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この事例の詳しい内容
株式会社トラスト
カラーPOD機導入で校正やサンプル作成が容易に
製作時間やコストの削減を実現し
新たな業務への展望も開ける
導入の狙い
クライアントからのデータを迅速に
確認して対応したい
サンプルの内製による商品開発期間
の短縮を実現したい
導入システム
リコー製カラーPOD機
『RICOH Pro5100S』
導入効果
開発サンプルの内製が可能になり、
開発にかかるスケジュールとコストを
圧縮できた
クライアントに対するスピーディーな
提案が可能になった
「誰にでも喜んでいただけるモノが作りたい」
という信条から、数々のオリジナルのノベルティ商品を開発している
ノベルティメーカーとして日用雑貨の開発、製造、販売を手がける株式会社トラス
ト。信頼できる品質の製品を、短納期かつ小ロットから提供することを目標に、ギフ
ト業界でも着実に業績を伸ばしている。同社ではさらなる顧客サービスの一環とし
— U S E R P R O F I L E ———————————————————
株式会社トラスト
●業種:家庭用雑貨の開発製造・卸売業
●事業内容:卓上カレンダー、缶キャップ、
て、顧客の要望に対する迅速な対応と、製作までにかかる時間やコストの削減のた
めに、カラーPOD機『RICOH Pro5100S』
を導入。オフセット印刷と遜色のない
高品質印刷によって、製品の校正やサンプルの出力が低コストかつ迅速にできるよ
うになった。
ボトルホルダーなどオリジナルノベル
ティ商品の開発・製造・卸売
●従業員数:12名
(2015年12月現在)
カラーPOD機の導入で、クライアントとのスピー
ディーなやり取りが可能となった株式会社トラスト
2015年12月取材
誰にも使い勝手の良い
オリジナルノベルティ商品を提供
安価で提供することを心掛けてきた。
「当社のコンセプトは、
“ 作る側も、
使う側も楽しい”
オリジナル商品です。
ノベルティメーカーとして日用雑貨
私たちが開発したほとんどの商品で、
の開発、製造、販売を手がける株式会
特 許や実 用 新 案を取 得しています」
社トラスト。その創業は1991年と、ギ
と、商品開発を手がける企画開発部課
フト業界のメーカーとしては後発にあ
長の山内 将道氏は語る。
たる。だからこそ、老舗の各メーカー
同社の事業内容のメインになってい
の動向や製品を研究し、より使いやす
るのは、卓上カレンダーだ。ここには、
く信頼の置けるグッズを、できる限り
ユーザーの声から生まれたアイデア
1
株式会社トラスト
も取り入れている。
考えた結果、特許を取って商品力に変
「既存の卓上カレンダーは、プラス
えていくという方針になりました。大
チックのケースから出さないと書き込
きな企業であるほどノベルティ商品に
みができないものがほとんどでした。
も信頼性を求められます。だからこそ、
そこが不便だという声があり、ケース
特許や実用新案が重要なセールスポ
から出さずに書き込みのできるカレ
イントとなっているのです」と山内氏
ンダーを開発したのです。卓上カレン
は語る。
ダーのスタンドがワンタッチで畳める
さらに同社は、国内生産にもこだ
ので、机の上に平置きして書き込みを
わっている。国内生産なら、品質的に
し、またすぐにスタンドを出して立て
も信頼が置けることに加えて、受注か
て置けるようになっています。通常の
ら納品まで短期間での対応が可能だ。
書き込み以外に、ホワイトボードマー
徹底した品質管理と確実な納期対応
カーで書き込んだり消したりできるカ
が、クライアントに対する最大のサー
レンダー製品もあります。カレンダー
ビスだと考えているからだ。
として使い終わったあとでも、卓上メ
モとしてご利用いただけるように開発
そのほかにも、同社の特徴的な商品
顧客サービス向上のため
納期短縮やコスト削減を目指す
として、
「缶くんキャップⅡ」がある。サ
同社によると、近年はノベルティ業
イズを問わずほとんどの缶飲料の口に
界も縮小傾向にあるという。ただ、ク
はめ込めるようになっていて、缶が倒
ライアントが新製品を開発すれば、販
れたときに中身がこぼれ出すのを防ぐ
売のために広告は必ず必要になる。
ことができる。既に1,000万個以上も
そ のため、ノベ ルティに対する一 定
製造されているロングセラー商品だ。
の需要はなくなることがないと見て
またボトルホルダーは、飲料の容器
