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PDF 4.27MB - IATSS 公益財団法人国際交通安全学会

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PDF 4.27MB - IATSS 公益財団法人国際交通安全学会
研究組織
プロジェクトリーダー
中村 英樹
メンバー
井上 圭介
大口 敬
尾崎 晴男
鋤柄 寛
鈴木 弘司
高瀬 達夫
長谷川 孝明
浜岡 秀勝
宗広 一徳
望月 拓郎
森田 綽之
米山 喜之
オブザーバー
沢田 章夫
高宮 進
上坂 克巳
小林 寛
鈴木 一史
勝岡 雅典
塩澤 友之
渡邊 政義
高橋 尚人
武本 東
浅野 美帆
泉 典宏
神戸 信人
田中 淳
田代 義之
丹野 和之
池田 典弘
荻野 弘
荻原 光雄
伊藤 聡
山本 源治
土井 元治
野中 康弘
野間 哲也
研究協力者
中野 祥平
鳩山 紀一郎
事務局
今泉 浩子
梶田 智之
名古屋大学大学院工学研究科
国土交通省道路局企画課
東京大学生産技術研究所
東洋大学総合情報学部
飯田市建設部地域計画課
名古屋工業大学大学院工学研究科
信州大学工学部
埼玉大学大学院工学研究科
秋田大学工学資源学部
(独)土木研究所寒地土木研究所
国土交通省道路局環境安全課
日本大学総合科学研究所
㈱長大 道路事業本部
警察庁交通局交通規制課
国土交通省国土技術政策総合研究所
国土交通省国土技術政策総合研究所
国土交通省国土技術政策総合研究所
国土交通省国土技術政策総合研究所
飯田市建設部地域計画課
飯田市建設部地域計画課
(独)土木研究所寒地土木研究所
(独)土木研究所寒地土木研究所
(独)土木研究所寒地土木研究所
名古屋大学大学院工学研究科
㈱オリエンタルコンサルタンツ
㈱オリエンタルコンサルタンツ
㈱オリエンタルコンサルタンツ
㈱長大
㈱長大
㈱キクテック
㈱キクテック
㈱キクテック
㈱キクテック
㈱キクテック
㈱道路計画
㈱道路計画
㈱道路計画
名古屋大学大学院工学研究科
東京大学大学院工学研究科
(公財)国際交通安全学会
(公財)国際交通安全学会
謝
辞
本研究プロジェクトを進めるに際して、次の組織の皆様から絶大なるご協力・ご支援をいただき
ました。ここに記して謝意を表します。
-
飯田市民の皆様
-
飯田市
-
長野県警察本部交通規制課
-
長野県警察飯田警察署
-
長野県飯田建設事務所
-
国土交通省国土技術政策総合研究所
-
㈱飯田ケーブルテレビ
-
三菱電機㈱中津川製作所
-
㈱長大
-
㈱キクテック
-
㈱オリエンタルコンサルタンツ
-
㈱道路計画
目
次
1. 研究の背景と目的 ........................................................................................ 1
2. 吾妻町RBTの本格改良に向けた各種検討 ........................................................ 1
2.1. 吾妻町ラウンドアバウトの概要 ................................................................................. 1
2.2. 2010年社会実験前後の構造 ....................................................................................... 2
2.3. 2011年社会実験における改良点 ................................................................................. 2
3. 横断歩行者感知式発光鋲システム社会実験と各種調査 ...................................... 5
3.1. 発光鋲システムの概要.............................................................................................. 5
3.2. 発光鋲システム設置・設定の経緯 .............................................................................. 7
3.3. 社会実験の準備と実施.............................................................................................. 8
3.4. 構造改良ならびに発光鋲システム効果検証のための各種調査 ...................................... 14
4. 車両挙動および運転者の安全確認動作分析 ................................................... 22
4.1. 分析項目 .............................................................................................................. 22
4.2. 車両挙動データ取得方法 ........................................................................................ 22
4.3. 構造改良の影響に関する分析 .................................................................................. 23
4.4. 発光鋲システム設置による車両、歩行者の交錯状況に関する分析 ................................ 29
4.5. 発光鋲設置前後の車両挙動と運転者の安全確認動作分析............................................. 32
4.6. 車両挙動および運転者の安全確認動作分析結果のまとめ............................................. 39
5. 社会実験に対するアンケート調査分析 .......................................................... 40
5.1. アンケートの基本集計結果 ..................................................................................... 40
5.2. 社会実験に対する印象評価 ..................................................................................... 42
5.3. 発光鋲システムに関する評価 .................................................................................. 44
5.4. 構造改良ならびに発光鋲システムに対する意識調査結果のまとめ ................................ 48
6. おわりに .................................................................................................. 49
付録 ............................................................................................................. 50
付録A 発光鋲および歩行者感知センサー設置位置 ........................................................... 50
付録B ビデオ調査方法と調査当日の交通量 .................................................................... 53
付録C 走行調査 ......................................................................................................... 66
付録D アンケート調査 ................................................................................................ 67
1. 研究の背景と目的
信号 交 差 点、 無 信 号交 差点 を 問 わず 、 平 面交 差部 に お いて は 出 会い 頭や 右 折 対直 進 な どの 交
通事 故 が 後を 絶 たな い 。ま た 、 従来 日 本の 無 信号 交 差 点に お ける 安 全対 策 は 、主 と して 信 号機
の設 置 が 主要 な 施策 で あっ た が 、た と え信 号 機を 設 置 して も 信号 切 り替 わ り 時や 信 号無 視 の事
故が 生 じ 、根 本 的な 対 策と な ら ない 場 合が 多 いだ け で なく 、 交通 量 の少 な い 平面 交 差部 に おい
て信 号 機 を設 置 する こ とは 、 大 幅な 遅 れや 環 境負 荷 を もた ら して い る。 こ の よう な 問題 点 に対
し て 、 欧 米 諸 国 で は 近 年 ラ ウ ン ド ア バ ウ ト ( 以 下 、 RBT) を 積 極 的に 導 入 し 、 安 全 で 損 失 が少
なく 、 か つコ ス トの か から な い 平面 交 差部 を 実現 し て いる 。 また 、 昨年 の 東 日本 大 震災 の 際に
は、 停 電 や損 壊 によ り 多く の 信 号機 が 機能 せ ず、 交 通 運用 上 、大 き な混 乱 を 招い た が、 こ のよ
う に 電 力 が な い 場 所 で も 自 律 的 に 機 能 す る RBTへ の 関 心 も 高 ま り つつ あ る 。 し か し な が ら 、 日
本 で は RBTの 特 徴 や 性能 に 関 す る 認 知 度 が 低 い こ と や 説 得 力 の あ る 日 本 で の 実 デ ー タ の 蓄 積不
足から、実 用化への ハ ードルは依 然高いと い える。
そ こ で 本 研 究 で は 、 日 本 で の RBTの 本 格 的 実用 展 開 に 向 け て 、 認 知 促 進 の た め の 活 動 を 行 う
と と も に 、 行 政 機 関 と 連 携 し て 実 用 実 験 を 行 う こ と を 目 指 す 。 そ し て 、 こ れ よ り RBT導 入に伴
う様 々 な 実デ ー タを 収 集す る こ とで 、 上記 の よう な 障 害を 一 つず つ 克服 し 、 本格 導 入の た めの
環境を整え ることを 目 的とする。
本 年 度 は 、 東日本大震災被災地での視察を通じてRBT適用箇所の検討を行うとともに、北海道稚内
市におけるRBT導入社会実験の検討を行うなど、RBT普及に向けた活動を積極的に実施した。さらに、
長野県飯田市吾妻町交差点において、過年度実施した社 会 実 験 の 成 果 を 踏 ま え 、行 政 機 関 や 警 察 等
の関係機関とともに同交差点の本格改良に向けた各種検討を行うことで、実データの蓄積不
足を解消するための継続的な活動を実施した。そのうえで、同交差点に対して横断歩行者感
知 式 発 光 鋲 シ ス テ ム を 設 置 す る 社 会 実 験 を 実 施 し 、RBTに お け る 横 断 歩 行 者 安 全 対 策 と し て 簡
易 な ITS技 術 の 適 用 可 能 性 に つ い て も 併 せ て 検 討 し た 。本 稿 で は 、同 交 差 点 の 本 格 改 良 に 対 す
る各種検討とその効果、さらには横断歩行者感知式発光鋲システム社会実験の結果について
示す。
2. 吾妻町RBTの本格改良に向けた各種検討
本章では、吾妻町交差点で実施した社会実験に先立ち、整備を進めた対象交差点の構造改良について、
従来の構造上の問題点と改良点を述べる。
2.1. 吾妻町ラウンドアバウトの概要
本研究の対象である通称「吾妻町ロータリー」は、飯田市の中心市街地の北東部に位置し、長野県道
15号線と市道の交わる5枝交差点である。交通量が最も多いのは朝のピーク時間帯であり、最も交通需要
の多い流入部では、最大で約300台/時の利用がある。大型車交通量は極めて少なく、歩行者交通量も多く
1
ない。2010年社会実験前の交差点幾何構造を図-2.1に示す。ここで、各流出入部をそれぞれN(北)、E(東)、
S(南)、SW(南西)、W(西)とした。2010年社会実験前の吾妻町交差点は、以下の幾何構造上の特徴を有し
ていた。すなわち、
N
①5つの流入路の中心線が1点で交わらず、円の中央が
南北軸から外れている、
②環道直径が北側約40m、南側約50mと大きく、正円
でない楕円形となっている、
③北流入部(片側2車線)から南流出部(片側2車線)に車
両が直進可能な線形となっており、通過速度が高い、
E
W
④環道部の幅員が一様でなく、広大である(特に南~
写真
西部分)ため、ODによる車両の走行軌跡がまちまちで
あり、危険な交錯が頻繁に生じている、等である。
2.2. 2010年社会実験前後の構造
前節のような状況を改善すべく、2010年社会実験の
際には、それらの対策として、路面標示、ポストコー
ン、横断歩行者注意喚起シートの貼付、境界ブロック
の設置(写真-2.1)
、単管バリケードの仮設(写真-2.2)
S
SW
図-2.1 2010 年社会実験前「吾妻町ロータリー」
などの各種交通安全施設の施工、交差点構造の改良が
N
なされた。2010年社会実験事後の交差点構造を図-2.2
写真
に示す。図-2.2に示す2010年社会実験前と比較した構
造の特徴は以下の通りである。
E
・全流出入部を1車線運用
・環道を円形にし、幅員を統一、ゼブラによるエプロ
ンを設置
W
・流出入部を交差点中心に向けること
写真
・SW、W流出入部に導流ゼブラ設置
・構造物を設置(ポストコーンとブロックを使用)
・横断歩道の位置は変更なし
