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北海道の「仕事と家庭の両立支援」の状況
北海道の「仕事と家庭の両立支援」の状況 1 就業者に占める女性の割合は4割を超え、「なくてはならない労働力」へ 総務省の労働力調査によると、北海道においては、女性の就業者数はほぼ横ばいで推移していますが、平 成15年に41.0%であった女性就業者の総就業者に占める割合は、平成25年には43.1%と2.1ポイ ント上昇しています。 平成25年の女性の年齢階層別労働力率(15歳以上人口に占める労働力人口)を見ると、北海道におけ るM字型カーブの左右のピークは25~29歳(71.3%)と45~49歳(75.6%)で、全国と同一 の年齢階層となっていますが、どちらも全国より低く、特に25~29歳の差は大きくなっています。また M字のカーブは、平成15年、平成20年に比べると緩やかになっています。 北海道の就業者数 (総務省労働力調査) 万人 男性就業者 250 42.9% 女性就業者 総就業者に占める女性の比率(%) 43.1% 42.9% 42.8% 42.9% 42.7% 43.0% 42.3% 200 154 157 150 41.9% 155 153 149 149 150 42.5% 148 147 146 145 41.8% 41.7% 41.0% 100 0 109 111 111 110 112 112 110 110 111 109 40.5% 110 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 北海道の女性の労働力率 (平成25年総務省労働力調査) 79.0% 80% 70.1% 70.1% 70.2% 71.3% 67.3% 69.6% 70.3% 60% 42.0% 41.5% 41.0% 50 43.5% 73.1% 70.3% 76.1% 75.6% 北海道 40.0% 39.5% 全国 74.9% 66.5% 70.4% 62.4% 47.4% 40% 20% 42.3% 17.5% 13.8% 15.6% 10.3% 0% 15~19歳20~24歳25~29歳30~34歳35~39歳40~44歳45~49歳50~54歳55~59歳60~64歳 65歳以上 - 1 - 北海道の女性の労働力率の推移 (総務省労働力調査) 80% 70% 70.2% 71.3% 67.3% 70.1% 70.3% H25 H15 80% 75.6% 70.4% 70% 62.4% 60% 60% 50% 50% 42.3% 40% 30% 40% 30% 20% 10% H20 20% 17.5% 10.3% 0% 10% 0% 15~19歳 20~24歳 25~29歳 30~34歳 35~39歳 40~44歳 45~49歳 50~54歳 55~59歳 60~64歳 65歳以上 - 2 - 2 仕事と育児の両立を支援する育児休業制度の普及状況 就業規則等における育児休業などの規定率は、両立支援の普及状況の目安となりますが、平成25年度労 働福祉実態調査(道経済部)によると、調査回答事業所における育児休業制度の規定率は64.9%となって います。 また、育児休業制度の利用率は41.1%となっており、男女別では、男性2.0%、女性89.4%で、男 性の利用は進んでいない状況です。 育児休業制度の規定率を従業員規模別に見ると、従業員「300 人以上」では98.0%となっていますが、 規模の大きさに比例し割合は低くなり、「5~9人」では36.4%と大きな開きがあります。 業種別に見ると、「運輸・郵便」、「金融・保険」、「医療・福祉」、「教育・学習支援」、「製造」で は7割を超えていますが、「宿泊・飲食サービス」、「生活関連サービス・娯楽」では5割を下回っており 取組に遅れが見られます。 規定あり 女性常用労働者の割合 育児休業制度の規定のある事業所 (平成25年度労働福祉実態調査(道経済部)) 100% 80% 84.4% 70.1% 66.7% 60.9% 60% 84.4% 52.3% 95.8% 98.0% 80.1% 76.5% 78.9% 64.3% 65.4% 50.0% 42.9% 44.4% 61.6% 64.9% 36.4% 40% 20% 0% 建設 製造 情報 運輸・ 卸売・ 金融・ 不動 通信 郵便 小売 保険 産・物 品賃 貸 学術 宿泊・ 生活 教育・ 医療・ サービ 研究、 飲食 関連 学習 福祉 ス 専門・ サービ サービ 支援 技術 ス ス・娯 サービ 楽 ス 育児休業制度の利用状況 (平成25年度労働福祉実態調査(道経済部)) 100% 89.4% 80% 60% 41.1% 40% 20% 2.0% 0% 男性 女性 全体 - 3 - 5~9 10~ 30~ 100~ 300人 人 29人 99人 299人 以上 計 3 育児しながら働くことを容易にする短時間勤務制度などの普及状況 少子高齢化が進む中で、男女がともに仕事と子育てなど家庭の両立を進めるためには、短時間勤務制度、 フレックスタイム制など、子どもを育てながらでも働きやすいといった柔軟な勤務制度や多様な就業形態が 注目されています。 平成25年度労働福祉実態調査(道経済部)によると、「育児のための勤務時間短縮等の措置」を規定し ている事業所は55.9%となっています。 業種別に見ると、「運輸・郵便」、「金融・保険」、「医療・福祉」の規定率が高く、育児休業制度と同 様に、「宿泊・飲食サービス」、「生活関連サービス・娯楽」の規定率は低くなっています。 