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福
CONTENTS
福
福島の進路
2
2006.3
№283
【しんろ】
スローフード・和菓子の世界
株式会社長門屋本店(和菓子製造É販売)代表取締役
C
O
N
T
E
N
T
S
4
鈴
木
隆
雄
西
村
幸
夫
朗
【マンスリーレポート】
格差があるものの回復を続ける県内経済
10
【トピックス】
“シニアが主役”
∼少子高齢化社会
16
【講 演】
観光地活性化による地域おこし
東京大学工学部教授
25
【企業訪問】
株式会社 福 永
―衣食住に関わる健康志向を提案する物づくり企業―
28
【美を訪ねて】
第40回
33
大下藤次郎
《晩秋》
福島県立美術館長
酒
井
哲
福島学院大学短期大学部 講師
神
田
あづさ
渡
辺
健
寿
田
中
伸
一
【食べ物のちから】
第6回 小 豆
35
【企業法務セミナー】
経営者の個人根保証について
渡辺健寿法律事務所 弁護士
37
【税務É財務相談 Q & A 】
平成18年度税制改正の内容について
田中伸一税理士事務所 税理士
41
地方経済天気図
43
主要経済指標
47
年間索引
本誌は自然保護のため、
リサイクルペーパーを使用いたしております。
しんろ
スローフードÉ和菓子の世界
■
鈴木 隆雄(すずき
たかお)
株式会社 長門屋本店(和菓子製造É販売)
代表取締役
会津若松市
株式市況も活況を呈し、中央発の情報では
います。
「食べたい時に早く便利に食べる」と
景気は上向きに転じ、日本経済が力を取り戻
いうファーストフードに対し、
「その土地の食
しつつあると言われております。しかし、地
材、その土地の知恵や習慣を大切にし、手間
方にあっては景気上昇の実感はまだまだ乏し
暇かけても良いから楽しんでゆっくり食べま
く、長い不況のトンネルが続いているという
しょう」という運動です。これが日本に紹介
のが実情ではないでしょうか。
されるや否や急速な勢いで全国に広まりまし
さて、当社は会津にあって嘉永元年から和
た。この広がりの理由の一つとして、日本に
菓子の製造販売を致しております。長く『和
は元来このような食習慣が根付いており、世
の世界』の感覚、様式等に携わって、日本的
界で一番の健康食といわれる日本食のなかに
伝統の価値の中に代々身を置いてきました。
既にスローフードの素地があったからです。
当社のような業態は、現在の多様でグローバ
春夏秋冬、四季折々の季節の料理、納豆É
ル、そしてダイナミックな流れの時代にあっ
味噌などの自然発酵食品など等、昔からあっ
ては激流の中にある一本の杭のような存在な
た普段の私たちの食生活の上に響きの良い外
のかもしれません。しかし、しっかりと根ざ
来語をまとい、装いを新たにして普及してき
して立っていれば、時代の流れに、活力や今
たというのが本当のところではないでしょう
までにない新しい潮流を生み出せるのではな
か。
いかと考えております。
1986年イタリア北部ピエモンテ地方で始まっ
たスローフードという運動があります。ご存
ちなみにスローフード協会は活動の指針と
して次の3つをあげています。
①
知の方も多いと思いますが、これは食べ物の
ことではなく一つのライフスタイルを指して
2
■
福島の進路 2006.3
消えつつある郷土料理や質の高い小生
産の食品を守ること。
②
質の高い素材を提供してくれる小生産
しんろ
««
者を守ること。
③
や つ 駄菓子は、日保ちのする実用的なものか
子供たちを含めた消費者全体に、味の
教育を進めていくこと。
ら玩具的愛くるしさをもった物等、その土地
のそこの暮らしの中から発展し改良されお菓
子となったものが多いのです。
今、インターネットの普及により、人、物、
和菓子は、欧米のスィーツとはまた違う独
お金、情報などがボーダレスの様相を呈して
特のスタイルを築きあげてきました。日本と
おりますが、こうした時代だからこそ「アイ
いう環境、土壌に咲く花のように育ってきた
デンティティ」「世界中のどこへ行っても日本
のが和菓子なのです。何気なく和菓子を美味
をキチンと語れる日本人」といったものが重
しくいただくということの中に、日本の文化
視されなければなりません。また、私達が営々
をいつくしみ、日本の良さ美しさを目É鼻で
として築いてきた素晴らしい文化、美意識、
触れて楽しむという喜びを感じることができ
徳といったものに、もう一度光を当て見直す
ます。探し物は遠くばかりにあるのではなく、
時が今なのではないかと思っております。
近くにもあると思うのです。
さて、当社の商品は『羊羹』『お饅頭』『最
これからの社会は横並びから縦並び社会へ
中』
『駄菓子』等の和菓子なのですが、これら
と変化し始めています。皆が中流という意識
全ての商品に共通して言えることは、何れも、
はまだら模様を描いていくことになるでしょ
まさしくスローフード品と言うことです。そ
う。小 さ な こ と 身 近 な こ と も、大 き な こ と 世
の土地の質の高い食材をその土地の味でご賞
界 の こ と と同じように大切に思えます。私た
味いただき、健康でヘルシーな食材を用い代々
ちのふるさと「ふくしま」を良く知り、そし
広くお客様に喜んで頂いている品なのです。
て好きになって、日本の良さを深く理解すれ
畳のある部屋で熱い日本茶を飲みながら和菓
ば、激流に流されずに立っていられる強い杭
子をそっと口にó張るとき、
「あ∼美味しい」
になることができるのではないかと思ってお
とため息が出るひとときは至福の時と言える
ります。
««««««««««
««««««
««««
のではないのでしょうか。私たちが普段何気
最後になりますが、当社は「物を作るとい
なく口にしている和菓子は実は二∼三百年前
うこと」
「お客様に喜んでいただけること」さ
のものとあまり変わっていないのです。原材
さやかなことではありますが、こうしたこと
料、製法や色形、味についてもそう大きな違
を大切にして、また皆様にいろいろと教えを
いはありません。千利休の時代に大きく発達
乞いながら今後も努力を重ねていきたいと考
かす
した和菓子は、幽 かな季節の移ろいを写し取
り、その菓名にも趣向が凝らされ、その彩り
は芸術品ともいえる領域に達しております。
えております。
この紙面をお借りして日頃の雑感を述べさ
せて頂きました。
«
その中で、広く庶民の間に親しまれてきたお
福島の進路 2006.3
■
3
マンスリーレポート
マンスリーレポート
格差があるものの回復を続ける県内経済
県内経済は、個人消費や公共工事が総じて盛り上がりに欠けているものの、生産活動や雇用情勢等の改
善が進んでおり、景気回復の動きが続いている。
個人消費では、12月の大型小売店販売額のうち、百貨店は、2ヵ月連続で前年を上回っているが、スー
パーは、22ヵ月連続で前年を下回っており、合計では、11ヵ月連続で前年割れとなった。また、1月の乗
用車新車登録台数は、軽自動車を除く全車種で前年実績を下回った結果、3ヵ月連続で前年を下回った。
投資動向では、1月の公共工事前払保証取扱は、保証金額で前年を上回ったものの、件数、請負金額は、
ともに前年を下回った。なお、12月の県内新築住宅着工戸数では、借家建築の増加により、3ヵ月連続で
前年同月を上回った結果となった。
1月の生産活動は、国内外の受注が好調であることなどから、化学、鉄鋼É金属、情報通信機械、電子
部品Éデバイスなどの業種で好調な生産となった。一方、清酒の生産が2ヵ月ぶりに前年比で増加したも
のの、ニットの生産が依然減少傾向にあるなど、総じて地場産業は厳しい状況にある。
1月の企業倒産は、前年と比べて負債総額が大きく増加している。12月の有効求人倍率(季節調整済、
パート含)は、前月より0.06ポイント上昇して0.87倍となり、新規求人倍率(季節調整済、パート含)も
1.35倍と前月比で0.05ポイント上昇した。
個人消費
東北経済産業局の速報によると、12
月の県内大型小売店の販売額は234億63百万円
となり前年同月比0.9%減と11ヵ月連続で前年
を下回った。1月の乗用車新車登録台数(軽乗
用車含)は、5,215台で前年同月比5.4%減と3ヵ
月連続で前年を下回った。2月の家電量販店で
生産活動
1月の化学、鉄鋼É金属、電子部
品Éデバイスなどの業種については、国内外の
受注が好調であり、前年に比べても生産が増加
し好調が続いている。一方、ニットの生産が減
少するなど、総じて地場産業は厳しい状況にあ
は、前年と比べて全体的に売上が増加している。
るが、清酒の中でも特定名称酒の移出数量が
なかでも、地上波デジタル放送対応テレビは引
3ヵ月連続で増加するなどの動きも出てきてい
き続き堅調な売上を続けている。
る。
企業経営
トピックス
福島県が発表した平成17年末の一時
福島県は、新年度に過疎É中山間
金要求妥結状況によると、平均妥結額(加重平
