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結晶糸立微細化による高温変形特性の向上

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結晶糸立微細化による高温変形特性の向上
(千葉大学学位申請論文)
マグネシウム合金AZ 91板材の
結晶粒微細化による高温変形特性の向上
2008年1E
千葉大学大学院自然科学研究科
人工システム科学専攻
論文題目:マグネシウム合金AZ91板材の結晶粒微細化
による高温変形特性の向上
論 文 要 旨
各種金属の中でマグネシウム合金は軽量で比強度も大きく、実用的に有効な合金で
はあるが、最大の欠点は、結晶構造が最密六方格子であるために粒内すべりでのすべ
り系が限定されて脆く、塑性加工しにくいところにある。その改善策として、再結晶
プロセスでの結晶粒の微細化が考慮されており、これにより特に高温での加工性の大
幅な向上と実用的利用範囲の拡大が期待できる。
本論文では、Mg合金の組成をAZ91(Al9%、 Zn1%添加)に限定し、かつ将来的
に利用範囲の拡大が期待できる成形性に富んだ板材の開発を第1のポイントとした。
その板材製造プロセスを確立するために、通電加熱方式による恒温圧延機を新たに試
作することから出発した。その後、この試作機をMg合金AZ91に適用して種々の加
工度および焼なまし温度を組み合わせるプロセスと再結晶処理により、その再結晶挙
動を解明することを第2の目的とした。次に、再結晶段階で微細粒組織が得られた板
を対象として湿斐およびひずみ速度を変えて引張試験を行い、高温変形特性の向上を
検討した。すなわち、圧延方向と同一方向に引張試験片を採取し、引張破断後の全伸
びおよびひずみ速度感受性指数m値などを求めて評価することにより高温変形挙動を
検討することが第3の目的である。また、Mg合金の板材に著しく現れるとされる面
内異方性を調べることが第4の目的である。
以上4つの目的を基に実験的に検討した結果、最終的に試作恒温圧延機を用いて面
内異方性が少なく、m値もO.5以上となって超塑性も示す成形性に富んだ板材の製造
プロセスが確立できた。その基本は粒界拡散が律速した変形様式となるので・特性の
向上は結晶粒の微細化および集合組織制御に集約されることが解明できた・
目 次
第1章序論 …・……・…・…一一・・……・……
P・8
1.1研究の背景 …・………・……・……一・…一一・ 2
1.1.1マグネシウム合金の種類と用途 ………………一一一・…・…… 2
1.1.2従来の研究 一………一・一一一一 3
1.2 研究の目的 ……・…………一・…・……・… 5
1.3 論文の構成 ・………・…一一…一一…・……… 6
参考文献 一一一…一一一一………一…………… 7
第2章 恒温圧延機の試作および再結晶挙動の解明 一一一・・一一… 9・22
2.1緒言 一…一一・一・一…一…
P0
2.2 実験方法 …一………一・……一一 11
2.2.1恒温圧延機の試作 ……・・…………・・…一一一…・… 11
2.2.2 恒温圧延 ……’………t−……”……… 15
2.2.3硬さ測定および組織観察 一一一……一一一一一一 15
2.3実験結果および考察 一一一一一・一・一一…− 17
2.3.190%圧延材の硬さと組織 一一一一一一一一…・一一一一一 17
2.3.2 再結晶挙動の解明 ・一一一一………一一一一一一17
2.4結言 一・一一・…一・一一…一一一一…一…e・・一一一・…
@22
参考文献 ……”…’……”“’……’…… 22
第3章 恒温圧延板の高温変形挙動 ・・一一一・一・一一一……一… 23−36
3.1緒言 ・……一…………・・……・・一一…
Q4
3.2実験方法 ・一一一…・…一・一一一・…・・…・……… 25
3.2.1試験片 一一一一…一…一・…一…一一i25
3.2.2 高温引張試験 ・一一一一……一…一一一・・25
i
3.3 実験結果および考察 ………一・………・・……・一一一…
27
3.3.1 高温引張試験による二次加工の可能性 …一…・一…一……・…
Q7
3.3.2 高温引張特性 ・…………・………一・一………
Q7
3.3.3粒界すべりに伴う高温変形挙動の解明 ………一一一…・・……
Q8
3.4結言 一………一一………………一・…
R6
参考文献 ……・…・……一・一・・一…………
R6
第4章 再結晶停滞域での高温変形挙動
4.1緒言 … 昌・一… 一・・一・一・・・・・・・・・・・・・… 37・48
………一一一・・一一一…・一・…………
38
4.2 実験方法 ……・……・……・………・…・
R9
4.2.1試験片 ・・…・・…………・・………一…・
R9
4.2.2 高温引張試験 ………………”……………
R9
4.3 実験結果および考察 ・・……・・………・・・……・……
S0
4.3.1 高温引張特性 …一・一一一一…一・……・・……・……
S0
4.3.2高温変形に伴う組織の変化 ……………………・…・…一・一一
S0
4.3.3粒界すべりに伴う高温変形挙動の解明 …………・・…・…・・
S1
4.4結言 ……一…一………’”…一’一一’”…
S8
参考文献 ………………’一”…………’
S8
第5章 恒温圧延板の高温変形における面内異方性 …一一……一・一一・・49・72
5.1緒 言
5.2 実験方法
5.2.1 試験片
5.2.2 高温引張試験
5.3実験結果および考察
5.3.1 高温引張特性
5.3.2 高温変形に伴う組織の変化
5.3.3集合組織の影響
h
5555556603336624
5.4結 言
“骨卿・…
参考文献
@一・・一・一一舳一一一一一一一・・腎・一一・響一 72
72
第6章 恒温圧延機によるクロス圧延の適用および
クロス圧延板の高温変形挙動 …一一……・一・一・一・・一一一・・73・g6
6.1緒言 一・一一・一・一・・……・……………
V4
6.2 実験方法 …・……………・……一一一…一・・−75
6.2.1試験片 …・・一・…一…・一一一・一一一一75
6.2.2 高温引張試験 一・一・一一…一・・一…・一・…一… 75
6.3実験結果および考察 …一……一一・一一一一一一一 77
6.3.1 高温引張特性 一一・一一一一一一一一一・………一一 77
6.3.2粒界すべりに伴う高温変形挙動の解明 一………・……・・曽85
(1)活性化エネルギー ……一……一…………一一…−85
(2)集合組織 ………・……・・…・・…・…一…・86
6.4結言 一一一一・一…一一・・………−
X6
参考文献 …・……・・…・…一・・一一…一…・… 96
第7章再結晶処理させない90%恒温圧延板の高温変形挙動
7.1緒言 …一・・一・一…・…一一一・一一一一一一
97−121
X8
7.2 実験方法 一一一…・一一一一・…一…一… 99
7.3 実験結果および考察 一………一……・……一・・一一 103
7.3.1 高温引張特性 …・……一…一・一一一一一一…・103
7.3.2 粒界すべりに伴う高温変形挙動の解明 一………一……・一一111
(1)活性化エネルギー 一…一一一一・一・……一一一 111
(2)集合組織 …・一・…・一一一一一一…一…一一一…… 112
7.4結言 ………一一一一一一一…一一・一…
P20
参考文献 ・…………・一・・・・……一……… 121
iii
’
第8章 総 括
一 一 一 一 ■ 一 騨 ■ 一 脚 椰 騨 層 響 “ ■ ■ ■ 一 ■ ■ ■ ■ ■ 畳 ■ 幽 一 昌 幽 幽 一 一
8.1 研究の成果
・・・・…
8.2 今後の課題と展望
・・…
講
@一・・曽・・一一・一一・・一・・・・・・・… 一・・ 123
@一… 凹・一一一一・一一・… 一・・… 一一一・・一一 126
・一一・』一・一一一一一一“・・一・・一・層・・・・・…
著者の学術研究業績
・…
iv
122−126
@ 127
@一・一一・… 一・曽… 一・幽一・一齪一・一一・一・− 128
ロ冊
1
第1章 序論
1.1研究の背景
1.1.1マグネシウム合金の種類と用途
各種金属の中で純マグネシウムの比重はリチウムに次いで1.74と小さく、したがっ
てその合金も一般には比重が小さいために比強度、比剛性に優れ、プラスチックなど
と比較して振動吸収性、電磁波シールド性なども優れている。また、地球環境的にリ
サイクル性などの面でも有効であり、資源量も豊かな金属であることから将来的な利
用拡大増加に注目1)’2)されている合金である。最近では、高強度Mg合金板材は家電機
器、情報機器、特にデジタルカメラ、PDA、ノートパソコン、携帯電話、 MDなどの
筐体への適用例も報告3)‘6)されており、更なる利用が期待されている。例えば、高強度
Mg合金パイプは車椅子、担架などの医療福祉関連機器や自転車、ラケットなどレジャ
ースポーツ関連、さらには自動車関連の構造用材料としてその利用が幅広く期待され
ている。しかしながら、現在までのところMg合金が使用されている製品のほとんど
はダイカストやチクソキャストなどの鋳造Vl 7)’9)により製造されているのが現状で、今
後、生産性向上のため鍛造、圧延、押出しなどの塑性加工法の適用が強く望まれると
ころである。
一般に、Mg合金の中でもAlを3%、 Znを1%添加したAZ 31系は比較的塑1生加工
しやすく、また成形性や溶接性にも優れており、圧延板材、管、棒、形材などの展伸
材として最も多く使用されている。しかし、Alを6%添加したAZ61系ではAZ31系
に比べ延性が劣ることから、展伸材の範疇に入るものの押出し丸棒材などが鍛造用素
材として多く用いられている。さらにA1量が多い9%含有するAZ91系ともなると板
材にほとんど加工できず、更に板材の2次加工(成形)ともなるとほとんど実用例も
なく、鋳造合金として幅広く使用されているのが現状である。
2
1.1.2 従来の研究
軽量で比強度も大きく実用的に有効と考えられるMg合金の最大の欠点は、結晶構
造が最密六方格子であるために粒内すべりでのすべり系が限定されて脆い、すなわち
難加工材の部類に入り、塑性加工しにくいところにある。特にAlを9%添加したAZ91
合金はその傾向が顕著で、常温では全く塑性加工ができない1①と言っても過言ではな
い。そのため、現在では主に鋳造法で部材を創製しているのが実状であることは前項
で述べた通りである。したがって、Mg合金の研究開発にあたっては、この脆さの改善
に全ての焦点が絞られている11)幽12)。
これまで上記脆さの改善策として、種々の合金元素の添加が行われ、その成果が数
多く報告13)’16)されてきた。しかし、最近ではMg合金に限らず、前述したリサイクル
性を考慮した時、添加元素に依存するのではなく素材そのものの機械的特性の向上を
組織制御の改if 17)’20)から目指そうという動きがある。例えば、組織制御として一般に
よく用いられる方法は、再結晶プロセスでの結晶粒の微細化である。
再結晶法では、再結晶温度以下で大きな加工を与えることが大前提となるが、六方
晶系のMg合金ではこの加工がほとんど不可能である。何故なら、その強加工そのも
のが極めて困難であり、素材が製造できないためである。最近、バルク材においては、
代表的な強ひずみ加工法として等断面傾斜押出し法(Equal Cha皿nel AngUlar
EXtrusion, E CAE)などが開発されている21)が、板材に関しては適用できない。この
ように、延性に乏しく塑1生加コ牲が悪いMg合金ではあるが、その機械的性質は結晶
粒径に大きく依存し、結晶粒を微細化することで超塑性の発現も予想され、これによ
り特に高温での加工牲の大幅な向上と実用的利用範囲の拡大が期待できる22)。超塑性
発現ともなると難加工性材料から脱却できるため、Mg合金の超塑性化は重要な研究開
発分野の一つと考えられる。
ここで、超塑性に関する一般的な定義について述べることにする。金属材料を引張
変形させると、通常延性の高い材料でも数10%ないし100%以下のひずみでネッキン
グを生じて破断に至る。しかし、特定な組織を有する金属に対して特定の変形条件下
ではネッキングを生じることなく、数百から数千%にも及ぶ巨大伸びが観察される・
この現象を超塑性と称している。超塑性に関する最初の報告は1934年Pe arson23)によ
るもので、Pb・Sn、 Bi’Sn共晶合金で1950%もの伸びを得たことを示している。そし
て、近年では新しい超塑陸材料や超塑hrE加工技術の開発、あるいは超塑性変形機構の
3
研究などが盛んに行われている。
超塑性は金属材料のみならず、微細な等軸粒組織を有する多結晶材料に現れる一種
の高温変形様式であると考えられ、材料の内的因子である組織、特に結晶粒径と、外
的因子である温度とひずみ速度との間にある釣合いが保たれている変形状態で発現す
る。結晶粒が等軸微細であることが超塑性の発現する一つの要因である。特に、共析
あるいは共晶合金のような化学組成の異なる二相が混在する組織を持つ合金において
超塑性が多く見出されているのは、単相合金よりも微細粒を得ることが容易であり、
かつTm/2(Tmは絶対温度での融点)以上の温度においても粒成長が起こりにくいた
めでもある2al。したがって、数μ皿程度の安定な等軸微細粒組織と変形温度およびひ
ずみ速度が適切に組み合わされば、一定の化学組成に限定することなく、すべての材
料に超塑性が発現する可能性がある。
超塑性変形のレオロジー的な特徴は高いひずみ速度感受性である。一般に、超塑性
変形は式(1)で表されている25)。
σ=KEm (1)
ここで、σは流動応力、Eはひずみ速度、 Kは定数である。なお、指数のIn値はひ
ずみ速度感受性指数と呼ばれ、引張試験における材料のネッキング抵抗の目安となり、
m値が0.3以上かつ200%程度の大きな伸びを示した場合を一般に超塑性状態と見な
している24)。さらに大きな伸びを得るためにはm>0.5が必要である。
従来、超塑性を得るためには変形前に微細な等軸粒であることが必要とされていた。
ところが、高温変形前に未再結晶粒を含む加工組織の2024、8090系アルミニウム合
金26)やβ型チタン合金の粗大組織27)でも超塑性の発現が報告されている、これらは変
形中に動的再結晶、あるいは動的回復が生じ結晶粒が微細化するためであると考えら
れている。したがって、加工組織材料や粗大結晶粒材料から出発した超塑性挙動が体
系的に検討され、超塑1生を発現させるための最適な加工方法や加工条件が決定された
ならば、超塑性は現在よりも広範囲に渡って応用が期待できる。
現在、前述したECAE法を用い、低温押出し中に生じる動的再結晶によって超微細
化されたAZ91の超塑性化が注目os)されている。しかし、この方法ではあくまで押出
しであるため、薄い板材などを得ることは困難である。
4
1.2研究の目的
本研究では、Mg合金の対象を従来塑性加工は困難とされ、鋳造法により適用されて
いたAZ91に限定し、かつ超塑性を適用することで将来的に利用範囲の拡大が期待で
きる成形性に富んだ板材の開発を第1のポイントとした。その板材製造プロセスを確
立するために、通電加熱方式による恒温圧延機を新たに試作することから出発した。
その後、この試作機をMg合金AZ91に適用して種々の加工度および焼なまし温度を
組み合わせるプロセスと再結晶処理により、その再結晶挙動を解明することを第2の