2.3. 2011年社会実験における改良点
本年度の社会実験に先立ち、前年度H2292プ ロ ジ
SW
S
ェクト社会実験による安全性などに関する実証
結果を反映 し、ラ ウンド アバウトと して交差 点 改
図-2.2 2010 年社会実験事後 構造
良を行うた めの警察 協 議を実施し た。
具体的には 前年度に 施 工した隅角 部や中央 帯 部における ポストコ ー ン、歩車 道境界ブ ロッ ク、
バリ ケ ー ドな ど の仮 設 設置 に 対 して 、 構造 物 化す る 等 の対 応 であ る 。ま た 前 年度 の 社会 実 験で
得た工学的 知見をも と に次のよう な事項に も 留意して設 計を行っ た 。
2
写真-2.1 S流出部付近の境界ブロック
写真-2.2 N流入部付近の単管バリケード
①環 道出 口 と横 断歩 道 の間 の距 離 が長 いと 流 出車 両速 度 が高 くな る 点と、車両1台が 歩行 者 横断
待ち 滞留 で きる 空間 の 確保 を考 慮 して 、横 断 歩道 を環 道 出口 より5m程度 の位 置 に移 設す る 。
②横 断者 の 負担 軽減 の ため 、横 断 歩道 距離 を 短く する ( N、 S) 。
③横断者の環道内誤進入を防ぎ、安全性を向上させるために中央帯部にガードパイプを設置す
る( N、 S) 。
④視 距確 保 のた め植 栽 を移 植す る 。
図-2.3
2011年度社会実験に先立ち実施した構造改良図面
3
上 記 の 設 計 方 針 を 具 体 的 に ま と め た も の を 図 -2.3、 図 -2.4に 示 す 。 な お 、 ① に 伴 い 、 N流入部
停止線を移動(停止線/横断歩道間距離を5m/2m)することやE流出入部に導流ゼブラを設置する改良がなさ
れた。主な流出入部の構造改良の様子を図-2.5に示す。
図-2.4 2011年度社会実験に先立ち実施した構造改良の様子
①南部流出部
②東部流出入部
③北部流入部
④北部流出部
図-2.5 主な構造改良の様子
4
3. 横断歩行者感知式発光鋲システム社会実験と各種調査
本章では、横断歩行者感知式発光鋲システム(以下、発光鋲システム)の概要ならびに社会実験に対
する発光鋲システムの導入経緯、また、前章で示した構造改良や発光鋲システム設置の影響評価のため
のデータ取得方法や分析項目について、各種調査の概要を述べる。
3.1. 発光鋲システムの概要
横断歩行者 感知式発 光 鋲社会実験 として 、簡 易な ITSによ る横断 歩行 者安全対策 効果の実 証 実
験を実施し た。社会実 験は長野県 飯田市 、(公 財)国際 交通安全 学会(以下、IATSS)の2者 が協 働で
実施し、国 土交通省 国 土技術政策 総合研究 所 ITS研究室(以下 、国総 研)も参画 している 。
導入した発 光鋲シス テ ム(㈱キク テック) の 概要を図 -3.1に示す。
(a)システ ム全体イ メージ
(b)歩行者感 知センサ ー
(c)歩 行者感知 センサ ー 拡大図
図-3.1
(d)発光鋲
横断 歩行者感 知式発光鋲 システム の 概要
本システム は横断歩 道 両端付近に 設置され た 歩行者感知 センサー と 発光鋲(黄 色 LED)か ら
構成されて おり、電 源 は太陽電池 モジュー ル (三菱電機 ㈱中津川 製 作所)によ り供給さ れ るも
のである。 横断者が 横 断歩道手前 側の歩行 者 感知センサ ー間を通 過 すると車両 接近側の 道 路に
埋設された 発光鋲が 点 灯し、その 後、横断 者 が横断完了 し、奥側 の 歩行者感知 センサー 間 を通
過すると発 光鋲が消 灯 する仕組み となって い る。また、 昼夜問わ ず 、横断者が 存在する と きの
5
みに作動す るシステ ム であり、複 数の横断 者 が連続して 横断する 際 には、後続 の横断者 が 渡り
終えるまで 発光鋲が 点 滅する設定 となって い る。本シ ステムを 図-3.2、図-3.3、図 -3.4のよ うに
吾妻町交差 点の北部 ( N)2箇所、南西 部(SW)の横断歩 道に設置 し、実験を 行ってい る 。
図-3.2
発光 鋲設置位 置と発光鋲 のイメー ジ
南西流
出入部
北流入部
車両
車両
●:
センサー
●:センサー
北流出部
●:センサー
車両
178mm
車両
134mm
図-3.3
横断 歩行者感 知式発光鋲 システム の 配置と発光 鋲の図面
6
横断歩行者感知
センサー
図-3.4
横断 歩行者感 知式発光鋲 システム の 設置イメー ジ
社会実験で は、本シ ス テムによる 安全性向 上 効果につい て、主に 接 近車両の速 度など挙 動 変
化、横断歩 行者の安 全 確認挙動変 化、シス テ ムそのもの の性能、 発 光鋲の各種 設定によ る 視認
性の観点か ら検証を 行 う。
3.2. 発光鋲システム設置・設定の経緯
発光鋲システム社会実験は、2011年11月7日から2012年1月12日までの67日間で実 施さ れた 。実験 実
施に先立ち、発光鋲の照度、点滅間隔に関する設定条件、設置個数および設置箇所が関係機関との協議
により検討された。以下に、その経緯について、簡単にまとめる。
① 2011年8月初旬 警察庁交通規制課からの意見
・発光鋲の色について、緑色は使用しないこと。また、明るさについて、昼夜間の点灯状態を地元警察
の確認を受けること(※幻惑するおそれがない照度にし、横断歩道の機能に影響を及ぼさない)
。
・十分な広報を行い、長野県警察とよく調整すること。
②
同年8月23日 現地での発光鋲に関する確認(長野県警察飯田警察署(以下、飯田署)
、飯田市、IATSS)
・点灯間隔をかえて関係者立ち会いでの目視で検証した結果、75回/分が妥当であるという判断に至る。
・照度を変え、目視で検証した結果、照度10段階の内、昼間10(最大)、夜間1(最小)が適当となった。
・その他の意見
-北部は流入/流出部を分けて感知器をつけるべき。
-発光鋲が設置している箇所を利用者に看板で提示するべき。
-発光鋲は指向性が高いため、北流出部発光鋲の角度を傾け、環道走行車両に見やすく設置するべき。
③
同年10月26日 現地での発光鋲設置角度の確認(飯田市、㈱キクテック、IATSS)
・北流出部の発光鋲設置角度の検証
-できるだけ流出車両に発光鋲がみやすくなるように検討したが、機器の構造上、設置角度には限界
があったため、最も角度を振った状態で設置(18度)することとした。
④
同年11月7日 現地での発光鋲の点灯状況確認(飯田市、国総研、IATSS)
・南西部センサーの位置が横断歩道端に近すぎるため、センサー通過後から発光鋲点灯までの時間が短
7
く、ドライバーへの適切な注意喚起が難しいため、もう少しセンサーの位置を歩道端から離すべきと判
断された。
-実験開始時までに変更(植え込み部で50cm程度後退)
⑤
同年11月8日
現地で発光鋲点灯間隔変更に関する確認(国総研、IATSS)
・発光鋲の点灯間隔の違いを検証するため、改めて発光鋲点灯間隔の確認を行った。
・点灯間隔を80回/分から10回/分毎早めていき、150回/秒まで検証し、関係機関との協議に備えた。
⑥ 同年11月17日 現地で発光鋲点灯間隔・発光鋲個数変更に関する協議(飯田署、飯田市、IATSS)
・発光鋲個数を北流入部3個から2個、北流出部3個から4個へ変更する案を協議、原案が承認される。
・点灯間隔を75回/分から150回/分まで(75、90、100、120、125、150回/分)検証した結果、100-120回/
分が妥当であるという判断に至る。実験期間後半では120回/分を採用することとなった。
⑦
同年11月28日 北部発光鋲個数変更工事。
⑧
同年11月30日 朝6時より発光鋲点灯間隔を120回/分に変更。
以上の経緯により決められた実験期間中の発光鋲の点滅間隔、設置個数の設定状況を表-3.1に、各流出
入部のセンサー設置位置を付録Aに示す。
表-3.1
設定
点
滅
間
隔
発光 鋲設定状 況
設置箇所
期間
75回/min
2011/11/7(月)~2011/11/29(火)
N,SW流出入部
120回/min
2011/11/30(水)~2011/1/12(木)
N流出入部
発
光
鋲
設
置
個
数
3個
2011/11/7(月)~2011/11/27(日)
SW流出入部
2個
N流入部
4個
N流出部
3個
SW流出入部
2011/11/29(火)~2012/1/12(木)
3.3. 社会実験の準備と実施
社会実験の準備に際しては、上記の発光鋲設定の協議も含め、飯田警察署、長野県飯田建設事務所等
との度重なる協議・調整を行った。
社会 実 験 に関 す る主 な 協議 等 の 流れ と して 、 ①関 係 地 域へ の 説明 ( 6月中 旬 )、 ② 交 差点 改良
協議(8月 下旬~)、③関 係地域役員 との意見 交 換(2地区 合同)
(9月中 旬)、④記 者会見(9/21)、
⑤社 会 実 験に つ いて 関 係地 域 へ の説 明 (9月 下 旬)、 ⑥交 差 点改 良 工 事 、⑦ 社 会 実験 に つい て の
周知 ( 広 報等 )(10月 中 旬)、 ⑧発 光 鋲位 置 ・ 角 度の 協 議 およ び シス テ ム設 置 工 事、 ⑨ 社会 実 験
(11/7~1/12、67日 間)、⑩社会実 験期間中 の 発光鋲シス テムに関 す る評価(12月初旬)、⑪ 成果
8
のと りま と め・ 住民 へ の成 果報 告 発表 (3月 下旬 )で あ った 。
なお、本年度の社会実験の際、発光鋲システムの電源確保のための太陽光パネルの設置(写
真 -3.1) に 協 力 頂 い た 地 域 団 体 は 、 三 菱 電 機 ㈱ 中 津 川 製 作 所 で あ っ た 。 また、交通流観測調査に
際しては、㈱飯田ケーブルテレビにご協力をいただいた。
社会実験に先立ち実施した⑥交差点改良については、構造物施工を10月初旬から着手し、10月25日に
はすべての作業が完了した(図-3.5)。その後、⑧発光鋲位置・角度の協議およびシステム設置工事(図
-3.6)が11月1日から3日にかけて行われた(図-3.7)。
今回、発光鋲の設置に関しては、飯田市により、社会実験後の機材撤去への配慮から、道路に直接埋
設せず、側溝蓋(グレーチング)に組み込む工法が提案されている。社会実験の実施に際しては、図-3.8
に示す実証社会実験の主旨、期間、実施体制、概要を交差点利用者に周知する看板を設置し、さらに図-3.9
に示すドライバー向けの実証実験実施の案内看板をN流出入部、SW流出入部の計4か所に設置し、利用者
への周知を徹底した。社会実験は11月7日実験開始後に特に大きな混乱もなく、2012年1月12日には社会
実験を無事終了した(図-3.10)。
なお、社会実験実施前後の期間中には、社会実験の様子が新聞、テレビなど各種のマスメディアによ
って多数取り上げられ報道された。これらの一覧を表-3.2に示す。
写真-3.1 太陽光パネル設置の様子
9
図-3.5 道路構造物改良時写真(撮影:飯田市)
10
②発光鋲設置位置の検討(2)
①発光鋲設置位置の検討(1)
③発光鋲設置角度
④発光鋲設置位置の外観
図-3.6 発光鋲位置・角度の協議の様子
②北部流出
①南西部流入
③北部流入
④センサー部注意喚起例
図-3.7 発光鋲施工完了時写真(撮影:㈱キクテック)
11
①横断歩行者注意喚起システム実証社会実験 看板
②実証社会実験 看板外観
③実証社会実験 看板設置
図-3.8 社会実験看板と看板設置の様子
①実証実験PR用看板
②実証実験PR用看板設置例(SW流出)
③実証実験PR用看板設置例(N流出)
図-3.9 社会実験実施案内看板と看板設置例
12
①実証実験終了の周知看板設置
②実証実験終了の周知看板
図-3.10 社会実験終了周知の看板
表-3.2 各種マスメディアによる社会実験に関する報道一覧
メディア
新聞
テレビ
配信日
H23.9/22(木)
9/23(金)
9/28(水)
11/9(水)
11/9(水)
11/11(金)
12/4(日)
12/4(日)
12/7(水)
H24.1/8(日)
2/16(木)
2/17(金)
3/1(木)
3/1(木)
3/1(木)
3/1(木)
3/1(木)
3/1(木)
3/7(水)
3/21(水)
3/22(木)
3/22(木)
3/22(木)
社名
信濃毎日新聞
信州日報
中日新聞(南信版)
信濃毎日新聞
南信州新聞
信州日報
信州日報
南信州新聞
信濃毎日新聞
信州日報
信濃毎日新聞
信州日報
信州日報
中日新聞
信州毎日新聞
朝日新聞(中南信版)
南信州新聞
日本経済新聞
読売新聞
信濃毎日新聞
信州日報
南信州新聞
南信州新聞
H24.1/10(火)
中京テレビ
1/18(水)
TBS
タイトル
市・本年度も社会実験
発光鋲配置など安全性向上
円形状交差点を実験
横断歩道の安全探る
横断歩道に発光鋲設置
横断歩行者の安全性確かめ
発光鋲の視認性に感心
桜並木整備へ検討開始
歩行者守るライト効果確認
ラウンドアバウト高評価
信号機外し円形交差点へ
東和町交差点をロータリーに
ラウンドアバウト式に
既存交差点を「円形」に
信号外し円形交差点「全国初」導入
飯田市、来春に本格導入
東和町交差点ラウンドアバウト型導入
環状交差点、信号なくす
飯田市が円形交差点整備へ
飯田の円形交差点シバザクラを植栽
環道の速度制御など確認
自動車75%、歩行者70%
円形交差点に彩り
「NEWS Every」死亡事故が減る交差点!?「ラウ
ンドアバウト」
「みのもんたの朝ズバッ!」
ラウンドアバウトや信号機についての特集
13
3.4. 構造改良ならびに発光鋲システム効果検証のための各種調査
(1) 調査の概要
構造改良ならびに発光鋲システム社会実験の効果検証のため、事前1回、事後2回の観測調査および走
行調査を実施し、挙動データの収集を行っている。また、本システムに対する住民意識等を把握するた
めのアンケート調査を実施している。各調査の概要を以下にまとめる。実験スケジュールと各種調査の
関係を図-3.11にまとめる。
11月
2011年10月
11/7(月)
実験実施
発光鋲
配置・
設定*
(a)観測
(b)走行
67日間
11/7
初期
変更
12月
2012年1月
1/12(木)
11/28
11/28
事前 事後①
10/27-28 11/8
11/29-30
10/27-28 11/8
11/29-30
調査
11/30
(c)アイ
マークR
事後②
11/30-12/1
(d)アン
ケート
*発光鋲配置・設定
初期:北部,南西部ともに,流入・流出:3個ずつ
変更:北部流入2個,流出4個に変更.
