...

平成27年度 石油産業体制等調査研究 (石油業界における災害時対応

by user

on
Category: Documents
18

views

Report

Comments

Transcript

平成27年度 石油産業体制等調査研究 (石油業界における災害時対応
資源エネルギー庁
資源・燃料部 石油精製備蓄課
委託事業
平成27年度
石油産業体制等調査研究
(石油業界における災害時対応訓練の実効性確保等に関する調査)
報告書
平成28年3月
株式会社富士通総研
目次
1.
事業の目的と概要 ...............................................................................................................1
2.
系列BCPの格付け評価の実施 .......................................................................................... 3
2-1. 石油精製・元売各社の達成状況と課題の整理 ................................................................ 4
2-2. 系列BCP格付け評価の実施概要の決定 ....................................................................... 6
2-2-1. 系列BCP格付け評価の評価基準 ........................................................................... 8
2-2-2. 訓練の評価基準 ....................................................................................................... 8
2-2-3. 訓練の評価方法 ....................................................................................................... 9
2-3. 訓練視察の実施 ............................................................................................................ 11
2-3-1. 訓練視察の実施概要 .............................................................................................. 11
2-3-2. 訓練視察の実施結果 .............................................................................................. 12
2-4. 系列BCP格付け評価の実施 ....................................................................................... 13
2-4-1. 対面審査の実施 ..................................................................................................... 13
2-4-2. 系列BCP格付け評価結果 .................................................................................... 13
3.
石油業界全体としての取組の方向性に関する提言 ........................................................... 19
別紙
参考
系列BCP格付け評価項目 ................................................................................. 21
1. 事業の目的と概要
■事業の目的
首都直下地震や南海トラフ巨大地震等の激甚災害に備え、発災後可能な限り迅速に石油供給機能
を回復させ、被災者等へガソリン等の石油製品を供給しうる体制を平時から構築し、減災や早期復
旧に必要な事前の投資や、災害時の緊急石油供給に必要な訓練を官民一体で定期的に実施すること
が重要である。
このため、石油の備蓄の確保等に関する法律に基づく災害時石油供給連携計画を政府とともに実
行する責務や平成 27 年4月1日から災害対策基本法上の指定公共機関の責務を担う石油精製・元
売会社 ※1(以下「石油会社」という。)は、平成 25 年度に、製油所から系列サービスステーショ
ン等の末端供給までを包含する、巨大地震を念頭においた自社系列全体の事業継続計画(以下「系
列BCP」という。
)を策定し、平成 26 年度に、①石油業界共通(災害時石油供給連携計画を策
定する石油会社共通)のタイムラインの設定や②供給回復目標の設定を内容とする系列BCPへの
見直しを図ったところである。
災害時の緊急石油供給の対応能力を強化し、その実効性を担保するためには、平成 26 年4月に