目的とした。次に、再結晶段階で微細粒組織が得られた板材を対象として温度および
ひずみ速度を変えて引張試験を行い、高温変形特性の向上を検討した。すなわち、圧
延方向と同一方向に引張試験片を採取し、引張破断後の全伸びおよびひずみ速度感受
性指数m値などを求めて評価することにより、高温変形挙動または超塑性発現の有無
を検討することが第3の目的である。また、Mg合金の板材は面内異方性が著しく現
われ、一般に引張延性が高くても絞り性などが著しく劣ることも報告29)されている。
そこで、本研究で開発したプロセスで創製した板材の面内異方性を調べるため、圧延
方向と直角方向に引張試験を試みた。したがって第4の目的は、そのときの全伸びお
よびm値を求め、圧延方向と同一方向の引張試験で得られたこれらの値と比較検討し
て面内異方性の大小を解明することである。
5
1.3 論文の構成
本論文は、8章から構成される。以下に各章の概要を述べる。
はじめに、第1章において、本研究の背景と目的および従来の研究の概観と本研究
の位置付け、および本論文の構成と概要を記述している。
次に、第2章においては恒温圧延機の試作および再結晶挙動の解明を目的として再
結晶プロセスでの結晶粒の微細化を図っている。また第3章では試作した恒温圧延機
による圧延板から圧延方向と同一方向に引張試験片を採取し、再結晶終了させた試料
について高温引張試験を行い、その特性を明らかにしている。
第4章では再結晶途中の軟化停滞域で焼なました試料の高温引張特性を評価し、自
己粒界拡散に要する活性化エネルギーで大きな変形能を有することを示し、更に第5
章ではこれら圧延板の面内異方性を力学的に評価してAZ91合金板は著しくなること
を明らかにしている。その異方性は集合組織の形成にあることも解明している。
そこで、第6章では面内異方性を低減高温変形に供した方が変形抵抗は小さく、延
性が大きくなることからより実用的になることを明らかにしている。そして最後に第7
章では、恒温圧延後再結晶処理させない圧延されたままの板材でも延性の向上および
異方性の低減が見込めることも明らかにしている。
最終第8章では最初に掲げた4っの研究目的を実験的に検討した結果、最終的に試
イ乍恒温圧延機を用いることによって、面内異方性が少なく、皿値も0.5以上を有する
超塑性が発現する成形性に富んだ板材の製造プロセスを確立させている。その基本は、
100%粒界拡散が変形を律速するような機構に近づけることにあり、その手法は結晶粒
の微細化および集合組織制御にあると総括している。また、本研究に関連した将来展
望についても述べている。
6
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7
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8
9
第2章 恒温圧延機の試作および
再結晶挙動の解明
前章で述べた通り、Mg合金は、実用金属材料中軽量でかつ比強度に優れているが、
結晶構造が最密六方格子であるため加コ牲に劣る。Mg−Al合金の中でもとりわけA正
を9%含むAZ91(Al9%、 Zn1%添加)ではその傾向が顕著で、常温では全く塑性加工
ができない1)と言っても過言ではない。そのため、現在では主に鋳造法で部材を創製
しているのが実状である。しかし、最近ではMg合金に限らず、新素材そのものの機
械的特性の向上を組織制御の改善2)’5)から目指そうという動きがある。
例えば、組織制御として一般によく用いられる方法は、再結晶プロセスでの結晶粒
の微細化である。再結晶法では、再結晶温度以下で大きな加工を与えることが大前提
となるが、六方晶系のMg合金ではこの加工がほとんど不可能である。このように、
延性に乏しく塑性加工性が悪いMg合金ではあるが、その機械的性質は結晶粒径に大
きく依存し、結晶粒を微細化することで超塑性の発現も予想され、これにより特に高
温での加工性の大幅な向上と実用的利用範囲の拡大が期待できる6)。
そこで、本章では、Mg合金の対象を従来塑性加工は困難とされ、鋳造法により適用
されていたAZ91に限定し、かつ超塑性を適用することで将来的に利用範囲の拡大が
期待できる成形性に富んだ板材の開発を目的として、まずはその板材製造プロセスを
確立するために、通電加熱方式による恒温圧延機を試作することから出発した。その
後、この試作機をMg合金AZ91に適用して種々の加工度および焼なまし温度を組み
合わせるプロセスと再結晶処理により、その再結晶挙動を解明した。
10
2.2 実験方法
2.2.1恒温圧延機の試作
恒温圧延機を設計・製作するにあたり、まずはFig.2.1に示すような上下それぞれ
のロール内に各4本の絶縁材でシースされた加熱ヒータを組み込んだ。電気の供給は、
ロールー端でのスリップ・リングを用いることにより可能とした。ロール材は熱聞金
型用SKD61製で、JIS HS75の熱処理が施されている。また、加熱ヒv−・一タは直径16mm
で、1本当たりの電気の最大出力は1.25kWであった。熱によるジャーナル部の焼付
きおよびハウジングの精度の狂いを保護するため、上下ロール両端のチャック部は水
冷方式とした。Table 2.1は、試作した恒温圧延機の性能をまとめたものである。また、
恒温圧延機の外観をFig. 2.2に示す。
恒温圧延機の設計・製作にあたっての基本的仕様を以下に要約する。
(1)圧延中に試料の温度が低下しないように、圧延ロール中に加熱ヒータを組み込む。
(2)圧延速度は実験室的に8.Om/min。
(3)最大圧延荷重は196kN、ロール温度を最大673Kまで加熱可能。
(4)圧延荷重が圧延中i皿situで計測できる。
ここで、試作した恒温圧延機の有効性を調べるために、軽量・難加工材として知ら
れるAl・2.6%Li(皿ass%)合金を対象に、本圧延機を用いた恒温圧延、および圧延中に
試料の温度が徐々・に低下する通常の熱間圧延に適用した結呆を比較してFig.2.3に示
す7)。なお、初期板厚は10mmで、通常の熱間圧延では圧下率が45%でクラックが発
生して圧延が不可能になるのに対して、恒温圧延では圧延荷重は増加せず、80%付近
でも健全材が得られており、試作した恒温圧延機が有効であることが確認できた。
11
RoIl
φ16
Heating coi1
φ127
Heating coil
200
Heating coil ×4
Length unit in mm
Fig.2.1 Roll for isotherma1 ro]ling.
12
Table 2.1
Specifications of isothermal rolling.
Roll diameter
127mm
Maximum load
Maximum temperature on rol surface
196kN
673K
Width of unifbrm temperature on roll sur飴ce
100mm
Keeping temperature of roll chocks and stand
303K
Fig. 2.2 An apparatus of isothermal rolling.
13
Cracks occu r
600
飢Σ≧σ」房8a=o≡$Σ
500
iS・thermalrrlliA9ト
400
R。11ing reducti。n:1・%1嘩・1−
IAi−2.6%Li al1・y】
300
0 20 40 60
Total reduction, Re 1%
Fig.2.3 Changes of mean roll pressure7)・
80
2.2.2 恒温圧延
前項で示した試作圧延機により、難加工材とされている市販のMg−Al系鋳造合金
AZ91を対象とし、恒温圧延の可能性をまず検討した。その化学組成をTable 22に示
す。供試材の作製手順は、まず厚さ10m皿、幅15m皿、長さ70mmの圧延ビレット
を放電ワイヤカットなどにより切り出した。さらに、Fig.2.4(a)に示すように圧延ロ
ールへのかみ込みが容易になるように先付けを行い、圧延に供した。次に、圧延前に
あらかじめロール温度を573Kまで加熱しておき、一方圧延ビレットは別の電気炉中
にて573Kで300s保持した後、1パス当たり0.5mmの圧下量で、圧下率90%、最終
板厚1mmまで圧延した。
以上のような工程で90%圧延を施すと、Fig. 2.4(b)のように圧延による多少の耳割
れが多少発生するが、圧延は可能であった。
2.2.3硬さ測定および組織観察
圧延した材料の評価は、まず硬さ試験に供した。硬さ測定は、圧延面をエメリー紙
およびパフで鏡面に研磨した後、マイクロビッカース硬さ計(荷重1.96N、荷重保持
時間10s)を用いて5個の測定値の平均値をとり、その材料の平均ビッカース硬さと
して表示した。
次に、組織観察は、30%CH3COOH(酢酸)水溶液によるエッチングの後光学顕微
鏡により観察し、線引き法にて結晶粒の平均粒径を算出した。線引き法では、対象と
なる試料断面に何本かの直線を引き、この直線が横切った結晶粒の数を求める。そし
て、引いた直線の全長を横切った結晶粒の数で割った平均値を算出し、平均結晶粒径
とした。
Table 2.2
Mg Al
Ela 1.9.O
Chemical composition ofAZ91(mass%).
Zn
08
Mn
Si
Ou
O.1 0.1 0.05
15
Fe
O.05
⇒Ro川r唱Di re ction
(a)befbre rolhng(specimen) .、。i
〆ear cracks
(b)so hot rolled fbr 90%rolhng reduction in area
黙惣驚
Fig.2.4
Appearance of AZ91 before isothermal ro−ng(a)
and after roling(b).
16
2.3 実験結果および考察
2.3.1 90%圧延材の硬さと組織
圧延供試材の外見は、前項のFig.2.4に示した通り、試作した加熱ヒ・・一一タを組み込
んだ恒温圧延機である程度の耳割れは発生するが、難加工材と言われているAZ91板
材として一次素材が製作できる見通しがっいた。そこで本項では、その一次素材を高
温に加熱して二次加工を行うことを想定しての基本的な焼なましによる再結晶挙動を
検討した。
その第一段階として、90%圧延材を498Kから698Kまでの各温度で、1h焼なまし
た試料にっいて硬さ測定した結果をFig.2.5に示す。なお、図中の口印は圧延前の鋳
造材の硬さで、90%圧延によりHV50からKVgOまで鋳造領域から熱問圧延領域への
変化とともに硬さ値が上昇している。この試料は、523K付近(図中のRS)から焼な
まし温度の上昇とともに硬さは著しく減少しており、648K(図中のRF)で軟化はほ
ぼ終了している。
2.3.2 再結晶挙動の解明
熱間圧延による著しい硬化は、150μm以上に粗大化している鋳造組織の破壊と、
動的再結晶により結晶粒の微細化が大きく影響しているものと予想される。また、
523Kから648K近傍にかけての急激な軟化は、静的再結晶による結晶粒の成長による
もので、その意味で本論文では523Kを再結晶開始温度(RS)、648Kをその終了温度
(RF)と定めた。 Fig.2.6はRF温度での結晶粒が相当成長した組織ではあるが、そ
れでも線引き法で平均粒径を算出すると20μm程度であり、RS・RF間の温度域にお
いては超塑性の発現も期待できる一次素材が製作できたものと考える。なお、Fig.2・7
は圧延前の鋳造材の組織を示したもので、図中には網目状に灰色で示される粒界に主
に析出物が数多く見られる。この析出物は、X線による構造解析の結果、非常に硬く
て脆いγ相(Al12Mgi7)と呼ばれる金属化合物である。したがって、鋳造のままでは
この脆い相が連続して析出しており、加ヱ性が劣ることは一目瞭然である。また、両
図を比較すると、圧延前の結晶粒の大きさが150μmをはるかに超えていたのに対し、
再結晶終了後は約20μmと著しく微細となっている。
17
一方、Fig.2.5において、焼なまし温度598Kから623K付近(図中のRM)で軟化
が一時的に停止する停滞域が見られる。これは分散強化型合金によく見られる現象で、
母地の回復が析出したγ相に妨げられたためであろう。よって停滞域での組織は、未
結晶粒、再結晶粒およびγ相の混在相となる。温度が上昇し再び再結晶が進行すると、
未結晶粒の再結晶が始まると同時に停滞域で生じた再結晶粒は粗大化の傾向を示す。
したがって、全体的に非常に不均一な組織となって形成される。
18
120
110
>100
0 90%rolling→annealed for l hr
口 before rolling(as cast)
工
90
80
70
60
50
RS RM RF
(523K)(603K)(648K)
40
250300350400450500550600650700750
Annealling temperature, T l K
Fig.2.5 Effects of isothermal rolling at 498K for casted AZ91
and annealing tempeτatures on Vickers−hardness.
19
Fig.2.6 0ptical microstructure of AZ91 90%role d at elevate d
temperature of 573K and then recrystallize d at 648K
for 1 hr.
20
.羅一一一一Dark area:
γ・phase
(A112Mg17
Fig.2.7 0ptical microstructure of AZ91 as cast.
21
2.4結 言
圧延ロール内部に加熱ヒータを組み込んだ恒温圧延機を設計・製作し、難リロ工性の
鋳造材AZ91に適用した結果、以下の結論を得た。
(1)難加工材とされているAZ91鋳造材でも、試作恒温圧延機を用いればロール温度
573Kで圧下率90%までの圧延は可能で、最終板厚1mmの素材の製作に成功した。
(2)その素材は鋳造材のHV50から圧延後のHV90程度まで硬化する。
(3)その硬化は鋳造組織の破壊と結晶粒微細化によるものであり、圧延後の焼なましに
より軟化する。
(4)その焼なましによる軟化は、523K付近から顕著に現われるが、この温度をこの加
工材の再結晶開始温度(RS)とし、648K付近でほぼ軟化が終了する振渡を再結晶
終了温度(RF)と定めた。また、焼なまし温度603K付近で軟化が一時的に停止す
る停滞域が見られ、この時の温度をRMと定めた。
次章以降において、RS・RF間の温度域において二次加工の可能性を検討する。
参考文献
1)Handbook of Advanced Magnesium Te chnology:(2000),241−245.
2)G. Nussb au皿, P. S ainfor, G. Re gazzoni a nd H. Gj estland:ScL Meta11.,23(1989),
1079・1084.
3)D.Lahaie,」. D. Embuiy, M. M. Chadwich and G. T. Gray:Scr. Meta】1・,27(1992),
139・142.
