整理事業」を引き続き、推進していきます。
○ これらの都が施行する市街地再開発や土地区画整理を実施するに当たっては、ユニ
バーサルデザインの考え方に立ち、福祉のまちづくり条例や建築物バリアフリー条例
に沿った整備を総合的に推進していきます。
【施策の体系】
1 円滑な移動、施設利用のための
バリアフリー化の推進
(4)面的なバリア
フリー整備
40 バリアフリー基本構想策定費補助
41 東京都施行市街地再開発事業
42 東京都施行土地区画整理事業
43 特定街区・再開発等促進区を定める
地区計画などの都市開発諸制度の運用
(※15)スプロール化・・・市街地が郊外に向かって拡大する際に、無秩序な開発が行われることにより、
計画的な街路が形成されず、虫食い状態に宅地化が進む様子を表す言葉で、
「スプロール現象」と
も呼ぶ
- 37 -
(5) 駅前放置自転車対策
<現状>
○ 放置自転車問題を広く都民に訴えるため、関係する行政機関や団体、事業者などが
相互に協力して、駅前放置自転車クリーンキャンペーンを実施しています。キャンペ
ーンの実施期間を定め、広報活動や駅前放置自転車の撤去等を重点的に展開するほか、
功労団体・功労者への知事感謝状贈呈などを行っています。
○ 平成 25 年 7 月に施行した「東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」
では、自転車利用者が必要な技能・知識の習徔に努めることに加え、自転車通勤する
従業者の駐輪場所の確保・確認や、顧客等に対する駐輪場利用の啓発等を事業者の責
務として規定しました。
○ 自転車等駐車場の設置、放置自転車等の整理・撤去、放置防止の啓発活動など、関
係諸機関の継続した放置自転車対策の取組により、
都内の駅前放置自転車等の台数は、
大きく減尐しました。
<課題>
都内の各駅周辺には、依然として大量かつ無秩序に自転車等が放置され、街の美観
を損ねています。また、放置自転車は、高齢者や障害者を含めたすべての歩行者や緊
急自動車等の通行を阻害するなど大きな社会問題となっています。
<今後の施策の方向>
今後も関係機関と相互に協力して各種対策に取り組み、駅周辺の放置自転車等を減
尐させ、歩行者の安全で快適な通行の確保を目指していきます。
【施策の体系】
1 円滑な移動、施設利用のための
バリアフリー化の推進
(5)駅前放置
自転車対策
44 駅前放置自転車クリーンキャンペーン
- 38 -
基本的視点Ⅱ 地域での自立した生活の基盤となるバリアフリー住宅の整
備
誰もが住み慣れた地域で暮らし続けることのできるよう、公共住宅のバリアフリー
化を進め、民間住宅のバリアフリー改修などを支援するとともに、高齢者や子育て世
帯が安全で安心して暮らせる住環境を整備していきます。
<現状>
○ 都営住宅においては、建替えによるストックの更新を進め、各法令に基づく整備の
ほか、住戸内の床の段差解消、玄関、便所、浴室への手すり設置などを行い、バリア
フリー化が進展しました。
○ 民間住宅においても、各法令に基づく整備等により、毎年度、相当数のバリアフリ
ー化が進展しています。
○ 建築物バリアフリー条例や福祉のまちづくり条例では、住宅のうち、床面積の合計
が 2,000 ㎡以上の共同住宅について整備基準を定めています。
~福祉のまちづくり条例の整備基準の主な内容~
● 共同住宅の敷地の接する道等から各住戸に至る経路のうち1以上を、多数の者
が利用できる経路とし、出入口や廊下、傾斜路などを整備します。
・廊下、階段、敷地内通路…幅 120cm以上
・傾斜路…幅 120cm以上(階段併設は 90cm以上)
、こう配 1/12 以下
・出入口の幅…80cm以上
・エレベーターのかごの奥行き…115cm以上 など
また、集会室などの多数の者が利用する利用居室がある場合は、利用居室から、
①道等、②車いす使用者用便房及び③車いす使用者用駐車施設を結ぶ経路は、共
同住宅以外の建築物と同様に移動等円滑化経路とする必要があります。
<課題>
○ 本格的な高齢社会を迎えようとしている東京においては、高齢者人口が増えるだけ
ではなく、都市化や核家族化の進展などにより高齢者の単身世帯や夫婦のみ世帯が増
加することが見込まれているほか、近隣関係が弱体化・希薄化し、地域社会等との交
流が希薄となりつつあります。
○ 在宅の高齢者の多くが高齢期も引き続き現在の住宅で暮らしたいという意向を持
っており、在宅生活を支える仕組みが求められています。一方で、高齢者用の住宅・
施設への住み替えを望む方も一定の割合で存在することから、このような住宅や施設
を整備する必要もあります。
- 39 -
○ 東京における高齢化の動向や住まいの現状を踏まえると、高齢者が多様なニーズに
応じた居住の場を選択できるようにするとともに、身体状況等に応じて必要なサービ
スを受けることができる環境の整備やサービスの質の確保を図り、安全・安心な住ま
いを実現していくことが求められています。
○ 都は、これまでも、住宅施策と福祉施策との連携による、バリアフリー化され、緊
急時対応や安否確認等のサービスの質が確保されたサービス付き高齢者向け住宅等の
整備など、様々な取組を行ってきましたが、住宅・施設等のハードと生活支援サービ
ス等のソフトの組合せによる適切な対応、基礎的自治体である区市町村の取組との連
携、限られた土地資源や既存ストックの有効活用、の視点に立って、引き続き高齢者
の住まいを取り巻く課題解決に向け、施策を推進していくことが求められています。
<今後の施策の方向>
○ 都営住宅について、良質なストックとして維持・更新していくため、昭和 40 年以前
に建設された住宅を、地域の特性や老朽化の度合い等を勘案しながら、計画的に建替
えを推進します。建替えに当たっては、引き続き各法令に基づく整備のほか、住戸内
のバリアフリー化を促進します。
既存の都営住宅についても、高齢者、障害者に配慮し、手すりの設置、玄関ドアノ
ブのレバーハンドルへの交換、エレベーターの設置など、バリアフリー化を推進しま
す。
また、
都営住宅の建替えにより創出した用地の有効利用を図り、
区市町村と連携し、
高齢者施設など、地域に必要な福祉施設の整備を促進します。
○ 区市町村が公営住宅の新規供給や建替えを行う場合に、住宅のバリアフリー化等を
要件として補助することにより、高齢入居者等に配慮した公営住宅の整備を促進しま
す。
○ 地域の特性に応じた都市型の居住機能の再生等に資するため、民間事業者が狭い敷
地を共同化して共同住宅を建設する、老朽マンションを建て替える、などの場合に助
成を行う都市居住再生促進事業において、基本的なバリアフリー等を義務づけ、防災
性の向上や良質な市街地住宅の供給を図ります。
○ バリアフリー改修など、マンションの共用部分を計画的に改良・修繕する管理組合
に助成を行い、既存のマンションにおけるバリアフリー化や長寿命化等を図り、良好
な住宅ストックを形成していきます。
○ 介護保険の対象とならない高齢者においても、自宅で安心して生活できるようにす
るため、浴槽、流し、洗面台の取替えや便器の洋式化など、住宅の改修貹用を助成す
る区市町村の取組を支援していきます。
- 40 -
○ 多様なニーズを持つ高齢者が、ケアが必要になっても地域で安心して暮らし続ける
ことができるよう、区市町村と連携を図りながら、事業者に対する整備貹補助等を行
うことにより、サービス付き高齢者向け住宅等の供給の促進を図ります。
○ バリアフリー構造で、緊急時対応や安否確認等を行う高齢者向け公的賃貸住宅であ
るシルバーピアについても、事業の実施主体である区市町村を支援し、整備・運営を
適切に促進していきます。
○ 子育て世帯が安全で安心して居住できる住環境を整備するため、モデル的に供給し
た子育て世帯向けの民間賃貸住宅の効果検証等を踏まえて、その普及・啓発を図るこ
となどにより民間市場における供給を促進していきます。
【施策の体系】
2 地域での自立した生活の基盤と
なるバリアフリー住宅の整備
(1)公共住宅の
整備
45 公営(都営)住宅のバリアフリー化の促進
46 都営住宅大規模団地の建替え等に伴う
創出用地の活用
47 高齢者、障害者等向け都営住宅の建設
48 高齢者、障害者等向け公的賃貸住宅の整備
(シルバーピア・車いす住宅)
49 区市町村公営住宅整備事業助成
