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展示水槽に対する来館者の観覧行動
博物館学雑誌第20巻 1-2合併号(通巻23号) 10'"'"'21ページ 1995年 5 月 【論文】 展示水槽に対する来館者の観覧行動 一水族館の観覧空間に関する建築計画的研究( 1) ー TheV i s i t o r ' sV i e w i n gB e h a v i o r sf o rE x h i b i t i o nTanks -A s t u d yona r c h i t e c t u r a lp l a n n i n gf o rv i e w i n gs p a c ei na q u a r i u m s (1)一 佐藤信治** 坪山幸王* YukioTSUBOYAMA 1.研究の目的 S h i n j i SATOH 的な知見を得る。 本稿は、水族館における観覧空間の計画に関する 研究の一環であり、これを展示物や「展示水槽J 1 ) ② 上記、展示単位を構成する各要素(展示生物、 ディスプレイ、「展示水槽」及び解説板など)に対 に対する来館者の観覧行動の面より明らかにしよう する来館者の観覧行動の分析から、「展示水槽」自 とするものである。 体の形成や、「展示水槽J 前面の規模、「展示水槽」 水族館は、いわゆる生体としての水生生物を展示 の対象にしており、「展示水槽」は、その収容装置 であるばかりでなく、展示プログラム上の一つの単 位を形成し、さらに、各展示物の見せ方をも決定づ けるものとなっている。また、「展示水槽」は建築 物との固定度が極めて高く、その構築法や配置計画 を通じて、観覧空間の形成と深く関わっている。 の配置間関などについて、限定した対象に対する計 画上の知見を得る。 本研究は、このうち前者①に含まれるもので、以 下にその内容を報告文一 7, 8, 9) する。 2.関査対象及び方法 調査対象は、施設の比較的に充実している(財団 法人)日本博物館協会及び(社団法人)日本動物園 これらのことから、展示物はもとより、展示水槽 水族館協会の加盟館とし、さらにこの中から、観覧 は、水族館の観覧空間の計画を左右する中核的な存 空間の構成や設置「水槽」及び展示生物など、展示 在であることがわかる。しかしながら、水族館に関 内容のうえで比較考察を可能とする表ー 1 の 4 館 するこれまでの研究を概観してみると、必ずしも展 (U 館:上野動物園水族館、 Y 館:よみうりラン 示物や「展示水槽」にスポットを当てた研究は多く 表ー| なく、まして、以下のような、来館者の観覧行動の 側面から究明しようとした研究はほとんどない 2) 。 そこで本研究では、展示生物を内包する展示水槽 に対する、来館者の観覧行動の解明を行おうとする もので、この場合、それは次の 2 つの観点として捉 ① YI I l 11宮 0館 所在地 東京都 神奈川県 茨誠県 千葉県 展示生物種数 220 種 214 種 124 種 94 程 展示水柑関口幅合計 展示水舗数 観覧室面積 生物種数/展示水槽数 関口幅合計/展示水槽数 展示物や「展示水槽」を、まとまりのある一つ 142.3m 168.3m 124.6m 96 棺 展示水槽数/観覧室面積 えることができる。 展示・施設概要 U舘 87 糟 404曹 82.3m 33 柑 781.4m' 736.5m' 676.7m' 341.8m' 2.8 点 2.3 点 2.5 点 3 .1 点 3.1m 2.5m 1.5m 1.9m O . 12 糟/m' 1 0 . 12 楕/m' IO.06 槽/討 O.10 糟/ET 表 -2 調査概要 の展示単位と捉え、これに対する来館者の観覧行動 の分析から、展示水槽の配置や配列、設置水槽数な ど、観覧空間を大きく把握するための計画上の基礎 * つぽやま **さとう ゆきお ()内は、回遊水槽餌付 11 ショウ時を除外した被験者数 日本大学・助教授理工学部海洋建築工学科干 274 しんじ日本大学・副手 向上 -10- 船橋市習志野台 7 -24-1 ド海水水族館、 O 館:海の子供の国大洗水族館、 I て図 -2 、 3 をもとに考察する。総立止まり時間と 館:犬吠崎マリンパーク水族館)とした。これら各 総歩行時間の比率は、それぞれ52-----60% 、 40-----48% 館の概要は同表の通りである。調査方法は、観覧空 であり、観覧空間内の展示物や施設状況の相違に関 間内における観覧者行動の追跡調査3) と、同一被験 わらず近似している(図ー 3 )。 者に対するアンケート調査3) を併用し、表 -2 の期 また、図 -2 のごとく、総立止まり時間の比率は 日 4) にそれぞれこれを実施している。 総観覧時間が増加するに従って高くなるが、 3.観覧者行動の捉え方と分類 も、総観覧時間帯の増加とともに反転し、歩行時間 展示水槽に対する観覧者の観覧行動を、本研究で 4 館と の比率の方が高くなる。このことから、総観覧時間 は、大きく図 -1 のように分類している。ここで、 の特に長い者では、一般に歩きながらの観覧にも充 立止まり観覧行動とは、 分な時間をかけていることがわかる。臨界点は I ・ 2 秒以上展示水槽前に立止 まり観覧する行動を、また、歩行観覧行動とは、こ 0 館では -----40 分、 y.u 館では -----50分である。 れ以外の、文字通りの歩行によるすべての観覧行動 表一 3 を指す。一方、非水槽観覧行動には、陳列展示物に 展示水槽観覧行動別基礎資料 対する観覧行動やベンチでの休憩など、観覧室内に おける展示水槽に対する観覧以外の行動を含むもの とする。 、EJ %ω nuJME nu 』 oxu- nuL nni-- AHV 』 nu ム 勾'・- i AHH ムWヶ・ I FhJUE 唱士 A n u a - nu 』 n唱u- nHW 』- nUL 9-- 仇U ‘『 l -- nu 特に、立止まり観覧時間(以下、立止まり時間)、 (l -- また、図ー 1 中の口内は、それぞれの観覧行動を 把握するうえでの主な項目で、中でも本研究では、 UlÍl Ii 日忠弘 >d vm い討日以::>J 立止まり観覧率(以下、立止まり率)、そして、そ Offil の立止まり時間の合計、すなわち総立止まり観覧時 間(以下、総立止まり時間)を観覧行動の重要指標 4 0 としている。 