地域対策の一環として、定住É二地域居住拡大
均)は552,842円(前年比5,872円増加)となり、
プロジェクトを行う。団塊の世代の県内移住を
2年ぶりに前年を上回った。妥結月数も2.09ヵ
図るため、東京都内に相談窓口を開設し、住宅
月で前年を0.01ヵ月上回った。前年比増加額を
や農地の取得法の提供など新規就農支援を実施
みると、製造業と卸売É小売業が高くなってお
する。窓口は NPO 法人「ふるさと回帰支援セ
り、逆に運輸業、複合サービス業、サービス業
ンター」内に置かれ、専属の相談員が電話相談
は、前年比で大きく減少している。
でも対応する。
4
■
福島の進路 2006.3
マンスリーレポート
―― 消 費 動
大型小売店
乗用車販売
向 ――
1月の乗用車新車登録台数(軽
乗用車含)は、5,215台で前年同月比5.4%減
東北経済産業局の速報によると、
と3ヵ月連続で前年を下回った。車種別でみ
12月の県内大型小売店の販売額は234億63百万
ると、軽乗用車が1,817台(同3.2%増)と2ヵ
円となり、前年同月比0.9%減と11ヵ月連続で
月ぶりに前年を上回る一方、中小型乗用車は
前年を下回った。
2,723台(同7.8%減)と4ヵ月連続で前年実
業態別にみると、百貨店では、飲食料品が
績を下回り、大型乗用車も675台(同15.4%減)
減少したものの、気温の低下による冬物衣料
と7ヵ月連続で前年実績を下回った。
の売れ行き好調で、衣料品が同5.1%増となり、
消費者物価指数
合計47億62百万円(同3.0%増)と2ヵ月連続
総合指数(福島市、平成12年=100)が97.8と
で前年を上回った。
前月比で0.1ポイント下降し、前年同月比では
12月の消費者物価指数は、
一方、スーパーでは、衣料品が同5.8%増と
0.3ポイント上昇した。10大費目の指数の動向
なったものの、主力の飲食料品が同3.7%減と
をみると、「教育」が103.0と前月と変わらな
振るわず、合計187億2百万円(同1.9%減)
かったが、「交通É通信」は100.7と前月比で
と22ヵ月連続で前年を下回った。
0.1ポイント増、「光熱É水道」は106.7と同
2月の家電量販店は、前年と比べて総売上
0.3ポイント増、「住宅」は105.1と同0.1ポイ
高が増加しており、なかでも、地上波デジタ
ント増、「教養娯楽」は90.8と同0.8ポイント
ル放送対応テレビは前月に引き続き堅調な伸
増となった。逆に、「家具É家事用品」は89.6
びを示している。
と同0.3ポイント減となった。
大型小売店販売額(店舗調整済)
(%)
20
乗用車新車登録台数
(台)
15,
000
(前年同月比伸び率)
(%)
30
20
12,
000
10
前年同月比
(右目盛)
↓
9,
000
10
0
↑
百貨店
−10
↑
スーパー等
−20
6,
000
0
3,
000
−10
0
7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112
16年
(資料:経済産業省)
17年
−20
12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1
16年
17年
18年
(資料:県自動車販売店協会)
福島の進路 2006.3
■
5
マンスリーレポート
―― 交通・レジャー動向 ――
高速道路
日本道路公団によると、1月の磐
―― 投
公共工事
資
動
向 ――
1月の公共工事前払保証取扱いは、
越自動車道5 料金所の通過台数は 、合計で
件数323件(前年同月比17.2%減)、保証金額
401,108台(前年同月比6.1%増)となり、8ヵ
39億5百万円(同4.1%増)、保証対象である
月連続で前年を上回った。
請負金額は85億11百万円(同3.2%減)となっ
料金所別では、猪苗代磐梯高原108,146台
(同5.0%増)、磐梯河東96,946台(同7.0%増)、
た。
発注者別で請負金額をみると、県が47億77
会津若松144,929台(同6.5%増)、会津坂下
百万円(同67.0%増)、国が10億94百万円(同
32,858台(同1.5%増)、西会津18,229台(同
25.0%減)、市町村が24億84百万円(同40.8%
12.9%増)となった。
減)となった。件数でみると、市町村は145件
福島空港
1月の福島空港の利用状況は、国
(同35.3%減)と前年に比べて大きく減少して
内便が、札幌便で7,388人(前年同月比0.1%
いる。
増)、大阪便で11,536人(同20.5%減)、福岡
住宅建設
便で2,599人(同14.8%減)、沖縄便で6,269人
家が大きく増加したため、1,061戸と前年同月
(同9.7%増)となった。
12月の県内新設住宅着工戸数は貸
比9.9%増となり、3ヵ月連続で前年を上回っ
国際便では、上海便が1,493人(同16.2%増)、
た。利用関係別でみると、持家が470戸と前年
ソウル便が5,278人(同96.4%増)となった。
と変わらず、貸家が566戸(同40.8%増)となっ
また、1月の搭乗率をみると、国内便が44.9
た。前月好調だった分譲は25戸(同72.5%減)
%(同3.4ポイント増)、国際便が63.9%(同
と大きく減少し、給与も0戸となった。
7.6ポイント増)となった。
消費者物価指数
100.0
公共工事前払金保証実績
(億円)
200
(総合指数 平成12年=100)
(%)
80
前年同月比→
(右目盛) 150
40
99.0
福島県
↓
0
100
98.0
50
↑
全 国
97.0
16年
17年
情報統計領域)
※平成17年3月以降は福島市の消費者物価指数を福島県の消費者物価指数とみなす。
6
■
福島の進路 2006.3
−80
0
9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112
(資料:県企画調整部
−40
8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1
16年
株)
(資料:東日本建設業保証ò
17年
18年
マンスリーレポート
―― 生 産 活
清酒
販売量は25,366Á(同15.0%増)となった。
動 ――
1月の感熱紙は、 FAX 、レジ
紙・紙加工品
12月の清酒移出数量は3,655Å(前年同
用などの受注が確保されていることから、前
月比0.4%増)と、2ヵ月ぶりに前年を上回っ
年と比べて生産は増えている。コスト削減が
た。内訳は、一般酒が2,551Åと前年とほぼ同
進んでいるものの、パルプなど原材料価格が
じ水準となり、特定名称酒は1,104Å(同1.2
中国での生産拡大などで高騰していることや、
%増)と3ヵ月連続で前年を上回った。
重油高などの外的要因があり、収益環境は厳
化合繊織物
しくなってきている。
1月の化合繊織物のうち前年比
で、ナイロンの受注は減少しているものの、
化学
工業用の受注が横這い、ポリエステルの受注
電用コンデンサーの受注が好調で、前年同月
はやや増加し、総体での生産レベルは増加し
を上回る生産となっている。一方、バリウム
ている。通期では前年度と同水準になる見通
生産は、カメラレンズ生産の減少に伴う受注
しであり、他のメーカーにはない特色のある
減から、前年同月比で減少している。 KPS 樹
製品によって受注の確保がなされている。
脂や炭素繊維の生産は受注が非常に好調で、
ニット
前年同月比で増産となっている。
1月のニットの生産は、春É夏物が
1月のパルセラム生産は、デジタル家
前年と比べて減少した。今のところ追加の受
窯業・土石
注が見込めず、依然として生産は減少傾向に
いわき、県中のマンション建設、工場増設な
ある。
ど民間需要が 大きく伸びているこ とから、
木材・木製品
12月の県内木材6市場の製材
1月の生コンクリート出荷量は、
112,446Á(前年同月比23.4%増)となった。
品入荷量は3,028Á
(前年同月比12.0%増)
、販売
鉄鋼・金属
量は2,665Á(同11.0%増)となった。また、県
用は国内、海外向けが好調な受注により、前
内9市場の素材入荷量は23,704Á(同2.0%増)、
年を上回る生産となった。
新設住宅着工
(戸)
2,
000
(%)
60
鉱工業生産指数(全国、東北との比較)
(季節調整済 平成1
2年=100)
120
40
前年同月比
(右目盛)
↓
1,
500
1月の鋳造品のうち、トラック
110
20
東 北
↓
1,
000
0
100
↑
福島県
−20
500
↑
全 国
90
−40
0
−60
12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
16年
(資料:国土交通省)
17年
80