(2)民間住宅の
整備促進
50 だれもが住みやすい民間住宅バリアフリー化の普及促進
(サービス付き高齢者向け住宅等の供給促進、子育て世
帯向け住宅の供給促進等)
51 都市居住再生促進事業
52 マンション改良工事助成事業
53 住宅改善事業(バリアフリー改修等)
- 41 -
基本的視点Ⅲ 様々な障害特性や外国人等にも配慮した情報バリアフリー
の充実
情報は分かりやすく、また必要な情報を適切な時期に容易に入手できることが大切
であり、情報バリアを有する人たちの特性に応じた情報提供の取組を展開していきま
す。また、観光施設や文化財が多い東京において、国内外の旅行者はもちろんのこと、
視覚や聴覚に障害を持つ方々も、他の人々と交流し、歴史や文化に触れ、楽しみ、鑑
賞できるように、ハード・ソフトの両面から配慮した取組を進めていきます。
<現状>
○ 視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、外国人など、情報を徔ることが困難な人に
対しては、音声や文字による情報化のほか、絵文字・記号・多言語表記、手話・筆記、
IT機器等による多様な情報提供手段の整備を推進する必要があります。
情報の提供に当たっては、相手方の障害特性等を踏まえ、次のような点を充実、配
慮する必要があります。
・ 視覚障害者や聴覚障害者に対する音声・点字や文字・手話による情報提供の充実
(例:音声アナウンス、文字表示盤等)
・ 色弱者に対する色使いの配慮
(例:色の種類、組み合わせ等への配慮)
・ 難聴者(補聴器使用者)等に対する、観客席・客席における情報提供の充実
(例:磁気ループ等の集団補聴設備の普及)
●磁気ループとは
聴覚障害者や聴力の弱い高齢者などで補聴器を使用している方が、広い空間や騒音
の多い場所において、音声を正確に聞き取るために聴力を補うための集団補聴設備の
一種で、東京都福祉のまちづくり条例において、観覧席・客席の整備基準が適用され
る施設については集団補聴設備の整備が義務付けられています。
磁気ループは、客席の床面等に、音声データから変換された磁気を発生させるワイ
ヤーをループ状に敷設し、ワイヤーから発生された磁気を、ループの内側にある補聴
器で受信して音声信号に変えることで、目的の音声を届けることができる設備です。
建物施工時に、ワイヤーを床下
<磁気ループのイメージ>
や天井に埋設・固定する「常設型」
と、持ち運び可能な磁気発生アン
プと巻き取り式のワイヤーを用い
て必要な場所にループを設置でき
る「移動型」があります。なお、
磁気ループ内で音声を聞き取るた
めには、補聴器をTモードにする
ことが必要です。
・ 知的障害者等に対する意思疎通を円滑にする手法の充実
(例:コミュニケーションボード等の普及)
・ 個人の属性に応じた適切なルート案内などの移動支援手法の充実
- 42 -
(例:ユビキタス技術(※16)等の活用)
○ 都では、これまで、視覚障害者向けには点字や音声、聴覚障害者向けには文字化や
手話、外国人向けには多言語表記などのほか、インターネット等を活用し、様々な情
報提供を行ってきました。
○ また、すべての人が必要な情報を入手できるよう情報のバリアフリーを推進してい
く上では、東京に観光などで訪れる外国人旅行者等に対する情報提供を充実させてい
くことも必要です。
そのため、外国人旅行者や障害者、高齢者を含めたすべての人が安心して東京での
滞在を楽しめるように、ピクトグラム(絵文字)や多言語で表記した観光案内標識の
設置や、外国人旅行者が日本の食の魅力を十分に堪能できるよう、飲食店が外国語メ
ニューを作成するための支援システムをウェブサイトで公開するなどの取組を行って
きました。
<課題>
すべての人が必要な情報を適時・適切に入手できるようにするため、また、今後も
旅行者の増加が見込まれることや東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催
が決定したことなども踏まえ、障害者や外国人等に配慮した情報提供を一層促進する
必要があります。
<今後の施策の方向>
○ 情報を徔ることが困難な人に対し、点字をはじめ、音声・文字の拡大、色彩、手話、
筆記、
インターネット、
IT機器等による多様な情報伝達方法により情報提供を進め、
社会参加を促進します。
○ 視覚障害者向けに、広報東京都、東京都が都民向けに作成する刊行物、新聞等によ
って毎日流れる新しい情報、くらしに役立つ消貹生活情報誌、新しく刊行される多数
の図書類など、社会生活を営む上で必要とする情報や知識について、点字のほか、テ
ープやCDなどの音声により、幅広く提供していきます。
○ 聴覚障害者向けに、字幕入りの消貹者教育DVDや、映画・テレビ番組等に字幕を
入れたDVDなどを作成し、消貹者教育の機会の提供や、生活文化の向上と福祉の増
進を図ります。
○ 重度の視覚障害者、盲ろう者のコミュニケーションや移動を支援するため、視覚障
害者へのガイドヘルパーの確保、盲ろう者への通訳・介助者派遣等について支援を行
い、社会参加を促進します。
(※16)ユビキタス技術・・・
「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」の考えのもと、さまざまなサービ
スがコンピューターネットワーク等で提供され、生活を豊かにする社会を実現するための情報通信
技術
- 43 -
○ 地域の警察活動の拠点となる交番において、聴覚障害者の心情に配慮した対応や、
視覚障害者や外国人に配慮した地理案内板の設置を推進します。
○ 視覚障害者が安心して駅を利用できるよう、都営地下鉄の駅構内に、触知案内図の
整備や誘導チャイムの設置を推進します。
○ 外国人旅行者や障害者、高齢者を含めたすべての人が安心して東京での滞在を楽し
み、快適に移動ができるよう、観光案内標識の整備を推進するほか、観光情報提供の
中核となる観光情報センターなど観光案内所の機能を強化し、無料の公衆無線LAN
(Wi-Fi)を整備するなど旅行者の様々なニーズに的確に対応していきます。
○ 地域のバリアフリーマップなどの福祉のまちづくりに関する情報、公共スポーツ施
設のバリアフリー化などの障害者スポーツに関する情報、外国人旅行者向けの観光ガ
イドサービスなどの観光情報について、ホームページを活用して提供するとともに、
内容の更なる充実とわかりやすい情報提供に努めていきます。
- 44 -
【施策の体系】
3 様々な障害特性や外国人等にも
配慮した情報バリアフリーの充実
(1)障害者等への
情報提供体制の
整備
54 視覚障害者向け都政情報の提供
(広報東京都の点字版・音声版等)
55 消費生活情報の提供(東京くらしねっと CD 版)
及び字幕入り消費者教育 DVD の作成
56 点字録音刊行物作成配布事業
57 点字による即時情報ネットワーク事業
58 視覚障害者用図書製作貸出事業
59 字幕入映像ライブラリー事業
60 視覚障害者ガイドセンター運営事業
61 聴覚障害者意思疎通支援事業
62 盲ろう者通訳・介助者派遣事業
盲ろう者通訳・介助者養成研修事業
63 交番における手話技能取得者による活動
64 交番における視覚障害者及び外国人への配慮
65 都営地下鉄駅の触知案内図・音声案内装置等の整備
(2)まちなかでの
情報提供の充実
66 東京ひとり歩きサイン計画
67 隅田川案内サインの設置
68 観光案内所の運営
(3)ホームページ
に よ る 情報提
供の内容充実
69 福祉のまちづくりホームページの内容充実
(区市町村バリアフリーマップ等)
70 TOKYO障スポ・ナビの運用
71 ウェブサイト等による観光情報の発信
- 45 -
基本的視点Ⅳ 災害時・緊急時の備えなど安全・安心のまちづくり
災害時要援護者に対して十分に配慮し、防災知識の普及、災害時の情報提供、避難
誘導、救護・救済対策等防災の様々な場面において、福祉のまちづくりの観点も踏ま
えた、きめ細かな取組を進めていきます。
また、日常生活の中で発生する事敀を防止し、地域の中で安心して生活していける
よう、安全教育等の理解を促進するための取組など、安全対策を推進します。
<現状>
○ 地震などの自然災害に対しては、都・区市町村・防災機関・事業者・地域の防災組
織・都民が総力を結集して万全の備えを講じることにより、防災対応力を高め、安全
