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第6回 植物炭疽病菌 (1)

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第6回 植物炭疽病菌 (1)
Microbiol. Cult. Coll. 25(1)
:27 ─ 32, 2009
連載「農業関連微生物」
第 6 回 植物炭疽病菌(1)
佐藤豊三 1)*,森脇丈治 2)
独立行政法人農業生物資源研究所ジーンバンク 〒305-8602 茨城県つくば市観音台 2-1-2
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センター北陸研究センター
〒943-0193 新潟県上越市稲田 1-2-1
1)
2)
Causal Fungi of Plant Anthracnose (1)
Toyozo Sato1)*, Jouji Moriwaki2)
National Institute of Agrobiological Sciences, 2-1-2 Kannondai, Tsukuba, Ibaraki 305-8602, Japan
2)
National Agriculture and Food Research Organization, National Agricultural Research Center,
Hokuriku Research Center, 1-2-1 Inada, Joetsu, Niigata 943-0193, Japan
1)
1.はじめに
2.炭疽病菌の宿主植物
「炭疽病菌」と聞いて生物兵器や 2001 年のアメリカ
日本植物病名目録(日本植物病理学会,2000)に掲
同時多発テロ事件直後に起きたバイオテロリズムを思
載されている「炭疽病」の数は約 240 件であり,同追
い出された方は少なくないのではなかろうか.しかし,
録(日本植物病理学会,2008)の 79 件を含めると優
その時刺客として標的に送り込まれたのは,人畜の炭
に 300 件を超える.病原の有性(Glomerella 属)
,無
疽(炭疽症)の病原細菌 Bacillus anthracis であり(ハー
性(Colletotrichum 属)時代別に見ると,前者による
ト,2006)
,ここで取り上げる植物炭疽病菌とは別物
ものが約 70 件,後者によるものが約 290 件で,1 つ
である.植物炭疽病菌は Glomerella 属(有性時代)
の病害で両時代が確認されている場合もある.ただし
あるいは Colletotrichum 属(無性時代)に所属する
両属菌による病害でも歴史の古いものは必ずしも病名
子のう菌系の真菌であり,様々な植物にいわゆる「炭
が炭疽病とは限らず,また,炭疽病と呼ばれている病
疽病」を引き起こすが,人畜にはまったく感染しない
害でも病原が両属菌以外のこともある.前者では,
のでご安心頂きたい.この菌群による病害は,その代
Glomerella tucumanensis によるサトウキビ赤腐病,
表的病徴が人畜の炭疽(英語:Anthrax=ギリシャ語
Glomerella cingulata に よ る チ ャ 赤 葉 枯 病 お よ び
で「黒」
)を連想させる暗褐色ないし黒色のかさ蓋〜
Colletotrichum acutatum と G. cingulata によるブド
潰瘍状の病斑(炭疽症状=anthracnose)であること
ウ晩腐病(苦腐病)などが,後者では Microdochium
から,一般に炭疽病と呼ばれ,病原菌も炭疽病菌と総
lunatum によるサボテン炭疽病(痘瘡病),Discula
称されている(小林,1993)
.炭疽病菌は植物病原菌
platani によるスズカケノキ炭疽病などが典型例であ
類の中でも加害する作物の範囲が極めて広く,潜在感
る.いずれにせよ,宿主植物と病徴が異なれば病原が
染によりポストハーベスト(流通・市場)病害を引き
同じでも 1 つの病名が与えられるので,我が国では
起こすため,古くから植物病理学・作物保護学的な観
300 種以上の植物に炭疽病が発生していることにな
点 か ら 研 究 が 盛 ん で あ る(Bailey & Jeger, 1992;
る.毎年学会や論文で新たな植物の炭疽病が発表され
Prusky et al., 2000)
. 本 稿 で は, 日 本 産
ていることから(日本植物病理学会,2008),今後も
Colletotrichum 属菌を中心として炭疽病菌の病原性と
この数字は継続的に増えていくものと予想される.
形態などについて概説する.