10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
16年
(資料:県企画調整部
17年
情報統計領域)
福島の進路 2006.3
■
7
マンスリーレポート
また、建機用は、ヨーロッパ、北米向けが
生産は、海外、国内向けともに前年並みとなっ
建設需要の増加により、前年を上回る生産と
ている。1月の自動車用オイルシールも受注
なっている。
が安定しており、前年並みの生産となってい
電気機械
る。なお、オイルシールは高品質化を要求さ
1月の電気機械生産は、前年と比
べて変圧器がやや減少したものの、配電盤は、
れ、品質維持向上のため検査部門の強化を進
工場用などの受注が好調で増加している。
めている。
変圧器の材料である鉄鋼、銅線などの価格
精密機械
1月のデジタルカメラ用レンズの
。
が上昇しており、収益の圧迫要因となっている
生産は、国内メーカーからの受注減に伴い、
情報通信機械
1月は、産業オートメーショ
前年比で生産を減らしている。デジタルカメ
ン関連の FA パソコンの生産が前年と比べて
ラ生産は、前年とほぼ同じ生産水準を維持し
増加となった。その他、マイクロ波通信機器、
ている。レンズ製造では、安全基準が厳しく
通信制御機などの生産は、中国やインドなど
なってきており、その対応が進められている。
のアジア圏での堅調な受注が確保されており、
大口電力
前年並みの生産レベルを維持している。
万È/ h (前年同月比9.9%増)となり、28ヵ
12月の大口電力販売量は、505百
1月の LSI (大規模集
月連続で前年を上回った。主な販売先を業種
積回路)の生産は、テレビや DVD 関連など
別にみると、「電気機械」が112百万È/ h (同
の AV 、ゲーム機やデジタル家電向けの受注
8.4%増)、「非鉄金属」が77百万È/ h (同
が好調のため堅調に推移している。
15.2%増)、「輸送用機械」が52百万È/ h (同
電子部品・デバイス
なお、設備全体の稼動率はほぼ100%と非常
10.9%増)、「一般機械」が30百万È/ h (同
に高い水準にある。
13.3%増)、「化学」が53百万È/ h (同1.9%
輸送用機械
減)となっている。
1月の自動車用ブレーキ部品の
県内鉱工業生産指数
106kw/h
550
(季節調整済 平成1
2年=100)
130
120
機械
↓
大口電力使用量
(%)
15
500
110
10
100
450
90
↑
化学
↑
食料品
80
5
前年同月比
(右目盛)
↓
400
繊維
↓
0
70
60
350
10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
16年
(資料:県企画調整部
8
■
17年
情報統計領域)
福島の進路 2006.3
−5
10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
16年
(資料:東北電力福島支店)
17年
マンスリーレポート
―― 金 融 動
資金需要
向 ――
―― 企業動向・雇用動向 ――
県内金融機関(全国銀行、第二地
企業倒産
1月の企業倒産(負債総額10百万
銀、信用金庫、信用組合)の12月末の預金残
円以上)の件数は、8件となり前年と変わら
高は6兆971億24百万円と前月比で846億88百
ないものの、負債金額は21億84百万円と前年
万円増加し、同1.4%増となった。また、前年
同月比195.9%増加した。また、前月と比べる
同月比では309億47百万円増加し、同0.5%増
と件数、金額共に増加しており、原因は全て
となった。12月末の貸出金残高は、3兆8,900
受注É販売不振であった。
億56百万円と前月比で237億49百万円増加し、
地区別では、多い順に、県北が4件で12億
同0.6%増となり、2ヵ月連続で前月を上回っ
94百万円、浜通りが2件で8億60百万円、県
た。また、前年同月比でも40億28百万円増加
南が2件で30百万円、会津は0件となった。
し、同0.1%増と2ヵ月連続で前年を上回った。
雇用動向
保証協会
1月の保証承諾は、件数1,078件
パート含)は、前月より0.06ポイント上昇し
(前年同月比5.8%増)
、保証金額97億92百万円
て0.87倍となり、前年同月比では0.04ポイン
(同20.0%増)となった。代位弁済は件数26件
ト上昇した。また、新規求人倍率(季節調整
(同16.1%減)、金額3億41百万円(同53.9%
済、パート含)も1.35倍と前月比で0.05ポイ
12月の有効求人倍率(季節調整済、
増)となった。1月末時点の保証債務残高は、
ント上昇し、前年同月比では0.22ポイント上
件数が42,820件(同7.2%増)
、金額が3,098億
昇した。また、12月の雇用保険受給者実人数
26百万円(同7.7%増)となった。
は、9,537人(前年同月比4.3%減)と39ヵ月
連続で前年を下回った。
(百万円)
1,
000
不渡手形金額
(%)
300
(県内4手形交換所)
県内企業倒産
(億円)
600
(件)
30
(負債額1,000万円以上)
250
800
200
150
600
25
500
400
50
前年同月比
(右目盛)
↓
400
20
件 数
(右目盛)
↓
100
300
15
200
10
100
5
0
−50
−100
200
−150
−200
0
8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112
16年
(当研究所調べ)
17年
0
0
12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1
16年
17年
18年
(資料:帝国データバンク福島支店)
福島の進路 2006.3
■
9
トピックス
“シニアが主役”
∼少子高齢化社会
少子高齢化社会は、都市部と地方間に人口偏在
る。2003 年の推計人口と比較すると、2003 年10 月
をもたらし、労働力の減少や労働生産性の低下を
1日現在の総人口は127 ,619 千人であり、総人口
招き、年金や医療費など社会保障費の負担増を生
は1年8ヵ月で僅か45 千人しか増えておらず、戦
み出すが、一方で、2007 年に予想される団塊世代
争が終結した1945 年に214 千人に落ち込んだ人口
の大量退職に象徴される超高齢化社会の幕開けは、
増加数をも下回る危機的な状況に陥っている。厚
シニアÉシルバー層が主役となる新たな時代の到
生労働省は昨年に出生数が死亡数を下回る「自然
来を予感させるものである。
減」になったと発表したが、昨年10 月に実施され
50 歳から60 歳代の世代は、個人金融資産の半分
た国勢調査では、総人口が1年前より19 千人減少
以上を保有すると言われており、年金受給が一定
した事が明らかになっており、日本は、いよいよ
の年齢から確実に見込めるなど、非常に裕福な世
人口減少社会に突入したと言える。
代であり、このシニア層が経済構造や消費動向に
2005 年の総人口を年齢構成別にみると、0∼14
大きな影響力を持つものとみられる。また、経験
歳の年少人口が17 ,612 千人(13 .8 %)、15 ∼64 歳
豊かで多様な価値観を持つこの世代は、空洞化す
の生産年齢人口が84 ,697 千人(66 .3 %)、65 歳以
る中心市街地や衰退する過疎É中山間地域等の再
上の老年人口が25 ,355 千人(19 .9 %)となってい
生にとっても、欠かすことのできない重要なファ
る(図1)。2003 年時の年齢構成が、年少人口
クターであると考えられる。少子高齢化社会は、
17 ,905 千人(14 .0 %)、生産年齢人口85 ,403 千人
消費市場や地域再生等にとって“シニアが主役に
(66 .9 %)、老年人口24 ,311 千人(19 .1 %)であっ
なる時代”と言えるのではないだろうか。
なお、これらの世代に65 歳以上の高齢者を含め
たので、“子供と働く人が減って、お年寄りが増
える”少子高齢化社会が確実に到来している。
た年齢層に対する呼称としては、一般的に“シニ
アÉシルバー層”等の言葉が使われているが、こ
図1
2005年6月1日現在の総人口構成
の層を指す明確な定義はないため、本稿では、便
宜的に「50 歳以上をシニア層」として使用してい
る。
50∼64歳
27,523千人
15∼49歳
57,174千人
1.少子高齢化社会の到来
2005 年6月1日現在における日本の推計人口は、
0∼14歳
17,612千人
65歳以上
25,355千人
総人口で127 ,664 千人となっており、男女別では、
男性が62 ,243 千人、女性が65 ,421 千人となってい
10
■
福島の進路 2006.3
総務省人口推計月報により当研究所が作成
トピックス
この団塊の世代は、2007年頃に定年を迎え、3