5 0 立止まり率は、各展示水槽に何%の観覧者が立止 まったかの指標であるから、展示物に対する「誘引 力 J 5) 、文 14) と考えることができょう。また、立止ま ボ γ 九日♂ JF.nl 以弘長 50 1 0 0 〈主) 5 0 (分)\凡明_...- u館-- y 館 --0-- Olr 十 I 信| 図 -2 総観覧時間別立止まり 時間・歩行時間百介比 り観覧時間は、同様に、観覧時間の長さであるから、 主に「魅了度 J 5) 、文 14) と考えることができる。従っ て、後者の立止まり時間を総計した総立止まり時間 5.立止まり観覧行動に関する考察 は、観覧者の展示物に対する入念の度合いと考える 社会教育施設を標梼する水族館としては、その実 ことができ、本研究では、この入念の度合いを現す、 効上、展示物に対するより入念な観覧が期待される 総立止まり時間を、一方の主要な指標として考察を 5(人 0? > 50(人「) Y館 行っている。 り覧… 立歩 iiJqh く 図ー| I 館 H H 3 0 -a 岡 観覧者行動分類 4.総立止まり時間と総歩行時間 観覧行動を 2 分する、立止まり時間と歩行観覧時 間(以下、歩行時間)の合計、総立止まり時間と総 歩行観覧時間(以下、総歩行時間)との関係につい -11 ー 2 0 1 0 千一霞Eヨ (分分) │ 凡例目叩ー附口引回ー州国ー咽明| 糊貿時間 図 -4 総立止まり時間別総観覧時間区分 ところである。ここでは、その立止まり観覧行動の 後半では、後半での減少傾向が見られ、これを部分 各要素について、図- 4""'-'18 を用いて考察する。 的に見た場合でも、「水槽J が同寸同型で、かつ類 1)総立止まり時間と総観覧時間の関係 似生物を連続的に展示している配列では、進行に伴 う減少が確認された。また、前の水槽との間隔が連 図 -4 のごとく、総立止まり時間は、 30分を超え る者もいるが、 4 館に共通して 5 ""'-'15分 (U ・ O 館 続性を欠く程聞いている場合での最初の水槽は、飛 は 5 ""'-'10分)の者が最多である。この総立止まり時 ばされがちになること、アルコープ状の水槽配置で 間は、各展示水槽に対する立止まり時間の合計であ は、その両端部と最深部の立止まり率が向上するこ るから、来館者の展示物への観覧意欲の現れと考え となどが明らかになった。しかし、こうしたなかで、 ることができょう。 特に Y ・ O 館では、後半にも立止まり率の一際高 また、総立止まり時間と総観覧時間の間には、長 い水槽が配列されており、配置計画上に一つの知見 時間観覧者ほど、一般的に総立止まり時間が長く、 を与えるものとなっている。 逆に短時間観覧者ほどこれが短いという、明瞭な関 3)展示水槽配列と立止まり観覧率 連性のあることが明らかになった。 図 -6 は、配列順の各展示水槽の立止まり率を移 2)展示水槽配列と立止まり率・平均立止まり時間 まず、 動平均法7) を用いて表したものである。 10分ごとの 4 館とも、水槽ごとに可成りの数値差のあ 総立止まり時間は、 4 館とも、分布傾向が極めて明 ることが認められる(図- 5) 。配列順6) に各展示 瞭で、長時間観覧者ほど、どの水槽でも、立止まり 水槽と立止まり率との関係をみると、大きく前半と 率は高く、観覧者の入念の度合いと立止まり率との 概骨 '0' 片側 '0' ぐ l 館>.-一一一「 ゆTrーー一一 ,,) 9 0 8 0 7 0 〈秒 1 0 7 0 60 5 0 a o 4 0 4 0 5 0 3 0 3 0 2 0 1 0 2 0 • 1 0 0 } ,‘ <Y 館〉 9 0 '0 9878543210 BOOBOBODD 9 0 1 0 1 0 1 0 60 50 4 0 30 I D 2 0 2 0 1 0 60 5 0 4・ 3 0 1・ •• s 』由 。 1 0 2 D 2 5 3 0 3 5 4 0 0 間 hツ柄ツ ま‘さ a 講師 止止 立立 b 『均 平平 例 凡 凡人 ホ・番号 水掴番号 日置水纏 ~ 1 5 ・水相 口その他の特殊水帽 ・テラリ a ウム ~セアナリュウム企タイドプール ...水栂 ロ回避水帽 o ドイヲロ 7 クア川ム 。実蛾水槽 マ写.録彫水栂 図上のタイプ表示は図一 29 に対応する 図ー 5 全水槽平均立止まり率・立止まり時間 凡.伊1 ・立止まり時聞 ーーーー 10分 ーーー -20分 一・・・ー舗好 一- 30分ー 10 20 30 水信書号 図 -6 総立止まり時間別平滑化立止まり率 図ー 7 -12- 総立止まり時間別平均立止まり時間 聞に強い関連性のあることが窺える。 図 -8 から、 Y ・ U 館と I ・ O 館は極めて対照的で、 また全設置水槽問の比較として、図 -6 は、短時 前者は後者に比べて立止まり率が低く、 20-----40% に 間観覧者では、立止まり率の高低の差が大きく、逆 高い集中が見られる。これに対して後者には、こう に長時間観覧者では、これが小さくなる特徴を示し した際立つた集中は見られず、その大半が50% 以上 ている。このことは、短時間観覧者は、観覧に際し の高い立止まり率を示している。しかしこの後者の て、特定の水槽に偏る傾向のあることを示し、また 場合でも、被験者全員が立止まって観覧した水槽は 長時間観覧者は、設置された全水槽をほぽ満遍なく 見られなかった。この対照性の要因としては、以下 観覧していることを物語っている。 の分析などから、 4)展示水槽配列と平均立止まり時間 わっていることが確認された。 展示水槽ごとに平均立止まり時間について見てみ 4 館の設置水槽数の差が大きく関 しかし一方、平均立止まり時間は、 4 館とも 10----- ると(図ー 7 )、 10分ごとの総立止まり時間別の傾 20秒に集中し、図 -.9 のごとく類似した傾向を示し 向は、短時間観覧者では全水槽を通じて数値差が小 ている。 