...

富山県公共施設等総合管理方針

by user

on
Category: Documents
7

views

Report

Comments

Transcript

富山県公共施設等総合管理方針
富山県公共施設等総合管理方針
富山県
平成28年2月
目 次
第1章 概要
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
1 はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
2 方針の位置付け
3 方針の期間
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
第2章 富山県が保有する公共施設等の現状と課題
1 公共施設等の現状(平成 26 年度末時点)
・・・・・・・・・・・・・・・2
・・・・・・・・・・・・・・・・・2
(1)土地(敷地等)の保有状況
(2)公共施設の保有状況
2 公共施設等の課題
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
(1)公共施設等の老朽化(平成 26 年度末時点)
(2)本県財政の状況
(3)本県人口の将来推計(
「富山県人口ビジョン」より)
(4)全庁的な資産管理の必要性
3 公共施設等の将来の更新費用等の推計
・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
(1)公共施設(建物)の将来更新費用の推計
(2)主なインフラ関係施設の将来修繕更新費用の推計
4 これまでの取組状況
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
(1)公の施設の廃止・移管等
(2)県有未利用地の売却
(3)県有資産の有効活用
(4)公共施設等の長寿命化・活性化対策の推進
第3章 公共施設等の管理に関する基本的な考え方と施設類型毎の基本的な方針
1 基本的な考え方
・・14
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
(1)公共施設等の長寿命化と効果的・効率的な維持管理
(2)公共施設等の有効活用
(3)公共施設等の保有総量の適正化
2 施設類型毎の基本的な方針
3 推進体制
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38
第1章 概要
1 はじめに
全国の地方公共団体においては、厳しい財政状況が続く中で、今後、人口減少等により公
共施設等の利用需要が変化することが予想されており、早急に公共施設等の全体の状況を把
握し、長期的な視点をもって、更新・統廃合・長寿命化などを計画的に行い、財政負担を軽
減・平準化するとともに、公共施設等の最適な配置を実現することが必要となっている。
本県では、これまでも県有資産の適正な管理と有効活用、公共土木施設等の長寿命化につ
いて取組みを進めてきたところであるが、今般、公共施設等の老朽化、県財政の状況、人口
の将来推計、公共施設等の将来更新費用の増大等、本県の公共施設等をとりまく様々な現状
や課題等を踏まえ、今後10年間を対象期間として県の公共施設等を総合的に管理していく
ための基本的な方針として「公共施設等総合管理方針」を定めた。
今後は本方針に基づき、公共施設等を「新しく造ること」から「賢く使うこと」へ重点化
を図り、人口減少や県民ニーズの多様化等、社会経済情勢が変化していく中において、公共
施設等の保有総量の適正化と最適な配置に取り組んでいく。
2 方針の位置付け
国においては、インフラの老朽化が急速に進展することへの対応として「インフラ長寿命
化基本計画(平成25年11月インフラ老朽化対策の推進に関する省庁連絡会議決定)
」が
策定され、各省庁や地方公共団体は「行動計画」を策定することとされた。これらを受け、
総務省からは平成26年4月に全ての地方公共団体に対し、当該行動計画である「公共施設
等総合管理計画」を策定するよう要請があった。
本方針は総務省の要請における公共施設等総合管理計画として位置付けるものである。
インフラ長寿命化基本計画(H25 年 11 月)
(基本計画) 【国】
【国】
【地方】
(行動計画)
(公共施設等総合管理計画)
【各省庁】
【各地方公共団体】
(個別施設計画・方針等)
(個別施設計画)
学校、橋梁、公園、港湾 等
3 方針の期間
平成27年度から平成36年度までの10年間とする。
また、必要に応じて改訂を行うこととする。
1
第2章 富山県が保有する公共施設等の現状と課題
1 公共施設等の現状(平成 26 年度末時点)
(1)土地(敷地等)の保有状況
本県が保有する土地(公有財産台帳に登録されている土地)は平成 26 年度末時点で約
2,744 万㎡であり、原野(立山カルデラ)や県有林を除いた分類別に見ると「庁舎等」が
36.9%と最も多く、次いで「公園」が 27.8%、
「学校教育施設」が 20.4%となっている。
分類
面積(㎡)
比率
4,666,153
36.9%
庁舎等
1,639,360
1,329,836
552,504
375,684
343,973
327,277
97,519
13.0%
10.5%
4.4%
3.0%
2.7%
2.6%
0.7%
3,521,877
2,580,004
359,696
259,793
119,345
1,146,958
12,653,826
27.8%
20.4%
2.8%
2.1%
0.9%
9.1%
100%
試験研究機関
庁舎・職員公舎等
社会教育施設等
警察・消防施設
その他教育施設
保健・福祉・医療・子育て支援施設
レクリエーション施設・観光施設
公園
学校教育施設(県立高校・特別支援学校)
県営住宅
文化施設
スポーツ施設
その他(各種用地、庁舎跡地等)
総計
※面積の総計は原野(立山カルデラ 10,676,595 ㎡)
、県有林(4,113,517 ㎡)を除く
(2)公共施設の保有状況
本県が保有する建物は平成 26 年度末時点で約 173 万㎡であり、分類別に見ると「学校
教育施設」が 40.6%と最も多く、次いで「庁舎等」37.1%、
「県営住宅」が 10.3%となっ
ている。また、県が保有する主要なインフラ施設やその他の施設の状況は下記のとおりと
なっている。
① 公共施設(建物)
分類
学校教育施設(県立高校・特別支援学校)
庁舎等
庁舎・職員公舎等
警察・消防施設
試験研究機関
その他教育施設
保健・福祉・医療・子育て支援施設
社会教育施設等
レクリエーション施設・観光施設
県営住宅
文化施設
公園
スポーツ施設
その他
総計
2
数
面積(㎡)
比率
56
702,984
40.6%
356
642,219
37.1%
62
237
16
6
19
12
4
230,418
161,165
81,323
76,060
44,857
41,302
7,094
13.3%
9.3%
4.7%
4.4%
2.6%
2.4%
0.4%
24
11
18
10
10
485
177,696
70,074
68,322
47,807
22,729
1,731,831
10.3%
4.0%
3.9%
2.8%
1.3%
100%
②インフラ施設
分類
状況
道路
286 路線 2,459 ㎞
橋梁
橋長 2m~15m 未満 2,279 橋 橋長 15m 以上 817 橋
トンネル
51 本(うち供用中 45 本)
河川
河川堤防 1,481 ㎞ 水門等河川管理施設 21 施設
ダム
16 ダム(土木部所管)
砂防
海岸
砂防堰堤 1,080 基
地すべり防止施設 144 区域(土木部所管)
急傾斜地崩壊防止施設 306 区域
海岸堤防 39 ㎞(土木部所管)
漁港海岸堤防 12.5km(農林水産部所管)
下水道
幹線管渠 192 ㎞ 2浄化センター
港湾施設
2港 岸壁 19 施設
物揚場 56 施設
防波堤 31 施設 橋梁 13 橋 その他 324 施設
都市公園
9公園 258.2ha
農業水利施設 5ダム(農林水産部所管)
等
地すべり防止区域 46 地区
治山
約 9,000 件
林道
林道 13 路線 108 ㎞ トンネル 12 本
橋長 4m~15m 未満 16 橋 橋長 15m 以上 25 橋
漁港
5港 岸壁等 44 施設 防波堤等 65 施設 その他道路等 28 施設
③大型工作物
分類
大型工作物
④交通安全施設
分類
交通信号機
状況
空港施設、総合運動公園陸上競技場
五福公園野球場、スキージャンプ場 等
状況
交通信号機設置箇所 2,430 箇所
信号制御機 2,401 基
⑤公営企業の主な資産(企業局・中央病院)
分類
状況
企業局
中央病院
電気事業施設:発電所 19 施設
水道事業施設:水道管 43,958m
工業用水道事業施設:工業用水道管122,877m
地域開発事業施設:駐車場 2 施設
中央病棟 24,240.68 ㎡
中央・外来診療棟 21,181.92 ㎡
東病棟 4,610.61 ㎡
設備棟 1,591.97 ㎡
16 棟
3
2 公共施設等の課題
(1)公共施設等の老朽化(平成 26 年度末時点)
県所有の建物については、建築年度から 50 年以上経過している建物が 12.1%、30 年以
上となると全体の6割弱となり、老朽化が進んでいる。また、インフラ等その他の施設に
ついては、個々の状況は異なるものの、老朽化が進んでいる施設も存在する。
①建物の老朽化の状況
②主なインフラ関係施設の老朽化の傾向
分類
全体数
50年以上経過
橋梁
トンネル
水門等河川
管理施設
ダム
砂防堰堤
海岸堤防
漁港海岸堤防
下水道
港湾岸壁
公園施設
30年以上経過
817 橋
132 橋
割合(%)
51 本
割合(%)
21 施設
割合(%)
16 ダム
割合(%)
1,080 基
割合(%)
39 ㎞
割合(%)
12.5 ㎞
割合(%)
192 ㎞
割合(%)
19 施設
割合(%)
134 基
割合(%)
16%
16 本
31%
0 施設
0%
2 ダム
13%
202 基
19%
7㎞
18%
7.0 ㎞
56%
0㎞
0%
7 施設
37%
0基
0%
4
備考
538 橋 ※15m以上橋梁
66%
38 本
75%
5 施設
24%
9 ダム
56%
677 基
63%
18 ㎞
46%
11.7 ㎞
94%
2.5 ㎞
1%
15 施設
79%
66 基
49%
※うち供用中45本
※水門・樋門・可動堰
※土木部所管の海岸堤防
※農林水産部所管の漁港海岸堤
防
※小矢部川流域下水道・神通川
左岸流域下水道の管渠延長
※伏木富山港・魚津港の
公共岸壁
※8 公園の遊具
20年以上経過の遊具
分類
農業用ダム
漁港施設
林道
(トンネル)
全体数
5 ダム
割合(%)
137 施設
割合(%)
12 本
割合(%)
50年以上経過
30年以上経過
0 ダム
2 ダム
0%
18 施設
13%
0本
0%
40%
75 施設
55%
3本
25%
備考
③大型工作物(主なもの)
備考
分類等
空港施設(S58 年度)、総合運動公園陸上競技場(H5 年度)
五福公園野球場(S25 年度)、スキージャンプ場(H6 年度) 等
④交通安全施設
分類
交通信号機
(制御機)
全体数
2,401 基
割合(%)
⑤公営企業の資産の状況
分類
全体数
19 施設
割合(%)
43,958m
企 水道事業
割合(%)
業
122,877m
工業用
局
水道事業 割合(%)
地域開発事 2 施設
業