策定したエネルギー基本計画 2014 にもあるように、系列BCPの毎年の格付け評価により、内容
の不断の見直しを継続することが必要である。
また、今後、系列BCPに定められた石油会社の機能を強化し、供給回復目標に向けた能力強化
を行う取組を進めるためには、系列BCPの格付け評価において訓練を中心に評価を行うことで系
列BCPの実効性を担保することが必要である。
そのため、国として、系列BCPの格付け評価を通じた石油業界全体でのレベルアップを図ると
ともに、平成 26 年度に策定した系列BCPを、石油会社の系列BCPの格付け評価における 18
の評価項目に対応した、訓練内容の精査による石油業界共通の訓練評価基準・訓練評価手法の調
査・確立を行い、もって石油製品の安定供給の確保を図ることを目的とする。
※1 JXエネルギー株式会社、出光興産株式会社、コスモ石油株式会社、東燃ゼネラル株式会社、
昭和シェル石油株式会社、富士石油株式会社、太陽石油株式会社、南西石油株式会社の計8
社
■事業の概要
(1)系列BCPの訓練内容に基づく訓練評価基準(チェック項目)及び訓練評価方法の調査
・石油精製・元売会社が、発災後にも迅速に回復すべき機能(本社機能、需給調整機能、生産機
能、受発注機能、配船・配車機能等)への対応として、平成 26 年度に石油会社が策定した系
列BCPに記載されている、訓練内容の精査
・上記の精査結果を踏まえた、石油業界共通の訓練評価基準(チェック項目)や訓練評価方法の
整理
1
(2)訓練評価方法の課題・方策等の実態調査
・今年度実施予定の石油会社における訓練視察を行い、1項で整理した訓練評価基準(チェック
項目)や訓練評価方法を用いて、石油会社の社内各部門グループが相互に連携して災害対応に
取り組んでいるか、訓練内容として実現可能性があるかなどの実態の調査
(3)系列BCPの格付け評価
・系列BCPの格付け評価の実施概要の設計、およびBCPの有識者で構成される委員会(回数:
20 回程度、委員3名程度)の設置
・当該委員の助言を踏まえた、系列BCPの格付け評価(石油会社において平成 26 年度に見直
した系列BCPの内容確認及び意見集約・複数回にわたる各社ヒアリング・各社における訓練
視察及び訓練評価等)を通じて、各社の系列BCPの実効性が確保されたものになっているか
の格付け評価の実施
2
2. 系列BCPの格付け評価の実施
首都直下地震や南海トラフ大地震等の激甚災害時においても、可能な限り迅速に石油供給機能を回
復させ、被災者等へガソリン等の石油製品を供給することが石油精製・元売会社に求められている。
各社では、石油連盟により平成 25 年 12 月に策定された「巨大地震等に対する石油会社のBCPガ
イドライン(以下、石油連盟のBCPガイドライン)
」を参考とし、石油連盟での議論を中心に具体
化された災害時石油供給連携計画への対応を加味しながら、製油所から系列SS等の末端供給までを
包含する自社系列全体の事業継続計画(
「系列BCP」)の策定およびそれに従った改善に取り組んで
いる。
本事業では、過去2回(平成 25 年度、平成 26 年度)の審査結果を踏まえ、石油精製・元売会社
が発災後にも迅速に回復すべき機能(本社機能、需給調整機能、生産機能、受発注機能、配船・配車
機能等)の実効性の確認と改善につながりうる、系列BCP格付け評価について、以下の手順に沿っ
て実施した。
1. 石油精製・元売各社の達成状況と課題の整理
過去2回(平成 25 年度、平成 26 年度)の系列BCP格付け評価結果を踏まえ、石油精製・
元売各社の訓練の実施状況を含む達成状況と課題を整理した。
2. 系列BCP格付け評価の実施概要の決定
上記を踏まえ、平成 27 年度の系列BCP格付け評価における評価項目、評価基準、評価手法
を決定し、各社に対して実施概要の通知を行った。なお、本事業では、過去2回の系列 BCP
格付け評価の際に実施した書面審査と対面によるヒアリング審査に加えて訓練視察を実施す
ることとした。
3. 訓練視察の実施
各社で実施されている訓練の実効性を確認することを目的として訓練視察と訓練設計者への
ヒアリングを実施した。なお、対象とする訓練は各社から提出いただいた訓練計画から指定
した。
4. 系列BCP格付け評価の実施
各社から提出された系列BCPの確認結果、および対面でのヒアリング審査結果および訓練
視察結果を踏まえ、系列BCP格付け審査委員の合議により各社の系列BCP格付け評価結
果を決定した。
なお、格付け評価結果は各社に対してフィードバック済みであり、本報告書には実施結果の
概要のみを記載する。
3
2-1. 石油精製・元売各社の達成状況と課題の整理
系列BCP格付け評価では、首都直下地震や南海トラフ大地震等の激甚災害時においても、
「早期
に平常時の1/2程度の入出荷機能を確保」するために発災後にも迅速に回復すべき機能(18 の個
別項目)について、各社の取組の充足状況を継続的に評価している。当事業における評価の前提とな
る平成 26 年度の評価結果は以下の通りであった。
(個別の評価項目の説明は別紙参照)
【平成 26 年度の系列BCP格付け評価結果の概要】
○各社の審査結果を踏まえた全体状況
・平成 25 年度の試行審査結果及び各社の訓練を中心とした取組から抽出された課題に対する対応
が各社において進捗している。
・各社においては、設定された復旧目標に向けた事業継続能力の向上に確実に取り組んでおり、ま
た今年度、災害時石油供給連携計画のタイムラインが策定および各社の計画に取り込まれること