さく、反対に長時間観覧者になるほど数値値が拡大 ここで、立止まり率と立止まり時間のそれぞれの する特徴を示している。 数値の上位と下位の展示水槽について、 Y 館を代 これを立止まり率と対照すると、 4 館に共通して、 表にその内容を見てみると、次の通りである。 観覧入念度の高い観覧者は全水槽に満遍なく立止ま 表 -4 は、立止まり率と立止まり時間について、 るが、長時間観覧するものとそうでないものを峻別 上位と下位のそれぞれ10位までを、立止まり時間を していることがわかる。一方、観覧入念度の低い観 軸に表化したものである。なお、 O 内の数値は、そ 覧者は、前述のように、特定の水槽には立止まるも れぞれ上位と下位に同種生物が展示されている 4 館 のの、しかしその場合でも、観覧時間は一般的に短 中の館数を現している。まず、上位のものを見ると、 いという、相反する傾向のあることが明らかとなっ 展示生物は、ピラルクー、アロワナなどの熱帯の大 た。 型生物、ドチザメ・、アカエイ、ウツボなど恐怖心を 5)立止まり率と平均立止まり時間 起こさせるような生物、タツノオトシゴ、タカアシ 図 -5 を集計したのがそれぞれ図 -8 、 9 である。 ガニなど、一般の魚類に比べて体形や動きに特徴の (水信) 3 0 ;;|州: 表 -4 ホ崎署 平均立止まり時間別展示水槽概要 水槽咽 生物種劃 .示生駒種名 18 恒 @ ネコザメ@、アカエイ@、ドチザメ@、コバンザメ、クロエイ、スズキ@ 4 タイド マアジ、マイワシ②、マサパ②、カタクチイワシ② 171."眠 T* ウミガメ③、アカウミガメ@、タイマイ 上 ~ (%) 図 -8 平均立止まり率別水槽数 位 %11. ウ 7 ボ、イシダイ③、ゴイシウミへピ、イシガキダイ@ %0 個 カサゴ、コトヒキ②、カゴカキダイ⑤、タカノハダイ、ハヨフグ② U 個 クエ@、マハ夕、ホンソメワケベラ、ア均ハタ② U 個 スズメダイ、ツパメウオ②、チーウチ a ウウオ、カワハギ、ハタ 同信 プリ⑤ 2111 1 1 11 1 コバルトスズメダイ、シリキルリスズメダイ、ハタタテダイ ~3 価 3111 釘佃 3s個 下 位 4~ 個 33 個 平均立止まり時間別水槽数 ー ツパメウ材、サピウツボ E モモイロサンゴ アカハラヤッコ、チリメンヤッコ、ソメワケヤッコ ーロマスc3l *ニダJレマ*コゼ 47 価 クマドリ②、モンガラカワハギ② 39 個 カスミチ,ウチ,ウウ庁、アミチ国ウチ,ゥゥォ、チ,ウチ,ウウオ シマドジ,ウ、ドジョウ 却価 マンジュウイシモチ、フタオピスズメダイ、ハナゴイ 制置 カワムツ、オイカワ タイワンガザミ、イ yガニ 44 個 アカマツカサ③ 42 帽 ザラサハタ②、コデテンフグ 個 Jlノサラシ② 個 アヤメエピ、ウケグチイットウグイ |凡例ート U鑑-- y館--0- 0・十 1-1 -13- z z z E E トゲチ,ワチ E ウウオ@、アケポノテ,ウチ,ウウオ②、ミゾレチ,ウチ,ウウオ 77 ' 1 :行 IJ l?A 、偲:個水繕、 9 {ト・: 4 E E "置 置 4 .~O 4 .~O 4 . 10 4 . 10 4 . 10 1 . 1 0 t . 90 t . 90 0 . 9 0 0 . 1 0 クダタツ ドモンヲヰベラ、 Y マタラレクチベラ、ツキベラ、オピテンスモドキ 7 7 . 0 0 5 .0 0 ZUO 1 4 .7 0 4 .~O 夕方アシガニ 価 43 凡例 3 1 4 b 4 ハナガササンゴ、ハナガタサンゴ UI. 40 (秒〉 ー1 4 自 z z 41 訂価 図 -9 ホ柑【間M口3 帽 立止(,まωり a 立止まり時間 【砂〉 前テラリ アマゾンマナティ、 7 ロリダマナティ、アロワナ@、コロソーマ③ピラルク E 3 z 。 71 o . !O 0 . 1 0 t . 90 1 . % 0 0 . 7 8 Q . l0 0 . 7 1 0 . 60 I . Z O t . 90 t.9。 1 . 76 0 . 7 6 1 . 90 9 7 . 0 9 9 4 . 1 7 9 2 .1 3 9 6 . 1Z 8HI 7 3 .7 9 7 8.制 7 2 . 82 7 5 .7 3 ~9. % 2 ~~ 3 1 3UI 3 6 . 8 9 7 8 . 6 4 ~5. 3 4 1 5 .1 3 抑制 1 8 .4~ 3 0 . 1 1 %U9 3 0 . 1 1 % 0 . 3 9 3 4 .9 5 1 6 .~I 1 8 0 . 0 3 1 5 . 8 J 4 7 . 4 9 4 3.釘 3 8 .~3 3 3 .1 3 3 1 . 8 1 3 0 . 7 9 3 0 . % 6 % 8 . 3 9 % 7 . 7 2 % 6 .3) 2 6 . % 6 2 5 . 8 6 2 5 . % 1 1 0 . 1 3 1 0 .~6 1 ・ 47 l ・ 39 1 0 . 3 3 且 84 且 81 且 25 8 . 9 4 E且 13 且 43 1 7 . 4 8 9 .4 2 1 8 .3 3 8 . 1 0 8 . 0 6 7 . 6 7 7 . 4 0 I~. ~3 1 7 . 4 8 1 9 .4 2 9 イト. 7 ・-~、僻隊:備隊水槽、置:置水糟 ある生物、アオウミガメ、アカウミガメなどのウミ ガメ類など、となる。また「展示水槽」では、間口 (事 /1<Y 館〉 10 固Eぷ込訟.LJ司 5 0 20 ・I}};:;::::: 三E:当 3 0E視す一回 幅など規模の大きなもの、及び図 -5 との関連から、 回遊水槽、オセアナリュウム、テラリュウムなどの E:三三ヨ 50 ・ 1叫将司 戸=司 6 0I:EZ雰門三百 6 0 12LJ E三ヨ 5 0 100( 耳) 特殊水槽8) が上位を占め、これに展示水槽の配列順 が関わっている。すなわち、入口に近い位置の水槽 40. ♂;♂::j 1 0 では、一般に展示物や「展示水槽」の如何に関わら ず、立止まり率、立止まり時間とも高くなっている。 |凡…- u館-- y箆屯口富十 1 ・! 