炭疽病菌の宿主植物を作物別に見ると,幸いにして
イネに病原性を持つ種は知られていないが,野菜・果
*Corresponding author
樹・花き類といった園芸作物をはじめ,サトウキビな
E-mail: [email protected]
どの特用作物,および牧草・芝草や樹木類に至るまで
─ 27 ─
植物炭疽病菌(1)
佐藤豊三,森脇丈治
広範囲にわたっている(表 1)
.また,
報告は少ないが,
を起こす両菌の国内分布を調査する必要があろう.一
雑草を含む野生植物にも寄生する種が知られ(日本植
方,筆者らが関わった炭疽病の壊滅的被害の例として,
物病理学会,2000, 2008)
,北米ではマメ科雑草のアメ
九州南部におけるダイコン炭疽病がある.特に 1998
リカクサネムを駆除するために特異的病原性を持つ炭
年,宮崎県の被害が著しく,8 月露地畑に播種された
疽
菌 Colletotrichum gloeosporioides f. sp.
加工用ダイコンの苗が秋雨の頃次々と溶けるように腐
aeschynomene の胞子を利用した微生物除草剤も開発
敗・消滅し,産地全体の播種し直しにまで発展した(図
されている(Daniel et al., 1973)
.
1G).この被害をもたらした病原菌は,従来から知ら
病
れ て い た ア ブ ラ ナ 科 の 炭 疽 病 菌 Colletotrichum
3.炭疽病菌による被害
higginsianum とは別種の Colletotrichum dematium
炭疽病菌が引き起こす様々な病変(=病徴)は,茎・
であった(Sato et al., 2005; 図 2I).以上のように,
葉・花弁・果実上の暗色壊死斑,葉枯,茎枯,花枯,
同じ作物に複数種が炭疽病を起こす例は他にもあり
果実腐敗,新梢枯,苗腐敗など主に植物の地上部に現
(佐藤ら,1998; 山本ら,1999; 表 1),それらの殺菌剤
れる(図 1A 〜 G)
.これらの壊死斑や枯死部表面に
感受性の差異を考慮すると,適切な防除対策を講じる
は同心円状の輪紋が伴うことがあり(図 1B),また,
上で病原の種同定は不可欠である.
多湿条件においてしばしば小黒点が密生しそこから乳
白色あるいは鮭肉色〜橙色の粘塊が生じる(図 1B, F,
4.炭疽病菌の形態
H)
.Colletotrichum coccodes によるナス科野菜類の
炭疽病菌の有性時代 Glomerella 属菌の有性胞子形
黒点根腐病では,例外的に根が褐色に腐敗し表面に小
成器官である子のう果は宿主組織内に形成されるかあ
黒点が生じて細根が脱落する.冒頭で触れたとおり,
るいは裸出し,単独で生じるか菌組織の中に群生する
炭疽病菌の重要な生態的特性の一つとして潜在感染が
子のう殻である.子のう殻は球形ないし卵形で,孔口
ある(Prusky & Plumbly, 1992; 小林,1993)
.収穫時
を 持 ち 扁 平 な 有 色 細 胞 か ら な る 壁 で 被 わ れ る(図
には外見上まったく健全な果実などでも,炭疽病菌が
2A).内部で胞子が生じる子のうという袋状の器官は
潜在感染していると流通・貯蔵中の環境条件が発病に
細長く円筒形,一重壁で頂部は丸く,8 胞子を内包し,
好適になった時,壊滅的な被害が発生することも少な
側糸を伴うことがある(図 2B).子のう胞子はだ円形
くない.最近もてはやされている無農薬バナナを自宅
または紡鍾形でやや湾曲し,単細胞,無色透明(図
で追熟させていたら,皮の一部分が黒変しその上にオ
2C).代表的な多犯性種である G. cingulata のサイズ
レンジ色の粘塊が現れたという現象などは潜在感染の
は,子のう殼直径:85 〜 300 μm,子のう:35 〜 80×
好例である(図 1D)
.このように,炭疽病菌は植物の
8 〜 14 μm,子のう胞子:9 〜 30×3 〜 8 μm とか
生活史全般にわたり感染し発病させる可能性を持って
なり変異幅が広い.
おり,ポストハーベストの被害が大きい園芸作物では
無性時代 Colletotrichum 属菌の無性胞子形成器官
特 に 恐 れ ら れ て い る( 田 中,1990; Snowdon, 1990,
である分生子果は円盤状ないし皿状の分生子層で宿主
1991)
.
の角皮下,表皮中あるいは表皮下に形成され,孤生す
我が国で発生する炭疽病の中でもイチゴに対する被
るか複数融合して大型となる(図 2D).薄壁または厚
害が近年急速に広がっており,年間被害額は 35 億円,
壁の細胞からなる多角菌糸組織でできており,不規則
防除に要する薬剤費は 5 億円と推定されている(奈良
に裂開する.種により菌核が培地中に形成され,暗褐
県農業総合センター)
.イチゴには G. cingulata と C.
