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1年 後期 知的財産と法 岡 邦俊
平成 25 年度以降入学生用 専門科目 履修年次 開講時期 科目名 担当教員 1年 後期 知的財産と法 岡 邦俊 <テーマ><授業の目標(学習目標)> 近年、知的財産権の重要性はますます高まっているが、マスコミなどの実務に携わる人々の知的財産法に関する知識は、決して高いとは言えない。そこで、本 授業では、まず知的財産権法の基礎知識を習得させた上で、とくに著作権法について、最近の重要判例を参考として、知的財産権紛争の解決のために法が どのように解釈・適用されているかを具体的に理解させたい。 <授業の方法> 前半は、知的財産権法の基本的構成の学習に充てる。後半は、自由な討論の方式によって、著作権紛争の解決のために必要な思考方法を訓練する。 <授業計画> 2. ぬいぐるみ人形を大量に複製して販売した者は、どのような民事・刑事 Ⅰ 知的財産権法の基礎 責任を負うか。―『ファービー』事件山形地裁平成 13 年 9 月 26 日刑事判 1. 特許法 2. 意匠法 3. 商標法 4. 不正競争防止法 5.著作権法 決― Ⅱ 著作権の基礎知識 3. 写真著作権は人為的な被写体の構成上の工夫等に及ぶか。―『スイカ 1. アイデアと表現 2. 偶然の一致 3. 無方式主義著作者と著作権者 写真』事件東京高裁平成 13 年 6 月 21 日判決― 4. 人格権と財産権 4. 1953年以前に公表された映画はパブリック・ドメイン化しているか。 Ⅲ 著作権法の具体的内容 ―『ローマの休日』事件東京地裁平成 18 年 7 月 11 日決定― 1. 二次的著作物(法 2 条 1 項 11 号、27 条、61 条 2 項) 5. ゲームソフト用のデータを改ざんしたメモリーカードを無断販売すること 2. 職務著作(法 15 条 は違法か。 3. 著作者人格権(公表権、氏名表示権、同一性保持権) ―『ときめきメモリアル』事件平成 13 年 2 月 13 日最高裁判決― 4. 著作財産権(複製権、上演・演奏・上映権、公衆送信権、頒布権、翻案権等) 6. ファイル交換ソフトを開発し、フリーウェアとしてインターネットからダウン 5. 著作権の制限(私的複製、引用、教育目的による複製、非営利の上演等) ロードさせた場合、開発者と利用者はどのような民事・刑事責任を負うか。 6. 保護期間・譲渡・消滅、著作隣接権―著作権の基礎知識まとめ ―『winny』事件京都地裁平成 18 年 12 月 13 日刑事判決― Ⅳ 著作権の紛争と判例(ケース・スタディ) 7. まとめ 1. 絵画の原作品所有者は、著作権消滅後も刊行物からの無断複製行為を禁止 Ⅴ むすび―インターネット時代の知的財産権 以上 できるか。―『顔真卿自書建中告身帖』事件最高裁昭和 59 年 1 月 20 日判決― <評価方法> 基本的には「レポート提出」で評価し、「出席状況とデイスカッションへの参加」を考慮して総合的に判断する。 <テキスト> <参考書> 著作権法の条文は必携。『知的財産権法文集』・発明協会・2011が知的財産権法を網羅したハンディなもので最適。著作権については文化庁編著「著作権法 入門」がよい。後半は、講師執筆の「著作権の事件簿」(日経 BP 社・2007)の判例のコピーを配布予定。 <受講上の注意事項> 知識の取得より、自由な思考を心がけること。