次に下位のものをあげると、「展示水槽」は置水 槽及び個水槽の小規模なものが多い。展示生物は上 図 -14 生物 l 種当たり立止 まり時間比率 位に比べて多種類にわたり、イワナ、ニジマスなど 図ー 15 生物|種 当たり総立止ま り時間百介比 の淡水の生物、サラサハ夕、ヌノサラシなど見掛け の地味な生物、水族館以外でも見ることのできるチ 6)各単位当たり立止まり時間 ョウチョウウオやタイの仲間など、また、水槽配列 1 水槽当たりの立止まり時間は(図 -10) 、 60秒 との関係では、前後に類似した生物が展示されてい を超えるものがある一方、短時間観覧者ほどその比 る場合などとなる。 率は高く、これをさらに仔細に見ると、 10秒未満の しかし、特に展示生物については多種多様な側面 を持つため、今後さらに詳細な分析が必要であると 考えている。 うち、 2-----5 秒が最多であった。平均値は表ー 3 の 通りである。また、間口幅 1M 当たり(図 -12) 、 1 生物種当たり(図ー 14) で見てもほぼ同様で、比 (累積人数%) m 6 0 率差こそあれ、 く Y 芭〉 10~E市開:r.-酉 5 0 20 .ーが託子司 自 30 ・.;::":.::":久長::j Eヨ 40 ・..;:.:::;:::::川記己 50 ・品.:'::;::j 己当 60 ・E日;ど :.....:.::1 ::::::::ゴ 6 0-.1医科誌記i一一主ヨ 5 0 100( 耳) 1 0 4 館に共通した傾向となっている。 しかし、単位当たりの 3 者では、生物種当たりで 4 館の共通性が最も高い。 次に、これを百分比で比べると(図 -11 、 13、 15) 、 各単位当たりに共通して、立止まり時間が長くなる に従って、総立止まり時間 30分以上の割合は漸増し、 反対に 10分未満の割合が漸減している。しかし、中 間帯 (10"-'30分)の変化は微小で、総立止まり時間 の長短が、上記各単位当たりの立止まり時間に深く 図 -10 水槽当たり立止ま り時間比率 図ー 11 水槽当 たり総立止まり 時間百分比 7)立止まり水槽数について (:被験者数%) (累積人数%) 6 0 6 > 1 <YIP 一\刊 一一ふ ・ -4tEBl」1 ・ g ・ 一ヤ与 E 内HuaHuaHu 」 aaEqunF がヘ一一 5 0 関わっていることがわかる。 1 0 図 -12 間口 1M 当たり立止 まり時間比率 図ー 13 間口 1M 当たり総立止ま り時間百介比 - 図 -16 立止まり水槽数比率 図ー 17 立止まり 水槽数別総立止 まり時間百分比 14 一 4 館とも、水槽数20'""'40 に、合わせると 5 割以上 減少傾向を示している。 10秒未満では、 50槽以上立 が集中している(図ー 16) 9) 。これは Y ・ U 館のよ 止まり観覧した者もいるが、 20秒未満では 30槽まで、 うな比較的に多くの展示水槽を保有している館でも 30秒未満では 20槽、そして 40秒未満では、ほとんど 変わることはない。一方、図 -17 について、 70水槽 が設置水槽数の約 1/9 、すなわち 10槽以下となっ 以上、立止まり観覧した者を見ると、そのほとんど ている。しかし、これが、 40秒以上では反転し、 が、順路通りの満遍ない観覧を行っており、 1 水槽 館とも、 10槽以上の立止まり観覧者数が増加してお 4 に費やした時間も平均20秒以上と入念であった。ま り、どの水族館にも観覧者に特に人気の高い水槽の た、各館の平均立止まり水槽数は表ー 3 の通りであ あることがわかる。また、これらの者は、人数は 19 る。水族館計画にとって、水槽を幾つ設置すべきか 名と全数の 2 割弱と少ないが、観覧した水槽の平均 は極めて重大であり、これらのことは、保有すべき 値は 1 水槽当たり 32秒を超え、往復行動や戻り行動 水槽数に一つの指標を与えるものとなろう。 を伴いながら、極めて入念な観覧を行っていること また、総立止まり時間別に見ると、長時間観覧者 がわかった。 また、総立止まり時間の長い者は、各時間帯を通 ほど立止まり水槽数は一般に多く、逆に、短時間観 覧者ほどこれが少ないという関連性を読み取れる。 じ七も、立止まり水槽の数が多く、短い者ではこれ 8) 観覧時間別立止まり水槽数 が逆になっている。 図 -18 は、 Y 館を代表に、 1 人当たりの立止ま 6.歩行観覧行動に関する考察 次に、展示水槽に対する一方の歩行観覧行動につ り水槽数のグラフにおける 1 水槽ごとの立止まり時 間を 10秒ごとに 5 つに分け、それぞれ百分比で表し いて、 Y 館と I 館の図ー 19---21 を代表に用いて考察 たものである。 する。 各図を比較すると、水槽数の分布は、 40秒以上の 1)総歩行時間と総立止まり時間の関係 総歩行時間は、それぞれ 5 '""'10分 (1 ・ U 館)、 10 グラフを除き、立止まり時間の増加に伴い、極端な ( 9 6 ) 10 秒朱満 ---15分 (Y ・ O 館)の者が最も多く、総立止まり時 (%) 20 秒未満 100 , 801-- ー-ーーーーーーーー・ーー-ーーー 間別の最頻値も、ほぽこれに一致している。最長は 80 1-ーーー-ーーーー『ーーーーーーー 40分26秒 (0 館)で、これら総歩行時間の長い者は、 必ずしも順路通りの観覧をしておらず、重複した動 50 ・ーーーーーーーーーーーーーーーーー 線を採る者が多い。また、 10分ごとの総立止まり時 間は、総歩行時間の各区分に幅広く分布しており、 総歩行時間と総立止まり時間との多様な関連性が窺 '10203040508080・ 1 0 2 03 04 0 5 05 0 60(鳩) (鳩) (%)30 秒未満 1 0 1 (%) 40 秒未満 (%)40 秒以上 1 0 える。 2)総歩行距離と総立止まり時間の関係 (%) (%) 8 Y館 8O r - I 館 8 0 " 4 0 4 0 2 0 2 0 (水橋) 6 0 4 0 4 0 2 0 2 0 1 0 1 52 0 2 5 30 ~O ・・ (車種) ~J.