色ないし黒色,しばしば合体し剛毛を有することもあ
acutatum の 2 種が炭疽病を起こし,前者は根冠部を
る.分生子層または菌核の剛毛は褐色,表面平滑,隔
侵して植物全体のしおれや枯死を起こすため,以前か
膜があり,先端は尖る(図 2E)
.無性胞子を着生する
ら問題視されてきた(図 1F)
.しかし,海外では低頻
分生子柄は無色透明ないし褐色,隔壁を持ち基部での
度ながら後者も同様の被害を引き起こすことが報告さ
み分枝し表面平滑,分生子層の上部に林立する(図
れていた(Howard et al., 1992; Paredes et al., 2002).
2E).分生子形成細胞は内出芽フィアロ型,無色透明,
そして,つい最近北海道でもイチゴにしおれを起こす
表面平滑,伸長せず円筒形,束生あるいは単生(図
C. acutatum の菌系が見つかった(三澤ら,2008).
2E).分生子は無色透明,単細胞(ただし,発芽直前
両菌の殺菌剤感受性には明瞭な差異が知られていると
を除く),種により紡錘形,円筒形または鎌形,表面
ころから(佐藤,1996)
,今後イチゴにしおれや枯死
平滑,薄壁,時に油滴を持ち,無突起あるいは先端部
─ 28 ─
Microbiol. Cult. Coll. June 2009
Vol. 25, No. 1
表 1 日本産炭疽病菌とその宿主植物
種 名
宿主植物
リンゴ,ブドウ,ウメ,モモ,カキ,イチゴ,トマト等
*1 Colletotrichum acutatum J.H. Simmonds
ウメ,メロン,シンビジウム,カトレヤ,クンシラン等
C. boninense Moriwaki, Toy. Sato &
*2
Tsukib.
カボチャ,キク,ハイビスカス,トウガラシ,パパイア,
*3 C. capsici (Syd.) E.J. Butler & Bisby
スターチス,ポインセチア等
センチピートグラス,ハリシバ,ノシバ,スズメノヒエ類
*4 C. caudatum Peck
ネギ,タマネギ
*5 C. circinans (Berk.) Voglino
ジャガイモ,トマト,トウガラシ,ナス等
*6 C. coccodes (Wallr.) S. Hughes
コーヒーノキ
7 C. coffeanum F. Noack
ツナソ
8 C. corchori Pavgi & U.P. Singh
アマリリス,アオキ
*9 C. crassipes (Speg.) Arx
*10 C. dematium (Pers.) Grove
ダイコン,ヤブラン,ブナ,ナルコユリ等
11 C. dematium f. spinaciae (Ellis & Halst.) ホウレンソウ,テンサイ
Arx
*12 C. destructivum O'Gara
ニセアカシア,アカクローバ,シロクローバ,コマツナ,ストック,
キンギョソウ,ホオズキ,オミナエシ等
13 C. elasticae Tassi
インドゴムノキ
14 C. euryae Sawada
ヒサカキ
15 C. fuscum Laubert
ジギタリス
*16 C. gloeosporioides (Penz.) Penz. & Sacc.
リンゴ,ブドウ,ウメ,モモ,カキ,イチゴ,クリ,マンゴー,
グアバ,カンキツ,シクラメン等
17 C. graminicola (Ces.) G.W. Wilson
コムギ,トウモロコシ,チモシー,オーチャードグラス等
18 C. hibisci Pollacci
ケナフ
*19 C. higginsianum Sacc.
ハクサイ,コマツナ,カブ,ダイコン,ワサビ等
20 C. hydrangeae Sawada
アジサイ
21 C. liliacearum Ferr.
ユリ類,ギボウシ類,ハラン,エビネ等
22 C. lilii Plakidas ex Boerema & Hamers
オモト
*23 C. lindemuthianum (Sacc. & Magnus)
インゲンマメ
Briosi & Cavara
24 C. lini Manus & Bolley
アマ
*25 C. malvarum (A. Braun & Casp.) Southw.
