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株式会社ジェイアール東日本企画
総務局広報部
〒150-8508 渋谷区恵比寿南1-5-5
TEL:03-5447-0974
FAX:03-5447-7810
2015年9月4日
ソリューションレポート
交通広告の効果特性を評価する新たな指標
『オケージョン認知』の開発について
近年、メディア環境の変化に伴い、交通広告の役割が重要度を増している状況にあります。
弊社は、交通広告の効果を「より適切に評価する指標」が必要と考え、20年にわたり調査研究
を重ねてきた「交通広告の特性」に関する知見を生かし、昨今の広告に求められる「行動喚起」
にもつながる「新たな広告効果指標」を開発いたしました。
それが、『オケージョン認知』です。開発にあたり、青山学院大学経営学部 久保田進彦教授
の助言と監修を頂戴し、事前調査を踏まえて、今回2度にわたり、定量調査を実施しました。
この度、その結果がまとまりましたので、『オケージョン認知』の概念とともにご報告します。
《オケージョン認知について》
1)定義
『オケージョン認知』とは、“広告を見たときのオケージョンとともに広告を覚えていること”
つまり 「広告そのものについての記憶が、その広告に接したときの状況や場面(オケージョン)
の記憶と結びついた形で保持されていること」です。
例えば・・・
このビールの広告、
残業帰りに、電車の中で見たよ!
友達と渋谷駅のホームで見た
バーゲンのポスター!!
※これまで広告業界では、このような、広告の「場面と結びついた記憶のされ方」について、ほとん
ど研究されてきませんでした。
2)効果
『オケージョン認知』は、商品に対する意欲や行動の変化と深い関連性があり、購買行動・推奨行動
などの重要KPI(Key Performance Indicator)に関わる「新たな指標」となる可能性があると考
えられます。
調査結果1
◆オケージョン認知の発見
・今回、交通広告の効果を明らかにするため、事前に「交通広告をきっかけとして、商品やサービ
スに対して行動を起こした経験」について、インタビュー調査を行ないました。
・すると、 「朝、山手線に乗っている時、新商品の飲料を電車内の広告で見て、購入した。(20
代女性)」 「帰り道に渋谷駅の通路で展覧会の広告を見て、実際に行った。(30代男性)」など、
広告内容とともに路線や駅、場所・時間など、“広告を見たときの状況(オケージョン)も覚えて
いる”様子が観察できました。
・そこで、“広告を見たときのオケージョンも覚えていること”に注目し、「広告内容とともに覚え
ていることが、意欲や行動に何らかの影響があるのではないか」という仮説をたてました。
・この“広告をオケージョンとともに覚えていること”を『オケージョン認知』と名づけ、オケー
ジョン認知発見調査(第一回定量調査)を実施しました。
・なお、オケージョン認知発見調査(第一回定量調査)では、交通広告とテレビCMを対象とし、
茶系飲料について実施しています。
◆『オケージョン認知』は意識の変化と深い関連性がある
・いくつかの具体的なオケージョン(状況や場面)の中で、「広告を見たときの状況や情景」を思い
出せると答えた人を、“オケージョン認知した人(オケージョン認知:あり)”、それ以外を“オケー
ジョン認知していない人(オケージョン認知:なし)”として分析をおこないました。
広告をご覧になったときについて、どのようなことを思い出せますか。
・広告を見たときの状況や情景
オケージョン
認知区分
オケージョン認知(仮)
・広告を見たときのあなたの気分や体調
・広告を見たときに自分がいた場所
・広告を見た時間帯
・広告を見た曜日
・広告を見たときの天気や気候
・広告を見たときに一緒にいた人
・広告を見たときしていたこと
・その他
・思い出せることは何もない
※第一回調査上の「オケージョン認知」に関する定義について
・各商品の交通広告認知者を、“オケージョン認知あり”、“オケージョン認知なし”に分け、広告効
果の指標となる「検索意向」「推奨意向」「購入意向」などのスコアを比較しました。<参考1>
・その結果、茶系飲料の購入意向率のA/B値※で1.9 など、いずれの態度変容率も高い傾向となり
ました。(A/B値は、検索意向率が4.9、推奨意向率が3.5と特に高くなっていました。)
・商品カテゴリーでの違いは推測されるものの、 『オケージョン認知』が態度変容と深い関連性が
ある様子が見てとれます。
※A/B値:
