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第二期昭島市情報化推進計画(PDF:4366 KB)

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第二期昭島市情報化推進計画(PDF:4366 KB)
第二期昭島市情報化推進計画
平成 28 年(2016 年)5月
昭
島
市
あああ
目次
第二期昭島市情報化推進計画を策定するにあたり ................................................................ 1
第 1 章 第二期昭島市情報化推進計画の総論 ....................................................................... 3
1.
計画策定における基本的な考え方 .............................................................................. 3
2.
計画の位置づけと期間................................................................................................. 4
3.
情報化の基本理念及び目標 ......................................................................................... 5
4.
情報化推進に向けた重点的な取り組み ....................................................................... 6
4.1
ICT ガバナンスの強化 ......................................................................................... 6
4.2
情報セキュリティの強化...................................................................................... 8
第2章 情報化の施策体系及び事業.....................................................................................11
1.
情報化施策体系 ..........................................................................................................11
2.
事業及び取り組み ...................................................................................................... 14
2.1
市民ニーズに合った e(いい)行政サービスの提供 ......................................... 15
2.2
市民から信頼される e(いい)行政運営の実現 ................................................ 18
2.3
ともに支え合い 未来を育み 活気あふれる e(いい)まちづくりの推進 ........ 22
第3章 第二期昭島市情報化推進計画の推進 ..................................................................... 25
1.
進行管理方法 ............................................................................................................. 25
2.
情報化事業シート(仮称)の活用について .............................................................. 26
3.
情報化推進スケジュール ........................................................................................... 28
第4章 資料編 .................................................................................................................... 29
1.
2.
3.
内部環境変化 ............................................................................................................. 29
1.1
第一期計画の主な取り組み ................................................................................ 29
1.2
第一期計画の進捗状況 ....................................................................................... 32
1.3
庁内における問題点・ニーズ ............................................................................ 34
1.4
庁内における課題............................................................................................... 35
外部環境変化 ............................................................................................................. 36
2.1
国における情報化政策の動向 ............................................................................ 36
2.2
都における情報化政策の動向 ............................................................................ 39
2.3
自治体における情報化の動向 ............................................................................ 40
2.4
国民や企業等におけるICTの動向 ................................................................. 45
2.5
外部環境変化による問題点・ニーズ ................................................................. 47
2.6
外部環境変化による課題.................................................................................... 48
関連要綱 .................................................................................................................... 49
i
4.
用語解説集 ................................................................................................................. 53
ii
第1章
第2章
第3章
第4章
第二期昭島市情報化推進計画を策定するにあたり
第一期計画策定の背景と現状
本市は、
「住民サービス向上」や「地域の活性化」、
「効率的な情報システムの再構築」
等を視野に入れた「昭島市情報化推進計画」
(以下「第一期計画」という。
)を平成 22
年度(2010 年度)からの 5 か年計画として策定しました。この第一期計画が策定され
た当時は、長引く景気低迷で地方公共団体の財政状況も逼迫し、その一方で、増加す
る行政需要へ対応するために、行政運営において効率的かつ効果的な ICT の活用や、
全庁横断的な情報化の取り組みが求められていた時代でもありました。
本市では、このような社会情勢や財政状況を背景として第一期計画を策定し、これ
に基づき情報化を推進してきました。この第一期計画策定により、ICT による市民サ
ービスの更なる向上を図るため、基幹系(住民情報)業務等の情報システムの見直し
や情報セキュリティへの取り組みの強化などにより効率性や経済性及び安全性の改善
を実施するなどの対応を進めてきました。
しかし一方で、第一期計画では、国の新たな政策、自治体を取り巻く社会環境及び
ICT 環境の変化など様々な理由によって、計画期間内にすべての情報化施策が目標を
達成できたわけではありませんでした。
情報化政策の変遷
この第一期計画の策定以降、ICT 国家戦略として、平成 22 年(2010 年)5 月には「新
たな情報通信技術戦略」
、平成 25 年(2013 年)6 月には「世界最先端 IT 国家創造宣言」
(後述の P36 第 4 章 資料編 2.1(2)を参照)が公表されています。これに伴う国の
情報化政策も変化はありましたが、その中でも先の「東日本大震災」
(平成 23 年(2011
年)3 月)の影響が非常に強く、これを機に国の情報化政策も大きく転換することにな
っています。そのため、
「世界最先端 IT 国家創造宣言」の中で「世界一安全で災害に
強い社会」を実現することが明確に挙げられています。
例として、
「社会保障・税番号制度」
(以下「マイナンバー制度」という。後述の P44
第 4 章 資料編 2.3 (2)
(ウ)を参照)を挙げれば、導入当初の活用分野は「社会保
障」と「税」の分野となっていましたが、その後「災害対策」を対象分野に加えてい
ることからも分かります。
また、第一期計画策定において情報化施策立案時の指針となった「新電子自治体推
進指針」
(総務省、平成 19 年(2007 年))については、
「世界最先端 IT 国家創造宣言」
を受けて、
「電子自治体の取組みを加速するための 10 の指針」
(総務省、平成 26 年(2014
年)3 月)
(後述の P38 第 4 章 資料編 2.1(3)を参照)が新たに策定されており、自
治体が取り組むべき指針となっています。
1
第1章
第2章
第3章
第4章
このような社会情勢の中、マイナンバー制度の開始を半年後に控えた平成 27 年 5 月
に発生した日本年金機構の情報漏洩事件は、多くの個人情報を取り扱う自治体にとっ
て、改めて重大な警鐘となりました。
国ではこの事件を踏まえて、地方公共団体における情報セキュリティに係る抜本的
な強化対策を検討する組織を立ち上げ、平成 27 年 8 月に「自治体情報セキュリティ緊
急対策について」と題した中間報告で 3 つの提言を取りまとめ、そのうち「組織体制
の再検討、職員の教育・訓練の徹底」と「インシデント即応体制の整備」の 2 つの提
言について、具体的な強化対策を示しました。
また平成 27 年 11 月に示された最終報告「新たな自治体情報セキュリティ対策の抜
本的強化に向けて」では、中間報告の際に示された残る 1 つの提言「インターネット
のリスクへの対応」についての具体的な強化対策「自治体情報システム強靭性向上モ
デル」が示され、平成 29 年 7 月に予定される地方自治体間の情報連携開始までに、全
国の自治体がこの強化対策に基づいた情報セキュリティ対策の整備を完了させること
となりました。
本市においては、国の情報化政策への対応を行うとともに、個人情報の保護に向け
た組織体制の整備や情報セキュリティの強化に関する新たな課題に対しては、とりわ
け積極的に取り組むべきであると考えます。
2
第1章
第1章
1.
第2章
第3章
第4章
第二期昭島市情報化推進計画の総論
計画策定における基本的な考え方
第二期昭島市情報化推進計画(以下「本計画」という。
)の策定にあたっては、基本
的な考えとして 2 つの大きな柱を軸に計画を策定する必要があると考えました。
【第一の柱】としては、マイナンバー制度の開始に伴う個人情報の保護に向けた組
織体制の整備や情報セキュリティ対策の強化と、今後の社会環境の変化や行政に対す
る需要の動向、大規模な災害対策など、それらに対応可能な組織や業務を支える柔軟
かつ強固な情報基盤の構築が不可欠であると考えています。
【第二の柱】としては、第一期計画での情報化施策の継続性を確保するということ
です。第一期計画で積み上げてきた情報資産や経験・ノウハウ等を有効に活かし、さ
らなる市民サービスの向上や行政運営の効率化、地域の活性化等に資する情報化施策
を継続していくことが重要であると考えています。
図 1-1 本計画策定
本計画策定における基本的な考え方
策定における基本的な考え方
3
第1章
2.
第2章
第3章
第4章
計画の位置づけと期間
本計画は、最上位計画である「第五次昭島市総合基本計画」との整合性を考慮して策定
します。
本計画の期間は、平成 28 年度(2016 年度)を初年度とし、平成 32 年度(2020 年度)
までの 5 年間とします。
図 1-2 「総合基本計画」及び「情報化推進計画」の計画期間
4
第1章
3.
第2章
第3章
第4章
情報化の基本理念及び目標
本計画では、「第五次昭島市総合基本計画」の基本理念でもある「ともにつくる 未来
をつなぐ 元気都市 あきしま ~人も元気 まちも元気 緑も元気~」との整合性を
鑑み、情報化の基本理念及び目標について、次のとおりとしています。
【情報化の基本理念】
基本理念:
アイシーティ(ICT)で期待に応えます 市⺠が主役のまちづくり
〜 e(いい)まち・あきしま 〜
マイナンバー制度の開始に伴い、個⼈情報の保護に向けた組織体制の整備や情報セキュリ
ティ対策の強化を重要課題と位置づけ、情報資産の安全・安心を確保した上で、ICT を有効
に利活⽤して、更なる住⺠の利便性の向上、簡素で効率的な市政の実現、魅⼒あるまちづく
りに向けた取り組みを目指していきます。
【情報化の目標】
・目標Ⅰ:市⺠ニーズに合った e(いい)⾏政サービスの提供(顧客としての市⺠)
・目標Ⅱ:市⺠から信頼される e(いい)⾏政運営の実現(株主(納税者)としての市⺠)
・目標Ⅲ:ともに支え合い 未来を育み 活気あふれる e(いい)まちづくりの推進
(まちづくりの主体としての市⺠)
5
第2章
第1章
4.
