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世界初 大腸がんの新治療手法を開発

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世界初 大腸がんの新治療手法を開発
[PRESS
RELEASE]
平成 27 年9月 10 日
世界初 大腸がんの新治療手法を開発
~大腸がん超高度危険群におけるがんリスク低減手法の最適化に関する研究論文の掲載~
京都府立医科大学では、AMED における研究で内視鏡的ポリープ摘除手法によって家族性
大腸腺腫症(FAP)の大腸癌の発生リスクを低減させる手法を開発し、本件に関する論文が、
科学雑誌『Endoscopy』のオンラインジャーナルで本日9月 10 日(木)に掲載されました
のでお知らせします。
これまで FAP 患者の大腸癌は、大腸全摘術でしか予防ができませんでしたが、本内視鏡
的治療手法の開発によって、世界中の FAP 患者に新しい治療手法を提示することになるた
め、現在、全国規模の臨床試験を行っており、2020 年の最適化•一般化を目指しています。
【研究代表者】
京都府立医科大学 分子標的癌予防医学 大阪研究室 特任教授 石川 秀樹
国立がん研究センター がん予防•健診研究センター 予防研究部 室長 武藤倫弘
【論文名】
Endoscopic management of familial adenomatous polyposis in patients refusing
colectomy
[日本語:大腸がん超高度危険度群である家族性大腸腺腫症における内視鏡的治療によ
る大腸切除術回避の研究]
【著者】
石川秀樹 1,武藤倫弘 2,岩間毅夫 3,鈴木貞夫 4,阿部孝 5,竹内洋司 6,中村富予 7,江副康正 8,
藤井元 2, 若林 敬二 9,中島健 10,酒井敏行 1
【責任著者】
京都府立医科大学 分子標的癌予防医学 大阪研究室
国立がん研究センター がん予防•健診研究センター
特任教授 石川 秀樹
予防研究部 室長 武藤倫弘
【掲出雑誌】
科学雑誌 Endoscopy, publication date of September 10th,2015.
【研究概要】
家族性大腸腺腫症(FAP)は 20 歳頃から大腸癌が発生し、40 歳までに半数、60 歳頃ま
でに 90%が大腸癌に罹患する、大腸癌を発症するリスクのきわめて高い常染色体優性遺伝
性疾患であり、罹患に人種差、地域差はなく、全世界では十万人以上、日本では 7,000 人
程度の患者がいると推定されています。
本疾患において大腸癌を予防するためには、これまでは大腸全摘術しかありませんでし
たが、内視鏡技術の進歩によって安全に多数のポリープを摘除できるようになり、筆頭著
者の石川が、大腸全摘出手術を拒否した FAP 患者に対して、10 年以上前から内視鏡的にで
きるだけ多数のポリープを摘除しながら経過をみてきたところ、手術拒否例 90 人について、
平均 5.4 年間の継続治療において、これまでに大腸癌の発生が認められず、また重篤な有
害事象も認めないという結果が得られました。
このような結果は、世界で例がなく、今回、当該手法による治療の有効性がほぼ確実に
なりましたので、研究成果を論文として掲載することとなりました。
現在、手法の最適化•一般化を目指し、AMED の研究として、多施設において手術拒否 FAP
患者に対する内視鏡的大腸ポリープ徹底的摘除試験(J-FAPP StudyIII)を実施していると
ころであり、参加者(2014 年 9 月に 220 人のエントリー終了)への内視鏡治療による介入
試験実施中です。
今後、2020 年頃には、本試験結果が公表予定であり、これにより FAP の大腸癌における
内視鏡治療による新治療手法が、家族性大腸腺腫症治療指針のガイドラインなどへ大きく
影響を与えることが予想されます。
また、本治療は、極めて多数のポリープを1回で摘除するため高度の内視鏡治療技術を
要するリスクのある治療手法であるため、現在臨床試験に参加している本治療手法に対応
可能な医師に相談する必要があります。
現時点では、当該医師が日本にしかいないため、今後、世界中の FAP 患者が、日本での
治療を希望され、「医療ツーリズム」対象疾患に発展していく可能性もあります。
【掲載先】Endoscopy, publication date of September 10th,2015.
DOI: 10.1055/s-0034-1392774
https://www.thieme-connect.de/products/ejournals/abstract/10.1055/s-0034-1392774
※電子上でフルテキストの閲覧を行うには Endoscopy の会員登録(無料)が必要です。
(著者所属)
1 京都府立医科大学分子標的癌予防医学, 2 国立がん研究センターがん予防•健診研究センター, 3 埼玉医科大学総合医
療センター消化管外科・ 一般外科, 4 名古屋市立大学大学院医学研究科公衆衛生学分野, 5 宝塚市立病院消化器内科, 6
大阪府立成人病センター消化器内科, 7 龍谷大学農学部食品栄養学科, 8 京都大学医学研究科消化器内科, 9 静岡県立大
学食品栄養環境科, 10 国立がん研究センター内視鏡センター
【お問い合わせ】
〒541-0042
大阪市中央区今橋 3-2-17 緒方ビル2F
京都府立医科大学
分子標的癌予防医学 大阪研究室
TEL : 06-6202-5444
E-mail:[email protected]
石川 秀樹
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