で、資源エネルギー庁、石油連盟及び石油精製・元売各社が連携し、石油業界全体での事業継続
能力の向上に対して継続的に取組むベースが出来ている。
・石油業界のような社会インフラを担う業界は、このレベルを保つことはもちろんのこと、さらに
実効性の高い取組に発展させ、他業界に先進事例として活用されるような取組を業界全体として
構築していくことが求められるため、引き続き、目標達成に向けた取組を確実に進めるとともに、
組織への定着に向けてより効率的に運用する工夫を取り入れる必要がある。
○主な個別項目の評価結果(全体傾向)
(1)供給回復目標
・製油所のガソリン等の入出荷機能回復に要する「目標時間」
(例:3日以内に平常時の1/2
程度の入出荷機能の確保)は、系列全体の危機対応力を決定づける重要なポイントである。
・
「優」と評価した3社は、入出荷機能を平常時の1/2程度まで回復させるまでの「目標の日
数」を高いレベルに設定していた。その他の会社においても、大部分の会社において、震災時
の石油需要に対する社会的要請を念頭においた目標設定がされていることが確認出来た。
(2)本社機能
・被災時の供給の確保のためには、被災製油所において「早期に平常時の1/2程度の入出荷機
能を確保」するのと同時に、全社的な対応方針の決定等のコントロール機能を担う本社の業務
機能を維持する必要がある。
・各社、公共インフラの長期停止や通信ネットワークの寸断等により本社社屋での業務継続が困
難となった場合の代替本社機能(第二本社での業務継続等)が確立されていることが確認出来
た。今後は、訓練による実効性の確認と課題の抽出を継続的に実施する必要がある。
4
(3)受注・配車業務
・大部分の会社において、ガソリン供給等の受注に応えてタンクローリーを配車する業務に必要
な情報システムの二重化対策(バックアップの確保)及び業務オペレーションの二重化対策(代
替拠点でのマニュアル作業に移行することの準備等)を実施し、訓練による実効性の確認が行
われていることが確認出来た。
(4)代替供給
・各社とも、製油所が被災した場合の、他地域の製油所での増産や、他社・海外からの外部調達
の増強について基本的な対応方針は策定されているが確認出来た。
・今後は石連ガイドラインが前提とする被害想定(首都直下地震、南海トラフ巨大地震)のみな
らず、想定外(想定を上回る甚大な被害)事象の発生も視野に入れながら、代替供給に向けた
具体的な準備・シミュレーションを実施し、様々な対応オプションを用意しておくことが望ま
しい。
(5)製油所の早期復旧
・各社とも、首都直下地震や南海トラフ巨大地震を想定した減災(被災リスクを低減させる)対
策を策定し、政府の補助金も活用しつつ具体的な工事を進めていることが確認出来た。
・被災した場合の復旧のスピードを速めるべく、早期復旧に必要な資機材の備蓄等の対策につい
ては大部分の会社で検討は進んでいるものの、一部の会社では完了しておらず、今後の課題で
ある。
(6)タンクローリーの確保
・東日本大震災当時のような津波被害等を想定し、タンクローリー(車両、ドライバー等)の確
保に関する基本的な方針が策定されていることが確認出来た。
・ただし、タンクローリーを保有する協力運送会社等への支援体制の具体化や合同訓練による実
効性確認については一部の会社を除いては完了しておらず、今後の課題である。
(7)系列SSへの営業応援
・各社とも、系列SSへの応援要員の派遣を含む必要な支援及び系列SSや協力会社との合同訓
練を検討していることが確認出来た。
・ただし、一部の会社を除いては、支援対象は直営店が中心であり、いわゆる特約店・販売店ま
で含めた支援体制については検討が進んでおらず、今後の課題である。
5
2-2. 系列BCP格付け評価の実施概要の決定
平成 26 年度の評価において、各社とも石油連盟作成のBCPガイドラインに提示された要件を網
羅した系列BCPの作成や見直しについては概ね完了し、系列BCPに基づく訓練やテストが実施さ
れていることが確認出来た。
そのため、今年度の評価では、書面及び対面での審査に加え、各社で実施されている訓練の実効性
が高いものかを確認することとした。具体的には、各社で実施されている訓練の視察及び訓練設計者
へのヒアリングを実施し、書面及び対面審査と合わせて系列BCPの評価を行った。昨年度の評価か
らの変更点及び今年度評価の具体的な実施プロセスは以下の通り。
平成26年度
審査形式
平成27年度
• 書面審査/対面審査
• 書面審査/対面審査
• 訓練視察(訓練スケジュールが合わなかった
場合、設計者へのヒアリングを実施)
主な確認
ポイント
• 供給回復目標の適切性(供給回復目標が
低いレベルになっていないか)
• 昨年度からの改善点(昨年度審査での指摘
事項への対応状況)
• 上記目標に対しての推進力
• 中長期計画と今年度の取り組みの位置づけ
(ハード対策との関係性や訓練を含む)
- 訓練の実施状況
(訓練を実施しているか)
• 訓練設計、運用の合理性
- 課題と対策実施計画が明確か
- 全社的な活動となっているか
図 2-1 系列 BCP 格付け評価の実施概要(平成 26 年度との比較)
~9月
1月
2月~3月
• 視察する訓練
の決定
• 各社への通知
⇒10月上旬
格付け審査
準備
• 統一フォーム
への記入
• 系列BCP
• 統一フォーム
(記入済み)
• BCP見直し
図 2-2 系列 BCP 格付け評価の実施プロセス
6
評価会議
• 実施
概要
評価結果の通知
系列BCP
格付け審査
各社の訓練視察
対面審査
訓練計画の
提出
10月上旬
審査での確認ポイント
