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上下水道事業 環境報告書2013【本冊】 P.16~裏表紙(PDF

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上下水道事業 環境報告書2013【本冊】 P.16~裏表紙(PDF
第1部
環境にやさしい取組について
≪再生可能エネルギー≫
■太陽光発電
京都市上下水道局では,浄水場や水環境保全センタ
ーに太陽光発電設備を設置し,浄水処理や下水処理に
必要な電力の一部として使用することで,省エネルギ
ー対策や地球温暖化防止に貢献しています。
20kW と な っ て お り , 平 成 24 年 度 の 発 電 実 績 は 計
69,692kWhで,24.8tのCO2削減になります。
鳥羽水環境保全センターでは,10kWの発電能力が
あり,平成24年度の発電実績は,10,310kWh,3.7t
平成 21 年度に設置した
環境にやさしい取組
環境にやさしい取組
蹴上,松ケ崎,新山科の3浄水場での発電能力は各
新山科浄水場の太陽光発電設備
のCO2削減になります。
■小水力発電
石田水環境保全センターでは,塩素接触タンクと放
流水路の落差を利用することで,小水力発電を行って
います。発電した電力は,同センターの必要な電力と
して利用しています。発電能力は9kWであり,平成24
年度の発電実績は72,460kWhで,25.8tのCO2 削減
になります。
小水力発電は,小水量,低落差の水を利用して発電
を行うものです。発電に燃料を使用しないため二酸化
石田水環境保全センター小水力発電設備
炭素(CO2)の排出がなく,エネルギーの変換効率が高い発電です。また,太陽光や風力といっ
た自然エネルギーと比べ,昼夜を問わず安定して発電を行える特長があります。
☆
TOPIC
☆
平成25年8月に鳥羽水環境保全セン
ターにおいて,11月には新山科浄水場
において,大規模太陽光発電設備(メガ
ソーラー)の発電を開始しました。
どちらも設備容量は1MW(メガワッ
ト)で,温室効果ガス排出量の削減に貢
献します。
大規模太陽光発電設備(メガソーラー)
鳥羽水環境保全センター
16
第1部
環境にやさしい取組について
≪資源の有効利用≫
■漏水防止
●漏水防止対策の推進(水道)
漏水防止は,水資源の有効利用であるだけでなく,
浄水・送配水でのエネルギーを省力化し,二酸化炭素
排出量の低減ができるので,地球温暖化防止にも有効
環境にやさしい取組
です。
そのため,漏水の早期発見に努めるとともに,古い
水道管の取り替えなどの漏水防止対策を計画的に実
施しています。
写真
漏水調査作業
●鉛製給水管の解消(水道)
本市では,漏水を防止するとともに,水質に対す
る不安を取り除くため,
「鉛製給水管単独取替事業」
を行っています。平成29年度末までに,道路部分
の鉛製給水管を無くすことを目標に実施しており,
平成24年度末で鉛管残存率は17.0%となりまし
た。また,宅地内に存在する鉛製給水管を取り替え
る工事費の一部を助成する「鉛製給水管取替工事助
成金制度」も実施しています。
■下水処理水の有効利用
水環境保全センターでは,使用する機械用水や洗浄水のほぼすべてに,下水処理水を有効利用し
ています。鳥羽水環境保全センターでは,せせらぎ水路の水としても利用しています。
また,吉祥院水環境保全センターのオゾン処理水については,毎年8月に行われる「打ち水大作
戦」において,打ち水としても利用しています。
打ち水は,ヒートアイランド対策としても効果があります。
鳥羽水環境保全センター
せせらぎ水路
17
高度処理水による「打ち水大作戦」
■汚泥の有効利用(下水)
下水道は,私たちの家庭や工場などから出た下水を集め,最終的にきれいにして河川へ放流する
施設ですが,下水を処理すると固形物である汚泥が残ります。
●汚泥の減量化
汚泥処理過程では,1日あたり340tもの大量の脱水汚泥(含水率約75%)が発生しています
(平成24年度実績)
。水環境保全センターでは,この脱水汚泥をすべて焼却して,最終的には1/
●汚泥の有効利用
