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「人口変形・縮小社会」の到来(少産・多死型)

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「人口変形・縮小社会」の到来(少産・多死型)
資料1
4/30 第3回
所得確保・保障(雇用・年金)分科会
「人口変形・縮小社会」の到来(少産・多死型)
宮武
剛
出生数と死亡数の推移(中位推計)
万人
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
106
108
143
131
119
94
84
77
153
160
73
70
出生数
2005年
2010年
2015年
2020年
2025年
2030年
死亡数
05 年は国勢調査、その後は 06 年 12 月人口推計(中位)
総人口・生産年齢人口・老年人口(%)
2005年
総人口
①生産年齢人口
(15~64 歳)
2015年
2025年
1億2777万人
1億2543万人
1 億1927万人
8442万人
(66.1)
7681万人
7096万人
(61.2)
(59.5)
2576万人
(20.2)
3378万人
3635万人
(26.9)
(30.5)
2030年
1億1522万人
6740万人
(58.5)
(総人口比・%)
②65 歳以上
(総人口比・%)
①/②
3.3
2.3
2.0
3667万人
(31.8)
1.8
男女とも意欲があれば 20 歳から 60 代後半まで働く社会になると
7303万人
(総人口比・%)
8044万人
(64.1)
②70 歳以上
2417万人
2932万人
(総人口比・%)
(19.3)
(24.6)
3.3
2.5
①生産年齢人口(20~69 歳)
①/②
(61.2)
7039万人
(61.1)
2934万人
(25.5)
2.4
04 年・年金改正の前提・30~34 歳の女子労働力は 58.8%から 2015 年 65%、60
~64 歳の男子労働力率 72%は同 85%へ。高齢者雇用安定法改正で 2013 年度(厚
生年金の基礎年金部分が男 65 歳支給へ完全移行)には 65 歳まで雇用義務付け
(65 歳定年制、定年制を廃止、再雇用による継続雇用のいずれかを選択)
1
大都市圏の急速な高齢化
都道府県別人口の見通し
順
位
2005 年
全国 1 億 2778 万人
①
②
③
④
⑤
東京都
大阪府
神奈川
愛知
埼玉
1258 万人
882 万人
879 万人
726 万人
705 万人
2020 年
1 億 2274 万人
東京都 1310 万人
神奈川 889 万人
大阪府 836 万人
愛知
736 万人
埼玉
692 万人
老年人口(65 歳以上)の見通し【
増
2005 年
加
2035 年
1 億 1068 万人
東京都 1270 万人
神奈川 853 万人
大阪府 738 万人
愛知
699 万人
埼玉
626 万人
】内は 75 歳以上割合
2035 年
全国 2576 万人(高齢化率 20.2%)→3725 万人(33.7%)増加率 1.45 倍
【75 歳以上人口の割合 9・1%】→ 【同 20.2%】
率
順
①
神奈川 149 万人(16.9%)
【75 歳以上人口の割合 6.8%】
→
272 万人(31.9%)増加率 1.83 倍
【17.9%】
②
埼玉
116 万人(16.4%)
【75 歳以上人口の割合 6.3%】
→
212 万人(33.8%)
【19.9%】
1.83 倍
③
沖縄
22 万人(16.1%)
【75 歳以上人口の割合 7.2%】
→
40 万人(27.7%)
【16.3%】
1.82 倍
④
千葉
106 万人(17.6%)
【75 歳以上人口の割合 7.1%】
→
188 万人(34.2%)
【20.3%】
1.77 倍
⑤
東京都 233 万人(18.5%)
【75 歳以上人口の割合 7.9%】
→
390 万人(30.7%)
【16.6%】
1.67 倍
参
考
島根
20 万人(27.1%)
【75 歳以上人口の割合 14.1%】
秋田
31 万人(26.9%)
【75 歳以上人口の割合 12.9%】
→
21 万人(37.3%)増加率 1.05 倍
【24.6%】
→ 32 万人(41.0%)
1.03 倍
【26.8%】
注・四捨五入で万人単位・増加率も万人単位での概数、05 年は国勢調査、
05 年以降は社会保障・人口問題研究所の 07 年 5 月中位推計を基に作成
2
高齢者世帯の所得(05 年・国民生活基礎調査)
高齢者所帯
全世帯
平均所得 296.1 万円(うち公的年金等 206.0 万円) 同 580.4 万円
世帯人員 1 人当り 190.8 万円
(平均世帯人員 1.55 人)
同 203.3 万円
(同 2.85 人)
3
世帯主の年齢が65歳以上の世帯の貯蓄の分布
○世帯主の年齢が65歳以上の世帯(二人以上の世帯)の貯蓄の状況について、平成17(2005)年にお
いて、一世帯平均の貯蓄現在高は、2,484万円となっており、全世帯(1,728万円)の約1.4倍となっている。