の抽出(
書面審査)
今年度の審査概要の検討
石油精製・
元売各社
各社への実施概要の通知
格付け審査
委員会
• 訓練
計画
10~12月
評価
結果
各社からの提示資料については、昨年度評価から引き続き、昨年度の系列BCP格付け評価結果を
踏まえた改善活動を自社で実施した結果としての系列BCPと統一フォームとした。なお、今年度の
取組内容が、中長期的な目標に対して合理的なものとなっているか確認することを目的として、統一
フォームの「フォーム1:前回の格付け評価の改善点」について、年間の取組の総括として「中長期
計画と今年度の取組の位置づけ(ハード対策との関係性や訓練を含む)
」の記入欄を追加した。
統一フォームの構成
フォーム名
【フォーム1】
記載内容
•
前回の格付け評価からの改善点
中長期計画と今年度の取組の位置づけ(ハ
ード対策との関係性や訓練を含む)
• 個別項目ごとの認識している主な課題(前
回格付け評価での指摘事項、独自に認識し
た課題)、課題への対応(対応方法、対応状
況、完了時期)及び系列BCPの記載箇所
【フォーム2】
•
被災製油所の入出荷機能の1/2を復
旧・再開するための具体的な対応方法
被災拠点の陸上入出荷機能の復旧曲線(現
状、目標)
•
(対象脅威、製油所単位で作成)
対象脅威が発生した場合に、リソースが利
用可能となる時間及びその根拠(現状、目
標)
【フォーム3】
•
前回以降の訓練の実施内容と実施結果
前回の格付け評価以降に実施した訓練の目
的、対象範囲(機能)、訓練での想定、実施
結果及び訓練で抽出した課題、訓練で抽出
した課題への対応
【フォーム4】
•
本社、および各製油所における対象脅威が
首都直下地震、南海トラフ巨大地震の際に
発生した場合の震度、津波による浸水深、
発生する影響
到達予想時間及び根拠となる被害想定
7
2-2-1. 系列BCP格付け評価の評価基準
系列BCPの評価項目(全18項目)に対する各社の取組の充足状況を「優」
、
「良」
、
「可」、
「不可」
の4段階で評価を実施した。また、各個別項目の評価結果に基づき、
「S」
、
「A+」
、「A」、「B+」、
「B」
、
「C」の6段階で総合評価を実施した。各個別項目の評価基準、および総合評価の評価基準は
以下の通り定義した。
なお、供給回復目標は系列全体の事業継続能力を決定付ける重要なポイントであり、供給回復目標
が震災時の石油需要に対する社会的要請を念頭においた設定よりも低く設定されている場合、社会の
要請に応えるレベルでの事業継続能力の向上が見込めないことから、総合評価の「A+」の条件とし
て供給回復目標が「優」
、
「A」の条件として供給回復目標が「優」か「良」であることとした。
個別項目の評価基準
優
特に優れた取組(特に周到な準備や創意工夫が備わったもの)
良
優れた取組
可
最低限のレベルは満たしている取組
不可
最低限のレベルを満たしていない取組
総合評価の評価基準
S
個別項目の評価が「優」のみ。
A+
個別項目の評価のうち、
「優」が全体の5割以上を占め(供給回復目標は「優」)、
かつ「可」も「不可」もない。
A
個別項目の評価のうち、「優」と「良」の合計が全体の5割以上を占め(「優」
のみで5割以上のケースを除く。供給回復目標は「優」か「良」)、かつ「不
可」がない。
B+
個別項目の評価のうち、「優」と「良」の合計が5割未満だが一つ以上あり、
かつ「不可」がない。
B
個別項目の評価が「可」のみ。
C
個別項目の評価のうち、一つでも「不可」がある。
2-2-2. 訓練の評価基準
各社で実施されている訓練の実効性(対応能力の向上に寄与するものになっているか)の評価基準
は以下の通り。訓練設計と訓練当日の運用の両方の観点から実効性を評価した。
なお、訓練視察・設計者へのヒアリングにあたっては、以下の評価基準を踏まえ訓練視察中に重点
的に確認するポイントやヒアリング項目に細分化したチェックシートを作成。有識者による評価を実
施した。
8
【訓練評価基準(チェック項目)
】
○訓練設計の合理性
①訓練の目的が明確になっているか。
・系列BCPの達成目標に論理的に接続されているか
・訓練の目的を経営層が理解しているか
②対象範囲(拠点、機能)
、前提及び方法が目的の達成に対して合理的に設定されているか
③訓練における評価指標が整理されているか
○訓練運用の合理性
④訓練参加者が訓練目的を意識しているか
⑤訓練運営が目的達成に向けて十分なものになっているか
⑥改善のための仕組みが構築されているか
2-2-3. 訓練の評価方法
各社で実施されている訓練の実効性の評価方法は以下の通り。各社から視察対象の訓練に関する概
要(訓練目的、評価方法等)資料を事前に入手し、訓練評価基準(チェック項目)を踏まえて当日の
確認ポイントを抽出。訓練視察による訓練参加者の動きと訓練設計者へのヒアリングを通じて、各社
で実施されている訓練の実効性を確認した。
訓練実施前
• 各社から視察対象の訓練概要(目的、評価方法等)に関する
資料を入手
• 書面にて訓練設計の合理性を確認、当日の確認ポイントの抽出
• 確認ポイントに基づき、訓練参加者の動きをチェック
訓練当日
訓練実施後
• 訓練設計者に対してヒアリングを実施。訓練設計の合理性を
確認
• 有識者会議において訓練視察の結果を確認
• 必要に応じて対面審査で追加確認を実施
図 2-4 訓練の実効性評価の実施手順
訓練視察については、各社から提出された訓練計画(実施スケジュール、目的、対象機能等)を踏
まえ、視察対象の訓練1社につき1訓練を選定して実施した。視察対象の訓練において実効性の高い