2.突出する団塊の世代
年間で約550万人が退職すると言われている。戦
2005年の総人口127,664千人についてシニア層
後の高度成長の担い手であった団塊の世代が集中
の構成をみると、シニア層の総人口は52,878千人
的に退職するため、これまで蓄えてきた知識É技
となっており、全体の41.4%を50歳以上が占めて
術Éノウハウが次世代に伝承されないまま途絶え
いる。このうち、65歳以上の高齢者は25,355千人
る、いわゆる「2007年問題」と言われて、“企業
おり、シニア層の約半分弱は高齢者である。1947
の競争力が減退するのではないか”と心配されて
年(昭和22年)から1950年(同25年)に生まれた
いる。
世代を作家の堺屋太一氏は「団塊の世代」と名付
図2É3は、年齢を5歳毎に区切ってみた人口
けたが、この団塊の世代が含まれる55歳から59歳
ピラミッド図である。2000年の図を見ると、50歳
の層には10,030千人おり、他の層から突出して多
から55歳にかけて大きな山があり、次いで25歳か
くなっている。
ら30歳の層が膨らんでいる。最初の層が団塊の世
代、次が団塊ジュニア世代である。2030年のピラ
図2
男
ミッド図と比較すると、この大きな二つのコブが
女
上方に進んで高齢化する推移がはっきりと確認で
き、人口ピラミッドが30年後には“逆”ピラミッ
ドへと変化して、少子高齢化に一層の拍車がかか
る。
3.県内でも進む少子高齢化
1
ò
福島県の人口動態
2005年10月1日現在の福島県人口は2,091千人
国立社会保障É人口問題研究所『日本の将来推計人口(平成14
年1月推計)』により当研究所が作成
(表1)。減少率は△0.65%と近年の中で最も大幅
図3
男
であり、前年同期と比較して13,627人減少した
になっており、人口減少が加速する傾向にある。
女
福島県の自然増減(出生数−死亡数)は、2003年
表1
人口動態の推移
人
年月日
国立社会保障É人口問題研究所『日本の将来推計人口(平成14
年1月推計)』により当研究所が作成
口 (人)
増減率
(%)
総 数
男
女
増減数
2000.10.1
2,126,935
1,037,787
1,089,148
△6,657
△0.31
2001.10.1
2,124,404
1,035,978
1,088,426
△2,531
△0.12
2002.10.1
2,119,382
1,032,810
1,086,572
△5,022
△0.24
2003.10.1
2,112,489
1,029,027
1,083,462
△6,893
△0.33
2004.10.1
2,104,850
1,024,651
1,080,199
△7,639
△0.36
2005.10.1
2,091,223
1,016,588
1,074,635 △13,627
△0.65
福島県現住人口調査月報より当研究所が作成
福島の進路 2006.3
■
11
トピックス
に△680人と「自然減」に転じており、2004年は
432千人から同578千人に増加して、2030年には老
△1,200人の自然減となっている。
年人口割合が31.1%という少子高齢化が一段と進
今年1月の県人口は2,090,011人と2百9万人
んだ社会が到来する。
ギリギリの水準にまで落ち込んでおり、死亡数が
2000年に老年人口1人に対し3.13人であった生
出生数を上回る自然減が拡大する傾向にあること
産年齢人口が、2030年には1.81人まで減少してし
から、このラインを維持するのは困難な状況にあ
まい、子供と働く人が減って高齢者が急速に増加
る。
していくことになる。
1955年に2,095千人であった福島県の人口は、
1970年に1,946千人まで減少したが、その後増加
に転じ1980年には2,035千人と2百万人の大台を
4.経済への影響
回復した。1990年には2,104千人となり2百10万
少子高齢化が経済に及ぼす影響は、人口減少に
人台を達成したが、近年の人口減少によって15年
よって社会の総体が縮まる事と、少子高齢化とい
ぶりにこの水準を割り込んだことになる。
う人口構造の変化の両面からもたらされるものと
2
ò
思われる。戦後の日本経済は、技術革新による生
将来推計人口
国立社会保障É人口問題研究所の「都道府県の
産性の向上と人口増による好循環によって成長し
将来推計人口(平成14年3月推計)によれば、福
てきたが、人口減少によって戦後のこの流れが中
島県の将来推計人口は2030年に1,856千人になる
断し、マイナス成長が稀でなくなる時代が来るか
と予想しており、2000年に2,127千人であった福
もしれない。15歳から64歳の生産年齢人口は、
島県の総人口は、以後、減少傾向を辿って2030年
1995年の8千7百万人をピークに減少し続けてお
までに271千人減少すると推計している。
(図4)
り、2050年には5千5百万人近辺まで落ち込むと
年齢別人口の推移をみると、2000年に341千人
推計されている。労働力の減少が、企業活力を削
であった年少人口は、2030年には230千人にまで
いで消費の低迷や内需の減退などに繋がり、経済
減少し、生産年齢人口は同1,354千人が同1,047千
をより停滞させかねないと懸念される。もちろん、
人に減少する。逆に、65歳以上の老年人口は同
人口減少を補う技術進歩によって一人当たりの生
図4
産性を更に向上させ、このマイナス要因を払拭す
福島県の将来人口構成
(千人)
3,000
全国の総人口
(千人)
130,000
2,500
125,000
老年
人口
2,000
120,000
1,500
115,000
生産
年齢
人口
1,000
110,000
500
年少
人口
0
2000
2010
2020
2030
■
福島の進路 2006.3
現在は約6人に1人が65歳以上の高齢者である
が、2050年には3人に1人が65歳以上になると予
想されている。働く人が減るこの時代に、高齢者
の介護を誰が担うのか、賦課方式である公的年金
を誰が担うのか、はたして年金制度は維持できる
のか、深刻な問題は山積しているが、働く世代は
105,000
同時に貯蓄をする世代でもあり、その数が減れば
100,000
必然的に貯蓄も減少すると思われる。団塊の世代
国立社会保障É人口問題研究所『都道府県の将来推計人口(平
成14年1月推計)』により当研究所が作成
12
ることも十分に可能である。
が退職年齢に達して貯蓄を取り崩す2010年以降に、
日本の貯蓄率は大きく低下すると考えられている。
トピックス
国立社会保障É人口問題研究所は、日本の世帯
数が2010年頃から減少に転じ、世帯規模も“単身
者世帯”と“夫婦のみの世帯”の合計が総世帯数
の半数を超えてくると試算している。多くの人は、
住宅取得という使途が決まっている貯蓄を最優先
にして資産形成してきたが、このような世帯形態
の変化から、2010年以降は住宅が余り始めると予
図5
(勤労者世帯)
(万円)
2,500
2,000
1,500
1,000
れた人々は、供給過剰な借家で生活することを選
択し、浮いた住宅資金相当分を、豊かな生活のた
年間収入
↓
500
0
30歳未満
想され、持ち家にあまり魅力を感じない人が増え
てくるのではないだろうか。住宅貯蓄から開放さ
世帯主の年齢階級別貯蓄É負債現在高
30∼39歳
40∼49歳
60歳以上
総務省「家計調査年報平成16年」により当研究所が作成
図6
世帯主が60歳以上の世帯の貯蓄現在高階級別
世帯分布
(勤労者世帯)
め自分に回す生き方が主流になるかもしれない。
2000万円
未満
5.裕福なシニア層
総務省「家計調査年報平成16年」によりシニア
50∼59歳
3000∼
4000万円
未満
2000万円
以上
1000万円
未満
2000∼
3000万円
未満
4000万円
以上
層(勤労者世帯)の貯蓄É負債残高をみると、50
∼59歳の世帯は、年間収入が858万円、貯蓄額
総務省「家計調査年報平成16年」により当研究所が作成
1,683万円、負債額547万円となっており、60歳以
上では、年間収入が658万円、貯蓄額2,235万円、
2,000万円以上が同40.4%となっている(図6)
。
負債額206万円となっている(図5)。純貯蓄額
このうち、2,000万円以上の貯蓄残高を有する
(貯蓄額−負債額)は50∼59歳が1,136万円、60歳
40.4%の残高別階層をみると、2,000万円以上
以上が2,029万円の貯蓄超過となっている。定年
3,000万円未満の世帯が35.4%、3,000万円以上
時に住宅ローン等を返済し終えることや年金受給
4,000万円未満が28.2%、4,000万円以上が36.4%
額に恵まれていること等が多額の貯蓄超過になっ
となっている。
ている要因と考えられる。
60歳以上の貯蓄残高別階層は、全体的に貯蓄額