4)M. Mabuehi and K Higashi:Acta Mater.,44(1996),4611・4618・
5)J.AChap man and D. V. Wllson:」. Inst, Met.,91(1962・1963),39廿40・
6)KKubota, M. Mabuchi and K. Higashi;」. Mater. Sei.,34(1999),2255’2262・
7)M.Horihata and YTbrisaka:6th Int. Co㎡on Processi皿g and F&brication of
Advance d Materials, Vbl.1, IOM Comm㎜nications Ltd., London,(1997),83・
22
第3章 恒温圧延板の高温変形挙動
従来、難加工材であったAZ91合金を試作した熱問恒温圧延機により最終板厚1mm
まで圧延した一次素材が製作できた。この恒温圧延板は、523K(RS)から648K(RF)
付近での焼なましにより再結晶し、結晶粒の成長なども起こることが前章の結果で明
らかとなった。
そこで本章では、ほぼ再結晶が終了するであろう648Kで焼なました試料を対象と
し、RS・RF間の温度域において温度およびひずみ速度を変えて高温引張試験を行い、
高温引張特性を評価した。すなわち、圧延方向と同一方向に引張試験片を採取し、再
結晶終了温度648K(RF)で焼なました試料(以下、 RFO材)を用いて高温引張試験
を行い、引張破断後の全伸びおよびひずみ速度感受性指数m値などを求めて評価する
ことにより、高温変形挙動または超塑性発現の有無を検討した。
24
3.2 実験方法
3.2.1試験片
前項2.2.2で示した圧延工程を経て90%圧延板を製作した後、圧延方向と同一方
向にFig.3.1に示す形状の引張試験片を放電ワイヤカットで採取した。その試験片を
何本かまとめて再結晶終了温度(RF)の648K×1hrで大気中にて焼なまし処理を施
し、引張試験片とした。
3.2.2 高温引張試験
高温引張試験は、島津製作所製引張試験機SERVO PULSER EHF−EA5T(最大容
量5ton)を用いて、1.0×10’4s’1、2.5×10’4s‘1、1.0×10’3s’1、2.5×10’3s’1および1.0
×10’2s’1の初期ひずみ速度(ξ in)で行った。試験温度は573K、598K、623Kおよび
648Kとし、真空中で試験を行った。なお、昇温速度は20Klminで、試験温度に達し
た後には約10min保持した後に引張試験を開始した。
引張変形中の試験片のチャック方法は、2本のピンにより固定し、さらに破断後の
全伸びの評価を行う場合でもケガキ線などのマーカーは隷肋ロ熱による耐化と、延性
が大なる場合には消滅する可能性があるため、標点間距離位置に突起が存在する複雑
な形状に加工してある。なお、標点部は幅3.8mm、標点間距離20m皿とすべて一定
にした。
引張試験前後の組織観察は、2%ナイタル(HNO 3:2mi, C2且sOH:98ml)による
エッチングの後、光学顕微鏡により観察した。
25
73a 498
Length unit in mm (t=1)
Fig.3.1 Speci皿en dimensions fbr tensile tests・
26
3.3 実験結果および考察
3.3.1 高温引張試験による二次加工の可能性
後述の第6章、第7章において言及しているが、高温引張試験時の公称応力σ一公
称ひずみε線図によると、全体的に高ひずみ速度ほど変形抵抗は増加し、破断までの
伸びは低下する傾向にある。しかしながら、従来脆性的と言われていたAZ91材でも、
恒温圧延によって板に加工でき、その板を素材としてもE in≦1.0×103s−1以下ならば、
150%以上の破断伸びが得られており、十分に二次塑性釦工できる素材が開発できたと
考える。
3.3.2 高温引張特性
Fig.32は、 RFO材を試験温度およびひずみ速度を変えて、破断まで引張った後の
試験片の破断伸び(L)をまとめて示したものである。各試験温度とも、ひずみ速度の
増加に伴って全伸びは小さくなる傾向が見られる。また、試験温渡623K以上、ひず
み速度1.0×10−2s’i以下の領域で全伸びは100%以上を示し、最大伸びは623K、2.5×
10’4s’iの時、 Fig.3.3に示すように約170%に達した。ここで、 Fig.3.2の623Kおよ
び648Kの高温での破断伸びは、ひずみ速度の増加とともに単調に減少しているので
はなく、2.5×10・4s・i付近で極大値を示していることである。一般に、超塑性を発現す
る材料では、破断伸びが最大となる最適ひずみ速度域が存在すると報告1)されている,
最近のアルミニウム合金などを対象とした研究では、その最適ひずみ速度を実用的な
高ひずみ速度域にするために超微細化した結晶粒にする方法も試みられ、数1000%も
の大きな破断伸びも得られている1)−2)が、本論文で供試したMg合金のAZ91ではその
ような報告は存在しない。したがって、Fig.3.3で得られた破断伸びの最大値は170%
程度で超塑性発現の基準といわれている300%をかなり下回っているが、結晶構造が
最密六方格子であるMg’Al合金、とりわけAZ91では比較的大きな値が得られている・
Fig.3.4は、試験温度とひずみ速度を変えて破断まで引張った後のピーク流動応力
(σ)をまとめて示したものである。このピーク流動応力は、引張試験で得られた最
大荷重を標点部の幅(3.8mm)で割って算出した値である。図より最大のひずみ速度
感受性指数m値はFig. 3.2で示した最大伸びとよく対応しており、試験温度573Kを
27
除きひずみ速度1.0×10’4s’iから2.5×10・4s・1の間で約O.5を超えていることがわかる。
一般に、皿値はBackofenのひずみ速度急変法3)で求められる。しかしこの方法では、
ひずみ速度を急変させた場合、
(1)その前後における組織変化
(2)ひずみ速度を上げるのか、下げるのか
(3)何倍に急変させるのか
(4)どのひずみ量で急変させるのか
などの問題が多い。したがって本研究では、Backofenのひずみ速度急変法を用いるの
ではなく、m値を求める場合Fig.3.4に示したように種々のひずみ速度で同じ組織を
有する種々の材料を引張り、得られたピーク流動応力(σ)の勾配を皿値とした。な
お、AZ91の常温における全伸びと引張強さは、ひずみ速度1.0×10君s』1付近において
それぞれ6%、255.8MPaであった。
Fig. 3.5に、Fig. 3.3で示した各場所における破断後の光学顕微鏡組織を示す。図中、
灰色で示される析出物は、前項2.3.2で述べたγ相(Al12Mg17)で、黒色部分はキ
ャビティである。これより、破断部分に近くなるほど数多くキャビティが生じること
がわかる。また、結晶粒径も暫時大きくなり、破断部では30μmである。
3.3.3粒界すべりに伴う高温変形挙動の解明
一一般に、高温クリープ変形の熱活性化過程におけるひずみ速度Eは、変形に要する活
性化エネルギーをeとすると、式(3.1)で与えられる。
E・=A・f(σ)・exp(一@R7) (3.1)
ここで、Aは材料定数、 Rはガス定数、 Tは引張温度である。ここで両辺の対数をと
り、σを一定とすれば、式(3.1)は、
inEニConst.−eWRT (32)
となる。いま、Fig.3.4からσを30MPa 一定とし、式(32)を使ってlnE ・・一一 1/Tなる関
係を図示すればFig. 3.6が得られ、その直線の勾配からeの値が求められる。そして
その値を求めると、124kJ・mol’1が得られる。なお、σを30MPa一定としたのは・
Fig. 3.4でそれぞれの温度におけるピーク流動応カーひずみ速度曲線において・最大皿
値の得られているピーク流動応力をσに用いたためである。
28
Table 3.1に示すように、 Mgの自己粒内拡散に要する活性化エネルギーの値は
135kJ・mor1、自己粒界拡散に要する活性化エネルギーの値は67kJ・1nor 1であること
が知られている4)。本実験の高温引張試験で得られた活性化エネルギーの値、124kJ・
mo1−1は、 Mgの自己粒内拡散に要する活性化エネルギーの値にほぼ等しい。したがっ
て、完全に再結晶されたRFO材の高温変形挙動は、 Mgの自己粒内拡散に律速された
ものと考えられる。
Fig.3.7は、 Fig.3.3で示したつかみ部(E)の透過型電子顕微鏡(Transmission
Electlon Microscopy、以下TEMと略記)による組織を示したものである。結晶粒の
界面は丸みを帯びているのではなく、ギザギザ状となっていることがわかる。RFO材
の高温変形挙動が、Mgの自己粒界拡散ではなく自己粒内拡散に律速されたということ
は、前述の通りである。この原因が、粒界形状の異常によるものなのか、あるいは再
結晶終了後の結晶粒そのものが前章のFig. 2.6で示したように20μmと大き過ぎたこ
とによるものか、本実験の範囲内では明らかではない。ただ、組織に大きく起因する
ことは確かである。今後、組織をさらに改良し、高温変形挙動がMgの自己粒界拡散
型になるようにすることが急務であると思われる。
Table 3ユSelf d避usion energies of Mg fbr volume diffusion
and fbr grain boundary(hffusio】:.
Activation e nergy(kJ・Inor1)
Material
Vblume di任Usion
Grain b oundaエy di任usion
Mg in Mg
135
67
29
300
250
コご£。50⊆⊇2£o←
oo
@ 50 00
50
0
−4
10
10−3
Strain rate,ξ1S−1
Fig.3,2
Relation between strain rate and
total elongation in RFO material.
30
一2
10
(a)befbre tensile test
A
(b)after failure
Fig.3.3 Specimens before tensile test(a)and after faiure(b).
31
」
・.嚢評 ・畠一’・∴ノ悉…、∵ジf’1∫・∴
・、, .’} 1! .τ一.、,ゴ,_.噸’嶋 ;
・ジ・一:・…∼・1∵喉・』∴b、,ぜ姫プ:・
・∵』 ・ρ 鼠イ・ダ髄・・ ‘1 ∴,1 ゴ
ポts @.二・’噛㍗触;・・P∵.竃凸1” ・・ツ・ノ..亀
一 。 丸 」 ・
・ ワ こ し . ヴ L
ノ −’ ・− .「− ’ . i “, び ’ ゆレ ・トノレ, 1−ロ e
》’』¶葱
チ∫}孔ニビ’杷鮒ニピノ
∫ドー・」7ミ、ぞ・。.:…ぐ二層:冗rピ郭為
娼… …・・∵・♪9’∴∴∴}、∵’}°
一∵∴至・冷葱レ・撹二殉rギ’
ぜ j’ − ロのf ら
,’;
@ ,.・∼亀『 一・・売∼∵トー一一→
≦・ ・1‘∴、1ジ‘∴ 100μm
b)on position ofA
a)on position of E
■
コ
t’・: ムの ノ
kP.:ノノ}・い字ぐ’毎へ払100μm
Vt 一鞠
、ゼ械り翻
d)on position of C
c)on position of B
Fig.3.50ptical micr・structures after failure at testing temperature・f 623K
on several positions in Fig.3.3.
33
一6
醐
1
「⊥
11
11
11
r
1
1
、口
1
−=
3
一7
H
uIの、如≦2応」⊆苛おの
1
1
r
P
’H
:…Q
H
11
」−
M
H
同、
rr
「
一8
1
」
1
=
’
1
日「
U旧
口
一9
田
口r
1
1
H
1
rr
H
│
f』
1
1
1
1
洲
1
r[
1
一10
1
1
1.5 1.6 1.7 1 .8
Reciprocal of absolute temperature,11T
(×103K−1)
Fig.3.6 Activation energy required for
high telnperature defbrmation.
34
岬
凋 ㌣渉
「 解二
饗燃
讐 二
糠
ア∴》
い
ペ、㌻..
鴬副“蔑,.汚鵡鳶
譜‘蜜.蜜ピ
唖
、
ρ
戦
払
糧
㌦ド嵐
、段
讐
廠盛醐
厚冨嘱
』』皿
風.,
∴》\
惣
・喜ゼ
か
瓢、
灘㌔
与盛典
一一1P畠炉 「}trrf−rnE
Fig. 3.7 Microstructure of AZ91(RF)90%rolle d and recrys−
tallized completely by transmission electron microscopy.
35
3.4結 言
圧延方向と同一方向に引張試験片を採取し、再結晶終了温度648Kで焼なました試
料(RF材)を用いて、温度およびひずみ速度を変えて高温引張試験を行い、高温引張
特性を評価した結果、以下の結論を得た,
(1)全伸びは、試験温渡623K以上、ひずみ速度1.0×10’2s−1以下の領域で100%以上
を示し、最大伸びは623K、2.5×1()’4s’1の時、約170%に達した。
(2)m値は、試験温度573Kを除き、ひずみ速度1.0×10−4s’1から2.5×10’4s’iの間で約
0.5以上を示した。
(3)再結晶終了温度648Kで引張って得られた素材の高温変形に要する活性化エネル
ギーの値は124kJ・mol’iで、この値は自己粒内拡散に要する活性化エネルギーにほ
ぼ等しい。
(4)粒界すべりに伴う高温変形挙動は、Mgの自己粒内拡散に律速される。
参考文献
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2)T. Mohn, M. Mabuchi, N. Saito and M. Nakamuエa:Mater. Sci. Eng. Ser. A, A257
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4)P.G. Shewmon:J. Met.,8(1956),918.