訓練が設計・運営出来ていれば、その会社が実効性の高い訓練を設計・運用出来る能力があると判断
9
し、視察対象以外の訓練においても同様であると推定した。
なお、訓練視察が実施出来ない石油会社に対しては、訓練設計者へのヒアリングにより訓練中の参
加者の動きを確認することで評価を実施した。
10
2-3. 訓練視察の実施
2-3-1. 訓練視察の実施概要
本事業で整理した訓練の実効性(対応能力の向上に寄与するものになっているか)の評価基準、評
価方法を用いて、石油精製・元売会社(8社)で実施されている訓練の実効性の評価を実施した。実
施概要は以下の通り。
社名
コスモエネルギー
ホールディングス
JXエネルギー株式会社
太陽石油株式会社
訓練名
臨時対策本部(BCP)訓練
平成 27 年 11 月 16 日(月)
13:00~15:00
緊急時需給対応訓練
平成 27 年 11 月 19 日(木)
(南海トラフ巨大地震想定)
13:00~15:30
製油所の被害情報、在庫情報の
平成 27 年 11 月 26 日(木)
情報収集訓練
14:00~16:30
富士石油株式会社
製油所での総合訓練
南西石油株式会社
全体の取組を確認
9月2日(水)本社他にて実施の
出光興産株式会社
日時
総合防災訓練
(南海トラフ巨大地震を想定)
昭和シェル石油株式会社
5月実施の危機管理総合訓練
東燃ゼネラル石油株式会社
9月15日実施の総合訓練
平成 27 年 12 月 14 日(月)
13:30~17:15
平成 27 年 12 月 21 日(月)
14:00~16:00
平成 27 年 12 月 22 日(火)
15:30~17:30
平成 28 年1月 18 日(月)
10:00~12:00
平成 28 日 1 月 20 日(水)
10:00~12:00
なお、南西石油株式会社、出光興産株式会社、昭和シェル石油株式会社、東燃ゼネラル石油株式会
社については、訓練設計者へのヒアリングにおいて、訓練当日の参加者の動きを確認した。
11
2-3-2. 訓練視察の実施結果
訓練視察の実施結果を踏まえた、全体状況は下記の通り。なお、各社で実施されている訓練の実効
性の評価結果としては、各社レベル感の差はあるものの、訓練設計の合理性及び訓練運用の合理性に
ついて課題を残しているという結果となった。
○各社の訓練視察を踏まえた訓練の実効性に関する全体状況
・各社において訓練目的の明確化や経営層や訓練参加者への説明・浸透は概ね実施されていること
が確認出来た。しかし、現在の訓練目的は、系列全体として目指すべき系列BCPの目標達成(激
甚災害においても1/2の入出荷機能を回復するまでの目標日数を1日以内)に向けた能力強化
というゴールに対して、具体的にどのように関連しているのか必ずしも明確となっていないこと
が確認された。今後は、訓練目的を体系的に明確に整理することが求められる。また、能力の強
化は単年度で成し遂げられるものとは限らないため、単年度にとどまらず中長期のスパンで能力
強化に向けた訓練計画の策定を行うことが必要となる。
・一部の会社において、視察した訓練の前提条件(被害想定等)が系列BCPの被害想定より軽微
であった。今後は、激甚災害における対応能力が必要となるため、前提条件が強化したい能力に
対して妥当なものになっているかの確認が必要となる。
・大多数の会社において、訓練実施にあたり、チェックポイントを作成し、評価を行っていること
が確認出来た。しかし、訓練においてより具体的な課題を抽出するためには、訓練参加者が達成
すべきミッション(いつまでに、どの様な状態を目指すか)に対してどの程度達成出来たのか、
ギャップがあるのかを的確に把握することが重要となる。今後は、ミッションの達成度合いを定
量的に把握できる指標を策定し、よりデジタルに訓練の評価を行うことが必要となる。
・大多数の会社では、訓練実施後に訓練参加者で振り返りや課題の共有を行う場を設定しているこ
とが確認出来た。今後は、訓練で抽出した課題を具体的な対策計画に落とし込み、関係者間で役
割分担を行ったうえで確実に対策を進めることが重要となる。
12
2-4. 系列BCP格付け評価の実施
2-4-1. 対面審査の実施
各社からの提出資料(系列BCP、統一フォーム)の内容を踏まえ、各社の系列 BCP の取組の関
係者を対象とした対面審査を実施した。対面審査は平成 28 年 2 月 8 日から平成 28 年 2 月 17 日の間
に各社1回、約2時間程度で実施した。対面審査では、前回の評価からの改善点、被災時の復旧レベ
ルについての時系列に沿った考え方と復旧に必要なリソースとの関連性、訓練の実施状況(目的、範
囲、抽出された課題)及び被害想定について説明いただくとともに、質疑応答を実施した。対面審査
の実施概要は以下の通り。
社名
日時
JXエネルギー株式会社
平成 28 年 2 月 8 日(月)13:30~15:30
コスモエネルギーホールディングス
平成 28 年 2 月 9 日(火)10:00~12:00
太陽石油株式会社
平成 28 年 2 月 10 日(水)10:00~12:00
富士石油株式会社
平成 28 年 2 月 10 日(水)13:30~15:30
南西石油株式会社
平成 28 年 2 月 15 日(月)10:00~12:00
東燃ゼネラル石油株式会社
平成 28 年 2 月 15 日(月)13:30~15:30
出光興産株式会社
平成 28 年 2 月 15 日(月)16:00~18:00
昭和シェル石油株式会社
平成 28 年 2 月 17 日(水)10:00~12:00
