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高橋システム - SPARJ

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高橋システム - SPARJ
プラント業界における3次元計測の
現状と課題
有限会社高橋システム
2016年12月9日
1
アジェンダ
1.
会社概要
2.
弊社の3次元計測業務について
3.
プラント業界での導入事例紹介(現状)
4.
計測に限らず3次元が普及しない理由(課題)
5.
3次元計測が主流になる為には?
6.
新規ソフト導入による業務拡大等のメリットの紹介
7.
プラント以外の取り組み
2
会社概要
 社名:有限会社高橋システム
 設立:1998年2月25日
 住所:愛媛県新居浜市惣開町2‐7 天野本店ビル
(大手住友3社から数分の立地)
 従業員:10名
 主要業務:プラント配管、機器設計、システム管理業務、
CAD導入支援、派遣事業、3次元計測
3
弊社の3次元計測業務について
 導入時期
2014年12月:3次元レーザースキャナの導入
(補助金を3年間出し続けたが採択されず自力で購入)
2015年4月から計測業務開始
導入して約2年が経過・・・現在は?
 導入機種
FARO社製(米国)Focus 3D X330
仕様:0.6~330mまで計測可能(中長距離用)
重量:5Kgと軽量の為、工具箱に入れて運搬可能 ⇒
 導入目的
プラント等の既存設備のAS BUILT化
3次元の点群データを利用した改造計画
手動でのスケッチに代わるものとして想定して購入したが・・・
4
撮影風景
新居浜市の排水処理設備を数日間借用して撮影を実施(スキルアップ目的)
5
導入ソフト
 SCECNE 5.5(FARO社製)
点群処理ソフト:点群データの合成に使用
 InfiPoints 3.0(エリジオン社製)
点群処理ソフト:ノイズ処理、点群のレイヤ分け、点群から配管の3次元モデル化
 JRC 3D Reconstructor(GEXCEL社製)
点群処理ソフト:点群比較、検査結果表示、体積計算、点群からポリゴン化
 NavisWorks Simulate 2017(Autodesk社製)
点群とモデルの合成
 Autodesk ReCAP+NavisWorks Freedom(Autodesk社製)
点群ビュワー
 AutoCAD Plant3D 2017(Autodesk社製)
3次元配管CAD
 EYECAD(インターグラフ社製)
3次元配管CAD(サポート未契約)⇒サポート再契約検討中
6
事例1(撤去工法)
項目
内容
撮影プラント
S社E工場 屋外プラント
目的
プラント撤去工法の検討の為
プラントサイズ
66m x 36m x 5FL
撮影ポイント数
344ヶ所(解像度1/5)
撮影日数
約15日間
撮影時に考慮すべき点
運転中の撮影の為、スチームが映り込むので、点群処理ソフトでの後処理が大変で
あった
床上の雨水の反射で床下に映り込みが出来て後処理が大変であった
カラー化すると直射日光が撮影されているところは、真っ白になり見にくい
運転中の為、運転員、保全員に撮影を理解してもらう必要がある
運転中の為、振動によるブレが生じた
7
プラントイメージ
【断念した作業】
●配管縁切資料作成できるか?
⇓
●パイプラックの中は密集しすぎて
難しい
【実施した作業】
●アスベスト含有断熱材分布モデルを作成
⇓
●点群に着色で識別(モデル化はしていない)
8
事例1での点群処理ワークフロー
① 写真画像に着色
後点群に着色
⇓
点群処理ソフト
SCENEにて合成
点群処理ソフト
Infipointsから
中間ファイルに吐出
(pts)
344ショットでノイズ処理をすると
一連の作業でハイス
とんでもない時間がかかるの ⇐ ペックのマシンが必
で階ごとに実施
要とわかり自作
⇓
点群処理ソフト
Infipointsにて
ノイズ処理
重複・浮遊物点群除去
Recapにイン
ポート後rcp
に吐出
② 一般断熱材とアスベスト含有
断熱材をInfipointsにて ⇒
色分け後ビデオに書出し
点群処理ソフト
Infipointsにて
軽量化処理
点群の間引き・均一化
Navisworksから
ビュワーに吐出
(nwd)
客先
納品
のは
ずが
DVDにビデオ
として書出し
客先
納品
客先には32Bit
パソコンしか
無い
9
事例2(プラント増設)
項目
内容
撮影プラント
S社E工場 屋外プラント
目的
同じプラントをもう1系列増設する為
建設当初の3次元モデルはあるが、改造が未反映
発注先のゼネコンメーカに点群データを納入
プラントサイズ
30m x 20m x 5FL
撮影ポイント数
172ヶ所(解像度1/4)
撮影日数
約10日間(8月に撮影の為、熱中症対策で昼間はダメ)