南西部変更なし
11/28発光鋲配置換え工事,11/30朝.点滅速度変更
図-3.11 社会実験スケジュールと各種調査
(i)事前(10/27-28)
・目的:発光鋲システム導入前の状況把握し、昨年度結果との比較を行い、構造改良の影響を評価する。
・調査内容:(a)外部観測/(b)走行調査
(ii)事後①(11/8)
・目的:発光鋲システム設置直後の状況把握
・調査内容:(a)外部観測/(b)走行調査
(iii)事後②(11/29-12/1)
・目的1:発光鋲システム導入3週間後の状況把握(11/29)ならびに発光鋲点滅回数・設置個数の影響把
握(11/30)
・調査内容:
-(a)外部観測/(b)走行調査(15時以降・南西部のみ)(11/29)
14
-(a)外部観測/(b)走行調査/(c)アイマークレコーダ調査(終日・北部、南西部とも)(11/30)
・目的2:構造改良および社会実験に対する利用者・住民意識の把握
・調査内容:
-交差点での配布によるアンケート(歩行者/自動車)(12/1)
-交差点周辺住民に対するポスティング(11/30)
(2) 各種調査の詳細
(a)外部からの交通流観測(以下、外部観測)
社会実験前後による車両の速度、横断者が横断待機している際の車両の停止率などの車両挙動の変化
や横断者と車両のコンフリクトの変化を分析するために、社会実験対象交差点において交差点外部から
の交通流観測調査を行った。調査の概要を表-3.3に示す。調査は事前1回、事後にも2回実施した。事後①
は社会実験開始後1週目に行い、社会実験開始直後のデータを取得した。さらに3週間後に事後②を行い、
両者の比較を行うことで、ドライバーの慣れについて検証する。
表-3.3 交通流観測調査概要
日付
事前
事後①
事後②
10月27日(木)~28日(金)
11月8日(火)
11月30日(水)
観測時間帯
27日 6:30~19:00
28日 6:30~12:00
6:30~19:00
6:30~19:00
観測は、(a)ビデオカメラ、(b)ビューポールカメラの合計17台のカメラによる撮影によって行った。ビ
ューポールとは、㈱道路計画によって開発された製品であり、電柱などに設置しビデオカメラを高所に
揚げることで高所からの撮影を可能とするシステムである。ビデオ調査の詳細ならびに調査当日の交通
状況については、付録Bに示す。
また、社会実験における管理の目的で、すなわち社会実験中に事故等、危険事象が生じた場合にその
原因を事後分析するために、前年度同様に、㈱飯田ケーブルテレビによって、ウェブカメラが設置され
た。社会実験以降、このウェブカメラの映像(写真-3.2)は常時、インターネット上でリアルタイム配信さ
れており、ライブ映像を視ることができる。
写真-3.2 ウェブカメラ映像(㈱飯田ケーブルテレビ)
15
(b)走行調査
当 該 RBTに お い て 普 通自 動 車 ( カ ロ ー ラ フ ィ ー ル ダ ー ) を 実 際 に 走 行 さ せ 、 車 内 に 設 置 し た
ビデオカメ ラ(ContourGPS)2台とドライブレ コーダー(SRcomm)に よって車両 挙動、周辺 の
交通 状 況 およ び 安全 確 認等 の 運 転者 挙 動デ ー タを 取 得 して い る。 走 行調 査 は 、社 会 実験 前 (以
降、実験A)、社会実 験 中1回目( 以降、実験B)、社会実 験中2回目(以 降、実験C)の合計3回 行
って いる 。 走行 調 査の 日程 を表 -3.4に示 す 。 また 、実 験 車両 を 図-3.12に 、ド ラ イブ レコ ー ダー
の 概 要 と 取 得 デ ー タ を図 -3.13に 、 ビ デ オ カ メ ラ 設 置 状 況 を 図 -3.14に 示 す 。 実 験A、 実 験Bの被
験者には 成人男 性4名 ( 被験者1、2、3、4)、実 験Cには、 そのう ちの2名(被験 者3、 4)を 起 用
している。 実験車両 に は被験者1名 、記録 員2名が乗車す る。
表-3.4
調
査
日
時
走行 調査日程
社会実験前(以降,実験A)
2011/10/27 12:30~19:00
2011/10/28 7:00~11:30
社会実験中1回目(以降,実験B)
2011/11/8 7:00~19:00
社会実験中2回目(以降,実験C)
2011/11/29 15:30~17:30
2011/11/30 7:00~9:00,15:30~17:30
ビデオカメラ設置位置
実験車両目印
図-3.12
実験 車両
16
取得データ一覧
経度
緯度
日時
速度(km/h)
確認動作タイミング
リンク開始・終了タイミング
図 -3.13
GPSアンテナ
ド ライ ブレ コ ーダ ーの 取 得デ ータ と イメ ージ
運転者挙動観測用
外部状況観測用
図 -3.14
ビ デオ カメ ラ 設置 状況
吾妻 町RBTは5流 出入 路で 構成 さ れて いる 。その ため 、走行 ルー ト は、5流 入 路×4流 出 路であ
り、 合計20通り ある 。 その うち 半 分ず つを タ イプ A、タ イプBに分 割し 走行 す る。
実験 Aでは 、スタ ート 地点 をホ テ ル吉 村の 駐 車場 とし、Wか ら流 入 した 後、直 ちに Nに流 出す
る 。 そ の 後 、 東 新 町 錦 町 交 差 点 を 転 回 し 、 Nか ら RBTへ 流 入 し 走 行 調 査 を 開 始 す る ( 図 -3.15青
矢印)。被 験者1、被 験者2はタ イプ Aを3回 、タ イプBを2回 走行 し、被験 者 3、被 験者 4はタ イプ A
を2回 、タ イプBを3回 走行 する 。
実験Bでは 、社会 実験 実施 期間 中 のた め、実 験 Aと は異 なり 発光 鋲 が N、SWに 設置 され て いる
が、被験者には発光鋲が設置されていることを事前に通知せず、予備知識がない状態で走行調
査 を 行 っ て い る 。 ス タ ー ト 地 点 は 実 験 Aと 同 位 置 だ が 、 実 験 開 始 前 に 発 光 鋲 の 存 在 を 認 知 さ せ
ない ため 、RBTの Wか ら流 入せ ず 、RBTから 西へ1つ目 の交 差点 ま で走 行す る 。そ して 、交差点
を 右 折 し RBTの Nへ 向 か い 走 行 調 査 を 開 始 す る ( 図 -3.15赤 矢 印 )。 こ の 動 作 を 各 被 験 者 の 走 行 1
回 目 の み 行 い 、 そ の 後 は 実 験 Aと 同 様 に 走 行 調 査 を 開 始 す る 。 走 行 ル ー ト 、 走 行 回 数 に つ い て
は実 験 Aと 同じ であ る 。こ こで 実 験 Aと 実験 Bの走 行ル ート を図 -3.16に示 す。
17
N
スタート地点
実験A,C走行調査開始前までの経路
実験B走行調査開始前までの経路
図-3.15
走行 調査開始 前までの経 路
図-3.16
実験 A、 実験 B 走行ルート
実験Cでは、発 光鋲の 発 光開始・終了タイ ミン グ、点滅間 隔、設 置個 数、発光照 度を変 更し て
いる。走 行実験開 始ま での経路は 実験Aと同 様である 。走行ル ート は、発光 鋲が設置 され たNま
た は SWど ち ら かを 少 なく と も 通 行 す る もの とす る 。 こ れ は 、 発光 鋲の 設 定 変 更 に よ る横 断者 、
運転者へ与 える影響 を 評価するた めである。走行ルート は図-3.17に 示すように12通りと し 、実
験A、実験Bと同様、タ イプA、タイプBに6通 りずつ分割 し走行す る 。被験者3はタ イプAを3回、
タイプBを6回走 行し、 被験者4はタ イプAを6回、タイプBを3回走行 する。
18
図 -3.17
実 験 C 走 行ル ート
歩道白線到着時終了
歩道白線到着開始
RBT
白線到着時開始・終了
白線到着時開始・終了
歩道白線到着時終了
白線到着時開始・終了
図 -3.18
N
歩道白線到着時開始
リ ンク の詳 細
安全確認動作に関して、被験者は走行中、各流出入部手前で横断歩道(滞留部は含まず、横
断歩道左端から右端まで)を確認した時点(以降、歩道確認時)および、横断歩道直近到達時
安 全 確 認 し た 時 点 ( 以 降 、 安 全 確 認 時 ) に 合 図 を 出 し て も ら っ て い る 。そ の タ イ ミ ン グ を 車 両
に同乗した記録員がドライブレコーダーに記録する。被験者の安全確認動作を取得するにあた
って、挙動データの取得区間(以降、リンク)を設定する。取得開始・終了地点について、N
は 東 新 町錦 町 交 差 点、 Eは 桜 町2丁 目 交 差 点、 Sは 検 察 庁 前 交 差 点、 SWは 中 央 通 り2・ 3丁 目 交 差
点、 Wは RBTか ら西 へ1つ目 の交 差 点で ある 。 リン クの 詳 細を 図 -3.18に示 す。
19
また、走行調査と併せて、ルート流出毎に、流出入部における安全確認のしやすさ(流出入
部の 構造 評 価)に関 し て、4段階( 1:し やす い、2:ま あ ま あ し や す い( 特 に 気 に な ら な い )、3:
や や し に く い 、 4: し に く い ) の 利 用 者 評 価 ア ン ケ ー ト を 行 っ て い る 。 調 査 票 は 付 録 Cに 示 す 。
(c)アイ マー クレ コー ダ 調査
発光鋲システム導入によるドライバーの安全確認への影響を検証する一つの指標として、注
視 回 数 な ど の 挙 動 を 把 握 す る 調 査 を 行 っ て い る 。結 果 の 詳 細 は 、 協 働 参 画 し た 国 総 研 の 報 告 書
に掲 載さ れ てい るた め 、本 報告 書 では 割愛 す る。
(d)アンケート調査
発光鋲システム社会実験について、通行の利便性や交通安全、システムの有効性の観点から、利用者
の意見を把握するため、アンケート調査を実施した。また、発光鋲システム実験前に施工した交差点構
造改良に関する利用者評価についても併せてデータ取得している。なお、本年度は一般利用者、周辺住
民の評価をともに把握するため、主に二種類の方法で調査を実施している。
本年度の社会実験は、前述のように平成23年11月7日(月)から平成24年1月12日(木)までの67日間の期間
で行われた。このため、利用者の経験を考慮して、社会実験開始から約3週間後の12月1日(木)の朝ピーク
時7:00~9:00と午後閑散時14:00~15:00に交差点で一般利用者向けのアンケート調査を実施した。アンケー
ト調査票を付録Dに示す。
図-3.19に示す交差点北、東、南西流入部において、長野県警飯田警察署の協力のもと一旦停止した流
入車両に対して、調査票、返信用封筒、安全運転を促すチラシ、ガムを束ねた資料を直接配布した(写真
-3.3~写真-3.5)。また、歩行者利用者の評価も把握するために、交差点北西部および東部において、歩行
者への調査票配布も行った(写真-3.6)。さらに、周辺住民に対する調査として、図-3.20に示す範囲で、
11月30日(水)にポスティング調査を実施した。ポスティング調査の様子を写真-3.7に示す。なお、両調
査において、調査票の回収は郵送によることとした。さらに、発光鋲システムの仕様についての利用者
評価を把握するために、12月1日の住民説明会の参加者15名に簡易アンケートを行い、さらに12月2日の
IATSS H2303プロジェクト研究会時に専門家の意見を収集した。
北部
(自動車)
北西部
(歩行者)
東部
(自動車)
東部
(歩行者)
南西部
(自動車)
図-3.19 調査票配布箇所
20
写 真-3.3
東 流入部での 配布
写 真-3.5
北 流入部での 配布
②
③
写 真-3.4
写真-3.6
南 西流入部で の配布
歩行者への 配布
①
④
図-3.20 ポスティング調査・調査票配布箇所
21
写真-3.7 ポスティングの様子
4. 車両挙動および運転者の安全確認動作分析
4.1. 分析項目
本年度の社会実験前後における車両挙動および運転者の安全確認動作について、大きく3つに分けて分
析する。まず、構造改良の影響に関する車両挙動について、外部観測データを用いて、流入部、環道部
および流出部に着目した分析を行う。流入部では、流入部から環道へ流入する車両について、構造改良
に伴う停止線位置の変更による影響を分析する。環道部では、環道に複数断面を設け、環道を走行して
いる車両の断面通過時の走行位置と走行速度を比較し、車両挙動を把握することで、環道内や環道付近
の走行挙動変化について考察する。流出部では、左折流出時の横断歩道通過速度に着目した分析を行う。
次に、発光鋲システム設置による車両、歩行者との交錯状況に着目した分析を行う。ここでは、発光鋲
システム導入前後の停止線上流部での車両軌跡の分析と横断歩道における歩車の通過タイミングに関す
る分析を行う。最後に、運転者の安全確認動作分析については、走行調査データを用いて、運転者の安
全確認動作とそのときの車両状況のデータとの関係性を分析する。特に、発光鋲システム導入の影響を
検討するため、流入部、流出部での安全確認動作に着目した分析を行う。
4.2. 車両挙動データ取得方法
車両挙動データの取得には、ビデオ画像処理システム(鈴木・中村(2006))を用い、複数のビデオカメラ
からの観測軌跡を統合して用いる。車輪の接地点を記録ポイントとし、1/3[s]ごとの車両の走行位置をビ
デオ画像座標系から地図座標系へ射影変換することで実座標上での走行位置を求めている。なお、観測
データに固定区間カルマンスムージングを適用することでスムージング処理を行い、0.1[s]ごとの車両の
走行位置および走行速度を補完推定している。RBT流入部、環道部、流出部の車両挙動データ取得のた
めの画角イメージを図-4.1に示す。
c
B2
c
b
a
A2
d
c
c
b
a
b
d
B3
b
a
e
A1
ba
e
d
e
d
f
a
b
c
c
e
d
C1
B2
B3
C2
d
f
A1 A2
f
f
e
e
図-4.1 RBT流入部、環道部、流出部の車両挙動データ取得のための画角イメージ
22
4.3. 構造改良の影響に関する分析
4.3.1. 流入部における減速位置に関する分析
本年度の社会実験における改良点の車両挙動への効果について、N流入部における車両の減速挙動に着
目して分析する。ここでは、流入時の減速位置を本年度社会実験時(2011構造改良後)
、前年度社会実験
後(2010事後1、事後2)
、前年度社会実験前(2010事前)と比較分析する。
流入時の減速位置の累積頻度分布を図-4.2に、減速位置の基本統計量を表-4.1に示す。ここで、流入時
の減速位置については、まず、停止線上流端を走行距離(横軸)の原点として、流入車両走行距離(m)と走
行速度(km/h)の関係に着目する。この関係において、環道に最も近い、速度の極小値をプロットし、この
点を「流入時減速位置」と呼び、2010年の停止線位置を原点として、上流に負値、下流に正値をとる道
のりで定義する。なお、歩行者、他車両の影響を受けていない車両のみを対象とする。
N流入部 流入時減速位置
100%
累積頻度
80%
2010事前 (n=50)
60%
2010事後1(n=74)
40%
2010事後2(n=59)
2011構造改良後(n=74)
20%
横断歩道
0%
-5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
道のり(m)
2010年
停止線
2011年
停止線
図-4.2 N流入部における流入時減速位置の分布
