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第 16 回 上海国際映画祭 日本映画週間
第 16 回 上海国際映画祭 日本映画週間 6 月 15 日〜 23 日まで、第 16 回上海国際映画祭 正式イベントとして「2013 上海・日本映画週間」が 開催された。今年は、日中平和友好条約締結 35 周年 記念事業の一環にも位置づけられ、映画を通じた日中 友好への期待が寄せられた。 「 日 本 映 画 週 間 」とは、 ＰＯ 法 人 周年 35 回上海国際映画祭正式イベントとし そして民間友好団体の支援のもと、第 に 当 た る 今 年 も ま た、 日 中 両 国 政 府、 日中平和友好条約の締結から 会社や民間友好団体の協力を得て実施。 本映画製作者連盟をはじめ、日中の映画 局と日本の外務省、経済産業省および日 ２００６年から中国国家広播電影電視総 画・運営・実施される文化交流事業で、 日 中 友 好 映 画 祭 実 行 委 員 会 によ り 企 N 12 日にはオープニング上映会や 16 文化を広めて欲しい」と語り、上海文 館泉裕泰総領事は「映画を通じて日本 式典に出席した、在上海日本国総領事 レセプションパーティーも行われ、両 ６月 多彩なゲストが来海！ エストラ』 島、 部 活 や め る っ て よ 』 『 リ ト ル・ マ コちゃん』 『今日、 恋をはじめます』 『桐 ミズ』 『カラカラ』 『映画 ひみつのアッ 『遺体 明日への十日間』『テルマエ・ ロマエ』『おおかみこどもの雨と雪』『ヒ り。『東京家族』『天地明察』『あなたへ』 今回出品された 作品は以下の通 作品が上映された。 主要映画館にて、日本で話題となった 実現。期間中、会場となる上海市内の て「２０１３上海・日本映画週間」が 16 12 25 第 16 回上海国際映画祭日本映画週間 後日本や中国の映画に出演するメン から、今 登壇。 「映画は国と国をつなぐ架け橋。 バーも現れるだろう。 る、人気急上昇中のＳＮＨ の理解を深める共通言語。両国の映画 機会があればこれからも中国映画に関 んもクロード・ガニオン監督とともに 関係者やファンが手を取り合って、よ わって、両国の映画文化の発展に貢献 広集団薛培建副総裁は「映画とは両国 りよい関係を築いてもらいたい」と祝 していきたい」と、中国映画への出演 品された日本映画 作品のほとんどが 満席となり、「東京家族」「桐島、部活 回 やめるってよ」は前売り段階ですでに 完売という人気ぶり。 世界の話題作が集まる本祭（第 中国の方とお近付きになれたと思う」 ます』の古澤健監督は「作品を通じて、 し い 」 と あ い さ つ。 『 今 日、 恋 を 始 め れの感覚で受け止めてもらえたらうれ 止め方も変わってくると思う。それぞ 国では生死感が異なるので作品の受け いただいてとてもうれしい。日本と中 した『遺体 明日への十日間』の君塚 良 一 監 督 は、 「たくさんの人にお越し しい時代を担うみなさんにこの素晴ら て来た先輩方に敬意を払いながら、新 数々の苦難を乗り越えて、交流を続け 以前から、 映画を通じて交流があった。 みんな同じ。日本と中国は国交正常化 いう気持ちは、日本も中国も、世界中 たり笑ったり、良いものを作りたいと 巻 副 会 長 は、 「 同 じ 映 画 を 見 て、 泣 い 携わっている日中文化交流協会栗原小 得 た。 魅 力 的 な 俳 優 人、 緊 迫 し た ス ベントを実施し、両国より高い評価を 年は、長崎でも中国映画を上映するイ る。日中国交正常化 周年となった昨 国映画ファンが毎年楽しみにしてい できる貴重な機会とあって、多くの中 り、中国の話題作を日本で見ることが に「中国映画週間」の実施も行ってお 委 員 会 は、「 東 京 国 際 映 画 祭 」 期 間 中 る、 Ｎ Ｐ Ｏ 法 人 日 中 友 好 映 画 祭 実 行 日本映画週間の主催のひとつであ た。 の混乱前と変わらないことが証明され 本映画に対する関心の高さは、日中間 刀魚の味」が即日完売となるなど、日 二郎監督の代表作「東京物語」と「秋 月には中国映画週間 辞を述べた。 と 語 り、 『ひみつのアッコちゃん』の し い 宝 を 引 き 継 い で も ら い た い 」 と、 トーリーや王道のワイヤーアクショ 上海国際映画祭）においても、小津安 川村泰裕監督は「幼少の頃から中国映 挨拶。会場を訪れた多くの人々から大 にも前向きなコメントを寄せた。 画が好きだった。