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アタマジラミとスミスリン抵抗性 皮膚病診療 31, 906-913.

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アタマジラミとスミスリン抵抗性 皮膚病診療 31, 906-913.
隅
臨床 医 の た め の皮 膚 病 総 含 雑 誌
Practical Derrnatology
V01331ぅ Noi 8(2000〉
http://www.hifubyoh‐ shinryohocom
L
皮膚病診療 :31(8)'906∼ 913,2000
日 ■ ■ ■ 阻 ■ ■ ■ ■ ■ 田 ■ ■ ■ ■ ■ 田 ■ ■ 田 ■ ■ ■ ■ 田 ■ ■ 口 四 田 口 ■ ■ ■ 田 ■ ■ ■ 田 ■ 田 ■ ■ 田 ■ ■ 田 ■ ■ ■ 田
アタマ ジラ ミとス ミス リ ン抵抗性
冨田
隆史
*
駒形
修
*
葛西
真治 *
κθ/随 rJs
ロ
レス
ド
イ
殺虫剤抵抗性 ,ピ
,ナ トリウムチ ャネル ,ア ミノ酸置換突然変異
はじめに
安全性 と卓効 が認め られ ,1980年 代 よりわが国
.
を含む先進国 で もっとも利用 されて きた ピレスロ
イ ド系 の駆除剤 に対 し,海 外 の先進国 ではピレス
ロイ ド抵抗性 が蔓延 していることが明 らかになっ
て きた。ピレスロイ ド系 の フェノ トリン(商 品名
ス ミス リン)を 有効成分 とす る製剤 とす き櫛 しかア
:
タマジラ ミ駆除手段 の選択肢 がないのがわが国の
現状である。現在 のアタマジラ ミによる被害 の規
模 ,駆 除剤 の有効性 の程度 ,抵 抗性 の 出現 を踏 ま
えた防除法 について考察す る
.
I.ア タマジラミの生態
ヒ トにのみ寄生す るシラミには3種 ある.主 に陰
協s,"う た)は 他 の2種 と
部 に寄生す るケジラ ミ(D肋 ゲ
施)と
θ
タチ
%sθ 砂 ゲ
は別属 であり,ア タマジ ラ ミ(P杉 冴ゲ
コロモ ジラ ミ(膨 冴た筋′
クsカ ク%α %傷 s)は 現在では同胞
ているが
種 と扱われ
,実 験的 には交雑可能 である。
.
ヒ トが着衣 を始める進化 の 中で ,ア タマジ ラ ミか
らコロモ ジラミが派生 したと考 えられており動,両
種 の分岐は72,000年 (± 42,000年 )前 と分子系統学的
に推定 されてい る0,世 界 の大多数 のアタマジラミ
とコロモ ジラ ミは , ミトコ ン ドリア ・ゲ ノム配列
に基づ くと1つ のクレー ドに属す るが ,こ れ らとは
配列上 の特徴 を異 にす るアタマ ジラ ミとコロモジ
ラミがサハ ラ以南のアフリカにり,ま た ,特 異 な配
*Tomita,Takashi(室 長)/Komagata,Osamu/砲
23-1)
906
s
,Shill」
i
列 をもつ アタマジ ラ ミが南北 アメ リカ大陸の一部
に分 布す る3).両 種 の関係 は入 り組 んでいる
コロモ ジラ ミは望壕熱 j回 帰熟 ,発 疹チ フス を
媒介す る.ア タマジラミの望壕熟媒介能力 は実験
的 に確 かめ られて いる.両 シラ ミ種 に同時感染 し
ていたネパ ールのス トリー ト・ チル ドレンが望壕
熱菌 (Bα ″οηια?"ゲ ガαηα)を 保有 していた例 があ
る。.米 国サ ンフランシスコ市 のホ ームレスにおけ
,′
る コロモ ジラ ミとアタマジ ラ ミの菫壕熟菌 の保有
を調査 した ところ ,ア タマジラ ミ寄生 の あった20
名 中3名 の アタマジラ ミか らその病原菌DNAが 検
出 されたことが2009隼 に報告 された。この3名 の 中
の1名 は同時にコロモ ジラミ寄生 もあったが ,残 り
の2名 はアタマジラミの単独寄生であった ことが確
かめ られている0,わ が国で も菫壕熟菌保有 とコロ
モジラミ寄生 はホームレスにみ られる。.し か しな
が ら ,学 童 ・園児 などとその家族 の 間で寄生 を繰
り返 しているアタマジラミが これ らの疾病 を媒介
す る恐れは小 さいと考 えられて い る働
.