表-4.1 N流入部の減速位置の基本統計量
平均
15%
85%
標準偏差
2010事前 2010事後1 2010事後2
-0.21
1.35
2.29
-0.90
-2.10
-0.82
1.78
4.39
6.12
2.22
4.32
3.24
2011
3.95
1.55
7.11
2.82
図-4.2において、2010事前と2010事後の比較より、分布が右側にシフトし、また2010事後、2011構造改
良後においても、分布が右側にシフトしていることがわかる。前者は、前年度社会実験での流入部を中
央島中心へ向ける改良、1車線化による影響、後者は停止線位置の変更による影響と考えられる。さらに
表-4.1より、2010年事後と2011構造改良後では、減速位置のばらつきが2011構造改良後に小さくなってい
ることがわかる。つまり、停止線が下流に移動することにより車両挙動が安定したと推察される。
23
4.3.2. 環道部における車両挙動に関する分析
本項 で は 、環 道 部 にお ける 車 両 挙動 と し て、 車両 走 行 速度 お よ び車 両走 行 位 置に 関 す る分 析
結果を示す 。こ こでは 、前項同 様、前年度社 会実験前後 の3時点 およ び2011年後社 会実験前(構
造改良後) の計4時 点で の比較分析 を行う。
(1) 車両走行速度に関する分析
環道部の車 両走行速 度(Eから流 入、Wで流出 )につ いて 、時点毎 の 車両走行速 度計測断 面 を
図 -4.3、 図 -4.5、 図 -4.7に 、 そ の 計 測 断 面 で の 車 両 走 行 速 度 の 累 積 頻 度 分 布 を 図 -4.4、 図 -4.6、
図-4.8に、車 両走行速 度の基本統 計量を表 -4.2、表-4.3、表 -4.4にそ れぞれ示す 。
断面①
断面①
断面①
図-4.3 時点毎の車両走行速度計測断面(断面①)
100%
80%
累積頻度
2010事前 (n=56)
60%
2010事後1 (n=60)
2010事後2 (n=67)
40%
2011構造改良後 (n=50)
20%
0%
15
20
25
30
35
40
45
走行速度[km/h]
図-4.4 環道部における車両走行速度分布(断面①)
表-4.2 断面①における車両走行速度の基本統計量[単位:km/h]
平均
15%
85%
標準偏差
2010事前 2010事後1 2010事後2
23.66
23.86
24.47
20.02
20.06
20.43
27.25
27.34
29.12
3.63
3.05
3.86
24
2011
24.71
21.21
27.27
2.62
断面②
断面②
断面②
図-4.5 時点毎の車両走行速度計測断面②
100%
累積頻度
80%
60%
2010事前 (n=57)
2010事後1 (n=60)
40%
2010事後2 (n=67)
20%
2011事前 (n=50)
0%
15
20
25
30
35
40
45
走行速度[km/h]
図-4.6 環道部における車両走行速度分布(断面②)
表-4.3 断面②における車両走行速度の基本統計量[単位:km/h]
平均
15%
85%
標準偏差
2010事前 2010事後1 2010事後2
29.32
26.68
26.36
25.12
23.86
21.81
34.02
31.04
31.76
4.15
3.89
4.14
2011
26.97
24.04
29.64
2.43
図-4.4、表-4.2より、断面①では前年度社会実験時と比較して、車両走行速度の平均値に差異はみられ
ないものの、標準偏差が小さく、速度のばらつきが小さくなっていることがわかる。これは、構造物に
より車両速度が安定した影響を反映したものと考えられる。
図-4.6、表-4.3より、断面②についても断面①と同様の傾向がみられる。
断面③については、表-4.4より、前年度実験時よりも車両走行速度の平均値が3km/h程度低下し、また、
図-4.8より、25-30km/h付近の速度域の割合が増加し、30km/h以上の速度域の割合が低下するなど、分布
形状にも差異がみられる。本年度社会実験時の境界ブロックの構造物化により、交差点流出部手前での
高速度での走行が抑制されたためと推察される。
25
断面③
断面③
断面③
図-4.7 時点毎の車両走行速度計測断面③
100%
累積頻度
80%
60%
2010事前 (n=47)
40%
2010事後1 (n=40)
20%
2010事後2 (n=46)
2011構造改良後(n=44)
0%
15
20
25
30
走行速度[km/h]
40
35
図-4.8 環道部における車両走行速度分布(断面③)
表-4.4 断面③における車両走行速度の基本統計量[単位:km/h]
平均
15%
85%
標準偏差
2010事前 2010事後1 2010事後2
27.93
29.71
28.97
23.92
22.40
24.13
36.93
32.29
33.90
4.10
6.71
5.10
2011
25.70
22.65
28.50
3.34
(2) 車両走行位置に関する分析
図-4.3、図-4.5、図 -4.7に示した断 面①、②、③ について、環 道部の車 両走行位置 を分析す る 。
各計測断面 での車両 走 行位置の頻 度分布を 図-4.9、図 -4.10、図-4.11に、車両 走行位置 の基 本統
計量を表 -4.5、表 -4.6、表-4.7にそれ ぞれ示す 。なお 、車両 走行位置 は、中央 島中心を 0とし て、
各断面にお ける位置 を 計測してい る。
26
60%
エプロン
50%
頻度
40%
2010事前 (n=57)
2010事後1 (n=60)
2010事後2 (n=67)
2011事前 (n=50)
30%
20%
10%
0%
22
20
18
16
14
12
車両走行位置(m)
図-4.9 環道部における車両走行位置の分布(断面①)
表-4.5 断面①における車両走行位置の基本統計量[単位:m]
平均
15%
85%
標準偏差
2010事前
14.56
14.22
14.98
0.42
2010事後1 2010事後2
15.42
15.26
14.41
14.57
15.87
15.99
0.71
0.58
2011
15.00
13.81
15.85
0.86
60%
50%
エプロン
頻度
40%
2010事前 (n=56)
30%
2010事後1 (n=60)
20%
2010事後2 (n=67)
10%
2011事前 (n=50)
0%
22
20
18
16
14
12
車両走行位置(m)
図-4.10 環道部における車両走行位置の分布(断面②)
表-4.6 断面②における車両走行位置の基本統計量[単位:m]
平均
15%
85%
標準偏差
2010事前
17.87
17.19
18.61
0.67
2010事後1 2010事後2
17.89
17.06
17.34
16.53
18.40
17.57
0.59
0.48
27
2011
17.19
16.71
17.61
0.51
60%
50%
ゼブラ
エプロン
40%
2010事前 (n=47)
頻度
30%
2010事後1 (n=40)
20%
2010事後2 (n=46)
2011構造改良後(n=44)
10%
0%
22
20
18
16
14
12
車両走行位置(m)
図-4.11 環道部における車両走行位置の分布(断面③)
表-4.7 断面③における車両走行位置の基本統計量[単位:m]
平均
15%
85%
標準偏差
2010事前 2010事後1 2010事後2
18.62
18.61
18.41
17.87
18.06
17.78
19.40
19.20
19.11
0.74
0.70
0.55
2011
18.62
17.81
19.29
0.67
図-4.9、表-4.5より、断面①では前年度社会実験前後で走行位置が環道の外側に分布し、エプロンを走
行する車両が減少したことがわかる。これには路面標示により走行箇所が明確になったことが影響した
と考えられる。さらに、2010年事後と2011年との比較より、2011年ではエプロンを走行する車両が増加
し、分布が2群に分かれたと読みとれる。これは、エプロンの路面標示に対するドライバーの慣れや隅角
部や中央帯部構造物化により環道外側走行に対する衝突の懸念など心理的な影響が作用したものと推察
される。図-4.10、表-4.6より、断面②では前年度社会実験時と車両走行位置に差異はみられないことが
わかる。また、図-4.11、表-4.7より、断面③では、2011年において外側ゼブラ上を走行する車両が増加、
2010年事前とほぼ同様の分布に戻っている。これはドライバーの慣れの影響によるものと思われる。
4.3.3. 流出部における車両挙動に関する分析
本 項 で は 、 流 出 部 の 車 両 挙 動 と し て 、 左折流出時の横断歩道通過速度に着目し、分析を行う。こ
こでは、前項同 様、前 年度社会実 験前後の 3時 点および2011年後社会 実験前( 構造改 良後)の計
4時点での比 較分析 を行 う。図-4.12に調査時点、流入部別の横断歩道通過速度の平均値と標準偏差を、
図-4.13に調査時点、流入部別の左折動線とサンプル数を示す。
図-4.12より、2010事後と2011事前を比較すると、N、E流出部では速度が増加している。これは横断歩
道を下流側へ移動したことの影響といえる。次に、S流出部では速度低下傾向がみられる。これは、横断
歩道を上流側へ移動したこと、また、E流入部の歩車道境界ブロックの固定の影響と推察される。さらに、
SW、W流出部では速度が低下傾向にある。これもS流入部の歩車道境界の影響と思われる。
28
n=30,44,23,27
N
n=23,20,21
,20
n=48,50,47,4
1
E
W
SW
図-4.12 流入部別左折流出時の横断歩道通過速度
n=31,30,25,
S 22
n=37,35,45,32
図-4.13 流入部別調査時点別のサンプル数
4.4. 発光鋲システム設置による車両、歩行者の交錯状況に関する分析
本節では、発光鋲システム設置による車両、歩行者の交錯状況について分析する。
4.4.1. 歩行者-流入車の道のりと時間関係
発光 鋲 シ ステ ム 設 置前 後で 、 発 光鋲 シ ス テム の歩 行 者 セン サ ー 通過 時の 歩 行 者、 流 入 車両 の
位置関係が 類似して い る1ケースを 抽出し 、歩 行者-流入 車の道の り と時間関係 について 分 析す
る。 先 頭 車両 を 対象 に 、道 の り の原 点 を横 断 歩道 の 中 心と し 、歩 行 者が セ ン サー を 通過 し た時
刻を0として 発光鋲 の有 無別にまと めた結果 を 図-4.14に示す 。
これ よ り 、発 光 鋲 なし の状 態 で は流 入 車 の減 速行 動 が 遅く 、 や や急 な挙 動 を 示し て い るの に
対し て 、 発光 鋲 があ る 状態 で は 流入 車 の減 速 行動 が 早 く、 緩 やか な 挙動 を 示 し、 歩 行者 の 横断
判断もしや すいこと が うかがえる 。
図-4.14 発光鋲設置前後の歩行者-流入車の道のりと時間関係
29
4.4.2. 横断歩道における車両と歩行者の交錯
横 断 歩 道に お ける 車 両と 歩 行 者の 交 錯に つ いて 、 発 光鋲 の 設置 前 後で の 違 いを 分 析す る 。こ
こで は 、事 前 1時 点 、 事 後2時 点( 発 光鋲 設 置直 後、 3週間 後 )の 3時点 のデ ー タに つ い て、 横 断
歩行 者 と 車両 の どち ら が先 に 横 断歩 道 を通 過 する か に つい て 、ビ デ オ観 測 結 果か ら 交錯 パ ター
ンを5分類し た結果 につ いて、図 -4.15に示す。
図-4.15 横断歩道における歩行者-車両の通過タイミング、交錯状況
これ よ り 、歩 行 者 停止 、車 先 行 の割 合 が 減少 し、 歩 行 者・ 車 が 停止 、歩 行 者 先行 の 割 合が 増
加し て い るこ と がわ か る。 し た がっ て 、発 光 鋲シ ス テ ム設 置 によ り 、横 断 歩 行者 優 先原 則 が遵
守されるよ うになっ た と解釈でき る。
次 に 、 横 断 歩 道 に お け る 車 両 と 歩 行 者 の 交 錯 現 象 を 、 錯 綜 指 標 の 一 つ で あ る PET ( Post
Encroaching Time:交錯 点における 二者の通 過 時間差)に より表し 、発光鋲シス テム設置 の 安全
性へ の 影 響に つ いて 分 析す る 。 今回 は 、実 際 に観 測 し た車 両 の軌 跡 と歩 行 者 の軌 跡 が交 差 した
点を 交 錯 点と 定 義し た 。な お 、 車両 の 軌跡 は 右前 輪 の 地上 設 置点 、 歩行 者 の 軌跡 は 足元 の 中心
の地 上 設 置点 で デー タ 取得 し て いる 。 車両 の デー タ 観 測に つ いて 、 流入 車 両 につ い ては 、 車両
観測開始断 面と流入 部 停止線の間 (30m)に おい て、観測 車両の前 方に 車両が一切 存在しな い 場合、
デー タ を 取得 し てい る 。一 方 、 流出 車 両に つ いて は 、 流入 - 左折 - 流出 、 流 入- 環 道- 左 折-
流 出 の ケ ー ス を 想 定 す る が 、 こ れ ら に つ い て 、 流 入 部 手 前 15mか ら 流 入 す る ま で の 間 に 、 環 道
の上流側1/4円 の部分に 車両が存在 しない場 合 、データを 取得し、 分 析に用いて いる。
歩 車 の 交 錯 現 象 と し て は 、 ① 歩 行 者 が 先 に 交 錯 点 を 通 過 ( 図 -4.16)、 ② 歩 行 者 が セ ン サ ー 通
過前に車が 交錯点を 通 過、③歩行 者がセ ンサ ー通過後に 車が歩行 者 より先に交 錯点を通 過 、の3
つが 考 え られ る が、 取 得サ ン プ ル数 の 関係 上 、こ こ で は① の 結果 の み示 す こ とと す る。 流 出入
部 別 、 調 査 時 点別 のPET特 性 に つい て 、 朝時間 帯 ( 7:00-9:00) の 結 果 を 図 -4.17に 、 夕 方 時間 帯
(16:00-18:00) の結果 を図-4.18に示 す。
30
PET(s)
20
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
歩 行者 が先 に 交錯 点を 通 過す るケ ー スのPET指 標の 定義
9.00
4.82
3.92
20
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
2.88
3.87
2.91
図 -4.17
7.14
3.84
5.72
3.24
3.63
3.37
事前(15) 事後1(11) 事後2(8) 事前(23) 事後1(18) 事後2(12)
事前(11) 事後1(10) 事後2(7) 事前(12) 事後1(5) 事後2(2)
北流入
Max
Mean+std
Mean
Mean-std
min
PET(s)
図 -4.16
南西流入
北流出
南西流出
流 出入 部別 、 調査 時点 別 のPET特性 (朝 時間 帯 7:00-9:00)
図 -4.17よ り 、 ま ず 、 事 後 1回 目 は 、 全 流 出 入 部 で 事 前 よ り PETが 増 加 し て い る こ と が わ か る 。