本市は内陸部に位置するため,新たな埋立処分地を確保することは簡単ではありません。そのた
め,大阪湾や瑞穂の埋立地への搬出に加え,焼却灰等の有効利用などリサイクルにも努めています。
平成8年度には,汚泥を溶融し自然石に近い石材にまで加工する,下水汚泥溶融石材化設備を稼
みやこい し
環
環境
境に
にや
やさ
さし
しい
い取
取組
組
13の重さの焼却灰(1日あたり約25t)に減量化しています。
動させました。この設備でつくられる石材化スラグを「 京 石」と命名し,インターロッキングブ
ロックやコンクリート二次製品などへの利用が可能なものとして,販売に努めています。なお,
「京
石」は平成14年度国土交通大臣賞「いきいき下水道賞」を受賞しました。
また,汚泥処理過程で発生する汚泥消化ガスを,流動炉の補助燃料に利用するなど,バイオマス
エネルギーとしての活用にも努めています。
●汚泥の有効利用
※)ケーキ(脱水ケーキ)
:固形物として扱うことができる程度まで脱水された汚泥のこと(脱水汚泥)
。
インターロッキングブロック
京(みやこ)石
粒径 5mm 以上品
粒径 5mm 未満品
18
第1部
環境にやさしい取組について
≪ヒートアイランド対策≫
■ミスト装置設置事業
ミスト装置については,平成24年度に,利用者の
多い京都駅前市バスのりばへのドライ型ミスト装置
の設置,市内100箇所の保育所等の施設で,簡易型
環
環境
境に
にや
やさ
さし
しい
い取
取組
組
ミスト装置のモニター設置を行いました。
ドライ型ミスト装置は,水道水に高い圧力をかけ細
かな霧(ミスト)を噴射することで,水を効果的に
京(みやこ)の駅ミスト
気化させその気化熱を利用し,周辺気温を3℃程度
下げることが可能な装置です。環境への負荷(CO2
排出量)がエアコンに比べて小さくなります。
簡易型ミスト装置は,給水栓の水圧だけでミストを
噴射し水を気化させて,周辺温度を下げることが可
能な装置です。ドライ型と比べるとミストが大きく
気化しにくい半面,電気を使用しないので,より省
エネルギーで安価に設置できます。
どちらのミスト装置も,ヒートアイランド対策に
すみとくんと元気に
ミストシャワー
効果があります。
■屋上緑化
鳥羽水環境保全センターや石田水環境保全セ
ンターでは,ヒートアイランド現象の緩和や省エ
ネルギー効果をねらいとして,管理棟などの防水
工事にあわせて,屋上緑化を行っています。
石田水環境保全センター
屋上緑化
●コラム
ヒートアイランド現象とは,都市の中心部
の気温が郊外に比べて島状に高くなる現象の
ことです。その主な原因は,人工排熱の増加
(建物や工場,自動車などの排熱)
,地表面被
覆の人工化(緑地の減少とアスファルトやコ
ンクリート面などの拡大)
,都市形態の高密度
化(密集した建物による風通しの阻害や天空
率の低下)の3つがあげられます。
19
ヒートアイランド対策ガイドライン(環境省)より
≪温室効果ガスの削減≫
■下水汚泥の高温焼却による一酸化二窒素
の削減
下水汚泥には窒素分が多いため,焼却すると一酸化二
窒素(N2O)を排出します。この一酸化二窒素(N2O)
環境にやさしい取組
環境にやさしい取組
は,温室効果ガスとして二酸化炭素(CO2)の310倍
の影響力があります。しかし,従来800℃程度で行って
いた下水汚泥の焼却を,850℃の高温で焼却することで,
一酸化二窒素(N2O)の排出を減らすことができます。
本市の汚泥焼却炉においても,一酸化二窒素(N2O)
の発生が少なくなるように,高温(850℃)で焼却でき
るように運転管理を行っています。
鳥羽水環境保全センター
汚泥焼却炉(流動床式)
≪環境にやさしいオフィス活動≫
■グリーン購入の推進
事務用品などの購入については,社会全体の環境保全を考慮して,環境への負荷ができるだけ少
ないものを選んで購入するグリーン購入を進めています。
■低公害・低燃費車の導入
公用車の低公害・低燃費化の促進を図るため,公
用車の更新(買い替え)時には,市の定めた基準を
満たす低排出ガス・低燃費車・軽自動車の導入に努
めています。
また,低燃費をこころがけたエコドライブの実践
にも努めています。
■LED 照明器具の導入