アタマジ ラ ミの卵 のサ イズは直径 0.3mm・ 長 さ
08 mmで ある.卵 は頭皮直近 の頭髪 に産みつ けら
れ ,脂 肪酸付加 ア ミノ酸 を含む膠着物質 で頭髪 に
生 きた卵 は頭皮か ら6mm以 内
固定 されてい る
の ところにある0。 胚発生前期には卵 の色 は白色 か
9)。
ら黄 白色 にみ えるが ,後 期 には暗褐色 の複眼対 と
脚 が卵 の殻 を通 してみ えるようになる.卵 の期間
国立感染症研究所昆虫医科学部第二室 (〒 162-8640東 京都新宿区戸山1-
Vol.31,No.8
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ topics■
は平均8.5日 である10.卵 の抜 け殻は艶 がな く,上
部 にあった卵蓋 が失われている.死 卵 の胚 は黒化
し萎縮 してみえる。幼虫 は噌化後3回 脱皮 し,孵 化
後成虫 になるまでの期間は2つ の研究 10,1つ の平均 を
取 ると9.7日 である.こ のほかに も文献 により卵 と
幼虫 の発育 日数 には種 々の記載 があるが ,用 いた
コロニ ーや物理 的環境 の 違 いが影響 す ると考 え
があったかは ,頭 髪先端 の卵 の抜 け殻 の位置 と頭
髪伸長 の速度 (約 0.5Hlm/日 )か ら推定 できる.駆 除
の成功 を確 かめるためには ,頭 皮 か ら6mm以 内 に
生 きた卵 があるので ,そ の有無 を確 かめることは
理屈 の うえでは正 しいが ,実 際 にはむず か しい。
そ こで ,生 きたシラ ミがす き櫛で トラ ップされな
くなったことを連続 して確認す る ことが基本 とな
られ る。アタマジラ ミの体色 は灰褐色 で ,成 虫 は
大 きい もので約3.5mm,雌 のほ うが雄 よ りも大 き
いlD.ア メ リカ疾病対策 センター (CDC)の 指針 働
る.卵 の抜 け殻 が残 ってい ると判定が紛 らわ しい
ので ,そ れ らをあらか じめ取 り除 いて お くべ きで
によると,雌 成虫 の最長寿命 は30日 で ,1日 あた り
通常 のブラ ッシングと洗髪 にはシラ ミの予防効
果 がない。また ,洗 濯用洗剤 を使 った衣料 の水洗
最多で8個 の卵 を産むとされ る。 しか しなが ら,成
虫齢数 日以降 の若雌 が産卵 の ピークを示 し,そ の
後産卵数 は漸減す るり
ある。
いには ,卵 や シラ ミを殺す効果 があるとは確 かめ
Canyonら 10は どのような機会 にシラ ミが他人 に
られて いない。55℃ 以上 の熱風やお湯 で5分 問処理
こ殺す ことができる16,17).
す るとプロと幼 ・成虫 ともイ
うつ るか調 べ た。その結果 ,頭 同士 の直接接角虫が
主で ,器 物 を介 した間接接触 はめったにお きない
さらに衣料用乾燥機 の利用 は効果的 である。吸血
で きないシラ ミは1日 後 に も半数近 くが死亡 し,3
.
と結論 してい る。わが国で の直接接触 の機会 とし
て想定 され る場面 は ,砂 場遊び ,幼 児施設 での集
団昼寝 ,和 室で の家族同士での就寝 ,キ ャ ンプな
どがあげ られ る。問接接触 に関 しては ,首 や頭 に
角虫れ る衣料 ,枕 ・ シー トカバ ー ,ヘ ルメ ッ ト,タ
オル ,櫛 ,ヘ アブラシなどの共用 があげ られ る
プール 内での感染 が強 く疑われていたこともあ
.
ったが ,室 内での浸漬実験 とボランテ ィアを使 っ
た実地試験 によると ,そ の可能性は否定 されてい
る .シ ラ ミは頭髪 とともに水 中に短時間沈 める
と ,し っか りと頭髪 に しがみつ き ,動 きを止 めて
1→
`日
間絶食 させ ると生 き残れない。 したがって ,床
に落ちたシラミに対 して過剰 な注意 を払 う必要は
な く,電 気掃除機 による日常的な掃除 を行 うだけ
で十分 で ある0,ヘ ア ドライヤ ー による温風処理
は ,幼 ・成虫 は頭髪 の 中を逃 げ回 るために効果が
期待 で きないが ,卵 に対 しては ,あ る程度孵化 を
抑 えることがで きる10。 しか しなが ら, ドライヤ
ーによる温風処理 は ,生 卵 のある頭皮間近 に行わ
な くてはな らな いため ,火 傷 には十分注意が必要
である
ここ数年 ,ア タマジラ ミの被害 と対策 について
.