割合(%)
電気事業
中央病院
16 棟
割合(%)
50年以上経過
30年以上経過
0基
0%
50年以上経過
1基
0.04%
30年以上経過
5 施設
26%
0m
0%
0m
0%
0 施設
0%
0棟
12 施設
63%
43,295m
99%
97,941m
80%
1 施設
50%
1棟
0%
6%
5
備考
備考
※発電所施設数
※水道管延長
※工業用水道管延長
※駐車場施設数
(2)本県財政の状況
一般会計予算の近年の推移や、義務的経費、公共・主要県単独建設事業の状況は下記のと
おりである。義務的経費は今後も高い水準で推移することが見込まれ、公共・主要県単独建
設事業の予算はピーク時(平成8年度)の半分以下となっている。
一般会計予算の推移
◆当初予算の規模は、国の経済対策等により、平成11年度(6,176億円)に最大となったが、そ
の後、歳出の見直し等の財政健全化を進めてきたことなどにより縮小したのち、リーマンショッ
ク以降の経済対策や新幹線建設費の負担金、地方創生への取組み等により徐々に増加。
H11 6,176
(単位:億円)
6,000
※ H27:5,606億円はH15以来の5,600億円台となる
※ H13⇒H27 △365億円(△6.1%)
5,800
5,606
5,600
5,400
5,256
5,200
5,000
4,800
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
H27
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
H27
当初予算額 5,971
5,795
5,602
5,537
5,418
5,256
5,294
5,264
5,317
5,575
5,597
5,499
5,451
5,573
5,606
年 度
義務的経費について(当初予算)
◆近年は、人件費は減少、扶助費・公債費は増加の傾向で推移。
(単位:億円)
公債費
扶助費
人件費
年 度
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
H27
人件費
1,596
1,542
1,503
1,499
1,514
1,483
1,462
1,426
1,421
1,402
1,377
1,359
1,351
扶助費
281
289
341
376
394
411
415
432
454
469
478
501
528
公債費
838
873
901
912
907
904
904
903
907
907
917
930
932
2,715
2,704
2,745
2,787
2,815
2,798
2,781
2,762
2,782
2,777
2,772
2,790
2,810
48.5
48.8
50.7
53.0
53.2
53.2
52.3
49.5
49.7
50.5
50.9
50.1
50.1
計
義務的経費比率
(%)
6
公共・主要県単独建設事業(歳出)の推移
◆バブル経済崩壊後の国の経済対策等に呼応した公共事業の実施等により、平成8年度に最高となっ
たが、その後、公共事業の抑制策により大幅に減少を続けた。リーマンショック後の経済対策で若干の
増となったが、近年は新幹線負担金の減少により、減少傾向にある。
◆平成27年度については、新幹線開業後となり、新幹線負担金が減少したことで、平成8年度以降では
最少となっている。
(単位:億円)
1,783
H8→H27
△1,009億円(△56.6%)
1800
1600
◆主要県単独建設事業:道路整備等のうち
比較的小規模な事業を県単独で行うもの
1400
リーマン・ショック
1200
1000
774
800
600
◆公共事業:国庫補助金を財源として、道路、
河川、港湾等の社会資本の整備を行うもの
400
200
0
年 度
当初予算額
H8
H14
H16
H18
H8
H14
H16
H18
1,783
1,259
1,155
1,012
H20
H21
H22
H23
H20
H21
H22
996
1,041
1,007
H24
H23
971
H25
H26
H24
H25
958
895
H27
H26
777
H27
774
県 債 残 高
◆ 道路、河川、学校、福祉施設等の社会資本整備を積極的に実施してきたことや、地方交
付税の代替財源として臨時財政対策債を発行することとされたことから、県債残高は年々増
加しているが、近年の公共事業等の抑制により、建設事業に充てる通常債は平成13年度を
ピークに減少傾向にある。
◆特例債等:臨時財政対策債など、元利償還の
全額が交付税措置されるもの及び行革推進団
体に認められる退職手当債等
◆通常債:公共事業や施設整
備の財源として発行するもの
14,000
(単位:億円)
12,000
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
0
年 度
通常債
特例債等
H13
H13
H16
H14
H16
H18
H18
H20
H20
H21
H21
H22
H22
H23
H24
H25
H26
H27
H23
H24
H25
H26
H27
当初
ベース
8,623
8,507
8,273
8,139
8,114
8,108
8,053
8,120
7,995
8,017
7,890
234
1,194
1,623
2,239
2,757
3,321
3,711
4,075
4,375
4,599
4,731
7
(3)本県人口の将来推計(
「富山県人口ビジョン」より)
将来的な人口や人口構成の変化に合わせて、公共施設等の総量、機能、あり方の見直しが
必要となる。
①出生率の仮定
現状の出生率 1.45(2014 年実績値)をスタート値とし、国の将来人口推計と同様に、2030
年に県民希望出生率 1.9 を達成し、その後さらに上昇し、2040 年には人口置換水準である
2.07 程度まで上昇すると仮定した。
②社会移動率の仮定
雇用の創出や県外からの移住の促進により、特に若者層の東京圏への転出を抑え、転入を
促進させることで、社会移動の均衡を実現していく。
その際、15-34 歳を対象に、主に大都市圏への転出の抑制、転入促進により社会増減数を
改善させる。2016 年から 5 年間で段階的に改善し、2020 年で概ね移動均衡が達成すること
とし、2020 年以降はこの社会増減の改善結果を維持すると仮定した。
2010
2015
2020
2025
2030
2035
2040
2045
2050
2055
2060
総人口
1,093,247
1,063,749
1,034,754
1,005,600
976,395
945,942
915,351
886,435
859,135
832,222
806,043
年少人口
141,966
130,809
122,054
118,377
119,225
121,987
126,763
128,898
127,593
122,981
119,746
生産年齢
人 口
665,027
607,488
575,529
554,213
530,526
501,867
461,777
439,253
430,667
433,269
430,559
老年人口
286,254
325,452
337,171
333,010
326,644
322,088
326,811
318,284
300,875
275,972
255,738
(4)全庁的な資産管理の必要性
平成25年度の包括外部監査においては、
「公有財産(土地・建物)の適正管理と有効活
用について」をテーマに監査が行われ、県有資産の保有総量のコンパクト化、維持管理体制
の強化、県有施設の有効活用の3つの課題に県が本格的に対応するため、
「全庁的な推進体
制の構築が不可欠」であることの指摘がなされているところである。
8
3 公共施設等の将来の更新費用等の推計
(1)公共施設(建物)の将来更新費用の推計
平成26年度末現在で県が保有する建物全てについて、棟数や面積をそのまま保持した
場合における今後40年間の更新(建替え、大規模改修)に要する費用を試算した。
①試算方法
対 象:県が一般会計で保有する建物全て(p2 (2) ①公共施設(建物)
)
面 積:公有財産台帳から更新時期を迎える建物の面積を算出
更新時期
建替え:建築後60年
日本建築学会「建築物の耐久計画に関する考え方」において標準的な耐用年数と
されている年数
大規模改修:建築後30年
建物附属設備(電気設備、昇降機等)及び配管の耐用年数が15年であり、2回
目の改修である建築後30年で大規模改修を行うと仮定
※ 試算時点で、建築後60年を超過している建物及び30年経過で大規模改修を
行っていない建物については、今後10年間でそれぞれ建替えまたは大規模改修
を行うと仮定し、費用を10年間で均等に計上
単 価: 建替え28~40万円/㎡、 大規模改修17~25万円/㎡
単価は、
(一財)地域総合整備財団が全国の地方公共団体の推計手法を調査し、当該
財団が試算ソフトで設定しているもの。施設の種類により単価は異なる。
②試算結果
○今後40年間の更新費用総額 約8,034億円
○単年度当たりの平均更新費用
○直近5年の建物への平均投資費用
約201億円 ※8,034憶円/40年間
約93億円(普通会計決算統計の普通建設事業費から試算)
⇒ 今後の平均更新費用はこの2.2倍必要
総計:約8,034億円
建替え未実施分
(必要な改修で対応してきた分)
(40年間)
年平均:約201億円
直近5 年間の建物平均投資
約93 億円
今後約2.2倍の経費が必要
※年平均201億円/93億円≒2.2倍
大規模改修未実施分
(必要な改修で対応してきた分)
建替え分
大規模改修分
※本試算は(一財)地域総合整備財団が作成・公開し、全国の地方公共団体が利用可能である「公共施設更新費用試算ソフト」に基づくもの。
9
(2)主なインフラ関係施設の将来修繕更新費用の推計
主なインフラ施設について今後 40 年間の修繕更新費用を試算した。
①試算方法
各インフラの長寿命化計画や機能保全計画など既存の計画等をもとに試算
(対象施設)
土木部関係施設
道路、橋梁、トンネル、河川堤防、河川管理施設、ダム、砂防関係施設
海岸堤防、下水道、港湾、都市公園
農林水産部関係施設
農業水利施設等(ダム、頭首工、地すべり防止施設)
、漁港
②試算結果
○長寿命化対策を取らなかった場合 40 年間での修繕更新費用は総額約 5,200 億円。単年度平均の
約 130 億円は過去5年間(H22~26)の平均約 83 億円の1.6倍。
○長寿命化対策を施すことで総額約 4,700 億円、年平均約 117 億円と現在の1.4倍に
抑えることができる。
総計:約5,200億円
(40年間)
年平均:約130億円
長寿命化対策なし
百万円
20,000
18,000
過去5年間(H22~H26)の更新+修繕の平均費用
(約83億円)
16,000
14,000
12,000
10,000
8,000
今後1.6倍の経費が必要
6,000
4,000
※年平均130億円/83億円≒1.6倍
2,000
2053
2051
2049
2047
2045
2043
2041
2039
2037
2035
2033
2031
2029
2027
2025
2023
2021
2019
2017
2015
0
約500億円削減(40年間)
総計:約4,700億円
(40年間)
年平均:約117億円
長寿命化対策あり
百万円