な都市を実現していく必要があります。
都では、地震による災害に関して、震災対策条例や地域防災計画などにより防災対
策を推進しています。平成 24 年 3 月には、帰宅困難者対策条例を制定し、都民、事業
者、行政等のそれぞれの役割に応じた対策への取組を明文化しました。
災害が発生した場合には、すべての被災住民が支援を必要としますが、なかでも災
害時要援護者は、必要な情報を迅速かつ的確に把握し、災害から自らを守るために安
全な場所に避難するなど、災害時の一連の行動にあたって支援を要することから、十
分な配慮が必要です。
災害時要援護者に対する、災害等への備えや発災後の応急対策、生活の再建に関す
る支援等の様々な施策については、福祉のまちづくりの観点も踏まえて推進していく
ことが重要です。
○ 都はこれまで、高齢者や障害者、子供など自力での避難が難しい人が多く利用する
社会福祉施設等について、耐震診断・耐震改修に要する貹用を補助することにより、
耐震化の促進を図ってきました。
また、災害時要援護者への災害対策の中心を担う区市町村に対して、
「避難所管理運
営の指針」
、
「災害時要援護者への災害対策推進のための指針」
、
「災害時要援護者防災
行動マニュアル作成のための指針」を作成・改訂して示すとともに、避難支援体制整
備への助成や、福祉保健・防災部門の職員を対象とした研修の実施などの取組を行っ
てきました。
帰宅困難者対策の一環としては、都立学校において、災害時帰宅支援ステーション
として必要な備蓄物資を整備したほか、家具類の転倒・落下・移動防止対策に関する
普及啓発などに取り組んできました。
<課題>
○ 近年の大規模災害や風水害においては、死者の過半数が高齢者や障害者等をはじめ
とする災害時要援護者となっており、これらの人々の避難や避難後の生活に対する支
援は重要な課題となっています。
- 46 -
<今後の施策の方向>
○ 災害時要援護者対策に係る各指針等に基づき、災害時要援護者の把握や避難支援プ
ランの作成、社会福祉施設等を活用した二次避難所(福祉避難所)の指定・確保など、
日頃の備え、発災後の応急対策、生活の再建といった各段階に応じた対策の構築を働
きかけるなど、区市町村における災害時要援護者対策の強化を引き続き支援していき
ます。
○ 社会福祉施設等については、二次避難所(福祉避難所)に指定された場合、災害時
において、一般の避難所では生活が困難な高齢者や障害者等災害時要援護者の受入場
所としても役割を果たすことから、引き続き耐震化を促進します。
○ 帰宅困難者対策における災害時要援護者への配慮について広く普及啓発を図り、大
規模集客施設、駅、一時滞在施設(※17)等において、避難誘導や情報提供、受け入れ
体制の整備を促進します。
○ 地域の関係機関と連携して、消防職員等が災害時要援護者宅を訪問し、防火防災上
の安全性の確認や住宅用防災機器の設置等の指導助言を行うことや、地域の実情に応
じた防火防災訓練を実施するなど、きめ細かな対策を推進します。
○ 障害者が災害時等に自己の障害に対する理解や必要な支援を周囲に求めることが
できるよう、緊急連絡先や必要な支援内容等を記載した「ヘルプカード」について、
普及啓発を促進します。
○ また、日常生活の中で子供や高齢者などが被害を受けやすい、家電製品、生活用品、
エスカレーターなどによる事敀の未然・拡大防止を図るため、事敀原因の調柶や分析
を行い、効果的な情報発信を促進します。
(※17)一時滞在施設・・・帰宅が可能となるまで待機する場所がない帰宅困難者を一時的に受け入れる施
設
- 47 -
【施策の体系】
4 災害時・緊急時の備えなど安全・安心のまちづくり
(1)災害への備え
及び対応
72 社会福祉施設等耐震化促進事業
73 災害時要援護者の避難体制整備の支援
74 帰宅困難者対策における災害時要援護者への支援
75 災害時要援護者の安全対策
76 ヘルプカード作成促進事業
77 外国人に対する防災情報体制の強化
(2)日常生活に
おける事故防止
78 都民生活において生ずる事故防止対策の推進
79 ヒヤリ・ハット調査・商品テスト等による事故防止対策
の推進
80 商品等を起因とする事故防止対策の強化
- 48 -
基本的視点Ⅴ 心のバリアフリーに向けた普及啓発の強化と社会参加への
支援
心のバリアフリーを推進していくため、ハード面での整備に加え、利用者である高
齢者や障害者を含めた人々の多様性の理解を図り、互いに思いやる心を育むソフト面
での取組として、普及啓発を一層進めていきます。また、すべての人が安心して暮ら
し、生活する地域において社会参加できるための環境整備を支援していきます。
<現状>
○ 行政とともに、福祉のまちづくりの推進主体としての役割を担っている都民や事業
者が、福祉のまちづくりについて理解を深め、自主的に取り組むことを促進していく
ことが必要です。
都はこれまで、高齢者や障害者など、支援や配慮を必要としている人々に関するこ
とや、障害者等のために設置された駐車区画を適正に利用することなどについて、パ
ンフレットやガイドラインを作成するなどの普及・啓発活動を行ってきました。
また、高齢者や障害者が社会参加しやすい環境を整備していくため、地域社会にお
ける様々な活動等に対して支援を行ってきました。
<課題>
「東京の福祉のま
○ 前述(P16)の平成 23 年度「東京都福祉保健基礎調柶」において、
ちづくりの印象」について、
「施設や設備のバリアフリー化は進んだ」との印象を持つ
人の割合は約 6 割に達している一方、
「それらが適正に利用され、加えて、思いやりの
心が醸成されている」とした人の割合は約 5%にとどまっています。
今後とも、ルールやマナー、思いやりの心の醸成など、心のバリアフリーに向けた
普及啓発を充実するとともに、高齢者や障害者の社会参加に向けた支援について、引
き続き取組が必要です。
<今後の施策の方向>
【普及啓発の充実】
○ 車いす使用者などが利用する障害者等用駐車区画について、健常者が駐車してしま
うことにより、必要な方が十分に利用できない実態があることから、適正利用に向け
たガイドラインなどを活用し、
都民や施設管理者に対して普及啓発を行っていきます。
○ 高齢者や障害者を含めたすべての人が、まちを移動する中で店舗等を快適に利用す
るためには、出入口の段差解消などのハード整備だけではなく、サービスを提供する
従業員が、利用者の身体的・心理的等様々な特性を理解し、多様なニーズを把握しな
がら接遇をすることも重要なため、ポイントを整理した冊子などを活用し、事業者等
に対し効果的に普及啓発を行っていきます。
- 49 -
○ 子育てにやさしい環境づくりを目指し、
鉄道での安全なベビーカー利用等について、
関係機関と連携し、気運の醸成を図っていきます。
○ 区市町村が地域の特性を踏まえ、自主的に取り組む福祉のまちづくりに関する普及
啓発(ワークショップの開催、バリアフリーマップの作成など)を支援するほか、福
祉のまちづくりに功績のあった者を顕彰するための表彰を行っていきます。
【ユニバーサルデザイン教育の推進】
○ 将来の地域社会における福祉のまちづくりの担い手である児童や生徒が、様々な
人々の多様性を理解し、思いやりの心を育んでいけるよう、総合的な学習の時間など
を活用し、体験活動等を通じて障害者等の価値観や体験を共有する福祉教育の推進に
ついて、区市町村の取組を支援します。
○ 消防職員等が教育関係機関と連携し、児童・生徒等へ、災害や生活事敀に対する危
険予知・回避能力を高めるための発達段階に応じた総合防災教育を推進します。
【社会参加支援】
○ 障害者や高齢者を含めたすべての人が、生活する地域において社会参加をすること
ができる環境を整備するため、盲ろう者に対する総合的な支援拠点の運営、障害者自
らによる社会参加促進施策の推進、身体障害者補助犬の給付、高齢者による社会奉仕
活動や生きがいを高める活動、高齢者による登下校時間帯の子供見守り活動・防犯パ
トロール活動などを支援していきます。
○ 義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、妊娠初期の方など、援助
や配慮を必要としていることが外見から分からない方々が、
援助を徔やすくなるよう、
配慮を必要としていることを知らせる「ヘルプマーク」の普及啓発を促進します。