-I附占fJJJ時b-蜘 図 -18 6 0 (分) 世斗 柄引 EJ-gfニアb附 n四割骨図 -19 水槽立止まり時間毎の水槽数比率 -15 ー I 総歩行時間別総立止まり時間比率 (%) 5 0 (~) 5 Y 館 4 0 7.観覧者行動と滞留密度の関係 i 館 4 0 観覧行動には観覧室内の混雑の度合いが影響する と考えられる。そこで、これを観覧室の滞留密度 10) 3 0 として、最も高い状況(表- 5) を示した U 館を もとに考察を行う。 2 0 1 0 表 -5 (M) ; 皆、吊 ( -nu 御舟 、J jJ円 uト Lド晶-に J ・ 1 .E' 六二三一三円 ι=o -一戸朝 ・1 -E , 』冒 υaMU --〓一一一五一一ぷ 1a! l i , J冊 ・B ・ 分比 ( } J I f ) 1. 2 一一一一一一 :':;:}'j ト :1 1. 8 田園園園ヰ辿2l.j 1. 8 一一一一ーベ日以1 日 5 0 O.6ILJ E づ・.・~ 1 .Z ・・日以川 ト ..1 1 .I!田園以斗ー」斗 O. 1i位以」半斗 1 .2 ・園田I 1:-: ・ :γ; ・;・ :1 1.8l1li.::::刈 t-:・:・3 1.8ァ一一括・ 11 1. 8 一一日中:;';:;'1 ~:・ 1 0- ' 5 0 10 0'(~) 5 0 10 0'(覧) ¥ O O C ' C 図 -25 総歩行 図ー 26 総歩行 図 -27 総歩行 山田回口一凶 速度百介比 ぃ・回口白 い・図口白 距離百分比 い回国阿国一 戸田図口図 凡例 ド圃釦回渉 覧者の個別差が少なくない。歩行速度が0.6M/S C J . .匀 f) _ _ _ (}JJ I ) 0.6 一一一九弘4d 館とも、大半がo . 2 ' " " 0. 5M/S を占めているが、観 入館時刻は 15時以降の者が多く、閉館時刻を想定し '''"hvnJU 内MOR 民U nuO 分比 4 以上と早い者のほとんどは、低年齢層であり、また、 -A n---Knu--' ,g、 , UA 、,J り水槽率百 時間百分比 時間百分比 3)総歩行速度と総立止まり時間の関係 川 'RunJ 'rA n--- i まり時間百 は短く、総立止まり時間が長くなっている。 最頻値は 0.4M/S (0 館のみ 0.3M/S) で、 -L 一白二一一U 山U ぃ h 一 IM--E 4 館とも、 300M を超える者のほ とんどは低年齢層で、これらの者では、総歩行時間 -nリ 一一-話一一-i 嗣huUI凶 えられる。一方、 一一一一位一U 江幽 J 川… 町一-nりり 的に小規模であり、行動に自由度が少ないためと考 ----圃 'EE 一 4一pnuw 図 -23 総立止 まり・総歩行 I 館125'""150M) での集中率が高くなっている。そ 沿った直列的な配置であること、 I 館は面積が比較 図 -24 立止ま 図 -22 総立止 館に比べて Y ・ I 館は特定距離 (Y 館225'""250M、 の主な原因としては、 Y 館は水槽の大半が通路に ・-圃目 1 総歩行距離には、展示水槽の配置形態や観覧室の 規模が大きく関わっていることが考えられ、 u.o 、J--- 圃 E ・ E ,f 、肉Hυta--E---- 総歩行距離別総立止まり時間比率 '''"hunJt MOR 民U 伺M 図 -20 --an---- │ ・ー附図ー川口→附四時| 叫 E り附 d R W 1 I l l i t I M d t │ 凡伊1 (M) l 1 7 5 2 2 5 2 7 5 300・ 1 5 0 2 0 0 2 5 0 3 0 0 滞留密度基礎資料 : 。 125 0 1 2 5 1 7 5 2 2 5 2 7 5 300・ 1 5 0 2 0 0 2 5 0 3 0 0 1)総立止まり時間と総歩行時間の百分比と滞留密 度 滞留密度が高くなるに従って、立止まり時間は減 ての観覧行動と考えることができる。 少し、総歩行時間の割合が増加している。これは、 滞留密度の上昇に伴い、観覧者個人の自由な行動が ;;|四 2 0 1 0 1 1::「 制限され、集団の行動に組み込まれることが多くな るためと考えられる。(図 -22) 2)総立止まり時間・立止まり水槽率と滞留密度 総立止まり時間は 20分以下で主に大きな変化がみ 自国国 │ られる(図 -23) 。密度が高くなると、総立止まり 時間の最も短い 10分以下の割合が増加し、逆に 10'"'" 20分の割合は減少する。特に低密度でこれが著しい。 ( M / S ( M / S) 高密度化が、特に短時間者の観覧への意欲を削いで |凡例目嚇 dzfJJ 時E-附回開←| いることがわかる。 図 -21 密度の変化に左右されないほぽ一定比率を示すが、 総歩行速度別総立止まり時間比率 また図 -24 の、立止まり水槽率は、 60% 以上では、 -16- その一方で、 20%以下で漸増、 20""'"'60% で漸減し、 傾向と考えられ、動線の分析と対照すると、比較的 混雑の度合いが増すに従って、水槽を立止まり観覧 に自由な行動を可能にする 0.6 (人/m2 ) 以下と、 しようとする者の割合は低下する。 1 .2 (人/m2 ) 以上の水槽前に列ができ個人の行動 3)歩行観覧時間・距離・速度と滞留密度 に制約が加わる状態との間にあって、 0.6""'"' 1. 2 (人 総歩行観覧時間は 10分以下では、密度の上昇と共 /m2 ) はすいている水槽を探し先を急ぐ行動と、マ にわずかな漸増がみられるものの、総歩行時間の長 イペースのゆっくりした行動による境目の状態であ い 10分以上ではこれが複雑に変化している。長時間 ることがわかる。 歩行者には、各水槽聞をじっくり歩行する者や、動 8.観覧動線に関する考察 き回り重複観覧する者など様々な行動パターンが指 観覧行動を動線面から考察するために、追跡調査 摘され、これらが複雑に影響し合つての結果と窺う のデータをもとにして、図 -28""'"'30 を作成した。図 ことができる。(図 -25) -28 は I 館の観覧室の動線図11)である。