タチアオイ
26 C. medicaginis-denticulatae Sawada
バークローバ
*27 C. musae (Berk. & M.A. Curtis) Arx
バナナ
28 C. nigrum Ellis & Halst.
バラ
*29 C. orbiculare (Berk. & Mont.) Arx
メロン,カボチャ,スイカ,キュウリ,ガーベラ等
30 C. panacicola Nakata & S. Takim.
チョウセンニンジン
31 C. pekkinensis Katsura
ボウマ
32 C. phaseolorum S. Takim.
アズキ
33 C. rhoinum Tassi
ウルシ
*34 C. sansevieriae M. Nakamura & M. Ohzono
チトセラン
35 C. sasicola I. Hino & Katum.
ササ類
36 C. sophorae-japonicae Hara
エンジュ
37 C. sublineolum Henn.
モロコシ
*38 C. theae-sinensis (Miyake) Yamam.
チャ
39 C. trichellum (Fr.) Duke
キヅタ類
*40 C. trifolii Bain
アカクローバ,シロクローバ,アルファルファ
*41 C. truncatum (Schwein.) Andrus & W.D. ダイズ,スイートピー,ネムノキ,クリスマスローズ類等
Moore
42 C. villosum Weimer
ヘヤリーベッチ
*43 Glomerella cingulata (Stoneman) Spauld.
カキ,ウメ,ナシ,イチゴ,チャ,イチジク,サザンカ,
& H. Schrenk (C. gloeosporioides)
セイヨウナシ,ドラセナ,ポトス,シンビジウム等
*44 G. glycines Hori
コモンベッチ
45 G. gossypii Edgerton (C. gossypii Southw.)
ワタ
46 G. ricini Hemmi & Matuo
ヒマ
47 G. salicina (Hara) Fukushi & Yamam.
コリヤナギ
*48 G. tucumanensis (Speg.) Arx & E. Müll.
サトウキビ,メダケ類
*:農業生物資源ジーンバンクに菌株が有る種,ボールド学名は通用種,その他は要検討種
─ 29 ─
植物炭疽病菌(1)
佐藤豊三,森脇丈治
図 1 植物炭疽病菌による病徴・標徴
  A:Colletotrichum destructivum(C. higginsianum)によるチンゲンサイ葉の斑点
  B:Colletotrichum acutatum によるトルコギキョウ茎の壊死斑,分生子塊
  C:Colletotrichum gloeosporioides によるモモ果実の陥没斑,分生子塊
  D:Colletotrichum musae によるバナナ果実の壊死斑,分生子塊
  E:C. gloeosporioides によるデンドロビウムの葉枯,黒点状の分生子層
  F:Glomerella cingulata によるイチゴのしおれ,株枯
  G:Colletotrichum dematium によるダイコン苗の腐敗,欠株
  H:ダイコン病斑上の C. dematium の分生子層,分生子塊(スケールバー:1 mm)
に長い細胞性の付属糸を持つものがある(図 2E 〜 I,
2I).G. cingulata の 無 性 時 代 で あ る C.
K)
.分生子の発芽管や菌糸の先端部にしばしば褐色
gloeosporioides の分生子と付着器の大きさはそれぞれ
で厚壁の付着器が形成され,その形態は種によって全
12 〜 22×4 〜 6 μm,6 〜 20×4 〜 12 μm であり変
縁,鈍鋸歯状あるいは不規則な周縁を呈し,単生する
異に富んでいる.この他,厚壁胞子(図 2J)を持つ
かまたは繰り返し発芽して多くの連鎖を生じる(図
種も知られている.
─ 30 ─
Microbiol. Cult. Coll. June 2009
Vol. 25, No. 1
図 2 植物炭疽病菌の形態(スケールバー:20 μm)
A:Glomerella cingulata の子のう殻
B:G. cingulata の子のう
C:G. cingulata の子のう胞子
D:Colletotrichum acutatum の分生子層縦断面
E:Colletotrichum orbiculare の分生子層(S:剛毛,P:分生子形成細胞,C:分生子)
F:C. acutatum の分生子
G:Colletotrichum gloeosporioides の分生子
H:Colletotrichum caudatum の分生子
I:Colletotrichum dematium の付着器(A)
,分生子(C)
J:Colletotrichum destructivum の厚壁胞子
K:Colletotrichum echinochloae の付着器(A)
,分生子(C)
─ 31 ─
植物炭疽病菌(1)
佐藤豊三,森脇丈治
5.おわりに
http://www.ppsj.org/pdf/misc-tsuiroku081212.pdf
近年,炭疽病(菌)がどれくらい研究されてきたの
か確かめるため,
「anthracnose」
,
「Colletotrichum」,
Paredes, G., Santos, B. & Munoz, R. (2002). Effect of
different fungicides in the control of
「Glomerella」のいずれか 1 語以上をキーワードとし
Colletotrichum acutatum, causal agent of
て書かれた論文を CAB 文献データベース(1973 〜
anthracnose crown rot in strawberry plants. Crop
2009 年 2 月)により検索したところ,6,200 件余りが
Prot. 21: 11-15.