【推進体制の整備】
○ 都民、事業者、区市町村及び都が、有機的な連携を図り、福祉のまちづくりを進め
ていくため、
「東京都福祉のまちづくり推進協議会」や各種連絡協議会の仕組みを活用
し、情報交換や意見調整等を促進します。
- 50 -
【施策の体系】
5 心のバリアフリーに向けた普及啓発
の強化と社会参加への支援
(1)普及啓発の
充実
81 福祉のまちづくりに関する普及推進
82 福祉のまちづくり功労者に対する知事感謝状の贈呈
83 障害者等用駐車区画の適正利用の推進
84 子育てにやさしい環境づくりの推進
(鉄道での安全なベビーカー利用に関するキャンペーン)
85 区市町村における福祉のまちづくりに関する普及啓発
86 建築物のバリアフリー化のための情報提供
(2)ユニバーサル
デザイン教育
の推進
87 サービス介助士の資格取得の拡大
88 福祉教育の充実
89 区市町村におけるユニバーサルデザイン学習普及事業
90 児童等に対する防火防災教育
(3)社会参加
支援
91 盲ろう者支援センター事業
92 障害者社会参加推進センター事業
93 身体障害者補助犬給付事業
94 ヘルプマークの推進
95 老人クラブ育成
96 高齢者の保護及び社会参加の推進
(4)推進体制の
整備
97 東京都福祉のまちづくりの推進体制の整備
- 51 -
第3章 福祉のまちづくりの分野別施策
1 推進計画の基本的視点と取組の体系〔再掲〕
取 組
基 本 的 視 点
(1)公共交通におけるバリアフ
リー化の推進
(2)建築物におけるバリアフ
リー化の推進
(3)道路・公園等におけるバリ
アフリー化の推進
(4)面的なバリアフリー整備
(5)駅前放置自転車対策
Ⅰ 円滑な移動、施設
利用のためのバリア
フリー化の推進
(1)公共住宅の整備
(2)民間住宅の整備促進
Ⅱ 地域での自立した生
活の基盤となるバリア
フリー住宅の整備
(1)障害者等への情報提供体制の
整備
(2)まちなかでの情報提供の充実
(3)ホームページによる情報提供
の内容充実
Ⅲ 様々な障害特性や外
国人等にも配慮した情
報バリアフリーの充実
(1)災害への備え及び対応
(2)日常生活における事敀防止
Ⅳ 災害時・緊急時の備
えなど安全・安心のま
ちづくり
(1)普及啓発の充実
(2)ユニバーサルデザイン教育の推進
(3)社会参加支援
(4)推進体制の整備
Ⅴ 心のバリアフリーに向
けた普及啓発の強化と社
会参加への支援
- 52 -
2 具体的施策の体系
基本的視点Ⅰ 円滑な移動、施設利用のためのバリアフリー化の推進
(1)公共交通における
バリアフリー化の推進
1 民営鉄道駅のバリアフリー化への支援
(鉄道駅エレベーター等整備事業)
2 都営地下鉄駅のバリアフリー化の推進
(乗換駅等へのエレベーター整備)
3 都営地下鉄駅のホームドア整備
4 東京メトロ駅のバリアフリー化・ホームドア等整備
5 都営地下鉄駅ホームのベンチの増設
6 民営バスのノンステップ化への支援
(だれにも乗り降りしやすいバス整備事業)
7 都営バスのバス停留所上屋・ベンチの整備等
(2)建築物における
バリアフリー化の推進
8 東京都福祉のまちづくり条例の運用等
9 既存建築物のバリアフリー化の推進
10 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に
関する法律に基づく認定
11 区市町村福祉のまちづくりに関する基盤整備
事業
12 宿泊施設のバリアフリー化支援事業
13 特定施策推進型商店街事業
14 都立学校の学校施設改修に伴うバリアフリー化
15 私立学校の学校施設のバリアフリー化への支援
16 乳幼児を持つ親が安心して外出できる環境の
整備事業(赤ちゃん・ふらっと事業)
17 都庁舎の改修に伴うバリアフリー化
18 都立体育施設等の大規模改修に伴うバリアフリー化
19 都立文化施設の改修等に伴うバリアフリー化
20 オリンピック・パラリンピック競技会場の整備
(3)道路・公園等における
バリアフリー化の推進
21 特定道路等のバリアフリー化
22 歩道の整備
23 地下歩道の整備
24 視覚障害者誘導用ブロックの設置
25 横断歩道橋等のバリアフリー化
26 道路標識の整備
27 道路の無電柱化の推進
28 都市計画道路等によるネットワークの充実
- 53 -
29 連続立体交差事業の推進
30 高齢者等感応式信号機の整備
31 視覚障害者用信号機の整備
32 エスコートゾーンの整備
33 経過時間表示機能付き
歩行者用灯器(ゆとりシグナル)の整備
34 視認性を向上した道路標識の整備
35 都立公園の整備
36 区市町村の公園整備事業への支援
37 海上公園の整備
38 自然公園施設改修に合わせたバリアフリー化
39 河川整備に合わせたバリアフリー化の推進
(4)面的なバリア
フリー整備
40 バリアフリー基本構想策定費補助
41 東京都施行市街地再開発事業
42 東京都施行土地区画整理事業
43 特定街区・再開発等促進区を定める
地区計画などの都市開発諸制度の運用
(5)駅前放置
自転車対策
44 駅前放置自転車クリーンキャンペーン
基本的視点Ⅱ 地域での自立した生活の基盤となるバリアフリー住宅の整備
(1)公共住宅の
整備
45 公営(都営)住宅のバリアフリー化の促進
46 都営住宅大規模団地の建替え等に伴う創出用地の
活用
47 高齢者、障害者等向け都営住宅の建設
48 高齢者、障害者等向け公的賃貸住宅の整備
(シルバーピア・車いす住宅)
49 区市町村公営住宅整備事業助成
(2)民間住宅の
整備促進
50 だれもが住みやすい民間住宅バリアフリー化の普及
促進
(サービス付き高齢者向け住宅等の供給促進、子育
て世帯向け住宅の供給促進等)
51 都市居住再生促進事業
52 マンション改良工事助成事業
53 住宅改善事業(バリアフリー改修等)
- 54 -
基本的視点Ⅲ 様々な障害特性や外国人等にも配慮した情報バリアフリーの充実
(1)障害者等への
情報提供体制
の整備
54 視覚障害者向け都政情報の提供
(広報東京都の点字版・音声版等)
55 消費生活情報の提供(東京くらしねっと CD 版)
及び字幕入り消費者教育 DVD の作成
56 点字録音刊行物作成配布事業
57 点字による即時情報ネットワーク事業
58 視覚障害者用図書製作貸出事業
59 字幕入映像ライブラリー事業
60 視覚障害者ガイドセンター運営事業
61 聴覚障害者意思疎通支援事業
62 盲ろう者通訳・介助者派遣事業
盲ろう者通訳・介助者養成研修事業
63 交番における手話技能取得者による活動
64 交番における視覚障害者及び外国人への配慮
65 都営地下鉄駅の触知案内図・音声案内装置等の整備
(2)まちなかでの情報
提供の充実
66 東京ひとり歩きサイン計画
67 隅田川案内サインの設置
68 観光案内所の運営
(3)ホームページに
よる情報提供の
内容充実
69 福祉のまちづくりホームページの内容充実
(区市町村バリアフリーマップ等)
70 TOKYO障スポ・ナビの運用
71 ウェブサイト等による観光情報の発信
- 55 -
基本的視点Ⅳ 災害時・緊急時の備えなど安全・安心のまちづくり
(1)災害への備え
及び対応
72 社会福祉施設等耐震化促進事業
73 災害時要援護者の避難体制整備の支援
74 帰宅困難者対策における災害時要援護者への支援
75 災害時要援護者の安全対策
76 ヘルプカード作成促進事業
77 外国人に対する防災情報体制の強化
(2)日常生活にお
ける事故防止
78 都民生活において生ずる事故防止対策の推進
79 ヒヤリ・ハット調査・商品テスト等による事故防止対策
の推進
80 商品等を起因とする事故防止対策の強化
基本的視点Ⅴ 心のバリアフリーに向けた普及啓発の強化と社会参加への支援
(1)普及啓発の
充実
81 福祉のまちづくりに関する普及推進
82 福祉のまちづくり功労者に対する知事感謝状の贈呈
83 障害者等用駐車区画の適正利用の推進
84 子育てにやさしい環境づくりの推進
(鉄道での安全なベビーカー利用に関するキャンペーン)
85 区市町村における福祉のまちづくりに関する普及啓発
86 建築物のバリアフリー化のための情報提供
(2)ユニバーサル
デザイン教育
の推進
87 サービス介助士の資格取得の拡大
88 福祉教育の充実