第3章
第4章
情報化推進に向けた重点的な取り組み
本計画では、さらなる情報化推進体制の確立による ICT ガバナンスの強化と、マイナン
バー制度の開始や情報セキュリティに関する新たな国の方針などを踏まえた情報セキュリ
ティ対策の強化について重点的に取り組んでいきます。
4.1 ICT ガバナンスの強化
ICT ガバナンスの強化に向けては、本市の情報化を推進する際には全庁的な取り組みと
して導入や運用を管理する体制を確立していきます。
具体的な推進体制は、最高情報統括責任者(CIO:副市長)をトップとした「情報化戦略
本部」を最高意思決定組織とし、その配下に情報化推進に係る活動の中心的な役割を果た
す「情報化推進検討会議」と、情報セキュリティ対策に係る活動の中心的な役割を果たす
「情報セキュリティ委員会」を配置し、引き続き「情報化推進」並びに「情報セキュリテ
ィ対策」の両面から本市の情報化を総合的に推進していきます。
また、各業務部門が自発的かつ積極的に ICT 利活用の推進を図るため「ICT 推進リーダ
ー」の育成を図っていきます。
「ICT 推進リーダー」は、同時に「情報セキュリティリーダ
ー」の役割も兼務し、情報セキュリティ対策の強化にも取り組んでいきます。
さらに、昨今の急速な ICT の技術革新への対応や、市民目線による ICT の活用及びサー
ビス提供が求められています。このような背景から、ICT の専門的知識を有する外部有識
者として「情報化戦略本部」へ助言や提言、提案などを行う「最高情報統括責任者補佐官
(CIO 補佐官)
」を引き続き設置していきます。
今後も本市においては、市民ニーズに合った ICT 活用によるサービス提供を推進すると
ともに、市民の安全・安心を確保するため、情報化推進体制の強化を図っていきます。
表 1-1 本市における情報化の推進体制一覧
№
組織名等
1
情報化戦略本部
2
最高情報統括責任者補
3
情報化推進検討会議
体制
主な役割
本部⻑:CIO(副市⻑)
最高情報統括責任者(CIO)
をトップとする本市の情報化に関
する最高意思決定組織。
ICT の外部有識者として設置
し、専門家としての知⾒や、市⺠
目線での外部チェック機能として
の役割を果たす。
情報化推進計画の進⾏状況の
評価及び地域情報化や法改正
に伴うシステム改修等に関連する
事項の調査・検討を⾏う。
必要に応じてワーキンググループを
設置し、関連事項の調査・研究
を実施する。
メンバー:部⻑職
外部有識者
佐官(CIO 補佐官)
会⻑:総務部⻑
メンバー:課⻑職
6
第1章
№
組織名等
4
情報セキュリティ委員会
5
ICT 推進リーダー
6
事務局
第2章
第3章
体制
委員⻑:総務部⻑
メンバー:課⻑職
各業務部門職員
兼情報セキュリティリーダー
総務部情報推進課
主な役割
本市の情報セキュリティポリシーに
基づき設置。情報セキュリティ対
策に関する施策の⽴案・推進を
⾏う。
各業務部門が自発的かつ積極
的に ICT の利活⽤の推進を図る
とともに、「情報セキュリティリーダ
ー」の役割も兼務し、情報セキュ
リティ対策の強化にも合わせて取
り組む。
情報化施策全般に関する業務
を推進し、各課の ICT 利活⽤の
推進や情報セキュリティ対策の推
進を支援する。
図 1-3 情報化推進体制(案)
7
第4章
第1章
第2章
第3章
第4章
4.2 情報セキュリティの強化
情報セキュリティ対策は、
「組織的・人的対策」、
「技術的対策」、
「物理的対策」の 3 種類
に分類することができます。また、それぞれの対策を「防止」、「検出」、「対応」の 3 つの
機能で分類することができます。これらの対策と機能を網羅することで、情報セキュリテ
ィ対策をより効果的に実行することができると考えています。
本市では、これらの事を考慮し、情報セキュリティ対策として以下のような事業や取り
組みを実施していきます。
(1)組織的・人的対策
組織として、情報セキュリティ対策を確実に実施するには、情報セキュリティ対策に取
り組む十分な組織体制を整備し、一元的に情報セキュリティ対策を実施する必要があると
考えます。このため、本市としても情報セキュリティ対策のための組織体制、権限及び責
任を情報セキュリティポリシーにおいて、明確に規定し整備をすることで適切な情報セキ
ュリティ対策の推進に努めていきます。
具体的な取り組みの一つとして、
市町村 CSIRT の設置に向けた取り組みが上げられます。
CSIRT とは、一般的に情報システムに対するサイバー攻撃等の情報セキュリティインシ
デントが発生した際に、発生した情報セキュリティインシデントを正確に把握・分析し、
被害拡大防止、復旧、再発防止等を迅速かつ的確に行うことを可能とするための機能を有
する体制のことです。
CSIRT の持つ機能や在り方は組織によって様々ではありますが、本市では、情報セキュ
リティに関する統一的な窓口の機能を有する体制を整備することが重要であると考え、そ
の体制の整備に取り組んでいきます。
また組織体制の整備とともに、職員個々の情報セキュリティに対する意識の向上にも引
き続き注力していきます。職員に対する情報セキュリティ研修については、これまで集合
研修を中心に職層別や業務別など多様なカリキュラムを取り入れて実施してきました。
さらには集合研修に加えて、ワークショップ形式の研修などにも取り組み、職員及び職
場が自発的に情報セキュリティへ取り組む環境づくりを図り、職場での情報セキュリティ
リーダーの育成にも注力していきます。
さらには情報セキュリティ監査(外部・内部)を引き続き実施することで、日頃の情報
セキュリティへの取り組みについて効果測定を実施していきます。
(2)技術的対策
技術的な対策として、情報システム全体の強靭性を向上していきます。
本市ではこれまでの間、情報セキュリティの三原則である「機密性」、「可用性」、「完全
性」に配慮した情報システムの整備を推進してきましたが、自治体の情報化を取り巻く環
8
第1章
第2章
第3章
第4章
境の変化により、それに応じた情報セキュリティ対策も適切かつ柔軟な対応を迅速に行う
ことも合わせて取り組んでいきます。
またマイナンバー制度の開始に伴い、平成 29 年7月には全国の自治体による情報連携が
始まることも踏まえて、国では全国の自治体に対して「新たな自治体の情報セキュリティ
対策の抜本的強化」についてその方針を示したところです。
本市としても、この方針に基づいた情報システム全体の強靭性への取り組みを推進して
いきます。
具体的な取り組みとして、情報システムが接続するネットワークを再構築し、インター
ネットのリスクへの対応を図ります。
これまで個人情報を取り扱う情報システムについては、外部との通信を一切遮断し、情
報の外部持ち出しができない仕組みを整備してきましたが、今後は個人番号を利用しない
情報システム(LGWAN 接続系)についても、インターネットによるリスクを分断する対
策を図っていきます。
また情報システムを利用する職員の権限をより厳格化するため、利用者認証を強化する
とともに、情報システムの適切な運用管理を監視するシステムを構築していきます。
さらに国ではインターネット接続口を都道府県単位で集約し、傘下の自治体が高度な情
報セキュリティ対策を共同で利用する方針(自治体情報セキュリティクラウド)も打ち出
しており、今後の動向を見極めながら適切な対応を図っていきます。
図 1-4 セキュリティ対策の抜本的強化で求められる情報システムのイメージ
9
第1章
第2章
第3章
第4章
(3)物理的対策
物理的な側面での対策として、情報資産の適切な保護と管理に取り組んでいきます。
個人情報を始めとする情報資産の取り扱いについては、個人情報保護条例や情報セキュ
リティポリシーの規程により厳格に定められています。一般的に情報資産とは、情報シス
テムそのものと情報システムで取り扱う全ての情報を指し、システムから紙などの有体物
に出力された情報も含まれます。
これまで本市では、情報セキュリティポリシーの規程に基づき、サーバ機器類が収納さ
れる重要機密室に入退室管理システムを導入するとともに、停電時の非常用電源の確保と
定期的な確認や、老朽化した機器の交換作業時におけるデータの完全消去などの対策を図
ってきました。
今後もこれらの取り組みを継続して実施するとともに、庁内全体の情報資産の取り扱い
についても、適切な保護と管理を徹底する取り組みを推進していきます。
10
第1章
第2章
第2章
第3章
第4章
情報化の施策体系及び事業
本章では、前章の重点的な取り組みのほか、施策体系に基づいた様々な事業や取り組み
について取りまとめました。
1.
情報化施策体系
本計画では情報化施策体系について、「第五次昭島市総合基本計画」との整合性を図ると
ともに、社会環境変化や ICT の進展や新たな行政の抱える課題解決に向けた ICT の利活用
などを考慮し、第一期計画の情報化施策体系を、以下の 2 つの観点から見直しています。
(1) 情報化施策体系の階層の見直し
第一期計画では、下図のような 6 階層という深い階層となっていました。そのため、
上位階層から下位階層までの結びつきが確認しづらいものとなっていました。
そこで本計画では、「基本施策」と「情報化施策」を「情報化施策」として統合し、
下図のような 5 つの階層に見直しました。
図 2-1 情報化施策体系の階層の見直しイメージ
(2) 第五次昭島市総合基本計画との整合性の確保
本計画の情報化施策体系では、事業が一意に特定できるように「事業コード」を付
番して事業単位に管理していきます。
「事業」と「第五次昭島市総合基本計画」の整合性を図るために、本計画の「情報
化事業シート(仮称)」
(P26 第 3 章 第二期昭島市情報化推進計画の推進 2. 記載)に
「第五次昭島市総合基本計画」の「施策コード」を記載し明確に関連付けます。
11
第1章
第2章
第3章
第4章
つまり、本計画における「事業」は、この「施策コード」により「第五次昭島市総
合基本計画」の施策に基づき実施されることにもなります。
図 2-2 情報化施策体系の階層の見直しイメージ
12
第1章
第2章
第3章
第4章
情報化の基本理念及び目標に基づき、本市として取り組むべき基本方針・情報化施策を
下図に示します。
図 2-3 情報化施策体系(全体像)
13
第1章
2.
第3章
第2章
第4章
事業及び取り組み
第一期計画の各施策と計画事業の実施状況について、庁内の関係部署に調査を実施し、
問題点やニーズ、課題について整理を行い(後述の P34 第 4 章 資料編 1.3、P35 1.4、P47
2.5、P48 2.6 を参照)、第二期計画で今後実施していく事業及び取り組みについて、情報
化施策体系に沿って取りまとめました。
なお、事業及び取り組みの実施や検討にあたっては、以下の 3 点を基本的な考え方とし
ます。
①
評価
情報化計画で策定された事業は、社会環境の変化に対応できるよう、継続的に評価
し、改善していきます。
②
実行性
計画を実行するにあたり限られた資源を最大限に活用するため、計画の実現性と成
果の視点から優先的に取り組むべき事業を選択し、コストを考慮した上で、集中的に
取り組んでいきます。
③
柔軟性
計画策定時に想定していた技術では困難であった事業が新たな技術により実現可能
になるなど、情報化における環境の変化に対応できるよう、
「情報化事業シート(仮称)」
(後述の P26 第 3 章第二期昭島市情報化推進計画の推進 2.を参照)を活用し、必要
に応じて事業の追加や見直しを行っていきます。
14
第1章
第3章
第2章
第4章
2.1 市民ニーズに合った e(いい)行政サービスの提供
情報化施策体系 情報化の目標
Ⅰ.市民ニーズに合った e(いい)行政サービスの提供
市民が必要な時に必要な情報を容易に入手できる情報提供や情報発信の手段(ホームペ
ージや電子メールなど)を拡充し、市民の持つ個々の属性や多様なニーズに応えていきま
す。
また、納税や各種証明書の発行などの市民に身近な場所での行政窓口の充実や電子行政
サービスについて、より一層の利便性向上を図っていきます。
さらに、変化する市民ニーズを「市民の声」から収集・反映し、市民個々に応じた情報
提供・発信や電子行政サービスなどの実現を目指していきます。
(1) 主な施策
【基本方針】Ⅰ-1
市民へのタイムリーな情報提供
情報提供・
情報提供・発信
【情報化施策】Ⅰ-1-1 ホームページ等による情報提供の拡充
ホームページ等による情報提供の拡充
ホームページや Twitter(ツイッター)など即応性に優れた情報発信媒体を最大限に活用
したタイムリーな情報提供に引き続き努めていきます。
また、
「訪れてみたい」、
「住んでみたい」と思えるまちづくりの一環として、市の魅力を
発信する市で制作した動画コンテンツを配信していくなど、情報発信や提供内容の拡充を
推進していきます。
【主な事業や取り組み】
市議会インターネット映像配信サービス
昭島市公式 Twitter(ツイッター)の利用促進
昭島市携帯メール情報サービスによるタイムリーな情報発信
動画制作・発信(市の魅力発信)〔予定事業〕
【情報化施策】Ⅰ-1-2 多様な情報提供手段の最適化
広報誌のようなアナログの情報と、ホームページのようなデジタルの情報における情報
量の偏りや情報提供タイミングのズレなどによる情報格差の発生を極力是正します。各種