規定あり 育児のための措置(勤務時間短縮など)規定のある事業所 女性常用労働者の割合 (平成25年度労働福祉実態調査(道経済部)) 100% 80% 60% 89.8% 94.1% 80.0% 75.6% 60.6% 62.5% 52.7% 57.7% 40.1% 40% 71.7% 58.8% 40.9% 69.9% 58.5% 33.3% 33.3% 50.9% 55.9% 28.3% 20% 0% 建設 製造 情報通 運輸・ 卸売・ 金融・ 不動 学術研 宿泊・ 生活関 教育・ 医療・ サービ 信 郵便 小売 保険 産・物 究、専 飲食 連サー学習支 福祉 ス 品賃貸 門・技 サービ ビス・ 援 術サー ス 娯楽 ビス 5~9人10~2930~99 100~ 300人 人 人 299人 以上 計 ※育児・介護休業法により、事業主は3歳に満たない子を養育する労働者について、労働者が希望すれば利 用できる短時間勤務制度を講じることが義務づけられ、また、子の看護休暇は、小学校就学前の子が1人で あれば年5日、2人以上であれば年10日まで取得できることになっています。 - 4 - 4 育児を容易にする両立支援の取組状況 平成25年度労働福祉実態調査(道経済部)によると、育児休業制度、育児のための勤務時間短縮などの 措置や育児を理由とした再雇用制度のほかの、子を持つ労働者のための両立支援の取組の実施率は41.2% となっています。 取組内容を見ると、「子を看護するための休暇」(64.6%)が最も多く、次いで「深夜業・時間外労働 の制限等勤務への配慮」(63.8%)、「1歳以上でも育児休業を認める」(35.2%)となっていま す。 取組実施 女性常用労働者の割合 子を持つ労働者のための両立支援の取組状況 100% (平成25年度労働福祉実態調査(道経済部)) 80% 60% 39.5% 40% 42.0% 44.0% 36.4% 32.5% 54.7% 55.6% 42.3% 41.2% 32.1% 26.3% 31.8% 52.2% 51.5% 60.0% 58.0% 41.2% 38.4% 24.6% 20% 0% 建設 製造 情報通 運輸・ 卸売・ 金融・ 不動 学術研 宿泊・ 生活関 教育・ 医療・ サービ 信 郵便 小売 保険 産・物 究、専 飲食 連サー 学習支 福祉 ス 品賃貸 門・技 サービ ビス・ 援 術サー ス 娯楽 ビス 5~9人10~29 30~99 100~ 300人 人 人 299人 以上 計 子を持つ労働者のための両立支援の取組内容 (平成25年度労働福祉実態調査(道経済部)) 4.5% 職業家庭両立推進者の選任 9.5% 転勤についての配慮 3.0% 保育費経費の助成等保育支援 64.6% 子を看護するための休暇 63.8% 深夜業・時間外労働の制限等勤務配慮 24.4% 3歳以上でも勤務時間短縮等を認める 35.2% 1歳以上でも育児休業を認める 41.2% 取組実施事業所 0% 10% 20% - 5 - 30% 40% 50% 60% 70% 5 仕事と介護の両立を支援する介護休業制度の普及状況 平成25年度労働福祉実態調査(道経済部)によると、介護休業制度の就業規則などでの規定率は56. 8%となっています。 従業員規模別に見ると、従業員「300 人以上」では98.0%となっていますが、規模の大きさに比例し割 合は低くなり、「5~9人」では25.2%と大きな開きがあります。 業種別に見ると、「金融業・保険」、「運輸・郵便」、「医療・福祉」の規定率は7割以上となっていま すが、育児休業制度の規定率に比べ総体的に低くなっており、介護休業制度についても就業規則などで定 め、社員が制度を利用しやすい環境にしていくことが必要です。 介護休業制度の規定のある事業所 介護休業規定あり 女性常用労働者の割合 (平成25年度労働福祉実態調査(道経済部)) 100% 80% 60% 82.2% 77.3% 52.2% 61.5% 62.5% 57.7% 43.4% 40% 63.3% 31.8% 32.7% 72.2% 90.8% 98.0% 73.6% 58.3% 56.8% 52.5% 44.4% 25.2% 20% 0% 建設 製造 情報通 運輸・ 卸売・ 金融・ 不動 学術研 宿泊・ 生活関 教育・ 医療・ サービ 信 郵便 小売 保険 産・物 究、専 飲食 連サー学習支 福祉 ス 品賃貸 門・技 サービ ビス・ 援 術サー ス 娯楽 ビス 5~9人10~2930~99 100~ 300人 人 人 299人 以上 計 ※育児・介護休業法により、事業主は、要介護状態の対象家族を介護する労働者が、その対象家族を介護す るために請求した場合においては、要介護状態の対象家族が1人であれば年5日、2人以上であれば年10 日まで休暇を取得できることになっています。 6 育児・介護を理由に退職した労働者の再雇用制度 平成25年度労働福祉実態調査(道経済部)によると、育児・介護を理由に退職した労働者の再雇用制度 を導入している事業所は 17.8%となっており、まだ取組が進んでいない状況です。 従業員規模別に見ると、あまり大きな差がなく、従業員「30~99 人」が21.9%で最も高く、次いで 「10~29 人」が20.6%で続いています。 業種別では、「医療・福祉」(28.6%)、「運輸・郵便」(27.9%)で比較的高い割合となってい ます。 育児・介護を理由に退職した労働者のための再雇用制度の規定のある事業所 (平成25度労働福祉実態調査(道経済部)) 規定あり 女性常用労働者の割合 80% 60% 40% 20% 0% 27.9% 19.9% 20.6% 14.5% 4.2% 建設 8.9% 4.5% 19.2% 13.2% 11.1% 10.2% 28.6% 14.8% 製造 情報通 運輸・ 卸売・ 金融・ 不動 学術研 宿泊・ 生活関 教育・ 医療・ サービ 信 郵便 小売 保険 産・物 究、専 飲食 連サー 学習支 福祉 ス 品賃貸 門・技 サービ ビス・ 援 術サー ス 娯楽 ビス - 6 - 12.6% 20.6% 21.9% 18.2% 9.8% 5~9人10~2930~99 100~ 300人 人 人 299人 以上 17.8% 計