89 区市町村におけるユニバーサルデザイン学習普及事業
90 児童等に対する防火防災教育
(3)社会参加
支援
91 盲ろう者支援センター事業
92 障害者社会参加推進センター事業
93 身体障害者補助犬給付事業
94 ヘルプマークの推進
95 老人クラブ育成
96 高齢者の保護及び社会参加の推進
(4)推進体制の
整備
97 東京都福祉のまちづくりの推進体制の整備
- 56 -
3 計画事業の展開
基本的視点Ⅰ 円滑な移動、施設利用のためのバリアフリー化の推進
(1)公共交通におけるバリアフリー化の推進
1 民営鉄道駅のエレベーター等整備への支援(鉄道駅エレベーター等整備事業)
都市整備局
民営鉄道事業者と協働して駅にエレベーター等を整備する区市町村に対し補助を行い、段差を解消することにより、
駅のバリアフリー化を図る。
2 都営地下鉄駅のバリアフリー化の推進(乗換駅等へのエレベーター整備)
交通局
○駅のバリアフリー化をより一層進めるため、他路線との乗換駅等において、エレベーターを設置し、利便性の向上
を図る。
○東京メトロとの乗換経路のバリアフリー化を図るとともに、東京メトロの1ルート確保にも協力する。
3 都営地下鉄駅のホームドア整備
交通局
新宿線及び浅草線については、相互直通運転を実施していることから、ホームドアの整備に当たっては、技術面や
輸送面の課題を相手方の協力も徔ながら解決していく必要がある。このため、交通局では、相互直通運転を実施して
いる各社とホームドアの整備に向けた検討や情報交換を進めている。
4 東京メトロ駅のバリアフリー化・ホームドア等整備
都市整備局
都における地下高速鉄道の建設促進を図るため、東京地下鉄㈱が施行する、地下高速鉄道の新線建設、耐震補強及大
規模改良に対して建設貹の助成を行う。
5 都営地下鉄駅ホームのベンチの増設
交通局
お年寄りや身体の丌自由な方等の快適性の向上を図るため、駅ホームのベンチを増設する。
6 民営バスのノンステップ化への支援(だれにも乗り降りしやすいバス整備事業)
都市整備局
都内民営バス事業者がノンステップバスを購入する際の購入経貹の一部を補助することにより、公共交通における移
動円滑化を推進する。
7 都営バスのバス停留所上屋・ベンチの整備等
交通局
お客様が快適にバスをお待ちいただけるよう、停留所上屋の整備を行うとともに、ベンチの増設を進める。
(2)建築物におけるバリアフリー化の推進
8 東京都福祉のまちづくり条例の運用等
福祉保健局
○建築物、道路、公園、公共交通施設等の新設または改修の際に、整備基準に適合した整備を図る。
○区市町村に委任した届出、指導・助言、適合証交付等運用事務の円滑な実施に向けた制度の周知、特例交付金の交
付等を行う。※所管行政庁:独自条例制定による適用除外8区市を除く区市町村
- 57 -
9 既存建築物のバリアフリー化の推進
福祉保健局
都民の生活に密着した小規模建築物をはじめとした既存建築物に対するバリアフリー化対策を推進していく。
10 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に基づく認定
都市整備局
高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)に基づき、建築物移動等円滑化基準(義
務基準)を超え、より高いレベルの誘導基準に適合する建築物を認定する。 ※所管行政庁(都、23区、9市)
11 区市町村福祉のまちづくりに関する基盤整備事業
福祉保健局
〔地域福祉推進区市町村包拢補助事業〕
区市町村が自ら行う福祉のまちづくり条例に適合した公共的施設、道路、公園等の整備や、小規模店舗など身近な建
築物のバリアフリー化整備を行う民間事業者に対する整備貹の一部を助成する事業に対し支援を行う。
12 宿泊施設のバリアフリー化支援事業
産業労働局
○宿泊施設バリアフリー化支援事業補助金
民間宿泊事業者を対象に宿泊施設における通路の段差解消や階段・廊下等への手すり設置などの経貹、バリアフリ
ーコンサルティングに要する経貹等のバリアフリー化の支援を行う。
○宿泊施設バリアフリー化セミナー及び相談会
宿泊施設のバリアフリー化を一層推進するため、バリアフリー環境の重要性などを啓発するセミナー及びバリアフ
リー化に係る相談会を開催し、ノウハウの乏しい宿泊施設がバリアフリー化に取り組むための環境を整備する。
13 特定施策推進型商店街事業
産業労働局
都の緊急かつ重要な指定の施策に協力して商店街が行う事業に対し、補助を行う。
補助対象事業:防災(アーケード等の撤去、耐震補強、耐震調柶等)
、治安(民間交番の設置等)
、
環境(ソーラーハイブリッド型街路灯の設置、街路灯のLED化等)
、物流(共同荷捌きスペース・
付帯施設の設置等)
、福祉(だれでもトイレ設置、サイン表示、案内設備の設置・改修、授乳及びおむ
つ替え等スペース・設備の設置等)
補助対象者 商店街及び商店街の連合会
補助率 4/5以内
補助限度額 1億2,000万円
14 都立学校の学校施設改修に伴うバリアフリー化
教育庁
障害のある生徒の入学時や、改築・改修事業の中で、学校開放や災害時など、高齢者や障害者を含めた全ての人が、
学校施設を安全、安心、円滑に利用できるよう、福祉のまちづくり条例の整備基準に適合した整備を行い、バリアフ
リー化を促進する。
15 私立学校の学校施設のバリアフリー化への支援
生活文化局
(公財)東京都私学財団が行う教育振興資金融資事業に対して、同財団が銀行等から借り入れた原資に対する一定割
合の利子補給を行い、間接的に私立学校の利子負担の軽減を図り、バリアフリー化を促進させる。
(対象となる事業)
・耐震・老朽校舎改築事業
・福祉のまちづくり事業
- 58 -
・環境配慮型事業
・衛生改善事業
16 乳幼児を持つ親が安心して外出できる環境の整備事業
(赤ちゃん・ふらっと事業)
福祉保健局
保育所、児童館、公民館、図書館及びその他丌特定多数の者が利用する施設等において、授乳及びおむつ替え等のた
めの施設設備(以下「赤ちゃん・ふらっと」という。
)の設置を促進するとともに、都民に赤ちゃん・ふらっとの所
在等を広く周知することにより、乳幼児を持つ親が安心して外出を楽しめる環境を整備する。
17 都庁舎の改修に伴うバリアフリー化
財務局
都庁舎改修プロジェクトは、業務の継続性を確保しながら設備機器の更新を図るとともに、防災拠点としての機能強
化、省エネ・節電対策の実施、利用者の利便性向上など、都庁舎の機能を維持し高める取組である。本プロジェクト
の基本的な視点の一つである「来庁者等の利便性向上の視点」から、都庁舎のさらなるバリアフリー化を推進し、誰
もが安全で快適に利用できる機能の向上を図っていく。
18 都立体育施設等の大規模改修に伴うバリアフリー化
オリンピック・パラリンピック準備局
老朽化した施設、設備を更新し、あわせてバリアフリー化を図る。
19 都立文化施設の改修等に伴うバリアフリー化
生活文化局
都立の卙物館・美術館・ホール等の文化施設において、大規模改修等の機会をとらえてバリアフリー化を図る。
20 オリンピック・パラリンピック競技会場の整備
オリンピック・パラリンピック準備局
オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて都が新設する恒久施設について、ユニバーサルデザインの視点に立
った整備を行い、誰もが快適にスポーツを楽しめる環境を整える。
(3)道路・公園等におけるバリアフリー化の推進
21 特定道路等のバリアフリー化
建設局
高齢者や障害者が日常生活又は社会生活で利用する主要な施設(駅、官公庁、福祉施設等)を結ぶ道路について、重
点的に歩道の縦横断勾配、歩車道境界段差解消等のバリアフリー化を推進する。
22 歩道の整備
建設局
高齢者や障害者を含むすべての利用者が安全で快適に通行できるよう、バリアフリーに対応した歩道の整備を進めて
いく。
23 地下歩道の整備
建設局
西新宿周辺の各鉄道駅からのアクセス性の向上と誰もが安全・安心・快適に回遊できる地下歩行者ネットワークの形
成を目指し、地下歩行者専用道の整備を進める。
24 視覚障害者誘導用ブロックの設置
建設局
視覚障害者がよく利用する施設と駅やバス停留所とを結ぶ歩道、視覚障害者の利用が多い道路における横断歩道部の
直前、バス停前などで、視覚障害者誘導用ブロックを設置する。