の情報媒体の特性を活かしながら、全ての情報伝達手段が融合するように、情報提供手段
の最適化を図っていきます。
15
第1章
第3章
第2章
第4章
【主な事業や取り組み】
広報紙とホームページの連携強化
ホームページにおけるデジタルブックの利用拡充
【基本方針】Ⅰ-2
市民に身近な行政窓口の拡充
【情報化施策】Ⅰ-2-1 身近な行政窓口の拡充
現在行っている「市税等のコンビニエンスストア収納」や「市税等のクレジット収納」
に加え、今後、コンビニエンスストアでの、住民票や印鑑証明書等を取得することができ
るコンビニエンスストア交付事業の開始を予定しています。引き続き、市民生活に浸透し
ている既存のサービスなどを活用し、市民に身近な行政窓口の更なる充実を図っていきま
す。
【主な事業や取り組み】
住民票等のコンビニエンスストア交付システム導入〔予定事業〕
市税等のコンビニエンスストア収納の利用促進
市税等のクレジット収納の利用促進
【情報化施策】Ⅰ-2-2 電子行政サービスの拡充
ICT を活用したワンストップサービスの取り組みとして、東京電子自治体共同運営サー
ビスの「電子申請・電子調達サービス」を提供しています。また市内公共施設の利用予約
については、公共施設予約システムを運用しています。
これらのサービスについて、申請手続き業務の拡充やサービスの利用促進への取り組み
を推進していきます。
【主な事業や取り組み】
公共施設予約システムの利用促進
東京電子自治体共同運営サービス(電子申請・電子調達)の利用促進
16
第1章
【基本方針】Ⅰ-3
第3章
第2章
第4章
個に応じたe行政サービスの提供
【情報化施策】Ⅰ-3-1 個に応じた情報提供・発信
マイナンバー制度の開始に伴い、平成 29 年(2017 年)1 月には、国民1人ひとりのポー
タルサイト「マイナポータル」の運用開始が予定されています。
このマイナポータルの利活用を含めて、1人ひとりに合った行政サービスの情報提供や
発信の手法について検討していきます。
【主な事業や取り組み】
マイナポータルを活用した情報提供・発信の検討
【情報化施策】Ⅰ-3-2 「市民の声」の反映推進
本市では、これまでもホームページから「市民の声」として市民の皆様からのご意見・
ご要望・ご提案等を電子メールで受け付けており、電子メール以外にも市内の公共施設や
駅構内に「市長への手紙」を設置し、FAX でも受け付けてきました。
市民の皆様から寄せられた「市民の声」を今後も庁内で情報共有し、行政サービスの更
なる改善や充実に役立てていきます。
【主な事業や取り組み】
ホームページへの「よくある質問(FAQ)」の掲載
【情報化施策】Ⅰ-3-3 電子行政サービスの拡充(再掲)
電子行政サービスの拡充(再掲)
ICT を活用したワンストップサービスの取り組みとして、東京電子自治体共同運営サー
ビスの「電子申請・電子調達サービス」を提供しています。また市内公共施設の利用予約
については、公共施設予約システムを運用しています。
これらのサービスについて、申請手続き業務の拡充やサービスの利用促進への取り組み
を推進していきます。
【主な事業や取り組み】
公共施設予約システムの利用促進(再掲)
東京電子自治体共同運営サービス(電子申請・電子調達)の利用促進(再掲)
17
第1章
第3章
第2章
第4章
2.2 市民から信頼される e(いい)行政運営の実現
情報化施策体系 情報化の目標
Ⅱ.市民から
から信頼される
Ⅱ.市民
から
信頼される e(いい
e(いい)
いい)行政運営の実現
ICT を活用した業務改革や情報システムの最適化を推進し、業務コストの削減や ICT 投
資の適正化を図り、組織的にコントロールされた効率的でスリムな行政運営を目指してい
きます。
また、市民に対する透明性を確保するために、「オープンデータ」を推進していきます。
このオープンデータは、行政が保有する公共データを二次利用可能な形で提供するため、
単に「透明性・信頼性の向上」だけが目的ではなく、「市民参加・協働の推進」や「経済活
性化・行政の効率化」にもつなげられるものです。
さらに、今後のマイナンバー制度の本格的な運用への対応や、災害などによる業務の継
続性の確保など、市民に対する安全・安心な行政運営を目指していきます。
(1) 主な施策
【基本方針】Ⅱ-1
e 行政運営による業務・コストの最適化
【情報化施策】Ⅱ-1-1 業務・システムの最適化
マイナンバー制度における平成 29 年(2017 年)7 月開始予定の地方公共団体間での情報
連携を踏まえて、安全で適切なシステム整備に努めるとともに、庁内の情報システムの最
適化にも引き続き対応していきます。
また国ではマイナンバーの利用範囲拡大を検討していますが、その動向も注視し情報収
集を図りながら適切な対応に努めていきます。
【主な事業や取り組み】
社会保障・税番号制度対応(平成 26 年度~)
自治体法制執務支援機能の拡充〔予定事業〕
保健福祉総合システム機器更新(平成 27 年度~)
ネットワーク機器更新〔予定事業〕
戸籍システム機器更新〔予定事業〕
ICT を活用した紙媒体減量の研究
18
第1章
第3章
第2章
第4章
【情報化施策】Ⅱ-1-2 ICTガバナンスの強化
本計画後述の「P26 第 3 章 第二期昭島市情報化推進計画の推進 2. 」に記載している「情
報化事業評価シート(仮称)」を活用することで、情報化推進計画の進行管理方法と PDCA
サイクルの確立を目指していきます。
また、自治体クラウド(後述の P43 資料編 2.3 (2)
(ア)を参照)等の新たなシステ
ム利用形態等への対応も考慮し、ICT に関わる「調達・開発・運用」を重点分野として位
置付けて、その考え方や手順・ノウハウを可視化することで、継続的に ICT の費用対効果
を高められるように強化を図っていきます。
【主な事業や取り組み】
情報化推進体制の強化(情報セキュリティリーダーの新設)
「情報化事業評価シート(仮称)
」を活用した進行管理方法と PDCA サイクルの確
立
【情報化施策】Ⅱ-1-3 庁内コミュニケーション基盤の強化
ICT を活用したコミュニケーションツール(グループウェア)を基に、各職員間での業
務の知識やノウハウの共有に活用し、業務の効率化と職員の経験や能力に偏らないサービ
スレベルの確保に努めていきます。
【主な事業や取り組み】
コミュニケーションツールを活用した業務知識やノウハウの共有
グループウェアクライアント更新(平成 27 年度~)
【基本方針】Ⅱ-2
e 行政運営による行政の透明性の確保
【情報化施策】Ⅱ-2-1 オープンデータの推進
国や先進自治体での取り組みを参考に「オープンデータ」を推進し、行政の透明性の確
保を目指していきます。
(オープンデータの説明については、後述の「P44 第 4 章 資料編 2.3 (2)
(イ)
」を参照)
19
第1章
第3章
第2章
第4章
【主な事業や取り組み】
国の「電子行政オープンデータ戦略」に基づくオープンデータ公開に向けた検討
【基本方針】Ⅱ-3
安全・安心な e 行政運営の推進
【情報化施策】Ⅱ-3-1 情報セキュリティの強化
マイナンバー制度の開始に伴う情報セキュリティ対策の強化の一環として、CISO(最高
情報セキュリティ責任者)や、サイバー攻撃等によるセキュリティ事故等に対応する専門
組織(CSIRT)の設置など、組織体制の強化を図っていきます。
また、全職員への情報セキュリティ研修の継続実施といった人的対策だけでなく、すべ
ての庁内ネットワークからインターネットなどの外部環境を分離するなどのネットワーク
基盤の強化や、職員認証機能の強化などの技術的対策、情報資産を適切に保護・管理する
などの物理的対策も併せて図ることで、個人情報などの情報資産の保護対策に努めていき
ます。
【主な事業や取り組み】
〔組織的・人的対策〕
組織体制の強化(市町村 CSIRT の設置に向けた取り組み)
職員に対する情報セキュリティ研修の継続的実施
情報セキュリティ監査(外部・内部)の実施
情報セキュリティポリシーの適宜見直し
〔技術的対策〕
庁内ネットワークの再構築
職員認証システムの導入
端末監視システムの強化
自治体情報セキュリティクラウドへの接続に向けた取り組み
〔物理的対策〕
情報資産の適切な保護・管理への取り組みの強化
重要機密室へのセキュリティ強化
20
第1章
第3章
第2章
第4章
【情報化施策】Ⅱ-3-2 ICT-BCP(業務継続計画)の見直し
マイナンバー制度の開始を受け、「緊急時対応計画」や「緊急時対応個別マニュアル」に
ついて、今後、随時見直しを実施するとともに、防災訓練などの機会を利用し「緊急時対
応計画」や「緊急時対応個別マニュアル」に基づくシミュレーションを実施するなど円滑
な運用体制の構築に努めていきます。
【主な事業や取り組み】
「緊急時対応計画」及び「緊急時対応個別マニュアル」の適宜見直し
「緊急時対応計画」及び「緊急時対応個別マニュアル」に基づく訓練の継続実施
21
第1章
第3章
第2章
第4章
情報化施策体系
情報化の目標
2.3
ともに支え合い 未来を育み
活気あふれる e(いい)まちづくりの推進
Ⅲ.ともに支え合い 未来を育み 活気あふれる e(いい)
いい)まちづくりの推進
まちづくりの推進
地域の安全・安心の確保や、健やかな暮らしと住民参加・参画・協働の促進の支援など、
「ともに支え合う」まちづくりに ICT を活用していきます。
また、新しい時代を担う子供の教育環境の充実や、市民の生涯学習が可能な環境づくり
など、
「未来を育む」まちづくりに ICT を活用していきます。
さらに、地域産業を活性化し「活気あふれる」まちづくりにも ICT を活用していきます。
(1) 主な施策
【基本方針】Ⅲ-1
ともに支え合う e まちづくり
【情報化施策】Ⅲ-1-1 ICT活用による安全・安心の確保
防災に関する情報の多様な伝達手段の整備に加え、非常時に自動で各種情報を伝達でき
るシステム等、市民により迅速かつ正確に情報を伝達できる仕組みの構築を図っていきま
す。
【主な事業や取り組み】
防災行政無線を補完する電話応答サービスの活用
昭島市携帯メール情報サービスによるタイムリーな情報発信(再掲)
「全国瞬時警報システム(J-ALERT)
」からの緊急情報提供
【情報化施策】Ⅲ-1-2 ICT活用による健やかな暮らしの支援
市民の健康づくりや子育てを支援するための情報提供や地域のコミュニティ活動に ICT
を有効的に活用していきます。
【主な事業や取り組み】
自治体情報アプリなど ICT を利用した情報提供手段の拡充を検討
22
第1章
第3章
第2章
第4章
【情報化施策】Ⅲ-1-3 ICT活用による住民参加・参画・協働の促進
市民や市民活動団体、企業等と、お互いの役割と責任を明確にしながら連携を図り、行
政としてその活動を支援していきます。具体的には、「市民参加」、「市民参画」及び「市民
との協働」を促進するため、国や先進自治体での取り組みを参考に「オープンデータ」を
推進し、市が保有する公共データの提供及びその活用について検討していきます。
【主な事業や取り組み】
国の「電子行政オープンデータ戦略」に基づくオープンデータ公開に向けた検討
(再掲)
【基本方針】Ⅲ-2
未来を育む e まちづくり
【情報化施策】Ⅲ-2-1 学校教育におけるICT化の推進
学校教育分野において、デジタル教材やタブレット端末などを導入し ICT の活用を推進
し、未来を担う子供たちを育んでいきます。
【主な事業や取り組み】
教育用タブレット端末等導入(平成 27 年度~)
【情報化施策】Ⅲ-2-2 生涯学習におけるICT化の促進
生涯学習をはじめ、文化やスポーツの推進にも、ICT を有効に活用して、誰もが自らの
意志で学ぶことができ、地域のつながりと絆を実感することで、豊かな人生を送れる地域
社会の実現を目指します。
【主な事業や取り組み】
市民図書館のオンラインデータベース導入〔予定事業〕
23
第1章
第3章
第2章
第4章
【情報化施策】Ⅲ-2-3 地域ICT人材の育成・活用の支援
ICT の活用の場面を拡大していく一方で、ICT の恩恵を享受できない市民に対する情報
格差の是正も重要な課題となります。
そういった市民を支援するため、ICT 人材の育成については、地域コミュニティの中で
活動するボランティアや団体等に所属する人材を対象に、情報リテラシーの向上を図って
きており、今後も継続して取り組んでいきます。
【主な事業や取り組み】
ICT を活用した団体活動ステップアップ研修への取り組み
中高年パソコン講習会の実施
市民が利用できる ICT インフラの整備促進
【基本方針】Ⅲ-3
活気あふれる e まちづくり
【情報化施策】Ⅲ-3-1 ICT活用による地域活性化の支援
産・官・学・金・労・言連携の促進や地域産業の活性化に ICT を活用した支援策につい
て、検討を進めていきます。
また、市立会館や学校など、公共施設を市民に開放し、市民が日常生活で繰り広げる様々
な活動を支えていますが、このような市民活動を ICT の活用により支援し、地域の活性化
に努めていきます。
【主な事業や取り組み】
国の「電子行政オープンデータ戦略」に基づくオープンデータ公開に向けた検討
(再掲)
ICT を活用した「あきしまの水」ブランド事業の PR 活動
市内企業の PR 動画の配信
公共施設予約システムの利用促進(再掲)
24
第1章
第3章
1.