庁舎の改修のときなどに,白熱電球や蛍光灯に比
べて,寿命や消費電力の面で優れている LED 照明
などの高効率照明への取替えを進めています。
20
第1部
5
環境にやさしい取組について
市民のみなさまとの交流
京都市上下水道局のしごとを市民の皆さまにご紹介することを通じて,上下水道事業と環境と
のかかわりを理解していただけるよう努めています。
■施設見学の実施
●蹴上浄水場一般公開
「蹴上のつつじ」で市民の皆様に親しまれている蹴上浄水
市
市民
民の
のみ
みな
なさ
さま
まと
との
の交
交流
流
場では,つつじの開花時期に合わせて一般公開を行っていま
す。普段は目にすることができない浄水場施設や楽しいイベ
ントとともに,咲き誇る約4,600本のつつじをゆっくりお
楽しみいただけます。
平成25年は5月3日から6日までの4日間開催し,3万
1,100人の方にご来場していただきました。
蹴上 一般公開のようす(つつじ)
●鳥羽水環境保全センター一般公開
鳥羽水環境保全センターには,約120mに及ぶ藤棚があ
り,その開花時期に合わせて一般公開を行っています。内容
としては,施設見学や藤棚の通り抜けのほか,イベント日に
は水質実験コーナー,降雨体験コーナー,エコ石鹸の配布な
どを行っています。
平成25年は4月27日から30日までの4日間開催し,2
万7,166人の方にご来場していただきました。
鳥羽 一般公開のようす(藤棚)
●夏休み親子教室
小学4年生から6年生までの児童とその保護者を対象と
した“親子教室”を実施しています。これは水道事業と下水
道事業を隔年で交互に実施しているもので,浄水処理,下水
処理の仕組みについて学習するとともに,施設や工事現場の
見学を行っています。
夏休み親子教室のようす
●下水道施設見学会
毎年夏休み期間中に「下水道の日」に向けた取組のひとつ
として,子どもたちはもとよりさまざまな世代のみなさまに,
下水道事業についての理解を深めていただくため,施設や工
事現場を見ていただく下水道施設見学会を実施しています。
■その他のPR活動
下水道施設見学会のようす
毎年9月10日の「下水道の日」には,京都市内各所において街頭キャンペーンを実施していま
す。
21
●コラム
●コラム
琵琶湖疏水は,建設当時から約120年たった今でも,自然の高低差を利用して絶
琵琶湖疏水は,建設当時から約120年たった今でも,自然の高低差を利用して絶
えることなく京都市内に水を運び続けています。また,第1疏水には関西電力の3つ
えることなく京都市内に水を運び続けています。また,第1疏水には関西電力の3つ
の水力発電所があり,二酸化炭素を排出することなく電気を作り出し,環境にやさし
の水力発電所があり,二酸化炭素を排出することなく電気を作り出し,環境にやさ
い施設となっています。
しい施設となっています。
疏水分線の「哲学の道」に代表される疏水沿いの散策路は,その水の流れや桜並木
疏水分線の「哲学の道」に代表される疏水沿いの散策路は,その水の流れや桜並
によって,水辺空間や周辺に溶け込んだ景観を作り出し,桜のシーズンだけでなく四
木によって,水辺空間や周辺に溶け込んだ景観を作り出し,桜のシーズンだけでな
季を通じて市民の皆さまや観光で訪れる皆さまに親しんで頂いています。
く四季を通じて市民の皆さまや観光で訪れる皆さまに親しんで頂いています。
この琵琶湖疏水がつくり出す水辺空間は,鴨川や桂川などの河川と同じように,私
この琵琶湖疏水がつくり出す水辺空間は,鴨川や桂川などの河川と同じように,
たち京都のまちの「ヒートアイランド現象」の緩和にも役だっています。
私たち京都のまちの「ヒートアイランド現象」の緩和にも役だっています。
このように先人の知恵が多く集まった琵琶湖疏水は,「環境にやさしい」施設の象
このように先人の知恵が多く集まった琵琶湖疏水は,
「環境にやさしい」施設の象
徴であり,皆さまに「安らぎと潤い」をお届けする存在となっており,私たちがしっ
徴であり,皆さまに「安らぎと潤い」をお届けする存在となっており,私たちがし
かりと引き継いでいくべきあると考えています。
っかりと引き継いでいくべきあると考えています。
岡崎桜回廊
山科疏水
十石舟の運航
哲学の道