いる。
「当社がこの業界に参入したの
が缶からペットボトルに変化してきた
も、そういった需要を見込んでのこと
ことを受けて開発された商品だ。ペッ
でした。例えば、ノベルティとしてカレ
トボトルのネックにはめ込むことで、
ンダーを配ろうということになった際、
ベルトや鞄、自転車のハンドルなどに
壁掛けタイプだと1部2,000円くらい
固定することができる。取っ手のよう
コストがかかってしまいます。ですが、
な形状になっているので、力の弱い幼
卓上カレンダーならば、1部数百円で
児や高齢者でもペットボトルが持ちや
作れます。さらに小ロットに対応するこ
すいという利点もある。
とで、コストをできる限り抑えて、短期
アイデアをカタチにする上で取得し
間で納品することができるようになっ
た特許や実用新案も、信頼の獲得に
たのです」
と山内氏。
つながっているという。
しかし、実際に業務を進める中で、
「ノベルティ業界では、まず大前提と
さまざまな問題が浮かび上がってき
しました」
と山内氏。
してクライアント側の予算ありきなの
た。これまで同社では、クライアントか
です。それを推して交渉のテーブルに
ら受け取ったロゴなどの印刷データ
載せるためにはどうしたらいいのかと
を、提携している印刷会社に送り製品
2
企画開発部課長 山内 将道氏
「カラーPOD機にトラブルがなくても、大塚
商会さんは定期的に当社に顔を出してくれ
ます。そのときに気になったことなどをお伝
えすると、気軽に相談に乗ってくれるのがあ
りがたいですね。今後も大塚商会さんの提
案力とサポート力に期待しています」
大塚商会とRICOHの協力の下、床面の平衡が機器トラ
ブルの原因となっていたことを突き止めた。現在は床面に
足場を導入している
に印刷してもらうという手順をふんで
ナーを使っているため、一番の問題に
いた。これだと、社内ではデータをコ
なっていた使用頻度が低い時期のイン
ンピューター画面上でしか確認でき
ク詰まりの危険性が低い。また印刷品
ず、紙面に印刷した際のバランスや色
質もオフセット印刷機とほぼ変わらな
味の確認をしたい場合は、印刷会社に
いほどに高く、
「これなら費用対効果の
依頼しなければならなかった。だが、
バランスがとれるのではという手応え
印刷会社に出校してもらうと、その分
を得ました」
と、山内氏は当時の印象を
の費用が発生し、日数もかかってしま
語る。
うというのが悩みの種だった。
新製品の開発を担当する山内氏に
機の導入が望まれていたのだという。
導入後の予期せぬトラブルにも
迅速な調査と対応で解決
「商品開発の最終段階になると、実
同 社 がカラー P O D 機『 R I C O H
際の製品サンプルを見なければ決め
Pro5100S』の導入を決定したのは、
がたい、ということがよくあります。製
それから2カ月後の6月のことだった。
品サンプルは極小ロットでの製造にな
「印刷の品質や使用する紙などに
りますから、それだけにコストも跳ね
ついては、導入までの間に何度も大
とっては、開発業務でもカラーP O D
上がってしまいます。何度も繰り返せ
塚商会さんに相談に乗っていただき
ば、それにかかるコストや時間を無視
ました。例えば当社では、カレンダー
できません」
用として135kgのマットコート紙をよ
このような状況に社内で迅速に対応
く使っていますが、その厚さの紙がカ
するため、2015年6月にカラーPOD
ラーPOD機に通るのか、といった不安
機の導入に踏み切った。そのきっかけ
や疑問があったからです。まだ導入が
は、2015年4月に行われた、大塚商
決定していないにもかかわらず、大塚
会の『POD体感デー』だった。
商会さんは当社の印刷用途を細かく
「じつは そ れ以 前にも 、何 度 かカ
調査して検討するなどして、不安や疑
ラーPOD機の導入を検討したことが
問に迅速に答えてくださいました。そ
ありましたが、検討すればするほどコス
の対応力は、当社も見習わなければと
ト的に見合わないという結果しか出ま
思った記憶があります」
と山内氏。
せんでした。当社では主力商品が卓上
導入にあたっては、顧客への対応で
カレンダーという性質上、どうしても
全社員がカラーPOD機を使用するた
使用時期が集中します。しかし、通常
め、使い方の講習会も2日間にわたっ
の印刷機は使わない期間が長引くと、
て開催された。まさに万全の体制で導
インクの 詰まりが起きやすくなりま
入にこぎつけたと思われたが、その後
す。そのメンテナンスにもコストがか