第2章
第3章
第4章
第二期昭島市情報化推進計画の推進
進行管理方法
本計画では、情報化施策を着実に実現するため、事業の進行状況を的確に把握し評価す
る進行管理の仕組みを確立していくことが重要であると考えています。
具体的な各事業の進行管理については、「情報化事業シート(仮称)」の活用を中心に、
PDCA サイクルによる進行管理を行っていきます。各業務部門において実施予定の事業に
ついて、「情報化事業シート(仮称)」に、実施内容及び実施スケジュール、活動指標、目
標値等を設定し(Plan)、その内容に基づき事業を実施(Do)していきます。翌年度当初に
情報部門が実施状況を確認(Check)して取りまとめ、「情報化推進検討会議」にて各事業
の中で効果的に ICT が活用されているかなどを評価・検討し、その結果に基づき「情報化
戦略本部」が情報化施策の実現に向けての有効性を判断していきます。
各業務部門においては、この判断に基づき事業を見直し(Action)
、その内容を「情報化
事業シート(仮称)
」へ反映していきます。
進行管理方法について、下図に示します。
図 3-1 進行管理方法(案)
25
第1章
2.
第2章
第3章
第4章
情報化事業シート(仮称)の活用について
本計画では、実施する情報化に関する事業について、「情報化事業シート(仮称)」をツ
ールとして活用し進行管理等を行っていきます。
この「情報化事業シート(仮称)」の活用には、事業におけるライフサイクルの工程に合
わせて次の 3 つの目的があります。
(1) 進行管理ツールとしての活用
計画に基づく実施段階(Do)において、事業の進行管理を行うツールとして活用す
ることを目的としています。
庁内で統一された進行管理基準に基づき、事業の進行状況を管理することで、第三
者から見た事業の透明性を確保することができます。
(2) 事業評価支援ツールとしての活用
実施した事業の評価段階(Check)において、事業の評価を行うための支援ツールと
して活用することを目的としています。
具体的な活用例としては、本シートで事業についてその活動実績を評価し、関連す
る事務事業評価を実施する際の参考資料として活用していきます。
(3) コミュニケーション・ツールとしての活用
評価された事業の改善や計画段階(Action/Plan)において、庁内の各部門における
コミュニケーション・ツールとして活用することを目的としています。共通認識のも
とで重点事業や優先事業を庁内全体で検討することが可能となります。
情報化事業シート(仮称)の記載内容については、大別して「基本データ」と「事業概
要」の 2 部構成となっており、
「基本データ」部では「事業名」や「担当部署」、
「第五次総
合基本計画コード」などを記載し、
「事業概要」部では事業の「目的」や「目標」、
「実施内
容」、「スケジュール(予定)」などについて記載していきます。
情報化事業シート(仮称)のレイアウトイメージは次のとおりです。
26
第1章
第2章
第3章
第4章
<情報化事業シート(仮称)>
基本データ
事業コード
事業名
担当部署
部
第五次総合基本計画コード
課
実施根拠
政策項目
大項目
事業期間
事業概要
中項目
目的
<対象者、対象物>
<目標>
活動指標
目標値
実施内容
スケジュール
28 年度
29 年度
30 年度
31 年度
予定
図 3-2 情報化事業シート(仮称)のフォーマットイメージ
27
32 年度
第1章
3.
第2章
第3章
第4章
情報化推進スケジュール
本計画を推進する PDCA サイクルについては、毎年度実施する「進行管理」及び定期的
に実施する「計画の見直し」を予定しています。
「進行管理」については、毎年度当初に前年度の事業の執行状況や問題点等を確認し、
その状況について情報部門経由で「情報化推進検討会議」へ報告し、必要に応じて改善や
スケジュール変更を実施していきます。
また「計画の見直し」については、計画した事業の進行状況をはじめ、本市を取り巻く
社会環境の変化や、ICT の技術革新、新たな ICT サービスの市民への浸透度合いなどを考
慮し、計画全体の見直しを実施していきます。
計画の見直しの時期については、計画期間の中間期にあたる 3 年目に「中間見直し」を、
最終年度にあたる 5 年目に「最終見直し」を実施します。「中間見直し」については、1 年
目及び 2 年目、「最終見直し」については、3 年目及び 4 年目の「進行管理」で把握した実
施状況から問題点や改善点を抽出し見直していきます。
図 3-3 情報化推進スケジュール(案)
情報化推進スケジュール(案)
28
第1章
第4章
1.
第2章
第3章
第4章
資料編
内部環境変化
1.1 第一期計画の主な取り組み
本市では第一期計画に基づき、様々な情報化施策・事業を展開してきました。情報化推
進分野及び情報セキュリティ分野におけるそれぞれの主な取り組みとしては以下のとおり
です。
表 4-1 第一期計画の主な取り組み
項目
情
情報化推進体制の整備
概要
最高情報責任者(CIO:Chief Information Officer)を設
置(平成 23 年(2011 年)3 月設置)
報
昭島市情報化戦略本部を設置(平成 23 年(2011 年)3
化
月)
推
最高情報責任者補佐官を公募により委嘱(平成 24 年
進
(2012 年)4 月)
分
昭島市情報化推進検討会議を設置(平成 24 年(2012
野
年)5 月)
基幹系システムの最適化
(住⺠情報システム再構
築)
平成 22 年度(2010 年度)に公募型プロポーザル方式による
業者選定を実施し、平成 24 年(2012 年)3 月にシステム本稼働
再構築対象業務は、「住⺠記録、外国⼈登録、印鑑登録、宛
名管理、個⼈住⺠税、法⼈住⺠税、固定資産税、軽自動⾞税、
国⺠年⾦、国⺠健康保険(資格・賦課・給付)、収納管理、滞
納管理」
最適化の効果「①最新の仮想化技術を採⽤し、ランニングコスト
の約 50%削減、②Web システムの導入によりハード機器の保守性
が向上、③システムログインに「生体認証」システムを⽤いることで、
操作権限の厳格な管理及びセキュリティ対策が向上」
⾏政情報システム(財務
平成 24 年度(2012 年度)に公募型プロポーザル方式による
会計・グループウェア・⼈事
業者選考を実施し、平成 25 年(2013 年)10 月から順次切り
給与の更新)の更新
替え稼働
更新による主な効果「①最新の仮想化技術を採⽤し、ランニング
コストの約 42%削減、②職員向け内部事務システムを統合化する
ことにより、機器などの集約を図り保守性が向上」
29
第1章
第2章
第3章
項目
第4章
概要
市税等のコンビニエンスス
市⺠サービス向上の⼀環として市⺠税や固定資産税などの市税
トア収納サービス/クレジッ
等の収納において、平成 24 年(2012 年)5 月からコンビニエンス
ト収納サービスの実施
ストアにおける収納代⾏業務委託や、平成 25 年(2013 年)5
月よりクレジット収納の代⾏業務委託を開始し、納付⼿段の拡充を
図る。
災害対応⼒向上に貢献
する情報化の推進
情報化の側面から災害対応⼒向上に貢献するため、防災⾏政
無線を補完する⼿段として「電話応答サービス」や「昭島市携帯メー
ル情報サービス」を導入。さらに、携帯電話会社3社が、対象エリア
の携帯電話ユーザーに緊急情報を配信する「緊急速報メール」の利
⽤も開始。
小中学校における情報化
の推進
市内の小中学校における情報化も推進しており、校務の ICT 化
のみならず、デジタル教材や電⼦⿊板、児童⽤タブレット端末の導
入などの教科指導への ICT 活⽤や、児童生徒への情報教育の推
進、ICT 分野に特化した特命担当者の設置(退職校⻑)など、
平成 22 年度(2010 年度)から毎年度継続して実施。また、小
中学校の情報化の推進に伴い、教員への情報セキュリティ研修も実
施。
情
情報セキュリティポリシーの
報
改定
平成 16 年(2004 年)6 月に「昭島市情報セキュリティポリシ
ー」を策定。組織的かつ計画的に情報セキュリティに取り組むための
セ
全庁的な基本方針であり、これに基づき安全で確実な業務を継続
キ
的に実施。地方公共団体の情報化施策を取り巻く環境の変化は
ュ
大きく、最新の情報通信技術の動向や新たなセキュリティインシデン
リ
トなどを踏まえた上で、国が示した最新のセキュリティに関する様々な
テ
ガイドラインなどを反映させた改定作業(平成 23 年 3 月、平成 28
ィ
年 3 月)を実施。
分
情報セキュリティ相互外部
野
監査の実施
平成 23 年度(2011 年度)に総務省の外郭団体である財団
法⼈地方自治情報センター(現在の「地方公共団体情報システム
機構」)の研究事業として、近隣 3 市(福生市・羽村市・あきる野
市)と共同で 4 市情報セキュリティ相互外部監査を実施。
相互外部監査での指摘事項は、各市がそれぞれ対策を講ずると
ともに、情報セキュリティ向上のための 4 市共有の情報資産として活
⽤を図り、翌年度からも継続的に実施。
監査の実施職員は、特定非営利活動法⼈⽇本セキュリティ監査
協会(JASA)公認の監査⼈資格を取得し情報化担当職員のス
キルアップも併せて図る。
30
第1章
第2章
第3章
項目
第4章
概要
ICT-BCP(業務継続計
平成 24 年(2011 年)6 月に昭島市情報セキュリティポリシー
画)整備事業の実施
(昭島市情報セキュリティ対策基準第 77 条)の規定に基づき、緊
(緊急時対応計画の策
急時及び危機発生時に情報推進課が実施すべき事項を定めた
定)
「緊急時対応計画(ICT-BCP)」を策定。大規模な災害の脅威
に限らず、同対策基準第 2 条に規定するセキュリティ侵害の脅威に
おいても、ICT 業務を継続し、システムが停止した場合については、
早急に復旧させることを目的。
また、平成 25 年度(2013 年度)には、本市と恵庭市(北海
道)及び岩国市(山口県)の 3 市による「ICT-BCP 対策としてバ
ックアップデータを始めとする相互協⼒の可能性について」の共同調
査研究に着⼿し、平成 26 年度(2014 年度)には、この調査研
究結果を具体化するための考察や検討を⾏い、研究成果を報告書
に取りまとめた。
マイナンバー制度への対応
平成 25 年(2013 年)5 月に公布された「⾏政⼿続における
特定の個⼈を識別するための番号の利⽤等に関する法律(マイナン
バー法)」への対応として、関連する業務システムの改修等を実施す
るとともに、職員に対してマイナンバー制度に関する専門研修の実施
や、マイナンバーを取り扱う業務システムのセキュリティ対策を強化す
る対応を実施。これまでも個⼈情報の保護に関しては、⼈的・技術
的・物理的な観点から様々な情報セキュリティ対策を講じてきたが、
マイナンバー制度の開始に伴い、今後も引き続き安全で円滑な制
度の運⽤に向けて取り組みの強化を図る。
31
第1章
第2章
第3章
第4章
1.2 第一期計画の進捗状況
本計画の策定にあたっては、第一期計画がどの程度実施されたかを確認し、今後も継承
すべき情報化施策については、本計画に反映させることが重要であると考えています。そ
のため、第一期計画の各施策と計画期間中の事業の実施状況について、庁内の関係部署に
調査(以降「第一期計画調査」という。
)を実施しています。また、当該事業についての今
後の方向性についても、併せて調査を実施しています。
(1) 第一期計画における事業実施状況
第一期計画では基本理念のもと、3 つの情報化目標を掲げ、9 つの基本方針に 16 個の