働き盛りの層をみると、30∼39歳では、年間収
が多い方への広がりをみせており、裕福な高齢者
入608万円、貯蓄額701万円、負債額742万円、40
の実態を垣間見ることができる。この層の潜在的
∼49歳が、年間収入778万円、貯蓄額1,132万円、
購買力は大きい。
負債額923万円となっている。この世代は年間収
入が頭打ちになるなかで負債が増加する傾向にあ
り、30歳台では負債超過になっている。
6.消費の主役はシニア
純貯蓄額が2,029万円となっている60歳以上の
消費の主役は女性といわれているが、その主役
世帯について貯蓄残高別に構成比をみると、
にシニアも加わりつつある。高齢化の進展によっ
1,000万円未満の貯蓄残高を有する世帯構成比が
て、50歳以上のシニアは成人人口の半分近くを占
33.8%、1,000万円以上2,000万円未満が同25.8%、
めているが、団塊の世代が退職期を迎えることに
福島の進路 2006.3
■
13
トピックス
よって、“お金があって時間に余裕のある”50歳
散することが現実の選択肢となるなど、距離や時
以上のシニア層が、消費の主役に躍り出ることが
間を超えた協業が行われている。また、都会で失
期待される。
われた良好な生活環境の価値が見直され、田舎に
活動的で消費にも積極的なこれらのシニア層を、
移り住む人も増えている。
従来のイメージである“高齢者=お年寄り”とし
このような変化の兆しのなかで、豊富な経験や
て画一的に捉えることは適切でなく、特に、50歳
知識É技能を持つシニア層が、空洞化する中心市
から65歳ぐらいの層は、趣味やお洒落、生涯学習
街地や衰退する過疎É中山間地域等の再生を担う
などへの関心が高く、インターネットなど情報通
主役として、新たな活躍の場を得ることに期待し
信に対する感度も良好であり、経済的な豊かさに
たい。
裏打ちされた魅力ある消費者としての側面も合わ
1
ò
せ持っている。
地域共同体の復活
中心市街地活性化には、単身世帯の増加や子育
これらのシニアをターゲットにしたビジネスと
て支援、防犯É防災など多様化する地域課題を自
して、①シニア向け旅行の企画É手配、②健康志
らの手で解決し、安心して暮らせる地域共同体を
向を捉えたフィットネスクラブ、③少子高齢化に
中心市街地に再生させる事が必要であり、それら
よる単身世帯の増加に対応したビジネス、④退職
の活動の主役となり得るのはシニア層である。
した人のために新たな“行き場所”を提供するビ
中心市街地や周辺部に住まいを持つシニア層の
ジネスなど、様々な業態が出始まっている。シニ
社会参加を進めて、この世代が持つあらゆるノウ
ア向け旅行を例にとれば、シニア専用の会員制旅
ハウを社会貢献に生かし、また、彼らの潜在的
行クラブや将来の永住をにらんだプレ永住型の滞
ニーズを掘り起こして新たな需要を創出する事が
在ツアー、英会話教室などの勉強を取り込んだ留
中心市街地活性化に結びつくものと考えられる。
学型のツアー等、目的にこだわった企画が人気を
これまでの中心市街地は、衣食住や娯楽など、
呼んでいる。
人が集まるための多くの仕掛けが存在したが、大
型店舗の郊外立地やコンビニの多店舗展開、イン
7.シニアが担う地域再生
情報媒体や交通手段等の発達によって、生産、
流通、消費などあらゆる局面で都市部への集中が
ターネットの普及拡大等によって、中心市街地以
外からこれらの機能を享受できるようになったた
め、中心市街地は、人が集まる場所としての機能
が著しく低下している。
進んでおり、全国から東京へ、地方から中央へと
中心市街地とは、“かつて町の中心であったと
経済が集中し市場が単一化しつつある。このよう
ころ”であり、今はもう中心ではなく、人の賑わ
な中で、地方は過疎化し地域経済としての自立性
いがある中心市街地は別の場所に移動している。
は薄らぐ一方である。
このように空洞化したかつての中心市街地に人を
しかし、インターネットに代表される情報通信
呼び戻すためには、少子高齢化等による社会構造
環境の飛躍的な発展によって、産業構造や人口動
の変化に対応した中心市街地の在り方を考えなけ
態に変化の兆しがみえつつある。企業は、離れた
ればならず、人が集まるための新たな視点が必要
地域同士や複数の海外拠点に業務を展開すること
である。
が可能となり、賃金や地代の安い場所に仕事を分
14
■
福島の進路 2006.3
トピックス
2
ò
楽しむ農業
シニアビジネスに参入している企業はまだ少ない
高齢化と人口減少が著しい過疎É中山間地域で
と感じられる。これは、企業サイドにこの分野に
は、空き家が増え、田畑等の耕作地が放棄されて
参入するためのノウハウがまだ少ないことと、シ
おり、その数は年々増加しつつあるが、その一方
ニア層の具体的なニーズを掴みきれていないため
で、第二の人生É老後を田舎で暮らすことに憧れ
と思われる。
ているシニア層は多い。また、週末や退職後に農
この世代の一般的な特徴としては、自分がシニ
業を楽しむ人が増えつつあり、農業従事者の高齢
アである事は嫌う(自覚していない)人が多い事
化が進むなかで、構造改革特区や農業基盤強化法
や、多様な価値観、ライフスタイルを持っている
改正などにより、休耕地の貸し農園化が進み、そ
人が多い事等が挙げられている。画一的なシニア
れらの家庭菜園を通して、農業に興味を持つ人も
像をベースにした「シニア」を売り物にするビジ
着実に増加している。
ネスは、シニアによって拒絶される構造があり、
田舎暮らし志向のシニア層や健康É趣味のため
“シニアにはこんな商品が良い”という思い込み
に農業を楽しむ人々は、過疎に悩む地方にとって、
は厳禁である。また、この世代は、子供の独立や
地域再生の重要なファクターであり、これらの人々
自身の退職などにより、自分を取り巻く人間関係
を都会から田舎に誘導し、受入れを促進すること
が劇的に変化し、自分が今まで居た場所や人間関
が肝要である。
係の喪失により、新たな価値観の創出を迫られる
2007年以降に大量の定年退職を迎える団塊の世
時期でもある。シニアビジネスを取り組むにあたっ
代を含めたシニア層が、田舎に定住したりセカン
ては、シニア層が何を求め何に期待しているのか
ドハウスを持ちながら農業に従事すれば、高齢化
等、潜在的なニーズを把握することが不可欠であ
した農業従事者や後継者不足に悩む農家にとって
る。また、別の面からみれば、シニアマーケット
も望ましいことである。
は、必ずしもシニアを対象としたものとは限らな
田舎暮らしの条件としては、気候が温暖で生活
いとも言えるのであり、少子高齢化社会は高齢者
費が安いことや交通インフラが整備されているこ
が増えて子供が減るため、子供一人にかけるお金
と、病院などの公共機関が整っていること等が挙
が増える傾向にあり、子供向け高価格商品は、シ
げられるが、田舎暮らしには、田舎ならではの
ニアマーケットとしてみても有望である。
様々な障害があるのも事実である。しかし、一方
シニアビジネスは、介護保険制度の導入等によ
で過疎に悩む田舎にとって都会の人々を受け入れ
り医療É福祉の分野で市場規模を拡大しつつある
なければならない下地も出来つつあり、田舎の持
が、まだ他にも発展が期待できる分野は数多く存
つ良さと都会人の持つノウハウが溶け合えば、双
在する。衣食住やレジャー関連産業を例にとれば、
方にとって大いに役立ち、衰退する過疎É中山間
高齢者向けの多機能商品やバリアフリー商品、多
地域の再生に繋がるものと思われる。
世代交流型レジャーなどが有望である。少子高齢
化社会の到来による人口構造の変化は、経済規模
8.最後に∼シニアビジネスの可能性
シニアマーケットが有望な市場であることに異
論を差し挟む人は少ないと思われるが、現実的に
の縮小や貯蓄率の減少など負の効果を生むが、マ
イナス面だけを見るのではなく、“元気でお金持
ちのシニア層”の増加を新たなビジネスチャンス
として積極的に捉えたい。
(担当:小島)
福島の進路 2006.3
■
15
講
演
講演
観光地活性化による地域おこし
■
西村 幸夫(にしむら
ゆきお)
東京大学工学部教授
新潟県を含む東北7県の経済同友会による東北ブロック会議が、昨年11月に福島市で開催
されました。テーマは「観光地活性化による地域おこし」で、東京大学工学部の西村教授に
よる講演及び各同友会推薦の代表者によるテーマに沿ったリレートークが行われ、観光地活
性化というひとつの側面から地域の活性化について活発な討議がなされました。
今回、地域活性化の一助になればと考え、西村教授のご了解を得て講演内容を掲載するこ
とといたしました。
皆さん、こんにちは。私は都市計画を専門にし
ているもので、魅力のある町をつくっていくとい
うことをずっと若いころからやってきました。そ
うした町は大体観光地になることが多くて、そう
いったことから観光地の問題をいろいろ扱うよう
になりました。