○貯蓄現在高階級別の世帯分布をみると、世帯主の年齢が65歳以上の世帯では、4,000万円以上の
貯蓄を有する世帯が19.6%と全体の2割弱を占め、全世帯(10.7%)の2倍近い水準となっている。
しかし、一方で、貯蓄の少ない者の割合は全世帯に比べて低いものの、貯蓄額300万円未満の世帯の
割合は約1割となっている。
4
年金の役割(1)
年金の役割(1)
① 年金は高齢者世帯の収入の7割
仕送り・企業年金・
個人年金・その他の
所得
17.2万円(5.7%)
② 6割の高齢者世帯が年金収入だけで生活
20%未満
公的年金・恩給以外の
社会保障給付金
2.5万円(0.8%)
20~40%未満
6.7%
財産所得
15.7万円
(5.2%)
稼働所得
54.5万円 高齢者世帯
1世帯あたり
(18.0%)
平均所得金額
301.9万円
2.5%
40~60%未満
8.8%
60~80%未満
11.8%
80~100%未満
10.3%
公的年金・恩給
211.9万円
(70.2%)
公的年
金・恩給
が総所得
に占める
割合
全てが公的年金・恩給
59.9%
(資料)平成18年国民生活基礎調査 (厚生労働省)
(資料)平成18年国民生活基礎調査 (厚生労働省)
世帯主 65 歳以上の世帯収入と消費(06 年・家計調査)
勤労世帯
実収入
実支出
税・社会保険料
平均消費性向(可処分所得
に対する消費支出割合)
無職世帯
33.2 万円
29.4 万円
3.8 万円
18.8 万円
22.3 万円
2.2 万円
87.1%
121.2%
5
年金の役割(2)
年金の役割(2)
③ 高齢期の生活設計で年金を頼りにする人は7割
④ 国民の4人に1人が年金を受給
(万人)
私的扶養
その他・わからない
3500
2.3%
受 給 者 数
5.3%
3076
3137
3223
3287
3366
3000
個人年金や貯蓄
公的年金
29.0%
21.7%
高齢期の
生活設計
公的年金中心 +自助努力
2500
2000
1500
41.7%
1000
(資料)年金制度に関する世論調査(平成15年内閣
府)
14年度 15年度 16年度 17年度 18年度
(資料)社会保険事業の概況 (社会保険庁)
6
生活保護・世帯類型別の推移
2004 年度の被保護世帯は約 100 万世帯(142 万人、被保護率
11.1‰)
、そのうち、ほぼ半数を高齢世帯が占める。
総数
高齢者世帯
1995(平成
7)年度
構成割合
2004(平成
16)年度
構成割合
増加率
600,980
100%
997,149
100%
65.9%
46.7%
83.1%
254,292
42.3%
465,680
母子世帯
52,373
8.7%
87,478
8.8%
67.0%
傷病者・障害
者世帯
252,688
42.0%
389,844
35.1%
38.4%
その他
41,627
6.9%
94,148
9.4%
126.1%
2005 年度から高齢者世帯の定義(夫 65 歳以上・妻 60 歳以上か
ら夫妻とも 65 歳以上)が変更され、2004 年度以前との比較、
ちなみに 2006 年度の被保護世帯は約 104 万世帯、148 万人、高
齢者世帯の割合は 43.5%。世帯数・被保護人員は東京 23 区、政
令指定都市、中核市で半数を占める。
7
「隠れた老人の貧困問題」
2003 年にドイツと英国でスタートした年金格差への対策
ドイツの「基礎的保障」制度(Grundsichherung)
失業や低賃金で 65 歳以上の低年金者が増えた。しかし、息子らに一定の収
入があると社会扶助を受けられない。このため息子らの年収が 10 万ユーロ
を超えない場合は社会扶助の対象に加えた。
所得調査は最初の受給時の 1 回にとどめて申請・受給しやす制度にされた
(対象者は若い障害者を含む、その場合も両親らの年収10万ユーロまで)
。
「資産調査は実施しない。
「老後に資産が急に増える例はほとんどないから」
(連邦保健社会省の担当者)
給付は、生活扶助額(各州で定める基準需要額の 115%及び住居需要額、暖
房需要等の合計)を計算し、年金等の収入との差額が給付される。
財源は連邦、州政府、事務は基礎自治体
英国のPension
Credit
著しく貧しい高齢者の救済策として資産調査付きの最低所得保障制度(M
IG・Minimum Income Guarantee、)を創設し、従来の所得扶助より
給付水準を高め、賃金スライド制にした。
しかし、貯蓄奨励策との間で矛盾が生じるため 03 年 10 月から Pension
credit を導入し、65 歳以上の年金生活者を対象に貯蓄高を問わず、収入面
だけで判断して支援する。最低所得保障制度は自動的にMIGで代替され
ることになった。
MIGは単身者で週 102.10 ポンド超の収入があると援助を打ち切られたが、
Pension credit では単身者で週 14.79 ポイド、カップルで週 19.20 ポンド
基準額が上積みされた。
「年金制度の長期的な制度体系のあり方に関する研究」から要約
平成 15 年度、厚生労働科研費対象、主任研究者・宮武剛
以上
8
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