36
37
第4章 再結晶停滞域での高温変形挙動
前章で述べた完全に静的再結晶された組織、RFO材では、 Fig. 3.7に示すようにTEM
写真では結晶粒の界面は丸みを帯びているのではなく、ギザギザ状、すなわち粒界す
べりによる超塑性が発現しにくい組織となっている。このような界面形状が全伸びを
抑制する方向に働いたことは容易に想像できる。したがって、このセレーション状と
なるのを防ぎ、界面形状をよりスムーズにすれば、さらに全伸びの向上が期待できる
と考えられる。
そこで本章では、界面形状をスムーズにするには再結晶を途中で中断することが有
効ではないかと考え、その後の実験を進めた。すなわち、再結晶途中の軟化停滞域で
の温度603K(RM)で焼なました試料(以下、 RMO材)を用いて温度およびひずみ
速度を変えて高温引張試験を行い、引張破断後の全伸びおよびひずみ速度感受陸指数
m値などを求めて評価することにより、高温変形挙動または超塑性発現の有無を検討
した。
38
4.2 実験方法
4.2.1試験片
第2章の2.2.2で示した圧延工程を経て90%圧延板を製作した後、圧延方向と同
一方向に前章のFig.3.1に示す形状の引張試験片を放電ワイヤカットで採取した。そ
の試験片を何本かまとめて再結晶途中での温度(RM)の603K×1hrで大気中にて焼
なまし処理を施し、引張試験片とした。
4.2.2 高温引張試験
高温引張試験は、1.0×10’4s’1、2.5×10’4s’i、1.0×10“3s−1、2.5×10’3s’1および1.0×
10−2s’1の5種類の初期ひずみ速度で、試験温度を573K、598K、623Kおよび648K
の4種類とし、真空中で試験を行った。なお、昇温速度は20K!mi皿で、試験温度に達
した後には約10min保持した後に引張試験を開始した。
引張試験前後の組織観察は、2%ナイタル(HNO3:2ml, C2H50且:98mユ)による
エッチングの後、光学顕微鏡により観察した。
39
4.3 実験結果および考察・
4.3.1 高温引張特性
RMO材の引張試験直前、すなわち603K×1hrで焼なまし後のTEMによる組織を
Fig. 4.1に示す。前章の3.3.3で述べたRFO材のTEM組織Fig. 3.7に比べ、界面
形状はセレーション状ではなく、比較的スムーズになっていることがわかる。
Fig.42は、 RMO材を温度およびひずみ速度を変えて、破断まで引張った後の試験
片の破断伸び(L)をまとめて示したものである。各試験温度とも、ひずみ速度の増加
に伴って全伸びは小さくなる傾向が見られるが、前章のFig.3.2での結果に比べてそ
の傾向は非常に緩やかである。また、試験温度573Kの高ひずみ速度域を除き、本実
験の範囲内のあらゆる試験温度およびひずみ速度領域で、全伸びは約110%以上を示し
ている。そして、最大伸びはFig. 4.3に示すように約270%に達した。
Fig.4.4は、試験温度とひずみ速度を変えて破断まで引張った後のピーク流動応力
(σ)をまとめて示したものである。図より、最大のm値はFig、4.2で示した最大伸
びとよく対応しており、ひずみ速度1.O x 10−4s−1から2.5×10’4s“1の間で約O.5を示し
ていることがわかる。また、RMO材では、前章のFig.3.4で示したRFO材とは異な
り、m値0.3前後の領域がひずみ速度1.0×10’2s’1付近まで続いているe
4.3.2 高温変形に伴う組織の変化
Fig, 4.5に、Fig. 4.3で示した各場所における破断後の光学顕微鏡組織を示す。図中、
灰色部分の集合体は未結晶組織内に生じた再結晶微粒子を、所々の灰色で示される析
出物はγ相(A11ゴMg17)を、また黒色部分はキャビティをそれぞれ示している。 Fig・
4.5(a)の上部灰色部分では、ほとんど再結晶微粒子の集合体であるのに対し、下部では
再結晶微粒子が互いに食い合い、十数μm程度の再結晶粒になっていることがわかる。
なお、Fig. 4.1のTEM写真はこの再結晶粒を示したものであり、また熱処理後のRFO
材ではこのような再結晶微粒子は全く見られなかった。
これより、破断部分に近くなるほどキャビティは生じやすくなる。しかし、最大伸
びの得られた試料において、破断部分の組織写真をモノクロ2階調表示しキャビティ
の面積率を求めると、RFO材の破断部分では20.80%であったのに対し、 RMO材では
40
11.82%と、その数はそれほど多くはない。また、結晶粒径も変形量に対し全く粗大化
することなく、つかみ部の粒径とほとんど同じで15μmを保ったままである。
4.3.3粒界すべりに伴う高温変形挙動の解明
ここで、前章3.3.3と同様に、RMO材の高温変形に要する活性化エネルギー9を、
ピーク流動応力σを一定としたときに成立する次式を用いて求めることにする。
lnε=Const.一(≡}「1∼コr7
(4)
ここで、Eはひずみ速度、 Rはガス定数、 Tは引張強度である。いま、 Fig. 4.4から
σを20MPa一定とし、それぞれの温度においてその応力に対するひずみ速度を求め、
式(4)を使ってlnE−1/Tなる関係を再プロットすればFig. 4.6が得られ、その直線の勾
配から9の値が求められる。そしてその値を求めると、70kJ・皿ol’1が得られる。なお、
σを20MPa 一定としたのは、 Fig.4.4でそれぞれの温度におけるピーク流動応カーひ
ずみ速度曲線において、最大m値の得られているピーク流動応力をσに用いたためで
ある。
前章のTable 3.1で示したように、 Mgの自己粒内拡散に要する活性化エネルギーの
値は135kJ・mor 1、自己粒界拡散に要する活性化エネルギーの値は67 kJ・血ol’iであ
ることが知られている1)。本実験の高温引張試験で得られたRMO材の活性化エネルギ
ー一
フ値、70kJ・mol’ iはMgの自己粒界拡散に要する活性化エネルギーの値にほぼ等し
い。したがって、再結晶途中での温度6031(で引張ったRMO材の高温変形挙動は、
Mgの自己粒界拡散に律速されたものと考えられる。すなわち、 RMO材の高温変形挙
動は、結晶粒内の問題に起因するものではなく、拡散を伴った形状不変のままの結晶
粒が著しい粒界すべりや粒界移動に大きく左右されたものと思われる。
41
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42
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failure(b)at te mperature of 573K and with strain・rate
of 1.0×10’4s°1.
44
一
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10
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10
10
一4
10
一3
10
一2
10
Strain rate, ε1s−1
Fig.4.4 L,nσvs. lnS curves in RMO material obtained by
tensile testing perfbrmed at temperatures indicated.
45
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Fig.4.5
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testing temperature of 573K on several positions in Fig.4.3.
46
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Reciprocai of absolute temperature,11T
(×103K−t)
Fig.4.6
Activation energy re quired for high temperature
deformation in RMO and RFO material.
47
4.4 結 言
圧延方向と同一方向に引張試験片を採取し、再結晶途中の軟化停滞域での温度603K
で焼なました試料(RMO材)を用いて、温度およびひずみ速度を変えて高温引張試験
を行い、高温引張特性を評価した結果、以下の結論を得た。
(1)ひずみ速度の増加に伴って全伸びは小さくなる傾向が見られるが、それは非常に
緩やかなものであった。
(2)全伸びは、試験温度573Kの高ひずみ速度域を除き、本実験の範囲内のあらゆる試
験温度およびひずみ速度領域で約110%以上を示し、最大伸びは約270%に達した。
(3)m値は、ひずみ速度1.0×10−4s・1から2.5×10’4s・iの間で約0.5を示した。また、皿
値0.3前後の領域が1.0×10“2s’i付近まで続いた。
(4)RMO材の高温変形に要する活性化エネルギーは70 kJ ’ mol’iで、この値はMgの自
己粒界拡散に要する活性化エネルギーにほぼ等しい。
(5)RMO材の高温変形挙動は、 Mgの自己粒界拡散に律速される。
参考文献
1)P.G. Shewエnon:J. Met.,8(1956),918.
48
第5章 恒温圧延板の高温変形における
面内異方性
第4章で示した様に再結晶途中の軟化停滞域での温度603Kで焼なました試料(RMO
材)を用いた高温変形挙動の解明では、Fig.4.2においても示したように、試験温度
573Kの高ひずみ速度域を除き、実験の範囲内のあらゆる試験温度およびひずみ速度領
域で、約110%以上の全伸びが得られ、最大伸びは約270%以上に達して延性の向上が
図られていた。また完全に再結晶されたRFO材と比べても、 m値は大きく向上し、全
伸び値も増加することがわかった。
一般的に、高温引張試験の評価では押出し材、圧延材にかかわらず、試験片の採取
の容易性から加工方向に引張るのが通例である。例えば、Fig.42の場合、圧延方向と
引張り方向の関係を金属組織的に図示すればFig.5.1のように組織的には異方1生を有
す。すなわち同図の光学顕微鏡組織は、RMO材における引張り開始直前の圧延面での
組織を示したものであるが、ここで大きな問題が生じる。すなわち、AZ91材を圧延方
向と同方向ではなく、Fig. 5.2に示すように直角方向に引張る(以下、 RM90材)と、
Fig. 4.2で示したRMO材と同様の結果が得られるか、という疑間である。ここでその
特性に異方性が現れればバルジ、絞りなどの板成形においては成形限界が低下する可
能性があるからである。
そこで本章では、再結晶途中の軟化停滞域での温度603Kで焼なました試料を、 Fig・
5.2で示したように圧延方向および直角方向に種々の温度およびひずみ速度で高温引
張試験を行い、面内異方性を検討することにした。この場合、全伸びおよびひずみ速
度感受性指数皿値を求め、圧延方向、および直角方向の引張試験で得られたこれらの
値と比較することにより、Mg合金板材に著しく現れるとされる面内異方性について検
討した。
50
RMO:Optical observation surface
(Ro閥ing surface)
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Rolling direction
Tensile direGtion
[RMO]
Fig.5.1
Rolling and tensile directions before te nsile test of RMO
materialS.
51
r
Rolling surface
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婿’1海感毒讐∴
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Tensile direction
Rolling direction
RM90:0ptical observation. surface
[RM90]
Fig.5.2 Rolling and ’te nsil6 directions before tensile test of RM90
materialS.
52
5.2 実験方法
5. 2. 1 試験片
本実験で行った恒温圧延により圧延方向と直角方向に試験片を採取する方法をFig.
5.3の右側に示す。前章までと同様な圧延工程を経て90%圧延板を製作した後、圧延
方向と直角方向に引張試験片を採取し、その試験片を何本かをまとめて再結晶途中で
の温度の603K×1hエの条件で大気中にて焼なまし処理を施し、引張試験片とした。な
お、従来の圧延方向と同一方向に切り出したRMO材の試験片採取方法も、 Fig. 5.3の
左側に合わせて示す。
圧延前(a)、および90%圧延後(b)の圧延板をFig.5.4に示す。同写真から圧延方向と
直角方向にも引張試験片を採取できる可能性が確認できた。
5.2.2 高温引張試験
高温引張試験は、1.0×10’4s’i、2.5×10’4s’1、1.exlO’3s’1、2.5×103s’iおよび1.0×10‘2s−1
の5種類の初期ひずみ速度で、試験温度を573K、598K、623Kおよび648Kの4種
類とし、真空中で試験を行った。なお、昇温速度は20K/rninで、試験温度に達した後
には約10min保持した後に引張試験を開始した。
引張試験前後の組織観察は、2%ナイタル(HNO3:2m1、 C2HsOH : 98ml)による
エッチングの後、光学顕微鏡により観察し、第2章2.2.3で述べた線引き法にて結
晶粒の大きさを求めた。
53
↑
Cutting
Terlsile
Cutting
Cutting
direction
Cutting
Conventional
Present
’
speClmen
Tensile
d irecti on
[RM90}
Cutting
Cutting
speClmen
■
[RMO]
1・UT
200
φ16
Heating coiI
φ127
Hea七ng ooil
ひIN
Present ■speClmen
Conventional
speClmen
40
80
Length unit ln mm
Fig.5.3
Roll for isothermal rolling and relation between
rolling and tens且e directlon.
54
⇒RoIling Di re ctio n
(a)befbre
9(specimen)
義
Fig.5.4Appearance of RM90 befbre isothermal rolhng(a)
and after rolhng(b).
55
5.3 実験結果および考察
5.3.1 高温引張特性
Fig.5.5は、90%恒温圧延した圧延材の圧延方向と直角方向から採取したRM90材
を試験温度とひずみ速度を変えて破断まで引張った時のピーク流動応力(σ)をまと
めて示したものである。前章のFig.4.4で示したRMO材では648Kでは最大のm値
はひずみ速度1.Ox10’4s’1から2.5×10’4s’1の間で約O.5を示しているが、 RM90材では
この値が1.0×10’3s’1付近まで続いている。したがって、このようなm値の傾向から推
察すると、RMO材に比し、 RM90材の方がより大きな全伸びを示すことが予想される。
ここで、RM90材を破断まで引張った後の試験片の破断伸び(L)をまとめて示した
ものをFig.5.6に示すa RMgo材においても、各試験温度ともにひずみ速度の増加に
伴って、全伸びは小さくなる傾向がみられる。しかし、RMO材に比べ、その値は上記
予想に反し、著しく小さく、最大でもFig.5.7に示すように約100%である。この傾向
を分かり易くするために、試験温度をx軸に、全伸びをy軸にとってプロットし直す
と、RMgo材ではFig.5.8が、 RMo材ではFig.5.9が得られる。 RMo材に比較して
RM90材の全伸びの減少は全ての温度領域で顕著に現れていることが分かる。すなわ
ち、圧延方向だけの引張特性では板成形では成形限界の大小は判定できず、このよう
な異方性は成形限界が一一般的に大きく低下する。なお、図中RSは再結晶開始温度を、
RFは再結晶終了温度を、またRMは圧延後の熱処理温度をそれぞれ示す。
ところで、RMO材およびRM90材ともに最大伸びの得られる最適試験温度は、ひず
み速度1.0×10・4s’1の場合を除いて、全て5981(一定で、この温度の両側の領域では全
伸びは低下している。一般に、超塑性条件ではクリープとは異なり、試験温度が低過
ぎても、また高過ぎても伸びるというものではなく、最大伸びの得られる最適試験温
度が存在する。すなわち、全伸びの大小を別にすると、RM90材もRMO材同様に超
塑性的な挙動を示しているといえる。
56
RM90
Tensed at right angles t・r・1[ing directi・
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10■3
一2
10
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Fig.5.5 Lnσvs. lnE curves in RM90 material obtained by
tensile testing perf()rmed at right angles to rolling
direction at indicated temperatures.
57
300
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一一}一’− P−一} u一一 P−』「“i−1−「一
一一一一・一一
−2
・−3
−4
10
10
10
Strain rate,ξ1s−1
Fig.5.6 Relation between strain・rate and total elongation
in RM90 material tensed at right angles to rolillg
direction.
58
Fig.5.7
Specimens(RM90)before tensie
test (a) and after
failure (b) at te mperature of
573K and with
strain・rate of 1.0×10’4s°1.
59
500
300
525
550
I I l l I l l
600
625
650
L ミ ヒ 4 L ト
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Fig.5.8
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Fig.5.9
Relation between tensile temperature and
total elongation in RMO materia1.
61
650
5.3.2 高温変形に伴う組織の変化
破断後の板面光学顕微鏡組織をFig.5.10に、Fig. 5.7で示した各場所について示す。
観察位置は、Fig. 5.2で示したように圧延面とは直交している。したがって、 Fig. 5.10
における引張方向は紙面に垂直方向となる。図中、灰色部分の線状の集合体は未再結
晶組織内に生じた再結晶微粒子を、所々の灰色で示される析出物はγ相(AliゴiMgi7)
を、また黒色部分は変形中に生じたキャビティをそれぞれ示している。
Fig. 5.2で示した圧延表面におけるある形状を有する再結晶微粒子の集合体と、Fig.
5.10(a)で示した線状の再結晶微粒子の集合体を比較すると、この集合体はある形状を
有するプレー一・・・…ト状であることがわかる。そして、プレートとプレートの問では再結晶
微粒子が互いに食い合い、10数】ym程度の再結晶粒になっている。また、キャビティ
は再結晶粒内ではなく、このプレート内で生じている。Fig. 5.7で示した変形途中のB
点における組織写真をモノクロ2階調表示し、キャビティの面積率を求めると、RMO
材では7.1%であったのに対し、RM90材では35.4%とその数と面積率は非常に大きい。
また、線引き法による破断後の結晶粒径もRMO材では変形量に対し、全く粗大化する
ことなく、つかみ部の粒径とほとんど同じで、15P皿を保ったままであったのに対し、
RM90材では約25pmと粗大化している。すなわち、変形抵抗では差は無く、 m値は
むしろRM90材の方が大きいにも関わらず、伸び値が小さくなるのはキャビティの数
と面積が大きいために早く破断して延性が小さくなるものと考える。
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testing temperature of 573K on several positions in Fig.5.7.