基本施策、そして 27 個の情報化施策が盛り込まれています。これらの情報化施策体系に
基づく事業の数は 55 事業となっています。これらの事業について、平成 27 年度(2015
年度)末時点での実施状況及び進捗度評価については、以下のとおりです。
表 4-2 第一期計画における事業の実施状況
実施状況
事業数
完了
計画期間中に事業が完了。
継続
現在も事業が継続して実施。
4 事業 (7.3%)
47 事業(85.4%)
⾒送り
事業を検討後⼀時⾒送り。
0 事業 (0.0%)
中止/廃止
事業を検討後中止・廃止。
4 事業 (7.3%)
事業を実施していない。
0 事業 (0.0%)
未実施
合計
55 事業.(100%)
第一期計画において実施された 55 事業のうち、4 事業(7.3%)が「完了」し、また「継
続」が 47 事業(85.4%)となっている一方で、
「中止/廃止」も 4 事業(7.3%)となって
います。なお、
「見送り」や「未実施」の事業はありませんでした。
表 4-3 第一期計画における事業の進捗度評価
進捗度調査
事業数
○
計画どおり。
41 事業(74.6%)
△
計画を下回っている。
8 事業(14.5%)
×
未実施。
0 事業 (0.0%)
-
⾒送りや中止・廃止などにより評価対象外。
6 事業(10.9%)
合計
55 事業.(100%)
また、第一期計画における事業の進捗度の評価についても合わせて調査しており、全
55 事業のうち「計画どおり」が 41 事業(74.6%)となっており、
「計画を下回っている」
が 8 事業(14.5%)、
「評価対象外」が 6 事業(10.9%)となっています。
32
第1章
第2章
第3章
第4章
(2) 第一期計画における事業の今後の方向性
第一期計画における 55 事業について、今後の方向性についても併せて調査を実施して
います。平成 27 年度(2015 年度)末時点での今後の方向性については、以下のとおり
です。
表 4-4 第一期計画における事業の今後の方向性
実施状況
事業数
完了
事業が完了。
2事業 (3.6%)
継続
現在も事業が継続して実施。
中止/廃止
事業を検討後中止・廃止。
3事業 (5.5%)
未定
今のところ事業実施の予定なし。
5事業 (9.1%)
合計
45 事業(81.8%)
55 事業.(100%)
第一期計画において実施された 55 事業のうち、2 事業(3.6%)が「完了」しています
が、45 事業(81.8%)が本計画においても「継続」の意向を示しています。また、
「中止
/廃止」は 3 事業(5.5%)となっており、
「未定」についても 5 事業(9.1%)となってい
ます。
33
第1章
第2章
第3章
第4章
1.3 庁内における問題点・ニーズ
これまで第一期計画に基づき情報化施策・事業を推進してきましたが、第二期計画に向
けて新たに発生した問題点やニーズについても取り込んでいく必要があります。第一期計
画調査に際し、情報化に対する問題点・ニーズについても併せて調査を実施しています。
この調査結果により、庁内において新たに発生した問題点・ニーズは以下のとおりです。
表 4-5 新たに発生した主な問題点・ニーズ(庁内)
情報化の目標
主な問題点・ニーズ
市⺠から信頼される
紙資源の減量
e(いい)⾏政運営の実現
化
・業務における紙の使⽤について、両面印刷、裏紙
使⽤等も⾏っているが、依然、紙の使⽤量が多い。
・紙媒体資料のデータ化や⽂書管理システムの導
入など、紙使⽤量の削減につなげる検討が必要。
進⾏管理・評価
・計画の効果の中に、地域の災害対応⼒の向上や
市⺠の地域防犯活動への積極的な参加の促進と
あるが、効果を評価する基準が必要。
・情報化施策・事業の進⾏状況を的確に把握・評
価する進⾏管理の仕組みを確⽴していくことが重
要。
情報セキュリティ
・マイナンバー制度の施⾏等により、事務の大多数
で個⼈情報を扱うことから、更なる情報セキュリティ
の意識向上が求められ、引き続き職員研修が必
要。
・公共の施設に設置しているパソコンについて、不特
定多数の市⺠が使⽤することから、セキュリティ上イ
ンターネットの閲覧に限るなどの使⽤範囲の検討が
必要。
・不特定多数の市⺠が使⽤するパソコンの取扱い
について、市⺠に対する講座等を開催し、セキュリテ
ィ面や個⼈情報保護などの注意点の周知が必要。
ともに支え合い 未来を育み
防災分野
活気あふれる e(いい)まちづくり
・防災の⼀環として、既に災害情報等を携帯メール
情報サービスや防災⾏政無線等を活⽤し、市⺠へ
情報を発信しているが、携帯電話を所持していない
の推進
⼈や難聴地域への対策として、地域との交流を図
れるような環境づくりを進めていくことが必要。
生涯学習
・市の施設においての公衆無線LAN設置の検討
が必要。
34
第1章
第2章
第3章
第4章
1.4 庁内における課題
庁内において新たに発生した問題点・ニーズを踏まえ、庁内における主な課題について
以下のように整理を行いました。
表 4-6 本市における情報化の課題
情報化の目標
課題
具体例
市⺠ニーズに合った
市⺠に⾝近な⾏政窓
公共施設やコンビニなど市⺠に⾝近な場所の窓口の拡
e(いい)⾏政サービス
口の拡充
充
の提供
市⺠から信頼される
クレジット決済サービスなどの⺠間サービス活⽤の拡充
ICT ガバナンスの強化
e(いい)⾏政運営の
全庁的な進⾏管理及び評価可能な体制整備
全庁的な進⾏管理及び評価可能な仕組みづくり
実現
ICT-BCP の適宜⾒直しと訓練の実施
紙資源の減量化によ
るコストの削減
紙媒体資料のデータ化の推進
⽂書管理システムの導入
情報セキュリティ対策
住⺠(個⼈)情報の流出防止の徹底とセキュリティ教
の抜本的強化
育による職員の育成
自治体情報システム強靭性モデルに基づく、ネットワー
クの再構築(個⼈番号利⽤事務系/LGWAN 接続
系/インターネット接続系の3分割)などへの対応
自治体セキュリティクラウドの構築(東京都)や接続に
向けた取り組みの推進
ともに支え合い 未来
防災における情報格
携帯電話を所持していない⼈や難聴地域への防災情
を育み 活気あふれる
差の是正
報等の伝達可能な環境づくりの推進
e(いい)まちづくりの
推進
市の小中学校や公共施設等における公衆無線 LAN
生涯学習の拡充
の拡充
35
第1章
2.
第2章
第3章
第4章
外部環境変化
2.1 国における情報化政策の動向
(1) 国におけるICT戦略の流れ
国の情報化政策は、
「高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(IT 基本法)
」
(2001
年 1 月)に基づき設置された「高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT 戦略
本部)
」を中心に進められてきています。この IT 戦略本部(現在「IT 総合戦略本部」、
(2013 年 3 月改称)では、国の ICT 戦略の基本方針を掲げるとともに、様々な情報通
信政策に取り組み、現在の「世界最先端 IT 国家創造宣言」
(2013 年 6 月)に至ってい
ます。これまでの ICT 戦略の流れを以下に示します。
IT戦略本部
2001.1
e-Japan戦略
2005年までに世界最先端のIT国家の実現
2003.7
e-Japan戦略Ⅱ
(2006年以降も世界最先端であり続ける)
2006.1
IT新改⾰戦略
いつでも、どこでも、誰でもITの恩恵を実感できる社会の実現
2009.7
i-Japan戦略2015
2010.5
新たな情報通信技術戦略
国⺠主役の「デジタル安心・活⼒社会」を実現
国⺠主導の新たな「知識情報社会」への転換を実現
IT総合戦略本部
2013.6
世界最高水準のIT利活⽤社会の実現(成⻑戦略)
世界最先端IT国家創造宣言
図 4-1 国における IT 戦略の流れ
(2) 「世界最先端 IT 国家創造宣言」とは
この「世界最先端 IT 国家創造宣言」では、我が国がバブル崩壊後「失われた 20 年」
とも言われる長期景気低迷による経済全体の閉塞感を打破し、経済再生や社会的課題
解決に貢献する「成長戦略」の柱が IT 戦略であるとしています。
「世界最先端 IT 国家創造宣言」の基本理念及び目指すべき社会の姿は下図のとおり
です。なお、世界最先端 IT 国家創造宣言」の内容及び工程表については、平成 26 年
(2014 年)6 月及び平成 27 年(2015 年)6 月の 2 回にわたり改定が行われており、
以下は平成 27 年(2015 年)6 月の改定版になります。
36
第1章
第2章
第3章
第4章
〔出典:高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)
「世界最先端IT国家創造宣言」より抜粋〕
図 4-2 「世界最先端 IT 国家創造宣言」の概要
(3) 国のICT戦略と電子自治体推進の関係
「世界最先端IT国家創造宣言」の中で、地方公共団体の具体的な取り組みとして
「自治体クラウド」が挙がっており、今後 4 年間は集中取り組み期間と位置付けられ、
マイナンバー制度の導入と併せて共通化・標準化を行いつつ、地方公共団体における
取り組みを加速するとされています。また、総務省でも「世界最先端IT国家創造宣
言」等を受けて策定された「電子自治体の取組みを加速するための 10 の指針」におい
て、マイナンバー制度導入と併せて自治体クラウド導入の加速を最優先課題として挙
げています。
「電子自治体の取組みを加速するための 10 の指針」策定後、平成 26 年(2014
年)6 月に「経済財政運営と改革の基本方針 2014」、
「「日本再興戦略」改訂 2014」、
「世
界最先端IT国家創造宣言」(改定)がそれぞれ閣議決定され、これらにおいても、地
方公共団体におけるクラウド化の加速等に関し、クラウド化市区町村の倍増や、情報
システムの運用コストの 3 割減を目指すことが盛り込まれるなど、電子自治体の推進
37
第1章
第2章
第3章
第4章
は引き続き政府の重要施策の1つとして位置付けられています。
〔出典:総務省「地方自治情報管理概要(2015 年 3 月)」より抜粋〕
図 4-3 政府の IT 戦略と電子自治体の推進の関係
「電⼦自治体の取組みを加速するための10の指針」(概要)
「10の指針」の概要
住⺠利便性の向上
自治体クラウドの導入加速
【指針1】
・番号制度の導入に併せた自治体クラウドの導入
【指針2】
・大規模地方公共団体のシステムオープン化徹底
【指針3】
・都道府県による域内市区町村のクラウド加速
【指針4~6】
・クラウド実施体制の適切な選択・⼈材育成
・クラウド化と併せた業務フローの標準化
・クラウドベンダとの最適な調達⼿法の検討
【指針7】
・地方公共団体が保有するデータに関
するオープンデータ推進
・国の実証実験(公共クラウド、G空間
等)へ積極的な参加
【指針8】
・住⺠満⾜度が向上するICT利活⽤の
促進
電⼦自治体推進のための体制整備
【指針9】
情報セキュリティの強化、災害に強い電⼦自治体
【指針10】
チェックリストを活⽤したPDCA機能の強化
総務省によるフォローアップ等
本指針に基づき、電⼦自治体の取組み加速のための工程表を作成
本方針に基づき、フォローアップを実施
〔出典:総務省「電子自治体の取組みを加速するための 10 の指針」より抜粋〕
図 4-4 「電子自治体の取組みを加速するための 10 の指針」の概要
38
第1章
第2章
第3章
第4章
2.2 都における情報化政策の動向
都は、都庁内部での情報化の推進に留まらず、都内各区市町村とともに「都区市町村I