若王子~銀閣寺道
関西電力 夷川発電所
22
第2部
6
環境にやさしい取組の結果について
上下水道事業の物質収支
水道事業も下水道事業も,ともに水
使用量
をきれいする事業(仕事)ですが,そ
の中では,さまざまな資源をつかい,
水道事業 (浄水場,配水場)
それと同時に,環境へ影響を与えるも
取水量
のを排出しています。
◆水道事業では
使用した資源(薬品等)
琵琶湖疏水から取水した琵琶湖の水
次亜塩素酸ナトリウム
粉末活性炭
を浄水場できれいにして,水道水とし
上下水道事業の物質収支
てみなさまのご家庭にお届けしていま
す。浄水場ではポンプをはじめ,さま
ざまな機械を動かすのに電気を使い,
210,829千m3
凝
集
剤
2,446t
810t
硫酸ばんど
1,591t
ポリ塩化アルミニウム
5,964t
使用した資源(エネルギー等)
水をきれいにするための凝集剤や消毒
電力
45,917千kWh
のための塩素剤などいろいろな薬品を
使います。
◆下水道事業では
家庭などから排出される汚水を水環
境保全センターできれいにして,河川
など公共用水域に放流しています。ま
下水道事業 (水環境保全センター,ポンプ場)
流入下水
流入下水量
た,雨が降ったときに雨水を町の中か
ら速やかに排除しています。水環境保
全センターやポンプ場でも,浄水場と
同じようにさまざまな機械を動かして
いて,電気や燃料(重油や都市ガス)
汚
濁
負
荷
量
315,626千m3
BOD
122mg/ℓ
38,506t
COD
67mg/ℓ
21,147t
128mg/ℓ
40,400t
全窒素
SS
18mg/ℓ
5,681t
全りん
2.1mg/ℓ
663t
をたくさん使います。汚れを取り除い
たり汚泥処理するための凝集剤や消毒
のための塩素剤などいろいろな薬品も
使います。
◆排出されるものは
使用した資源(薬品等)
次亜塩素酸ナトリウム
高分子凝集剤
1,834t
459t
水をきれいにし汚れを取り除くと,
その取り除いた汚れは汚泥として残り,
その汚泥を焼却すると焼却灰となりま
す。また,浄水場や水環境保全センタ
ーで,機械を動かすための電気や汚泥
を燃やすための重油などエネルギーを
使用すると,温室効果ガスを排出する
ことになります。
23
使用した資源(エネルギー等)
電力
91,811千kWh
重油
392kℓ
都市ガス
3,787千m3
使用量・排出量は,平成24年度の実績値です。
(平成24年4月1日~平成25年3月31日)
排出量
給水量
196,834千m3
脱水ケーキ発生量
4,053t
各ご家庭などへ供給
全量セメント原料へ有効利用
上下水道事業の物質収支
温室効果ガス排出量(t-CO 2)
電力使用による排出
17,029t
その他エネルギーによる排出
231t
ここの数字は,
1 年 間 を 通 して
のものだよ。
放流水
放流水量
汚
濁
負
荷
量
292,856千m3
BOD
2.4mg/ℓ
703t
COD
6.4mg/ℓ
1,874t
SS
1.4mg/ℓ
410t
全窒素
7.3mg/ℓ
2,138t
全りん
0.51mg/ℓ
149t
脱水ケーキ発生量
公共用水域(河川)へ
都市ごみと混焼
124,201t
焼却灰(加湿灰)
焼却灰発生量
9,387t
有効利用
溶融スラグ
焼却灰埋立(加湿灰)
消化ガス発生量
2,393千m3
有効利用
ボイラー燃料
焼却炉燃料
5,072t
売却
17t
売却
100t
局内利用
272t
8,998t
1,170千m3
893千m3
温室効果ガス排出量(t-CO 2)
水処理・汚泥処理における排出
48,182t
エネルギー使用による排出
42,626t
焼却炉排出ガス中の汚染物質排出量
ばいじん
2.0t
硫黄酸化物
1.8t
窒素酸化物
90.0t
24
第2部
7
環境にやさしい取組の結果について
電力使用量と温室効果ガス排出量
■電力使用量の推移
●水道事業
平成2年度に年間最大給水量と,電力使用量のピークを記録しました。その後,給
水量の減少に伴い電力使用量も減少,さらにポンプ運転の効率化,直送給水の配水池
切替え,高効率機器の導入等の取組により,平成24年度電力使用量は,平成2年度比