今日は「観光地活性化による地域おこし」とい
うテーマですが、私どもは「観光まちづくり」と
いっております。このことは、最近、大きく動き
始めてきており、そのことを簡単に、また、幾つ
かの事例をご紹介したいと思います。
小泉首相になりましてから、観光問題というの
は国の大きな重要課題に挙げられるようになりま
また、観光立国行動計画ということで、海外か
した。通常国会の冒頭に首相の施政方針演説があ
らの観光客を1000万人にしようとしています。た
りますが、その中に今年まで4回連続、観光の問
だ海外からの観光客を数で計るのはやや危険だと
題が取り上げられています。国土政策の中に観光
いう気もします。質を上げながら、そしてまた国
の問題が取り上げられるようになりました。
内の観光客に喜んでもらえるようなところでなけ
また、景観法が2年前にできました。美しい風
れば、海外の観光客も決して喜ばないと思います。
景を作っていこう、魅力ある町にしていこうとい
その意味で魅力のある地域を作っていく、美しい
うことが国の大きな施策として、また国の立法と
風景のある町を作っていくということが大事だと
して実を結ぶような時代になってきたのです。
思います。
16
■
福島の進路 2006.3
福
講
演
一方では、観光ビザが段階的に緩和され、中国
とが大きかったわけですが、そうではなくて、観
では13億人をターゲットにして観光ビザが発給さ
光が地域全体のイメージを引っ張っていくような
れるようになりました。アジアの経済成長の中で
ものであるというところが大事なのではないかと
大きな観光のチャンスが巡ってきたわけです。ご
いうことです。
承知のとおり、現在、日本では1700万人が海外に
ですから、観光は、まちづくりというのが大事
出ていますが、中国では海外への旅行客が2000万
ではないかと私は考えるようになってきたのです
人を超えていますので、アジアをもう一つのター
が、これは二つの違った方向がありそうです。一
ゲットに見据えたような観光施策が重要になって
つは、観光から観光まちづくり、いわゆる既存の
きたという非常に大きなフレームがあります。
観光地や観光業のかたがたが、自分のビジネスだ
日本の国内は、海外に比べると観光は苦戦して
けではなくて「まちづくり」を考えられるように
います。海外に行ったほうが安いということもあ
なったというのが、このところの新しい流れだと
りますが、そういう中にあっても観光地として、
思います。それは、一つには、自分のところだけ
成功しているところがないわけではありません。
が頑張ってもなかなか難しいということです。温
ここに幾つか挙げているところは、いずれも観光
泉のことが今日もお話に出ると思いますが、温泉
客が伸びている観光地です。函館、松江、川越、
旅館対温泉旅館の競争ではなくて、現在、温泉旅
高山、小国(熊本県)、遠野、古川、古川は合併
館街対温泉旅館街と、町どうしの競争になってき
して飛騨市となっていますが岐阜県です。
ています。これは、もう一つの企業体の努力を越
えている部分があります。そういうことからいっ
近年伸びている観光地の入り込み客数の推移
て、観光に携わるかたがたも、単体としての観光
(百万人)
6
函館市
5
松江市
それと同時に、今までは観光とあまり関係なく
高山市
3
小国町
2
遠野市
1
0
95
00
「まちづくり」をやってきた人たちが多いのです。
例えば自分の住むところを住みやすくしたい、子
供たちに安全な物を食べさせてあげたい、生きが
いのある生活環境を作りたいという人たちです。
古川町
90
コーディネーションというものを考えなくてはい
けない時代になってきています。
川越市
4
だけではなくて「まちづくり」地域全体の総合
(年)
02
私は都市計画をやっているのでこちら側を中心に
やってきましたが、そういう人たちは今まであま
このほかにも伸びているところは、自然保養地
り観光とは関係なかった部分が多いのです。むし
系で上高地のようなところもありますが、ここに
ろ逆にいうと、観光は迷惑だと。観光客は、どう
挙げたところは、一つ共通したものが感じられま
も地域のことを考えない、一過性の人々というイ
す。それは何かというと、単一の観光資源で頑張っ
メージがあり、自分たちは観光客のために何かやっ
ているというよりも、町にいろいろな魅力があっ
ているわけではない、むしろ観光客はごみだけを
て、それを総合して魅力がある、町全体が住みや
置いていくので迷惑だと。自分たちは住んでいる
すそうなところであるということだと思います。
人たちのためにだけやればよくて、観光とは関係
観光というと、今までは観光資源の保護というこ
ないと考えている人が多かったのです。ですから、
福島の進路 2006.3
■
17
講
演
観光という言葉自体がなかなか受け入れられなく
が努力をしても限界があります。行政も含めて、
て、交流と言ったりしていたわけです。
みんなで一緒にやっていかなければいけないわけ
しかし、そういう人たちがこのところ、「いや、
です。そうすると、みんなが一緒になっていくた
そうではないのではないか。もう少し観光、交流
めには目標が要ります。みんなが同じ目標に向かっ
を含めて自分たちの町を考えないといけないので
ていかないと、私は和風でいきましょう、あなた
はないか」(まちづくりから「観光まちづくり」
)
は洋風のスイス風の町を作っていきますと、全然
と考え始めてきています。そして、観光も見据え、
まとまらないわけです。もしくはそれぞれの観光
来訪者も見据えた自分たちの「まちづくり」をや
施設が自分のところを案内するような看板をバラ
るようになってきているのです。これは両方、違
バラに作っていきますと、一つ一つはいいかもし
う流れなのです。既成の観光地がもう少しまちづ
れないけれども、全体のそこを通ってくるドライ
くりに向かってきた。それから、今まで全く関係
バーにとってみるとバラバラな景色になってしま
のなかったところが観光に目を向け始めてきたと
うわけです。もう少しまとめていくべきではない
いうことです。
か。そういうルールを作って、ある方向を目指し
既成の観光地がなぜ観光まちづくりへ向かって
ていくということが大事になってくるわけです。
いくかといいますと、伸びている観光地には共通
その意味でも、観光が観光まちづくりに近寄って
しているものがあります。それは単体の観光資源、
きているといえるのです。
滝があるとか、神社仏閣があるとか、有名な史跡
一方で、まちづくりの側も変わりつつあります。
があるというだけではなくて、町全体の環境を考
それは、人口減少がもう始まっており、今非常に
える、コーディネートしていくということが大事
大きく時代が変わりつつあります。実は日本の20
になってきている。ということは、訪れたい町と
世紀というのは異常な時代でありまして、20世紀
住みたい町というのはかなり重なってくるように
の最初から最後までの100年間で、人口は6000万
なっているのです。
人ぐらい増えています。つまり、倍になっている
そして、ロケーションをテーマにするというの
のです。驚くべきことです。なぜなら、それまで
は、その観光地、もしくはその町に行く道行きま
ずっと江戸時代を通じて、日本の人口は3000∼
で大事だと思います。最近は皆さん車で行かれる
4000万人ぐらいで来ていたのです。それが突然急
ことが増えていますが、行くまでが全く無味乾燥
増し始め、21世紀の初頭で1億2000万人までにな
な所だったり、ロードサイドショップが延々と続
り、倍増しているのです。それもすごいのですが、
いている所を通ってわざわざ観光地に行きたいと
実はこれからあと100年で人口はまた半減するの
は思いませんよね。景色がいい中で、ドライブす
です。推計にもよりますが、22世紀の初頭には
ること自体に楽しみがあって、それでだんだん目
4000∼5000万人ぐらい減り、驚くべき人口減少社
的地に近づいていく、つまり、全体の観光の流れ
会が来るのです。
そのものが一つの楽しみになるような、そういう
そうすると、それぞれの町が自分たちの町だけ
ロケーションをテーマに工夫をして、うまくコー
ではなかなか考えられなくなってきました。定住
ディネートしていくということが大事になってき
人口だけではなくて交流人口もターゲットに入れ
ています。
たまちづくりを考えていかざるを得ないのです。
このように全体を考えますと、これは個人の努
交流人口1人当たりの経済的な寄与は、統計にも
力では限界があります。一つの旅館や一つの会社
よりますが、定住人口の6倍ぐらいの消費といわ
18
■
福島の進路 2006.3
講
演
れています。泊まる人と泊まらない人で全然違う
はなくて、味覚や触覚を楽しませるような町が求
わけです。1人の交流人口があるということは、
められてきているのです。
6人の定住人口が増えたのと同じぐらいの経済効