T推進協議会」を通じた連携のもと、都における電子自治体の構築を推進しています。
また、都では、都内市区町村及び一部事務組合と共同で「東京電子自治体共同運営協議
会」
(以下「共同運営協議会」という。)を平成 16 年(2004 年)2 月に設置しています。東
京都内の地方公共団体が相互に協力・連携して住民サービスの向上と行政の高度化・効率
化を図ることを目的としています。共同運営協議会では、システムの共同利用により、統
一された利用環境を提供する共同運営サービスを実施しており、平成 16 年(2004 年)12
月より電子調達サービス、平成 17 年(2005 年)1 月より電子申請サービスを開始していま
す。
平成 27 年(2015 年)12 月現在で、東京都、特別区(23 団体)、多摩地区(30 団体)、島
しょ(3 団体)及び一部事務組合(2 団体)の 59 団体が参加しています。
また、都では「2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会」までに東京を訪れ
る外国人旅行者が安心かつ快適に観光を楽しめるように、
「外国人旅行者の受入環境整備方
針」
(2014 年 12 月)を策定しています。この方針は、旅行者の移動・滞在を支える基盤を、
ソフト・ハード両面から都内全域で計画的かつ集中的に整備していくため、東京が一体と
なって取り組むべき方向性が示されています。その中で「情報通信技術の活用」が受入環
境整備のための「5 つの視点」の一つとしても挙げられており、具体的な ICT の活用につ
いても、「Wi-Fi 整備の推進」や「通訳アプリやデジタルサイネージの導入促進」など、主
な取り組み例の中に挙げられています。主な取り組み例は、以下のとおりです。
主な取組例
都内全域で、都、区市町村、⺠間事業者が連携・協働して、受入環境整備を展開
1. ひとりでまち歩きを楽しめる観光案内機能の充実
2. 旅⾏者を迎え入れる快適な滞在環境の整備
(1)観光案内所の拡充
(1)宿泊・飲⾷・観光施設における利便性の向上
・⽻⽥空港国際線ターミナル内の観光情報センター利⽤時間を24時間化
・外国語メニュー作成支援ウェブサイトの拡充
・都内全域での窓口数の拡充・機能強化
・ムスリムなど多様な⽂化・習慣を持つ旅⾏者への対応
(2)多言語による案内サインの充実
・宿泊施設における24時間対応コールセンター導入支援
(2)公共交通機関利⽤における利便性の向上
・「案内サイン標準化指針」の改定
・観光案内標識の設置・更新
・交通機関・施設等の多言語対応の促進
(3)観光ボランティアの育成と街なかでの観光案内の展開
・相互利⽤可能なICカードの開発・普及等の促進
(3)決済環境における利便性の向上
・区市町村等と連携した観光ボランティアの裾野の拡大
・「おもてなし親善大使」の育成
・クレジットカード決済の促進
(4)情報通信技術の積極的な活⽤
・海外発⾏クレジットカード対応のATM設置の促進
(4)旅⾏者に配慮した緊急時・災害時の対応の充実
・都⽴施設等におけるWi-Fi整備の推進
・「TOKYO CITY Wi-Fi(仮称)」のサービス提供
・「災害時初動対応マニュアル」の周知・活⽤
・通訳アプリやデジタルサイネージの導入促進
・Wi-Fiやデジタルサイネージを活⽤した災害時における通信手段
の確保・情報発信
〔出典:東京都「外国人旅行者の受入環境整備方針」より抜粋作成〕
図 4-5 「外国人旅行者の受入環境整備方針」の主な取り組み例
39
第1章
第2章
第3章
第4章
2.3 自治体における情報化の動向
(1) 電子自治体の進捗状況
全国の地方公共団体における情報化の主な取り組みの実施状況及び本市における取
り組みの実施状況について、下表に示します。
№
表 4-7 全国の地方公共団体及び本市における情報化の主な取り組み状況
実施項目
CIO の任命
実施状況
都道府県:34 団体(72.3%)
・CIO は副知事が 18 団体(52.9%)
で最も多い
市区町村:1,400 団体(80.4%)
・CIO は副市区町村⻑が 1,086 団体
(77.6%)で最も多い
本市の実施状況
平成 23 年(2011 年)3 月
に副市⻑(総括担当)を 任
命。
都道府県:23 団体(48.9%)
・ CIO 補 佐 官 は 課 ⻑ 級 が 8 団 体
平成 24 年(2012 年)4 月
CIO 補佐官 (34.8%)で最も多い
に公募し、CIO の推薦に基づき
の任命
市区町村:1,135 団体(65.2%)
市⻑が委嘱。
・CIO 補佐官は課⻑級が 663 団体
(58.4%)で最も多い
1
都道府県:19 団体(40.4%)
・CIO 又は CIO 補佐官と兼務が 9 団 平成 27 年(2015 年)8 月
電⼦自治体 CISO の 任 体(47.4%)で最も多い
に副市⻑(総括担当)を 任
の推進体制 命
命。(CIO と兼任)
市区町村:697 団体(40.0%)
・CIO 又は CIO 補佐官と兼務 396 団
体(56.8%)で最も多い
都道府県:40 団体(85.1%)
・公表:31 団体(66.0%)
電⼦自治体 ・⾒直し:35 団体(74.5%)
推進計画等
市区町村:855 団体(49.1%)
の策定等
・公表:518 団体(29.7%)
・⾒直し:518 団体(29.7%)
平成 22 年(2010 年)3 月
第⼀期昭島市情報化推進計
画策定。
職 員 に 対 す 都道府県:46 団体(97.9%)
る情報化研
修の実施
市区町村:1,124 団体(64.5%)
毎年度、外部研修を利⽤して
実施。
⼀⼈⼀台パ 都道府県:47 団体(100%)
ソコンの整備
状況
市区町村:1,692 団体(97.1%)
2
電⼦自治体
の基盤整備
庁内LAN
の整備状況
(運⽤状況)
都道府県:47 団体(100%)
市区町村:1,741 団体(99.9%)
40
平成 19 年(2007 年)に事
務職における⼀⼈⼀台パソコン
を整備済。
平成 7 年(1997 年)の新庁
舎移転に合わせて、庁内LA
N 整 備 済 。 平 成 21 年
(2009 年)、庁内LAN環
境の再構築を実施。
第1章
№
第2章
実施項目
ホームページ
等での住⺠
参加や⾏政
の透明性確
保(※都道
府県、市区
町村各々上
位 3 つ掲載)
ホームページ
の機能等
(※都道府
県、市区町
村各々上位
3 つ掲載)
3
ICT を活⽤
した地域の
⾏ 政 サ ー ビ 課題解決へ
ス の 向 上 ・ の取り組み
高度化
状況
(※都道府
県、市区町
村各々上位
3 つ掲載)
災害情報伝
達⼿段の整
備状況
⾏政⼿続き
のオンライン
化の推進状
況
第3章
実施状況
都道府県:
・意⾒/要望受付:47 団体(100%)
・パブリックコメント:47 団体(100%)
・知事会⾒:47 団体(100%)
市区町村:
・例規公表:1,497 団体(85.9%)
・意⾒/要望受付
:1,480 団体(85.0%)
・パブリックコメント
:1,090 団体(85.0%)
都道府県:
・申請・届出等様式ダウンロード
:47 団体(100%)
・携帯電話対応:47 団体(100%)
・情報検索:47 団体(100%)
市区町村:
・申請・届出等様式ダウンロード
:1,650 団体(94.7%)
・情報検索:1,465 団体(84.1%)
・携帯電話対応
:1,208 団体(63.9%)
都道府県:
・安全・安心な地域づくり(防犯・防災)
:47 団体(100%)
・⼦育て支援:46 団体(97.9%)
・地域⽂化振興:43 団体(91.5%)
市区町村:
・安全・安心な地域づくり(防犯・防災
情報):824 団体(47.3%)
・⼦育て支援:478 団体(27.4%)
・高齢者支援:327 団体(18.8%)
都道府県:
・防災情報システム導入済み
:42 団体(89.4%)
・Lアラート(災害情報共有システム)
導入済み:20 団体(42.6%)
市区町村:
・防災情報システム導入済み
:1,056 団体(60.6%)
・Lアラート(災害情報共有システム)
導入済み:473 団体(27.2%)
都道府県:
・実施計画策定:40 団体(85.1%)
・通則条例制定:47 団体(100%)
・システム導入済み:46 団体(97.9%)
市区町村:
・実施計画策定:513 団体(29.4%)
・通則条例制定:732 団体(42.0%)
・システム導入済み
:1,021 団体(58.6%)
41
第4章
本市の実施状況
ホームページにて、パブリックコメ
ントの意⾒募集、例規類集を
公表。市⺠の意⾒・要望受付
のためのページを設置。
ホームページにて、申請書ダウン
ロード。サイト内検索、携帯電
話及びスマートフォン対応サイト
開設済み。
地震などの災害時の情報伝達
⼿段として、エリアメールや緊急
速報メールを導入。また災害情
報・不審者情報の配信をする
昭島市携帯メールサービス 導
入。
マタニティクラス等各種⼦育て関
連の講座申込みに電⼦申請を
利⽤。
東京都災害情報システム運⽤
中。平成 26 年(2014 年)
6月より東京都災害情報シス
テムとLアラートの連携開始。
平成 15 年(2003 年)、福
祉⼿続⽤の電⼦申請システム
運 ⽤ 開 始 。 平 成 16 年
(2004 年)、東京電⼦自治
体共同運営協議会への参加に
より電⼦申請システムの運⽤開
始。
第1章
№
4
第2章
実施項目
業務・システ
ムの効率化
第3章
実施状況
平成 16 年(2004 年)、東
京電⼦自治体共同運営協議
会への参加により電⼦調達シス
テムの運⽤開始。
自治体クラ
ウドの導入の
ための協議
会等への参
加・システム
導入状況
未参加
475 団体(27.3%)で最も多い
都道府県:
・協議会等参加:19 団体(40.4%)
市区町村:
・参加団体:722 団体(41.4%)
・共同基幹系システム導入済み
:211 団体(12.1%)
都道府県:
・職員の情報セキュリティ研修実施
情報セキュリ
:47 団体(100%)
ティ対策の
・緊急時対応訓練の実施
実施状況
情報セキュリ :22 団体(46.8%)
ティ対策の
市区町村:
実施
・職員の情報セキュリティ研修実施
:1,317 団体(75.6%)
・緊急時対応訓練の実施
:314 団体(18.0%)
情報システ
ムに関する
業務継続計
画
(ICT-BCP)
の策定状況
6
本市の実施状況
都道府県:公共工事電⼦入札が 23
各種オンライ 団体(48.9%)で最も多い
ンシステムの
共同利⽤
市区町村:公共工事電⼦入札が
都道府県:
・責任者や管理者等の任命
:47 団体(100%)
・情報セキュリティポリシーの策定
組 織 体 制 ・ :46 団体(97.9%)
規程類の整
市区町村:
備
・責任者や管理者等の任命
:1,651 団体(94.8%)
・情報セキュリティポリシーの策定
:893 団体(51.3%)
5
第4章
都道府県:
・策定済み:31 団体(66.0%)
・策定予定:16 団体(34.0%)
市区町村:
・策定済み:266 団体(15.3%)
・策定予定:734 団体(42.1%)
都道府県:
・条例制定はすべての団体で制定済み
・職員に対する教育・研修の実施
条例制定の :46 団体(97.9%)
個⼈情報保
状況・体制
護対策
市区町村:
整備等
・条例制定はすべての団体で制定済み
・職員に対する教育・研修の実施
:946 団体(54.3%)
平成 16 年(2004 年)6 月
昭島市セキュリ テ ィポリ シー 制
定。組織体制を整備。平成 27