ぶ と気門 を閉 じ,か なり長時間 (少 なくとも6時 間)
頻繁 に報 じられ るよ うになった .1980∼ 1999年 度
は旧厚生省 による全 国統計 が行われ ていた.こ の
統計 は ,住 環境 に発生す る不快 ・衛生害虫全般 に
窒息せ ず に過 ごす ことができる151.
寄生 の確認 を頭 についた卵や シラ ミの 目視 で行
ついての調査 の一 部 として実施 されていたが ,省
庁再編 の際 に担当部局 が環境省 に移行 したことを
うことは ,寄 生数が少 ない際 はむず か しい .入 浴
後 でなければ水 の霧状 スプレー ,ク リーム リンス
契機 に行われな くなった。現在 では ,ア タマ ジラ
ミ罹患数 に関す る全国 レベルの統計 はない。東京
ベ ビーオ イル などを用 い潤滑処理 を行 い ,す き櫛
に引っ かか るシラ ミを調 べ るのが効果 的 で ある
都 では現在 も同様 の調査 を継続 し,保 健所 に寄 せ
られた被害相談件数 を1995年 度分以降 について公
脱落 しない とい う結論が出 されている。シラ ミは
気門 の 開閉 を調節 で き ,水 などの侵入の危険 に及
j
.
頭部 の周辺 に潜 むシラ ミを ドライヤ ーの風 や コー
ミングの刺激 で1カ 所 に追 い込み ,捕 獲す るの も効
開 している19.全 国 と都 の調査結果 を人口比で剰
じて並置 したグラフが図 1で ある。 フェノ トリンを
果的 といわれ る。少 なくともいつの時期 か ら寄生
有効成分 とす る粉剤 とシ ャンプー剤 が ,そ れぞれ
,
907
皮膚 病 診療 :2009
■ ■ ■田 ■■■ ■■ ■■ ■■ ■ ■ ■■ 口口■ ■■ ■■■■ ■ ■■ ■ ■ ■■ ■■■ ■■ ■■■ ■ ■日 ■ ■■ ■ 阻 ■■
■ □
厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課
東京都福祉保健局健康安全室環境衛生課
∩ J 緊禅︺畔 ■
︵
絡kК︶
黒辻鴻雫柿疼 □
スミスリン・
アヽ
ウダー
販売 開始
図 1 日本 における
年間アタマジラミ被
害数の遷移
1980年 と1998年 に市販 された.こ れ らの市販 に呼
応す るかのように ,そ れぞれ ,以 降6年 間 と4隼 問
,
談 しやす くなったとい う現象によるのでなければ
アタマジラ ミに関す る知識 が保護者 の世代 に不足
,
被害数 の減少 が表れ てい る。東京都 では ,2005年
度 か ら3年 間に毎年約 5割 増 しで相談数 が増加 し
してい ること ,ま た ,駆 除剤抵抗性 の拡大 とい う
ことが まず想定 される.経 済 の落 ち込みにつ れ て
2007隼 度 には1,864件 に達 した.こ の数は ,東 京都
親 が子 どものケアに時間を割 く余裕 がな くなった
または戦後 の混乱期 を知 るさらに上の世代 との 同
,
人口が全国の約 10%に あたる こと を考慮す ると
,
,
全国統計の開始年であった1981年 度に記録 された
ピー ク時罹患者数20,881人 の レベ ル に匹敵す る。
居が少 な くなったとい ったことは あ りうるが ,増
加 の原因 としては定かではない。 イ ンター ネ ッ ト
被害 の規模 は ,30牟 近 く経 て ,ま さに振 り出 しに
戻 った感がある.そ のほか ,2005年 度 と2006年 度
上ではむ しろ ,公 的機関が作成 した卵 の見分 け方
の2年 間の統計 に限 られるが ,比 較可能 であった檄
や シラ ミの写真 を掲載 した防除に関す る情報 もよ
くヒ ッ トす るようなった.後 述す るが ,駆 除剤抵
田 ,福 島 ,埼 玉 ,大 阪 の4府 県 ,お よび札幌 ,仙
台 ,岐 阜 ,岡 山 ,倉 敷 の5都 市 のすべての統計 に相
抗性 コロニーの出現率 は ,ほ かの先進国 との比較
においてはまだ高 いとはい えず ,こ れ を主 な原因
談数 の激増 が示 されてい る2ω .全 国統計 の始 まっ
た1984年 度 より前のアタマ ジラ ミ発生状況 につ い
とす る1こ も難がある
以上 の ように ,シ ラ ミ被害相談 の集計結果 に基
ては定 かでないが ,1971隼 にDDTの 農薬登録が抹
消 され ,そ の後 ,製 造 と輸 入が禁止 され たことか
づ き ,お よそのアタマジ ラ ミ症発生 の動向は知 る
ことがで きた。 しか し,こ れ らの数 は実際 の罹患
ら,1970年 代 は ,す でにアタマジラ ミ症が再興 し
なが らも有効 な駆 除剤 に欠 く時代であったと想像
者数 の一 部 に しかす ぎない。 日本のみな らずほか
の先進国において も,国 レベルでのアタマジラ ミ
す る。
発生件数 は定かでない。わが国でス ミス リン製剤
近牟 になってアタマジラ ミ被害件数 が急 激 に増
えた原因 は不明である。単 に保健所等 に被害 を相
を販売す る製薬会社 が ,2007隼 10月 に報道取材 に
応 えて推淑Jし たわが国 (人 口約 128億 人 ,2006年 )
908
.
