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地域警察部門における女性の安全対策の推進について

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地域警察部門における女性の安全対策の推進について
各 管 区 警 察 局 長
殿
各 都 道 府 県 警 察 の 長
警 察 庁 丙 地 発 第 1 7 号
平 成 1 1 年 1 0 月 8 日
警 察 庁 生 活 安 全 局 長
地域警察部門における女性の安全対策の推進について(通達)
地域警察部門においては、犯罪の被害に遭いやすく不安感の強い一人暮らしの女性に重
点を置いた安全対策を推進するため、交番等を「女性相談交番」に指定し、また、列車内
は女性が被害者となる痴漢等の犯罪が発生しやすく、この種事犯の取締りを求める要望が
強い一方で、しゅう恥心等から被害の届出や相談が非常に少ない実情にあるため、鉄道警
察隊に「女性被害相談所」等を設け、それぞれ効果を上げているところであるが、女性の
安全対策をより一層推進するため、このたび、別添1及び2のとおり「女性の安全対策の
ための「女性相談交番」運用要領」及び「鉄道警察隊における「女性被害相談所」運用要
領」を制定することとしたので、各都道府県警察においては、「女性相談交番」及び「女
性被害相談所」の一層の利用促進を図るための広報活動の推進、性犯罪等に関する相談や
被害の届出の受理体制の整備に努めるなど、本要領による効果的な施策を講じ、実効の上
がるようにされたい。
別添1
女性の安全対策のための「女性相談交番」運用要領
1
女性相談交番の指定
性的犯罪の被害に遭いやすく、これらの犯罪に対する不安感の強い一人暮らしの女性
等の安全をより効果的に確保するため、各都道府県警察においては、女性警察官の体制、
性的犯罪の発生状況、交番等の施設の状況等を参酌した上、女性警察官が女性からの相
談に対応する「女性相談交番」を指定すること。
交番等の施設については、相談者のプライバシー等の権利の保護を確実なものとする
ため、次の基準を満たすよう努めること。
○ ブラインド等外部から相談者の姿を見ることができないようにするための設備が設
けられていること。
○ コミュニティルーム、休憩室、相談室等の相談に係る会話を外から聞くことができ
ない構造を有する部屋において相談を行うことができること。
なお、これらの基準に該当しない交番を女性相談交番として指定する場合は、でき
る限り女性が安心して相談できるようその環境の整備に努めること。
2 実施態勢
相談に当たる女性警察官は、通常基本勤務を行いつつその業務に当たることとするが、
相談者の利便を図るため、女性相談交番には相談日(必要に応じて相談時間帯)を設定
し、これを表示する掲示を行うこと。この場合、相談日に女性警察官が確実に在所する
とともに、相談時間帯がなるべく一定するよう女性警察官の勤務時間の弾力的な運用を
図ること。
また、女性警察官の不在中に相談のため来訪、電話等があった場合には、その緊急性、
必要性に応じ、女性警察官への帰所の指示、相談者への女性警察官の在所する日時の教
示等の措置を講じること。
3 活動内容
女性相談交番の女性警察官は、来訪、電話等による女性からの相談への対応、アドバ
イスを行うほか、必要に応じ、パトロール、相談者宅への訪問等の活動を行うこと。
(女性警察官が相談に応じることが不可能な場合には、相談者に男性警察官が相談に応
じる旨を伝え、これを相談者が了解すれば男性警察官が相談等に応じること。その際、
相談に対する事後の対応を女性警察官が行うことが適当と認められるときは、相談を受
けた男性警察官は女性警察官へ引き継ぐこと。)。
また、相談に対する措置として、男性警察官が相談者と面談したり、相談者の居宅を
訪問するなどの活動を行う必要がある場合は、可能な限り相談を受けた女性警察官が同
席することとするとともに当該女性警察官からあらかじめその旨を告げておくなど相談
者の女性の心情に配意した措置を講じること。この場合において、相談者に対応する男
性警察官には、相談者の心情を害する言動を行うことのないよう指導を徹底しておくこ
と。
なお、相談の内容から判断して、交番又は相談者の居宅以外の場所において相談等に
