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ここまでできる! 顕微分光の最新分析事例 ~赤外・ラマン・UV/VIS/NIR

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ここまでできる! 顕微分光の最新分析事例 ~赤外・ラマン・UV/VIS/NIR
ここまでできる!
顕微分光の最新分析事例
~赤外・ラマン・UV/VIS/NIR~
日本分光の顕微分光システム
分光光度計
フーリエ変換赤外分光光度計
FT/IR-4000 and FT/IR-6000
紫外可視分光光度計 / 紫外可視近赤外分光光度計
V-700
顕微分光光度計
顕微紫外可視近赤外分光光度計
MSV-5000
レーザラマン分光光度計*)
NRS-4100/5000/7000
赤外顕微鏡 IRT-5200
マルチチャンネル赤外顕微鏡 IRT-7200
全自動赤外顕微鏡 IRT-7100
*) オプションでマクロ測定が可能。
各顕微分光の測定原理と最小測定サイズ
測定原理
赤外
測光方式
赤外光(波数4000~400 cm-1領域)を
物質に照射し、分子の振動や回転運 透過
動により得られる物質固有の吸収パ
ターン(IRスペクトル)を解析することで、
物質の分子構造・定性・定量分析など 反射
が行う。
最小測定サイズ
約5 μm
約5 μm
約2 μm
ATR
ラマン
UV/Vis/NIR
入射光に対して分子の振動エネル
ギー分だけシフトしたラマン散乱光を
観測する。
1μm以下
散乱
UV/Vis光(波長200~1000 nm)を物
質に照射し、吸収を測定する。NIR光 透過
(波長1000~2700 nm)を物質に照射
し、赤外の倍音を測定する。
反射
[顕微分光のメリット]
 微小領域の測定が可能
 マッピング(イメージング)測定が可能
約10 μm
約10 μm
赤外
赤外顕微鏡を利用した多層フィルム中の異物の分析
[結果と考察]
[目的]
赤外顕微鏡(IRT-5200)を利用
して多層フィルム内の異物の同
定を行う。
- ABS 樹脂 (アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン)
- 異物部
[方法]
4000
スライサーで異物部の断面を切る
異物を含んだ断面切片
これをKBrプレート法でサンプリングし
顕微透過測定を行う。
3600
3200
2800
2400
2000
1600
1200
800
得られたスペクトルをデータベースを用い
て解析した結果、異物はABS樹脂である
ことが判明した。
赤外 赤外顕微鏡と観察型ATRを組合せた測定例
[結果と考察]
[目的]
塗膜上の異物を観察型ATRとスマー
トマッピング機能を利用し測定し、得
られた結果から異物の同定を行う。
50 mm
観察画像
(密着前)
[方法]
観察画像
(密着後)
イメージング
0.2
塗膜
Abs
異物
4000
スマートマッピングの概念
検出器
対物鏡
測定領域
:MCT検出器
:ATR-5000SD
:160×160 µm
2000
Wavenumber [cm-1]
900
データベース(PE)
差スペクトル(異物 - 塗膜)
異物はポリエチレンであることが確認で
きた。
ラマン ラマン顕微鏡を利用した微小試料の同定
[結果と考察]
[測定例②] 異物
[目的]
NRS-5100はサブミクロンの微小領域や埋
没した異物の分析に威力を発揮する。ここ
では①微小ビーズの同定、②埋没異物の
同定を行った。
透明電極(ITO)
ガラス基板
サンプル: 埋没異物
励起波長:532 nm
[方法]
[測定例①]
サンプル: 微小ビーズ
励起波長:532 nm
1μm
2μm
異物の顕微画像
855
-CH3
850
Int.
Int.
-C-C-
845
843
3050
2000
Raman Shift [cm-1]
800
直径1 μmのポリスチレンビーズの測定例
微小試料での測定が可能であることが確認で
きた。
3600 3000
2000
1000
100
埋没異物
異物はポリエチレンであることが確認できた。
ラマン
ラマン顕微鏡を利用した粒子の同定
[結果と考察]
[目的]
NRS-4100のサンプルサーチ機能に
より、画像のコントラストや粒子の大き
さより、粒子や異物の場所を自動的に
認識し、測定する。
[方法]
酸化チタン・トリステアリン
Int.