2-4-2. 系列BCP格付け評価結果
訓練視察の実施結果、対面審査の実施結果を踏まえ、石油連盟作成のBCPガイドラインに提示さ
れた要件の網羅性及び達成度、さらには見直された系列BCPの実効性を担保するための訓練やテス
トの実施状況、今後の課題の明確化と解決に向けた具体的な計画の有無、危機管理部門だけではなく
経営企画や需給調整・製造・物流・販売機能や、関連会社や特約店・販売店も含めた全社的な活動と
しての供給回復目標の浸透度合いや実施状況の程度を中心に評価を実施した。
なお、評価にあたっては、有識者で構成される系列BCP格付け審査委員会において評価会議を実
施し、委員の合議にて決定した。石油精製・元売会社(8社)の系列BCP格付け評価結果の概要(総
論、および主な個別項目の評価結果)は次の通り。
13
総合評価の分布
個別項目評価の分布
評価
ランク
会社数
S
0社
A+
0社
A
7社
B+
0社
B
C
「優」の
項目数
「可」の
項目数
「不可」の
項目数
対象外の
項目数
a社
6
12
0
0
0
b社
3
15
0
0
0
C社
3
14
1
0
0
d社
2
16
0
0
0
e社
1
16
1
0
0
f社
1
14
2
0
1
g社
1
9
3
0
5
h社
0
1
10
2
5
0社
1社
「良」の
項目数
総合
評価
A
C
図 4-1 系列 BCP 格付け評価の実施結果(概要)
○各社の審査結果を踏まえた全体状況
・今回の評価では、ほぼ全ての会社で被災製油所の陸上入出荷機能を平常時の1/2程度まで回復
させるまでの「目標の日数」を高いレベル(被災後1日以内)に設定。合わせて、過去2回の評
価でフィードバックした課題及び各社が自ら抽出した課題に対する対応が進捗していることが
確認できた。さらに、現場の巻き込みが進んでおり、事業継続能力の向上に対して継続的に取り
組むベースが出来たと考えられる。
・上記の結果として、大多数の会社においてほぼ全ての個別評価項目が良以上の評価を達成してい
るが、
優は全体的にまだ少ない状況である。
「文書や仕組みが整えられている」までのものを「良」、
「迅速な回復を確実にするための実効性の高い訓練等の仕組みが整えられている」状況を「優」
と評価しており、優が少ない現在の状態は必要な文章や仕組みの整備は進んでいるものの、演習
等を通じた実効性(復旧回復目標の達成能力)の確認に課題がある状況を示している。
・石油精製・元売各社では、巨大地震発生時等の想像を上回る厳しい状況下においても、国民の安
全確保のため石油製品の供給を迅速に回復させることが求められる。系列BCP格付け評価は、
各社の取組をさらに強化し、業界全体としての強靭性を向上するために実施されている取組であ
り、各社をSからⅭまでの6段階で評価することにより各社が自らの取組レベルと今後取り組む
べきポイントを可視化できることを目的としている。総合評価「S」は、大規模な災害発生時に
おいても業界全体としての必要な供給能力を確保及び早急に復旧するために必要な事前対策が
実施され、発生時における対応の迅速性が演習等により確認されている状態であり、各社共に現
14
状の課題を認識し、業界全体として総合評価「S」を獲得維持する状態を目指して取組む必要が
ある。
・また、今後は、これらの実効性を意識した様々な取組をグループ各社、ステークホルダー(系列
企業、周辺自治体、関連企業等)との連携においても普及浸透させる必要がある。
○主な個別項目の評価結果の全体傾向
(1)供給回復目標
・製油所のガソリン等の入出荷機能回復に要する「目標時間」
(例:3日以内に平常時の1/2
程度の入出荷機能の確保)は、系列全体の危機対応力を決定づける重要なポイントである。加
えて、国土強靱化アクションプラン 2015(平成 27 年 6 月 16 日国土強靱化推進本部決定)で
は、
「激甚災害を想定した場合の石油製品の供給回復目標の平均日数を平成 30 年度中に 1 日
とすること」が目標値として記載されている
・大多数の会社で目標日数を高いレベル(1日以内)と設定しており、
「優」と評価している。
これは、震災時の石油需要に対する社会的要請の高さを念頭においた目標設定であり、業界全
体への信頼向上に寄与する設定である。
・ただし、この供給回復目標は他の業種に先駆けた非常に高いレベルであり、達成には多くの課
題を解決する必要があることが見込まれ、組織全体での取組へのモチベーション維持が重要と
なる。石油供給機能を担う事業者としての社会的責任や社会からの期待を鑑みて、供給回復目
標を高いレベルに設定したことを認識し、自社の競争力の源泉として組織文化に取り込まれる
ことが必要となる
(2)本社機能
・被災時の供給の確保のためには、被災製油所において「早期に平常時の1/2程度の入出荷機
能を確保」するのと同時に、全社的な対応方針の決定等のコントロール機能を担う本社の業務
機能を維持する必要がある。
・大部分の会社で公共インフラの長期停止や通信ネットワークの寸断等により本社社屋での業務
継続が困難となった場合の代替本社機能(第二本社での業務継続等)を確立し、訓練による実
効性の確認と課題の抽出を継続的に実施していることが確認出来た。
・今後は、系統電源からの電力供給が途絶え、非常用電源等の限られた動力しかない状況であっ
ても、被災翌日までに代替拠点で本社重要業務(重要業務とは、平常時の1/2程度の入出荷
機能を回復するために優先的に復旧・再開する必要がある業務のこと)を再開することを達成
目標として設定し、その目標を実現させる能力を獲得することを目的とした実効性の高い訓練