これ は、発 光鋲 を設 置 した 直後 (事後1回目 )は発 光鋲 の 効果 を受 け 、歩行 者に 近づ く速 度 が低 下
し 、 そ の 結 果 と し て PET値 が 増 大 し た と 推 察 さ れ る 。 事 後 2回 目 は 、 全 流 出 入 部 で 事 後 1回 目 よ
り PETが 減 少 し た も の の 、 事 前 よ り は 大 き く な っ て い る 。 こ れ は 、 発 光 鋲 設 置 1ヶ 月後 (事 後 2回
目 )で は 、運 転者 が発 光 鋲に 慣れ 、速度 が若 干 元に 戻る 傾 向に あっ た こと に起 因 する 。また 、流
入部と流出部の結果を比較すると、発光鋲による感度は、流出部より流入部の方が大きいとい
える。これは、流入部の方が流出部よりも横断歩行者を視認し易いこと、また、流出車両より
流入 車両 の 方が 横断 歩 行者・発光 鋲を 意識 す るタ イミ ン グが 早い こ とが 影響 し たと 考え ら れる。
ま た 、 PETの 分 布 範 囲 は 、 流 出 部 よ り 流 入 部 の 方 が 大 き い こ と が 読 み 取 れ る 。 ま た 、 N、 SWの
流入 部に つ いて 比較 す ると SWよ り N流 入部 で発 光鋲 の 感度 が大 き い結 果と 読 み取 れる。これ は、
31
横断 歩道 下 流端 から 譲 れ線 まで の 距離 が、Nの方 が短 く (約5m)、停 止線 の位 置 が、Nで は 横断歩
道 上 流 、 SWで は 15m下 流 の 環 道 直 近 と い う 状 況 か ら 、 N流 入 部 の 方 が 、 横 断 歩 道 通 過 速 度 が 低
めと なり 、 停止 し易 い こと が影 響 して いる と 推察 され る 。
図 -4.18より 、N流 出入 部 と SW流 入 部に 関し て 、朝時 間帯 と同 じ傾 向 とい える。しか しな が ら、
SW流出 の サン プル 数 が不 十分 で ある など 、朝時 間帯 と の結 果の 違 いに つい て は検 証に は 至らな
かっ た。
16
14
14
12
12
10
10
8
6.37
6
4
PET(s)
PET(s)
16
3.78
3.41
2
4.24
5.06
5.45
4.14
4.71
0
事前(2) 事後1(6) 事後2(3) 事前(5) 事後1(16) 事後2(6)
図 -4.18
4.48
2
0
北流入
6
4
2.63
2.52
8
事前(7) 事後1(0) 事後2(7) 事前(2) 事後1(2) 事後2(4)
北流出
南西流入
南西流出
流 出入 部別 、 調査 時点 別 のPET特性 (夕 方時 間 帯 16:00-18:00)
4.5. 発光鋲設置前後の車両挙動と運転者の安全確認動作分析
発光鋲システム設置が運転者の安全確認動作に与える影響について、走行調査データを用いて分析す
る。
4.5.1. 流出入部の車両挙動と安全確認動作との関連分析
本項 では 、発光 鋲シ ス テム が設 置 され た N、SWに おけ る 各流 出入 部 での 安全 確 認時 の車 両走
行速 度な ら びに 安全 確 認時 の車 両 位置 に関 す る分 析を 行 う。
(1) 流出入部での速度特性に関する分析
本走行調査では、流出入部の安全確認動作に関して、被験者は走行中、各流出入部手前(滞
留部は含まず、横断歩道左端から右端までの区間)で横断歩道を確認した時点(以降、歩道確
認時)および、横断歩道直近到達時に安全確認した時点(以降、安全確認時)に合図を出して
もら って い る。そ のタ イミ ング を 車両 に同 乗 した 記録 員 がド ライ ブ レコ ーダ ー に記 録し て いる。
まず、流出入部別の歩道確認時の速度特性について、発光鋲非発光時と発光時における歩道確
認 時 平 均 速 度 の 差 の 検 定 結 果 を 表 -4.8に 、 さ ら に 、 流 出 入 部 別 の 安 全 確 認 時 の 速 度 特 性 に つ い
て、 発光 鋲 非発 光時 と 発光 時に お ける 安全 確 認時 平均 速 度の 差の 検 定結 果を 表 -4.9に 示す 。
32
表-4.8 流出入部別の歩道確認時の速度特性(** 5%有意)
方角 発光鋲発光状態 歩道確認時平均速度(km/h) 分散(km/h)2 t値
非発光
27.06
13.08
N
2.06**
発光
23.44
19.05
流入
非発光
34.87
18.42
SW
0.77
発光
33.96
21.12
非発光
18.05
23.03
N
1.20
発光
16.68
16.51
流出
非発光
20.08
15.22
SW
0.71
発光
19.36
12.87
表-4.9 流出入部別の安全確認時の速度特性(*** 10%有意)
方角 発光鋲発光状態 安全確認時平均速度(km/h) 分散(km/h)2 t値
非発光
25.47
76.91
N
0.05
発光
25.35
86.35
流入
非発光
30.10
25.96
SW
0.08
発光
29.99
43.78
***
非発光
17.54
14.14
N
1.77
発光
15.86
20.00
流出
非発光
17.62
17.68
SW
1.32
発光
16.20
18.04
表 -4.8より 、N流 入部 にお いて 発 光鋲 非発 光 時と 発光 時 の歩 道確 認 時平 均速 度 の差 が有 意 であ
り、発光鋲が発光した場合速度が低いことがわかる。これは、発光鋲が発光することで、ドラ
イバーに対し横断歩道をより強く意識させることができ、歩道確認時から車両走行速度が抑制
され たと 考 えら れる 。一方 、SW流 入部 、Nお よび SW流 出部 のす べ ての 値で 速 度の 減少 傾 向が見
られ るも の の統 計的 に 有意 でな か った 。
表 -4.9より 、N流 出部 にお いて 、発光 鋲非 発 光時 と発 光 時の 安全 確 認時 平均 速 度の 差が 有 意で
あ り 、 発 光 鋲 が 発 光 し た 場 合 、 速 度 が 低 い こ と が わ か る 。 こ れ は 、 Nに お い て 、 発 光 鋲 が 発 光
す る こ と で 歩 行 者 の 存 在 を 認 知 さ せ 、ド ラ イ バ ー に 警 告 す る こ と で 安 全 確 認 時 速 度 の 減 少 を 促
した ため と 考え られ る 。一 方、Nおよ び SW流入 部、SW流出 部で は 速度 の減 少 傾向 が見 ら れるも
のの 統計 的 に有 意で な かっ た。
以 上 の こ と か ら 、 発 光 鋲 が 発 光 す る こ と で 歩 道 確 認 時 速 度 、安 全 確 認 時 速 度 が 低 下 傾 向 と な
り、 ドラ イ バー の挙 動 が安 全側 に 推移 した と いえ る。
33
(2) 流出入部での安全確認動作位置に関する分析
流 出 入 部 で の 発 光 鋲 非 発 光 時 と 発 光 時 で の 歩 道 確 認 時 平 均 位 置 の 差 の 検 定 結 果 を 表 -4.10に 、
流 出 入 部 で の 発 光 鋲 非 発 光 時 と 発 光 時 に お け る 安 全 確 認 時 平 均 位 置 の 差 の 検 定 結 果 を 表 -4.11
に示す。ここで、流入部における安全確認動作位置は各流入部の停止線を基準とし、進行方向
を正と仮定し、一方、流出部における安全確認動作位置は各流出部の横断歩道開始地点を基準
とし 、進 行 方向 を正 と 仮定 し、 位 置を 算出 し てい る。
表-4.10 流出入部別の歩道確認時の位置特性
方角 発光鋲発光状態 歩道確認時平均位置(m) 分散(m)2 t値
非発光
-55.30
258.08
N
0.93
発光
-62.39
250.79
流入
非発光
-66.00
242.82
SW
1.37
発光
-73.26
486.23
非発光
-20.97
57.96
N
-1.64
発光
-17.80
61.05
流出
非発光
-18.10
66.29
SW
0.27
発光
-18.75
93.37
表-4.11 流出入部別の安全確認時の位置特性
方角 発光鋲発光状態 安全確認時平均位置(m) 分散(m)2 t値
非発光
-16.02
158.02
N
2.04**
発光
-23.24
171.26
流入
非発光
-14.66
142.84
SW
1.75***
発光
-22.35
541.93
非発光
-8.94
45.31
N
0.56
発光
-9.79
39.16
流出
非発光
-7.74
36.51
SW
1.18
発光
-9.82
58.84
(**5%有意,***10%有意)
表 -4.10よ り 、 流 出 Nを 除 く ケ ー ス に つ い て は 、 発 光 鋲 が 発 光 し た 場 合 、 歩 道 確 認 時 位 置 が 横
断 歩 道 か ら 遠 ざ か る 傾 向 に あ る 。 一 方 、 流 出 Nで は 、 発 光 鋲 が 発 光 す る こ と で 歩 道 確 認 時 位 置
が横 断歩 道 へ近 づく 結 果と なっ た 。こ のこ と につ いて は 今後 さら に 検討 が必 要 であ る。
表 -4.11より 、流 入 N・SWに おい て 発光 鋲非 発 光時 と発 光 時の 安全 確 認時 平均 位 置の 差が 有意
であ り、 発 光鋲 が発 光 した 場合 、 安全 確認 時 位置 が停 止 線か ら離 れ るこ とが わ かる 。
以 上 の こ と か ら 、 発 光 鋲 が 発 光 す る こ と で 歩 道 確 認 時 位 置 、安 全 確 認 時 位 置 が 停 止 線 か ら 離
れ、 ドラ イ バー の安 全 確認 動作 が 安全 側に シ フト した こ とが わか る 。
34
(3) 流出入部での安全確認動作に関する分析
ドラ イバ ー の安 全確 認 動作 を、首 を動 かし て 周囲 の状 況 を確 認す る「首 ふり 」、目線 を動かし
て周 囲の 状 況を 確認 す る「 目線 の 動き」、首 を 動か しつ つ 目線 も動 か し周 囲の 状 況を 確認 す る「首
ふり +目 線 の動 き」の 3つと 捉え て、流入 部 、流 出部 別 に、それ ら の動 作回 数 を併 せて カ ウント
した 確認 動 作回 数を 集 計し た結 果 につ いて 分 析す る。
ま ず 、「 首 振 り 」 の デ ー タ 取 得 の 定 義 に つ い て 述 べ る 。 被 験 者 が 交 差 点 上 流 リ ン ク を 走 行 中 、
前 方 を 目 視 し て い る 顔 面 位 置 を 基 準 位 置 と す る ( 図 -4.19
前 方 目 視 時 )。 最 初 に 基 準 位 置 か ら
左 右 ど ち ら か に 首 を 振 っ て 確 認 動 作 を 行 っ た 場 合 、 首 振 り 1回 目 と カ ウ ン ト す る ( 図 -4.19
カ
ウ ン ト 1)。 次 に 、 被 験 者 の 顔 面 が 基 準 位 置 へ 戻 り 、 そ の 状 態 か ら 逆 方 向 に 首 を 振 っ て 確 認 動 作
を行 った 場 合、また 、前回 カウ ン ト位 置か ら さら に同 じ 方向 へ首 を 振っ た場 合 、2回 目 と カウン
トす る( 図 -4.19
カウ ント 2)。以 降こ れを 繰 り返 し、 首 振り 回数 を 取得 する 。
次に、
「目 線の 動き 」のデ ータ 取 得の 定義 を 述べ る。本 走行 調査 で は、全く 首 を振 らず 、目線
のみを動かし確認動作を行う被験者が多く存在したため、この動きも確認動作と捉えて分析を
行う。カウント方法は首振りによる確認動作と同様にして行う。前方を目視している目線の位
置を 基準 位 置と し、そ の状 態か ら 目線 を左 右 どち らか に 向け た場 合 、目 線の 動 き1回 目と カウン
トする。以降、基準位置に戻す方向へ目線を向けた場合、基準位置を超えた場合、基準位置に
対 し て 逆 方 向 に 目 線 を 向 け た 場 合 に 対 し て 、 カ ウ ン ト を 増 や し て い く 。た だ し 、 首 振 り と 目 線
の 動 き が 同 時 か つ 同 方 向 へ 行 わ れ る 場 合 は 、「 首 振 り + 目 線 の 動 き 」 に よ る 確 認 動 作 と 定 義 し 、
カウ ント は 1回と する 。
ここで、流入部上流の直線リンクと異なり、環道へ流入する際と環道を流出する際には被験
者が顔の向きを大きく変える。この場合、被験者の顔面位置がビデオカメラ真正面に移った状
態を 基準 位 置と し、デ ータ の取 得 につ いて は 前述 の定 義 に従 う。な お、被験 者 が環 道内 走 行中、
中央島側を目視している場合、車内ビデオカメラ設置位置の関係上、顔を撮影することができ
ない 。し た がっ て、首 振り と目 線 の動 きに よ る安 全確 認 動作 を取 得 する こと が 困難 であ る ため、
この 場合 の 確認 動作 は 、デ ータ か ら除 外し て いる 。
確 認 動 作 を 取 得 す る に あ た り 、 リ ン ク を さ ら に 3区 間 に 分 割 し 、 確 認 動 作 取 得 区 間 を 設 定 す
る 。 確 認 動 作 区 間 例 を 図 -4.20に 示 す 。 流 入 時 確 認 動 作 取 得 区 間 を 第 1区 間 と し 、 各 流 入 部 歩 道
確認 時か ら 流入 部横 断 歩道 終了 地 点ま での 範 囲と する。環道 流入 時 確認 動作 取 得区 間を 第 2区間
とし 、第 1区間 終了 地 点か ら各 流 入部 環道 流 入地 点ま で の範 囲と す る。流出 部 確認 動作 取 得区間
を第3区間 とし 、第2区間 終了 地 点か ら各 流 出部 横断 歩 道終 了地 点 まで の範 囲 とす る。
本分 析で は 、実験 B、実験Cにお ける 被験 者 3、被 験者4の流 入部 確 認動 作と 流 出部 確認 動 作の
デー タを 使 用す る。
35
カウント1
カウント2
前方目視時
・・・・・・・ 繰り返し
被験者
ビデオカメラ設置位置
被験者顔面方向
基準位置
前回カウントの顔面位置
図-4.19
確認 動作回数 のカウント 手順
第1区間
第2区間
第3区間
図-4.20
確認 動作取得 区間例
36
流 出 入 部 で の 発 光 鋲 非 発 光 時 と 発 光 時 の 確 認 動 作 平 均 回 数 の 差 の 検 定 結 果 を 表 -4.12に 示 す 。
ここで流入部確認動作回数の測定区間を流入部歩道確認時から流入部横断歩道終了地点までと
定義し、流出部確認動作回数の測定区間を流入部環道流入地点から流出部横断歩道終了地点ま
でと 定義 す る。
表 -4.12よ り 、 SW流 入 部 に お い て 発 光 鋲 非 発 光 時 と 発 光 時 の 確 認 動 作 平 均 回 数 の 差 が 有 意 で
ある こと 、また 、発 光 鋲発 光時 の 確認 動作 平 均回 数が 非 発光 時よ り 増加 して い るこ とが わ かる。
これは、発光鋲が発光することでドライバーが歩行者の存在を認知し横断歩道、横断歩道滞留
部を 注 意深 く、 早 期段 階か ら 確認 した た めと 考え ら れる 。 N流入 部 では 、 SW同様 、 確認 動 作 回
数は 増 加傾 向で あ った が有 意 な差 は見 ら れな かっ た 。さ らに 、 N・ SW流出 部 に おい て 発光 鋲 非