63
5.3.3 集合組織の影響
RM90材とRMO材における前項に示した全伸びの大きな差は、一般にはMg合金
の結晶構造が最密六方格子故に生じる集合組織による異方性も、全伸びに大きく影響
を及ぼした可能性も考えられる。そこで、573K、90%圧延材と603K×1hr焼なまし材
(RMO材)のX線極点図解析(XPFA)をSchulzの反射法を用いて行うことにした。
回折角2θを(0002)のそれに合わせ固定した後、この状態で圧延された直後のAZ91
材を、圧延面(圧延方向がRD)の幅方向(TD)であるA軸および圧延面の法線方向
(ND)であるB軸の周りにそれぞれ回転させながらND面における(0002)面からの
回折X線強度を計測した。なお、RD面およびTD面での測定は試験片の厚みがあま
りにも小さかったため、不可能であった。
Fig. 5.11はAz91材の90%圧延板のND面におけるポーラーネットと呼ばれる極点
図を示す。図はA軸の回転角aをα=0∼90°、またB軸の回転角BをB=O∼360°とし、
前者を半径方向、後者を円周方向の座標として、得られた回折強度をプロットしたも
のである。この結果、(0002)面からの回折強度の等高線図が得られる。ここで、図中
心におけるα=90°は入・反射X線を含む面と試料面が垂直な状態で、通常の回折と同
じである。図より、等高線はほぼ同心円上に単調に盛り上がった山形になっており、
その頂点は図中心(ND方向)から圧延方向(RD方向)におよそ5°程度ずれている
ことがわかる。
これに対し、Fig。5.11と全く同じ条件で圧延前のRMO材の極点図を測定すると、
Fig. 5.12が得られた。等高線は同心円上からは少し外れているが、 Fig. 5.11に比べ山
形が鋭く、極の分布の頂点はちょうど図の中心にあることがわかる。これは、RMO材
の再結晶後の六方晶底面が、圧延面に対し、多少の分布を持ちながらもほぼ平行に配
向している傾向が強いことを示している。また、RD方向とTD方向での極の分布状態
には、そんなに差異はみられない。なお、Fig.5.11およびFig,5.12において、 a=40
∼90°のみが示されているのは、α=0∼40°において回折X線が全く認められなかった
ためである。
ところで、Fig.5.12では、α=7e∼90°およびB=120∼240°の間で、等高線の山が削
り取られたような状態がみられる。すなわち、この部分では、(0002)面からの回折X
線は皆無であり、六方晶底面の圧延面に対する平行な配向は全く無かったことを示し
ている。先に述べたように、光学顕微鏡観察の結果、引張り前のRMO材では、再結晶
64
組織、未再結晶組織およびわずかのY相しか存在しなかったことから、この部分は未
再結晶組織内に生じた再結晶微粒子の集合体であると思われる。
次に、RM90材の高温変形に要する活1生化エネルギ・一一Qを求めるため、前章の4.3.
3と同様の手順で、式(4)を使って得られたFig.5.13の直線の勾配からeの値を求め
ると、RM90材では87kJ・皿or1が得られた。第3章のTable 3.1に示したように、本
実験の高温引張試験で得られたRM90材の活性化エネルギーの値、87kJ ’ mol’1はMg
の自己粒界拡散の活性化エネルギーの値にほぼ近い。したがって、再結晶を中断され
たRMO材およびRM90材の高温変形挙動は、 Mgの自己粒内拡散に起因するのでは
なく、Mgの自己粒界拡散に律速されたものと考えられる。このことから、 RMO材の
高温での変形機構として、粒界拡散による粒界すべりなどが考えられる。
すなわち、RMO材の変形は、結晶粒内の問題に起因したのではなく、拡散を伴った
形状不変のままの結晶粒の著しい粒界すべりや粒界移動によって大きく左右された。
問題はそのとき結晶粒の粒界3重点で必然的に生ずることが予想されるgapおよび
offsetがどのような調和機構によってキ・ヤンセルされたかである。
ここで、有力なアコモデーション・モデルとして、M. E AshbyとR. A. Verral1)およ
びJ.R. SpingarnとW. D. Nix2)によるg]rai n switchngモデルおよびR. C. GifiCi nsに
よるCore−Ma ntleモデル3)などが考えられる。RM90材の高温変形がRMO材と同様、
このようなモデルが大きく関与したことは事実であろう。しかし、RMO材のこれらの
伸びは、先に述べたように再結晶微粒子が互いに食い合い一つの再結晶粒を形成しよ
うとする過渡期に荷重を加えるという組織変化を伴った変形であったという点から・
再結晶微粒子の挙動も考慮しなければならない。すなわち、RMO材ではRD方向に引
張りが始まると、未再結晶の再結晶微粒子が互いに食い合い成長する過程において、
これらがその六方晶底面を引張方向すなわち圧延方向に平行となるよう・αの最大方
向に0∼20°回転することによって、変形中に生じることが予想されるgapおよび
offsetを調和していったものと思われる。しかし、 RM90材ではRDで示される圧延
方向に直交するTD方向に引張るため、再結晶微粒子はα方向のみならず・更にB方
向に最大で90°回転する必要が生じる。したがって、RM90材ではこの90°回転が困難
となって上記調和機構が作用しなくなり、そのため先に述べた通り、キャビティが
RMO材より非常に多く生じることになり、結果として伸びの減少につながったのであ
ろう。
65
以上から、未再結晶組織を有する高温変形では、たとえ変形初期の皿値が大きくて
も、再結晶微粒子のもつ集合組織の異方性がその後の全伸びに大きく影響を及ぼすと
いえる。
ここで、Fig. 5.5および前章のFig. 4.4を比較すると、試験温度573Kおよび598K
におけるピーク流動応力がRM90材とRMO材とでは全く逆転している。これを明確
にするために、試験温度をx軸に、ピ…一一一ク流動応力をy軸にとってプロットし直すと、
RMgo材ではFig. 5.14が、 RMo材ではFig.5.15が得られる。 RMo材では試験鍍
が高くなるほどピーク流動応力が減少するのに対し、RM90材ではひずみ速度
1.0×10’4s’iを除くその他の全てのひずみ速度において、試験温度598K付近でピーク
流動応力が最大値を有する。Fig. 5.8およびFig. 5.9で述べたように、この温度は最大
伸びの得られる最適試験温度にちょうど一致ずる。
すなわち、RMO材ではFig. 5.9で示したように、先に述べた調和機構の作用により
外部荷重は緩和され、そのためt“・一ク流動応力が少なくなって全伸びは大きく現れる。
しかし、RM90材ではこの温度付近で調和機構が作用せず、外部荷重は緩和されるこ
となく、キャビティの生成にエネルギーが費やされ、試験温度598K付近でピーク流
動応力が最大に達したものと思われる。
66
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Fig.5.15 Relation between tensie temperature and
peak flow stress in RMO material.
71
650
5.4 結 言
再結晶途中の軟化停滞域での温度603Kで焼なました試料を、圧延方向と直角方向
に試験片を採取して高温引張試験を行い、高温引張特性および面内異方性について集
合組織で検討した結果、以下の結論を得た。
(1)圧延直角方向に引張った場合の最大のひずみ速度感受性指数m値は、圧延方向と
大差なく約0.5が得られた。
(2)圧延方向と直角方向に引張ったときの超塑性変形に要する活性化エネルギーは
87kJ・mor 1で、この値はMgの自己粒界拡散に要する活性化エネルギーにほぼ等し
い。したがって、この場合の超塑性変形挙動はMgの自己粒界拡散に律速される。
(3)全伸びは各試験温度ともにひずみ速度の増加に伴って小さくなる傾向がみられた。
しかし、圧延方向と同方向に引張った場合に比べ、その値は著しく小さく、最大で
も約100%であった。
(4)最大伸びの得られる最適試験温度は、ひずみ速度1.Ox10’4s’1の場合を除いて、全
て598K一定で、この温度の両側の領域では全伸びは低下した。
(5)圧延時の圧延方向に対し直交する方向で引張ると、変形中に生じることが予想され
るgapおよびoffsetに対する調和機構が作用しなくなり、そのためキャビティが非
常に多く生じ、結果として全伸びが減少した。
(6)ひずみ速度1.0×10’4s’1を除くその他の全てのひずみ速度において、試験温度598K
付近でピーク流動応力が最大に達した。
(7)未再結晶組織を有する超塑匪変形では、たとえ変形初期の皿値が大きくても、再
結晶微粒子のもつ集合組織の異方性がその後の全伸びに大きく影響を及ぼす。
参考文献
1)M. F. Ashby and R. A. Verra ll:Acta Meta]1. Mater.,21(1973),149・
2)J.R. Spingarn and W. D. Nix:Acta Metall. Mater.,26(1978),1389.
3)RC. Gifk土ns:Meta皿.『}rans.,7A(1976),1225.
72
第6章 恒温圧延機によるクロス圧延の適用
およびクロス圧延板の高温変形挙動
第4章および第5章においては、一方向圧延であったために恒温圧延により集合組
織を形成し、その板材は大きな異方性を持つことがわかった。すなわち、圧延方向に
引張った場合と、圧延方向と直行する方向で引張った場合とでは、全伸びが大きく異
なり、直行方向の延性が著しく低下する結果となった。この事実は、実際の成形、特
にブロー成形などを行う上で大きな問題となる。
そこで本章では、上記集合組織の持つ異方性を低減させるため、AZ91材の恒温圧延
法においてクロス圧延を適用することにした。なお、クロス圧延はAZ31押出し材で
成形性の効果が報告1)‘Xされている。本章でもクロス圧延を試み、AZ91板材(以下、
CRM材)を種々の温度およびひずみ速度で高温引張試験を行い、そのときの全伸びお
よびひずみ速度感受性指数m値を求め、第4章で示したRMO材の高温変形挙動と比
較検討した。
74
6.2 実験方法
6.2.1試験片
本実験では、まずAZ91材から厚さ10mm、幅40mm、長さ40mmの圧延ビレット
を切り出し、幅方向および長さ方向の一端に圧延のための先付けを行い、クロス圧延
に供した。本実験による恒温圧延方法ではFig. 6.1に示すように交互に圧延方向を90
度ずつ変えて幅および長さ方向でのクロス圧延を採用した。最終90%圧延後に再結晶
途中相当温度の603K×1hrで大気中にて焼なまし処理を施し、引張試験片を採取した。
再結晶を途中で中断させたのは、その方が再結晶を完了させたAZ91材よりも超塑性
特性に優れているためである。なお、試験片の採取は、最後の圧延方向を引張方向に
合わせた。
6.2.2 高温引張試験
高温引張試験は、前章までと同様に1.OxlO’4s−1、2.5×10‘4s’1、1.0×103s−i、2.5x10’3s’1
および1.Ox10−2s’1の5段階の初期ひずみ速度で、試験温度を573K、598K、623Kお
よび648Kの4種類とし、真空中で試験を行った。なお、昇温速度は20K!minで、試
験温度に達した後には約10min保持した後に引張試験を開始する条件も前章までと同
じとした。
引張試験前後の組織観察は、2%ナイタル(HNO3:2皿1、 C2H50H:98ml)による
エッチングの後、光学顕微鏡により観察し、線引き法にて結晶粒の大きさを求めた。
75
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② ③
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φ16
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①
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Fig.6.1 1sothermal cross rolling method.
76
6.3 実験結果および考察
6.3.1 高温引張特性
CRM材を破断まで引張った後、各温度における試験片の破断伸び(L)をまとめて
示したものをFig.6.2に示す。なお、図中のRSは再結晶開始温度を、 RFは再結晶終
了温度を、RMは圧延後の熱処理温度をそれぞれ示す。 CRM材の全伸びは、 RMO材
およびRMgo材の全伸びのちょうど中間程度を示し、その最大伸びはFig. 6.3の写真
にも示すように約150%である。
一般に、超塑性が発現する最適引張温度が存在し、全伸び値の最大となる温度やひ
ずみ速度が存在するはずである。しかし、CRM材については前述とは様相が全く異な
る。すなわち、ひずみ速度1.0×10’3s−1の場合を除いて、全伸びが最大となるピーク温
度は低温度側に大きく移動し、一見引張温度が下がれば下がるほど全伸びが大きくな
っているように見える。このことは集合組織の影響によるものと考えられるが、本実
験の範囲内では定かではない。しかし、逆に本論文において恒温圧延で作製したAZ91
板材を実際成形する上で、この低温度の方が延性が大となる事実は大きなメリットと
なる。
Fig.6.4に、 Fig.6.3で示した試験片の各場所におけるCRM材の破断後の光学顕微
鏡組織を示す。観察位置は圧延面とは直交する圧延方向の断面である。したがって、
Fig.6.4における引張方向は紙面に垂直な方向となる。図中、白色部分はマグネシウム
固溶体δ相を、所々の灰色で示される析出物はγ相(Ali2Mg17)を、また黒色部分は
変形中に生じたキャビティをそれぞれ示している。
Fig.6.3で示したCRM材の変形途中のB点における組織写真をモノクロ2階調表
示し、キャビティの面積率を求めると、4.7%であった。同じ試験条件(試験温度573K、
ひずみ速度1.0×10‘4s’1)で270%伸びたRMO材の7.1%および100%伸びたRM90材
の35.4%に対し、CRM材では異方性が低減したためか、その数は非常に少ない。しか
し、線引き法による破断後の結晶粒径は、RMO材では変形量に対し全く粗大化するこ
となく、っかみ部の粒径とほとんど同じで15ymを保ったままであったのに対し、
CRM材では、 RM90材と大体同じで約25P皿であった。
77
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650
Tensile temperature, T l K
Fig.6.2 Variation in elongation to fa且ure as function of
tensile temperature at indicated strain rates fbr
CRM皿aterial.
78
Fig.6.3 Specimens(CRM)bef・re tensile test(a)and
after failure(b)at temperature of 573K and
with strain・rate of 1.0×10’4s’1.
79
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Fig.6.4 P
pn several positions in Fig・6・3
●
80
Fig. 6.5は、 CRM材を破断まで引張った後のピーク流動応力(σ)をまとめて示し
たものである。皿値は、試験温度573∼623Kにおいて、ひずみ速度1.Ox・IO−4s’1から
2.5×10’4s’1の間および試験温度648Kにおいて、ひずみ速度1.0×10・3s’1から2.5×10’3s’1
の間で約0.3以上を示しているが一方向圧延材に比較して小さい値となり、全伸びも
低下したものと考える。
マグネシウム合金の超塑性試験では、流動応力の測定に応カーひずみ曲線の10%ひ
ずみにおける応力がよく用いられる(JIS H7501)。これは、このような小さなひずみ
では結晶粒の粗大化は非常に少ないと仮定されるからである。Fig. 6.6は、 CRM材の
応カーひずみ曲線で得られた10%ひずみにおける応力を流動応力としてy軸に、ひず
み速度をx軸にとってプロットしたものである。Fig. 6.5と比較して、10%ひずみにお
ける応力はピーク流動応力より少し小さい程度で、全体としての皿値の傾向はほとん
ど変わらない。なお、Fig.6.7は、代表的な荷重一変位曲線の生データを示したもので、
これらの曲線は、一般の超塑性試験で得られる曲線とほぼ同じ一見して加工軟化
形状を示している。
81
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Fig.6.5 Variation in flow stre ss corre sponding with peak value
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CRM materia1.
82
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Fig。6.6 Variati・n in且・w stress c・rresp・nding with strain 「ate
of O.1 as function of strain rate at indicated temperatures
for CRM materia1.