Vol,31,No.8
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ topics■
におけるアタマジラ ミの年間罹患者数 は約 50万 人
正 しく処理 したに もかかわ らず ,処 理 を終 えて半
とい う数で あった20.こ のほかに ,年 間の罹患者
日後にも正常な動 きをす る虫が残 っていた り,1ク
ールの使用 を終 えて もまだ生 きた虫や生 きた卵 が
発生世帯数 を83万 世帯 と推定す るインター ネ ッ ト
調査結果が ご く最近報告 されている221.こ れ らの
発生数 は人口比 で米国 と比較す ると ,同 等 または
それ以下 とい える.米 国 (人 口約3.15億 人 ,2008
認め られた りす る場合 は ,ピ レスロイ ド抵抗性 を
強 く星 い jシ ラ ミ駆除専用す き櫛 を使 った物理的
駆除法 に直 ちに切 り替 えるべ きである。実用的な
年 )で は ,3∼ 11歳 人口に年間600∼ 1,200万 人 のア
タマジラ ミ罹患者 があると推定 されている0.
専用す き櫛は ,新 札 を挟 んで落 ちない くらいの 目
の細 い金属製歯 をもち ,卵 の除去 にも効果 がある).
Ⅱ.ピ レスロイ ド抵抗性
先 に述 べ たように ,わ が国 で ヒ トジラ ミ駆除用
に認可 されている駆 除剤 は ,ピ レスロ イ ド系 の フ
ェノ トリンを0,4%含 むス ミス リン・パ ウダ ー とシ
圏で フェノ トリン感
筆者 らは ,2001年 よ り首者卜
受性 の調査 を始め ,2005年 までに27の コロニー (1
人 の頭 または同一家族か ら採取 したシラミ群 )を 殺
虫 HII験 した25,20.こ の試験 では ,濾 紙 の上 にアセ
ャ ンプーで あ り,OTC医 薬品である。海 外 の駆除
剤 にはピレス ロイ ド系 ペル メ トリン (米 国のN 製
トンで溶解 したフェノ トリン原体 を1001ngた m2(ま
たはそれ以上 の濃度 )イ こなるよ うに均― に処理 し
この上に採取直後 のシラ ミを置 き,3時 間後 の状態
斉Jで は1%含 有 )が 用 い られているもの もある。 ピ
レス ロ イ ド系化合物 は有機塩素系 のDDTと 同 じ
ックダウン)を 観察 した271.殺 虫剤感受性
系統 の コロモ ジラ ミー齢幼虫 と成 虫 におけるフェ
く,細 胞膜 を貫通す る電位依存性 ナ トリウムチ ャ
ネル (以 下 ,SC)に 作用 し,チ ャネルの閉鎖 を遅 ら
,
(正 常/ノ
トリンKC99値 (99%の 供試虫 が ノ ックダウンす
る濃 度 の 理論値 )が ,そ れ ぞれ ,97mg/m2と 54
`ノ
せ ることに よ り ,細 胞膜 内外 の再分極 化 を妨 げ
る囲).そ の結果 ,神 経系 に過刺激状態 を生 じさせ
mg/m2で ぁったため 〕調 査 に用 いた1001ng/cln2と
シラ ミを麻痺 させ る.ピ レスロイ ド系殺虫剤 は ヒ
トに対す る神経毒性 は一般的に低 く,ピ レスロ イ
とい う濃度であった,調 査 の結果 ,い ずれ も東京
都 で採取 した3つ の コロニ ー (Rl,R2,R3)だ けが
ド系 シラミ駆除剤 を使 い重篤 な症状 が生 じた報告
例 はないが ,皮 膚 ア レル ギ ー を生 じることはあ
100mg/cm2以 上 の濃度 で生存 したため ,抵 抗性 と
,
る
24).