応じる必要がある場合には、警察署地域課長に事前に(やむを得ない場合には事後速や
かに)報告をして、これを実施すること。
4
広報活動
事前の広報はもとより、女性相談交番がその活動を開始した後においても各種媒体を
効果的に活用し、女性相談交番の趣旨、業務の内容、相談日等について継続的な広報を
行うこと。
なお、女性相談交番にその旨を表示する掲示を行う際には、相談者が訪れやすい内容
のものとなるように特に配意すること。
5 管理
(1) 指導体制の確立
相談等を担当する女性警察官の実務能力等を勘案し、女性警察官に対する所要の教
養の実施、相談活動マニュアルの作成、地域警察幹部による指導体制の確立に努める
こと。
(2) 情報の管理等
相談を受理した女性警察官は、相談の内容、措置状況等について警察署長に逐次報
告すること。
相談に係る情報の管理については、地域警察幹部を管理責任者と指定するなどして
保秘の徹底を図ること。
(3) 引継ぎ等
ア 犯罪に関わるものと認められる相談を受理した場合は、事案に応じ、これを速や
かに主管部門に引き継ぐこと。
イ 受持警察官又は他の交番等の警察官に連絡、引継ぎ等をする必要があると認めら
れる相談を受けた女性警察官は、相談者の了解を得た上、相談者のプライバシーの
保護に十分注意して連絡等を行うこと。
ウ 受持警察官が巡回連絡等を通じて女性警察官が処理することが適当と思われる相
談を受けた場合は、これを女性相談交番の女性警察官へ連絡すること。
6 その他
「女性相談交番」の名称は例示であり、各都道府県警察においては、その実情に応じ、
それぞれ適切と考えられる名称を用いること。
7 施行期日
この要領は、平成11年11月1日から施行する。
別添2
鉄道警察隊における「女性被害相談所」運用要領
1 相談所の設置等
(1) 鉄道警察隊の本隊又は分駐隊その他の適当な場所において、女性警察官を中心とし
た痴漢等被害に関する相談所の設置や相談日を設定すること。
(2) 相談所には、電話番号、相談時間等を明示した掲示板を掲出するとともに、女性警
察官が相談等に応ずる旨の広報に努めること。
2 相談等のしやすい受理体制及び環境の整備
(1) 相談所の開設時には、女性警察官の勤務時間を調整し、女性警察官を配置すること。
(2) 相談受理時間については、できるだけ通勤・通学時間帯等痴漢被害の多発時間帯を
中心に設定すること。
(3) 相談等の受理場所は、専用の相談室を設けることが望ましいが、相談室がない場合
においても、衝立等で囲むなど相談者が安心して相談できるような環境の整備に努め
ること。
(4) 「よろず相談所」等の形で運用する場合においても、相談に来所する女性の立場を
考慮して、窓口については女性警察官を配置した上で、内容によって幹部が相談に対
応すべき者を振り分ける等の配意をすること。
3 同行警乗等による検挙活動の強化
(1) 相談等受理の結果、被害者が同一被疑者に繰り返し痴漢被害を受けている場合や類
似事犯が連続発生している場合、保護者、学校関係者等からの取締り要請が強い場合
等で必要があると認めるときは、女性警察官を含めた私服での同行警乗等を実施し、
被疑者の検挙に努めること。
(2) 痴漢等の被害実態を把握・分析し、痴漢等被害の多発時期や多発曜日等をとらえた
取締り強化月間や警乗強化日等を設定し、重点的な活動を実施すること。
4 効果的かつ継続的な広報活動
相談所の一層の利用促進を図るため、相談所の活動について各種媒体を活用し、効果
的かつ継続的な広報活動を推進すること。
5 駅前交番等配置女性警察官の活用
鉄道警察隊に女性警察官が配置されていない場合で、主要駅等の駅前交番等に女性警
察官が配置されているときは、同女性警察官を鉄道警察隊兼務とし、又は駅前交番等に
おいてこの要領に定める活動を鉄道警察隊と連携の上行い、痴漢等の相談や被害届の受
理に応じ得る体制の整備に努めること。
6 指導体制の確立
相談等を担当する女性警察官の実務能力等を勘案し、相談活動に関するマニュアルの
作成や、地域幹部による指導体制の確立に努めること。
7 施行期日
この要領は、平成11年11月1日から施行する。
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