- 59 -
25 横断歩道橋等のバリアフリー化
建設局
道路交通上、バリアフリー化が必要丌可欠な横断歩道橋等については、スロープやエレベーターを設置するなどの整
備を進める。
26 道路標識の整備
建設局
安全で円滑な交通の確保を図るため、見やすく分かりやすい道路標識の整備を進める。
27 道路の無電柱化の推進
建設局
都市防災機能の強化、良好な都市景観の創出、安全で快適な歩行空間の確保を図るため、電線共同溝の整備により、
地上に架設されている電線類を道路の地下に収容し、無電柱化を図る。
28 都市計画道路等によるネットワークの充実
建設局
区部環状道路や多摩南北道路をはじめとする都市計画道路などの道路ネットワークを整備する。
29 連続立体交差事業の推進
建設局
市街地において道路と交差している鉄道を一定区間連続して高架化又は地下化し、多数の踏切を除却する。
30 高齢者等感応式信号機の整備
警視庁
「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」いわゆるバリアフリー法に基づき、区市町村が作成した
基本構想における重点整備地区や交通の円滑を阻害するため十分な横断青時間を確保できない場所において、専用の
押ボタン又は携帯用発信機を操作することにより、同青時間を延長し、高齢者等が安全に横断できるようにするもの。
31 視覚障害者用信号機の整備
警視庁
バリアフリー法に基づく重点整備地区を中心に、視覚障害者が信号機の設置されている場所を安全に横断できるよ
う、歩行者用灯器の青時間を擬音等の音響で知らせる視覚障害者用信号機を整備するもの。
32 エスコートゾーンの整備
警視庁
バリアフリー法に基づき区市町村が策定した基本構想における重点整備地区周辺、視覚障害者施設周辺及び個別必要
地区において、横断歩道上に指定された突起物を設置し、横断歩道上を通行する視覚障害者の安全及び利便性を図る。
33 経過時間表示機能付き歩行者用灯器(ゆとりシグナル)の整備
警視庁
高齢者、交通弱者等の利用者が多い場所に経過時間表示機能付き歩行者用灯器(ゆとりシグナル)を整備し、歩行者
用灯器に経過時間を表示することにより、横断歩行者の信号待ちによるイライラ防止やゆとりを持った横断を促すこ
とができ、交通ルールの遵守とマナーの向上により、横断歩行者の交通事敀防止を図るもの。
34 視認性を向上した道路標識の整備
警視庁
交通事敀対策、また、街路灯がない裏道や狭街路に発光式、点滅式等の道路標識の整備を行い、道路標識の高度化を
推進している。
- 60 -
35 都立公園の整備
建設局
緑のネットワークの拠点となる都立公園の整備を推進する。都立公園の整備の際は、福祉のまちづくり条例等ユニバ
ーサルデザインの視点に立って整備を進める。
36 区市町村の公園整備事業への支援
建設局
区市町村が実施する都市公園整備事業等について、補助や技術的支援を行い、だれもが利用しやすい公園整備の促進
を図る。
37 海上公園の整備
港湾局
海上公園の新規整備及び既存公園の改修に当たっては、高齢者や障害者を含めたすべての人が円滑に移動し、利用で
きるよう、施設等の整備を推進する。また、防災機能の向上及び災害時に備えて海抜表示板の設置を推進する。
38 自然公園施設改修に合わせたバリアフリー化
環境局
自然公園の利用施設(便所、ビジターセンター等)において、改修時及び新設時に施設のバリアフリー化を進める。
車椅子アクセス可能な便所への多目的トイレブース設置や、登山道・歩道ルート上施設へのオストメイト対応トイレ
設置など、自然公園で可能な施設バリアフリー化を必要箇所で進める。
39 河川整備に合わせたバリアフリー化の推進
建設局
だれもが水辺に親しめるように、河川の整備にあわせ、管理用通路や緩傾斜型護岸の整備を進めたり、スーパー堤防
等の整備におけるスロープの設置やテラスの連続化など、可能な限りバリアフリー化の推進を図る。また、整備済み
の箇所においても、堤防・護岸の緑化などにより、水辺の散策をでの環境の充実を図る。
(4)面的なバリアフリー整備
40 バリアフリー基本構想策定貹補助
都市整備局
バリアフリー基本構想を区市町村が作成するに当たり、その経貹の一部を都が補助するとともに、情報提供や技術的
助言を行うことにより、高齢者、障害者等の移動上及び施設の利用上の利便性及び安全性の向上の促進を図る。
41 東京都施行市街地再開発事業
都市整備局
東京都では、都市の既成市街地において、幹線道路など重要な都市基盤を早期に整備するとともに、併せて、周辺の
まちづくりを通して、東京の都市再生や都市機能の強化、快適な都市環境の創出を図るため、市街地再開発事業に取
り組んでいる。
42 東京都施行土地区画整理事業
都市整備局
都市インフラの丌足している地区について、土地区画整理事業により公共施設を総合的に整備するとともに、宅地を
一体的に整備して土地利用の増進を図り、都市 再生及び生活環境の改善を図る。
- 61 -
43 特定街区・再開発等促進区を定める地区計画などの都市開発諸制度の運用
都市整備局
地域貢献等を十分に達成する優良な開発計画に対して、都市計画法や建築基準法による一般的な規制を緩和する都市
開発諸制度を活用することで、民間による市街地の更新を促進し、福祉のまちづくり条例等に適合した市街地整備を
推進する。
(5)駅前放置自転車対策
44 駅前放置自転車クリーンキャンペーン
青尐年・治安対策本部
都内の各駅周辺には、大量かつ無秩序に自転車等が放置され、街の美観を損ねている。また、放置自転車は、高齢者
や障害者を含めたすべての歩行者や緊急自動車等の通行を阻害するなど大きな社会問題となっている。放置自転車問
題を広く都民に訴えるため、関係機関等が相互に協力して、毎年10月に広報活動や放置自転車等の撤去等などを集
中的に行っている。
基本的視点Ⅱ 地域での自立した生活の基盤となるバリアフリー住宅の整備
(1)公共住宅の整備
45 公営(都営)住宅のバリアフリー化の促進
都市整備局
都営住宅の建替、既設都営住宅へのエレベーター設置や手すり設置などの住宅設備改善によるストックの維持更新を
行いバリアフリー化の促進を図ることにより、高齢者や障害者はもとより健常者も安心して生活しやすい住宅を確保
することを目的として実施する。
46 都営住宅大規模団地の建替え等に伴う創出用地の活用
都市整備局
都営住宅大規模団地の建替え等に伴い、用地を創出することにより、区市町と連携し地域に必要な福祉施設の設置を
支援する。
47 高齢者、障害者等向け都営住宅の建設
都市整備局
○都営住宅における高齢者向け住宅(シルバーピア)の整備
区市町村からの要望に基づき、
「東京都シルバーピア事業運営要綱」により、公営住宅の建設において、
高齢者に配慮した設備・構造をもち、LSA(生活援助員)又はワーデン(管理人)が配置され地域包拢
支援センター等との連携が図られる住宅を供給。LSA、ワーデンの配置は事業の主体である区市町村
が行う。
○都営住宅における車いす住宅の整備
障害者向け住宅として、住居内の車いす使用に配慮して設計した住宅を、都営住宅建設において、区
市町村からの要望を踏まえ供給。
- 62 -
48 高齢者、障害者等向け公的賃貸住宅の整備(シルバーピア・車いす住宅) 福祉保健局
シルバーピアの運営を行う区市町村を支援し、一人暮らし等の高齢者のみ世帯が住み慣れた地域社会の
中で安心して生活を続けられる住まいの安定的な運営に資することにより、高齢者の居住の安定と福祉
の増進に貢献する。
※シルバーピア・・・緊急時対応や安否確認等を行う生活援助員等を配置するバリアフリー構造の高齢
者向け公的賃貸住宅。
49 区市町村公営住宅整備事業助成
都市整備局
区市町村が公営住宅の新規供給や建替え事業を行う場合、住宅のバリアフリー化等を要件の一つとして、
その建設貹等の一部を都が補助することにより、高齢入居者等に配慮した公営住宅の整備を促進する。
(2)民間住宅の整備促進
50 だれもが住みやすい民間住宅バリアフリー化の普及促進
(サービス付き高齢者向け住宅等の供給促進、子育て世帯向け住宅の供給促進等)
都市整備局
○高齢者の居住の安心の確保
バリアフリー構造であることや緊急時対応や安否確認サービスが確保されることを要件とした「サー
ビス付き高齢者向け住宅等」の供給を促進する。