い う濃度は感受性 の シラ ミな らほぼ例外 な く死 ぬ
判定 した (図 2).R3コ ロニーに対 しては ,も っと
もフェノ トリン濃度 の高 い条件 での試験 も行 い
,
殺虫剤感受性 の アタマジラ ミに対 してス ミス リ
ン製剤 を使用書 どお りに使 えば ,1回 目の処理 で幼
虫 と成 虫 をほぼ取 り除 くことがで きる.7∼ 10日 間
ある卵期 には駆 除剤 の効力 が不十分 であるが ,2日
その結果 ,3,200mg/m2で も抵抗性 を表す ことが
確認 され た25,20.
これ ら3つ の フェノ トリン抵抗性 コロニー か ら
は ,一 致 して ,SC遺 伝子 に四重 ア ミノ酸置換突然
置 きに残 り2∼ 3回 の処理 を行 うことで ,新 たに孵
化 して くる幼虫 を取 り除 くことがで きる。駆 除剤
変異 (DllE,M8501,倒 521,L955F)を ホ モ接合 で
もつ 個体 のみ が 同定 され た20。 同 じ変異 を もつ SC
感受性 の シラ ミであって も,処 理直後であれば麻
痺 してい るものの まだ死んでお らず ,脚 を痙攣 さ
遺伝 子 が米 国 と英 国 の ピ レス ロ イ ド抵抗性 コロニ
ー か らも同時 期 に 同定 され て い る29),こ の うち
せている場合 がほ とんどである。いずれ の剤型 を
使用 した場合 に も,毎 回 ,薬 剤処理後 の洗髪 を終
御 521置 換 は ,コ ナ ガの ピレスロ イ ド抵抗性遺伝 子
えて頭髪 が湿 ってい るうちに髪 を櫛 で丁寧 に杭 く
D■ Eを 除 く3つ の ア ミノ酸 置換 はい ず れ も ピ レス
ことに よ り,シ ラミを トラ ップ し,駆 除効果 を見
極 める必要 がある。利用す る櫛は ,シ ャ ンプー剤
ロ イ ド感受性低 下 の 原 因 とな る こ とが ,後 に米 国
付属 の櫛 またはそれ以上の性能の物 が適当である
,
,
の 変 異 と も同 一 で あ っ た 。 N末 端 近 く に生 じた
の研 究者 らに よ り電気 生 理 学 的 に確 かめ られ て い
る30.な お ,殺 虫 剤抵 抗 性 を もた らす 変異 を コー
皮膚病診療 :2009
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■口■■■■
ピレス ロイ ド系駆除剤
E Sep 25,200■ Rl
● Oct 12,2001:Sl
生存
(=抵 抗性)
▼
1
日3
田9
0
2 ″+
フェノトリン濃度
(mg/m2濾 献面積 )
400
1
● 1
×1
,て 1
▲
+1
▼1
●
1
▼1
●1
1,6003,200
け1
×1
+1
■Od 24,200■ S2
抵抗性 アタマジ ラ ミ出現
の確定例 は ,1992年 にフ
▼ Dec 12,2001:R2
● Dec 20,2001:R3
tr,Feb 04,2002:S3
ランスで初 めて報 じられ
た30.1999年 までに ,英
×Feb 07,2002:S4
国で採取 され る大多数の
シラ ミがペルメ トリン抵
☆ Feb 20,2002:S5
口Mar 06,2002:S6
+1
ノックダウン
+Mar 15,2002:S7
図2 首都圏で採取 したアタマジラミのフェノ トリン感受性 .フ ェノ トリンを均
―にスポ ッ トした濾紙 にシラミを3時 間接触 させた .フ ェノ トリン濃度を表す日
盛腺の上と下に示 した数が ,そ れぞれ ,醤 コロニーを告濃度で試験 した際のシラ
ミの生存数とノックダウン数を示す .Rl∼ R3〕 抵抗性 コロニー iS刊 ∼S7,感
受性 コロニー
抗性 となった3430。 世界
的 にみて も1990年 代後半
か ら頻繁 にピレス ロイ ド
抵抗性 が報 じられ るよう
になってい る.米 国 とデ
ンマークでは ,90%以 上
の コロニーが ピレスロイ
down resistance)遺 伝
ド抵 抗 性 と な っ て い
る3a3D.遺 伝子検査 と殺虫試験 を同一の コロニ ー
子 と総称 されてお り,本 稿 で も以下 これに従 う。
2006年 より,筆 者 らは全国か ら死んだアタマジ
に対 して行 ったこれ ら2国 か らの報告 には ,力 ″遺
伝子 の保有 と抵抗性 の発現 との 囚果関係 も明瞭 に
ラ ミを収集 し,SC抵 抗性遺伝子 の分子検査 を行 っ