ここでは、A=オケージョン認知ありの態度変容率、B=オケージョン認知なしの態度変容率とし、
あA/Bの比率をとったもので、態度変容率が何倍になるかを示します。
オケージョン認知有無別での交通広告による意識の変化
<参考1>
(茶系飲料
交通広告認知者ベース)
オケージョン認知なし
オケージョン認知あり
82.6%
78.3%
78.3%
65.2%
62.0%
52.2%
50.0%
52.4%
42.0%
29.7%
19.9%
A/B値
18.6%
14.2%
10.7%
広
告
内
容
理
解
広
告
口
コ
ミ
意
向
興
味
・
関
心
検
索
意
向
好
意
推
奨
意
向
購
入
・
利
用
意
向
3.1
3.5
2.6
4.9
1.6
3.5
1.9
◆『オケージョン認知』はテレビCMでも確認できるが、交通広告でより大きな影響がある
・交通広告とテレビCMについて、同様に“オケージョン認知”の有無による、広告効果の指標の
スコアを比較しました。<参考2>
・「オケージョン認知した人の方が態度変容率が高い」という傾向は、テレビCMでも確認が
出来ました。
・オケージョン認知した人の態度変容率は、いずれも、テレビCMより交通広告の方が高く、
また、A/B指数も交通広告の方が大きい(交通広告の方が、オケージョン認知と態度変容との
関連性が高い)傾向があることがわかりました。
<参考2>
オケージョン認知有無別での交通広告とテレビCMの意識の変化
(茶系飲料
交通広告認知者
広告内容理解
広告口コミ
意向
広告認知者ベース)
興味・関心
検索意向
好意
推奨意向
購入・利用
意向
オケージョン認知あり
62.0%
50.0%
78.3%
52.2%
82.6%
65.2%
78.3%
オケージョン認知なし
19.9%
14.2%
29.7%
10.7%
52.4%
18.6%
42.0%
3.12
3.52
2.64
4.86
1.58
3.50
1.87
A/B値
テレビCM認知者
広告内容理解
広告口コミ
意向
興味・関心
検索意向
好意
推奨意向
購入・利用
意向
オケージョン認知あり
52.9%
19.1%
42.3%
20.4%
68.1%
38.0%
55.7%
オケージョン認知なし
28.2%
5.5%
23.3%
6.7%
50.8%
15.4%
39.5%
1.88
3.46
1.82
3.03
1.34
2.47
1.41
A/B値
調査結果2
◆『オケージョン認知』の再調査
第一回調査を受け、 『オケージョン認知』 の設問である「広告を見たときの状況や情景」に
ついて、 「あり」「なし」の2段階ではなく、広告認知率等の調査と同様に、「はっきりと思い
出せる」「何となく思い出せる」「思い出せない」の3件法で、あらためて第二回定量調査を実
施しました。
「広告を見たときの状況や情景」をどの程度、思い出せますか。
はっきりと思い出せる
オケージョン
認知区分
オケージョン認知あり(再定義)
何となく思い出せる
思い出せない
※第二回調査上の「オケージョン認知」に関する再定義について
◆第二回調査でも『オケージョン認知』は意識の変化と深い関連性があることを再確認
・分析にあたり、「はっきりと思い出せる」「何となく思い出せる」の回答者を“オケージョン認
知した人(オケージョン認知:あり)”、 「思い出せない」の回答者を“オケージョン認知して
いない人(オケージョン認知:なし)”に分け、態度変容率を比較しました。<参考3>
・その結果、購入意向率のA/B値が、1.8 など、第一回調査と同様に、いずれの態度変容につ
いてもプラスの関連性があることが確認できました。
・この結果から、『オケージョン認知』と態度変容の関連性は、第一回調査特有のものではない
という可能性が強くなりました。
オケージョン認知有無別での交通広告による意識の変化
<参考3>
(茶系飲料
交通広告認知者ベース)
オケージョン認知なし
オケージョン認知あり
68.7%
62.7%
57.4%
45.6%
43.7%
43.9%
38.8%
30.8%
35.6%
30.8%
24.4%
6.7%
A/B値
8.9%
8.3%
広
告
内
容
理
解
広
告
口
コ
ミ
意
向
興
味
・
関
心
検
索
意
向
好
意
推
奨
意
向
購
入
・
利
用
意
向
6.5
3.5
1.9
4.7
1.5
1.8
1.8
◆『オケージョン認知』の含有率はテレビCMより交通広告が高い
・また、広告認知者のうち、“オケージョン認知した人”が含まれている率を交通広告とテレビCM