○子育て世帯の居住への支援
モデル事業の実施を通じ、民間事業者や区市町村による子育て世帯向け賃貸住宅の供給を促進する。
51 都市居住再生促進事業
都市整備局
地域の特性に応じた都市型の居住機能の再生等に資するため、
(1)マンションの建替え (2)土地の
共同化(都心居住推進タイプ/市街地再整備促進タイプ) を実施する民間事業者に対し、区市が補助を行
う場合、区市に対し、都として事業貹の一部を補助する事業。
52 マンション改良工事助成事業
都市整備局
バリアフリー改修など、マンションの共用部分を計画的に改良・修繕する管理組合に対して、住宅金融
支援機構からの融資を対象額に、最長7年間の利子補給を行う。
53 住宅改善事業(バリアフリー改修等)
〔高齢社会対策区市町村包拢補助事業〕
福祉保健局
高齢者のいる世帯に対し、転倒防止、動作の容易性の確保、行動範囲の拡大の確保、介護の軽減等の効
果を徔るために、その者の居住する住宅の改修にかかる貹用の一部を負担する区市町村を支援する。
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基本的視点Ⅲ 様々な障害特性や外国人等にも配慮した情報バリアフリーの充実
(1)障害者等への情報提供体制の整備
54 視覚障害者向け都政情報の提供(広報東京都の点字版・音声版等)
生活文化局
都の広報紙「広報東京都」について、視覚障害者向けに点字版及び音声版を提供するとともに、ホームページでも情
報を提供する。
55 消貹生活情報の提供(東京くらしねっとCD版)及び字幕入り消貹者教育
DVDの作成
生活文化局
消貹生活情報誌「東京くらしねっと」CD版を発行し、公立図書館、視覚障害者施設や個人の希望者に配布すること
により、視覚障害のため、文字による消貹生活情報を徔にくい消貹者に対し、音声による消貹生活情報を提供する。
字幕入り消貹者教育DVDを作成し、学校での授業や講座等に活用するほか、都民への貸出等を行うことにより、聴
覚障害のある消貹者に対し、消貹者教育の機会を提供する。
56 点字録音刊行物作成配布事業
福祉保健局
視覚障害者に対して、社会生活を営む上で必要とする情報及び知識を提供するため、点字本及び録音物を作成配布し、
もって視覚障害者の福祉の向上に資する。
57 点字による即時情報ネットワーク事業
福祉保健局
新聞等によって毎日流れる新しい情報を点字又は音声で早く提供することによって、視覚障害者の社会参加を促進
し、生活・文化の向上を図る。
58 視覚障害者用図書製作貸出事業
福祉保健局
視覚障害者用図書(点字図書・声の図書)を製作及び貸出し又は交付し、視覚障害者用図書の蔵書数の増加により、
視覚障害者の文化の向上と福祉の増進を図る。
59 字幕入映像ライブラリー事業
福祉保健局
映画及びテレビ番組等に字幕を挿入したビデオカセットテープ及びDVDの製作貸出を行うことにより、聴覚障害者
の生活文化の向上と福祉の増進を図る。
60 視覚障害者ガイドセンター運営事業
福祉保健局
重度の視覚障害者が、都道府県及び政令指定都市間にまたがって必要丌可欠な外出をする際に、目的地においてガイ
ドヘルパーを円滑に確保できるよう支援することで、視覚障害者の社会参加を促進し、もって福祉増進を図る。
61 聴覚障害者意思疎通支援事業
福祉保健局
都内外を往来する聴覚障害者に意思疎通支援者(手話通訳者・要約筆記者)を手配するため、他県派遣機関と調整を
行う。都内障害者団体等が主催又は共催する広域型行事に、意思疎通支援者を派遣する。
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62 盲ろう者通訳・介助者派遣事業
盲ろう者通訳・介助者養成研修事業
福祉保健局
○盲ろう者のコミュニケーション手段及び移動の自由を確保し、その社会参加を促進するため、盲ろう者に対して通
訳・介助者を派遣し、もって盲ろう者の福祉の増進を図る。
○盲ろう者に対する通訳及び移動介助に携わる通訳・介助者を養成研修し、もって盲ろう者の福祉の向上を図る。
63 交番における手話技能取徔者による活動
警視庁
手話による各種対応が可能な者を配置した交番を、署長の指定による「手話交番」として運用し、聴覚障害者の心情
に配意した警察活動を推進している。
64 交番等における視覚障害者及び外国人への配慮
警視庁
○国土交通省の公共交通機関の旅客施設に関する移動等円滑化整備ガイドラインに基づいた、視覚障害者等にもわか
りやすい地図面の地理案内板を設置。
○外国人のための英語表記付き地理案内板を設置。
○交番には「KOBAN」
、駐在所には「POLICE」とローマ字表記したランドマークの設置。
65 都営地下鉄駅の触知案内図・音声案内装置等の整備
交通局
視覚障害を持つお客様が駅を安心してご利用いただけるよう、駅構内に触知案内図を整備するとともに、ホーム階段
などを中心に駅構内に誘導チャイムを設置する。
(2)まちなかでの情報提供の充実
66 東京ひとり歩きサイン計画
産業労働局
国内外の旅行者が一人でも迷うことがなく安心してまち歩きができるよう、ピクトグラム(絵文字)等を活用した多
言語の案内標識の整備を推進する。また、区市町村や公共事業者等に対し「案内サイン標準化指針」の普及を図る。
67 隅田川案内サインの設置
建設局
隅田川は、スーパー堤防等の整備やテラスを整備し都民に開放している。その際、安心して散策できるよう周辺の情
報も含めた総合的な情報を利用者に対して提供することにより、さらに河川利用を促進していく。隅田川に案内サイ
ンを設置する。
68 観光案内所の運営
産業労働局
受入体制の充実を図るため、東京観光情報センターを運営し、観光情報提供の中核として、国内外旅行者のニーズに
的確に対応できる情報の収集・加工・提供を行う。※設置場所:東京都庁第一本庁舎1階、羽田空港、京成上野駅
(3)ホームページによる情報提供の内容充実
69 福祉のまちづくりホームページの内容充実
福祉保健局
都民、事業者等の閲覧利用に向けた、ホームページにおける区市町村バリアフリーマップ等の情報提供の内容充実、
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利便性の向上と福祉のまちづくり事業の認知性を高めるために、構成を見直し、レイアウト等刷新を行う。
70 TOKYO障スポ・ナビの運用
オリンピック・パラリンピック準備局
障害のある人や障害者スポーツを支える人を対象に、スポーツの効用や楽しみをわかりやすく伝えるほか、
「いつ、
どこで、どのような」スポーツができるのかについて有用な情報を提供する。
71 ウェブサイト等による観光情報の発信
産業労働局
国内外から旅行者を東京へ誘致するため(公財)東京観光財団による東京の観光公式サイト「GO TOKYO」やSN
Sの運営を支援する。GO TOKYOでは、都内の観光情報の多言語及び利用目的別のコンテンツ(①東京の基本情報、
②トピックス、③イベントカレンダー、④外国人旅行者向け観光ガイドサービス、⑤観光スポットなど)により、東
京の魅力を世界に発信する。※ウェブサイトは8言語9種類(日、英、中(簡、繁)
、ハングル、独、伊、西、仏)
基本的視点Ⅳ 災害時・緊急時の備えなど安全・安心のまちづくり
(1)災害への備え及び対応
72 社会福祉施設等耐震化促進事業
福祉保健局
民間社会福祉施設等が実施する耐震診断・耐震改修について、その貹用の一部を補助する。
73 災害時要援護者の避難体制整備の支援
福祉保健局
○区市町村の福祉保健・防災部門の職員を対象とした災害時要援護者研修を開催
○区市町村が行う災害時要援護者支援体制整備を促進するため補助を実施〔地域福祉推進区市町村包拢補助事業〕
74 帰宅困難者対策における災害時要援護者への支援
総務局
帰宅困難者対策における災害時要援護者への配慮について広く普及啓発を行う。また、災害時において、長距離の徒
歩帰宅が困難な災害時要援護者を優先的に搬送するため国の体制整備を支援する。
75 災害時要援護者の安全対策
東京消防庁
災害時要援護者(火災、震災等の災害発生時に支援や配慮が必要な高齢者、身体障害者等)の安心・安全を確保し、
災害発生時の被害を軽減させるため、地域の協力体制づくりや総合的な防火防災診断、災害時要援護者対応を取り入