で31.1%削減となっています。
(千m3)
(百万kWh)
280
90
給水量
基準年(=ピーク年)
平成2年(1990年)
6700万kWh
240
電力使用量と温室効果ガス排出量
200
60
160
2100万kWh減少
▲31.1%
ピーク67百万kWh
120
30
46百万kWh (H24)
80
電力使用量
平成24年(2012年)度
40
4600万kWh
0
H元 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24
0
電力使用量と給水量
●下水道事業
溶融炉や高度処理施設の導入等により,平成10年度に電力使用量のピークを迎えま
した。その後,処理施設の運転管理の工夫や省エネ・高効率機器の導入等によって,
平成24年度の水環境保全センター全体の電力使用量は,ピークの平成10年度と比較
して27.4%,平成2年度比では16.8%削減しております。
(千m3)
(百万kWh)
基準年
平成2年(1990年)
1億1400万kWh
400
200
流入下水量
160
300
120
1900万kWh減少
▲16.8%
ピーク年
平成10年(1998年)
1億3100万kWh
3600万kWh減少
▲27.4%
平成24年(2012年)度
9500万kWh
200
ピーク 131百万kWh
80
114百万kWh (H2)
95百万kWh (H24)
40
0
H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24
電力使用量と流入下水量
注)電力使用量を四捨五入して表記しているため,%の計算と合わない場合があります。
25
100
電力使用量
0
■事業系における温室効果ガス排出量
上下水道事業により排出される温室効果ガスには,エネルギー使用により排出される
二酸化炭素(CO 2 )と下水処理に伴い発生するメタンや一酸化二窒素などがあります。
(メタンや一酸化二窒素等はCO 2 に換算し集計しています。)
エネルギー使用では電気や燃料の使用によるものがあり,それぞれ火力発電所からの
もの,下水汚泥焼却炉の重油やガス,自動車のガソリン等の使用によるものなどです。
平成24年度の上下水事
業による温室効果ガスの
160.0
(千tCO2)
127.6
113.4
120.0
clear!
clear!
109.6
108.0
112.8
109.6
108.0
112.8
目標値
112.8 千 t
(目標年
H32)
排出量は108,035tであ
り CO2 削 減 率 先 実 行 計 画
80.0
127.6
減を達成しています。
基準年である平成16年
113.4
40.0
排出量
度と比較すると,19,587
t (15.3% )の 削 減 と な っ
電力使用量と温室効果ガス排出量
の削減目標値を上回る削
0.0
0.0
H16
ています。
H22
H23
H24
H32
上下水道事業における温暖化効果ガス排出量の推移
■節電の取組について
東日本大震災をきっかけとする全国的な電力不足や火力発電への依存度の拡大を背景
に,これまでの取組により定着している節電対策を一層進めるため,電力に余裕がなく
なる夏期と冬期に,オール市役所で率先実行する節電対策に取り組み,昨年度に引き続
き,目標を達成することができました。
●夏期の節電の実施状況 (期間 平成24年7月2日~9月7日 数字は平成22年度比)
部
門
事務系部門(局本庁舎)
水道事業
事業系部門
下水道事業
取組内容
20の節電対策によるピーク時間帯(9~20時)の使用電力
量(kWh)の削減
電力の平準化・削減,管理棟の部分消灯等による平日ピーク
時間帯(9~20時)における最大使用電力(kW)の削減
目標
結果
△15%
△31.5%
△5%
△20.2%
△10%
△17.3%
●冬期の節電の実施状況 (期間 平成24年12月3日~平成25年3月29日 数字は平成22年度比)
部
門
事務系部門(局本庁舎)
水道事業
事業系部門
下水道事業
取組内容
目標
結果
△10%
△26.4%
電力の平準化・削減,管理棟の部分消灯等による平日ピーク
△5%
△20.3%
