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東日本大震災の瓦屋根被害について
東日本大震災の瓦屋根被害について 平成23年6月9日 社団法人全日本瓦工事業連盟 全国陶器瓦工業組合連合会 東日本大震災の被災者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。 東日本大震災では瓦屋根の棟部に多数の被害が発生し、施主様 をはじめ建築業者様など関係各位には瓦修理工事が遅れ大変ご 迷惑をおかけしています。 瓦屋根の被害に関して、被害の現状と復旧の動向について最新 の情報を提供します(6月9日現在の情報) ●被害状況 Ⅰ.概況 東北南部、関東北部を中心に多く発生した瓦屋根被害の概況は次の通りです。 ①震度の割に倒壊した住宅は少ない ②築年数の古い住宅に多い ③地盤の弱い土地に建っている住宅に多い ④屋根の棟部に多い(棟の一部または全部が被害) ⑤被害の発生率は地域差がある ⑥住宅は屋根以外でも壁やサッシなどで被害が発生 【 参 考 】 建 物 の 一 部 破 損 数 ( 出 典 : 総 務 省 消 防 庁 、 6月 9日 発 表 ) ・岩手県 2,086 ・宮城県 42,949 ・福島県 63,761 ・茨城県 126,677 ・栃木県 54,189 ・群馬県 15,434 ・千葉県 20,756 ・埼玉県 13,863 ・上記以外の都道府県小計 ・全国合計 4,836 344,551 Ⅱ . 被 害 詳 細( 被 害 の あ った 棟 、 被 害 が 少 な か っ た 棟) 【被害があった棟】 ―土で固定された棟施工― ①築20~40年の比較的古い建物 ②棟瓦や桟瓦を葺土のみで固定 (経年変化で葺土の固定力が低下) ③ガイドライン工法以前の一般的な工法 【被害が少なかった棟】 ―ガイドライン工法(平成13年策定) に基づいた棟施工― ①築10年以下の比較的新しい建物の棟 ②棟瓦を金具、銅線などにより建物本体 部分から固定施工 ●屋根修理工事 Ⅰ .資 材供 給の遅 れと 工事 費 上昇 【今回の大震災による瓦屋根被害棟数は30万件程】 ①今回の瓦屋根の被害は岩手県から静岡県の東日本広域で発生しており、少なくと も30万件ほどあると推定され、その多くは屋根の棟部に集中 。 ②被害を受けた瓦は20~40年前に製造・施工されたものが多く、現在はあまり生産 されていない品種(形状・色)ですが、瓦製造業者では24時間稼働で不足してい る瓦の生産に鋭意努力中。 ③加えて、屋根修理工事用資材(銅線、しっくいなど)の入手が滞っています ④以上から、被災地最寄りの屋根工事店に瓦屋根修理依頼が集中し、工事の納期が 遅延しています。 ⑤瓦工事業の全国組織である(社)全日本瓦工事業連盟は、全国の瓦施工技術者を 呼び寄せ修理工事支援者を募るシステムを構築中。 ⑥なお、上記の事情から工事費が通常より大きく上昇していること を御理解の程お 願い申し上げます。 Ⅱ.一般的注意事項 屋根修理工事を依頼する場合は、以下の点にご注意下さい。 ①ガイドライン工法を推奨 全日本瓦工事業連盟や全国陶器瓦工業組合 連合会では、「瓦屋根標準設計・施工ガイド ライン」に基づく棟部施工を推奨しています。 ガイドライン工法による瓦屋根は東日本大震災でも被害は非常に少ないと報告されて いる。 「瓦屋根標準設計・施工ガイドラインとは」 平成10年改正建築基準法で定める瓦屋根の耐震・耐風性能をクリアすべく瓦屋 根施工方法を集大成した指針を指す。 屋根の棟部は980ガル(1G)の強震動に耐えることが実証されている。 ②ブルーシート2次被害にご注意 ブルーシートは必ず脱落した瓦を取り除いた上で被せて下さい。ま たシート養生が長期 化する場合、3~6カ月で業者に点検を依頼して下さい。 ③棟の“一部補修”にご注意 棟の一部分だけが崩れている場合でも、実際には棟部全体の耐震性が不足している場合 が多いため、一部補修だけをご希望の場合はその点を工事店にご確認下さい。 ④契約行為は書面で 実際に復旧修理工事を開始する前に、施工内容と請負金額を確認し、工事店 と工事請負 契約を締結して下さい。 屋根修理工事は信頼できる工事店へ 独立行政法人国民生活センターによると、震災に便乗した『悪質商法』 の被害に遭わ れたと思われる方からの相談が急増しているとのこと。 屋根修理は信頼できる地域の工事店や屋根工事のプロ集団( 社団法人全日本瓦工事業 連盟加盟の工事店)へお任せ下さい。 (社)全日本瓦工事業連盟(瓦工事業全国組織) 〒 102-0071 東 京 都 千 代 田 区 富 士 見 1-7-9 東 京 瓦 会 館 4 階 tel 03-3265-2887 fax 03-3265-2903 e-mail [email protected] 全国陶器瓦工業組合連合会(瓦製造業全国組織) 〒 102-0071 東 京 都 千 代 田 区 富 士 見 1-7-9 東 京 瓦 会 館 4 階 tel 03-3263-2840 fax 03-3263-2837 e-mail [email protected]