20,000
18,000
16,000
過去5年間(H22~H26)の更新+修繕の平均費用
(約83億円)
14,000
12,000
10,000
8,000
今後1.4倍の経費が必要
6,000
4,000
※年平均117億円/83億円≒1.4倍
2,000
2053
2051
2049
2047
2045
2043
2041
2039
2037
2035
2033
2031
2029
2027
2025
2023
2021
2019
2017
2015
0
<長寿命化対策による経費削減の考え方>
機能しなくなった段階で更新する「事後保全(対症療法)
」的な維持管理から、計画的かつ経年劣化を
未然に抑制する「予防保全」的な維持管理を実施し、施設の長寿命化を図ることにより、ライフサイク
ルコストを縮減・平準化する。
○橋梁長寿命化修繕計画(H22 年度策定、H27 年度改訂中)の事例
・最初の 10 年間で健全度を引き上げるための修繕工事を行うことで、以降は適切な健全度を保つために
必要な維持費の軽減が図られる。
・予防保全型修繕を行うことで、対症療法型修繕に比べて今後 50 年間で約 205 億円(864 億円→659 億
円)のコスト縮減が図られる。また修繕費の平準化が図られる。
〔予防保全型修繕の事例〕
・橋面水対策
橋面水の橋梁内部への侵入防止対策を実施
・鋼橋防食機能の維持
他の部分より劣化の早い鋼橋の桁端部への部分塗装等、腐食環
境に応じた方法により防食機能を維持
・コンクリートの劣化対策
外部からの水分・塩分の侵入によるコンクリートの劣化防止対策を実施
10
4 これまでの取組状況
(1)公の施設の廃止・移管等
県では平成 17 年度を「財政再建元年」と位置づけ、職員給与の臨時的削減、集中改
革プラン等に基づく職員数の削減、給与・手当の見直しに取り組むとともに、平成 17
年4月に設置された「富山県行政改革推進会議」の6次にわたる提言を踏まえ、公の施設
の見直しなどに取り組んできており、以下のとおり 19 施設の廃止・移管等を進めてきて
いる。
・スキー場、山野運動広場、青年の山研修館(平成 18 年3月末廃止)
・二上青少年の家、黒部青少年の家、利賀少年自然の家(平成 19 年3月末廃止)
・情報工房、IT センター(平成 20 年 3 月末情報工房部分を廃止、平成 24 年3月全体廃止)
・木材利用普及センター、国際交流センター、薬業研修センター(平成 20 年3月末廃止)
・欅平ビジターセンター(平成 20 年8月末廃止)
・大境ビジターセンター(平成 21 年3月末廃止)
・高岡駐車場(平成 23 年3月末廃止)
・国際伝統医学センター(平成 23 年3月末廃止)
・富山駐車場(平成 27 年9月末廃止)
・とやま・ふくおか家族旅行村(平成 18 年4月高岡市へ移管)
・桂湖野外活動施設(平成 20 年4月南砺市へ移管)
・健康増進センター(平成 22 年4月健康スポーツ財団へ委譲)
これらのほか、県営住宅については海岸通り団地(平成 21 年 2 月廃止)
、水橋駅前団
地(平成 26 年7月廃止)
、太閤山団地の一部(平成 27 年5月までに 20 棟廃止)を廃止
している。また、県職員住宅については、これまでも行財政改革の観点から縮減する方
向で対処してきたところであり、西田地方職員住宅を平成 23 年3月に、堀川小泉職員
住宅を平成 27 年3月に、住吉町職員住宅を平成 27 年 11 月末にそれぞれ廃止し、蓮町
地区の県職員住宅は、一部を除いて平成 28 年3月を目途に廃止する。
(2)県有未利用地の売却
これまで、将来的に有効活用を図る見込みがないと判断した土地について、一般競争入
札などによる売却を実施している。
(平成11 年度から平成27 年度までの売却実績:95 件、
約 78 億円の売却収入)
(3)県有資産の有効活用
県有未利用地については、一般競争入札による売却処分を基本としつつ、事業用定期借
地権設定による土地の貸付けなど幅広い手法により、県有財産の有効活用を図っている。
①太陽光発電等
県有未利用地でメガソーラー事業の可能性のあるものや事業用定期借地権設定によ
る貸付けの要望があるものについて土地の貸付けを行っている。
(平成 27 年度の貸付け
実績:4件、約 35 万㎡)
11
また、休止中の浄水場を活用した「神通川浄水場太陽光発電所」の運転開始(平成 26
年3月)に加え、富山新港臨海工業用地の石炭灰処分場における埋立地(県有地)の一部
を活用して、新たに平成 28 年3月に「富山新港太陽光発電所」の運転を開始する。
②自動販売機設置事業者の公募
平成 23 年度から実施している自動販売機設置事業者の公募について、その対象範囲
を本庁舎、出先機関、県立学校及び警察の自動販売機に拡大して実施し、歳入の確保を
図っている。
(平成 27 年度の年間貸付料収入:約 71,501 千円)
③庁舎空きスペースの活用
総合庁舎(魚津・砺波)の空きスペースについては、その有効活用を図るため、平成
21 年度から借受希望者の公募により民間事業者等に貸付を行っており、平成 27 年度に
は計3者に貸付けている。
また、本庁舎の空きスペースの活用策として、庁舎壁面等を活用した企業広告の募集
について、平成 27 年度より試行的に実施している。
(4)公共施設等の長寿命化・活性化対策の推進
①公共土木施設
対症療法的な措置から予防保全的な措置に転換することにより、施設の長寿命化や
ライフサイクルコストの縮減とともに、年度ごとの修繕費用の平準化を図ることを目的
に、長寿命化計画の策定に取り組んでいる。
ⅰ)計画策定済の施設
・橋梁(平成 23 年2月)、都市公園(平成 25 年 9 月)、流域下水道の処理施設(機械・電
気設備)(平成 26 年9月)、河川管理施設(平成 27 年2月)、ダム(機械設備)
(平成
27 年8月)
ⅱ)今後策定予定の施設
・港湾(平成 27 年度予定) 、ダム(電気通信設備)(平成 28 年度予定) 、ダム(土木構造
物)
(平成 28 年度策定着手予定)
、砂防設備 (平成 28 年度予定)、 海岸保全施設 (平
成 28 年度策定着手予定)、地すべり防止施設及び急傾斜地崩壊防止施設(平成 30 年
度予定)
②農林水産関係インフラ施設
施設の長寿命化やライフサイクルコストの縮減を図るため、以下の通り長寿命化対策
を実施している。
ⅰ)計画策定済の施設
・基幹的農業水利施設機能保全計画(平成 18~21 年度)
・県営漁港機能保全計画(平成 23 年3月)
ⅱ)今後策定予定の施設
・治山(平成 28 年度策定着手予定) 、林道(平成 28 年度策定着手予定)
、海岸保全施
設 (平成 28 年度策定着手予定) 、農業水利施設(地すべり防止施設)(平成 29 年
度策定着手予定)
12
③文化施設
県内には、開館から長い年月を経て老朽化した文化施設が多く、耐震性が不十分な施
設や防災の観点から早急な改修が必要な設備があることから、老朽化・活性化対策のた
め、県立文化施設耐震化・整備充実検討委員会の報告(平成 26 年1月)を踏まえ、以下
のとおり取り組んでいる。
・近代美術館
耐震性や消火設備等に課題があることから、同委員会の「新富山県立近代美術館(仮
称)最終報告」を踏まえ、平成25年度に策定した県の基本計画に沿って富岩運河環
水公園に移転新築するべく、平成29年春の一部開館、平成29年夏後半から秋頃の
全面開館を目指し、整備を進めている。また、現建物については、今後、民間活力の
活用も含めて、引き続き幅広く検討していく。
・県民会館
本県の顔として、また、本県の文化活動の中核拠点として、耐震化・機能充実のた
めの改修を実施し、平成27年3月にリニューアルオープン。
・その他の県立文化施設
高岡文化ホール、新川文化ホールなどその他の県立文化施設については、必要な改
修や修繕を計画的に進め、ライフサイクルコストを考慮した長寿命化を図っていく。
④スポーツ施設
本県のスポーツ施設については、2000 年とやま国体の開催に向け整備が進んだこと
もあり、整備率は全国トップクラスだが、建設から30年以上経過し、老朽化が進ん
でいるものもあることから、これらの施設を整備改修し、有効に活用していくことが
必要である。
このため、平成25年12月に設置したスポーツ施設を所管する部局等からなる庁
内プロジェクトチームにおいて、指定管理者への現状調査や施設利用団体へのアンケ
ート調査等を実施するなど、計画的な整備・改修について、検討を行っている。
・高岡武道館(耐震工事)
(平成 26 年6月)
・富山弓道場(耐震工事)
(平成 27 年3月)
13
第3章 公共施設等の管理に関する基本的な考え方と施設類型毎の基本的な方針
公共施設等の老朽化の進行、人口減少や人口構成の変動などによる公共施設への需要の変
化、義務的経費の増大など厳しい財政状況等の課題を踏まえ、財政負担の軽減・平準化、県
民が必要とする行政サービスの維持・向上を図るため、次の「基本的な考え方」を定め、公
共施設等の適切な管理に取り組んでいく。
また、各公共施設等の特性に応じた適切な維持管理、更新を図るため、
「基本的な考え
方」に基づき、
「施設類型毎の基本的な方針」を定める。
なお、
「施設類型毎の基本的な方針」によりがたい施設や、いずれの類型にも属さない施
設は、
「基本的な考え方」を基に各施設管理者において適切に管理することとする。
1 基本的な考え方
(1)公共施設等の長寿命化と効果的・効率的な維持管理
公共施設等の特徴に応じた効果的・効率的な維持管理を推進する。
具体的には、予防保全型の管理によりライフサイクルコストの縮減効果が高い施設
は、計画的な予防保全等による長寿命化を推進し、財政負担の平準化を図る。また、
庁舎、学校等の建物の維持管理費等の各種情報の一元的な把握を進め、その低減手法
を検討していくこととする。
加えて、平成27年1月には、国から全ての地方公共団体に対して、既存の決算統
計データを活用した簡便な作成方式ではなく、統一的な基準による財務書類等につい
て平成29年度までに作成するよう要請があったところであり、本県でも平成28年
度決算からの導入に向け、公共施設等のマネジメントにも資する固定資産台帳の整備
を進めているところである。今後、財務書類等の作成に必要なシステム整備を図ると
ともに、財務書類等の活用方法について検討していく。
(2)公共施設等の有効活用
公共施設等を有効活用することにより、歳入確保を図ることとする。
具体的には、
県有未利用地については、
一般競争入札による売却処分を基本としつつ、
事業用定期借地権設定による土地の貸付けなど幅広い手法により、資産の有効活用を
図る。また、庁舎等の空きスペースの民間等への貸付、企業広告の拡大等をより一層
図っていく。
(3)公共施設等の保有総量の適正化
現在や将来の県民ニーズに応じた施設の機能を維持しつつ、施設の特徴に応じて公
共施設等の保有総量を適正化していく。また、将来人口等の社会経済情勢の変化によ
る今後の利用見込み等を踏まえ、老朽化した既存施設や今後新設する公共施設等の必
要性や規模を検討し、不要となった資産については積極的に売却等を行うこととする。
具体的には、県有未利用地等の売却等の一層の促進、国の財政措置(公共施設等
最適化事業債等)やPPP(*)等の手法を活用した公共施設等の転用・集約・除却、国
や市町村、民間等との役割分担による施設のあり方の検討等を行い、中長期的に公
共施設等の保有総量の適正化と最適な配置に取り組んでいく。
