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Taro-第1回秋田市子どもの貧困対策に関する計画策定連絡会 会議録(HP)
平成28年度第1回秋田市子どもの貧困対策に関する計画策定連絡会 1 日時 平成28年10月6日(木)午後2時から午後3時30分 2 場所 秋田市役所 6階 会議録 6-A会議室 3 出席者 (1) 委員(10人) 藤原美佐子委員長、齋藤透副委員長、石山輝夫委員、石山宏央委員、 荻原健一委員、後藤節子委員、澤口勇人委員、髙橋信雄委員、 八柳知之委員、山田友子委員 (2) 事務局 嶋久美子子ども総務課長、ほか関係職員 (3) オブザーバー 佐藤美里(フィデア総合研究所) 4 議事 (1) 秋田市子どもの貧困対策に関する計画の策定について (2) 子どもの貧困対策の状況と本市の取組について (3) 計画の骨子案について (4) その他 5 議事日程 (1) 開会 (2) あいさつ (3) 委員および職員照会 (4) 委員長および副委員長の選出 (5) 議事 (6) 閉会 6 議事要旨 ○委員長 議事(1) 秋田市子どもの貧困対策に関する計画の策定について事務局から説明をお 願いする。 【事務局説明】 ○委員長 事務局から説明のあった議事(1)について、何か質問、意見等あるか。 ○委員 第2回策定連絡会の内容にあるアンケートとは、誰にいつどのような形で行うもの か。秋田県で行っているものとは別のものか。 ○事務局 -1 - 県のものとは別に独自で実施している。アンケート内容に関してはこの後詳しく説 明する。(資料2、資料7) ○委員長 議事(2)子どもの貧困対策の状況と本市の取組について事務局から説明をお願いす る。 【事務局説明】 ○委員長 事務局から説明のあった議事(2)について、何か質問、意見等あるか。 ○委員 アンケート調査の中で、支援者ヒアリングの話しがあったが、どういう方法で行う のか。 ○事務局 子どもの貧困に関しては、今までも庁内で多くの課が携わってきたがそれぞれの連 携をどう取っていくかが問題となっていた。様々な方に現状を聞くと同時に、連携に ついての課題も聞きたいと思っている。実際子どもの貧困に携わっている当事者の方 の状況と特徴・課題、連携についての課題を聞きたいと思っているので、聞き取りの シートを持ちながら、聞き取りという形になると思う。シートにあらかじめ記入して もらう事は考えておらず、先方の職員の方1、2名に対して私ども1、2名が訪問し、 2時間以内でヒアリングを考えている。その際は委員の方に限らず、職場の方からも ヒアリングを行いたい。 ○委員 もっと貧困層に的を絞ってアンケートをしても良かったのではないか。今回のアン ケート調査は3,000人を対象としているが、秋田市全体の意見がバランス良くでてくる のか。 国の調査では6人にひとりが貧困だと言うが、秋田市から無作為抽出された3,000人 のうち500人が貧困ということになる。もしかしたら貧困層の方はもっと少ないかもし れず、せっかくのアンケートなのに、貧困層の意見が数件しかでてこないかもしれな い。 ○委員 たとえば母子家庭にしぼってアンケートを行ってもよかったのではないか。 ○事務局 秋田市の貧困ラインについては全く掴めていないのが今の状況なので、秋田市の子 育て世帯全体を通して、どのような結果が出るかというのをまず見たかった。 国の調査の数値では16.3%の貧困率となっているが、各自治体に割り振るとサンプ ル数が少なくなるので、その率を各自治体にあてはめることはできないと言われてい る。秋田市の貧困率を正確に出すとなるとかなりの費用と労力が必要となるので、貧 困層の特定は難しい。 ○委員長 事務局からは、アンケート調査による貧困率の正確性について回答するのではでは なく、貧困層に統括してアンケートを行わず、秋田市全体の調査を行おうとした意味 -2 - について教えてもらいたい。 ○事務局 貧困層に限定すると、その中での特徴しか見えてこない。今の秋田市の子育て世帯 の全体像や特徴がどのようなものなのかを見て、その中で、貧困層やひとり親家庭と そうでない子育て世帯の比較をするために、子育て世帯全体を対象とした。 ○委員 アンケートのサンプルの取り方に無理がある。無作為抽出では、所得層に偏りが生 じることもあり得る。場合によっては貧困層がほとんどいないこともある。 ○オブザーバー アンケートの集計作業の途中ではあるが、調査結果を見ると、家庭によっては実際 に就労収入は少ないが財産があったり他の人からの仕送りがあったりして生活に困っ ていないと回答する方や、逆に、充分に収入があっても多子世帯のため生活に困って いると回答する方がいて、世帯の収入から所得層を絞り込んだ調査を行うより、無作 為抽出でアンケートを行うことにも一定の効果があると思われる。 ○委員 そうなると貧困の定義が変わってくるのではないか。 ○事務局 貧困世帯ということで調査対象を抽出することは難しいと思う。 ○委員 定義を決めないとあいまいなままになる。 ○事務局 秋田市全体の子育て世帯の状況をとらえたかったので、所得では対象を絞らなかっ た。 また、アンケートのサンプル数(3,000人)は統計上問題はない。 ひとり親世帯については秋田県でアンケート調査済みで、秋田市分のデータをもら っているので、今後、秋田市のアンケート結果の比較対象とする。 ○委員 貧困に特化したアンケート調査を行ったケースが今までないとすれば、今回のアン ケート調査は秋田市の貧困の状態など全体像が見えるという意味では必要な調査なの かなと思う。そのうえで、さらに貧困層に絞った調査も必要になるのかもしれない。 ○委員長 この計画において貧困の定義とは何か。 ○委員 国では収入が122万円を貧困のラインとしているようだが、秋田市はそれとは違う数 字でいくのか、ひとり親世帯を貧困とするのか。 ○委員長 どこを貧困と定義づけてどう支援していくかが明確でないと計画がたてられない。 たとえば収入に絞るのであればお金について話しが出てくるだろうし、生活様式にも 目を向けて、収入はあるが多子のため生活に困っている世帯も貧困だとするならば、 いったいどこを貧困とするのか、指標のようなものがあるのか、秋田市ではどう考え ているのか。 -3 - ○事務局 収入をもとにして貧困率を定めるとすれば別の調査をしなくてはならないと考える。 よって収入によって貧困とするか否かという考え方をする予定はない。 資料3の6『施策展開の考え方』の中に、考え方として、『生まれ育った家庭の経済 状況などにより養育環境に格差が生じたり』、という文言があるが、この格差というと ころが指標のひとつになるかと思う。就学の機会や就労の選択肢が左右される、願っ たとおりにいかない、ということも貧困といえるのではないかと思う。貧困は数字で 出るようなものではとらえにくいと考えている。 今の時点では、アンケート調査結果をもとにして、秋田市では収入だけではないと ころで貧困をとらえ、定義までもっていけるかはわからないが、計画を立てたいと考 えている。 ○委員 では、国のいう貧困とは何か。わかりやすく教えてほしい。 ○事務局 国でも特に貧困について定義はしていない。資料4の『子どもの貧困対策の推進に 関する法律』第7条に『子どもの貧困の状況』という文言があるが、『子供の貧困対策 に関する大綱』の第3『子供の貧困に対する指標』で、いろいろな指標を定めており、 進学率や就職率などあるが、このパーセントを超えているか否かで貧困の度合いをは かることがひとつとしてある。本市でも子どもの貧困の定義については一言で言える ものではないので、市独自の指標を定めることができれば、本市の貧困というものが 像として見えてくるかと思う。 ○委員 国では相対的貧困率をあげているが、秋田市ではどういう定義付けにしていくかを 含めて検討していくということでよいか。 ○事務局 定義と目的など、これから検討していく。 ○委員 アンケート調査の結果をどうするのか、今の時点ではまったく見えにくく、具体性 に欠けている。 ○オブザーバー 国でいう貧困率はあくまで指標のひとつであり、大綱の中でも相対的貧困について は挙げられておらず、たとえばひとり親家庭や困窮の原因がどこにあるかというのが 大綱の中の指標にも定められているので、貧困率にあてはまったから必ずしも貧困に なるという定義付けにはならないと思っている。 ○委員長 私たち委員は秋田市側の考え方を聞き、秋田市には委員の問題意識が伝わったと思 うので、この場で、アンケート調査の結果を見ずに定義について決めたり議論するの は、建設的ではないと思う。補足するが、アンケートを書けない家庭のほうが本当は 対応しなくてはならないと感じており、そこをどう拾っていくかがとても難しい。 ○事務局 我々もアンケートを書けない家庭の対応も必要と感じている。これまでは子どもの -4 - 貧困に特化した施策は特段なく、すべての子どもに光をあてていたが、アンケート調 査をすることによって、声をあげていない人のための施策を計画の中に盛り込んでい きたい。それを年ごとに検証していくことによってもっとよりよい施策展開になって いくと考えている。 ○委員 現場で感じているのは、貧困のために将来が開花されず閉ざされるケースもあると いうことだ。アンケート問6(5)に部活動やスポ少を除く、とあるが、自分は大事な部 分と考えている※。どこからどこまでを貧困ととらえるのかは、感覚的な部分もある のかもしれない。悩ましいところである。 (※問29⑤に部活動やスポ少に関する設問あり) ○委員 現在、就学援助家庭の、主に中3生に無料学習支援を行っている。中には、ひとり 親家庭で生活が苦しいが費用を工面して家庭教師もつけている親もいる。収入が低い からといって皆が勉強させてもらえないわけではない。子ども側も自分の家庭が貧困 であることを表に出そうとはしないので、子どもの様子だけで貧困かどうかの判断が つかないこともあると思う。 また、相対的貧困率について、秋田市では就学援助家庭が6人にひとりであり、そ れは貧困層といってもよいと思うが、国の相対的貧困率の6人にひとりと同じかとい えばそうではなく、国の基準値をつかって貧困率を出そうとしても秋田県は東京都と は収入のレベルが違うだろうし、割合も変わってくると考える。 ○委員長 次回の連絡会は、貧困の定義、というか、どの層にあてた計画を立てるのかについ て、アンケート調査の結果をみて、ある程度意見を伝えたほうがよいのではないか。 ○委員 秋田県ではすでに計画が作成され分析も行われている。秋田市でも国県と同じくら いの実態をつかんで、それと比べて秋田市はどの位置(貧困ライン)にあるのか、デ ータを出してもらったうえで、秋田市の貧困についての意見を出したい。 ○事務局 データについては現在調査中である。数字だけではない隠れた支援すべき事柄につ いても調査をしたいので、この場でさまざまな意見をのべてもらいたい。 ○委員 秋田市の数値を見たうえで議論していきたいので、全体像を把握するほうが先だと 思う。 ○委員長 次回の連絡会の際には、秋田県が調査したアンケートに係る秋田市の貧困に関する データを提示してもらえるということでよいか。 ○事務局 了承した。 ○委員長 子どもの貧困について定義付けは難しいので、必ずしもしなければならないことで はないとは思うが、どのような方を対象とするかは、計画を立てる以上必要だと思う -5 - ので、データを見ながら次回の会議で議論したいと思う。 ○委員長 議事(3)計画の骨子案について事務局から説明をお願いする。 【事務局説明】 ○委員長 4(2)の、『現に経済的に困窮状態にある』というところに関して具体的に数字を 挙げているか。 ○事務局 今のところ具体的な数字を挙げることは考えていない。 ○委員 7『計画の体系および推進体系について』の取組のうち、小・中学校、市、地域と の連携体制の整備、とあるが、実際は0歳~18歳までの計画となれば、高校や幼稚園、 保育園も入ってこないと連携にはならない。 また、施策3の子どもの学習支援による学習向上とは具体的にどのようなことをイ メージしているのか。 ○事務局 学習支援については、現在、主に中3生をメインとした学習塾を行っているが、そ ういった支援をイメージしている。 ○委員 経済的困窮者が無料の学習塾に行けるというのは逆差別にはならないか。本来は誰 にでも無料で行うべきではないか。 ○委員長 それならば、収入制限のある政策がすべて差別になってしまう。 ○委員 中3生にかかわらず全員が学習塾に行けないと本来の趣旨とは合わないのではない か。 ○事務局 無料の学習塾は全学年が受講できるが主に中3生が多い。この施策自体、そもそも 生活保護事業の流れから始まったものなので、経済的な縛りは強くなってしまってい るのかもしれない。 ○委員 学力については学校がやっているはずだが、そことどうリンクしていくのか。学校 とどう関連していくのか。無料の学習塾については、よかれと思ってやった施策が、 『差別だ』と思われてしまう可能性もあるのかと危惧したので、意見として述べたと ころだ。 ○委員長 問題意識と言えば、子ども食堂について話しを聞かせてほしい。 ○委員 子ども食堂をひらくと、そこに来るのが貧しい子どもだ、というレッテルが貼られ てしまい、なかなか集まらないということはある。 -6 - ○委員 ひとり親の就労相談をしていると、十分な教育を受けている親はほとんど来ない。 また、収入が少ない世帯の多くが子どもを授業料の高い高校に通わせている傾向に あるようだ。子どもの学力支援はもっと力を入れてやってもよいと思う。放っておく と貧困家庭がお金のかかる高校に通うという貧困の連鎖が続いていくと感じている。 ○委員長 議事(4)その他について、次回は、県の計画にあるように、秋田市のデータを出し てもらうということと、アンケートの結果をみて、計画の対象者について、市の骨子 案に出ている対象者でよいのかというところで議論していきたいと思う。 ○委員 資料にあるアンケートはすべて親目線のものなので、所得が低い子どもが貧困なの だとすれば、所得の低い世帯の子どもたちが実際に今の環境をどう感じているかとい う、子ども目線の意見や、こんな支援があったらどう思うか、など知りたい。 ○事務局 先ほど、ヒアリングを行うという話しをしたが、当事者の子どもから意見をまだ聞 いていないので、やり方に気をつけながら、ぜひ子どもの意見も聞きたいと思ってい る。 ○委員長 方法はアンケートではなく面談によるのか。 ○事務局 子どもからのヒアリングを考えている。 ○委員 人権問題にならないか。 ○委員長 就学援助家庭にアンケートをとったほうがよいのではないか。 ○事務局 就学援助家庭のアンケートも視野に入れたが、就学援助家庭がすべて貧困家庭なの か、という反論がくる懸念があり断念した。 また、子どものヒアリングについて、アンケート用紙を記入しながらとなると、親 御さんに聞きながらとなると思われるので、子どもだけの意見は聞き取りにくいと思 われるため、まずは中高生や大学の年代の方からのヒアリングからはじめたいと思っ ている。やり方としては差別意識をもたれないよう配慮したい。 ○委員長 ほかに意見等あるか。なければ、これをもって議事を終了する。 -7 -