を繰り返し実施することが必要となる。
(3)受注・配車業務
・大部分の会社において、タンクローリーの配車業務に必要な情報システムの二重化対策(バッ
クアップの確保)
、および業務オペレーションの二重化対策(代替拠点でのマニュアル作業に
15
移行することの準備等)を実施し、訓練による実効性の確認が継続的に実施されていることが
確認出来た。
・今後は、系統電源からの電力供給が途絶え、非常用電源等の限られた動力しかない状況であっ
ても、被災後 12 時間以内に代替拠点で受注・配車業務を再開することを達成目標として設定
し、その目標を実現させる能力を獲得することを目的とした実効性の高い訓練を繰り返し実施
することが必要となる。
(4)代替供給
・大部分の会社において、製油所が被災した場合の、他地域の製油所での増産や、他社・海外か
らの外部調達の増強について基本的な対応方針を決定し、シミュレーション等を実施すること
による改善を実施していることが確認出来た。
・今後は、石油連盟のBCPガイドラインが前提とする被害想定(首都直下地震、南海トラフ巨
大地震)のみならず、想定外(想定を上回る甚大な被害)事象の発生も視野に入れながら、代
替供給に向けた具体的な準備・シミュレーションを実施し、様々な対応オプションを用意して
おくことが必要となる。
(5)製油所の早期復旧
・各社とも、首都直下地震や南海トラフ巨大地震を想定した減災(被災リスクを低減させる)対
策を策定し、政府の補助金も活用しつつ具体的な対策、および被災した場合の復旧のスピード
を速めるべく、早期復旧に必要な資機材の備蓄等の対策や訓練を実施していることを確認出来
た。
・今後は、系統電源からの電力供給が途絶え、非常用電源等の限られた動力しかない状況であっ
ても、被災後1日以内に入出荷機能を平常時の1/2程度まで回復させるために必要な対応
(情報収集、早期復旧のための連携体制の整備等)の時間短縮を目的とした実効性の高い実働訓
練を定期的に行い、改善を進めることが必要となる。
(6)タンクローリーの確保
・東日本大震災当時のような津波被害等を想定し、タンクローリー(車両、ドライバー等)の確
保に関する基本的な方針が策定し、協力会社のBCPの取組状況の確認や合同訓練等が実施さ
れていることが確認できた。
・また、一部の「優」と評価された会社においては、石油連盟のBCPガイドラインが前提とす
る被害想定のみならず、想定外(想定を上回る甚大な被害)事象の発生も視野に入れたシミュ
レーションを実施し、タンクローリーの確保に関する具体的な準備を検討・実施していること
も確認出来た。
16
(7)系列SSへの営業応援
・各社とも、直営店だけでなく、いわゆる特約店・販売店まで含めた系列SSへの応援要員の派
遣を含む必要な支援、および系列SSや協力会社との合同訓練を検討していることが確認出来
た。
・今後は、必要な対応の時間短縮を目的とした実効性の高い実働訓練を定期的に行い、改善を進め
ることが必要となる。
17
○個別項目の評価結果の分布(単位:社数)
優
1.供給回復目標
2.本社機能確保
3.安否情報の収集
4.製油所の被害情報、在庫情報の情報収集
5.製油所の周辺インフラ(道路、港湾)の情報収集
6.被災した製油所の支援
7.受注・配車業務の維持
8.増産計画の策定
9.タンクローリーの確保
10.ドラム缶輸送の確保
11.石油製品の配船の手配
12.他社又は海外からの石油製品の調達
13.SSの営業状況の情報収集
14.SSの営業の応援支援
15.SSの復旧支援
16.装置や設備の安全確認を行い、被害情報、在庫情報を
収集し、本社等へ報告
17.製油所の周辺インフラ(道路、港湾)の情報収集
18.製油所の早期復旧
18
良
可
不可
対象外
7
0
0
1
0
0
7
0
1
0
0
8
0
0
0
0
7
1
0
0
0
7
1
0
0
0
7
1
0
0
0
6
2
0
0
2
4
0
0
2
2
4
0
0
2
1
5
1
0
1
3
4
1
0
0
2
5
1
0
0
0
5
1
0
2
0
6
0
0
2
0
4
2
0
2
0
6
2
0
0
0
6
2
0
0
0
6
2
0
0
3. 石油業界全体としての取組の方向性に関する提言
今回で系列BCP格付け評価は3回目を迎え、各社とも石油連盟作成のBCPガイドラインに提示
された要件を網羅した系列BCPの作成や見直しについては概ね完了し、系列BCPに基づく訓練や
テストが実施されていることが確認出来た。しかし、上記が意味するのは、
「機能単位」での能力強
化が進められている確認が取れたということであり、今後は各機能が連携して激甚災害下においても
求められる回復目標の達成を確実にするための取組が必要となる。
取組の実効性を高める手法としては、訓練やシミュレーションが有効であると考える。これらを各
社が同等のレベルで実施し、かつ効率的に展開していくためには、訓練の実施方法、評価の方法、前
提条件の設定方法などを揃え、また好事例を業界で共有できるような仕組みが求められる。その仕組
みとしてガイドラインを業界で共有できるものとして作成し展開することを提言する。
また、石油製品を需要家に確実に供給するためには、個社の取組の実効性を向上させるだけでなく、
連携(系列企業、周辺企業や自治体との連携)の実効性の向上が重要となる。サプライチェーン上の
企業(物流会社、販社、SS等)の取組状況を確認するための調査票を業界で標準化して運用するこ
とでレベルの底上げや各社の負荷低減に寄与すると考える。
必要な取組
課題