果があるのです。
それと同時に、21世紀、これからは都市の時代、
都市化の時代ではありません。20世紀は、人口が
倍になって、それがほとんど大都市に集まったわ
けですが、これから3000万人、4000万人の人が減
こういうことからも、今まで観光に無縁だった
ような「まちづくり」のメンバーが、観光に目を
向け始めてきたということがお分かりになってい
ただけると思います。
では、実際に、幾つか事例をご紹介したいと思
います。
るということは、東京首都圏全体よりも大きな人
城崎温泉は、関西では若い人たちが行く温泉と
口が減るのです。ですから、人間の物の見方は非
して人気があります。実はこの温泉は大変大きな
常に大きく変わってきます。最近でも棚田が見直
欠点を持っています。何かというと、湧出量、お
されるようになったように、美しい田舎、田舎暮
湯の量が少ないのです。ですから、城崎温泉には
らしというのが大変な注目を浴びるようになって
8つほどの共同浴場があり、昭和の初めまで、こ
くると思います。今もすでに、皆さんご承知のよ
こには内湯がなく、共同浴場しかありませんでし
うに、新規就農者の数は毎年過去最高を更新し続
た。共同浴場の周りに内湯を持たない温泉街とし
けています。毎年6∼7万人ぐらいの方が新しく
て城崎温泉ができていきました。内湯がないとい
農業を始めています。もちろんそれ以上にやめら
うのは非常に大きなマイナスです。
れる方のほうが多いので、全体としては減ってい
それを克服して、今、城崎温泉は大変にぎわっ
ますが、新しく農業をやる方の数は着実に増えて
ています。それは外湯巡りの共通券を発行してい
いるわけです。農業の新しい形が、今始まろうと
るからです。同時に、内湯の大きさを制限してい
しており、田舎も面白いのだという時代がこれか
ます。これは昭和の初めに、外湯だけだったので
ら起こってくるのです。
すが、禁を破って内湯を造る旅館が出て大変な裁
それが交流人口もターゲットにしながら、都会
判になったわけです。その結果、内湯も共同のお
が田舎の応援団になるような時代になってきてい
湯の管理ということで認められるようになりまし
るのです。田舎の自然や食、芸能文化や民俗文化
た。ですから、現在は内湯がありますが、ただそ
をベースに、それとモダンなITの情報とをミッ
れを大きくできないのです。浴槽の制限があり、
クスしたような新しい文化を地域でおこせる可能
旅館の規模の制限もあり大きな建物が建たないよ
性が出てきました。これも非常に新しいのです。
うな町ができてきました。湧出量が少ないという
今までこうした田舎の非常に大きい限界は、自
のは、まさにマイナスなのですが、そのマイナス
分たちは楽しいかもしれないが、なかなか情報発
が自分たちにルールを課すことになって、その
信ができないことでした。大都市のメディアに頼
ルールがうまくいって、今、共同浴場を若い夫婦、
らなければいけなかったりしていたのですが、IT
カップルが浴衣を着て歩く町として再生してきて
産業、インターネットができて状況は大きく変わ
いるのです。
りました。どこにいても世界に発信できるように
人間というのは面白いもので、1,500円で切符
なったのです。その意味で、新しい文化発信がで
が買えるのですが、泊まっている人はただで切符
きる状況が整えられてきたのです。
をもらえます。7つの湯が8つになりましたが、
そして、五感で楽しむ。単に見て美しいだけで
それで全部回れるのです。そうすると、泊まって
福島の進路 2006.3
■
19
講
演
いる人はただですから、全部回らないと損だと思
偶然だけではなくて、こういうものを生かしてい
うのです。それぞれに趣向が凝らされていますか
く努力を、今もやっているというわけです。
ら、一生懸命回るのですね。そしてまた、ちょう
また、これは観光のためだけともいえません。
ど歩けるぐらいの距離の川沿いに共同浴場があっ
これは住んでいる人にとってもいいし、お店にとっ
たりして、またそれが更新されてきているという
てもいいのです。ですから、全体のためにとって
ことで、人通りが生まれてきています。全体に非
いい。それが結果として観光客も喜んでくれると
常にプラスになってきている。つまり、湧出量が
いうような町を作っているのです。
少ないというマイナスをうまいルールにつなげて、
新潟県の村上について、今日、こちらにも新潟
それを今につなげているというのがこの町です。
の経済同友会のかたが来られていますが、最近、
ここの共通の入浴切符のアイデアが、例えば有名
ここはすごく面白い変化があるのです。新潟の村
な黒川温泉の入浴手形になったりしているのです。
上は城下町なのですが、私は15年ぐらい前にこの
金沢はいろいろなことをやっていますが、一つ
町の武家屋敷を全部調査して、そのころからのつ
だけ取り上げますと、金沢は城下町ですからたく
きあいがあります。15年ぐらい前は、ここは武家
さん用水路があります。それは小さな用水路です。
屋敷がたくさんあるということで有名でした。こ
幅が3∼4mぐらいしかない用水路なのですが、
こ5年間ぐらいは、ここは町屋が面白いというこ
これを全部調べました。55本あるのですが、その
とになっています。町屋のリーダーとして吉川
中でも重要な用水路は条例で保全するのだという
(きっかわ)さんという方が現れて、商人(あき
ことを指定しています。そして行政が中心になっ
んど)会というのをやって、町屋を見て歩きマッ
て、時間をかけて再生しています。用水保全条例
プという、手作りのマップを作りました。そして、
というものを持っています。
春には「人形さま巡り」、秋には「屏風まつり」
例えば、鞍月用水という金沢の香林坊の中心部
というイベントをやり始めました。そのために1
を流れている用水路があります。用水路の脇に店
人で100軒ぐらいの町屋を歩いて説得して、お人
があり、そのお店が橋をちょっと太めに架けまし
形さまを飾ってくださいということからこのイベ
て、そこに私設の駐車場を兼ねたものを造ってい
ントを始めて、5∼6万人が来るイベントとして
ました。駐車場も兼ねて橋も架けているわけです
今定着しつつあります。
から、店にとってはいちばんいい経済構造です。
「おひなさま祭り」というのは各地でやってい
ところが、それがつながることによって、結果的
ますが、「おひなさま」だけでなくてもいいので
に用水路に蓋をされたようになって見えなくなっ
す。これがなかなか面白いアイデアで、彼が一軒
てしまった。それはやはり結果的にまずいという
一軒訪ねていって、「おひなさま」を飾るような
ことになったのです。用水路を再生しよう、その
ことをやってくれませんかと言ったときに、うち
ためには駐車場を別に取って、橋を細い橋に架け
は「おひなさま」はないけれども、武者人形だっ
替えて、必要最低限にして、用水の石組みなども
たらあるとか、子供が昔ウルトラマンが好きで、
もっと歴史的なものに替えていこうという計画を
ウルトラマンの人形がたくさんあるとか、そういっ
立てまして、それを今実施しています。
たところがあり、そういうものもやったらいいの
「金沢市は歴史に責任を持つ市だ」と市長が自
ら宣言しています。金沢は単にこういうものがあ
る、または戦災を受けずに残っていたというのは、
20
■
福島の進路 2006.3
ではないかとなったのです。
それからもう一つ、どこの町もそうですが、表
は割と新しくしてしまったところが多いのですが、
講
外から見ると普通の建物のように見えますが、中
演
「黒塀プロジェクト」といっているのですが、黒
に入るとりっぱな座敷があったり、吹き抜けに化
塀一枚一枚を200円とか300円を寄附してもらって、
粧梁が架けられた囲炉裏の部屋がりっぱだったり
ボランティアで板を張る。これが数百メートルも
する家はたくさんあるのです。ところが、外の人
続いているのです。見せかけの塀ですが、ブロッ
はそういうところに入る機会はないわけです。そ
ク塀よりいいですね。これは今年の観光ルネッサ
ういった座敷をうまく飾り立てて、そこに観光客
ンス事業という国土交通省の事業で、 NPO に
が来るというイベントをすることによって、中が
1000万円もお金をつけるということになって、ずっ
見られ、外からはちょっとみすぼらしくなったよ
と進みそうなのです。
うな建物でも、中に入ってみると「ああ、りっぱ
な建物だ」ということが分かるのです。
特に雪国は中にいる時間が長いので、いろりの
では、彼らは観光客のためにやっているかとい
うと、観光客にとってもプラスだけれども、自分
たちの町をよくすることが同時に観光客にもプラ
空間や出居という空間が大変りっぱにできている
スになるということをやっているのだと思います。
のです。他の地域に比べてはるかに自慢できる空
ですから、やはりこれは観光とまちづくりがうま
間があるのです。それをうまく見せる工夫が「人