撮影時に考慮した点(事例1の反省をふまえて)
真夏の撮影の為、スチームはほとんどなかった
床上の雨水を撮影前にすべて排水溝に流して撮影した為、反射は無かった
太陽の位置を意識しながら撮影した為、カラー化しても見やすくなった
撮影中の看板を作成し、運転員、保全員に撮影を理解してもらうことができた
10
事例2での点群処理ワークフロー
点群処理ソフト
SCENEにて合成
点群処理ソフト
Infipointsから
中間ファイルに吐出
(pts)
点群処理ソフト
Infipointsにて
ノイズ処理
重複・浮遊物点群除去
Recapにイン
ポート後rcp
に吐出
点群処理ソフト
Infipointsにて
軽量化処理
点群の間引き・均一化
Navisworksにて
建設当初の
3Dモデルと点群データ
を合成
⇑
プラント建設後に増設し
た設備と撤去済みの
設備の差異が理解で
きるだけでなく、据え
付け時の施工誤差も
わかる
Navisworksから
ビュワーに吐出
(nwd)
客先
納品
11
事例3(改造)
項目
内容
撮影プラント
S社O工場 屋内クリーンルーム
目的
製造ラインの中に新設機器を増設するため
撮影エリア
5m x 5m x 5m
撮影ポイント数
10ヶ所(解像度1/4)
撮影日数
約半日
撮影時に考慮すべき点
反射する鏡面ロール等はほとんど撮影できていなかった⇒ビニール巻きの対策をし
てもらうもダメ
屋内の蛍光灯が明るすぎて撮影に影響した
マシン休転中の撮影であるがメンテナンス作業等で運転員、業者との同時作業の
為、待ち時間が発生
12
事例3での点群処理ワークフロー
点群処理ソフト
SCENEにて合成
点群処理ソフト
Infipointsにて
ノイズ処理
重複・浮遊物点群除去
Infipointsにて
点群のレイヤ分け
客先から新設機器
の2次元図面を頂き
3次元モデルを作成
Infipointsにて
点群データと3Dモデル
を合成(動的干渉)
点群処理ソフト
Infipointsにて
軽量化処理
点群の間引き・均一化
Infipointsから
ビュワーに吐出
(32bit)
客先
納品
⇑
10ショットくらいの軽い
データであれば32BIT
で納入可能(1G程度)
13
事例4(検査)
項目
内容
撮影プラント
S社E工場 屋外機器
目的
タワーの経年変化の経過観察
撮影機器
内径約3m x 高さ約40m
撮影ポイント数
内側3カ所、外側5ヶ所(解像度1/2)
撮影日数
約1日x4回/年
撮影時に考慮すべき点
外面の鏡面部分は反射の為、ほとんど撮影できていなかった為、2回目以降は
ラバープスレイで対策を実施 ⇒ 良好
内側は年1回の定期修理時にのみ可能であるが、メンテナンス作業等で運転員、
業者との同時作業の為、待ち時間が発生
対象のタワーには階段がなく、背面タラップのみなので、レーザーを工具箱に入れ
ての運搬が必要であった。 ⇒ 予想以上に大変だった
内外面ともに、足場を撮影に考慮して施工してもらう必要がある
14
事例4での点群処理ワークフロー
内側解析の場合(十分な健全部分が撮影できている)
点群処理ソフト
JRC 3D Reconstructor
に読み込み後不要
部分削除
JRC 3D Reconstructor
にて健全部分から
円柱形状を抽出
JRC 3D Reconstructor
にて抽出された円柱と
点群の差分をコンター
図に表示
客先
納品
⇑
内側は健全部から図面
寸法とほぼ同等の円柱
形状を抽出できた
外側解析の場合(十分な健全部分が撮影できていない)
点群処理ソフト
JRC 3D Reconstructor
に読み込み後不要
部分削除
JRC 3D Reconstructor
にて前回撮影データ
と合成
JRC 3D Reconstructor
にて前回撮影データと
の差分をコンター図
に表示
客先
納品
⇑
内側は特徴点が無く合成
できないが、外側は特徴
点が多く合成できた
15
計測に限らず3次元が普及しない理由(課題)
地域的な理由
配管改造計画の段階では、正確な寸法はあまり必要がない(見積が出来ればよい)
受注した配管業者が計画図を基に、足場を敷設後、正確なスケッチ及び製作図を作成
常に現場はすぐ近くにある為、現場に行けば解決する
PC等環境の問題
設計者、保全、製造担当者のPCが32Bitの為、点群データ等を直接見られない
スケッチのように簡単に機材の持ち込みが出来ない(防爆エリア内は基本不可能)
3次元費用の理解(2次元、3次元の方法は問わない⇒3次元費用の請求ができない)
いまだ2次元が主流
ゼネコンでの大規模プラント建設の場合ほぼ100%が3次元配管CADを使用
(PDMS,PDS,EYECAD等)
納入データはNAVIS等のビュワーデータのみで3次元CADデータは手元に無い
その後の改造は、2次元図面で実施⇒結局、今までのやり方に戻る
16
3次元計測が主流になる為には?