示 されてい る.米 国での調査 に基 づ き ,ペ ルメ ト
リン1%含 有製剤で駆除 に失敗 す るケ ース に5%を
ドす るSC遺 伝子 は脇″(kno
3L3か
て きた
.試 料 の主 な提供者 は医療機 関 (大 多数
が皮膚科 )で ,学 校長 ,保 育士 ,保 健所 ,保 護者
も含 まれていた.2008年 末 までの3年 間に26都 道府
処方 して も ,効 力 の改善 が期待 で きない との報告
がある34,30.ァ タマジ ラ ミの ピレスロイ ド抵抗性
県 か ら集めた407コ ロニー (1,005頭 のシラミを含む)
の うち ,13都 道県 の34コ ロニー (8.4%)が ,上 に述
べ た四重 ア ミノ酸置換突然変異 をもつ力
″遺伝子 を
には ,筋″
遺伝子 の保有 による作用点感受性低下 の
みな らず ,ピ レスロイ ド解毒代謝 を担 うン トクロ
ムP450(酸 化酵素 )の 活性増大 も含 まれ ることが一
保有 していた,比E描伝子 を保有 したシラミの多 く
が同遺伝子 のホモ接合体 であった。 この現象には
部 の海外 の抵抗性 コロニーで確認 されている39,櫛
″遺伝子保有 につい ての分
先 に述 べ たわが国の力
駆除剤 による選抜 が進んだこと,ま た ,1頭 の交尾
済み雌 によって も他人 に うつ り,近 親交配 が進み
子検査 では ,保 護者 よリシラミ試料 の提供 を受 け
付 ける際 ,通 信文 を添 えるよ う依頼 してい る.こ
の 中にス ミス リン・ シ ャ ンプーに よる駆除 の経過
,
やす い ことの双方 が関わ ってい ると考 え られ る
,
2009年 に検査 した1つ の コロニーのケース も加 える
と ,沖 縄県 か らは保護者 よ り4件 の試料提供 があ
り ,そ の す べ てが力冴″
遺伝子 を含 んでいた 。兵庫
県 ,東 京者卜,茨 城県 の特定医療機 関 か ら提供 され
た複数 の別 コロニーの シラ ミを分子検査 した結果
に基づ くと ,各 地 において ,特 定 の小学校 に抵抗
性 の シラミが蔓延 しているとみなせ るケ ースがあ
った,一 連 の遺伝子調査 で得 られたその他の情報
として ,シ ラミ罹患者 の性別 は女子に80%と 多く
,
その年齢分布 は一峰J陛 で6,7歳 にもっとも多かった。
910
)。
に疑 間 をもつ コメ ン トを添 えたケ ース が5つ あっ
た.そ の1つ は ,1ク ール ロの うちの2回 目の処理 を
終 えて も孵化直後 の幼虫 とは考 えられないシラ ミ
がみつ か ったとい うもので あった .2つ 目の例 は
1ク ール を終 えた後にシラミが発見 されたとい うも
,
の.そ の他3例 は ,2ま たは3ク ール ロまで試 したが
駆除 できなかったというものであった。 これ ら5つ
のケースはすべ て力
″遺伝子 を保有 してお り,シ ラ
ミ検体 は1例 を除 き力″遺 伝子 のホモ接合体 であっ
た。 これ らのケ ース によって も ,四 重 ア ミノ酸置
Vol.31,No.8
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ tOpics■
換突然変異 をコー ドす る臆
鵡 伝子 が検出 される場
ン
は
ミス
リ 製斉Jが 無効 であることが指摘で
合 ,ス
してい るシラ ミの駆除剤感受性 があらか じめわか
きる。
す き櫛 による駆除処理 を行 い ,す くい取れ るシラ
ミの数 が毎回 の駆除剤 の処理後 に順調 に減 り続 け
らない ことを前提 にす ると ,駆 除剤 の利用 中に も
Ⅲ .抵 抗性出現を踏まえた駆除法
先 に も述 べ たように ,四 重 ア ミノ酸置換突然変
ているかどうか を確認す る ことが ,当 面 の抵抗性
対策 と考 える,効 果 に疑間がある際 は ,1ク ールの
″遺伝子 は ,米 国 と英国で も共通 に見出
異 をもつ力
されている。これ ら4つ の変異 が独立 に生 じる可 能
処理 を終 えた後 に も引 き続 きす き4mに よる駆 除 と
モニ ター を続 けるべ きである。その期間について
性 はない といえる.ま た ,米 国 と英国 ではピレス
ロイ ド抵抗性 が蔓延 してい る。 これ らを考 えあわ
明言することはむず か しいが ,少 なくとも2週 間は
経過 をみ ることが必要 とす る提言 がある■).