83
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・∴諭訟面64点∴ぞ昏獄…㌦磁L6x、d4綜ぼ
謡ふ屈ヨ ・II眺藩’∫滋
Fig.6.7野picallealdatat。fa且緬rCRMmateriaL l
84
6.3.2 粒界すべりに伴う高温変形挙動の解明
(1)活性化エネルOf−一
前項までに述べたCRM材とRM材における全伸びの相違が何に起因するのかを明
らかにするため、CRM材の高温変形に要する活性化エネルギーを求めることにした。
一般に、高温クリープ変形の熱活性化過程におけるひずみ速度Eは、変形に要する
活性化エネルギーを④とすると、式(6.1)で与えられる。
壱=A・f(σ)・exp(一α、∼∼7) (6.1)
ここで、Aは材料定数、 Rはガス定数、 Tは引張温度である。また、材料定数をK、
ひずみ速度感受性指数をmとし、ffσ)を次式のように定める。
Ko)=(σ1K)1/m
(6.2)
そして、式(6.2)を式(6.1)に代入し、両辺の対数をとると式(6.3)が成立する。
ln e=hA《1!皿)・lnK+(1/m)・h1σ一QIRT
(6.3)
ここで、bを一定とすれば、式(6.3)は
1】ユo=Const.+(mQIRT)
(6.4)
また、oを一定とすれば、式(6.3)は
ln e= Const.−QIRT
(6.5)
となる。ここで、Fig. 6.5およびFig. 6.6を用い、最大m値の得られるσをFig. 6.5で
は25MPa一定、 Fig. 6.6では23MPa一定とし、式(6.5)を使って1n壱一11Tなる関係
をプロットすると、Fig. 6.8が得られる。そして、直線の勾配から活性化エネルギーが
求められ、その値は72∼74kJ・mor1と計算される。
本実験の高温引張試験で得られたCRM材の活性化エネルギーの値72∼74kJ・mol’1
は、マグネシウムの自己粒界拡散の活性化エネルギーの値に近く、それぞれRMO材の
活性化エネルギー70kJ・mol’ iおよびRM90材の漕性化エネルギー87kJ・mol’ iのほぼ
中間に等しい。したがって、CRM材の高温変形は、 RMO材同様、主としてマグネシ
ウムの自己粒界拡散に律速されたもので、その全伸び挙動は先に述べたようにRMO
材とRF90材の中間あたりに相当する結果になったものと考えられる。
Watanabeら3)は、押出し後圧延されたAZ61板材を用い、遷移温度585Kより低温
度側(523∼573K)では粒界拡散が変形を支配し、その活1生化エネルギーは90kJ・mo「1・
85
高温度側(598∼673K)では粒内拡散が変形を支配し、その活性化エネルギーは143kJ・
mol’ユであることを示した。 Mab uchiら4)は、粉末法によるAZ91丸棒材を用い、543
∼673Kでは、遷移温度は見られず、粒界拡散と粒内拡散の両方の組み合わせが変形を
支配し、その活性化エネルギーは121kJ・mor 1であることを示した。また、 Weiら5)
は、熱間圧延されたAZ91板材を用い、623∼698Kの高温度および1.0×10−3s’1∼
1.0×10’ls−1の高ひずみ速度範囲内で93∼238kJ・mol’・iの活性化エネルギーを得た。そ
して、この高い活性化エネルギーの原因は、超塑性変形(GBS)に対する粒界近傍お
よび粒内での転位クリープの大きな役割にあるとした。
本実験においても遷移温度は見られなかったが、活性化エネルギーは72∼74kJ・
mol’1と上記値に比べ、比較的小さかった。したがって、 CRM材の変形機構はMabuchi
ら’Dと同じく、粒界拡散と粒内拡散の両方によるもので、どちらかというと粒界拡散
が粒内拡散を上回っていたものと思われる。
(2)集合組織
マグネシウムでは、室温におけるすべり系は底面(0001)における3方向のく1120>の
みであるが、温度が上がるに従って、柱面{10io}<1120>の3通りおよび錘面(loTl)
<1120>の6通りのすべり系が新たに生じる。Fig. 6.9、 Fig. 6.10およびFig. 6.11は、
AZ91鋳造材、㎜0材およびCRM材の圧延面に対するX線ディフラクトメータの回
折結果をそれぞれ示したものである。これらの図より、Fig. 6.4で示したように、 AZ91
にはδ相とY相の2種類しか存在しない。また、鋳造材では底面(0002)および柱面(101
0)はわずかであるが、錘面(10工1)が非常に大きく出現している。これに対し、恒温圧
延後のRMO材とCRM材では柱面(10工0)および錘面(1011)が消失し、底面(0002)が非
常に大きく出現している他両者において明瞭な区別は見られない。
86
一5
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CRM material・…;
i
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一9 一〇Flow stress:peak valu
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│ Constantσ=25MPa
1 1 1 1 r I
一10
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i ・ } Il
i i il
1 iI Ii Ii I
一11
1.5 1.6 1.7 1、8
1
Reciprocal of absolute temperature,11T
(×103K−1)
Fig.6.8 Activation energies required for high temperature
deformation in case of two kinds of flow stress
corresponding with peak value and strain of Oユin
CRM materia1.
87
8000
Casting AZ91
6000
のΩoこ.倉の⊂Φ芒
4000
2000
気}一くト
OΣ。.一く
モΣ
02巴0
30
40 50 60 70 80 90
Bragg angle,2θ1degrees
Fig.6.9
A re sult of X’ray dj ffraction measurement
for material『before isothermal’rolling.
88
100
20000
RMO m aterial before tensile test
18000
16000
ω
Ω.14000
0
、
12000
.、≧・
210000
£
⊆8000
6000
4000
く6
愈
Σ勺
至㌔滝
2000
02』0
30 40 50 60 70 80 90
Bragg angle,2θ1degrees
Fig.6.10
Aresult of X・ray d遜iraction measurement
for RMO material.
89
100
36000
32000
28000
の
8・24000
ミ
≧・20000
’あ
こ
916000
三
12000
8000
4000
02』0
30 40 50 60 70 80 90 100
Bragg angle,2θ1degrees
Fig.6.11
A re sult of X−ray diffraction measurement
for CRM material.
90
そこで、これらの材料の集合組織を知るため、X線極点図解析(XPEA)をSchu】zの
反射法を用いて行うことにした。回折角2θを(0002)のそれに合わせ固定した後、この
状態で試料を、圧延面(圧延方向がRD)の幅方向(TD)であるA軸および圧延面の
法線方向(ND)であるB軸の周りにそれぞれ回転させながらND面における(0002)
面からの回折X線強度を計測した。なお、CRM材におけるRD方向はクロス圧延時
の最後の圧延方向に一致させた。この圧延方向は先に述べたようにCRM材の引張方
向でもある。
Fig. 6.12およびFig. 6.13に、 RMo材およびcRM材のND面におけるポーラーネ
ットと呼ばれる極点図をそれぞれ示す。図はA軸の回転角αをα=0∼90°、またB軸
の回転角6をB=0∼360°とし、前者を半径方向、後者を円周方向の座標として、得ら
れた回折強度をプロットしたものである。この結果、(0002)面からの回折強度の等高
線図が得られる。ここで、図中心におけるα=90°は入・反射X線を含む面と試料面が
垂直な状態で、先に述べた回折と同じである。
RMO材では、等高線は同心円上ではなく、花びら状の異方性を持ち、また鋭くとが
った山形になっており、その頂点は図中心にちょうど一致している。これは、RMO材
の再結晶後の六方晶底面が大きな異方性を持ちながらも、その多くは圧延面に対し、
ほぼ平行に配向している傾向が強いことを示している。次に、α=70∼90°およびB=120
∼240°の間で、等高線の山が削り取られたような跡が確認される。この部分は未再結
晶組織内に生じた再結晶微粒子の集合体に相当するもので、(0002)面からの回折X線
は皆無で、六方晶底面の圧延面に対する平行に近い配向は全く無かったことを示して
いる。したがって、RMO材は圧延面の圧延方向と幅方向において強い異方性を持って
いると結論できる。
粒界拡散による粒界すべり(GBS)では、変形の進展に伴って粒界近傍、特に粒界
3重意に応力集中が生じ、ひずみ速度の増大に伴いこれは大きくなる。その結果、粒
界3重愚では必然的にギャップが生じる。そのため、超塑性の持続にはこれに対する
ある何らかのオフセット機構が働く必要がある。1es‘1の高ひずみ速度域で超塑性を示
すアルミニウム合金では、この応力集中は液相の存在によって緩和されることが知ら
れている6)。また、圧延されたAZ91板材でもフィラメント状の液相の存在が報告さ
れている5)。そして、これらの液相の存在は潜性化エネルギーを極端に増大させる5)’6)。
91
しかし、本実験の材料にはこのような極端な増大は全く認められない。したがって、
Mabuchiら・1)と同様、 RMO材およびCRM材にはこのような液相は存在しないと考え
られる。そのため、RMO材では上記応力集中を緩和するのに、粒界近傍における拡散
や転位運動(転位クリープ)に加えて、再結晶微粒子が大きな役割を果たしたものと
思われる。すなわち、再結晶微粒子の集合体による強い異方性が、圧延方向の引張り
では粒界3重点に生じることが予想されるギャップのオフセットに、幅方向の引張り
では逆にギャップの拡大に働いたと推定される。
これに対し、CRM材ではRMO材と同じ再結晶途中材であるにもかかわらず、等高
線はほぼ同心円上に単調に盛り上がった山形になっている。そして、その頂点は図中
心から圧延方向、すなわちND方向からRD方向におよそ5°程度ずれてはいるが、RMO
材で現われたような花びら状の異方性はほとんど見られない。また、未再結晶組織内
に生じた再結晶微粒子の集合体も見られない。これはFig.6.4の光顕観察からも明ら
かである。したがって、CRM材では一方向圧延材に比べ、圧延面の圧延方向と幅方向
において異方性は低減していると結論できる。そして、この等方性のため、CRM材で
は粒界での応力集中の緩和には、再結晶微粒子などの助けは期待できず、転位クリ・一
プのみに頼らざるを得ない。そのため、全伸びはCRM材ではRMO材とRM90材の
ちょうど中間あたりに位置する結果になったのであろう。なお、破断後のXPFAは試
験片の幅が非常に小さいため、不可能であった。
Fig. 6.14は、破断後におけるCRM材の圧延面に対するx線ディフラクトメータの
回折結果を示したものである。RMO材についてはCRM材と全く同様の傾向を示した
ため、ここでは省くことにした。Fig. 6.14ではFig. 6.11で示した引張試験前とピーク
の傾向は変わらず、変形中、柱面(10丁0)および錘面(10i1)のすべり系は全く働いてい
ないことがわかる。したがって、RMO材およびCRM材の超塑性変形では、底面(0002)
のすべり系のみが上記粒界における応力集中の緩和に寄与したものと考えられる。
92
[RD]
βニ0°
hヤ
鴨
藤
,議
40°
50°
▽配
コ 1’ny .ノご −
距’工:
.t’.t;≒・t’:
.レ・一・i’.
奪蕊藩繭
.門一尋…;・畦一+:・1一・・1
90°
琴誉
呼施滋身
’γ’
㌶ 叱
鍵
写声
}}
口}
¥濁
湘さヤ
「レ
ル゜『ρ.」
180°
(0002)
Pole figure
Fig.6.12 (0002)pole figure corresponding to RMO materia1
before tensile test.
93
[RD]
β=0°
’捕
繊
40°
’¥’蹴ザシ,・難ど}搭急・㌦
50°
.+.’1
90°
,.蕪乖
’・ψ艦・≧,
’
,
噛
吋、 、7
≒素毒
置片諸
ダ¥
姦建
、襲レ
聾w耽づ
、津
・k
、、.
噛キ、.
“層
180°
(0002)
Pole figure
Fig.6.13 (0002)pole figure corresponding to CRM material
before tellsile test.
94
6000
CRM material after failure
at temperature of 573K
5000
−4
at strain rate of 1.0×10
豊o、二喜ω⊆Φ芒
4000
3000
2000
1000
Oこロ=㊨
W気“冒くト
6=四」く』
F)
nΣり
02凹0
30 40 50 60 70 80 90
Bragg angle,2θ1degrees
Fig.6.14
Aresult of X・ray djffraction measurement
fbr CRM material after failure.
95
100
6.4結 言
AZ91材に恒温圧延機を用いたクロス圧延を実施し、その後再結晶を中断・再結晶し
た試験片を種々の温度およびひずみ速度で引張り、そのときの全伸びおよびひずみ速
度感受性指数m値を求めて高温引張挙動を検討した結果、以下の結論を得た。
(1)全伸びが最大となるピーク温度は一方向圧延材に比べ、低温度側に大きく移動した。
(2)m値は試験温度573∼623Kにおいて、ひずみ速度1.Ox 10’4s’1から2.5×10’4s−1の間
および試験温度648Kにおいて、ひずみ速度1.Ox 10・3s’1から2.5×10’3s−iの間で約
0.3以上を示した。
(3)引張試験前の試験片の集合組織における異方性は一方向圧延材に比べ、低減した。
(4)光顕観察から、引張試験前の試験片には未再結晶組織内に生じる再結晶微粒子は全
く観察されなかった。
(5)活性化エネルギーは72∼74kJ・mol’ iと比較的小さかった。したがって、 CRM材
の変形機構は粒界拡散と粒内拡散の両方の組み合わせによるもので、どちらかとい
うと粒界拡散が粒内拡散を上回っていたものと思われるe
参考文献
1)YChino, J.]Lee,1(Sassa, A. Kamiya and M. Mab uchi:Materials]Letters,60
(2006),173.
2)YChino, K. Sassa, A. Kamiya and M. Mabuchi; Mater. Tbeans.,47(2006),2555.
3)H。Watanabe, T. Mukai, M Kohzu, S. Tanabe and K]田gashi:Acta Metall.
Mater.,47(1999),3753.
4)M.Mabuchi, T. Asahina, H. Iwasaki and K Higashi:Mater. Sci. Tech.,13(1997),
825.
5)YH. Wei, Q. D. wang, Y P. zhu, H. T. Zhou, W J・Dh19, Y Chino and M・
Mabuchi二Mater. Sci. Eng., A360(2003),107.