訓練ガイドライン
①訓練の前提条件の整合性が取れて
いない。
• 訓練における前提条件(被害想定等)の
レベル感の統一、標準化。
• 被害想定の裏付けとしての大規模災害時の
需給シミュレーション。
②今後の訓練負荷が高くなることが想
定されるため、実効性を高めたうえ
で効率化が必要。
③自社の取り組みが目的達成に近づ
いてきた中で、石油供給のサプライ
チェーン上の各社への効率的な対象
拡大が必要。
• 先進的な事例の共有による効率化
• サプライチェーン上の被評価会社の負荷を
上げすぎないで実効性を確保する対策の
検討。
-
対応能力を評価する共通の調査票等
図 5-1 石油精製・元売各社の課題と必要な支援(案)
さらに、将来的には、系列BCPの取組を資源エネルギー庁が詳細かつ網羅的に審査するのではな
く、各社が自立的に運用・改善および内部評価を行い、合わせて外部の視点として評価するという形
も考えられる。そのためにも、回復目標の達成に向けて必要な連携がどのようなものであるかを明確
にしつつ、その評価の手法を可視化していく段階にあると考える。
また、これらの取組が業界内で連携した改善活動となるように、各社の連携の場を担う石油連盟の
19
役割の具体化を始めとした、業界内の各プレーヤーの役割分担や連携の具体化を進めていくべきであ
ると考える。
以
20
上
別紙
参考
系列BCP格付け評価項目
○系列BCPの評価項目(本社機能)
項
1
評価項目
機能
説明
必要な業務
供給回復目標
被災製油所における平常時の1/2程度の
入出荷機能の確保までの「目標の日数」お
よび目標の日数の達成に向けた取組の具体
性
2
本社機能維持
本社機能確保
本社の重要業務を継続するための計画の実
効性(本社社屋の減災対策、代替本社機能
の確立、訓練による実効性の確認と課題の
抽出等)
3
初動対応機能
安否情報の収集
本社社員、製油所等の従業員の安否確認を
実施するための計画の実効性(安否確認に
関するルールの整備、安否確認手段の確保、
訓練による実効性の確認と課題の抽出等)
4
製油所の入出荷
製油所の被害情報、
製油所の被害情報、在庫情報の収集を実施
機能確保
在庫情報の情報収集
するための計画の実効性(通信手段の確保、
訓練による実効性の確認と課題の抽出等)
5
製油所の周辺インフ
製油所の周辺インフラ(道路、港湾)の情
ラ(道路、港湾)の
報収集を実施するための計画の実効性(通
情報収集
信手段の確保、訓練による実効性の確認と
課題の抽出等)
6
被災した製油所の支
被災した製油所における入出荷業務、復旧
援
業務、二次被害防止業務の支援を実施する
ための計画の実効性(応援体制の整備、訓
練による実効性の確認と課題の抽出等)
7
石油製品の受
受注・配車業務の維
ガソリン供給等の受注に応えてタンクロー
注・配送機能
持
リーの配車する業務を継続するための計画
の実効性(情報システムや業務オペレーシ
ョンの二重化対策の実施、訓練による実効
性の確認と課題の抽出等)
21
8
バックアップ機
増産計画の策定
被災していない製油所において増産を実施
能
するための計画の実効性(実施環境の整備、
増産計画作成に向けた具体的な準備・シミ
ュレーション等の実施等)
9
タンクローリーの確
想定被災圏外からタンクローリーを確保す
保
るための計画の実効性(被災運送会社への
具体的なサポート内容の策定、合同訓練に
よる実効性の確認と課題の抽出等)
10
ドラム缶輸送の確保
ドラム缶及び運送手段を確保し、ドラム缶
輸送を実施するための計画の実効性(協力
会社への具体的なサポート内容の策定、合
同訓練による実効性の確認と課題の抽出
等)
11
石油製品の配船の手
外航船の緊急手配を実施するための計画の
配
実効性(実施環境の整備、外航船の手配に
向けた具体的な準備・シミュレーション等
の実施等)
12
他社又は海外からの
他社又は海外からの石油製品の調達を実施
石油製品の調達
するための計画の実効性(実施環境の整備、
外航船の手配に向けた具体的な準備・シミ
ュレーション等の実施等)
13
系列 SS の販売
営業状況の情報収集
機能の確保
SSの被害状況、石油製品の在庫情報等を
収集するための計画の実効性(通信手段の
確保、SSとの合同訓練による実効性の確
認と課題の抽出等)
14
営業の応援支援
被災地域で営業を継続するSSに対して必
要な支援を実施するための計画の実効性
(応援体制の整備、SSや協力会社との合
同訓練による実効性の確認と課題の抽出
等)
15
復旧支援
損壊した設備の復旧支援を実施するための
計画の実効性(応援体制の整備、SSや協
力会社との合同訓練による実効性の確認と
課題の抽出等)
22
○系列BCPの評価項目(製油所機能)
評価項目
項
16
説明
機能
必要な業務
製油所の入出荷
装置や設備の安全確
機能確保
認を行い、被害情報、 被害情報、在庫情報の収集・本社への報告
製油所内の各装置・設備の安全確認を行い、
在庫情報を収集し、
を実施するための計画の実効性(通信手段
本社等へ報告
の確保、訓練による実効性の確認と課題の
抽出等)
17
製油所の周辺インフ
製油所の周辺インフラ(道路、港湾)の情
ラ(道路、港湾)の
報の収集・本社への報告を実施するための
情報収集
計画の実効性(通信手段の確保、訓練によ
る実効性の確認と課題の抽出等)
18
製油所の早期復旧
被災製油所の早期復旧を実現するための計
画の実効性(本社に対して必要な支援を要
請するための体制の整備、必要な資機材の
確保、訓練による実効性の確認と課題の抽
出等)
23
Fly UP