せ ると ,海 外 で生 じ選抜 された抵抗性遺伝子 が遅
学校 などが保護者 に向け ,シ ラミ駆除 の知識 と
当該施設 の発生状況 を発信す る際は ,薬 剤抵抗性
れて入 って きたため ,わ が国 では幸 いに も他 の先
進国 に比 べ て低 い抵抗性 の 出現率 に留 まっている
といえる.今 後 の抵抗性 の広 まりの速 さにつ いて
は言及 で きないが ,ピ レスロイ ド系有効成分単剤
のみに頼 った駆除 を続 けるか ぎり,現 認可薬 が駆
除 の選択肢 か ら外れ ることになるのは海外 の例 か
らも明 らかである,自 治体 などで作成 された一般
向け指針 で も ,駆 除剤抵抗性 についての注意 につ
いては ,ま だまだ不十分 といわ ざるをえないのが
の情報 も加 え ,駆 除剤利用 に注意 を与 えることが
必要 で ある。情報 を単に発信す るだけでな く,す
でにわか っているシラ ミ罹患児 につい ては ,駆 除
の成功 について まで確認す る ことが望 ましい.ま
た ,家 庭 で初 めて寄生 を発見 した場合 に も,保 護
の事実 と経過 について連絡 し
やす い環境 を用意す ることが望 ましい。仮 に薬剤
`者 が学校 に対 し,そ
現状である。
抵抗性 が特定 の施設 に蔓延 している短 いが濃厚 と
なった場合 は ,当 該施設 においては駆除 の選択肢
す き櫛利用 の欠点 は ,シ ラミの寄生数 の 多 さと
駆除する者 の処理 の丁寧 さや観察力の違 いに より
として駆除剤 の利用 を外すよ う,臨 機応変 に情報
を発信す ることも必要 であろう。
完全 に駆除す るまで どれ くらいの 日数 を要す るか
コメン トがむず か しい ことに ある。また ,ア タマ
わが国以上にア タマジラ ミの罹患率 とピレス ロ
イ ド抵抗性出現率 が高 い欧米諸国では ,多 様 な駆
ジラ ミ駆除専用す き櫛 は通販 で しか入手 で きない
ことも問題である。海外で行われた2つ の大規模 な
除法 が模索 されている。海 外 です でにアタマ ジラ
ミ駆除剤 として利用 され
全性 と有効性 に問題
調査例では ,す き櫛単独 の駆除 による38%と 57%
とい う治癒率 が記録 されている■,42.処 理 には卵
がないと考 えられ る製剤 について以下に触れる
マ ラチオ ンは有機 リン系 の殺虫剤 で ,神 経 シナ
を取 り除 くこと も含 まれているが ,頭 皮近 くにあ
プス後膜 に局在 し神経伝達物質 のアセチル コ リン
を加 水 分 解 す る ア セチル コ リ ンエ ス テ ラ ー ゼ
,
る生 きた卵 に櫛 が届 くのがむず か しい とい うこと
も駆除 のむず か しさの一 囚 といわれている40.駆
除処理 の丁寧 さや観察 の的確 さを適切 に伝 えるた
めには ,駆 除成功 の体験例 を公開す るWebサ イ ト
を設 けた り,す き櫛の使 い方 を収めた ビデオ を作
製 した りす ることも役立つ はずである
一般 の保護者 が駆除 を行 う場合 ,使 用方法 の 明
確 な駆 除剤 に優 る手段 はない というコメ ン トもあ
.
る ).わ が国では現在 も9割 の コロニーには認可薬
“
が有 効 であると推定 されていること ,し か し寄生
`安
.