時間帯(9~21時)における使用電力量(kWh)の削減
△5%
△6.1%
16の節電対策によるピーク時間帯(9~21時)の使用電力
量(kWh)の削減
26
第2部
環境にやさしい取組の結果について
8 上下水道事業環境会計
■水道事業環境会計 (環境保全にかかった費用とその効果)
環境保全効果
環境
区
分
年
度
保全
コスト
(百万円)
電力削減な
平成 23
経済効果(百万円)
8
内部
経済
効果
外部
経済
効果
計
212
14
226
ど環境負荷
の抑制
資源の有効
利用
上下
下水
水道
道事
事業
業環
環境
境会
会計
計
上
ヒートアイ
平成 24
5
294
18
312
平成 23
44
10
0
10
平成 24
52
10
0
10
平成 23
38
0
1
1
平成 24
59
0
1
1
平成 23
90
222
15
237
平成 24
116
環境保全効果の主な内容(平成 24 年度)
電力削減量
環境影響
20,713 千 kWh
給水区域再編
地球温暖化
インバータ機器の導入
大気汚染
ポンプ運転の効率化
酸性雨
太陽光利用による電力削減量
70 千 kWh
漏水防止水量
56,352m3
緑地化による CO2 吸収量
354t
合
地球温暖化
アメニティ
ランド対策
他
廃棄物削減
環境問題
環境問題啓発(浄水場の一般公開)など
-
全般
平成 24 年度の費用対効果収支= 208 百万円(黒字)
計
平成 24 年度の経済効果/費用= 279%
304
19
323
平成 24 年度は,給水区域再編の効果により,電力
削減量が増加しました。
●環境会計グラフ
(百万円)
計 323
H24
H23
■電力削減など環
境負荷の抑制
計 237
◆資源の有効利用
207
ヒートアイラン
147
312
ド対策他
計 116
計 90
226
5
8
44
38
環境保全
コスト
27
52
59
10
環境保全
効果
10
1
環境保全
コスト
環境保全
効果
1
平成24年度は
省エネ機器 の導
入による電 力削
減等により ,環
境保全の費 用が
1.2 億 円 , 環 境
保 全 効 果 が 3.2
億円となり まし
た。その結 果,
費用対効果 の収
支 は 2.1 億 円 の
黒字となっ てい
ます。
■下水道事業環境会計 (環境保全にかかった費用とその効果)
環 境 保 全 効 果
環境
区 分
年 度
経済効果(百万円)
保全
コスト
(百万円)
内部
経済
効果
外部
経済
効果
計
平成23
1,194
-
377
377
平成24
1,176
-
500
500
124
617
40
657
環境保全効果の主な内容(平成24年度)
高度処理
環境影響
標準処理を上回る窒素の除去量
1,140t
標準処理を上回るりんの除去量
400t
オゾン処理による着色成分の分解・消毒・難
分解性有機物の低減化など
電力削減量
電 力 削 減 平成23
など環境
負荷の抑
制
資源の有
122
661
40
701
平成23
194
359
33
392
平成24
処 理 過 程 平成23
201
307
264
-
24
331
754
754
における
公害防止
287t
都市ごみと汚泥の混焼による重油削減量
21kL
太陽光・小水力発電・太陽熱利用による電力
削減量
コージェネでの排熱利用による電力削減量
92千kWh
処理水の機械用水利用
9,459千m3
消化ガスの有効利用による重油削減量
1,151kL
清掃工場の余熱利用(電力換算)量
2,842千kWh
石材化(京石(みやこいし))量
100t
悪臭の防止
ばいじんの排出抑制量
122t
硫黄酸化物の排出抑制量
699t
塩化水素等の排出抑制量
12t
910
910
事 業 場 排 平成23
113
-
13
13
水の規制
112
-
6
6
98
-
2
2
緑地化によるCO2吸収量
2
環境問題啓発(広報・水環境保全センターの一般公
開),環境保全活動など
有害物質・重金属等の排出抑制
合計
256t
平成24
102
-
平成23
1,987
976
1,219 2,195 平成24年度の費用対効果収支=487百万円
平成24
1,963