また、図- 歩行距離(図ー 26) は、密度が高くなるに従って、 29 と 30 は向上のデータよりタイプ化12) 、パターン化 200""'"'280M の中間帯で減少し、 200M 以下で増加し した各配置形態図とその各配置形態と各観覧行動と ている。しかし、 280M 以下ではほぽ一定である。 の関係図である。図中の片側及び複合タイプは I 館 これらから、高密度化は、観覧行動を妨げ、歩行距 から、またアルコープタイプは U 館から、両側タ 離を短くする方向に働くことが明らかになる。 イプは Y 館からそれぞれ抽出している。 歩行速度における最も特徴的な傾向は 0.6""'"' 1. 2 1)展示水槽配置と観覧動線 (人/nt) 間の密度の変化である(図ー 27) 。これ I 館(図 -28) 及び U、 Y、 O 館より、観覧動線 は、高密度化による観覧行動が制約される過程での は展示水槽の配置に大きく左右されているのがわか Pl-A 歩行観覧を主とする動線 片聞タイ プ Pl ・-立止まりの多い動線 ;> ~ ヨ ~I 霊平崎観覧時間 4.4分 (56人) 霊平均慨覧時間 9.3分 (42人) 円手前のみショートカット動観 ア jレ コ イタ プ プ 側イ両タ 霊平均観覧時間 2.3分 (5人〉 円片側通行の動線 Pl 順路に従勺た動観 皿 l ーノ 安 地 S句 円片咽のみ申動量 複合プイタ 霊平向観覧時間 8.1分 ol人) 円片ゾーンのみの動銀 室平均観覧時悶 8.1 分何人) 同 4 順路に沿.,た動規 Eヨ 自 自 自 室平絢観覧時間 2.0分 (22人) 1 階平而図 pl 片ゾーンのみの動線 霊平均観覧時間2ω子 (6人) ー、':. 向 ー プ Pl 戻り行為の見られる勤線 室平均値覧時間 3.9分 <8人) 室平均観覧時間 u分 (21人} JJ J 室平均鰻覧時間 4.9分 (39人) 円舛周辺のみ申動植 円往復行動の見られる動敏 室平均恨覧時間 5. I分(4[人) 同戻り行為の見られる動観 霊平均観覧時間 1.1 分([人 J 円満遍 Fよい勤蝿 場 ゆゆ 響 室平均観覧時間 3.4分 (8人 J 室平均観覧時間 3.8分 (30人) 室平均眠覧時間 5.1分 (61 人) 室平均観覧時間 7.2分(1 11人) No. 数値は水穂番号を表し、図- 5 に対応する 図 -28 I 館観覧室平面図 図 -29 -17 ー 水槽配置形態別観覧動線図 る。片側及び両側タイプでは、飛ばし観覧を含みな 動線的には大きな差異は見られず、順路通りの Pl がらも動線は一方向に流れるが、アルコープ及び複 と戻り行動の見られる P2 の 2 つに分けられる。被 合タイプでは、動線は複雑化しショートカットや交 験者の多い P1 をタイプ室の観覧時間で 2 分する 差が起こる。順路の選択について見ると、前者の場 と、図 -29 のように P1-A と PI-B になる。 P 合は、水槽に接近して観覧する様子が読みとれるが、 1-A に比べると、 P1-B では、満遍なく観覧が その場合でも、その程度は、順路進行に伴って低下 行われており、従って、これに伴い各立止まり時間、 している。後者の順路選択では、入口と最初の展示 歩行距離、立止まり水槽数などの数値がいずれも高 水槽との連続性が関連していると考えられ、これが くなっている。また、 P2 は、戻り行動の見られる 充分でない配置の場合、必ずしも水族館指定の順路 動線であるため、歩行距離が必然的に長く、これを (I 館は l 階は左回り、 2 階は右回り)となってい ない。また、年齢では、一般に、低年齢層( 7' " "1 2 仔細に調べると、 ほとんど 80M 以上となっている。 これに対して、立止まり水槽数は、 P1-A とほぽ 歳)の動きが大きいが、その多くは家族での来館の 同傾向で、年齢との対照から、その原因は主に 12歳 ため、総観覧時間にはほとんど違いは見られない。 以下の低年齢層によることがわかった。 2)配置形態別観覧動線 ②アルコープタイプの動線 図 -29 の各ノ f ターンは各タイプ室における平均観 コの字形を基本として、観覧室の外周部分に水槽 覧時間の順に並べたもので、以下、これにもとづい が配置されたタイプである。全被験者の約 1/3 以 て考察する。 上 (27人)が、順路通りの観覧パターン P4-A に ①片側タイプの動線 分類される。この他はいずれもショートカットの観 観覧室の片側に全展示水槽の配置されたタイプ。 立止まり跨信1 歩符略需1 面プ lE。 lアレ ll璽 プタイコ 0 . 5 自 まま立止まり略周 立止まり水用量生 歩宥褒調E 年& 渚宮密度 全11n体AaEト ・0 ・E・主歪・笠昌写0三1議.5羽単語三Ë民ヨ Pm全7n体-NA副0定L 三三三0三5三ì三三主長ヨ三1E P円全3n4体ー岨n0a掴・i位E之泣よ丞ι註0週泊ニニ5i-土一三二~二1了弓 例金P1陀依イ-E咽o凶・E・ ・ ・F・主圃ニ・ 4主Ea三・ギ記2・長SE孟とd乞短込益主a51』 P円金1→4引n時eE符恥比4守高三司孟jトIUO己三4三3三÷ニ三ぷ十トニ三与ニL土一1:三;』叶 i0 1 . 0 E j 0 2 j 4 0 円n問~・ ~E・週・ j圃園・ ・E田・・盤二・三E・三上-組三己司召 ?・ 圃・ E圃・ ・室圃・ 率圃・摂・霊E察・窃5翠烹・1一圃E幽禰一2寸ヨ P金F'4川箆侃位・認日三箪~!一 日:・E証÷週盗三1÷週一r三三z三E三三ヨ正三~司 ~← 0 . 5 1 .0 0 0 . 5 1 . 0 i富 0 . 5 1 .0 -J 4 d PF444tPPn1?44R - HPm陀P・R43r・a・-・E1 .2霊透・霊器・一能・翠活・璽ー・ー~ 柿例P23・40一E・聞・ ・ ・ 0・ 圃・5・ E・ E二・ 翠・明主・E引・1自U 0 . 5 覧パターン (P 1 、 P2 、 P 3) で、合計すると 19 0 . 5 i葺 1 .0 金内P体包n4P0囲・E盆.-.・-丞.・.-臨E渥塗醤-9置議鍛-溢主造-釜室益a5主還益-還盆-週丞~益1 1 0 0 . 