6)K. Higashi, T. G. Nieh and J. Wadsw・rth:・Acta・Metall・・Mater・,・47(1999)・3753・
96
第7章再結晶処理させない90%恒温圧延板の
高温変形挙動
Sherbyら1)とBlgashi2)は、幾つかのアルミニウム合金を対象にして通常の鍛造速
度に近い1.Ox10凸ls’1の高ひずみ速度で超塑性が発現することを示した。彼らは粉末押
出し(PM)法により、非常に微細化された結晶粒を得、高速超塑性を実現化させてい
る。マグネシウム合金においても、アルミニウム合金同様、PM法3)やECAE(Equal
Channel Angular Extrusion) 4などの超高ひずみ加工により超微細化された結晶粒を
もつAZ91丸棒材の超塑性化が実現化しつつある。一方、 Mab uchiら3>は焼結、押出
しという一連の工程から成るPM法により、1.8∼2.81miの微細結晶粒をもつAZ91丸
棒材が試験温度573K、ひずみ速度1.Ox10−2s−1において、250%以上の全伸びを有する
ことを示した。更に、彼らは中間のひずみ速度領域で、ひずみ速度感受性指数、m値
が0.3以上を有することも示している。
本論文では第3章でも述べたようにAZ91鋳造材に恒温圧延法を適用し、完全に再
結晶されたAZ91板材(RFO材)では、0.5以上のm値を示すが、変形中に結晶粒の
粗大化が生じ最大伸びは170%を示すに過ぎなかった。
そこで本章では、恒温圧延後、再結晶処理させない圧延されたままのAZ91板材(以
下、ARO材)を種々の温度およびひずみ速度で高温引張試験を行い、そのときの全伸
び、m値および漕性化エネルギーを求め、 RFO材の高温変形挙動と比較検討した。
98
7.2 実験方法
AZ91材の恒温圧延工程は、第2章2.2.2と同様の方法で行い、試験片を採取し
た。高温引張試験は、1.0×104s−1、2.5x10’4s’1、1.Ox10凸3s凸1、2.5×10’3s’iおよび1.0×10’2s’1
の5種類の初期ひずみ速度で、試験測斐を573K、598K、623K、648Kおよび673K
の5種類とし、真空中で試験を行った。なお、昇温速度は20K!tmで、試験温度に達
した後には約10min保持した後に引張試験を開始した。
AZ91鋳造材およびARO材での圧延面に対するX線ディフラクトメータの回折結果
をFig. 7.1およびFig.7.2にそれぞれ示す。 AZ91では、マグネシウム固溶体6相およ
び共晶Y相(Mgi7Ali2)の2相しか存在しないことが分かる。また、AZ91鋳造材では、
主すべり面である(ooo1)底面すべりが非常に少ないのに対し、恒温圧延後では、 Fig.
7.2で示したように、このピークが非常に大きく出現している。
AZ91鋳造材および試験前におけるARO材の光学顕微鏡紬織をFig. 7.3に示す。図
中、白色部分は6相を、所々の灰色で示される析出物はy相(Ali2Mg17)をそれぞれ
示している。圧延直後のARO材では、結晶粒界はそれほど明白ではないが、動的再結
晶の結果であろうと思われる数多くの結晶粒が見られる。
99
8000
Casting AZ91
6000
4000
2000
亀u一くト
σΣ,.ξ
㌍Σ
く
02 匹0
30 40 50 60 70 80 90 100
Bragg angle,2θ1degrees
Fig.7ユ
Aresult of X−ray diffraction皿easurement
for M91 ingot.
100
14000
12000
の9こ者の⊆Φだ
10000
8000
6000
4000
2000
。匹黎
卜占篭」
02幽0
30 40 50 60 70 80 90
Bragg angle,2θノdegrees
Fig.7.2
A result of X−ray diffraction measurement
for ARO material.
101
100
一
繋
a)before rol血ng b)as ro〕皿ed
Fig.7.3 0ptical microstructure a)befbre roling and b)as roled.
In b), roling direction is perpendicular to this figure.
102
7.3 実験結果および考察
7.3.1 高温引張特性
Fig. 7.4は、 ARO材を試験温度およびひずみ速度を変えて、破断まで引張った後の
試験片の破断伸び(L)をまとめて示したものである。同図によると試験温度673Kを
除く全ての試験温度および全てのひずみ速度で、全伸びは50%を超え、最大伸びはRFO
材を上回り、210%に達している。
RFO材およびARO材について、試験温度をx軸に、全伸びをy軸にとってプロッ
トした結果をFig. 7.5およびFig. 7.6にそれぞれ示す。ここで、 RsおよびRFは、再
結晶開始点および再結晶終了点をそれぞれ示す。RFO材では、 Fig. 7.5で示したよう
に、試験温度が高くなればなるほど全伸びが増大するのに対し、ARO材では全伸びが
最大となるピーク温度は低温度側に移動する傾向を示している。
Fig.7.7に、試験温度573K、ひずみ速度1.o×10−4s−1におけるARo材の破断後の光
学顕微鏡組織を示す。図には数多くのキャビティが見られ、また結晶粒の平均粒径は
RFO材の場合と同様、約3eymである。
Fig. 7.8およびFig. 7.9は、破断まで引張った後のピーク流動応力をまとめて示した
もので、前者では流動応力にそのピーク値を、後者では流動応力にO.1(10%)のひず
みに対応する応力を適用した。マグネシウム合金の超塑性試験では、流動応力の測定
に応カーひずみ曲線の0.1ひずみに対応する応力がよく用いられることは、前章です
でに述べた。両図ともシグモイド型を示し、本実験におけるひずみ速度の範囲内では、
しきい応力はみられない。また、両図において皿値の傾向にはそれほど大差はなく、
ひずみ速度1.0×10−4s凸1から2.5×10’4s’iの間において、0.5以上を示している。
破断に至るまでの代表的な荷重一変位曲線の生データをFig. 7.10に示す。これらの
曲線は、一般の超塑性試験で得られる曲線とほぼ同じ形状を示している。
1G3
300
:二:ARO二Tensiled at rolling direction:二二二
G一一+☆、一汁・1−一一
L I l I ’ I I
「
250
I l I ・ 1 ] I I
1 1 」 l I I I
口…
、」、⊂£9⊆22σぢト
−一一一一
……
0573K4.ら.1.∴≧
F一一十日一⊥一:一旨≒
一一一一一一 P−一一トー→一・+一一1−−1−←
I I l I 「 l l
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1 [ I l I
●648K【 II
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閏.
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レ,氾 ー 「し
@一一 陶
コ
v』
「
一
一
一
@=
レ 絢
゜1。4 1。−3 1。−2
Strain rate, S/6−1
Fig.7.4 「▽ariation in elongation to failure as function of
strain rate at indicate d temperatures for ARO material.
104
300
250
200
L 150
100
50
O5
」oo
525 550 575 600 625 650
675
Tensile temperature, T l K
Fig.7.5
Variation in elo〕ngation to failure as fUnction of tensile
temperature at indicated strain rates for RFO material.
105
300
d並 一一
250
〕ごε8⊂2Φ軍o←
200
150
100
50
O5
Loo
525 550 575 600 625
650 675
Tensile temperature, T l K
Fig.7.6
Variation in elongation to failure as function of tensile
temperature at indicated strain rates for ARO material.
106
r
「
壷∴罵拶lf;i−1‘,,・
ピ統.一’♂ ・…/ゼ’.∴ξ
、 F.”..1’飢∴訊ρ暫
・要ヂ鵡二;チ:壽曜
ボ .く
@ノ リこ ゼ ホ
Z一吻・㍗・∵矯゜∵醤
ロ のロ
ピ,射斗∫⊃画.∴一・・
Fig.7.7 0ptical microstructure afしer failure for ARO material.
Roling direction is perpendicular to this figure.
107
一
; 1 : ; 一 :l l ; : l
鼎諺郵:
ng direction’
2
10
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モ : き 一
1 , . ’ : 一:」}二.ちr〒「‡_で:.
生Σ、b
ダ ミ づリト
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一 「−1「∵…∴1、。
10
闘多i『『奮嚇二舗蒔π二
つ
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m
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==一
I I I I
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Z573K
△598K
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Strain rate, S l s一1
Fig.7.9 Variation in flow stress corre sponding with strain of O.1
as function of strain rate at indicate d te mperature s for
ARO material.
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110
1
RFO材およびARO材について、流動応力の試験温度に対する変化をFig. 7.11およ
びFig. 7.12にそれぞれ示す。ここで、 RSおよびRFは先に述べたように、再結晶開
始点および再結晶終了点である。RFO材ではFig. 7.11で示したように、試験溜度が高
くなればなるほど流動応力が減少するのに対し、ARO材では高ひずみ速度領域におい
て、試験温度573Kから648Kでは、流動応力は試験温度に対しそれほど依存してい
ない。ARO材とRFO材での全伸びと流動応力におけるこのような違いは、 ARO材を
実際に使用する上で、非常に有効である。なぜなら、低温超塑性が利用でき、また高
ひずみ速度領域において、一様なひずみおよび応力が期待できるからである。
7.3.2 粒界すべりに伴う高温変形挙動の解明
(1)活性化エネルギー
次に、なぜ高いm値が得られ、大きな全伸び値が得られたかを明らかにするため、
ARO材の高温変形に要する活性化エネルギーを求めることにした。
一般に、多くの金属材料では融点Tmpの半分以上の温度になると、拡散によって生
じる高温クリープ変形が支配的となる。この高温クリープ変形の熱活性化過程におけ
るひずみ速度tは、変形に要する活性化エネルギーをQとすると、前章6.3.2と同
様に式(6.5)が得られる。ここで、Fig. 7.8およびFig. 7.9を用い、最大m値の得られる
σを15MPa一定とし、式(6.5)を使って11 b−1/Tなる関係をプロットすると、Fig. 7.13
が得られる。そして、直線の勾配から活性化エネルギーが求められ、その値はFig、7.8
では80kJ・mor1、 Fig.7.9では83kJ・mol’1と計算される。
本実験の高温引張試験で得られたARO材の活性化エネルギーの値、80∼83kJ・mor 1
は、マグネシウムの自己粒界拡散の活性化エネルギーの値に近い。したがって、ARO
材の高温変形は超塑性を示し、主としてマグネシウムの自己粒界拡散に律速されたも
のと考えられる。
Watanabeら5)は押出し後圧延されたAZ61板材を用い、遷移温度585Kより低温度
側(523∼573K)では粒界拡散が変形を支配し、その活性化エネルギーは90kJ・皿ol’1・
高温度側(598∼673K>では粒内拡散が変形を支配し、その活性化エネルギ’一は143kJ’
mol’iであることを示した。 Mab uchiら3)は、 AZ91のチップ、焼結および押出しから
成る一連のプロセスにより、結晶粒が4.1∼5.Op皿に調節された丸棒材(以下・工M
AZ91)を用い、試験温度523Kひずみ速度3.3x 1σ4ざ1で400%以上の全伸びを得た・
111
PM法によるAZ91丸棒材(以下、 PM AZ91)については、緒言で述べた通りである。
さらに、彼らはIM AZ91材の超塑性変形に要する活1生化エネルギーはPM AZ91材と
同じで、121kJ・皿ol’1であることを示した。この値はマグネシウムの自己粒界拡散の
活性化エネルギーの値よりも大きい。そして、遷移温度はみられなかった。彼らは、
このような大きな活性化エネルギーが得られた理由を、粒界拡散と粒内拡散の両方の
組み合わせが変形を支配したためであると結論付けた。
ARO材の全伸びはIM AZ91材やPM AZ91材に比べ小さいが、 RFO材よりは大き
い。また、Mabuchiらと同様、遷移温度はみられなかったが、活1生化エネルギーは80
∼83kJ・mol’iと、比較的小さかった。したがって、 ARO材の変形機構はMabuchiら
と同じく、粒界拡散と粒内拡散の両方によるもので、どちらかというと粒界拡散が粒
内拡散を上回っていたものと思われる。
(2)集合組織
Fig.7.14は、 RFO材の圧延面に対するx線ディフラクトメータの回折結果を示した
ものである。Fig. 7.2で示したARO材と比較して相違はみられない。そこで、これら
の材料の集合組織の有無から相違を知るため、X線極点図解析(以下、 XPFA)をSchulz
の反射法を用いて行うことにした。
回折角2θを(0002)のそれに合わせ固定した後、この状態で試料を、圧延面(圧延方
向がRD)の幅方向(TD)であるA軸および圧延面の法線方向(ND)であるB軸の
周りにそれぞれ回転させながらN]D面における(0002)面からの回折X線強度を計測し
た。引張試験前のRFO材およびARO材における(0002)XPFAの結果、すなわちポー
ラーネットと呼ばれる極点図をFig.7.15およびFig.7.16にそれぞれ示す。なお、破
断後の試験片幅があまりに小さいため、破断後のXPFAは不可能であった。図はA軸
の回転角αをα=0∼90°、またB軸の回転角BをB=0∼360°とし、前者を半径方向、
後者を円周方向の座標として、得られた回折強度をプロットしたものである・この結
果、(0002)面からの回折強度の等高線図が得られる。ここで、図中心におけるa=90°
は入・反射X線を含む面と試料面が垂直な状態で、先に述べた回折と同じである。
RFO材およびARO材とも、底面すべりである(0001)面はND方向の周りに、 a角が
50∼90。の範囲でみられる。しかし、RFO材では等高線は同心円上ではなく・花びら
状の異方注を持ち、また鋭くとがったL]形になっており、その頂点は図中心にちょう
ど一致している。これはRFO材の再結晶後の六方晶底面が大きな異方性を持ちながら
112
も、その多くは圧延面に対し、ほぼ平行に配向している傾向が強いことを示している。
これに対し、ARO材では等高線はほぼ同心円上に単調に盛り上がった山形になってい
る。そして、その頂点は図中心から圧延方向、すなわちND方向からRD方向におよ
そ5°程度ずれてはいるが、RMO材で現われたような花びら状の異方i生はほとんど認め
られない。
粒界拡散による粒界すべり(GBS)では、変形の進展に伴って粒界近傍、特に粒界
3重点に応力集中が生じ、ひずみ速度の増大に伴いこれは大きくなる。その結果、粒
界3重点では必然的にギャップが生じる。そのため、超塑性の持続にはこれに対する
ある何らかのオフセット機構が働く必要がある。そして、このオフセット機構として、
粒界近傍における拡散や転位運動(転位クリープ)が有力6)である。ARO材ではRFO
材に比し、異方性が小さいため、ARO材では転位クリープを働かせるための{0001}<112
0>主すべり系に対する結晶粒の回転が少なくて済んだものと考えられる。それ故、ARO
材では、上記に述べた超塑性による変形の進展に伴って生じる応力集中が、RFO材に
比し容易に緩和されたのであろう。その結果、ARO材は粒界すべりにおいて何ら困難
を伴うことが無いため、RFO材よりも優れた超塑性挙動を示したものと思われる。
113
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Fig.7.11 Variation in peak flow stress as function of tensile
temperature at indicated strain rates for RFO material.
114
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Fig.7.12 Variation in peak且ow stress as function of tensile
temperature at indicated strain rate s for ARO material.
115
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Reciprocal of absolute temperature,11T
(×103K−1)
Fig.7.13 Activation e nergie s re quire d for high temperature
deformation in case of two kinds of flow stre ss
corresponding with peak value and strain of O.1
in ARO material.
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RFO material before tensile test
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Bragg angle,2θ1degrees
Fig.7.14 Aresult of X−ray d避raction measurement
fbr RFO materia1.