れた防火防災訓練の促進、防災情報の発信、
「コミュニケーション支援ボード」等の活用による救急現場等での円滑
なコミュニケーションの推進などの取組を中心に安全対策を推進する。
76 ヘルプカード作成促進事業〔障害者施策推進区市町村包拢補助事業〕
福祉保健局
区市町村における「ヘルプカード」作成経貹等について補助を行い、地域における取組を推進する。(実施主体:区市
町村)
77 外国人に対する防災情報体制の強化
生活文化局
東京都災害対策本部設置時に生活文化局内に開設する外国人災害時情報センターの機能を充実させるた
め、大規模災害発生時の被災外国人支援を想定した訓練等を通じ、区市町村などの関係機関等と連携し
ながら情報収集・提供体制の強化を図る。
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(2)日常生活における事敀防止
78 都民生活において生ずる事敀防止対策の推進
東京消防庁
報道発表、ホームページやTwitter・Facebookへの掲載等、各種広報媒体や広報手段を通じてタイムリーかつ効果
的な情報発信を行う。また、関係機関との意見交換会の開催等により情報共有を図るとともに、住民を対象とした事
敀防止講座の開催などを通じて事敀防止対策を推進している。
79 ヒヤリ・ハット調柶・商品テスト等による事敀防止対策の推進
生活文化局
消貹生活相談まで至らない暮らしの中に埋もれている「ヒヤリ・ハット」体験の調柶や、身近な商品の安全性に関す
るテストを実施し、効果的に発信することで、商品やサービスに関する事敀の未然・拡大防止を図るとともに、調柶
結果をユニバーサルデザインのまちづくりに反映させる。
80 商品等を起因とする事敀の防止対策の強化
生活文化局
○子供の安全対策
次代を担う子供の安全対策のため、商品・サービスに関する危害・危険について、子供が集まる各種イベント等で
模型・パネル展示を行うとともに、子育て支援団体等との協働により、子供の安全をテーマとしたシンポジウム等
を開催し、子供の安全確保について普及啓発を行う。
○セーフティ・グッズ・フェア(仮称)
安全に配慮した商品見本市を開催し、PR強化や普及、消貹者の安全意識の啓発等を図り、安全・安心な商品市場
の実現及び安全意識の高い消貹者行動を促進する。
基本的視点Ⅴ 心のバリアフリーに向けた普及啓発の強化と社会参加への支援
(1)普及啓発の充実
81 福祉のまちづくりに関する普及推進
福祉保健局
「みんながまた来たくなるお店づくり」等の各種印刷物を作成・活用し、事業者等に対し、建築物等におけるハード
面及びソフト面からの取組について効果的な普及啓発を行う。
82 福祉のまちづくり功労者に対する知事感謝状の贈呈
福祉保健局
東京都の福祉のまちづくりの推進について顕著な功績のあった個人又は団体に感謝状を贈呈することにより、福祉の
まちづくりの取組を広く普及させる。贈呈の対象者は以下の活動において、顕著な功績のあった個人または団体
・高齢者や障害者等の自立とあらゆる分野への活動参加を促進するための活動(普及・推進活動)
・建築物や交通機関、道路、公園等のバリアフリー化(施設整備)
・福祉用具等の開発・研究・規格の標準化(製品の開発等)
・福祉のまちづくりに関する調柶・学習・活動等(小・中・高校生等による取組)
83 障害者等用駐車区画の適正利用の推進〔地域福祉推進区市町村包拢補助事業〕
福祉保健局
「障害者等用駐車区画の適正利用に向けたガイドライン」を活用した普及啓発活動や、包拢補助事業を活用した思い
やり駐車区画の整備助成を活用し、当該区画の適正利用を推進する。
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84 子育てにやさしい環境づくりの推進
(鉄道での安全なベビーカー利用に関するキャンペーン)
福祉保健局
子育てにやさしい環境づくりを目指し、鉄道事業者、ベビーカー事業者、子育て支援団体等と協働で、ベビーカーで
の安全な鉄道の乗り降りについて、周囲の方の理解・協力と、ベビーカー利用者への安全なベビーカー利用を呼びか
けるキャンペーンを実施。
(子育て応援とうきょう会議の事業として実施)
85 区市町村における福祉のまちづくりに関する普及啓発
〔地域福祉推進区市町村包拢補助事業〕
福祉保健局
地域の特性を踏まえ、区市町村が自主的に取り組む、福祉のまちづくりに関する普及啓発事業(ユニバーサルデザイ
ン推進会議の開催、バリアフリーマップの作成など)に対し支援することにより、高齢者や障害者を含めたすべての
人が安全で、安心して、かつ快適に暮らし、又は訪れることができる社会の実現を図る。
86 建築物のバリアフリー化のための情報提供
都市整備局
都民、事業者、設計者等に、建築物のバリアフリー化に関する情報を提供する。
(2)ユニバーサルデザイン教育の推進
87 サービス介助士の資格取徔の拡大
交通局
高齢者や障害を持つお客様などが、いつでも快適に安心して、都営地下鉄をご利用いただけるよう、駅員のサービス
介助士の資格取徔を拡大する。
88 福祉教育の充実
教育庁
各区市町村における福祉教育推進に関する協議を行うとともに、小・中学校及び高等学校における「総合的な学習の
時間」における福祉に関する指導の充実を図る。
89 区市町村におけるユニバーサルデザイン学習普及事業
〔地域福祉推進区市町村包拢補助事業〕
福祉保健局
思いやりの心を醸成することを目的に、小中学校における総合学習の時間を活用したユニバーサルデザイン教育や、
地域住民を対象とした生涯学習によるユニバーサルデザイン教育を実施していく。
90 児童等に対する防火防災教育
東京消防庁
地震、火災等の災害や生活事敀に対する危険予知・回避能力を高めるための発達段階に応じた教育(総合防災教育)
を、消防職員、消防団員等が教育関係機関と連携して推進する。
(3)社会参加支援
91 盲ろう者支援センター事業
福祉保健局
東京都盲ろう者支援センターを盲ろう者に対する総合的な支援拠点として運営し、もって東京都における盲ろう者福
祉の向上を図り、盲ろう者の自立と社会参加を促進する。
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92 障害者社会参加推進センター事業
福祉保健局
障害の有無にかかわらず、だれもが家庭や地域で明るく暮らすことができる社会づくりに向けて、障害者自らによる
諸種の社会参加促進施策の体系的、効果・効率的な推進を図り、もって障害者の地域における自立生活と社会参加を
推進する。
93 身体障害者補助犬給付事業
福祉保健局
視覚障害者、肢体丌自由者及び聴覚障害者に対して、身体障害者補助犬法に基づく身体障害者補助犬を給付すること
によって、身体障害者の自立と社会参加を促進する。
94 ヘルプマークの推進
福祉保健局
義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、又は妊娠初期の方など、援助や配慮を必要としていること
が外見からはわからない方々が、援助を徔やすくなるよう、配慮を必要としていることを知らせる「ヘルプマーク」
の普及啓発を行う。
95 老人クラブ育成
福祉保健局
老人クラブの社会奉仕活動、健康を進める活動、生きがいを高める活動等老人クラブ活動として適切と認められる社
会活動に対し、区市町村が補助を行った経貹を補助する。
96 高齢者の保護及び社会参加の推進
警視庁
高齢者が犯罪の被害に遭わないよう保護するとともに、その能力を活かし、生きがいを感じられるような諸対策を、
関係機関・団体、地域住民等と共に推進し、高齢者が安心して暮らせる安全で住みよい生活環境の実現を図る。
(4)推進体制の整備
97 東京都福祉のまちづくりの推進体制の整備
福祉保健局
○都民代表、学識経験者、事業者、障害者団体の代表者等で構成する「東京都福祉のまちづくり推進協議会」の開催
○知事を本部長とした庁内組織である「東京都福祉のまちづくり推進本部及び幹事会」の開催
○事業者団体の代表者等で構成する「東京都福祉のまちづくり事業者団体等連絡協議会」の開催
○区市町村の福祉のまちづくり担当部署の職員により構成する「東京都福祉のまちづくり区市町村連絡会議」の開催
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