発光時と発光時確認動作平均回数の差が有意であること、発光鋲発光時の確認動作平均回数が
非発光時より増加していることがわかる。これは、流入部と同様に発光鋲が発光することで横
断歩道、横断歩道滞留部に存在する歩行者の認知が早期段階から行われ、確認動作をより慎重
に行 うよ う にな った た めと いえ る 。
このように発光鋲が発光することで確認動作回数が増加しドライバーの安全確認動作が増加
し 、 歩 行 者 の 安 全 性 が 高 ま っ て い る と 推 察 で き る 。 ま た 、 N流 出 部 は 歩 道 滞 留 部 の 視 認 性 を 妨
げるような障害物もなく見通しが良い構造であったが、発光鋲が発光することで確認動作回数
が増加した。これより、安全確認がしやすい構造であってもドライバーの確認動作に対して発
光鋲 の影 響 があ るこ と がわ かる 。
表-4.12 確認動作平均回数の差の検定(*1%有意)
方角
N
流入
SW
N
流出
SW
発光鋲発光状態 平均(回) 分散(回)2 t 値
非発光
7.42
5.85
-0.81
発光
8.10
10.69
非発光
6.38
1.81
-4.61 *
発光
8.97
7.71
非発光
6.04
2.58
-4.08 *
発光
8.34
6.52
非発光
7.61
3.19
-3.45 *
発光
10.00
6.64
(4) 流出入部での走行性評価に関する分析
各流出入部における安全確認のしやすさのヒアリング結果に関する分析を行う。ヒアリング
では 、 各走 行タ イ プ終 了後 に 行っ てい る ため 、各 タ イプ N、 SWが含 まれ る ルー トを 走 行 中 、 発
光 鋲 が 1度 で も 発 光 し た 場 合 を 発 光 グ ル ー プ と し 、1度 も 発 光 し な い 場 合 を 非 発 光 グ ル ー プ と し
て、 発光 鋲 の有 無に よ る走 行性 評 価の 違い を 分析 する 。
流入部での走行性評価について、発光鋲非発光時と発光時での安全確認のしやすさに関する
評価 結果 を 図 -4.21に示 す。一方 、流出 部で の 走行 性評 価 につ いて 、発光 鋲非 発 光時 と発 光 時で
の安 全確 認 のし やす さ に関 する 評 価結 果を 図 -4.22に 示す 。
37
図-4.21より 、流入部 においては、
「しやす い 」
「まあまあ しやすい 」の合計の割 合はSW、Nと
もに発光、非 発光で大 きな違いが 見られな い が、SWについて は、発 光鋲が発光 した場合、非発
光と比べて「 しやすい 」の回答数が 増加して いることが わかる。こ れは、SWは沿道 の商店 街等
によ り 横 断歩 道 滞留 部 の状 況 が 確認 し にく い が、 発 光 鋲が 発 光す る こと で 歩 行者 の 存在 を 前も
って認知で きたこと が 評価に影響 したと考 え られる。
図-4.22より、流 出部 において、SWでは 発光 鋲が発光し た場合、「ま あまあしや すい」の回 答
数が増加し ているこ と がわかる 。SWは環道 流 出部から横 断歩道ま で のセットバ ックが長 く 、ま
た、 横 断 歩道 滞 留部 に 植栽 が 存 在し 、 安全 確 認が し に くい 構 造で あ る。 し か し、 発 光鋲 が 発光
する こ と で歩 行 者の 存 在の 認 知 につ な がり 、 この よ う な安 全 確認 の しや す さ の評 価 向上 に 結び
付いたと考 えられる。 また、Nについては 、 発光鋲が発 光した場 合、「ややしにく い」、「し にく
い」 の 項 目の 回 答が な く、「 しや す い」「 まあ まあ し や すい 」 の評 価 とな っ て いる 。 以上 か ら、
流出部では 発光鋲シ ス テムにより ドライバ ー の安全確認 のしやす さ が向上した といえる 。
1:しやすい
SW発光
2:まあまあしやすい
8
3:ややしにくい
24
SW非発光 0
18
N非発光
0
8
0
22
14
0%
26
10
N発光
20%
20
10
40%
60%
4:しにくい
80%
10
100%
図-4.21 流入部の安全確認しやすさ評価
1:しやすい
2:まあまあしやすい
SW発光 0
SW非発光 0
3:ややしにくい
31
20
4
2
10
N発光
0
30
N非発光
20
18
0%
4:しにくい
20%
6
40%
60%
80%
図-4.22 流出部の安全確認しやすさ評価
38
0
2 2
100%
4.6. 車両挙動および運転者の安全確認動作分析結果のまとめ
以上の車両挙動および運転者の安全確認動作分析結果より、構造改良や発光鋲導入効果について、以
下のようにまとめられる。
・ 流入部では、停止線が下流に移動することにより減速位置のばらつきが小さくなり、車両挙動が安定
することがわかり、前年度実験時の課題が克服された。
・ 環道部では、前年度社会実験と比較して、車両走行速度のばらつきが小さくなり、挙動が安定した一
方、車両走行軌跡についてはエプロン上を走行する車両の割合が増加する結果となった。これは慣れ
による影響と考えられるため、エプロンをゼブラ路面標示でなく、マウントアップなどハード設置に
することが望ましいことが示唆された。
・ 流出部では、左折車の横断歩道通過速度に関して、横断歩道を下流側に移動したことにより速度が増
加し、一方、横断歩道を上流へ移動したことにより速度低下傾向がみられることが確認された。また、
歩車道境界ブロックの固定により、流出部の速度が低下する傾向にあることが併せて示された。
・ N流入部における発光鋲システム設置前後の歩行者-流入車の関係分析より、発光鋲がある状態では
流入車の減速行動が早く、緩やかな挙動を示し、歩行者の横断判断もしやすいことが示された。
・ 横断歩道における横断歩行者、車両の通過タイミング、交錯状況の分析より、歩行者停止、車先行の
割合が減少し、歩行者・車が停止、歩行者先行の割合が増加していることがわかる。したがって、発
光鋲システム設置により、横断歩行者優先原則が遵守されることが確認できた。
・ 錯綜指標による分析より、事後1回目には事前よりもPET値が増大し、発光鋲設置直後の安全性向上が
確認できた。事後2回目では、事後1回目よりもPETが短くなったものの、事前よりは長く、ある程度
時間が経過した後も発光鋲による安全性向上効果がうかがえる結果が確認できた。
・ 発光鋲の効果が流入部と流出部によって異なり、流入車両に対して、より大きな影響を与えることが
わかった。これは、運転者の視野の範囲が異なり、流入部において横断歩行者を認識しやすいこと、
流出車両より流入車両の方が歩行者・発光鋲を意識するタイミングが早いことに起因すると思われる。
・ 発光鋲が発光することで歩道確認時、安全確認時の車両走行速度が低下傾向となり、また、歩道確認
時位置、安全確認時位置が停止線から離れることがわかった。また、発光鋲が発光することでドライ
バーの安全確認回数が増加することも示された。横断歩道接近時のドライバーの安全確認動作が早ま
り、安全確認回数も増加したことから、交差点付近での減速・停止が必要な場合の挙動が、発光鋲シ
ステム設置により安全側に変化したと考えられる。
・ 主観的な安全確認のしやすさ評価の観点からも発光鋲システムにより利用者評価が高まる可能性が示
された。
参考文献
鈴木一史・中村英樹:交通流解析のためのビデオ画像処理システムTrafficAnalyzerの開発と性能検証,
土木学会論文集D, Vol.62, No.3, pp.276-287, 2006.
39
5. 社会実験に対するアンケート調査分析
本章では、社会実験期間中に実施したアンケート調査結果について分析する。
5.1. アンケートの基本集計結果
5.1.1. 調査票の配布・回収状況
3.4に 示 し た よ う に 、 今 回 2種 類 の 配 布 方 法 で 調査 を 実 施 し て い る 。 以 下 に 、 そ れ ぞ れ の 配 布
状況および 回収状況 を 示す。
1)交差点での配布(以下、交差点配布)
自動車への配布部数1354部、歩行者への配布部数168部の合計1522部を配布した。回収状況は、405部、
回収率26.6%であった。
2)ポスティング調査(以下、POS)
配布部数は633部であり、回収状況は201部、回収率31.8%であった。
以上より、両調査ともに良好な回収状況であったが、これは飯田市による住民への事前周知や飯田市、
飯田署との連携による交差点での配布が効果的であったことを裏付けている。
5.1.2. 回答者属性
回答者属性について、調査方法別に図-5.1から図-5.6に結果を示す。
図-5.1より、性別については、交差点配布では、自動車、歩行者ともに約60%が男性であった。一方、
POSでは自動車の約70%、歩行者の約40%が男性であった。
図-5.2より、居住地区については、交差点配布では自動車の約50%、歩行者の約40%が飯田市内、東野・
橋北は自動車の約15%、歩行者の約30%であり、POSでは自動車・歩行者ともに約90%が東野もしくは橋
北であった。
図-5.3より、年代については、交差点配布では、40代もしくは50代の回答者が約50%と多く、POSでは
60代もしくは70代の回答者が半数以上であった。
図-5.4より、RBT利用頻度については、交差点配布では、ほとんど毎日が約40%・平日のみが30-40%
であり、POSでは、ほとんど毎日が40%程度、週2-3回が30%程度であった。
図-5.5より、通行時の目的については、交差点配布では、自動車の約60%、歩行者の約70%が通勤・通
学目的であり、POSでは、自動車の約40%、歩行者の30%強が家事・買物目的であった。
図-5.6より、交差点利用時間帯については、交差点配布では、7-9時が60%強と朝ピーク時間帯の利用
が多く、POSでは、9-16時の割合が自動車の約70%、歩行者の約50%と高い結果となっていた。
両調査では若干異なる属性を有することが示されたが、幅広い属性をまとめて分析に用いることを目
的として、以降、両調査を区別せずに、交通手段の違いに着目した分析を行う。
40
「
交差点_車 (N=341)
交差点_歩 (N=48)
東野
女性
男性
218
122
29
20
POS_車 (N=133)
34
103
POS_歩 (N=37)
交差点_車 (N=341)
41 17 14
交差点_歩 (N=48)
11
20代
30代
交差点_車 (N=341) 3 21
交差点_歩 (N=48) 2
40代
50代
50
6
78
6
POS_車 (N=133) 03 5 16
POS_歩 (N=37) 10 2 3
60代
70代
80代
88
11
28
11
4
8
ほとんど毎日
家事・買物
交差点_車 (N=349)
行楽・レジャー
交差点_歩 (N=50)
5
4 11
交差点_歩 (N=49)
23
9 2
POS_車 (N=137)
0
POS_歩 (N=36)
POS_車 (N=147)
23
POS_歩 (N=40)
8
2
0
36 317 11
交差点_車 N=323) 8
200
交差点_歩 (N=45) 1
29
0
9
8
3 21
48
23
12
9
0
2
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
69
60
43
図-5.4 調査別・利用手段別の交差点利用頻度
1 4 21 4
15
7
5時~7時
44
48
20
59
13
ほとんど利用していない
90
その他
38
3
9
月2-.3回
その他私用
213
9
48
週2-3回
150
図-5.3 調査別・利用手段別の回答者年代
業務
平日のみ
交差点_車 (N=339)
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
通勤・通学
11
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
20 60
8
20
図-5.2 調査別・利用手段別の回答者居住地区
90代
36
38
その他
76
25
72
12
市外
76
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
10代
飯田市内
4 2
POS_歩 (N=37)
図-5.1 調査別・利用手段別の回答者性別
橋南
193
POS_車 (N=133)
21
15
橋北
7時~9時
6 12 2
POS_車 (N=135) 2
6
POS_歩 (N=37)
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
9時~16時
22
4
16時~18時
88
8
91
9
18時~5時
1512
4 3
17 3
19
4 1
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
利用時間帯」
:自動車,歩行者ともに60%強が7-9時の時間帯(交差点),自動車の約70%,歩行者の約50%
図-5.6 調査別・利用手段別の交差点利用時間帯
図-5.5 調査別・利用手段別の交差点利用目的
が9-16時の昼間利用(POS)
41
5.2. 社会実験に対する印象評価
(1)
吾妻町RBTに対する全体的な印象(自動車N=461、歩行者N=80)
通行交通手段別の吾妻町RBTに対する全体的な印象の結果を図-5.7に示す。これより、自動車での交差
点利用者(以下、車利用)の75%、歩行者での交差点利用者(以下、歩行者)の70%がこの社会実験によ
って良くなったという印象を持っている。一方、悪くなったという印象を持った人は車利用では10%、歩
行者では15%程度と少数である。
(2)
吾妻町RBT全体の印象に関する影響要因
吾妻町RBT全体の印象に関する影響要因について、交通手段別、評価の高低別にまとめた結果を図-5.8
に示す。これより、車利用で評価を上げた要因としては、横断歩道位置変更の影響が25%程度と最も多く、
次いで発光鋲システム設置の23%であり、横断歩道距離短縮、歩道部安全対策の順であることがわかる。
一方、歩行者で評価を上げた要因としては、発光鋲システム設置が32%と最も多く、ついで横断歩道距離
短縮が29%であり、横断歩道位置変更、歩道部安全対策の順であることがわかる。交通手段によって、対
策への評価に与える影響が若干異なることが示された。他方、評価を下げた要因については、歩行者の
回答が少ないものの、いずれの交通手段も歩道部安全対策が最も高い割合を占めていた。車利用につい
ては後述する通行のしやすさの評価低下が影響したと思われる。
1-良くなった
2-少し良くなった
4-少し悪くなった
5-悪くなった
自動車
(N=461)
194
歩行者
(N=80)
151
30
0%
3-変わらない
60
26
20%
31 25
12
40%
60%
8
4
80%
100%
図-5.7 通行交通手段別の吾妻町RBTに対する全体的な印象(自動車N=461、歩行者N=80)
横断歩道位置変更
横断歩道距離短縮
車利用(良くなった/少し良くなった)
N=543
166
歩行者(良くなった/少し良くなった)
N=100
22
車利用(悪くなった/少し悪くなった)
N=47
10
歩行者(悪くなった/少し悪くなった)
N=13
125
20%
136
17
13
0
発光鋲システム設置
116
29
4
0%
図 -5.8
歩道部安全対策
32
14
10
6
40%
3
60%
80%
吾 妻町 RBT 全体 の印 象 に関 する 影 響要 因