117
[RD]
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Fig.7.15 (0002)pole figure corresponding to RFO m・aterial・
118
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1・
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、
1
錨
50°
[TD]
コ
90rr・・
葺:舞;☆;耳270°
Oi.・∵−7・・チトー辛一÷・,
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180°
(0002) Pole
figure
Fig.7.16 (0002)pole figure corresponding to ARO materia1・
119
AZ91材に恒温.圧延を実施し、圧延されたままのこれらの試験片を種々の温度および
ひずみ速度で引張り、そのときの全伸びおよびひずみ速度感受性指数m値を求めて高
温引張挙動を検討した結果、以下の結論を得た。
(1)試験温度673Kを除くすべての試験温度および全てのひずみ速度で、全伸びは50%
を超え、最大伸びは210%を示して前章までの再結晶させた場合よりも全伸びは大と
なり、延性が向上した。
(2)全伸びが最大となるピーク温度は低温度側に移動する傾向を示した。
(3)ひずみ速度感受性指数、m値はひずみ速度1.0×10‘4s’1から2.5×10’4s’1の問におい
て、0.5以上を示した。
(4)高ひずみ速度領域において、試験温度573Kから648Kでは、流動応力は試験温度
に対しそれほど依存しなかった。
(5)皿値の高い領域における超塑性変形に要する活性化エネルギーは80∼83kJ・mol’1
であった。この値はマグネシウムの自己粒界拡散に要する活性化エネルギーにほぼ
等しい。
(6)引張試験前の試験片の集合組織における異方性は再結晶終了材に比べ、低減した。
120
参考文献
1)0.D. Sherby and J. Wadsworむh:Prog. Mater. Sci.,33(1989),169.
2)K.Higashi:Mater, Sci. Foru皿,170(1994),131.
3)M.Mabuchi, T、 Asahina, H. Iwasakl and K Higashi:Mater. Sci. Tech.,13
(1997),825.
4)M.Mabuchi, K. A:皿eyama, H。 Iwasaki and K. Higashi:Acta mate二,47(1999),
2047.
5)H.Watanabe, T. Mukai, M. Kohzu, S. Tanab e and K. Higashi:Acta Mater.,47
(1999),3753.
6)Y.H. Wei, Q. D. Wang, Y. P. Zhu, H. T. Zhou, W.」. Ding, Y. Chino and M.
Mabuchi:Mater. Sci. E暗, A360(2003),107.
121
122
第8章 総 括
8.1 研究の成果
各種金属の中でマグネシウム合金は軽量で比強度も大きく、実用的に有効な合金で
はあるが、最大の欠点は、結晶構造が最密六方格子であるために粒内すべりでのすべ
り系が限定されて脆く、塑性加工しにくいところにある。その改善策として、再結晶
プmセスでの結晶粒の微細化が考慮されており、これにより特に高温での加工性の大
幅な向上と実用的利用範囲の拡大が期待できる。
本論文では、Mg合金の対象を従来塑性加工は困難とされ、鋳造法により適用されて
いたAZ91に限定し、かつ超塑性を適用することで将来的に利用範囲の拡大が期待で
きる成形性に富んだ板材の開発を第1のポイントとした。その板材製造プロセスを確
立するために、通電加熱方式による恒温圧延機を新たに試作することから出発した。
その後、この試作機をMg合金AZ91に適用して種々の加工度および焼なまし温度を
組み合わせるプロセスと再結晶処理により、その再結晶挙動を解明することを第2の
目的とした。次に、再結晶段階で微細粒組織が得られた板を対象として温度およびひ
ずみ速度を変えて引張試験を行い、高温変形特性の向上を検討した。すなわち、圧延
方向と同一方向に引張試験片を採取し、引張破断後の全伸びおよびひずみ速度感受性
指数皿値などを求めて評価することにより高温変形挙動を検討することが第3の目的
である。また、Mg合金の板材に著しく現れるとされる面内異方性を調べることが第4
の目的である。
まず第2章では、Mg合金AZ91材の成形性に富んだ板材の開発を目的として、結
晶粒微細化のための加工プロセスの確立のために、通電加熱方式による恒温圧延機を
試作することから出発した。その結果、圧延後の焼なましによる軟化は523K付近か
ら顕著に現われるが、648K付近でほぼ軟化は終了していることから、再結晶開始温度
(RS)を523K、再結晶終了温度(RF)を648Kと定めることで、 AZ91材の再結晶
挙動が明らかとなり、恒温圧延と熱処理の組み合わせを用いた組織制御による加工プ
ロセスが確立されたことで、第1、第2の目的が達成できた。
123
第3章では、ほぼ再結晶が終了するであろう648Kで焼なました試料を対象とし、
RS・RF間の温度域において温度およびひずみ速度を変えて高温引張試験を行い、高温
引張特性を評価した。その結果、高温引張試験では破断伸びは最大で約170%に達し、
m値もひずみ速度1.0×10’4s’iから2.5×10’4s’iの間で約0.5以上を示した。超塑性発
現の基準といわれている300%をかなり下回っているが、結晶構造が最密六方格子で
あるMg・Al合金、とりわけAZ91では比較的大きな値が得られることを見出した。ま
た、高温変形に要する活性化エネルギーの値は自己粒内拡散に要する活性化エネルギ
ーにほぼ等しく、したがって粒界すべりに伴う高温変形挙動は、Mgの自己粒内拡散に
律速されることを見出した。
第4章では、更なる全伸びの向上を目指し、再結晶を途中で中断させた再結晶途中
の軟化停滞域での温度603K(RM)で焼なました試料(RMO材)を用いて高温引張
試験を行い、高温変形挙動または超塑性発現の有無を検討した。その結果、高温引張
試験では全伸びはひずみ速度の増加に伴って小さくなる傾向が見られるが、それは非
常に緩やかなものであり、最大伸びは約270%に達した。結晶粒径も変形量に対し全
く粗大化することなく、15μmを保ったままであった。また、高温変形に要する活性
化エネルギーの値は自己粒界拡散に要する活性化エネルギーにほぼ等しく、したがっ
て粒界すべりに伴う高温変形挙動は、Mgの自己粒界拡散に律速されることを見出した。
第5章では、AZ91材を圧延方向と直角方向に引張り(RM90材)、 RMO材と比較
しての面内異方性の有無に主眼を置いた。その結果、全伸びは各試験温度ともにひず
み速度の増加に伴って小さくなる傾向がみられ、その値は著しく小さく、最大でも約
100%であった。すなわち恒測王延によって面内異方性が現れることが明らかとなった。
その要因を引張破断前後の光学顕微鏡組織およびX線極点図解析(XPEA)の結果か
ら、直交方向に引張る場合は変形中に生じることが予想されるgapおよびoffsetに対
する調和機構が作用しなくなり、そのためキャビティが非常に多く生じ、結果として
全伸びが減少することが明らかにできた。すなわち、未再結晶組織を有する超塑lk変
形では、たとえ変形初期のm値が大きくても、再結晶微粒子のもつ集合組織の異方性
がその後の全伸びに大きく影響を及ぼすことを見出した。
第6章では、第5章での結果をふまえ、集合組織の持つ異方性を低減させるため、
AZ91材の恒温圧延法においてクmス圧延を適用し、そのCRM材で高温引張試験を行
い、一方向圧延での高温変形挙動と比較検討し特性向上を図ると同時に、集合組織の
124
改良も行った。その結果、CRM材の全伸びはRMO材およびRM90材の全伸びのちょ
うど中間程度を示し、その最大伸びは約150%であった。また、全伸びが最大となる
ピーク温度は、一方向圧延材に比べ低温度側に大きく移動したことから、超塑性を比
較的低温で発現させることに成功した。加えて、圧延面に対するX線ディフラクトメ
ータの回折結果とあわせ、CRM材では一方向圧延材に比べ、圧延面の圧延方向と幅方
向において、集合組織における異方性は低減していることを見出した。
最後に恒温圧延後、再結晶処理をさせない第7章では、全伸びは最大で210%に達
しており、全伸びが最大となるピーク温度は低温度側に移動する傾向を示して特性が
改善された。加えて、高ひずみ速度領域において、試験温度573Kから648Kでは、
流動応力は試験温度に対しそれほど依存しなかったことから、ARO材でも低温超塑性
が利用でき、また高ひずみ速度領域において、一様なひずみおよび応力が期待できる
ことが明らかとなった。さらにXPEAの結果から、 ARO材ではRFO材に比べ、集合
組織における異方性は低減する。すなわち、再結晶開始一再結晶終了間の温度域にお
いて温度およびひずみ速度を変えて高温引張試験を行い、高温引張特性を評価した結
果、最終的に試作恒温圧延機を用いることによって、面内異方性の少なく、m値も0.5
以上となって超塑性も示す成形性に富んだ板材の製造プロセスが確立できた。その基
本は粒界拡散が律速した変形様式となるので、特性の向上は結晶粒の微細化および集
合組織制御に集約されることが解明でき、第3および第4の目的が達成できた。
以上総括的に、最初に掲げた4つの目的を基に実験的に検討した結果、最終的に試
作恒温圧延機を用いることによって、面内異方性が少なく、m値も0.5以上を有する
超塑性が発現する成形性に富んだ板材の製造プロセスが確立できた。その基本は、
100%粒界拡散が変形を律速するような機構に近づけることにあり、その手法は結晶粒
の微細化および集合組織制御にあることを明らかにした。
125
8.2 今後の課題と展望
本研究により、延性に乏しく塑性加工性が悪いとされているMg合金AZ91を対象
に、通電加熱方式の恒温圧延機を試作し恒温圧延法を適用するという単純な工程から、
難加工材と言われているAZ91でも板材として一次i素材が製作できることが可能とな
った。また、種々の加工度および焼なまし温度を組み合わせるプロセスと再結晶処理
により、再結晶段階で微細糀組織を有するAZ91板材が得られることを見出し、面内
異方性が少なく、しかもより低温で超塑性も示す成形性に富んだ板材の製造プロセス
を確立することに成功した。
しかし、本研究の範囲内では、結晶粒が微細化されたといってもまだ超微細化され
たとは言い難いし、昨今他の板材で現れるような高速超塑性の発現、すなわち完全に
難加工性材料から脱却できるまでには至っていない。また粒界拡散による粒界すべり
が主たる変形である事は解明されたが、変形の進展に伴って粒界近傍、特に粒界3重
点に応力集中が生じ、ひずみ速度の増大に伴いそれは大きくなる。その結果、粒界3
重点では必然的にキャビティが発生する。そのため、超塑性の持続にはこれに対する
ある何らかのオフセット機構が働く必要があるeそして、このオフセット機構として
は、粒界近傍における拡散や転位運動(転位クリープ)が有力である。今後、この転
位クリープをいかにして有効に働かせるかが、キーポイントになることは間違いない。
超塑性加工は、加工工程の削減が利点として挙げられるが、この他にさらなる超微
細粒材料を用いることでトータルコストの削減、製品製造工程における安全化等につ
ながると思われる。今後、更なる超微細粒材料の創製方法が確立されることで、特に
高温での加工性の大幅な向上と実用的利用範囲の拡大が期待できると思われる。また、
恒温圧延のみならず、通常の成形加工プロセスに超塑性特性が頻繁に利用される日が
近いことを期待する。
126
本論文は著者が千葉大学大学院博士後期課程に2000年4Aに入学して現在にいた
るまでの研究成果をまとめたものであり、本実験は(独立行政法人)産業技術総合研究所
にて主に成されたもので、遂行にあたって個別に御指導と御助言を頂きました同所の
鳥阪泰憲氏に厚く御礼申し上げます。加えて実験において御助力頂きました同研究所
の加藤正仁氏に深く感謝いたします。また総括的に本研究を遂行するにあたり御指導
賜った千葉大学広橋光治教授の御懇篤なる御指導のもとに完成させることができま
した。心から御礼申し上げます。
御多用中にも関わらず本論文のまとめの過程において有益な御教示と御助言を賜り
ました千葉大学間島保教授、加藤秀雄教授、勝浦哲夫教授、千葉工業大学船見国
男教授に謹んで御礼申し上げます。そして、本研究を遂行するにあたり千葉大学浅
沼博准教授、糸井貴臣助教、魯云講師には貴重な御助言を頂き、深く感謝いたしま
す。
おわりに、本論文をまとめる場を与えて下さるとともに試料提供および実験に御協
力頂きました産業技術総合研究所先進製造プロセス研究部門難加工材成形研究グル
ープの多くの職員の皆様に感謝いたします。
127
著者の学術研究業績
1.学位論文に関連する公表論文
①S.Fudetani, S. Mizunari, M Horihata, Y. Torisaka a nd M. Hirohashi:Sup er’
Plastic Def()r皿ation Behavior in Mg・AI Moy, AZ91, Grain Re丘ned by
Isothelmaholling, ISIJ lnt., Vol.46, No.5,694−697(2006)
(2)鳥阪泰憲、筆谷秀一、広橋光治:恒温圧延により微細化されたMg−A1合金、AZ91D
板材の高温変形挙動、鉄と鋼、89巻10号、1071・1075(2003)
(3)鳥阪泰憲、筆谷秀一、広橋光治:恒温圧延により微細化されたMg・Al合金、AZ91D
板材の超塑1生挙動、鉄と鋼、90巻1号、21・26(2004)
(4)鳥阪泰憲、筆谷秀一、堀端眞彦、広橋光治:恒温圧延により微細化されたAZ91D
マグネシウム合金板材の超塑性挙動における異方性、鉄と鋼、91巻8号、
647−654(2005>
(5)S.Fudetani, S. Miz㎜ari, M. KatOh, M. Horihata, Y Torisaka and M.
H辻ohashi;Superplastic Flow at Elevated Temperatures血As−]2疋)丑ed AZ91
Sheet, ISIJ Int., Vol.47, Noユ1,1692・1698(2007)
2.講演発表
(1)Mg合金、 AZ91−Dの高温変形挙動
社団法人日本鉄鋼協会2001年第142回秋季講演大会2001年9月
筆谷秀一、広橋光治、鳥阪泰憲、加藤正仁 P1346
(2)Mg合金、 AZ91−Dの高温変形挙動
平成14年度(第33回)塑性加工春季講演会 2002年5月
鳥阪泰憲、筆谷秀一、加藤正仁、広橋光治 P387−388
(3)Mg合金、 AZ91・Dの高温変形挙動
社団法人日本鉄鋼協会2003年第145回春季講演大会2003年3月
筆谷秀一、広橋光治、鳥阪泰憲、加藤正仁 P556
128
3.参考論文
(1)石川宏美、筆谷秀一、広橋光治:アークイオンプレーティング法により作製した
窒化ケイ素薄膜の特性、表面技術、51巻7号、740・744(2000)
(2)石川宏美、筆谷秀一、広橋光治:アークイオンプレーティング法により作製した
窒化ケイ素薄膜の押込み硬さ、表面技術、51巻12号、1245・1249(2000)
(3)H. Ishikawa, S. Fudetar直, M.王丑rohashi:Mechar直cal Properties of Thin圃皿s
Measuエe d by Nanoindentters, Appl. Surf. Sci., Vo1.178,56・62(2001)
(4)糸井貴臣、矢野佑一郎、筆谷秀一、河村能人、広橋光治:急冷凝固Mgg7ZniRE2
合金の微細組織観察、軽金属、56巻10号、543−549(2006)
129
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