(AChE)を 阻害 す る。米国では有機 リン系駆除剤
は ,ピ レスロイ ド系駆除剤 の登場以前 か ら利用 さ
れていた薬剤 であるが ,い ったん販売 が 中止 され
た。 しか し,ピ レスロイ ド系駆除剤 の有効性低下
を懸念 したCDCの 要請 に応 え ,1998年 より発売再
開 となった40.現 在 ,米 国ではマ ラチオ ンを含有
す るシラ ミ駆除用医薬 品が1つ あ り,マ ラチオ ン
(0.5%),イ ソプロピルアル コール (78%),テ ル ピ
ネオ ール (12%)の 3つ を有効成分 とす る.イ ソプロ
911
皮膚病診療 :2009
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■
ピルアル コールは ,卵 とシラ ミの蛋 白質 を変性 さ
せ る非特異的毒物 として作用す る.テ ル ピネオ ー
ル はテ ィー・ツ リー・オ イル (植 物抽出液 )の 成分
として知 られている物質 で ,点 hE阻 害 とオク トパ
今後注 目 したい。
以上 に述 べ た調査研究結果 を総合す ると Iわ が
国 では ,5万 人前後 のアタマジ ラミ症罹患者 に寄生
ミン受容体結合 の作用 を通 じて神経興奮過剰 をひ
きぉ こす4640.米 国ではマ ラチオ ン抵抗性 の シラ
す るシラ ミがピレスロイ ド抵抗性 で あると推定可
能 で ある。 さらなる抵抗性 の拡大 も憂慮 され ,わ
が国において も既存駆除剤 の改良 または海外開発
ミは確認 されていないが ,3つ の有効成分 を同時 に
含 む米国の マ ラチオ ン製剤 は ,英 国 で ピレスロイ
ド抵抗性 とともに問題 となって い るマラチオ ン抵
品 の導 入は緊急 の課題 である.駆 除 の失敗 のほか
にも ,幼 小児 が罹患者 のほとんどで ,シ ラ ミが う
つ って もす ぐには痒みを感 じない ことが多い とさ
抗性 のシラ ミにも有効である ことが確認 されて い
れ ることか ら,大 人 が子 どもの頭 の痒み のサイン
「さらに次の子にうつ した後だ
に気 づいたときには
る
48).
従来 の神経毒作用 のある殺虫剤成分 とは異 なり
化粧品 に広 く使われてい るジメチ コ ンとイソプ ロ
,
ピル ミスチ リン酸 (IPM)を それぞれ有効成分 とし
て含 む駆 除剤 が利用可能 になっている。 いずれ も
,
シラ ミの水分調節 を阻害す るもので あるが ,二 者
の作用機構 は異 なる.ジ メチ コンは ,ヘ アコ ンデ
ィシ ョナ ー とヘ ア トリー トメン トなどに利用 され
てい る直鎖状 シ リコーンで ,シ ラ ミ駆除用 ジメチ
コ ン・ロー シ ョンは ,ジ メチ コ ン(4%)と 展着物質
としてシク ロメチ コン(96%)を 含む .ジ メチ ヨン
がシラ ミ体表面 に薄膜 を形成 す ることによリシラ
ミの動 きが封 じられ ,駆 除効果 が得 られ るといわ
れ てきたが欄),新 たな作用機構 も明 らかになった
.
った」とい うケースの多 さが想像できる.駆 除 の失
敗 に抵抗性 の影響 がほ とんどなかったと考 えられ
るピレスロイ ド剤利用年代 の前半 です ら,わ が国
では撲減 が困難 だった.こ れ らの ことを踏 まえる
と ,た とえわが国で新薬が利用可能 になったとし
て も ,シ ラミ罹患人 口を激減 させ るためには ,寄
生や治癒 の確認法 の 向上 ,ま た集団発生予防 に関
す る自治体や施設 レベルが行 う対応策 の 向上 も不
可欠 と考 える
.
――――――――――――――――一――――――――――――
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門 をジメチ ヨ ンでふ さぐことによ り血液 で膨潤 し
た腸管 を破裂 させ る作用がある こと も示 されて い
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6)Boniua,D L ctal:Emcrg IIIfect Dis 15:912,2009
る50.IPMは 化粧品成分 の乳化剤 ,メ イク落 とし
の主剤 として利用 されている物質で ,皮 膚 クチク
8)CDC:Head Lice:http://―
ラをおおっているワックス層 を溶 か し脱水状態 に
至 らしめ る51).シ ラ ミ駆除用IPMロ ーシ ョンは
IPM(50%)と シクロメチ コン (50%)を 含む .ジ メ
,
チ ヨ ンとIPMと もに ,そ の作用性 か らは ,従 来 の
神経毒物質 を有効成分 とす る駆除剤 とは違 って (す
なわち j特 定 の生体分子 を作用点 と しないため),
抵抗性 が発達す るとは予想 しに くい 。英国 ではす
でに両製剤 が利用可能 であ り,こ れ ら薬剤 の利用
が他国 にも拡 が りつつ ある.こ れ らの新 しい製剤
の大規模調査 に基づ く治癒成績 の比較や使用感 に
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