年度(2015 年度)セキュリテ
ィポリシー改定。
毎年度、職員向け情報セキュリ
ティ研修、情報システムの停電
時対応訓練を実施。
平成 18 年(2006 年)1 月
「昭島市情報セキュリティポリシ
ー緊急時対応計画」を策定、
平成 24 年 6 月「緊急時対応
計画(危機管理個別マニュア
ル)」全部改定。
平成 10 年(1998 年)12
月昭島市個⼈情報保護条例
制 定 。 平 成 27 年 ( 2015
年)8 月マイナンバー制度 e ラ
ーニング研修で特定個⼈情報
保護を含む職員研修を実施。
〔出典:総務省「地方自治情報管理概要(2015 年 3 月)」より抜粋〕
42
第1章
第2章
第3章
第4章
(2) 電子自治体に関連する動向
今後、電子自治体を推進する上で大きな影響を及ぼすと思われる ICT に関連する主な
動向について、以下に示します。
(ア)
自治体クラウド
自治体クラウドは、近年様々な分野で活用が進んでいるクラウドコンピューティン
グ技術を電子自治体の基盤構築にも活用して、地方公共団体の情報システムの集約と
共同利用を進めることにより、情報システムに係る経費の削減や住民サービスの向上
等を図るものです。また、東日本大震災の経験も踏まえ、堅牢なデータセンターを活
用することで、行政情報を保全し、災害・事故等発生時の業務継続を確保する観点か
らも、自治体クラウドの推進が求められています。
個々で所有
before
B市
A市
個別管理
個別管理
業務
システム
データ
ベース
C市
業務
システム
データ
ベース
個別管理
業務
システム
データ
ベース
共同で利⽤
after
A市
B市
データセンターの特徴
・耐震、免震構造
・無停電電源、非常⽤電源
・火災探知・報知システム
・厳重な入退館管理 等
業務システム
データベース
データセンター
C市
サーバや周辺機器をスリム化
運⽤経費の節約‼
〔出典:総務省「自治体クラウドポータルサイト」資料より抜粋作成〕
図 4-6 自治体クラウドの概要
43
第1章
(イ)
第2章
第3章
第4章
オープンデータ
政府において、オープンデータとは、「機械判読に適したデータ形式で、二次利用が
可能な利用ルールで公開されたデータ」であり「人手を多くかけずにデータの二次利
用を可能とするもの」のことを言います。
オープンデータは、国・地方自治体全てに関わることから、政府が一体となった取
り組みが求められます。IT 総合戦略本部の取り組みとして、平成 24 年(2012 年)7
月に「電子行政オープンデータ戦略」において公共データの活用促進に集中的に取り
組むための基本戦略が策定され、平成 24 年(2012 年)12 月から「電子行政オープン
データ実務者会議」を設置し、オープンデータの技術に係る検討や、利用ルール、普
及方策に係る検討を進めています。
オープンデータは、地方公共団体にとっても、住民が暮らしやすい街づくりや行政
の「見える化」といった地域が抱える課題の解決にも貢献することが期待されていま
す。
(ウ)
マイナンバー制度
マイナンバーは、住民票を有する全ての方に 1 人 1 つの番号(12 桁)を付して、社
会保障、税、災害対策の分野で効率的に情報を管理し、複数の機関に存在する個人の
情報が同一人の情報であることを確認するために活用されるものです。
マイナンバーは、行政を効率化し、国民の利便性を高め、公平かつ公正な社会を実
現する社会基盤であり、期待される効果としては、大きく 3 つあげられます。
1 つめに、所得や他の行政サービスの受給状況を把握しやすくなるため、負担を不当
に免れることや給付を不正に受けることを防止するとともに、本当に困っている方に
きめ細かな支援を行えるようになります。(公平・公正な社会の実現)
2 つめに、添付書類の削減など、行政手続が簡素化され、国民の負担が軽減されます。
また、行政機関が持っている自分の情報を確認したり、行政機関から様々なサービス
のお知らせを受け取ることができるようになります。(国民の利便性の向上)
3 つめに、行政機関や地方公共団体などで、様々な情報の照合、転記、入力などに要
している時間や労力が大幅に削減されます。複数の業務の間での連携が進み、作業の
重複などの無駄が削減されるようになります。(行政の効率化)
44
第1章
第2章
第3章
第4章
2.4 国民や企業等におけるICTの動向
(1) インターネット普及状況
総務省の「平成 26 年通信利用動向調査」
(2015 年 7 月公表)によると、主な普及状
況は以下のとおりです。
〔インターネット利用者状況〕
・1 年間にインターネットを利用したことのある人は 1 億 18 万人(82.8%)
・13~59 歳のインターネット利用は 9 割超、60~79 歳の高齢者層も拡大傾向
〔インターネット利用端末状況〕
・「自宅のパソコン」が 53.5%と最も多く、次いで「スマートフォン」
(47.1%)
、
「自宅以外のパソコン」
(21.8%)
・「スマートフォン」は 13~39 歳の各年齢階層で7割以上が利用
・パソコンや従来型の携帯電話による利用は減少傾向
・スマートフォン・タブレット端末による利用が増加傾向
〔インターネットの利用目的・用途〕
・「電子メールの送受信」が 71.0%と最も高く、次いで「商品・サービスの購入・
取引」
(54.3%)、
「天気予報の利用(無料のもの)」
(53.9%)
・
「電子メールの送受信」、
「地図・交通情報の提供サービス」、
「天気予報の利用(無
料のもの)
」及び「商品・サービスの購入・取引」は、20~59 歳で 5 割以上
(2) スマートフォン・タブレット端末
総務省の「平成 26 年通信利用動向調査」
(2015 年 7 月公表)によると、主な普及状
況は以下のとおりです。
〔世帯の情報通信機器の保有状況〕
・「携帯電話・PHS」を保有世帯の割合は、94.6%
・「携帯電話・PHS」の内数である「スマートフォン」は、64.2%と上昇傾向
・「パソコン」78.0%、
「固定電話」75.7%と、前年より 3~4 ポイント低下
〔個人の情報通信機器の保有状況〕
・「パソコン」の保有者の割合が 52.7%と最も高く、次いで「スマートフォン」
(44.7%)、
「携帯電話(PHS を含む)」
(34.6%)
・
「パソコン」の保有者の割合が 3.9 ポイント低下しているのに対し、
「スマートフ
ォン」は 5.6 ポイント上昇
・6~49 歳では「スマートフォン」の保有者の割合が「携帯電話」を上回り、
13~39 歳では「スマートフォン」が「自宅のパソコン」を上回る
45
第1章
第2章
第3章
第4章
(3) クラウドサービス
クラウドサービスとは、従来は利用者が手元のコンピュータで利用していたデータ
やソフトウェアを、ネットワーク経由でサービスとして利用者に提供するものです。
利用者側が最低限の環境(パーソナルコンピュータや携帯情報端末などのクライアン
ト、その上で動く Web ブラウザ、インターネット接続環境など)を用意することで、
どの端末からでも、さまざまなサービスを利用することができます。
これまで、利用者はコンピュータのハードウェア、ソフトウェア、データなどを、
自身で保有・管理し利用していました。しかしクラウドサービスを利用することで、
これまで機材の購入やシステムの構築、管理などに係るさまざまな手間や時間の削減
が可能になることにより、業務の効率化やコストダウンを図れるというメリットがあ
ります。
現在、クラウドサービスは、企業が情報資産を管理する手段として急速に普及して
います。また、個人が利用するインターネット上のさまざまなサービスが、意識する
かどうかに関わらず、クラウドサービス上で稼働するようになっています。ただし、
クラウドサービスを利用する場合には、データがクラウドサービス事業者側のサーバ
に保管されているということ、インターネットを介してデータなどがやりとりされる
ことなどから、十分な情報セキュリティ対策が施されたクラウドサービスの選択が重
要であるということを理解した上で利用することが大切です。
46
第1章
第2章
第3章
第4章
2.5 外部環境変化による問題点・ニーズ
外部環境の変化により新たに発生した問題点・ニーズは以下のとおりです。
表 4-8 新たに発生した主な問題点・ニーズ(外部環境)
情報化の目標
主な問題点・ニーズ
市⺠から信頼される
情報セキュ
e(いい)⾏政運営の実現
リティ
○標的型攻撃により⽇本年⾦機構から約 101 万⼈、
約 125 万件の年⾦情報が流出しました。
○総務省では、マイナンバー制度の施⾏を半年後に控えた中
で、⽇本年⾦機構における個⼈情報流出事案を受け、地
方公共団体における情報セキュリティに係る抜本的な対策
を検討するため、「自治体情報セキュリティ対策検討チーム
(以下、「対策検討チーム」という。)」を設置し、検討を進め
ました。
○対策検討チームにおいて取りまとめられた中間報告「自治体
情報セキュリティ緊急強化対策について」(2015 年 8 月公
表)では、以下の 3 点が提言されています。
1.組織体制の再検討、職員の訓練等の徹底
2.インシデント即応体制の整備
3.インターネットのリスクへの対応
○また、対策検討チームにおいて取りまとめられた報告「新たな
自治体情報セキュリティ対策の抜本的強化に向けて」
(2015 年 11 月公表)では、「3.インターネットのリスクへ
の対応」について具体的な提言がされています。
(1)安全性の確認
マイナンバー制度が施⾏されるまでに、庁内の住⺠基本台
帳システム(既存住基)がインターネットを介して不特定の
外部との通信を⾏うことができないようになっていることを確認
することが望まれる。
(2)システム全体の強靭化
情報提供ネットワークシステムの稼働を⾒据え、機密性は
もとより、可⽤性や完全性の確保にも十分配慮された攻撃
に強い内部ネットワーク等の構築を図ることが望まれる。
(3)自治体情報セキュリティクラウドの検討
自治体における不正通信の監視機能の強化等への取組に
際し、より高い水準のセキュリティ対策を講じるため、インター
ネット接続ポイントの集約化やセキュリティ監視の共同利⽤
等(自治体情報セキュリティクラウド)の検討を進めるべき。
47
第1章
第2章
第3章
第4章
2.6 外部環境変化による課題
本市を取り巻く情報化の動向等を踏まえ、外部環境変化に伴う主な課題について以下の
ように整理を行いました。
表 4-9 本市における情報化の課題
情報化の目標
市⺠ニーズに合った
e(いい)⾏政サービス
の提供
市⺠から信頼される
課題
市⺠の個に応じた⾏
政サービスの拡充
ICT ガバナンスの強化
e(いい)⾏政運営の
具体例
個に応じた情報提供・発信
全庁的な進⾏管理及び評価可能な体制整備
全庁的な進⾏管理及び評価可能な仕組みづくり
実現
ICT-BCP の適宜⾒直しと訓練の実施
⾏政事務の効率化
⾏政の透明性の確保
オープンデータの推進
情報セキュリティ対策
住⺠(個⼈)情報の流出防止の徹底とセキュリティ教
の抜本的強化
育による職員の育成
自治体情報システム強靭性モデルに基づく、ネットワー
クの再構築(個⼈番号利⽤事務系/LGWAN 接続
系/インターネット接続系の3分割)などへの対応
自治体セキュリティクラウドの構築(東京都)や接続に
向けた取り組みの推進
ともに支え合い 未来
防災にける情報格差
携帯電話を所持していない⼈や難聴地域への防災情
を育み 活気あふれる
の是正
報等の伝達可能な環境づくりの推進
e(いい)まちづくりの
市⺠参加・協働促進
推進
地域産業活性化
オープンデータの推進(再掲)
48
第1章
3.