42
100%
(3) 通行のしやすさに関する評価
本年度の社会実験における交通手段別の通行のしやすさに対する評価結果を図-5.9に、その評価に対す
る影響要因を図-5.10に示す。
図-5.9より、通行しにくくなったとの評価が15%程度と少数に対して、車利用の54%、歩行者の48%と
半数程度が通行しやすくなったと評価していることがわかる。図-5.10より、評価を上げた要因について
は、車利用者は横断歩道位置変更、歩行者は横断歩道距離短縮が最も回答が多く、評価を下げた要因に
ついては、車利用者は歩道部安全対策、歩行者は横断歩道位置変更が最も多いことがわかる。
1-通行しやすくなった
2-通行しにくくなった
自動車
(N=467)
3-変わらない
252
歩行者
(N=80)
図-5.9
14
20%
40%
33
24
60%
4
80%
100%
交通 手段別の 通行のしや すさに対 す る評価
横断歩道位置変更
横断歩道距離短縮
車利用(通行しやすくなった)
N=203
歩道部安全対策
103
歩行者(通行しやすくなった)
N=36
8
車利用(通行しにくくなった)
N=55
17
46
20%
33
9
21
2
40%
21
4
15
5
0%
発光鋲システム設置
15
歩行者(通行しにくくなった)
N=10
図-5.10
106
76
38
0%
4-わからない
60%
2
3
80%
0
100%
通行 のしやす さの評価に 対する影 響 要因
(4) 安全性に関する評価
本年度の社会実験における安全性に対する評価結果を図-5.11に、その評価に対する影響要因を図-5.12
に示す。
図-5.11より、車利用の63% 、歩行者の49%が安全になったと評価し、危険になったとの評価は非常に
少ないことがわかる。図-5.12より、安全になった要因として、車利用者は横断歩道位置変更、歩行者は
発光鋲システム設置が最も多いことがわかる。危険になった要因としてはサンプル数が少ないが、横断
歩道位置変更が挙げられていることがわかる。
43
1-安全になった
3-変わらない
自動車
(N=466)
2-危険になった
4-わからない
293
歩行者
(N=82)
30
40
0%
10
20%
図 -5.11
40%
85
58
21
60%
11
80%
100%
交 通手 段別 の 安全 性に 対 する 評価
横断歩道位置変更
横断歩道距離短縮
車利用(安全になった)
N=228
歩道部安全対策
75
歩行者(安全になった)
N=32
57
8
車利用(危険になった)
N=23
8
8
36
5
11
7
4
図 -5.12
60
6
歩行者(危険になった)
N=7
0%
発光鋲システム設置
20%
2
2
40%
60%
1
80%
0
100%
安 全性 の評 価 に対 する 影 響要 因
以上より、社会実験に対する印象について、車利用には横断歩道位置変更が評価の上昇に最も影響し、
歩行者には横断歩道距離短縮や発光鋲システム設置が評価の上昇に影響することが確認できた。
5.3. 発光鋲システムに関する評価
発光鋲システムの認知度を図-5.13に、システムの内容理解度を図-5.14に示す。なお、ここでのシステ
ムの内容理解度はシステムを認知しており、通行経験のあるものの回答のみを抽出している。
②理解し
ていな
かった
28%
②知らな
かった
46%
①知って
いた
54%
n=178
n=550
図 -5.13
図 -5.14
発 光鋲 シス テ ムの 認知 度
44
①理解し
ていた
72%
発 光鋲 シス テ ムの 内容 理 解度
これらより、回答者の半数以上は発光鋲システムの存在を認知しており、その中の72%は内容まで理
解していたことがわかる。しかしながら、約3割の回答者はシステムの内容を理解していなかったことか
ら、周知の仕方に課題が残ったともいえる。
以下、同様の回答者について、発光鋲の見やすさの評価を図-5.15に、システムによる安心感評価を図
-5.16に、他場所へ適用した方がよいかどうかの回答を図-5.17に、さらにその具体的な適用箇所について
の回答結果を図-5.18に示す。
③見にく
い
14%
④わから
ない
6%
④やや
不安
2%
③どちら
ともいえ
ない
30%
①見や
すい
39%
⑤わから
ない
4%
①非常に
安心
17%
②ふつう
41%
n=169
n=169
図-5.15
発光 鋲の見や すさ評価
図-5.16
②やや
安心
47%
発光 鋲システ ムによる安 心感
②思わ
ない
15%
n167
図-5.17
①思う
85%
他場 所へシス テム適用し た方がよ い か
72%
A.信号のない交差点
8%
B.信号のある交差点
35%
C.交差点以外の横断歩道
2%
D.その他
0%
図-5.18
20%
40%
60%
80%
他 場所への 適用(複数 回答あり )( n=130)
図-5.15より、見やすいが39%、ふつうが41%と8割の回答者が発光鋲の見やすさに問題ないと評価し、
一方で見にくいとの評価は14%と少なく、照度、点滅間隔の設定が妥当であったことがうかがえる。
図-5.16より、システムによる安心感については、非常に安心、やや安心の評価で64%と大半を占め、
45
一方、やや不安が2%と低い値を示し、不安を感じるものはごくわずかであることが示され、発光鋲は、
利用者に安心感を与え得るシステムがあることが確認された。
図-5.17より、本システムを他の場所へ適用した方がよいとの回答が85%と多いこと、また、図-5.18よ
り、その場所は、信号のない交差点が最も多く、次いで交差点以外の横断歩道に対して適用を望んでい
ることがわかり、発光鋲システムの今後の適用箇所についての知見が得られた。
次に、発光鋲システム導入の社会実験前後の交差点での安全確認動作の変化について検証する。
社会実験の前後での交差点利用時の安全確認動作の変化があったかどうかについての回答結果を図
-5.19に示す。さらに、通行経験があり、かつシステムの内容を理解しているとの回答者に対して、交通
手段別に結果を整理したものを図-5.20に示す。
③以前
より安全
確認をし
なくなっ
た
②変わら 3%
ない
38%
①以前
より安全
確認す
るように
なった
59%
n=174
図 -5.19
社 会実 験の 前 後で の交 差 点利 用時 の 安全 確認 動 作の 変化
【問4(3)通行経験あり+問4(2)理解している】
②変わらない
①以前より安全確認するようになった
③以前より安全確認をしなくなった
全体
n=127
62%
35%
2%
車
n=90
62%
37%
1%
歩行者+自転車
n=35
60%
0%
10%
図 -5.20
20%
30%
34%
40%
50%
60%
70%
80%
6%
90%
100%
交 通手 段別 の 安全 確認 動 作の 変化
図-5.19より、社会実験前後で、以前より安全確認をするようになったとの回答が59%と半数以上であ
ることがわかる。また、わずかではあるが以前より安全確認をしなくなったとの回答もみられる。
さらに、図-5.20の交通手段別の結果より、以前より安全確認をするようになったとの回答は交通手段
により大きく変わらないが、以前より安全確認をしなくなったのは歩行者や自転車の方が多いことがわ
かる。よって、本システム適用時においては歩行者等へ安全確認動作実施を怠らないように周知するこ
とが必要とわかった。
46
次に、発光鋲システムの仕様について、住民説明会時の現地での簡易アンケート結果を図-5.21、図-5.22
に示す。
図-5.21より、発光鋲の点滅回数は120回/分、150回/分が望ましいとの回答が多く、IATSS会議参加の専
門家意見においても75回/分は冗長、注意喚起をする上では120回/分、150回/分が妥当との結果から、住民、
専門家とも120回/分の点滅回数を望むことは明らかとなった。
図-5.22より、発光鋲の設置個数については、簡易アンケート結果では3個、4個が多い、2個はいないこ
とがわかる。また、IATSS会議参加者への意見聴取でも、2個だと道路幅を表していない、単路は3個で良
いが、流出部など目立たせる時は4個が良い、後続車に見えることを考えると3個が良い等の意見が多か
った。以上より、後続車からの視認性、車線幅員等から詳細な配置や個数について個別に検討が必要で
あるが、標準的には3個程度の発光鋲個数が妥当であることが示された。
1回目(75回/分)
0%
どれも変わらな
い
13%
2回目(120回
/分)
40%
3回目(150回
/分)
47%
図 -5.21
望 まし い発 光 鋲の15点滅 回 数( N=15)
どれも変わらない
0%
2個(北流入)
0%
3個(南西部)
33%
4個(北流出)
67%
図 -5.22
1回目(75回/分)
2回目(120回/分)
3回目(150回/分)
どれも変わらない
2個(北流入)
3個(南西部)
4個(北流出)
どれも変わらない
15 個 数( N=15)
望 まし い発 光 鋲の 設置
以上より、本発光鋲システムについての利用者評価は概ね良好であったことと、望ましい発光鋲シス
テムの仕様や今後の適用可能性が併せて明らかにされた。
47
5.4. 構造改良ならびに発光鋲システムに対する意識調査結果のまとめ
以上より、構造改良ならびに本発光鋲システムについての利用者意識が明らかとなり、改良、システ
ム設置に対する利用者評価は概ね良好であることが示された。以下、意識調査の結果を簡単にまとめる。
・通行交通手段別の吾妻町RBTに対する全体的な印象について、自動車、歩行者利用者ともに70%以上の
多くの回答者が好印象であったことが示された。
・吾妻町RBT全体の印象に関する影響要因について、車利用で評価を上げた要因としては、横断歩道位
置変更の影響、発光鋲システム設置がほぼ同程度であり、一方、歩行者で評価を上げた要因としては、
発光鋲システム設置が最も多く、ついで横断歩道距離短縮であり、交通手段によって、対策への評価
に与える影響が若干異なることが示された。他方、少数の回答であったが、評価を下げた要因につい
ては、いずれの交通手段も歩道部安全対策との結果となった。これより、歩車道境界ブロックの構造
化、ガードパイプなどによる対策について利用者視点から改良の余地があることがうかがえる。
・通行のしやすさについては、自動車、歩行者とも半数程度が良くなったと評価しており、概ね良好な
改良であったことが確認できた。評価を上げた要因については、車利用者は横断歩道位置変更、歩行
者は横断歩道距離短縮が最も回答が多いことがわかった。また、評価を下げた要因については、車利
用者は歩道部安全対策が挙げられており、これより全体の印象に歩道部安全対策による通行のしやす
さ評価が影響していることも確認できた。
・安全性については、車利用、歩行者ともに半数程度が安全になったと評価し、危険になったとの評価
は非常に少なく、本改良が安全性に対して効果的な改良であったことが示された。その要因として、
車利用者は横断歩道位置変更、歩行者は発光鋲システム設置が最も多いことがわかった。
・回答者の半数以上は発光鋲システムの存在を認知しており、その中の多くは内容まで理解していたこ
とがわかった。しかしながら、約3割の回答者はシステムの内容を理解していなかったことから、内容
の周知の仕方に課題が残ったともいえる。
・発光鋲システムについて、照度、点滅間隔の設定が妥当であったこと、また、利用者に安心感を与え
得るシステムがあることが確認された。本システムの他箇所への適用について、信号のない交差点が
最も多く、次いで交差点以外の横断歩道に対して適用を望んでいることがわかった。
・発光鋲システムの安全確認行動への影響について、社会実験前後で、以前より安全確認をするように
なったとの回答が半数以上であり、本システムが、利用者の安全確認行動への意識向上に寄与するこ
とがわかった。また、わずかではあるが以前より安全確認をしなくなったとの回答もみられたが、そ
れは歩行者や自転車の方が多い結果であった。よって、本システム適用時においては歩行者等へ安全
確認動作実施を怠らないように周知することが必要とわかった。
・発光鋲システムの仕様について、発光鋲の点滅回数は住民、専門家とも120回/分の点滅回数を望むこと
がわかった。また、発光鋲の設置個数については、後続車からの視認性、車線幅員等から詳細な配置
や個数について個別に検討が必要であるが、標準的には3個程度の発光鋲個数が妥当であることが示さ
れた。
48
6. おわりに
本年度の主たる活動は、まず、これまでの「H21年度H188プロジェクト(飯田市東和町交差点改良で
ラウンドアバウトを提案、寒地土木研究所苫小牧寒地試験道路における模擬RBT実験)」や「H22年度H2292
プロジェクト(飯田市「吾妻町ロータリー」でラウンドアバウト実道社会実験)
」の成果を踏まえて、最
新の技術的知見に基づく設計により、
「吾妻町ロータリー」の構造改良を進めた点である。観測データを
用いて、車両挙動、横断者との交錯現象の観点から分析した結果、本改良によりラウンドアバウトを安
全に機能発揮させられることが実証できた。またアンケートの結果も高評価であったことから、本改良
は、利用者にも受け容れられる有用な構造改良、安全施設整備であったことがあわせて示された。
そのうえで、吾妻町ラウンドアバウトにおける横断歩行者感知式発光鋲社会実験を行い、外部観測、
走行調査およびアンケート調査を実施し、歩行者の安全に資するシステムの検討を行った。調査結果か
ら、発光鋲システムがドライバーの挙動を安定させ、また、安全確認動作準備を早められる効果がある
こと、さらには歩行者の安心感を増進させるなど、ラウンドアバウトにおける歩行者安全対策として発
光鋲システムが有用であることを示すことができた。一方で、ヒアリング、アンケート調査から発光鋲
システムの望ましい仕様・課題についても住民や専門家の視点からも明らかにすることができた。さら
に本システムの他箇所への適用性についても同時に検討し、必要な技術的知見が得られた。今回の実験
成果が発光鋲システムのような簡易なITSの導入・普及に向けた一助になれば幸いである。
本交差点における構造改良や社会実験の実施については、これまでの2年間のプロジェクト活動を通じ
て、地元住民や関係機関など、地域社会と緊密な連携協力体制をとることによって実現できたといえる。
これもひとえに、地域住民の街づくり・安全性向上への積極的な取り組みや、ラウンドアバウトへの正
しい理解と建設的な意見があったからこそ実現したものである。改めて関係各位に深く謝意を表したい。
さて、本プロジェクトの終了が近づいた2012年2月末日に、日本初の画期的事例となる飯田市東和町信
号交差点のラウンドアバウト化(H24年度)が発表された。本件は、今後のラウンドアバウト検討に際し
て、極めて有用な国内事例である。したがって、これまでの活動を継続しつつ、日本初となる改良時の
各種経験を蓄積すること、改良前後の状況をしっかり記録し、分析することが極めて重要となる.他方、
東日本大震災後、災害時にも自律的に機能するラウンドアバウトへの関心は高まり、国内各地における
ラウンドアバウト導入検討の動きも活発化しつつある。よって、これまでの3年間のプロジェクトで得ら
れた事例や技術的知見など、培ったノウハウなどを提供する普及促進活動も重要となってくるであろう。
以上のことから、今後もこれらの機運と環境を絶やすことなく最大限に活用し、ラウンドアバウトの新
設あるいは既存通常交差点からの改良に対する活動を積み重ね、よりよい交通社会の実現に向けて研究
を進めていく必要がある。
49
付録