地域的な理由
配管業者を巻き込んで3次元計測の理解を求めることが必須
ベテランの配管業者、ドラフトマンがリタイアとともに普及が進むのでは???
若手エンジニアの3次元への理解と理解者が決済権をもつ時期を待つ
PC等環境の問題
点群圧縮技術の進歩、PCの64BIT化に期待
点群圧縮ソフトGEOVERSEを試してみたところ、パフォーマンスは素晴らしいが価格等が
ネック
レーザ機器及び点群編集ソフトの低価格化(特にサポート費用が下がらないと・・・)
いまだ2次元が主流
改造案件でも3次元レーザと3次元配管CADの組み合わせを提案し理解を求める。や
り直し工事の減少につなげる
仕事のやりかたを変えるのは非常にパワーがいる⇒決裁権を持つ立場の方の理解者
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新規ソフト導入による業務拡大等
のメリットの紹介
2016年6月:JRC 3D Reconstructor For Faroを導入(GEXCEL社製)
🔳
🔳
🔳
🔳
大きな利点は、ソフトのサポート費用が非常に安価なこと
読み込み時点でノイズ除去を自動でしてくれる
写真画像を後から点群に張付け出来る機能もある(ただし別ライセンス)
レジストレーションのみでなく、下記のような様々な機能が備わっている
番号
主な機能
コマンド
①
正確なレジストレーション
LINE UP
②
土量計算が簡単に算出
Volume calculation
③
検査機能による点群比較、経年変化解析
Inspection
④
高速なカラーメシュ化
Multiresolution Mesh
18
① 正確なレジストレーション
番号
合成種類
内容
㋐
Automatic pre‐registration
自動プレ合成
㋑
Targets registration
ターゲット合成
㋒
manual pre‐registration
手動プレ合成
㋓
Cloud to cloud registration
群々合成
充分なラップがある場合は
㋐ Automatic pre‐registration
⇓
㋓ Cloud to cloud registration
でかなり正確な合成が可能
充分な特徴点等が無い場合は
㋒ manual pre‐registration
で特徴点を手動で定義も可能
また、点群の状態を視覚的に
確認できるので安心
19
② 土量計算が簡単に算出
点群データから簡単に体積計算が算出可能
実際コークスの在庫管理に利用できないかの問い合わせがあった
20
③ 検査機能による点群比較
経年変化解析
 タワー等の円筒形状の機器において撮影した点群の健全部から円筒形状を抽
出できる。抽出した円筒形状と点群との比較をコンター図でレポート提出可能
 前回に撮影した点群と今回撮影した点群の比較から容易にレポート提出が可能
健全部から円筒形状を抽出した例
事例4で紹介した内容
点群比較をした例
21
④ 高速なカラーメシュ化
 撮影したカラー点群から非常に高速にカラーメッシュが作成できる
(1ショット当たり数秒)
 点群データだと拡大すると、透過して見えてしまう。カラーメッシュ化するこ
とにより、透過しないモデル化が可能。但し、あまりデータの大きな物に
は向かない
 3Dモデル共有サイト【Sketchfab】にアップロード ⇒ 新居浜太鼓台
22
プラント以外の取り組み
分野
内容
具体的な実施内容
産業遺産
新居浜市の別子銅山の産業遺産
レーザにて3次元点群モデル作成
産業遺産
新居浜市の別子銅山の産業遺産
UAVによる周辺設備のビデオ撮影
精密機器
クランクシャフトの有限要素解析の為の
3次元モデル化(メッシュ化)
プロジェクタ+WEBカメラ+安価なソフトで
3Dモデル化実現
製紙機械
家庭紙抄紙機の据付検査
点群と3Dモデルの重ね合わせ
産業遺産
UAVに挑戦
クランクシャフトのモデル化設備と3Dモデル
23
御静聴有難うございました
有限会社高橋システム
2016年12月9日
24
Fly UP