(*)PPP:Public Private Partnership の略。官民パートナーシップのこと。
14
2 施設類型毎の基本的な方針
施設類型
「庁舎等」
対
象
庁舎等(学校教育施設、県営住宅、文化施設、スポーツ施設を除く)
現
状
と
課
題
庁舎等は 30 年以上を経過した建物も多く(59.1%)、老朽化が進んでおり、今後の維
持管理費の増大や改修・更新費の増大が懸念される。
庁舎等の長寿命化、効果的・効率的な維持管理、歳入確保、保有総量の適正化を図る
ため、以下のとおり実施方針を定める。なお、指定管理者制度を導入している公の施設
の建物については、指定管理者とも連携し、以下の実施方針に基づく管理等を行うこと
とする。
①点検・診断等の実施方針
建築基準法の法定点検の対象の建物については、当該点検及び点検結果を活用す
る。また、点検・診断等の結果を蓄積し、維持管理等の効果的・効率的な実施に活用
する。
②維持管理・修繕・更新等の実施方針
点検・診断等のデータの活用や全庁的な維持管理費等の一元的な把握により計画的
な維持管理・修繕・更新等を行い、ライフサイクルコストの縮減と平準化に努める。
実
施
方
針
③長寿命化の実施方針
今後も長期間の利用が見込まれる施設については、点検・診断等の結果を活かし、
予防保全の措置を講じる等、建物の長寿命化を推進する。
④安全確保の実施方針
点検・診断等の結果、利用者にとって危険性があると判断された場合には、応急的
な修繕等の措置を講じる。また、未利用施設について危険性がある場合は、速やかに
除却等の措置を講じる。
⑤耐震化の実施方針
本庁舎、総合庁舎については、平成 18 年度までに耐震化が完了している。
他の庁舎等についても、昭和 56 年以前建築の非木造 2 階建以上又は延床面積 200
㎡以上の建物のうち、耐震化が必要なものについては、計画的に耐震補強工事を行っ
てきており、今後も必要に応じて耐震化を進める。なお、平成 28 年度には議会棟の
耐震補強工事に取りかかることとしている。
取
組
み
実
績
今
後
の
予
定
等
⑥施設総量適正化や維持管理経費削減の実施方針
将来更新費用の試算を踏まえると、現在保有している全ての庁舎等をそのままの規
模で更新し続けていくには、膨大な財政負担が必要となる。庁舎等の新設や更新にあ
たっては、その必要性や規模を検討し、転用・集約や国・市町村、民間等との役割分
担による施設のあり方の検討等を行った上で、行政機関としての機能や県民の利便性
を損なうことのないよう、必要な施設については整備・更新を行い、縮小や廃止が出
来る施設については集約・除却を行うなど、中長期的に施設総量の適正化に努める。
※取組み実績
・H19.4 利賀創造交流館(利賀少年自然の家を改修し転用)
・H21.3 情報工房を廃止し、貸会議室として活用
・H24.4 イタイイタイ病資料館
(国際健康プラザ内国際伝統医学センターを廃止し改修して設置)
・H24.7 高志の国文学館(知事公館を廃止し増改築して設置)
※今後の予定
・保育専門学院の廃止
・警察庁舎(旧射水警察署他)の除却
・富山市内 4 警察署を中規模警察署以上の 3 警察署に再編する予定
15
施設類型
「学校教育施設」
対
象
学校教育施設(県立高校・特別支援学校)56 校
現
状
と
課
題
学校教育施設は近年耐震化工事等を進めてきているが、過去の生徒数の増加に合わせ
て建てられた校舎等の建物も多く、老朽化が進んでおり、今後の維持管理費の増大や改
修・更新費の増大が懸念される。
学校教育施設については、生徒等の安全・安心の確保、効果的・効率的な維持管理を
図るため、以下のとおり実施方針を定める。
なお、平成 27 年 3 月には文部科学省より学校教育施設の長寿命化計画を策定するよ
う要請があり、今後は「県立学校整備のあり方等に関する検討委員会」等の検討も踏ま
え、当該計画の策定を進めることとする。
①点検・診断等の実施方針
建築基準法の法定点検の対象の建物については、当該点検及び点検結果を活用す
る。また、点検・診断等の結果を蓄積し、維持管理等の効果的・効率的な実施に活用
する。
②維持管理・修繕・更新等の実施方針
点検・診断等のデータの活用により計画的な維持管理・修繕・更新等を行い、ライ
フサイクルコストの縮減と平準化に努める。
実
施
方
針
③長寿命化の実施方針
今後策定予定の長寿命化計画に基づき、長期間の利用が見込まれる施設については
予防保全の措置を講じる等、建物の長寿命化を推進する。
④安全確保の実施方針
点検・診断等の結果、生徒等にとって危険性があると判断された場合には、応急的
な修繕等の措置を講じる。また、未利用施設について危険性がある場合は、速やかに
除却等の措置を講じる。
⑤耐震化の実施方針
耐震化の完了後も引き続き非構造部材の安全対策(吊天井の落下防止対策等)を進
めるとともに、施設の老朽化の状況や施設の機能に応じて、必要が生じた場合は、改
修や更新を行う。
⑥施設総量適正化や維持管理経費削減の実施方針
県立学校のあり方については、
「県立学校整備のあり方等に関する検討委員会」に
おいて、平成 27 年度中に基本的な方向をまとめ、その上で、総合教育会議において
基本方針を検討、協議し、基本方針が決まれば、その後、具体的な計画を策定するこ
ととしている。
取
組
み
実
績
今
後
の
予
定
等
学習環境の質を向上させる観点から、高校再編の前期計画として平成 22 年 4 月に高
校 10 校を再編成して新設校 5 校を開設した。統合された 5 校の後利用については 2 校
の高等特別支援学校に転用したほか、市町村に譲渡し、市庁舎やスポーツ広場などと
して有効活用されている。
※統合された高校の後利用について
・H25.3 旧海洋高校土地建物を滑川市に売却・譲与(市はスポーツ施設として利活用)
・H25.4 旧二上工業高校を高岡高等支援学校へ転用
・H25.4 旧大沢野工業高校を富山高等支援学校へ転用
・H25.12 旧有磯高校土地建物を氷見市へ売却(市は市庁舎として利活用)
・H28.2 旧井波高校土地建物を南砺市へ売却・譲与予定(市は医療・福祉施設として利活用予定)
16
施設類型
「文化施設」
対
象
文化施設 11 施設
(県民会館、高岡文化ホール、新川文化ホール、近代美術館等 文化振興課所管施設)
現
状
と
課
題
文化施設は設置から長い年月を経過した建物が多く、施設設備の老朽化も進んでお
り、今後の維持管理費の増大や改修・更新費の増大が懸念される。
文化施設については、
「県立文化施設耐震化・整備充実検討委員会」の報告(平成 26
年1月)に基づき、これまで取組みを進めてきている。今後も、長寿命化、効果的・
効率的な維持管理、保有総量の適正化を図るため、以下のとおり実施方針を定める。
なお、指定管理者制度を導入している公の施設の建物については、指定管理者とも連
携し、以下の実施方針に基づく管理等を行うこととする。
①点検・診断等の実施方針
建築基準法の法定点検の対象の建物については、当該点検及び点検結果を活用す
る。また、点検・診断等の結果を蓄積し、維持管理等の効果的・効率的な実施に活
用する。
②維持管理・修繕・更新等の実施方針
点検・診断等のデータの活用等により計画的な維持管理・修繕・更新等を行い、
ライフサイクルコストの縮減と平準化に努める。
実
施
方
針
③長寿命化の実施方針
今後も長期間の利用が見込まれる施設については、点検・診断等の結果を活かし、
予防保全の措置を講じる等、建物の長寿命化を推進する。
④安全確保の実施方針
点検・診断等の結果、利用者にとって危険性があると判断された場合には、応急
的な修繕等の措置を講じる。また、未利用施設について危険性がある場合は、速や
かに除却等の措置を講じる。
⑤耐震化の実施方針
県民会館については平成 26 年度に耐震工事を完了し、現在の近代美術館につい
ては富山県美術館(仮称)として平成 29 年に移転新築予定となっている。
⑥施設総量適正化や維持管理経費削減の実施方針
文化施設の更新等にあたっては、県民ニーズや社会経済情勢等を踏まえ、転用・
集約・除却、市町村や民間等との役割分担など施設のあり方の検討等を行ったうえ
で、必要な施設については整備・更新を行い、縮小や廃止が出来る施設については
集約・除却を行うなど、中長期的に施設総量の適正化に努める。
取
組
み
実
績
今
後
の
予
定
等
現在の近代美術館については、今後、民間活力の活用も含めて、引き続き幅広く検
討していく。
※近年の文化施設の整備等の状況
・H27.3
県民会館耐震改修等工事完了
・H29 年度 富山県美術館(仮称)移転新築予定
17
施設類型
「県営住宅」
対
象
県営住宅 24 団地 138 棟
現
状
と
課
題
県営住宅の多くが昭和 30 年代から昭和 50 年代前半に建設され老朽化が進んでおり、今
後は躯体や設備を改善しながら適切に維持保全し、長寿命化を図る必要がある。
県営住宅では平成 22 年3月に「富山県営住宅長寿命化計画」を策定(平成 26 年3月、
平成 27 年1月に見直し)しており、本計画に沿って長寿命化等の取組みを進めている。今
後も県営住宅の長寿命化、予防保全的な維持管理、施設総量の適正化を図るため、以下の
とおり実施方針を定める。なお、県営住宅では指定管理者制度を導入しており、指定管理
者とも連携し、以下の実施方針に基づく管理等を行うこととする。
①点検・診断等の実施方針
県営住宅の状況を随時に的確な把握ができるよう以下の項目を中心に定期点検を実施
する。
・建築物の点検(建築基準法第 12 条第2項の点検で3年毎)
・建築設備の点検(建築基準法第 12 条第4項の点検で毎年)
・給水施設、防災設備、遊具の点検
・その他県営住宅の維持管理に必要な点検
実
施
方
針
②維持管理・修繕・更新等の実施方針
経年劣化が進みやすい外壁や屋上での改修工事では、仕様のグレードアップ等による
耐久性の向上や定期的な予防保全的維持管理を実施することで、ライフサイクルコスト
の低減・事業の平準化を図る。
③長寿命化の実施方針
予防保全的な維持管理及び耐久性・耐候性の向上等を図る修繕を実施することにより、
県営住宅の長寿命化を図る。
④安全確保の実施方針
定期点検等の結果、入居者等にとって危険性があると判断された場合には、応急的な
修繕等の措置を講じる。
⑤耐震化の実施方針
耐震基準に満たない県営住宅は原則廃止し、順次除却等の措置を講じる。
⑥施設総量適正化や維持管理経費削減の実施方針
最も古い建設年次は昭和 37 年であり、今後、順次建替え時期を迎えることになる。公
営住宅は市町村においても整備されているところであり、需要動向を踏まえ、長寿命化
計画の期間中(平成 31 年度まで)に更新時期を迎える施設から廃止を検討する。
・H22.3 富山県営住宅長寿命化計画策定
取
組
み
実
績
今
後
の
予
定
等
※近年の廃止の状況
・H21.2 海岸通り団地廃止
・H26.7 水橋駅前団地廃止
・~H27.5 太閤山団地の一部廃止(これまでに 20 棟廃止)
18
施設類型
「スポーツ施設」
対
象
スポーツ施設 10 施設
(総合体育センター、西部体育センター、高岡総合プール、富山武道館 等 知事政策局所
管施設)
現
状
と
課
題
2000 年とやま国体の開催に向け整備が進んだこともあり、整備率は全国トップクラスで
あるが、老朽化が進んでいるものもあることから、今後の維持管理費の増大や改修・更新費
の増大が懸念される。
スポーツ施設は、競技スポーツの拠点として選手や指導者の養成等、競技力の向上に資す