に予期せぬトラブルが起きた。
かるため、導入は難しいだろうと思っ
使用方法は間違っていないはずな
ていました。そんなときに『POD体感
のに、印刷される位置がずれる、紙が
デー』で薦められたのが、RICOHのカ
詰まってしまうといった事態が頻発し
ラーPOD機だったのです」 たのだ。原因が判明するまでには、大
R I C O HのカラーP O D機は乾式ト
塚商会とRICOHの担当者が何度も現
3
株式会社トラスト
場に足を運び、調査を繰り返した。
り、今後進めていきたい方向性です
「原因は、カラーPOD機を設置した
ね。また、当社は展示会などによく参
倉庫の床面の平衡がとれておらず、微
加するので、その際、自社チラシやパ
妙に傾いていたことでした。そこで、
ンフレット作りにもカラーPOD機が活
大塚商会さんとRICOHさんにご協力
用できるのではと思っています」
と、将
いただいて、台座となる足場を組むこ
来的な展望を語る山内氏。
とで解決できました」
(山内氏)
現在、同社では製品の年間発注量
そうして、正しく設置されたカラー
を決めて通年生産し在庫を大量に保
POD機は、すぐに真価を発揮すること
管している。しかし近年の傾向として
になった。
は、
「小ロットで、オリジナルの製品を
「一番の課題だったクライアントか
作りたい」という顧客が増えてきてい
らのデータ確認や、簡易校正などが
るのだという。
全て社内でまかなえるので、スピー
「フルオリジナルで製作する場合、
ディーに対応できるようになりました。
通常なら何万個という単位での製作
また新製品の開発においても、今まで
になります。小ロットでも千単位だっ
はデザイン決定までに3週間程度はか
たのに、それこそ50、100といった
かっていたところが、3、4日ほどに短
極小ロットでの製作を希望されるクラ
縮できたのです。新製品のサンプル製
イアントも出てきています。そこまで
作にかかるランニングコストも、大き
の極小ロットになると、当社が行って
く削減することができました。何かトラ
いるような外注印刷ではコストも跳ね
ブルが起きた際にも、連絡をすればす
上がってしまいますが、それでもいい
ぐに大塚商会さんが駆けつけてくださ
と言ってくれるクライアントもいらっ
るので、業務上の障害が起こることが
しゃいます。そういった極小ロットの
ありません」と、山内氏は導入の効果
要望に対しても、カラーP O D機の導
について語る。
入によって対応できる可能性がある
導入やランニングにかかるコストと、高品質な印刷性能の
バランスがとれた
『RICOH Pro5100S』
のではと考えています。これからはギ
業 務 全 体にカラー P O D 機 が 活 用
できるよう、断裁機の導入なども検討
フト業界でも、環境に配慮した製品の
開発が求められることでしょう。当社
も既に、書き味や色味を損なわない程
カラーPOD機の導入によって、クラ
度の古紙の利用や、ベジタブルオイル
イアントへのスピーディーな対応が実
インキの採用、カーボンオフセットの
現したトラスト。現在は、さらにカラー
実施と言った取組みを行っています。
POD機を活用するために、断裁機の導
コスト削減という点においてはカラー
入も考えている。
POD機の導入で一定の効果が上がっ
「現在、当社で行っているすべての
たので、活用できる場面を増やして、
業務に対して、カラーP O D機が活用
環境にも配慮した、より笑顔になって
できる業務はまだ2割程度にとどまっ
いただけるオリジナル商品を開発して
ています。断裁機を導入することで、
いきたいと考えています」と、期待に
この割合を飛躍的に伸ばせる可能性
満ちた表情で山内氏は語った。
があります。そこが当社の課題でもあ
株式会社トラストのホームページ
http://www.trust-kk.com/
・会社名、製品名などは、各社または各団体の商標もしくは登録商標です。
・事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、配付される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
・この記事は2016年2月に作成されました。
Copyright©2016 OTSUKA CORPORATION All Rights Reserved.
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