第2章
第3章
第4章
関連要綱
(1) 昭島市情報化戦略本部要綱
昭島市情報化戦略本部要綱
(設置)
第1条
昭島市における情報化施策を総合的かつ効率的・効果的に推進するとともに、当
該施策に係る重要事項を審議し決定するための組織として、昭島市情報化戦略本部(以下
「戦略本部」という。)を設置する。
(所掌事務)
第2条 戦略本部は、次に掲げる事項に関する事務を所掌する。
(1) 情報化施策に係る審議及び決定に関すること。
(2) 電子自治体の推進に関すること。
(3) 情報通信技術(ICT)を活用した業務改革の推進に関すること。
(4) その他情報化施策に係る重要事項で、最高情報統括責任者(以下「CIO」という。
)
が必要と認める事項
(組織)
第3条 戦略本部は、本部長、副本部長及び本部員をもって組織する。
2
本部長は、CIOをもって充てる。
3
副本部長は、総務部長の職にある者をもって充てる。
4
本部員は、部長の職及びこれに相当する職にある者をもって充てる。
(職務)
第4条 本部長は、所掌事務を総括する。
2
副本部長は、本部長を補佐し、本部長に事故があるとき、又は本部長が欠けたときは、
その職務を代理する。
3
本部員は、本部長の命を受け、所掌事務に従事する。
(会議)
第5条 戦略本部の会議は、本部長が招集し、その議長となる。
2
本部長は、必要があると認めるときは、会議に本部員以外の者の出席を求め、意見を
聴取することができる。
(昭島市情報化推進検討会議等)
第6条
戦略本部に、第2条に規定する所掌事務の具体的な取組を推進するため、昭島市
情報化推進検討会議を置く。
2
戦略本部に、昭島市情報セキュリティポリシーに定める情報セキュリティ対策を実行
するため、昭島市情報セキュリティ委員会を置く。
49
第1章
3
第2章
第3章
第4章
前2項に掲げるもののほか、戦略本部に、昭島市における情報化施策を多角的見地か
ら審議するため、必要に応じ、市民委員、学識経験者等を含む委員で構成する会議体を置
くことができる。
4
昭島市情報化推進検討会議及び昭島市情報セキュリティ委員会並びに前項の規定に基
づく会議体の組織、所掌事項等は、別に定める。
(事務局)
第7条 戦略本部の事務局は、情報化推進担当課に置く。
(その他)
第8条
この要綱に定めるもののほか、戦略本部に関し必要な事項は、CIOが別に定め
る。
附
則
この要綱は、平成 23 年3月 10 日から実施する。
50
第1章
第2章
第3章
第4章
(2) 昭島市情報化推進検討会議要綱
昭島市情報化推進検討会議要綱
(設置)
第1条
昭島市情報化戦略本部要綱第6条第1項の規定に基づき、昭島市情報化推進検討
会議(以下「検討会議」という。)を設置する。
(所掌事項)
第2条
検討会議は,次に掲げる事項について協議・検討し、その結果を昭島市情報化戦
略本部に報告する。
(1)情報化の推進に係る計画の調査、検討及び評価に関すること。
(2)情報システムの構築及び運営に関すること。
(3)前各号に掲げるもののほか、情報化施策の推進に関すること。
(組織)
第3条 検討会議は、別表に掲げる委員をもって組織する。
(会長及び副会長)
第4条 検討会議に会長及び副会長を置く。
2
会長は総務部長の職にある者を、副会長は企画部企画政策課長の職にある者をもって
充てる。
3
会長は、検討会議を総理し、代表する。
4
副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときはその職務
を代理する。
(会議)
第5条 会議は、会長が招集する。
2
会長は、会議において必要と認めるときは、第3条に規定する者以外の者を会議に出
席させ、説明又は意見を聴き、又は資料の提出を求めることができる。
(ワーキンググループ)
第6条
会長は、必要があると認めたときは、検討会議にワーキンググループを設置し、
第2条各号に掲げる所掌事項について、調査及び研究をさせることができる。
2
ワーキンググループの組織及び所掌事項は、会長が別に定める。
(庶務)
第7条 検討会議の庶務は、総務部情報推進課において処理する。
(その他)
第8条
この要綱に定めるもののほか、検討会議の運営について必要な事項は、会長が別
に定める。
51
第1章
附
第2章
第3章
則
この要綱は、平成 24 年5月 11 日から実施する。
附
則
この要綱は、平成 27 年4月1日から実施する。
別表(第3条関係)
1
企画部企画政策課長
2
企画部財政課長
3
総務部契約管財課長
4
市民部市民課長
5
市民部課税課長
6
市民部納税課長
7
市民部生活コミュニティ課長
8
保健福祉部生活福祉課長
9
保健福祉部介護福祉課長
10
保健福祉部保険年金課長
11
子ども家庭部子ども子育て推進課長
12
環境部環境課長
13
都市整備部管理課長
14
都市計画部都市計画課長
15
水道部業務課長
16
学校教育部庶務課長
17
学校教育部指導課長
18
生涯学習部社会教育課長
52
第4章
第1章
4.
第2章
第3章
第4章
用語解説集
五十音順
【あ行】
アプリ(アプリケーションソフトウェア)
アプリケーションソフトウェアとは、ある特定の機能や目的のために開発・使用される
ソフトウェアのこと。
「アプリケーション」
(application)あるいは「アプリ」
(app、apps)
と省略されたり、「応用ソフト」と訳されたりすることもある。(IT 用語辞典 e-Words)
インシデント
インシデントとは、出来事、事件、事故、事案、事象、事例などの意味を持つ英単語。
事故や事件などの意味以外に、事故に繋がりかねない(繋がりかねなかった)出来事、状
況、異変、危機を意味する場合がある。また、分野によっては、一定の基準に照らして被
害や損失が軽微な事故を意味する場合もある。(IT 用語辞典 e-Words)
【か行】
クラウドコンピューティング
クラウドコンピューティングとは、従来は手元のコンピュータで管理・利用していたよ
うなソフトウェアやデータなどを、インターネットなどのネットワークを通じてサービス
の形で必要に応じて利用する方式。IT 業界ではシステム構成図でネットワークの向こう側
を雲(cloud:クラウド)のマークで表す慣習があることから、このように呼ばれる。
(IT 用語辞典 e-Words)
クラウドサービス
クラウドサービスとは、従来は手元のコンピュータに導入して利用していたようなソフ
トウェアやデータ、あるいはそれらを提供するための技術基盤(サーバなど)を、インタ
ーネットなどのネットワークを通じて必要に応じて利用者に提供するサービス。
「ASP サー
ビス」
「SaaS」
「PaaS」などとほぼ同様の概念だが、これらを包含したより包括的な概念で、
何らかのコンピューティング資源(ソフトウェア、ハードウェア、処理性能、記憶領域、
ファイル、データなど)を、ネットワークを通じて利用する形態の総称として用いられる
ことが多い。(IT 用語辞典 e-Words)
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第1章
第2章
第3章
第4章
グループウェア
グループウェアとは、組織や集団の内部で情報を共有したりコミュニケーションを取る
ことができるソフトウェアのこと。(IT 用語辞典 e-Words)
コンテンツ
IT の分野では、媒体(メディア)によって記録・伝送される、人間にとって意味のある
ひとまとまりの情報のことをコンテンツと呼ぶことが多い。文字、図形、音声、画像、動
画やそれらの組み合わせで、特に、これらをデジタルデータとして一定の形式で表現・記
録した「デジタルコンテンツ」のことを略してコンテンツという場合が多い。
(IT 用語辞典 e-Words)
【さ行】
自治体クラウド
自治体クラウドとは、複数の地方自治体の情報システムを一つに集約し、通信ネットワ
ークを通じて共同利用するシステム。クラウドコンピューティングを自治体の情報システ
ムに適用したもの。(IT 用語辞典 e-Words)
自治体情報セキュリティクラウド
自治体における不正通信の監視機能の強化等への取組に際し、より高い水準のセキュリ
ティ対策を講じるため、インターネット接続ポイントの集約化やセキュリティ監視の共同
利用等を行う自治体クラウド一種。(総務省サイトより抜粋・編集)
情報リテラシー
情報リテラシーとは、情報を使いこなす能力のこと。体験やメディアを通じて得られる
大量の情報の中から必要なものを探し出し、課題に即して組み合わせたり加工したりして、
意思決定したり結果を表現したりするための基礎的な知識や技能の集合である。
(IT 用語辞典 e-Words)
【た行】
デジタルサイネージ
デジタルサイネージとは、屋外や店頭などに設置された液晶ディスプレイなどの映像表
示装置。近くにいる人や通りすがりの人に案内情報や広告などを表示する装置で、看板や
ポスターなどを電子化したもの。(IT 用語辞典 e-Words)
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第1章
第2章
第3章
第4章
電子自治体
国の地方自治体が、行政サービスの向上のために Web 上で行なっている行政サービスの
こと。利用者にとっては、これまで紙、印鑑で行なってきた各種行政手続が、Web 上の情
報交換のみでできるようになり利便性があがる。また、自治体の業務面でも、情報のペー
パーレス化による効率化、双方向のコミュニケーションを可能にする電子メールや Web サ
イトを活用した業務の拡充が見込まれる。最終的には、全行政機関のサービスを Web 上で
24 時間提供することが目標となっている。(ASCII.jp デジタル用語辞典)
【ま行】
マイナポータル(情報提供等記録開示システム)
マイナンバー制度で、個人ごとに設けられるポータルサイトの名称。行政機関が保有す
る自分の特定個人情報の内容やそのやり取りの記録、自分への通知などを、パソコンや携
帯端末を利用して閲覧できる。名称は、同制度の広報用ロゴマークの愛称「マイナちゃん」
に由来。2017 年 1 月開設予定。(デジタル大辞泉)
無線 LAN
無線 LAN とは、
無線でデータの送受信を行なう構内通信網(LAN:Local Area Network)
のこと。特に、IEEE 802.11 諸規格に準拠した機器で構成されるコンピュータネットワー
クのことを指す場合が多い。(IT 用語辞典 e-Words)
アルファベット順
BCP(Business Continuity Plan)
BCP とは、大災害や大事故、疫病の流行、犯罪被害、社会的混乱など、通常業務の遂行が
困難になる事態が発生した際に、事業の継続や復旧を速やかに遂行するために策定される
計画。(IT 用語辞典 e-Words)
CIO(Chief Information Officer、最高情報統括責任者)
CIO とは、企業内の情報システムや情報の流通を統括する担当役員。
「最高情報責任者」
「情
報統括役員」などと訳される、企業の情報戦略のトップである。元は米国の企業で用いら
れていた呼び名だが、情報戦略に注目が集まるにつれて日本でも採用する企業が増えつつ
ある。情報システムの構築や運営に関する技術的な能力だけでなく、そうして得られた情
報を基に CEO(最高経営責任者)ら経営陣に対して適切な報告・助言を行うことも求めら
れ、経営戦略に関する深い理解と能力も必要とされている。(IT 用語辞典 e-Words)
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第1章
第2章
第3章
第4章
CIO補佐官(最高情報統括責任者補佐官)
CIO 補佐官とは、政府や地方自治体の CIO を補佐する専門家で、特に業務/システムの
最適化について具体的な方策について検討し助言する役割を担う人材のこと。このような
専門的な知見は民間に蓄積があることから、CIO 補佐官に民間人を登用することが多い。
また、政府や地方自治体では、IT に関する責任体制を明確にするために幹部を CIO に任命
しているが、こうした幹部が必ずしも専門的な知識を有していないことから、CIO 補佐官
が必要になっていると言える。(日経 ITPro)
CISO(Chief Information Security Officer、最高情報セキュリティ責任者)
CISO とは、企業内で情報セキュリティを統括する担当役員。コンピュータシステムやネ
ットワークのセキュリティ対策だけでなく、機密情報や個人情報の管理についても統括す
る例が多い。近年多発している企業の個人情報流出事件を契機に、導入する企業が増えて
いる。(IT 用語辞典 e-Words)
CSIRT(Computer Security Incident Response Team、シーサート)
CSIRT とは、企業や行政機関などに設置される組織の一種で、コンピュータシステムや
ネットワークに保安上の問題に繋がる事象が発生した際に対応する組織。社内の情報シス
テムや通信ネットワークでウイルス感染や不正アクセス、サービス拒否攻撃(DoS 攻撃)
などセキュリティ上の脅威となる現象や行為が発生した際に、組織内の対応窓口となって
被害の拡大防止や関連情報の収集・告知、再発防止策の策定などの活動を行う。また、外
部の CSIRT と連携して事件・事故の被害情報やシステムの脆弱性についての情報共有や、
一般利用者へ情報セキュリティに関する教育や啓発、広報などの活動を行うこともある。
(IT 用語辞典 e-Words)
ICT-BCP(IT-BCP)
「IT-BCP」とは、
「情報システム運用継続計画」の略称である。事業継続計画(業務 BCP)
の情報システムの復旧について書かれた部分をより詳細化した計画である。
(内閣官房情報セキュリティセンター「IT-BCP 策定モデル」より抜粋・編集)
ICTガバナンス(ITガバナンス)
IT ガバナンスとは、企業などが自社の情報システムの導入や運用を組織的に管理する仕
組み。今や日々の企業活動の根幹に組み込まれた IT システムを「システム部門任せ」にせ
ず、経営的な視点からその投資や運営、リスク管理などに全社的課題として取り組む姿勢
を表した用語。企業の内部統制の一環として、また、株主や顧客など外部の利害関係者へ
の説明責任から、IT ガバナンスの整備の必要性が叫ばれている。(IT 用語辞典 e-Words)
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第1章
第2章
第3章
第4章
LGWAN(Local Government Wide Area Network)
LGWAN とは、地方自治体のコンピュータネットワークを相互接続した広域ネットワー
ク。正式名称は「総合行政ネットワーク」。都道府県、市区町村の庁内ネットワークが接続
されており、中央省庁の相互接続ネットワークである霞ヶ関 WAN にも接続されている。
(IT 用語辞典 e-Words)
Web システム
Web システムとは、情報システムの分類の一つで、Web サーバや Web ブラウザ、関連す
るプロトコルなど Web 技術を中心に構築されたもの。(IT 用語辞典 e-Words)
Wi-Fi(The Standard for Wireless Fidelity、ワイファイ)
無線 LAN 機器が標準規格である IEEE 802.11 シリーズに準拠していることを示すブラ
ンド名。また、無線 LAN 自体のこと。(IT 用語辞典 e-Words)
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