るとともに、全国大会などの公式競技会場や広域的な生涯スポーツの拠点として重要な役
割を担っていることから、元気とやまスポーツ振興会議において、施設の改修・充実につい
て議論しており、これらの意見を踏まえた機能の維持・充実を図るため、以下のとおり管理
等の実施方針を定める。また、平成 27 年 3 月には文部科学省から公立社会教育施設の長寿
命化計画を策定するよう要請があり、当該計画の策定を進めることとする。
なお、指定管理者制度を導入している公の施設の建物については、指定管理者とも連携
し、以下の実施方針に基づく管理等を行うこととする。
①点検・診断等の実施方針
建築基準法の法定点検の対象の建物については、当該点検及び点検結果を活用する。ま
た、点検・診断等の結果を蓄積し、維持管理等の効果的・効率的な実施に活用する。
②維持管理・修繕・更新等の実施方針
点検・診断等のデータの活用等により計画的な維持管理・修繕・更新等を行い、ライフ
サイクルコストの縮減と平準化に努める。
また、必要に応じて競技ルールの変更に伴う施設の改修・更新を実施する。
実
施
方
針
③長寿命化の実施方針
今後も長期間の利用が見込まれる施設については、点検・診断等の結果を活かし、予防
保全の措置を講じる等、建物の長寿命化を推進する。
④安全確保の実施方針
点検・診断等の結果、利用者にとって危険性があると判断された場合には、応急的な修
繕等の措置を講じる。
⑤耐震化の実施方針
昭和 56 年の改正建築基準法施行前に整備された施設については、全て耐震診断を行
い、耐震化が完了している。
なお、天井等の非構造部材の安全対策など、今後も必要性に応じ改修等を検討する。
⑥施設総量適正化や維持管理経費削減の実施方針
県民ニーズや東京オリンピック・パラリンピック等のスポーツを取り巻く社会経済情
勢等を踏まえ、元気とやまスポーツ振興会議等関係者の意見も聞きながら、市町村や民
間等との役割分担による施設のあり方の検討等を行い、中長期的に施設総量の適正化に
努める。
取
組
み
実
績
今
後
の
予
定
等
※近年のスポーツ施設の整備・改修・更新の状況
・H26.6 高岡武道館(耐震工事)
・H27.3 富山弓道場(耐震工事)
19
施設類型 「道路」
対
象
道路 286 路線 2,459 ㎞
現
状
と
課
題
県が管理する道路は、路面クラックなどの劣化が進んでおり、今後の修繕費等の増大が
懸念される。
道路については、安全で円滑な道路を確保、効果的・効率的な維持管理に努めるため、
以下のとおり定める。
①点検・診断等の実施方針
道路パトロールなどにより確認された、道路のクラックや穴などの損傷について、記
録や調査を実施する。
②維持管理・修繕・更新等の実施方針
道路の損傷状態や交通量に応じて、健全度や重要性を考慮して、必要な修繕や更新
を実施する。
③長寿命化の実施方針
道路の損傷が進行する前に予防保全的に修繕等を実施し、道路の長寿命化に努める。
実
施
方
針
④安全確保の実施方針
日常的に道路パトロールを実施し、舗装を含む道路施設の損傷が確認された場合に
は、適切な応急措置を講じ、必要な修繕を実施することで、安全で安心な道路の確保に
努める。
⑤耐震化の実施方針
舗装は、地震の規模による仕様規定、性能規定はないため、耐震化の必要はない。
⑥施設総量適正化や維持管理経費削減の実施方針
交通量等を踏まえ、施設総量の適正化を図るとともに、施設の健全性や重要性に応じ
て計画的・効果的に修繕等を行うことにより、ライフサイクルコストの縮減を図る。
また、既存の道路において、側溝の蓋掛け等により新たに歩行空間を確保するなど、
短期間で危険箇所を改善し、県民が安全、便利、快適に道路を利用できるようにするな
ど、効果的な施設管理も行う。
取
組
み
実
績
今
後
の
予
定
等
・H27.2 近隣でのバイパスの整備により県道高岡環状線を高岡市へ移管
(高岡市蓮花寺~上伏間江区間 L=2.9 ㎞)
・H27.8 利用者の減少により県道富山魚津線 岩瀬横断歩道橋を撤去
(富山市岩瀬御蔵町地内)
20
施設類型 「橋梁」
対
象
橋梁
現
状
と
課
題
本県が管理する橋梁は、高度経済成長期以降に整備されものが多く、今後、急速な老朽化
や劣化の進展が見込まれ、修繕時期が集中することが想定される。
橋長 2m~15m未満 2,279 橋、橋長 15m以上 817 橋
平成 22 年度に「富山県橋梁長寿命化修繕計画(平成 23 年2月)」(以下「計画」という。)
を策定しており、平成 27 年度にはその見直しを行っている。当該計画に基づく橋梁の維持管
理等の実施方針を以下のとおり定める。
①点検・診断等の実施方針
「富山県橋梁点検マニュアル(平成 27 年4月改訂)」に基づき、定期点検は近接目視で行
うことを基本とし、各橋梁5年に1回を標準として継続的に実施する。また、定期点検を
実施した橋梁については、部材単位及び橋梁単位での健全性の診断を行う。
②維持管理・修繕・更新等の実施方針
計画策定後の概ね 10 年間で適切な管理水準に引き上げ、それ以降は適切な管理水準を
維持し、修繕・更新費用の縮減を目指す。
対症療法型から予防保全型の維持管理への転換を図り、長寿命化によるライフサイクル
コストの縮減及び修繕・更新費用の平準化を図る。
実
施
方
針
③長寿命化の実施方針
適切な管理水準を維持し、橋梁の長寿命化を図る。ただし、橋梁の高齢化や劣化の進展
状況から、全ての橋梁の長寿命化は困難であり、劣化状況や費用対効果等を勘案し、架け
替えも検討する。
④安全確保の実施方針
点検の実施により、安全性や耐荷力・耐久性に影響すると考えられる損傷を早期に発見
し、常に橋梁を良好な状態に保全し、安全かつ円滑な交通を確保する。
⑤耐震化の実施方針
兵庫県南部地震と同程度の地震動に対し、落橋等の甚大な被害を防止するため、昭和 55
年道路橋示方書より古い基準適用の橋梁(橋長 15m以上)の耐震対策を実施する(平成 28
年度完了を目標)
。
今後、最新の道路橋示方書に基づく耐震対策について検討する。
⑥施設総量適正化や維持管理経費削減の実施方針
交通量等を踏まえ、施設総量の適正化を図るとともに、施設の健全性や重要性、費用対
効果等に応じて修繕・更新等を行うことにより、ライフサイクルコストの縮減を図る。
・H23.2 富山県橋梁長寿命化修繕計画策定(H27 年度改訂中)
取
組
み
実
績
今
後
の
予
定
等
・H18 年度~ 5年に1回の点検の実施(橋長 15m以上の橋梁)
※H25 年度に道路ストック総点検を実施(橋長2m以上 15m未満の橋梁)
・H26 年度~ 5年に 1 回の法定点検の実施
・H27.9 県道宇奈月大沢野線 片貝清流橋整備(バイパスの整備)により東山橋を魚津市へ
移管(魚津市東山~横枕 L=150.8m)
21
施設類型
「トンネル 」
対
象
トンネル(県管理道路における供用中のトンネル 45 本)
現
状
と
課
題
県管理道路におけるトンネルは、高度経済成長期に整備されたものが多く老朽化が進ん
でおり、今後の点検や修繕・更新費等の増大が懸念される。
道路トンネルについては、道路ストック総点検(H25 年度実施)の結果に基づき、修繕等
の計画を定めた維持管理計画(H25 年度策定)を策定し、また、平成 26 年 7 月に定期点検
に関する省令の施行(近接目視により 5 年に 1 回の頻度で実施することを基本)を受けて、
県管理トンネル等の定期点検計画を策定し、点検・修繕を計画的に実施しており、当該施
設の維持管理等の実施方針を以下のとおり定める。
①点検・診断等の実施方針
国で定められた「道路トンネル定期点検要領」に基づき計画的に点検を実施し、健全
性を診断する。
実
施
方
針
②維持管理・修繕・更新等の実施方針
定期点検の診断結果に基づき、健全度や重要性を考慮して計画的かつ効率的な修繕や
更新を実施する。
③長寿命化の実施方針
点検結果に基づき予防保全的に修繕等を実施し、施設の長寿命化に努める。
④安全確保の実施方針
点検・診断の結果、緊急を要する損傷においては、速やかに対応するとともに、その
他修繕を要する損傷については、計画的に修繕を実施し、安全で安心な道路の確保に努
める。
⑤耐震化の実施方針
トンネルは、地震の規模による仕様規定、性能規定はないため、耐震化の必要はない。
⑥施設総量適正化や維持管理経費削減の実施方針
交通量等を踏まえ、施設総量の適正化を図るとともに、施設の健全性や重要性に応じ
て計画的・効果的に修繕等を行うことにより、ライフサイクルコストの縮減を図る。
取
組
み
実
績
今
後
の
予
定
等
・H25 年度
道路ストック総点検の実施
・H27 年度
5 年に 1 回の法定点検の実施(県内4トンネル)
22
施設類型 「河川管理施設」
対
象
水門等河川管理施設 21 施設
現
状
と
課
題
富山県が管理する水門等河川管理施設は、現在 21 施設あるが、設置後 40 年を経過す
る施設は 3 施設あり、10 年後には 5 施設となるなど老朽化が進み、今後必要となる維
持管理費、更新費の増大が懸念される。
平成 27 年 2 月に「富山県水門等河川管理施設長寿命化計画」を策定しており(今後
5年程度を目安に評価し、必要に応じて見直し)
、当該計画に基づく施設の管理等の実
施方針を以下のとおり定める。
①点検・診断等の実施方針
河川法(法令、国の点検要領等)に基づき、出水期前の年点検(年1回)や定期的
な月点検(月1回)を実施して施設の状況を把握し、結果を維持管理等や安全確保、
長寿命化計画に反映させる。
②維持管理・更新等の実施方針
富山県水門等河川管理施設長寿命化計画に基づき、施設の種類毎に予防保全型、事
後保全型等の維持管理・更新を図る。
実
施
方
針
③長寿命化の実施方針
富山県水門等河川管理施設長寿命化計画に基づき、
計画的かつ予防保全的な措置を
講じる等、施設の長寿命化に努めることとする。
④安全確保の実施方針
点検・診断等の結果、危険性があると判断された場合には、応急的な修繕を行う。
⑤耐震化の実施方針
富山県水門等河川管理施設長寿命化計画に基づき、
今後河川改修事業実施に併せた
対策工法の検討を進める。
⑥施設総量適正化や維持管理経費削減の実施方針
県民の生命・財産・生活を守る重要な施設であり、限られた予算で計画的・効率的
に維持管理・更新を行うことにより、施設の延命化と、ライフサイクルコストの縮減
を図る。
取
組
み
実
績
今
後
の
予
定
等
・H27.2 富山県水門等河川管理施設長寿命化計画策定
・H27 年度 長寿命化計画に基づいた点検の実施(松川制水門ほか 20 施設)
23
施設類型
対
象
現
状
と
課
題
「ダム」
ダム(土木部管理 16 ダム)
富山県が管理する洪水調節を目的としたダムは、16 ダムある。
ダムは管理開始から概ね 30 年経過すると、補修事例が増加する傾向にあるが、県内
のダムで見ると、30 年以上経過したダムは9ダム、20 年後(平成 47 年度)には 15 ダム
と急速に高齢化が進展し、今後の維持管理費用の増加が見込まれる。
ダム機能を良好に維持し、計画的かつ予防保全的な維持管理・更新とし、施設の長寿
命化を図るため以下のとおり実施方針を定める。
なお、ダムについては、平成 27 年度末までに機械設備の長寿命化計画、平成 28 年度
以降は電気通信設備と土木構造物の長寿命化計画を策定に着手することとしている。
①点検・診断等の実施方針
河川法(法令、国の点検整備マニュアル、点検整備基準)に基づき、日常点検や、