付録A 発光鋲および歩行者感知センサー設置位置
(1) 北部流入部
Na5
Na3
Na1 Na2
発光鋲
センサー
610
170
150
120
103
Na4
180
単位:cm
358
227
148
44
Nb1
570
Nb2
45
Nb4
Nb3
縮尺(1:60)
北部 流入部の 発 光鋲および 歩行者感 知 センサー設 置位置
図A-1
センサー
85
センサー
Na1
102
Nb1
センサー
610
93
110Na2
発光鋲
190
センサー
93
190
Na3
発光鋲
97
180
Na4 130
101
570
Na5
110
96
105
190
Nb2
Nb3
190
Nb4
単位:cm
図A-2
歩行 者感知セ ン サー設置高
50
(2) 北部流出部
Nd5
70
Nd4
発光鋲
163
890 Nd3
172
センサー
Nd2
Nd1
156
40
単位:cm
50
Nc3
198
290
Nc2 430
Nc1
縮尺(1:70)
図A-3
北部 流出部の 発 光鋲および 歩行者感 知 センサー設 置位置
センサー
センサー
センサー
890
107
102
Nd5
108
Nc3
発光鋲
発光鋲
190
430
200
Nd4
発光鋲
発光鋲
99
98
Nd3
160
Nd2
104
96
340
センサー
Nd1
103
200
Nc2
230
Nc1
単位:cm
図A-4
歩行 者感知セ ン サー設置高
51
(3) 南西部
発光鋲
SWb5
SWb4
センサー
150
単位:cm
107
SWb3
74
SWa5
SWa4 140
SWb2
800
740
SWa3 130
SWa2
SWb1
90
28
SWa1
縮尺(1:100)
図A-5
南西 部の発光 鋲 および歩行 者感知セ ン サー設置位 置
センサー
センサー
センサー
800
112
SWb5
110
740
60SWb4
190 SWb3
発光鋲
発光鋲
101
70
SWa5
SWa4
発光鋲
280
センサー
111
108
150SWb2
400
発光鋲
98
SWa3
160
98
発光鋲
SWa2
SWb1
発光鋲
230
102
SWa1
単位:cm
図A-6
歩行 者感知セ ン サー設置高
52
付録B ビデオ調査方法と調査当日の交通量
表B-1に 示す 調査 機 材を 使用 し て交 通状 況 をビ デオ 撮 影す る。
表B-1
調査 機材
調 査機 材別 台 数
台数
備考
吾妻町交差点周辺の照明
1
ビュ ーポ ー ル
10
柱、公安委員会標識柱に設
置
2
3
通常のビデオカメラと
一脚
通常のビデオカメラと
公安 委員 会 標識 柱に 設 置
ホテ ル吉 村 2F角部 屋
3
三脚
計
吾妻町交差点周辺の看板、
4
17
―
ビ ュー ポ ール と通 常 のビ デオ カ メラ の設 置 状況 を図B-1に示 す。
ビューポール
カメラ
通常のビデオカメラ
と一脚
ビデオカメラ
ビューポール
照明柱等に
固定する
三 脚 はたた
んで一 脚 と
して固定
図B-1
ビ デオ 撮影 の 方法
53
通常のビデオカメラ
と三脚
(1) ビ デ オ撮 影 アン グル
ビデオカ メラ設置 位 置を表B-2、図B-2に カ メラ設置位 置、図B-3~ 図B-11に撮影アン グル 、表
B-3にカメラ アングル 目 的一覧を示 す。
表B-2
地点
調査 位置一覧
カメラ
台数
場所
備考
A
照明柱(分離島 )
2
ビューポー ル2
B
照明柱(中央島 )
4
ビューポー ル4
C
D
照明柱(中央島 )
標識(南 西部)
2
1
ビューポー ル2
ビューポー ル1
E
標識(南 西部)
2
ビューポー ル1、HDDカメラ1、一脚 1
F
ホテル吉村2F(室 内)
3
HDDカメラ3、三脚3
G
看板(中 央島)
1
HDDカメラ1、一脚1
H
標識(北 部)
1
HDDカメラ1、一脚1
I
看板(中 央島)
1
HDDカメラ1、一脚1
計
17
調査人数
1
1
1
3
H
凡 例
カメラ
F
I
B
G
C
A
D
E
図B-2
ビデ オカメラ 設 置位置
54
〈 撮影 位 置〉
〈撮 影状 況 〉
カメラ
撮影 位置
A-2
A-1
〈撮 影ア ン グル 〉
A-1
A-2
〈目 的〉
A-1
A-2
-SW 流出 車 速度
-SW 横断 歩 行者
-環道 走 行車 速度
図B-3
A地 点の ビデ オ 撮影 アン グ ル
55
〈撮影状況 〉
〈撮影位 置〉
B-1
カメラ
撮影位置
B-4
カメラ
B-3
B-2
〈撮影アン グル〉
B-1
B-2
B-3
B-4
〈目的〉
B-1
-N 流入車 速度
-N 横断歩 行者
B-2
-環道走行車 速度
B-3
B-4
-環道走行 車速度
-環道走行 車速度
図B-4
B地点の ビデオ 撮影アング ル
56
〈撮影位 置〉
〈撮影状況 〉
C-2
カメラ
カメラ
撮影位置
C-1,C-3,C-4
〈撮影アン グル〉
C-1
〈目的〉
C-1
-SW 流出車 速度
-SW 流入車 速度
-SW 横断歩 行者
C-2
C-2
-N 流出車 速度
-N 横断歩 行者
図B-5
C地点のビ デオ 撮影アング ル
57
〈撮影状況 〉
〈撮影位 置〉
カメラ
撮影位置
D-1
〈撮影アン グル〉
D-1
〈目的〉
D-1
-SW 流入車 速度
(横断歩道上 流 30m の範 囲)
図B-6
D地点のビ デオ 撮影アング ル
58
〈撮影状況 〉
〈撮影位 置〉
カメラ
撮影位置
E-1
E-2
※「交通量観測 中」の貼 紙を設置し、
スタッフが適宜 巡回する
〈撮影アン グル〉
E-1
E-2
〈目的〉
E-1
-SW 流入車 速度
(横断歩道上 流付近)
図B-7
E-2
-南西流入部 発光鋲 点灯 確認
E地点の ビデオ 撮影アング ル
59
〈撮影状況 〉
〈撮影位 置〉
F-3
カメラ
撮影位置
F-2
ホ テ ル 吉 村 2F の 窓 か ら 撮 影
F-1
:カメラ設 置位置
〈撮影アン グル〉
F-1
F-2
F-3
〈目的〉
F-1
-環道走行車 速度
F-2
-N 横断歩 行者
F-3
-N 流入車 速度
図B-8
F地点の ビデオ 撮影アング ル
60
〈
〈撮影位 置〉
〈撮影状況 〉
撮影位置
カメラ
G-1
〈撮影アン グル〉
G-1
〈目的〉
G-1
-北流出 部発光鋲 点 灯確認
図B-9
G地点のビ デオ 撮影アング ル
61
〈撮影位 置〉
〈撮影状況 〉
撮影位置
カメラ
H-1
カメラ
※「交通量観測 中」の貼 紙を設置し、
スタッフが適宜 巡回する
〈撮影アン グル〉
H-1
〈目的〉
H-1
-北流入部 発光鋲 点灯確認
図B-10
H地点の ビデ オ撮影アン グル
62
〈撮影状況 〉
〈撮影位 置〉
撮影位置
カメラ
I-1
〈撮影アン グル〉
I-1
〈目的〉
I-1
-南西部発 光鋲点灯 確 認
図B-11
I地点の ビデオ 撮影アング ル
63
表B-3
カ メラ アン グ ル目 的一 覧
カメラアングル
A-1
SW流出車 速 度
A-2
B-1
B-2
B-3
B-4
C-1
✔
C-2
✔
SW流入車 速 度
✔
SW横断歩 行 者
✔
✔
目
N流出車 速 度
✔
的
N流入車 速 度
✔
N横断歩 行 者
✔
環道 走行 車 速度
✔
✔
✔
✔
✔
発光 鋲点 灯 確認
カメラアングル
D-1
E-1
✔
✔
E-2
F-1
F-2
F-3
G-1
H-1
I-1
✔
✔
✔
SW流出車 速 度
SW流入車 速 度
SW横断歩 行 者
目
N流出車 速 度
的
N流入車 速 度
✔
N横断歩 行 者
✔
環道 走行 車 速度
発光 鋲点 灯 確認
✔
✔
64
(2) 調 査 当日 の 交通 量
北流入部
2000
41
13
32
36
2
31
39
1500
1250
1000
1,811
1,787
1,729
1,700
1,691
750
500
47
29
9.29(水) 11.10(水) 10.27(水)
事前
58
1500
1250
1000
1,982
1,922
1,737
1,896
1,657
750
500
事後
事前
9.29(水) 11.10(水) 10.27(水)
11.8(火) 11.30(水)
事前
事後1回目 事後2回目
H22
事後
86
82
45
85
1750
1,857
1,803
2000
53
93
117
43
1250
1,795
1,761
1,686
750
1750
105
110
1500
1000
1,699
1,600
500
250
H23
事前
113
102
1250
1000
750
1,637
1,524
1,575
1,588
1,394
500
事後
11.8(火) 11.30(水)
事前
9.29(水) 11.10(水) 10.27(水)
事後1回目 事後2回目
H22
事前
H23
事後
事前
11.8(火) 11.30(水)
事後1回目 事後2回目
H22
H23
南流出部
南流入部
2000
2000
1,482
42
14 29
1,673
1,636
3
1750
42
50
1,417
26
34
39
33
1000
1,495
750
1,450
1,605
1,552
1,345
500
交通量(台/12h)
1,551
1250
1500
1,360
1,355
30
12
1250
30
31
23
36
29
3
1,459
1,394
1,316
28
27
1000
750
1,325
1,318
1,406
1,327
1,259
500
250
250
0
0
9.29(水) 11.10(水) 10.27(水) 11.8(火)
事前
事後
事前
9.29(水) 11.10(水) 10.27(水)
11.30(水)
事前
事後1回目 事後2回目
H22
1,805
1,788
91 13
2000
111
108
1250
790
1000
1,736
1,735
750
1,662
18
50
1,520
500
722
250
11.8(火) 11.30(水)
事後1回目 事後2回目
H23
20
38
1750
23
1500
51
80
1,651
32
39
事前
南西流出部
1,968
1,862
2,020
交通量(台/12h)
1,857
31
1750
事後
H22
H23
南西流入部
2000
79
0
9.29(水) 11.10(水) 10.27(水)
1500
130
92
35
81
1,780
1,588
76
46
62
1500
1,781
1,718
1,667
250
0
1750
事後1回目 事後2回目
東流出部
1,885
1,883
交通量(台/12h)
2000
1,932
11.8(火) 11.30(水)
事前
H22
H23
東流入部
交通量(台/12h)
37
42 42
0
0
交通量(台/12h)
33
1,757
250
250
交通量(台/12h)
大型車
1,966
7 39
1750
15
51
24
2000
交通量(台/12h)
交通量(台/12h)
1750
1,841 1,845 1,751 1,790 1,775
二輪車
北流出部
2,018
29
1,818
1,998
30
1,721
1,666
105
40
13
91
99
1500
1250
1000
1,910
1,889
1,727
750
1,527
1,617
11.8(火)
11.30(水)
500
250
0
0
9.29(水) 11.10(水) 10.27(水)
事前
事後
事前
H22
11.8(火)
9.29(水) 11.10(水) 10.27(水)
11.30(水)
事前
事後1回目 事後2回目
H22
H23
図B-12
事後
事前
事後1回目 事後2回目
H23
調査 日当日の 交通量と前 年度実験 前 後の交通量
65
小型車
付録C 走行調査
利用 者評価ア ンケート
表 C-1
記録員:【
】.
】
走行調査アンケート(交差点出入ごとの評価)走行時
被験者:【
走行パターン:
【 A ・ B 】
走行開始時刻:
【 10/27 ・ 10/28 ・ 11/8 】 【
:
】.
発光鋲の
点滅
ほぼ同時・気付かない
発光鋲・歩行者・
発光鋲と歩行者の
どちらに先に気付いたか
歩行者存在・発光鋲状況(該当箇所に○をつける)
発光鋲の
有無
有・無
発光鋲・歩行者・
ほぼ同時・気付かない
発光鋲・歩行者・
ほぼ同時・気付かない
発光鋲・歩行者・
ほぼ同時・気付かない
発光鋲・歩行者・
ほぼ同時・気付かない
発光鋲・歩行者・
ほぼ同時・気付かない
発光鋲・歩行者・
ほぼ同時・気付かない
発光鋲・歩行者・
ほぼ同時・気付かない
発光鋲・歩行者・
ほぼ同時・気付かない
発光鋲・歩行者・
ほぼ同時・気付かない
名古屋工業大学・都市交通研究室
1.しやすい
1.しやすい
1.しやすい
1.しやすい
1.しやすい
1.しやすい
1.しやすい
1.しやすい
1.しやすい
2.まあまあしやすい
(特に気にならない)
2.まあまあしやすい
(特に気にならない)
2.まあまあしやすい
(特に気にならない)
2.まあまあしやすい
(特に気にならない)
2.まあまあしやすい
(特に気にならない)
2.まあまあしやすい
(特に気にならない)
2.まあまあしやすい
(特に気にならない)
2.まあまあしやすい
(特に気にならない)
2.まあまあしやすい
(特に気にならない)
2.まあまあしやすい
(特に気にならない)
3.ややしにくい
3.ややしにくい
3.ややしにくい
3.ややしにくい
3.ややしにくい
3.ややしにくい
3.ややしにくい
3.ややしにくい
3.ややしにくい
3.ややしにくい
4.しにくい
4.しにくい
4.しにくい
4.しにくい
4.しにくい
4.しにくい
4.しにくい
4.しにくい
4.しにくい
4.しにくい
運転のしやすさ評価
1.しやすい
(1) 運転のしやすさ(各流入部からの右左折直進のしやすさ評価)(流出直後~次の流入路に到達する前に確認)
有・無
流出部
左・右・横断・なし
流入部
左・右・横断・なし
進入
NO.
01
有・無
有・無
有・無
有・無
有・無
左・右・横断・なし
有・無
有・無
左・右・横断・なし
左・右・横断・なし
左・右・横断・なし
有・無
有・無
左・右・横断・なし
04
左・右・横断・なし
左・右・横断・なし
有・無
有・無
02
05
左・右・横断・なし
左・右・横断・なし
有・無
有・無
有・無
06
左・右・横断・なし
左・右・横断・なし
有・無
有・無
有・無
07
左・右・横断・なし
左・右・横断・なし
有・無
左・右・横断・なし
08
左・右・横断・なし
左・右・横断・なし
左・右・横断・なし
09
左・右・横断・なし
03
10
66
付録D アンケート調査
(1) 交 差 点 配 布 ア ン ケ ー ト 調 査 票
図 D-1
交 差点 配布 ア ンケ ート 調 査票 (表 面 )
67
図D-2
交差点 配布ア ン ケート調査 票(裏面 )
68
(2) ポスティング用調査票
図 D-3
ポ ステ ィン グ 用調 査票 ( 表面 )
69
図D-4
ポステ ィング 用 調査票(裏 面)
70
非売品
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安全でエコなラウンドアバウトの実用展開に関する研究(Ⅲ)
報 告 書
発行日 平成 24 年 3 月
発行所 公益財団法人 国際交通安全学会
東京都中央区八重洲 2-6-20 〒104-0028
電話/03(3273)7884
FAX/03(3272)7054
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