のそれぞれで比較しました。<参考4>
・その結果、含有率は、茶系飲料でテレビCM62.1%に対し、交通広告72.2%と、テレビ
CMより交通広告の方が、高い傾向がありました。
オケージョン認知した人が含まれる率
<参考4>
(茶系飲料
広告認知者ベース)
はっきりと思い出せる
交通広告
テレビCM
18.9%
15.8%
なんとなく思い出せる
72.2%
53.3%
46.3%
62.1%
◆【終わりに】
・これらの結果から、『オケージョン認知』は、広告接触後の意欲や行動の変化と深い関連性が
あり、購買行動・推奨行動といった重要KPI(Key Performance Indicator)に良好な影響を
与えていると考えられます。
・さらに、『オケージョン認知』は、交通広告で形成されやすい可能性が高く、交通広告の認知
の特徴であることが窺えます。
・今後も、広告効果を誘引する『オケージョン認知』について研究を続け、『オケージョン認
知』を交通広告の特徴として活用し、メディアプランニングやプロモーション企画に役立てい
きます。
・また、弊社では “オケージョン認知”という考え方を、ひとつの有効な指標としてとらえ、交通
広告の最適なユニットミックスを実現するオプティマイザーの開発を進めてまいります。
・同時に、『オケージョン認知』を、交通広告だけの指標とするのではなく、「行動喚起」につい
て有効な効果指標の可能性があると考えられるため、他メディアの『オケージョン認知』に関
しても、研究を進めてまいります。
図:オケージョン認知イメージ
広告認知者
『オケージョン認知』
した人
広告を見た後の
意識変化
検索意向/推奨意向/購入意向 など
別紙
<第一回調査概要>
項目
内容
調査目的
交通広告による意識の変化に関する検証調査
調査方法
インターネット調査
調査エリア
首都圏(東京・千葉・神奈川・埼玉)
調査対象
調査エリア在住の20歳以上59歳以下 男女個人
2014年12月3日(水)~5日(金)
調査対象期間
茶系飲料
調査ジャンル
1つのジャンルで以下の割付を設定し、計1,200ssを回収(各ジャンルの回答者は重複しない)
回収サンプル
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
男
150
150
150
150
女
150
150
150
150
計
1,200ss
株式会社クロス・マーケティング
調査協力会社
主な調査項目
1.
広告認知について(オケージョン認知を含む)
☞助成想起(ブランド名呈示)
☞オケージョン認知
☞広告掲出場所とユニット(交通広告)
2.
広告を見た後の意識の変化について
☞広告に対する内容理解、広告口コミ意向
☞ブランドに対する興味関心、検索意向、好感度、推奨意向、購入意向
☞広告接触後、行動(購入・検索・推奨等)
3.
属性項目(対象者プロフィール)
☞鉄道およびメディアの接触頻度・時間 等
4.
その他
☞各ジャンル関与度(茶系飲料を飲む頻度:4段階)
別紙
<第二回調査概要>
項目
内容
調査目的
交通広告による意識の変化に関する追加検証調査
調査方法
インターネット調査
調査エリア
首都圏(東京・千葉・神奈川・埼玉)
調査対象
調査エリア在住の20歳以上59歳以下 男女個人
2015年6月5日(金)~8日(月)
調査対象期間
茶系飲料
調査ジャンル
1つのジャンルで以下の割付を設定し、計2,400ssを回収(各ジャンルの回答者は重複しない)
回収サンプル
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
男
300
300
300
300
女
300
300
300
300
計
2,400ss
株式会社クロス・マーケティング
調査協力会社
主な調査項目
1.
広告認知について(オケージョン認知を含む)
☞助成想起(ブランド名呈示)
☞オケージョン認知
☞広告掲出場所とユニット(交通広告)
2.
広告を見た後の意識の変化について
☞広告に対する内容理解、広告口コミ意向
☞ブランドに対する興味関心、検索意向、好感度、推奨意向、購入意向
☞広告接触後、行動(購入・検索・推奨等)
3.
属性項目(対象者プロフィール)
☞鉄道およびメディアの接触頻度・時間 等
4.
その他
☞各ジャンル関与度(カテゴリーへの興味関心、購買時の比較検討、茶系飲料を飲む
頻度:4段階)
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