年点検、管理運転点検などを実施して施設の状況を把握し、結果を維持管理等や安全
確保、長寿命化対策に活用する。
②維持管理・修繕・更新等の実施方針
点検等の結果を踏まえ、
健全度や重要性等に応じて計画的かつ予防保全的な維持管
理・更新等を行い、効果的・効率的な維持管理を図る。
実
施
方
針
③長寿命化の実施方針
今後策定予定の長寿命化計画に基づき、計画的かつ予防保全的な維持管理・更新に
より長寿命化を推進する。
④安全確保の実施方針
点検等の結果、危険性があると判断された場合には、応急的な修繕を行う。
⑤耐震化の実施方針
今後、国の指針等に従いながら、実施の検討をしていく。
⑥施設総量適正化や維持管理経費削減の実施方針
洪水調節を目的とした施設であり、機械設備や電気通信設備等については、修繕・
更新等に合わせ、統合・廃止等を含めて検討するなど必要な機能を維持しながら施設
総量の適正化を図る。
また、施設の健全度や重要性等に応じて計画的かつ予防保全的な維持管理・更新等
を行い、効果的・効率的な維持管理を図ることにより、ライフサイクルコストの縮減
を図る。
取
組
み
実
績
今
後
の
予
定
等
・H27.8
ダム長寿命化計画(機械設備)策定
・H28年度 ダム長寿命化計画(電気通信設備)策定(予定)
・
〃 ダム長寿命化計画(土木構造物)策定に着手予定
・利賀ダム(国直轄)については、総事業費の抑制と早期の完成を国に要望している。
24
施設類型 「砂防関係施設」
対
象
砂防関係施設
現
状
と
課
題
砂防関係施設は厳しい自然環境下に設置されており経年的な要因あるいは出水等に
よる施設の老朽化や損傷が進んでいる。土砂災害対策を進めてきた結果、施設数が増加
する一方で、今後、土砂災害に対する所定の機能及び性能を維持していくために維持管
理費や改修・更新費の増大が懸念される。
土砂災害防止への安全性を低下させることなく、所定の機能及び性能を長期にわたっ
て維持・確保していくため、当面、以下のとおり方針を定める。
なお、国においては平成 26 年度に「砂防関係施設の長寿命化計画策定ガイドライン
(案)
」等が示され、長寿命化計画の策定の要請を受けているところであり、本県でも
平成 30 年度までに長寿命化計画を策定することとしている。
①点検・診断等の実施方針
点検や巡視を実施して施設の状況を把握し、健全度の診断・評価を行なった結果を
維持管理等に活用する。
②維持管理・修繕・更新等の実施方針
施設の種類毎に予防保全型の維持管理等を行い、効果的・効率的な維持管理、更新
を図る。
実
施
方
針
③長寿命化の実施方針
策定を進めている長寿命化計画に基づき、予防保全の措置を講じる等、施設の長寿
命化に努める。
④安全確保の実施方針
点検等の結果、危険性があると判断された場合には、応急的な修繕を行う。
⑤耐震化の実施方針
大規模な改築等を行なう場合は、
最新の技術基準等に基づく耐震対策について検討
する。
⑥施設総量適正化や維持管理経費削減の実施方針
土砂災害防止のための施設であり、施設の健全度や重要性、費用対効果等に応じて
修繕・改築等を行い、効果的・効率的な維持管理を図ることにより、ライフサイクル
コストの縮減を図る。
取
組
み
実
績
今
後
の
予
定
等
・H26~28 年度 長寿命化の県マニュアル策定予定(砂防設備、地すべり防止施設
及び急傾斜地崩壊防止施設)
・H27~30 年度 県マニュアルに基づく施設点検
・H28 年度 砂防設備長寿命化計画策定(予定)
・H30 年度 地すべり防止施設及び急傾斜地崩壊防止施設長寿命化計画策定(予定)
25
施設類型 「海岸保全施設」
対
象
現
状
と
課
題
海岸保全施設(土木部所管)
漁港海岸保全施設(農林水産部所管)
海岸保全施設(土木部所管)は、現在、建設後 50 年以上を経過しているものが約2割
だが、2030 年には6割に達するなど急速な老朽化が見込まれている。また、漁港海岸保
全施設(農林水産部所管)についても、現在、建設後 50 年以上を経過しているものが約
6割であり、2030 年には9割に達するなど、同様に急速な老朽化が見込まれている。い
ずれの施設も今後の維持管理費の増大や改修・更新費の増大が懸念される。
海岸保全施設については、効果的・効率的な維持管理を図るため、以下のとおり実施方
針を定める。なお、平成 26 年 3 月に、巡視(パトロール)の導入等点検の効率化や長寿
命化計画の策定方法を具体化するため「海岸保全施設維持管理マニュアル」
(農林水産省
農村振興局、水産庁、国土交通省水管理・国土保全局、港湾局)が改訂され、国により平
成 30 年度までの間、長寿命化計画の策定支援がなされることとなっている。今後は、国
の支援を受け、長寿命化計画の策定を進めることとする。
実
施
方
針
取
組
み
実
績
今
後
の
予
定
等
①点検・診断等の実施方針
「海岸保全施設維持管理マニュアル」に基づき、日常点検や定期点検を実施して施設
の状況を把握する。
②維持管理・修繕・更新等の実施方針
(土木部所管)
平成 24~25 年度に実施した施設の現況調査結果を踏まえ、健全度や重要性、費用対
効果等に応じて計画的に修繕・更新等を行い、効果的・効率的な維持管理を図ることと
する。
(農林水産部所管)
平成 28 年において、県管理の漁港海岸の調査・診断を行い、施設の老朽化対策を計
画する。これを基に健全度や重要性、費用対効果等に応じて計画的に修繕・更新等を行
い、効果的・効率的な維持管理を図ることとする。
③長寿命化の実施方針
(土木部所管)
平成 24~25 年度に実施した施設の現況調査結果を踏まえ、海岸保全施設の予防保全
の措置を講じる等、施設の長寿命化に努めることとする。
(農林水産部所管)
平成 28 年において、県管理の漁港海岸の調査・診断を行い、長寿命化計画を策定し、
必要に応じて、海岸保全施設の予防保全の措置を講じる等、施設の長寿命化に努める
こととする。
④安全確保の実施方針
日常点検や定期点検の結果、利用者にとって危険性があると判断された場合には、応
急的な修繕を行うこととする。
⑤耐震化の実施方針
平成 24~25 年度に実施した施設の現況調査結果に基づき、平成 31 年度頃までに耐
震化を完了することとする。
⑥施設総量適正化や維持管理経費削減の実施方針
津波・高波・波浪などによる被害から海岸を防護するための施設であり、施設の健全
度や重要性、費用対効果、津波シミュレーション結果等を踏まえ、効率的・効果的な修
繕・更新等を行うことにより、ライフサイクルコストの縮減を図る。
・H26 年度 黒部漁港海岸護岸改良
・H27 年度 経田海岸 護岸改良
伏木富山港海岸(四方地区) 護岸改良(実施中)
・H28 年度 海岸保全施設長寿命化計画策定に着手予定
26
施設類型 「下水道施設」
対
象
現
状
と
課
題
下水道施設(小矢部川流域下水道、神通川左岸流域下水道)
下水道施設の機械・電気設備は、設置後15年(機械・電気設備の標準耐用年数:7
~20年)を経過した設備が10年後には約9割となり、今後の維持管理費の増大や改
修・更新費の増大が懸念される。
処理場施設や管路には、耐震性が確保されていない施設があり、耐震対策が必要とな
っている。
平成 26 年度に「小矢部川・神通川左岸流域下水道 機械・電気設備長寿命化計画(長
期計画)
」を策定しており、本計画に基づき機械・電気設備の長寿命化等の取り組みを
進めている。なお、管渠、土木・建築施設については、今後、老朽化の進行状況を見な
がら長寿命化計画を策定する。
また、処理場施設は耐震診断を完了し対策に着手しており、管路は平成 29 年度まで
に耐震診断を完了する予定である。
①点検・診断等の実施方針
下水道法の改正により創設された維持修繕基準に基づき点検計画を作成する。その
計画に基づき日常点検や定期点検を実施して施設の状況を把握し、それを維持管理や
修繕、長寿命化対策に反映させる。
②維持管理・修繕・更新等の実施方針
点検・診断等の結果を踏まえ、健全度や重要性、費用対効果等に応じて、効果的・
効率的な維持管理、修繕、更新を行う。
実
施
方
針
③長寿命化の実施方針
下水道施設の機械・電気設備については、ライフサイクルコストの縮減や予算の平
準化を目的として策定した「小矢部川・神通川左岸流域下水道 機械・電気設備長寿
命化計画(長期計画)
」に基づき、設備ごとの具体的な長寿命化対策を実施する。
④安全確保の実施方針
点検・診断等の結果、危険性があると判断された場合には、応急的な修繕を行う。
⑤耐震化の実施方針
処理場施設については、施設の重要性、二次災害の危険性等を考慮し対策の必要が
ある施設について計画的に耐震化を進める。なお、管路(マンホール)については、
耐震診断の結果を踏まえ、今後、優先度の高いものから順次、耐震対策を実施する。
⑥施設総量適正化や維持管理経費削減の実施方針
人口減少等に伴い、流域下水道に流入する計画汚水量の減少が懸念されるため、流
域関連市と情報共有を行い、将来の流入水量について適宜把握し、終末処理場の計画
規模を見直す等、施設総量の適正化を図る。
取
組
み
実
績
今
後
の
予
定
等
・H26.9 小矢部川・神通川左岸流域下水道機械・電気設備長寿命化計画(長期計画)策定
・H25~H27 年度 二上浄化センター計装設備長寿命化工事(実施中)
・H25~H27 年度 神通川左岸浄化センター中央監視装置長寿命化工事(実施中)
27
施設類型 「港湾施設」
対
象
港湾施設
現
状
と
課
題
港湾施設は、高度経済成長期に集中的に整備された施設が多く、今後、施設の老朽化
が急速に進行することが予想されることから、これまでに整備された港湾ストックの必
要な機能を維持しつつ、修繕・更新費用の平準化及び縮減を図る必要がある。
港湾施設の長寿命化、効果的・効率的な維持管理、施設総量の適正化を図るため、以
下のとおり実施方針を定める。
なお、港湾施設ごとに策定されている維持管理計画をもとに、点検費用、修繕・更新
費用の平準化を考慮した長寿命化計画を平成 27 年度中に策定予定である。
①点検・診断等の実施方針
維持管理計画に基づき、点検・診断を実施する。
②維持管理・修繕・更新等の実施方針
点検・診断の結果に基づき、健全度や重要性、費用対効果等に応じて計画的に修繕・
更新を行い、効果的・効率的な維持管理を図る。
実
施
方
針
③長寿命化の実施方針
今後、長寿命化計画の策定を行い、予防保全型の維持管理へ転換することで、施設
の長寿命化に努める。
④安全確保の実施方針
点検・診断等の結果、施設利用者や第三者に危険が及ぶと判断された場合には、応
急的な修繕や利用制限等の必要な措置を講じる。
⑤耐震化の実施方針
港湾計画に位置づけられた耐震強化岸壁について、引き続き整備を進めていく。ま
た、橋梁の耐震化を引き続き実施していく。
⑥施設総量適正化や維持管理経費削減の実施方針
施設の利用状況の把握に努め、必要性に変化が生じた施設については、廃止・撤去・
再編を含めて検討するなど施設総量の適正化を図る。
また、施設の健全度や重要性に応じて修繕・更新等を行うことにより、ライフサイ
クルコストの縮減を図る。
取
組
み
実
績
今
後
の
予
定
等
・H22.6 コンテナ専用クレーン2号機供用開始(伏木富山港(新湊地区)
)
・H25.7 富山新港木皮焼却場について、老朽化及び木材取扱量の減少により利用
がなくなったため用途廃止(伏木富山港(新湊地区)
)
・H26.4 右岸クレーンについて、老朽化及び外港展開により利用がなくなったため
用途廃止(伏木富山港(伏木地区)