968
1,482 2,450 平成24年度の経済効果/費用=125%
ヒートアイラン
ド対策等その他
環境保全の取組
酸性雨
廃棄物削減
大気汚染
-
地球温暖化
アメニティ
環境問題全
般
除去量も増加し,環境保全効果が高くなりました。
(百万円)
H24
H23
計 1,987
208
487
計 2,450
計 2,195
計 1,963
500
377
▲処理過程におけ
る公害防止
★事業場排水の規
制
大気汚染
抑制量が増加しています。また,高度処理によるりんの
●高度処理
◆資源の有効利用
地球温暖化
昨年度と比べて,汚泥処理工程で発生するばいじんの
●環境会計グラフ
■電力削減など
環境負荷の抑制
酸性雨
水域汚染等
境保全の
2
大気汚染
周辺環境
-
取組
地球温暖化
4,733千kWh
250
そ の 他 環 平成23
アメニティ
41,127千kWh
焼却炉都市ガス使用によるCO2削減量
平成24
平成24
水域汚染
上下
下水
水道
道事
事業
業環
環境
境会
会計
計
上
効利用
平成24
3,015t
富栄養化
1,194
701
657
1,176
331
392
124
194
264
113
98
環境保全
コスト
122
201
754
13
2
環境保全
効果
250
112
102
環境保全
コスト
910
6
平 成 24 年 度 は
下水処理過程にお
ける電力の削減や
公害防止等により
環境保全の費用は
19.6 憶 円 , 環 境
保 全 効 果 は 24.5
億円となりました
その結果,費用対
効 果 の 収 支 は 4.9
億円の黒字となっ
ています。
2
環境保全
効果
28
第2部
環境にやさしい取組の結果について
■環境会計とは
環境会計は,環境保全の取組にかかった費
用(コスト)と得られた効果を,可能な限り
金額で表し比較することにより,財務と環境
環境保全効果の算定イメージ ①
環境汚染
物質の量
環境保全
効果
保全効果を関連付けて説明するものです。
財務パフォーマンス
(貨幣単位)
環境保全に
伴う経済効
果(内部経
環境保全
済効果)
コスト
環境パフォーマンス
(物量単位)
環境保全効果
(外部経済効果)
実施しなかった
場合の想定量
実績
環境保全効果の算定イメージ ②
(実施しなかった場合の想定が困難なケース
(電力使用量削減等)
)
環境汚染
物質の量
環境保全
効果
上下
下水
水道
道事
事業
業環
環境
境会
会計
計
上
金額
換算
環境会計
環境保全コスト
基準
年度
(実施しなかった
場合の想定量)
実績
集計年度
環境保全効果
(環境省「環境会計ガイドライン 2005 年版」を参考に作成)
■環境会計の対象
本市の上下水道事業では,浄水処理や汚水処
理という業務に加え,標準的な処理を上回る高
度処理や電力使用量削減などの省資源・省エネ
ルギー対策,また処理過程における公害物質の
発生防止対策などに取組んでいます。
前頁の環境会計は,平成24(2012)年度
の本市水道事業及び公共下水道事業における,
これらの取組について集計したものです。
■環境保全効果(経済効果)の構成
内部経済効果
もとから金額で算定される環境保全効果
です。焼却汚泥をリサイクルした京石の売
却収入や,電力使用量削減による経費節減
等です。
外部経済効果
もとは物量として算定される効果を,費
用と比較しやすくするため金額に換算した
■環境保全コスト・効果算出の考え方
環境保全コストは,環境保全を目的とした取
組を行うのに必要な費用のことです。
止効果や大気汚染物質の低減,汚水処理に
よる汚濁物質の低減,高度処理による下水
環境保全効果は,環境保全の取組を実施した
中の窒素やりんの削減などがあります。こ
場合と,仮に実施しなかった場合の環境汚染物
れらは下流域や地球全体へ寄与する効果で
質(想定)量の違いによる損害の差を評価したも
あり,外部経済効果として算定しています。
のです。
29
ものです。電力使用量削減による温暖化防
みんなでよい
水環境を作り
ましょう。
皆さまのご協力を
お願いします。
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