こうして中国のみな 上海を中心に活動するＡＫＢ４８の 文化交流に一役 ン、メッセージ性の強い社会派作品な そして、日本からゲストとして来海 12 きな拍手が送られた。 れしい」と、映画を通じた文化交流に 手応えを感じた様子。また、音楽を題 賀 俊 郎 監 督 は、 「映画祭が始まってか 姉妹グループ「ＳＮＨ 」のメンバー 材とした『リトル・マエストラ』の雑 ら中国と日本の音楽をテーマにした映 どを多く生み出す、中国映画に対する 注目が高まりつつある。今後、日本各 地で中国映画をテーマにした同様の上 映イベントが増えていくだろう。 きるか検討したい」と語った。 日本に戻って、どのような形で実現で の方に言われた。 予想外の反応だった。 画を作ってみてはどうかと、たくさん げた。日本の「アイドル文化」も、今 国語バージョンなどで、会場を盛り上 トした「ヘビーローテーション」の中 つけて歌とダンスを披露。日本でヒッ もレセプションパーティー会場に駆け 減。民間レベルでの文化交流の機会が 画村などで行われていた映画撮影が激 アーティストのコンサートや松江の映 関心が高い日本作品 『カラカラ』 で主演を務め、『ラッシュ や 大 切 な 文 化 交 流 の ツ ー ル の ひ と つ。 随分減ってしまった。しかし、今回出 昨年の日中関係の悪化以降、日本の アワー３』など、数々の中国映画に出 多彩な才能を持つメンバーで構成され 「2013 上海・日本映画週間」開催概要 【期間】 【主催】 【助成】 【後援】 【特別協力】 【企画運営】 2013 年 6 月 15 日 ～ 6 月 23 日 上海国際映画祭実行委員会／ NPO 法人日中友好映画祭実行委員会 上海電影（集団）公司 コンテンツ海外展開等促進基金 (J-LOP) ／独立行政法人 国際交流基金 外務省／経済産業省／観光庁／在上海日本国総領事館 独立行政法人日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) ／ 独立行政法人国際観光振興機構 (JNTO) ／上海日本商工倶楽部 公益財団法人ユニジャパン／日本映画監督協会／中日友好協会 公益社団法人日本中国友好協会／日本中国文化交流協会 一般財団法人日中経済協会／社団法人日中協会 株式会社ムーランプロモーション 【執筆】 上海人 shanghai-zine.com 編集長 川添道子 40 映画を通じた日中の文化交流に長年 16 48 さんに見ていただけることがとてもう 10 演した経験がある女優の工藤夕貴さ 26 48 あきらめずに 継続することが 大事 日中映画界の架け橋 耿忠さんインタビュー 2006 年にスタートした日本映画週間も今年で 8 年 目、すっかり毎年のお馴染み行事となっている。この 日本映画週間をスタートし、毎年東奔西走して開催継 続に尽力しているのが、NPO 法人日中友好映画祭実 行委員会の理事長である耿忠さんだ。 映画への熱い愛と、日中友好への思いを胸に活躍 する耿忠さんにお話をうかがった。 ―耿忠さんと日本映画との関わり はどのように始まったのでしょう か？ 私 は 子 ど も の 頃、 中 国 の 新 体 操 ナ ショナルチームにいたこともあります が、 夢 は 女 優 に な る こ と で し た。 昔、 私の故郷である南京にあこがれの女 優、 中 野 良 子 さ ん が や っ て き ま し た。 彼女とお会いできたことも女優への夢 を抱いた理由のひとつです。 日本に留学し、日本大学芸術学部演 劇学科を卒業するときにチャンスが やってきました。浅田次郎先生原作の 映画「ラブ・レター」のオーディショ ンに参加し、３００名の中から選ばれ てヒロイン役を獲得したのです。それ が私と日本の映画との関わりのはじま りとなりました。 日本に留学したとき、日本人に対す るイメージが変わり、これを中国の人 にも伝えたいと思いました。また日本 ではたくさんの方に親切にしていただ き、その感謝を表したいとも考えてい ました。そのために私に何ができるだ ろうと思ったとき、日中の映画交流の 仕事をすべきだと思ったのです。そこ で会社を作り、日中合作ドラマや映画、 それに映画祭を開催するという仕事を 始めたのです。 ― 耿 忠 さ ん に と っ て、 日 本 映 画 の 魅力は何でしょうか？ リトル・マエストラ カラカラ 今日、恋を始めます 映画 ひみつのアッコちゃん 桐島、部活やめるってよ おおかみこどもの雨と雪 監督：雑賀俊郎 脚本：坂口理子 原作：いずみ（白抜きハートマー ク）組 キャスト：有村架純、釈由美子 制作年：2012 年 監督：クロード・ガニオン 脚本：クロード・ガニオン キャスト：ガブリエル・アルカ ン、工藤夕貴、富田めぐみ 制作年：2012 年 bn 監督：古澤健 脚本：浅野妙子 原作：水波風南 キャスト：武井咲、松坂桃李 制作年：2012 年 監督：川村泰祐 脚本：山口雅俊、大森美香 原作：赤塚不二夫 キャスト：綾瀬はるか、岡田将 生 制作年：2012 年 監督：吉田大八 脚本：喜安浩平、吉田大八 原作：朝井リョウ キャスト：神木隆之介、橋本愛、 大後寿々花 制作年：2012 年 監督：細田守 脚本：細田守、奥寺佐渡子 原作：細田守 キャスト：宮崎あおい、大沢た かお 制作年：2012 年 27 第 16 回上海国際映画祭日本映画週間 たものなのだそうです。ですから中国 ての授業は、黒澤明監督の作品を用い です。たとえば、北京電影学院の初め ず日本映画から学び始める人が多いの す。こんなにも楽しみにしていただけ 販売当日でチケットが完売したんで 列 に 並 ぶ 人 も い る ほ ど の 盛 況 で し た。 間も、チケット発売日の朝３時から行 おかげさまで今回の上海日本映画週 れたのだと思います。 の映画人の日本映画に対する研究はと ているということがうれしかったです 中国の映画人は映画を学ぶとき、ま ても深く、日本映画への思いも深いん ―映画を通じた日中交流について、 ね。 日本映画では登場人物の気持ちをひ 耿忠さんの将来の夢はどのような です。 とりひとり深く彫り込んで描き出して の間が良いのだと思います。 もありますが、そうした日本映画独特 速くなくて、時には遅いと感じること 画はハリウッド映画のようにテンポが あり、魅力的に感じるのです。日本映 も続けながら、日中の文化交流に尽力、 栗原小巻さんがいます。彼女は女優業 と思っています。今回のゲストの中に 文化交流、映画交流の仕事を続けたい ん。女優として活動しながら、日中の 私は女優の夢もあきらめていませ 力なりと言いますね。 だと思っています。日本語でも継続は ものでしょうか？ ―今回の上海日本映画週間の開催 貢献されています。彼女のようになれ います。ですからその人物に立体感が に あ た っ て、 ど の よ う な 点 に 最 も たらいいですね。 開催できるのか不安なところはありま なかったので、日本映画週間を本当に 昨年９月以来日中関係があまり良く です。あきらめずに続けることが大事 回成功させることはとても難しいこと もしれませんが、２回３回と続け、毎 映画祭も１回だけなら開催は簡単か ではないと思います。毎回赤字ですし。 ネスとして考えたら、成功している例 祭に取り組んでいますが、これはビジ ンの皆様の笑顔が見たいから日中映画 私は純粋に映画が好きで、映画ファ ご苦労されましたでしょうか？ した。ですが、これまで８年間映画祭 それでも最初の頃に比べたら前進して とたくさんの人がこの映画祭の価値を を続けてきたという実績があったので 上海日本商工クラブさんにも賛助会 認めてくれて、もっと応援していただ いるし、赤字もだんだん少なくなって 員の募集を出していただいたり、たく けるようになる、私たちの歩む先には 政府からの開催許可も下り、応援して さんの企業に私たちの活動を紹介して きっとすばらしいものが待っていると います。今後も継続することで、きっ いただいたり、 とても感謝しています。 信じています。 28 いただけました。 みなさんの応援があるから今日までこ 日本映画週間上映作品 東京家族 天地明察 あなたへ テルマエ・ロマエ 遺体 明日への十日間 ヒミズ 監督：山田洋次 脚本：山田洋次、平松恵美子 音楽：久石謙 キャスト：橋爪功、吉行和子、 西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、 林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優 製作年：2013 年 監督：滝田洋二郎 脚本：加藤正人、滝田洋二郎 原作：沖方丁 音楽：久石謙 キャスト：岡田准一、宮崎あお い 制作年：2012 年 監督：降旗康男 脚本：青島武 キャスト：高倉健、田中裕子、 佐藤浩市、草薙剛、余貴美子、 綾瀬はるか、三浦貴大 制作年：2012 年 監督：武内英樹 脚本：武藤将吾 原作：ヤマザキマリ キャスト：阿部寛、上戸彩、北 村一輝、竹内力、宍戸開、笹野 高史、市村正親 制作年：2012 年 監督：君塚良一 脚本：君塚良一 原作：石井光太 キャスト：西田敏行 制作年：2012 年 監督：園子温 脚本：園子温 原作：古谷実 キャスト：染谷将太、二階堂ふ み 制作年：2011 年