)
※今後の予定
・H27 年度 長寿命化計画策定予定
・H29 年度 水平引込式アンローダ更新完了予定(伏木富山港(新湊地区)
)
(既設クレーン2基のうち1基を能力拡充し更新。残り 1 基は更新せず、
廃止時期について今後検討)
28
施設類型 「都市公園」
対
象
都市公園 9 公園
現
状
と
課
題
遊具等は設置から 20 年以上経過したものが5割となっているなど、公園施設につい
ては老朽化が進み、今後の維持管理費の増大や改修・更新費の増大が懸念される。
平成 25 年度に「富山県立都市公園長寿命化(更新・補修)計画」を策定しており、
公園施設の安全で快適な利用を確保するため、計画的な予防保全対策により公園施設の
長寿命化を図り、ライフサイクルコストを縮減するとともに、限られた予算で、計画的
な施設の更新・補修を実施する。
①点検・診断等の実施方針
目視による日常点検により、施設の異常の早期発見に努めるとともに、遊具や設備
等に関する法令の規定による定期点検や5年ごとの健全度調査の実施により、
施設の
劣化や損傷状況を把握する。
②維持管理・修繕・更新等の実施方針
長寿命化計画や、点検・診断の結果を踏まえ、健全度や重要度に応じて計画的に修
繕・更新を行い、効果的・効率的な維持管理を図る。
実
施
方
針
③長寿命化の実施方針
大規模建築物等の予防保全型施設については、
経年劣化を未然に抑制するよう維持
管理し、長寿命化を図る。
④安全確保の実施方針
点検・診断の結果、利用者にとって危険性があると判断された場合には、直ちに利
用を制限し、応急的な修繕を行う。
⑤耐震化の実施方針
耐震化は完了している。
⑥施設総量適正化や維持管理経費削減の実施方針
県民ニーズや利用状況、周辺施設とのバランスを踏まえ、利用頻度の少ない施設に
ついては、修繕・更新等に合わせ廃止・撤去・再編について検討するなど施設総量の
適正化を図る。
また、施設の健全度や重要性に応じて修繕・更新等を行うことにより、ライフサイ
クルコストの縮減を図る。
取
組
み
実
績
今
後
の
予
定
等
・H25.9 富山県立都市公園長寿命化(更新・補修)計画策定
・H18.3 利用者の減少や老朽化により県民公園太閤山ランドの遊具を一部廃止
(スカイプロムナード、トリムコース)
29
施設類型 「農業水利施設等」
対
象
農業水利施設(ダム・頭首工)
現
状
と
課
題
基幹的な農業水利施設であるダム、頭首工では耐用年数が超過するなど老朽化が進行
しており、突発的な事故や施設機能の低下が懸念されている。
農業水利施設は、食料生産を支える重要なインフラであり、多面的機能を有すること
から、これらの機能を安定的に発揮させるため、平成 18 年度から 21 年度までに基幹的
農業水利施設の機能保全計画を策定し、長寿命化対策に取組んでいる。しかしながら、
施設は年々劣化していくものであることから、今後の維持管理・更新等に向け、当該計
画をベースとしつつ、施設の劣化状況等から適切な対策時期を見極め、効果的・効率的
な補修・更新に取り組んでいくため、以下のとおり実施方針を定める。
①点検・診断等の実施方針
機能診断結果に基づき作成した機能保全計画を踏まえて施設機能を継続的に監視
し、点検、診断等の各段階における情報の蓄積を行っていく。
②維持管理・修繕・更新等の実施方針
機能保全計画をベースとして、点検・診断等により、施設の劣化状況や不具合を把
握し、適切な対策時期を見極めることで、計画的な維持管理・修繕・更新を行う。
実
施
方
針
③長寿命化の実施方針
点検・診断等の結果を活かし、
ストックマネジメントによる施設の長寿命化を図る。
④安全確保の実施方針
日常点検等により、通常時の状態と異なる現象が生じている場合には、管理規程及
び操作規定に基づき、迅速に適正な対応を行う。
⑤耐震化の実施方針
耐震調査の結果に基づき、対応を検討していく。
⑥施設総量適正化や維持管理経費削減の実施方針
ダム・頭首工は、地域営農に不可欠な基幹的な施設であり、短期的に大きな変更は
見込まれないが、営農や防災の観点から支障がなく、不要な施設や設備等が発生した
場合には、廃止・除却等の検討を行う。
また、
機能保全計画を踏まえた保全管理を通してライフサイクルコストの縮減を図
る。
取
組
み
実
績
今
後
の
予
定
等
・H18~H21 年度 機能保全計画策定
・古洞ダムにおいて、ダム管理制御施設等の長寿命化対策(制御設備工事)
(H24~H28
予定)を実施
30
施設類型 「農業水利施設等」
対
象
農業水利施設(地すべり防止施設)
現
状
と
課
題
地すべりの発生が危惧される地域を対象に防止区域を指定し、対策を実施している
が、個々の地すべり防止施設は、耐用年数を超過するなど老朽化が進行しており、施設
機能の低下や更新費の増大が懸念される。
地すべり防止施設は、農地や農業用施設を守り、農業生産基盤を維持するのみならず、
人命や財産を守るうえでも重要なインフラであることから、以下のとおり実施方針を定
める。なお、農林水産省農村振興局が平成 26 年度に策定した「インフラ長寿命化計画
(行動計画)
」においては、地すべり防止施設について平成 32 年度までに地すべり防止
区域の管理者が長寿命化計画を策定することとされており、今後、本県においても策定
を進めることとしている。
①点検・診断等の実施方針
「地すべり防止施設の機能保全の手引き(農林水産省)
」に基づき点検・診断を実
施し、長寿命化計画を策定する。
実
施
方
針
②維持管理・修繕・更新等の実施方針
長寿命化計画をベースとして、点検・診断等により、施設の劣化状況や不具合を把
握し、適切な対策時期を見極めることで、計画的・効果的な維持管理・修繕・更新を
行う。
③長寿命化の実施方針
点検・診断の結果を活かし、
ストックマネジメントによる施設の長寿命化に努める。
④安全確保の実施方針
点検等の結果、危険性があると判断された場合には、応急的な修繕を行う。
⑤耐震化の実施方針
施設の構造上耐震化は不要。
⑥施設総量適正化や維持管理経費削減の実施方針
農業生産基盤の維持や県民の安全確保のための施設であり、防災上支障がなく、不
要な施設や設備等が発生した場合には、廃止・除却等の検討を行う。また、施設の健
全度や重要性、費用対効果等に応じて修繕・更新等を行うことにより、ライフサイク
ルコストの縮減を図る。
取
組
み
実
績
今
後
の
予
定
等
・H28 年度に国の地すべり防止施設の長寿命化計画の手引きが策定される予定であり、
国の手引きを受けて H29 年度に長寿命化計画策定に着手予定
・地すべり防止区域が 46 区域と数多くあることから、H32 年度までに順次策定
31
施設類型 「治山施設」
対
象
治山施設(治山ダム等)
現
状
と
課
題
治山ダム等は、荒廃森林等厳しい自然条件下で整備されている箇所が多く、耐用年数
を過ぎたものも多くあるなか、今後、経年劣化や新たな森林の荒廃に伴って施設の劣化、
損傷等が生じる可能性があり、機能強化を含めた適切な維持管理が必要となっている。
県民の安全・安心の確保、治山施設の中長期的な維持管理・更新等の実施を図るため、
以下のとおり実施方針を定める。
なお、国においては、平成 27 年度中を目途に治山施設の予防保全型維持管理のため
の個別施設計画策定のガイドラインが示されることとされており、今後当該ガイドライ
ンに基づく計画の策定を行うこととする。
①点検・診断等の実施方針
治山施設が有する機能や周辺環境等に応じた点検のほか、
必要に応じて豪雨後の点
検等を実施し、変状や経年劣化等の健全度の把握を進める。
②維持管理・修繕・更新等の実施方針
今後、点検・診断等の結果を踏まえて個別施設計画の策定を行い、効果的・効率的
な維持管理・修繕・更新等を進める。
実
施
方
針
③長寿命化の実施方針
予防保全の措置を講じ、長寿命化計画(個別施設計画)に基づく治山施設の維持管
理・修繕・更新等の適切な実施に努める。
④安全確保の実施方針
点検・診断等の結果、緊急的な対応を要すると判断された場合には、保全対象との
位置関係及び重要度等を考慮し、優先度を踏まえた上で、応急的な修繕等を行うほ
か、必要な措置を講じる。
⑤耐震化の実施方針
施設の構造上耐震化は不要。
⑥施設総量適正化や維持管理経費削減の実施方針
県民の安全・安心の確保のための施設であり、防災上支障がなく、不要な施設や設
備等が発生した場合には廃止・除却等を行う。また、施設の健全度や重要性、費用対
効果等に応じて修繕・更新等を行うことにより、ライフサイクルコストの縮減を図
る。
取
組
み
実
績
今
後
の
予
定
等
・H28 年度に国において長寿命化対策マニュアルが策定される予定であり、これを受け
て H28 年度から長寿命化計画策定に着手予定
32
施設類型 「林道施設」
対
象
林道施設
現
状
と
課
題
林道の橋梁やトンネルをはじめとする道路施設は、耐用年数を過ぎたものも多く、高
度経済成長期にも多くの施設が整備されているなど老朽化が進んでいるなか、重大な事
故が発生するリスクが高まっており、機能維持等のため、今後の維持管理費の増大や改
修・更新費の増大が懸念される。
林道利用者の安全・安心を確保し、中長期的な維持管理・更新等に係るコストの縮減・
平準化を図るため、以下のとおり実施方針を定める。
なお、国においては平成 28 年度に「林道施設長寿命化対策マニュアル」等が示され
ることとされており、今後当該マニュアルに基づく長寿命化計画の策定を行うこととす
る。
①点検・診断等の実施方針
林野庁の「林道施設長寿命化対策マニュアル」等に基づき、定期点検等を実施して
施設の状況を把握し、結果を維持管理等や安全確保、長寿命化対策に活用する。
②維持管理・修繕・更新等の実施方針
点検・診断等の結果を踏まえ、健全度や重要性、費用対効果等に応じて計画的に修
繕・更新等を行い、効果的・効率的な維持管理を図る。
実
施
方
針
③長寿命化の実施方針
長寿命化計画(個別施設計画)に基づき、今後も長期間の利用が見込まれる施設(橋
梁・トンネル)に予防保全型、その他の施設には事後保全型等の維持管理を行い、施
設の長寿命化に努める。
④安全確保の実施方針
点検・診断等の結果、利用者にとって危険性があると判断された場合には、応急的
な修繕を行うほか、必要に応じて速やかに除却等の措置を講じる。
⑤耐震化の実施方針
長寿命化計画(個別施設計画)に基づき、耐震補強または施設の更新等を進める。
⑥施設総量適正化や維持管理経費削減の実施方針
林道利用者等のニーズ等を踏まえ、市町村との役割分担に留意しつつ、施設総量の
適正化に努めるとともに、不要な施設や設備等が発生した場合には廃止・除却等を行
う。また、施設の健全度や重要性、費用対効果等に応じて修繕・更新等を行うことに
より、ライフサイクルコストの縮減を図る。
取
組
み
実
績
今
後
の
予
定
等
・H26 年度 県管理林道橋3橋の落橋防止対策
・H26.7 森林基幹道 氷北線を氷見市へ移管(全線 L=19.0 ㎞)
・H27.11 山のみち 宮崎蛭谷線を朝日町へ移管 (宮崎~烏帽子山区間 L=2.2km)
・H28 年度に国において長寿命化対策マニュアルが策定される予定であり、これを受け
て H28 年度から長寿命化計画策定に着手予定
33
施設類型 「漁港」
対
象
漁港(県管理の宮崎、黒部、滑川、新湊、氷見の5漁港)
現
状
と
課
題
県が所有・管理する5漁港における岸壁や護岸等の漁港施設は、長期供用により老朽
化が進んでおり、今後の維持管理費の増大や改修・更新費の増大が懸念される。