5 p金Pa4隠一 ~IP討M師ni対誌益友丞を率aキ翠誠言宗L盗1土塁÷I羽 =要寸日土τ市以己λ三士T土~ l円P金4円n陀体1引-E・司E・・・・Eヨ・T五之T己エ上i主yぷヌT2己乙f烹主1宇-之3主マヨ五目 1 .0 0 - 0 . 5 1 .0 金円n陀P'S4Ei・・ ・圃・-・E照・零ミ泰E卓容認癒志雲議1ドヨ霧1器窓司1-11 金例陀制q・dE経軍~立豆淫きさ温豆器議室沼援1日j羽: FzL土z手fて土さ7;1i1l 1 .0 J 0 . 5 I 盆n叫F衰ウ弱ず一二-辛T弓唱 j i 0 7 1 I i 0 1 .0 0 - 0 . 5 0 . 5 1 .0 :量 1 .0 0 . 5 1 . 0 !4湯怒1E銭Z懇翁楚週安羽1E士三l司ヨ E・2・ ・認・E結・3・笠E区窪孟遂&五t三週I諮 伸宮3t4出r置E一 Tぷ謹雪笛幽与訟ぢ辺者」rぷよ よ. :与.己:主とi与三主ぢJ斗三ヲニ1 伸PnP3一 一S記主i孟一注三品三」一1」雪 帥Pnp・ 12・EaBiE盆42-一丞一誌一L一と4一ι一4ょ与」ユ 時円悶一・・・・・・ ・ 諾・ 0怒・・g・3g・ 認B忍・院E袋羽1斗関 全内P体n宏"。問陸監tι迄=S醤主云盆L主訟土筆主己血O1品1 j EHpP陀na1。・-・E圃・-30 1 0 0 . 5 凡 伊| 0 . 5 1 . 0 !jf",綱 川崎 円分 1 I i-2U' 11.・以上 ?:;:l出 長;3323 '分以上 図 -30 : l 4 r-: iI~ 1 .0 0 . 5 IIjf'"創 刊才 F:::1出 ~'.13・分以上 水槽配置形態別諸要素吉介比 (x -18- 1 .0 間以上 100%) 。 0.5 1 .0 0.11 人/融・ 0 . 5 0.10 人ノπ畑 F;::は lm::土 O. I3 -l'" 人苦情 I.I'-UI 人ザ 1.... 人〆g埠tよ 1 ・0 人/η部t土 1 .0 人と多く、水槽に沿った P4-A の動線とは対照的 の割合が高くなっているのがわかった。 に、 P4-B を含め交差の多い動線となっており、 9.まとめ アルコープタイプの特徴が明らかになる。以上、ア ①展示物に対する入念度を表す、総立止まり時間 ルコープタイプは、大きくは、水槽を満遍なく観覧 とその他行動との関係をみると、長時間観覧者ほど、 する P4 のパターンと、 P1........P3 とに 2 分され、 設置水槽に満遍なく立止まり、 この対照的な傾向は、年齢を除く、各観覧時間、歩 時間も一般的、に長いが、しかし、それは一様ではな 1 水槽当たりの観覧 行距離、立止まり水槽数の各グラフからも明らかで く、展示物によって、長時間観覧するか否かの峻別 ある。 P4-B の順路途中で逆回りするパターンは、 を行二っていることカt わかった。 滞留密度の図から比較的に低密度 (0 ........0.50人/ぱ) 一方、短時間観覧者ほど、限られた特定の水槽に の割合が高い時に起こっている。また、全パターン は立止まるものの、しかし飛ばし観覧が多く、一般 に共通することとしては、アルコープの奥、または 的に観覧した水槽数は少なく、かつ 1 水槽当たりの コーナ一部分の水槽に立止まる傾向のあることがわ 観覧時間も短いことが明らかになった。 また、歩行観覧行動との関係は、総立止まり時間 かっ Tこ。 の長、短に関わらず多数であった。 ③両側タイプの動線 観覧通路の両側に展示水槽の配置されたタイプ。 図 -29 の 4 つのパターンに分けられるが、大半が、 以下、総立止まり時間以外の主な事項についてま とめる。 館の指定順路通りの最も無駄のない P2 と、両側の ②立止まり時間に対する歩行時間の割合は、約 4 水槽聞を往復する観覧行動の P3 のパターンで、そ ........5 割と、総観覧時間の長い者では、一般に歩きな れぞれ約 4 割ずつを占めている。この両パターン以 がらの観覧にも充分な時間を費やじていることがわ 外では片側のみの P1 が22人(右側のみ観覧する人 かっ Tこ。 は内 1 人)と多く、 P4 は僅かに 1 人であった。 P ③立止まり率と立止まり時間は、相互に関連し、 2 と P3 は、非常に共通性が高く、図ー 30 において 水槽の配置・配列、また設置水槽数と深く関わって も歩行距離を除き各要素とも同傾向を示している。 いることが明らかになった。 P2 に比べて P3 の動線をとる者は、仔細に見ると、 主要なものをあげれば、設置水槽数が多くなると、 往復途中での水槽の飛ばし行為の多いことがわかっ 一般に、立止まり観覧の率及び時間が減少すること、 た。 Pl は滞留密度、年齢との関係を除くと、各観 配置・配列では、入口付近での高い入念度、これに 覧時間、歩行距離、立止まり水槽数の項目において、 対して配列後半、及び画一的な展示での減少傾向、 P2 、 連続性を欠く配置ではその最初の水槽が飛ばされる 3 と比べると可成り異なった割合になってい る。以上から、このタイプの順路構成の難しさが改 ことなどとなる。 また、総立止まり時間の平均値12........16分弱に加え、 めて確認された。 1 水槽当たりの立止まり時間は 2........5 秒が最多と、 ④複合タイプの動線 中央の水槽とこれを囲む外周水槽から構成されて 水族館固有のものとは云え、その実態は意外に短く、 いるタイプ。すなわち、アルコープタイプとアイラ このことから、社会教育施設を標拐する水族館にと ンドタイプによる複合で、前出のアルコープタイプ っての、今後に迫られる重要な課題が明らかとなる。 また、立止まり率及び立止まり時間の上位と下位、 との比較から、中央の水槽が強く観覧行動に影響を 及ぼしていることがわかる。全被験者の約 6 割が満 各 10槽の内容の分析からは、展示生物については、 遍なく観覧する P3 のパターンであり、立止まり水 今後、さらに検討を要するものの、熱帯の大型生物、 槽数の多い者の割合が高くなっている。年齢では、 恐怖心を起こさせる生物、動きや体形に特徴のある P2........P4 生物などが、また、「展示水槽」では、間口幅など は低年齢層が約半数を占めているのに対 して、 Pl では低年齢層は見られなかった。