硫酸バリウム
酸化チタン
トリステアリン
3900
サンプルサーチ機能により16箇所の粒
子が検出された。検出された個所のラマ
ンスペクトルを測定した。
励起波長:532 nm
3000
2000
1000
-1
Raman Shift [cm ]
100
16点のスペクトルの特徴から、10点が酸
化チタン(アナターゼ型)、2点が硫酸バリ
ウム、2点がトリステアリン、2点が酸化チ
タンとトリステアリンの混合物と判明した。
ラマン ラマン顕微鏡によるポリマー中の異物粒子3Dイメージング
[目的]
透明なフィルム中に分散した異物粒
子を3Dイメージングにより評価した。
[結果と考察]
TiO2
(アナターゼ型)
[方法]
透明なフィルム40×40×90µmの領域
を3Dイメージング測定した。結果を多
変量解析を用いて分析し、得られた主
成分スペクトルをデータベース検索し
た。異物粒子の3D分布を可視化した。
Si
青: Si 、緑: 酸化チタン
励起波長 532 nm 測定時間 約15分
4D図
スライス表示
大きさ数μmの粒子の3次元的な分布を可視
化した。
紫外/可視/ 紫外可視近赤外顕微鏡を利用した微小領域の測定
近赤外
[結果と考察]
[測定例②]
[目的]
微小領域の膜厚測定および反射・透過特
性を評価した。ここでは①Si基板上の
SiO2自然酸化膜を多層膜解析を用いて
解析②レンズの透過特性評価定を行っ
た。
測定箇所
[方法]
[測定例①]
スポットサイズ10μm
小型レンズ(1mm)
Ti膜が載ったSi基板
測定結果
10 mm
フィッティング曲線
→ 膜厚 = 7.6 nm
透過率
反射率
紫外/可視/紫外可視近赤外顕微鏡によるボルボックス内部のマッピング測定
近赤外
[目的]
ボルボックス内部は娘群体を持つ
ために細胞密度に偏りを生ずる。
その分散状態をマッピング測定に
て評価した。
[結果と考察]
672 nm
[方法]
スライドガラスにボルボックスを含む水を滴下し乾燥
した。
ボルボックスの吸収スペクトル
(スペクトル測定条件)
紫外可視バンド幅:5.0 nm
走査速度:1000 nm/min
レスポンス: Quick
データ取込間隔:1 nm
カセグレイン対物鏡:16 倍
アパーチャ: 50 mmf
(マッピング測定条件)
測定モード:格子測定
測定波長:672 nm
レスポンス: Fast
バンド幅:2 nm
カセグレイン対物鏡:16 倍
アパーチャ: 30 mmf
測定間隔:30 mm
観察画像
ボルボックス観察画像
マッピング測定結果
(ピーク高さ 672nm)
観察画像で細胞が密集している部分と、
吸光度が増大する場所が一致している様
子が確認できた。
近接場
近接場分光と顕微分光の表面分布測定例
[結果と考察]
[目的]
CdSe/ZnS量子ドット(Qdot-655)を、
更に微小な領域の測定ができる近接場
分光システムで表面分布状態を評価した。
近接場分光
顕微分光
Z 分解
1 μm
Z 分解
0.1 μm
Qdot10nm
PVA
[方法]
ガラス
スライドガラスにPVA(ポリビニルアル
コール)に混ぜたCdSe/ZnS量子ドット
(Qdot-655)を滴下し乾燥させた。
表面にある量子ドット
のみを測定
下の埋まっている量子
ドットまで測定
2
Y〔um〕
2
Y〔um〕
Qdot-655
PVA
Qdot-655
0
Qdot
100nm
0
0
X〔um〕
2
0
X〔um〕
2
PVA
ガラス
Z分解の高い近接場分光を使うことで
表面にある量子ドットを確認できた。
まとめ
顕微分光システムとは
顕微鏡と分光器を組合せ微小領域のスペクトルを測定するシステム。
(:赤外 ~数 μm :ラマン1μm以下 :UV/VIS/NIR ~10 μm)
顕微分光システムでできること
微小領域のスペクトルのみならず、マッピング測定による分布評価が可能。
ラマン顕微鏡による測定実演中。
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