県営漁港においては、平成 22 年度から平成 24 年度にかけて漁港毎に「機能保全計
画」を策定しており、当該計画に基づき施設の老朽化対策の実施方針を以下のとおり定
める。
①点検・診断等の実施方針
日常点検や定期点検を実施して施設の状況を把握し、結果を維持管理等や安全確
保、老朽化対策に活用する。
②維持管理・修繕・更新等の実施方針
機能保全計画に基づき、施設の種類毎に予防保全型、事後保全型等の維持管理を行
い、効果的・効率的な維持管理、更新を図る。
実
施
方
針
③長寿命化の実施方針
機能保全計画に基づき、今後も長期間の利用が見込まれる施設については、予防保
全の措置を講じる等、施設の長寿命化に努めることとする。
④安全確保の実施方針
点検・診断等の結果、漁港利用上の危険性があると判断された場合には、応急的な
修繕を行う。
⑤耐震化の実施方針
耐震耐波に係る漁港施設の機能診断の結果に基づき、平成 36 年度末までに耐震耐
波対策を完了することとする。
⑥施設総量適正化や維持管理経費削減の実施方針
漁港利用者のニーズや漁業情勢等を踏まえ、計画的な漁港施設整備を図るととも
に、不要な施設や設備等が発生した場合には廃止・除却等を行い、施設総量の適正化
に努める。また、施設の健全度や重要性、費用対効果等に応じて修繕・更新等を行う
ことにより、ライフサイクルコストの縮減を図る。
取
組
み
実
績
今
後
の
予
定
等
・H22~24 年度 機能保全計画策定
・H27 年度
漁港施設長寿命化対策工事(滑川漁港・船揚場補修工事他)
漁港施設耐震耐波工事(氷見漁港・護岸改良工事他)
34
施設類型
「企業局(電気事業、水道事業、工業用水道事業、地域開発事業)」
対
象
企業局所有施設
現
状
と
課
題
企業局の施設は、発電施設並びに水道及び工業用水道施設の老朽化が進んでおり、今後
の維持管理費の増大や改修・更新費の増大が懸念される。特に、水道及び工業用水道の送
水管路は、一部に耐震適合性のないものや敷設してから長年経過したものもあり、漏水等
による断水リスクが高くなってきている。
企業局については、平成 23 年度から 28 年度までの6 年間の経営計画において、事業ご
とに計画的な維持・修繕や長寿命化対策等の具体的な取組みを定め、これまで取組みを進
めている。今後も長寿命化、効果的・効率的な維持管理、保有総量の適正化に図るため、
以下のとおり実施方針を定める。なお、指定管理者制度を導入している公の施設の建物に
ついては、指定管理者とも連携し、以下の実施方針に基づく管理等を行うこととする。
①点検・診断等の実施方針
建築基準法の法定点検の対象の建物については、当該点検及び点検結果を活用する。
また、点検・診断等の結果を蓄積し、維持管理等の効果的・効率的な実施に活用する。
②維持管理・修繕・更新等の実施方針
発電施設については、計画的に、又は、毎年の定期点検などを踏まえ、改修、修繕等
を行ってきている。
送水管路については、
事業の経営の安定化のため事業費を平準化し、
水道は今後約 40 年間で、工業用水道は今後約 60 年間で全て更新する。
今後も、点検・診断等のデータの活用等により計画的な維持管理・修繕・更新等を行
い、ライフサイクルコストの縮減と平準化に努める。
実
施
方
針
③長寿命化の実施方針
今後も長期間の利用が見込まれる施設については、点検・診断等の結果を活かし、予
防保全の措置を講じる等、建物の長寿命化を推進する。
④安全確保の実施方針
点検・診断等の結果、利用者等にとって危険性があると判断された場合には、応急的
な修繕等の措置を講じる。また、未利用施設について危険性がある場合は、速やかに除
却等の措置を講じる。
⑤耐震化の実施方針
発電施設のうち管理所等については、平成 28 年度までに耐震化が完了する予定であ
り、他の施設についても、今後、順次必要な耐震化を進める。また、送水管路について
は、耐震適合性のないものを優先的に更新する。
⑥施設総量縮小や維持管理経費削減の実施方針
平成 28 年度に策定予定の 10 年間の「経営戦略」を基本に、県民ニーズや社会経済情
勢等を踏まえ、将来にわたり事業を安定的に継続できるよう、企業局の施設等の計画的
な更新に努める。また、人口減少時代を迎え、水道事業については、効果的、効率的な
運用のあり方について検討を進め、施設の保有総量の適正化に努める。
取
組
み
実
績
今
後
の
予
定
等
・H27.9 富山駐車場の廃止
(解体のうえ、隣接する県保有の駐車場と併せて平面駐車場と一体化して、駐車場用地と
して民間事業者に貸付け予定)
・東部水道用水供給事業については、人口減少時代の水道用水の需給見通しを精査し、関
係市町村と協議のうえ、未利用水の有効活用や事業の見直しを進める。
35
施設類型
「中央病院」
対
象
施
設
中央病院所有施設
現
状
と
課
題
中央病院の施設は、中央病棟・診療棟が建築後 20 年を過ぎ設備劣化への対応が求め
られているとともに、県の中核施設として高度医療を継続して提供するために機能強化
も求められていることから、今後の維持管理費の増大や改修・更新費の増大が懸念され
る。
中央病院については、短期(平成 28 年~32 年)
、中期(33 年~37 年)
、長期(38 年
~)に分け設備劣化改修、機能強化改修計画を策定して、施設の計画的な維持・修繕や
長寿命化対策等の具体的な取組みを進めることとしている。今後も長寿命化、効果的・
効率的な維持管理、保有総量の適正化を図るため、以下のとおり実施方針を定める。
①点検・診断等の実施方針
施設の機能不全が患者サービスの低下に直結することから、法令等に基づく定期
点検のほか、日常的に点検作業を行い、当該点検及び点検結果を施設の維持管理に活
用する。
②維持管理・修繕・更新等の実施方針
点検・診断等のデータの活用等により計画的な維持管理・修繕・更新等を行い、ラ
イフサイクルコストの縮減と平準化に努める。また、点検・診断等の結果については
予算措置に反映するよう努める。
実
施
方
針
③長寿命化の実施方針
今後も長期間の利用が見込まれる施設については、点検・診断等の結果を活かし、
予防保全の措置を講じる等、施設の長寿命化を推進する。
④安全確保の実施方針
点検・診断等の結果、患者等の利用者にとって危険性があると判断された場合には、
応急的な修繕等の措置を講じる。また、未利用施設について危険性がある場合は、速
やかに除却等の措置を講じる。
⑤耐震化の実施方針
厚生棟・医療交流棟については、平成 26 年までに耐震化が完了している。
⑥施設総量適正化や維持管理経費削減の実施方針
県民の命を守る必要な機能は確保・充実しつつ、患者のニーズや医療を取り巻く社
会情勢等を踏まえ、不要な施設や設備等が発生した場合には廃止・除却等を検討し、
中央病院内の施設総量の適正化に努める。
取
組
み
実
績
今
後
の
予
定
等
・H26 年度 厚生棟・医療交流棟の耐震化完了
・H28 年度 先端医療棟の整備完了
36
施設類型 「交通安全施設」
対
象
交通安全施設(交通信号機)
現
状
と
課
題
交通信号機は、更新基準年数を超過した信号制御機をはじめ、信号柱や信号灯器等の老
朽化が進んでおり、信号制御機の故障や信号柱の倒壊等の事故が懸念されることから、老
朽化した信号制御機や信号柱等の更新を進めていく必要がある。
実
施
方
針
交通信号機については、県警察が定めた「交通信号機の整備方針」に基づき、交通信号
機の新設や更新の具体的な計画を定め、これまで取組みを進めている。今後も長寿命化、
効果的・効率的な維持管理、保有総数の適正化を図るため、以下のとおり実施方針を定め
る。
①点検・診断等の実施方針
1) メンテナンスサイクルの構築
点検・診断・修繕・更新、情報の整備といったメンテナンスサイクルを構築し、実
行することで老朽化対策の効率と効果を向上させる。
2) 点検項目の見直し
従来からの目視、打音、触診や高所作業車による近接目視点検に加え、必要に応じ
て非破壊検査の導入を検討する。
3) 実効性のある点検委託契約
交通信号機の、適正な点検や正しい評価を実施するため、一定程度の経験に基づく
専門的な知見を有する業者に点検業務を委託した上で連携して対応する。
②維持管理・修繕・更新等の実施方針
1) 維持管理及び修繕
点検業務委託の結果、緊急を要する箇所は直ちに修繕するとともに、点検結果及
び修繕状況をデータ化し、今後の更新計画等に対応する。
2) 更新
信号制御機の更新基準は製造後概ね19年とし、点検結果、補修履歴等を踏まえて、
必要性が高いと認められる信号制御機を優先的に更新する。
信号柱及び信号灯器については、設置環境により、その老朽化が進む速度が変動す
ることから、経過年数だけではなく、点検結果を踏まえた更新を推進する。
③長寿命化の実施方針
故障、機能低下、倒壊等を未然に防止し、本来の機能を適切に維持するため、交通信
号機の周辺環境や使用機材の材質等を踏まえ、必要に応じて強度、防錆及び着雪防止効
果を高める措置を講じるなどの取組みを推進する。
④安全確保の実施方針
交通信号機以外の物理的デバイス等による安全確保対策に努める。
⑤耐震化の実施方針
施設の構造上耐震化の必要はないが、
地震等の災害に伴う停電時に信号機の電源を確
保するため、電源付加装置の整備及び可搬式発電機を接続できるように改修を図る。
⑥施設総量適正化や維持管理経費削減の実施方針
交通信号機の設置に際しては、警察庁が定める「信号機設置の指針」を参考に、真に
必要性の高い場所を選定する。
既に設置されている交通信号機については、
利用状況や地域の実情を踏まえて必要性
を再検討し、必要性の低減したものについては撤去し、再利用可能なものについては
他の必要性な箇所への移設を推進する。
取
組
み
実
績
今
後
の
予
定
等
※交通信号機の撤去等の事例
・H26.5 黒部市宇奈月町内山交差点
・H26.11 高岡市石塚交差点(高岡市井口本江(南)交差点へ移設)
・H27.2 高岡市駅前(東)交差点
※制御機の更新数
・H28:200基(予定)H27:125基 H26:6基 H25:71基 H24:80基 H23:64基
37
3 推進体制
本方針の対象は県が保有する全ての施設に及ぶため、部局横断的な組織により各種の取組
内容を円滑に進める必要がある。このため、現在富山県行財政改革推進本部に設置され、各
部局次長が委員となっている行政改革検討チームにおいて部局間の情報の共有や調整を行
い、その取組状況のフォローアップや必要に応じて方針の改訂等を行っていくこととする。
<行革推進体制の概要>
富山県行財政改革推進本部
【構成】
本部長
副本部長
本部員
知事
副知事
公営企業管理者、各部局長
(所掌事務)
○中長期的な取組みも含めた行財政改革の推進
○国の行財政改革への対応
企画調整部会【構成】副知事、公営企業管理者、知事政策局長、経営管理部長
行政改革検討チーム
【構成】
座 長 経営管理部次長(行革担当)
委 員 各部局次長
(所掌事務)
○ 行革推進に関する部局横断的な調査検討等
①各部局共通の課題を選定のうえ、現状、問題点、進め方等を検討
②個別課題の協議
③推進本部及び企画調整部会の指示により、行革案の実現に向けて
関係機関と協議調整
随時、
意見
助言等
事務局
事 務 局 長:経営管理部長 事務局次長:経営管理部次長
事 務 局 員:人事課長、情報政策課長、文書総務課長、財政課長、管財課長
市町村支援課長、各部局連絡課長
38
行
革
ア
ド
バ
イ
ザ
ー
Fly UP