また、 規模の大きいもの、及び回遊水槽やオセアナリュウ P4 の各観覧時間と歩行距離の図からは、その複雑 ムなど、特殊水槽がそれぞれ上位を占め、下位には な動線の特徴がよく読み取れ、それぞれ大きい数値 置水槽及び個水槽の小型のものが多いことなど、が - 19 ー イ、解説板など、これをまとめた展示単位とし 明らかになった。 立止まり水槽数については、大多数の者が20""'-'40 槽の間で観覧し、設置水槽数の多い館では、立止ま ての総称として用いている。 2)参考文献などのほか、同一観点、からの既往研究 り率が低下することから、効果的な展示には 40槽程 はない。 3)過去の入館者数から当日の入館者数を推定し、 度の設置が 1 つの目安となることがわかった。 ④滞留密度の増加は、歩行時間に比べて、立止ま 調査員数 (15""'-'18名)との関係から、被験者数 り時間に影響が大きく、より高密度で観覧行動に自 を U ・ Y ・ 0 ・ I 館それぞれに、 102人、 21人、 由度が少なくなっている。 67人、 11人ごとに設定した。追跡調査及びアン また、総立止まり時間、立止まり率、及び歩行距 ケート調査はこれにより設定された被験者に対 離において、滞留密度の増加とともに、主に各数値 して実施したものて、表 -2 中の被験者数は追 の低い者に大きな影響を及ぼしている。 跡調査及びアンケート調査のうちそれぞれ不良 ⑤観覧動線は展示水槽の配置に大きく左右されて いる。水族館の観覧形態の特徴として、水槽に対す のものを除いた人数である。 4)小学生、中学生の夏期休暇期間中に実施した。 る近接観覧が確認されたが、これも、配置形態によ また、は虫類館に変更された U 館以外、 Y、 O、 って異なり、片側及び両側タイプでは、飛ばしゃ戻 I の 3 館は、一部増築・改築が行われたものの、 り観覧を含みながらも、動線は一方向に流れるが、 今日も基本的には当時そのままに運営されてお アルコープ及び複合タイプでは、これが複雑化し、 り、本研究の結果は、充分、今後の水族館計画 動線にショートカットや交差が起こり、水槽の配置 に基礎的な知見を与えるものとなると考えてい 如何では、館指定の順路と異なる動線の出現するこ る。 5)文献 -14 の観察法は、『展示が成功したかどう となど、が明らかになった。 かを基本的な次元で反映する「誘引力」と「魅 最後に、観覧者属性、特に年齢と観覧行動につい ては、水族館の場合、家族や仲間とのグループ入館 了度」の二つの指数を観察データ』としており、 これに対応させた場合として用いている。 が多く、これらでは、低年齢層を除きグループ行動 をとる者が多く、大きな違いは認められなかった。 6)配列順は、必ずしも各水族館が指定した順路に 低年齢層の場合も、観覧室の随所で同行者と行動を 沿ったものではなく、観覧者が最も多く観覧し 共にする動きが確認され、歩行距離や速度、動線を た水槽の配列順としている。 除くと顕著な違いは見られない。 7) 5 項移動平均法による。 以上、展示水槽を一つの単位とした考察を行って 8)個水槽、置水槽以外を総称している。 きたが、今後はさらに、冒頭にも述べたごとく、展 9)当図では水槽数を 10槽づつの区分としているた 示単位を構成する展示生物、「展示水槽」、及び解説 め、 I 館の 33水槽中の 4 水槽については 10水槽 板など、これらを個別的に捉えての研究を進めて行 に対応する数値に修正している。 10) 観覧室におげる 5 分ごとの入室者数と退室者数 くつもりである。 の差、すなわち滞留人員を観覧室の総床面積で 謝辞 本研究をまとめるに当たっては、日下部仁志氏、 館吉保氏、加藤幸江氏のほか、研究室の現、旧大 除した値。 11) 紙数上、 学院生、及び卒業生のご協力をいただきました。こ 4 館中、最小規模の I 館をその代表と した。 12) 水族館では観覧室と展示水槽とは一体的な関係 こに深く感謝する次第です。 にあるが、ここでは展示水槽の配置形態をもと に分類している。なお、調査 4 館には、含まれ 註 1)文中の「展示水槽」は、展示水槽そのものの語 意として、また、 rJ なしの展示水槽は、展示 生物、展示水槽そのもの及び水槽内ディスプレ - 20- なかったが、このほか、島状のアイランドタイ プの配置形態などが考えられる。 引用・参考文献 覧時間について一日本建築学会大会学術講演梗 1)坪山幸王:水族館に関する建築計画的研究、 概集、 1994年 ーその 3 観客動態について一、日本建築学会 9)坪山幸玉、他 2 名:水族館に関する建築計画的 大会学術講演梗概集、 1976年 研究、来館者の観覧行動ーその 3 2)坪山幸玉、他 2 名:水族館に関する建築計画的 研究、ーその 4 展示環境に働く観客の心理的 傾向について一、日本建築学会大会学術講演梗 1994年 10) 坪山幸王、他 4 名:水族館の観覧領域に関する 概集、 1976年 研究、ーその 2 3)坪山幸玉、他 3 名:水族館に関する建築計画的 研究、ーその 6 年 11) 坪山幸玉、他 4 名:水族館の観覧領域に関する 4)坪山幸玉、他 1 名:水族館の観覧領域に関する 研究、ーその 1 研究、ーその 3 5)坪山幸玉、他 2 名:水族館に関する建築計画的 講演梗概集、 1994年 12) 坪山幸玉、他 4 名:水族館の観覧領域に関する 1)一、日 研究、ーその 4 本建築学会大会学術講演梗概集、 1987年 研究、一展示水槽の規模について( 2") 一、日 講演梗概集、 1994年 13) 野村東太、他 5 名:博物館の展示・解説が来館 本建築学会大会学術講演梗概集、 1988年 者行為に与える影響、一博物館に関する建築的 7)坪山幸玉、他 3 名:水族館に関する建築計画的 研究 観覧時間に ついて一、日本建築学会大会学術講演梗概集、 v- 、日本建築学会計画系論文報告集、 第445号、 pp.73--.....81 、 1993.3 1 4 ) R. 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