ヒットした.ここ 35 年間,平均するとおよそ 2 日に
Prusky, D., Freeman, S. & Dickman, M.B. (2000).
1 報の割合で炭疽病(菌)に関する論文が公にされて
Colletotrichum. Host Specificity, Pathology, and
きたことになる.日本語などマイナー言語のみで書か
Host-Pathogen Interaction, APS Press, St. Paul.
れた報告は同データベースに収録されていないことを
Prusky, D. & Plumbly, R.A. (1992). Quiescent
考慮すると,おそらく毎日のように炭疽病菌の関連文
infection of Colletotrichum in tropical and
献が出ているといっても過言ではなかろう.いもち病
subtropical fruits. In Bailey, J.A. & Jeger, M.J.
は古くからイネの最重要病害として世界各地で多方面
(eds.), Colletotrichum: Biology, Pathology and
から研究されてきたが,
「rice blast(イネいもち病)」,
C o n t r o l , p . 289-307, C A B I n t e r n a t i o n a l ,
「Pyricularia( い も ち 病 菌 無 性 時 代 )
」あるいは
Waningford.
「Magnaporthe(有性時代)
」をキーワードとして同じ
佐藤豊三(1996).炭疽病菌の分類の問題点と同定法.
文献データベースを検索したところ,約 2,600 件ヒッ
植物防疫 50:273-280.
トしたのみであった.この結果と比較しても,炭疽病
(菌)はいもち病(菌)より多くの人々の様々な研究
佐藤豊三,植松清次,小金澤碩城(1998).日本産灰
色系 Colletotrichum acutatum によるリンゴ炭疽病
対象となってきたことが明らかであり,今後も重要病
の 発 生 と 他 植 物 由 来 の C. acutatum お よ び
原菌として多方面からのアプローチが予想される.
Glomerella cingulata のリンゴに対する病原性.日
菌報 39:35-44.
文 献
Sa t o , T ., Mut a , T ., I ma mur a , Y ., N o j im a, H.,
Bailey, J.A. & Jeger, M.J. (1992). Colletotrichum:
Moriwaki, J. & Yaguchi, Y. (2005). Anthracnose of
Biology, Pathology and Control, CAB International,
Japanese radish caused by Colletotrichum
dematium. J. Gen. Plant Pathol. 71: 380-383.
Waningford.
Daniel, J.T., Templeton, G.E., Smith Jr., R.J. & Fox,
Snowdon, A.L. (1990). A Colour Atlas of Post-Harvest
W . T . (1973). Biological control of no r t he r n
Diseases and Disorders of Fruits and Vegetables
jointvetch in rice with an endemic fungal disease.
vol. 1: General Introduction and Fruits, Wolf
Publishing Ltd., London.
Weed Sci. 21: 303-307.
Howard, C.M., Maas, J.L., Chandler, C.K. & Albregts,
Snowdon, A.L. (1991). A Colour Atlas of Post-Harvest
E.E. (1992). Anthracnose of strawberry caused by
Diseases and Disorders of Fruits and Vegetables
the Colletotrichum complex in Florida. Plant Dis.
vol. 2: Vegetables, Wolf Publishing Ltd., London.
田中寛康(1990).市場病害ハンドブック,日本植物
76: 976-981.
防疫協会,東京 .
小林享夫
(1993)
.Colletotrichum 属─植物炭そ病菌─.
トニー・ハート(2006).恐怖の病原体図鑑(中込 治,
防菌防黴誌 121:215-224.
訳),西村書店,東京.
三澤知央,栢森美如,堀田治邦(2008)
. Colletotrichum
山本 淳,佐藤豊三,富岡啓介(1999). Colletotrichum
acutatum による萎凋性のイチゴ炭疽病の発生.日
acutatum Simmonds ex Simmonds によるブドウ晩
植病報 74:82.
腐病の発生.日植病報 65:83-86.
日本植物病理学会(2000)
.日本植物病名目録,日本
(担当編集委員:青木孝之)
植物防疫協会,東京.
日本植物病理学会(2008)
.日本植物病名目録追録,
─ 32 ─
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