く結びついている例ではないかなと思います。
形さま」で、これを見るためにたくさんの人が来
これはもっと観光地と離れたところなのですが、
るようになったのです。予算は数十万円で、大変
田主丸なんて聞いたことがないでしょう。福岡の
な経済効果を今生んでいます。
田舎です。筑後川の中流域で、大きな谷の斜面に
JRはSLまで走らせてくれるようになったの
果樹園が広がるようなところで、全くの純農村地
です。今日はJRのかたもいらっしゃいますが、
帯です。ところが、景色がいいものだから、ここ
普通、要望を受けてお金を払うからSLを走らせ
にいろいろな人が住み始めました。そして、こう
てほしいというので走らせることはあるのですが、
いう道が魅力的だということで、自分たちで「山
これはJR東日本の自主企画なのです。普通はあ
苞(やまづと)の道」という名前をつけまして、
りません。走らせるだけだったら赤字になるに決
地元の農協婦人部がお店を出したり、アーティス
まっています。
トが住み着いたり、いろいろな人が住み着いて、
もう辞められましたが、平原さんという
大変熱心な駅長さんがいらっしゃいました。
この方がいろいろな企画を立てて、JRの
本社まで行って説得をしてこれをやられた。
この方は町のいろいろなシンポジウムがあ
ると、一市民として聞きに来られて、町の
ことを一緒に考えるような方でした。私は
いろいろなJRの駅とある意味でいろいろ
接点があるけれども、そういう駅長という
のは聞いたことがありません。
面白い最近のものでは、ブロック塀があっ
て見苦しいということで、ブロック塀を何
とか隠したいというイベントを始めました。
福岡県久留米市田主丸町の山苞(やまづと)の道の風景
福島の進路 2006.3
■
21
講
演
何か非常に魅力的な空間になってきています。国
ういう工夫をしています。京都も単に寺社仏閣が
道210号線の旧道で山沿いの間道なのです。耳納
あるというだけではなくて、そういう努力をやっ
(みのう)連山というものがありますが、それの
ているからこそ、やはり観光地としても息が長い
北嶺の斜面でいろいろなイベントが行われたり、
わけです。
小さなお店がぽつぽつとできて、それをつないで
高山も私は随分前から、係わったのですが、高
いくネットワークができています。今は、久留米
山の場合、一つだけを言いますと、高山は年間
市に合併されたので、久留米市の田主丸というと
300万人が来る観光地ですが、ちょっと分かりに
ころです。
くいですが、駅から歩いて行っていちばん中心に
何のことはない普通の家のように見えるのです
行くのに、どんどん時代をさかのぼるようになっ
が、中はおしゃれなお店になっていたりします。
ているのです。ちょうどバームクーヘンのような
こういうところでおいしい物を食べさせてくれる。
都市なのです。
これは観光客にもいいけれども、住んでいる人に
そこを渡るときにはちょうど川があったり、四
もいいのです。住んでいる人たちが集まれるよう
つ角を渡っていくので、そういう四つ角や橋をき
なところを作っています。ですから、まさにまち
れいにしていくと、そこがちょうど門のようになっ
づくりと観光がうまく結びつくようなことが起き
て、どんどん町の中心に行くというところをうま
てきているのです。
く演出できる。まさにこのロケーションが演出で
鎌倉も有名ですね。鎌倉はいろいろなことをやっ
ているので、ここは単に看板を工夫しているとい
うことだけ言います。
きるということです。
飛騨古川は、今、飛騨市になりましたが、これ
も私が20年ぐらい前からずっと係わっています。
屋外広告物はこれからきちんとやっていかない
どういうことが起きたかご紹介したいと思います。
といけません。それが、どれだけ地域が努力をし
中心にある瀬戸川という川のところなのですが、
ているかを外の人たちに見せるいいバロメーター
電柱などを整備し昔あった柳を復元しました。観
です。
光客のためにやったわけではないのですが、そう
福島県は割と屋外広告の条例がきちんとやられ
したらだんだん人が増えました。
ていますね。特に新幹線などに乗ると、あまり野
商店街は難しいですね。やはり旗があったり、
立て看板も見えない。ある県では、新幹線沿いに
にぎやかしくしていないとお客が来ないのではな
すごい野立て看板があります。ああいうのは、本
いかと心配する人もいたりします。また、業種に
当に不買運動でも起こしたくなるぐらいです。
よってはモダンなものを売っているから、ここは
京都もいろいろやっていますが、同じようなこ
割と歴史的な雰囲気のする町ですが、そういうも
とを屋外広告でやっています。コカÉコーラの看
のばかりをやっていると電気製品が売れなくなる
板は、京都では、白と赤を引っ繰り返して、なる
のではないかとか、パーマ屋さんにお客が来てく
べく赤を小さくする工夫がなされています。
れなくなるのではないかと心配する人もいたりす
屋外広告物はどういうものが認められるかとい
るのです。しかし、道路が石畳になって、街灯が
う京都市の中のゾーニングですが、10種類に分か
きれいになってどんどんきれいになってきていま
れています。面で5種類、路線で5種類です。非
す。
常に細かく、そしていちばん厳しいところは大き
町は変わるのですね。逆にいうと、変わるから
さ、色、推奨される書体まで決まっています。そ
止めようがないというように、マイナスにとらえ
22
■
福島の進路 2006.3
講
演
るとそうですが、変わるから、それぞれのところ
です。木造の建物が多いので、20年ぐらいで手を
が同じ方向を向いて変われば、5年、10年でかな
入れますね。ですから、20の注文を出していると、
りよい方向へ変わることもできるということなの
平均して毎年1個ずつ変わっていくということで
す。ですから、同じ方向でみんながやって
くれれば、こういうことが起きるわけです。
訪れるたびに改善されていく町というの
はありえるのです。そういう町は日本の中
でそれなりにあります。逆に、都市計画の
目からいうと、訪れるたびによくなってい
く町と、訪れるたびに悪くなっていく町に
分けられるという感じがします。それは何
かというと、やはり自分たちはこうしよう、
しないといけないという危機感があったり、
1985年
こうすることが、いいのだというとみんな
が納得してくれたり、あるルールを持った
り、ある目標を持ったりして前向きにいく
ところはよくなっています。それがないと
ころは今までどおりですから、バラバラな
のです。バラバラだとそれぞれの人が違う
方向を向いていますから、努力しても、同
じぐらいお金を投資しても、バラバラになっ
てしまう。今、いかにみんなが同じ方向を
向いて、この町をこのようにしていこう、
もしくは自然をこうやって守っていこう、
1995年頃
こうやって育てていこうということがいえ
るかということにかかっています。まさに
そういう「まちづくり」ができるかどうか
にかかっているのではないかと思うのです。
「時の鐘」や「蔵づくり」で有名な埼玉
県の川越です。今日ご紹介するのは、今、
裏通りをきれいにしようということで、も
ともとアーケード街だったのですが、それ
を取りました。川越の駅からすごく離れて
いるのですが、裏通りを改善していくと、
そこに人が来るようになりました。
2005年頃
岐阜県飛騨市古川町の瀬戸川沿いの風景
今、川越で一番、にぎやかなのは菓子屋
横丁といいます。平日に行くと、若い人で
福島の進路 2006.3
■
23
講
演
まっすぐ歩けないぐらいです。
満足するサービスができるような町を作っていく
私は学生時代から知っていますが、学生時代に
と、それは同時に日本人にもいい町でなければい
こういう裏通りに人が来るということは、考えら
けないのです。日本人はサービスが当たり前だと
れなかったですね。
思っていて、サービス精神が豊富な国です。です
小さい細い道がちょっと電線を取ったり舗装を
から日本人がいちばん難しいわけです。みんなの
替えたりするだけでガラッと変わります。広い道
要求水準が高いものですから、そういう日本人の
は効果が目に見えにくいのですが、狭い道はすご
人たちが喜んでくれるようなところであれば、必
く効果が出てくる。そうすると、普通、狭い道と
ずや外国の人も来てくれるのであって、そういう
いうと、車は不便だし、お客さんも駐車場がない
ことができるのではないかと思います。
といって不満なのですが、逆にいうと、何かやる
最後に、論語の中に「近き者説(よろこ)びて、
とすぐに効果が現れるという意味では、逆転の発
遠き者来る」という言葉があります。これは有名
想をすればいいことが多いのです。
な言葉です。
「近説遠来」
。どういうことかという
日本は全体で見ると、やはり本当にサービスが
と、これはある人が孔子に政治の要諦を聞くので
素晴らしい。もう少しインターナショナルで見る
す。ですからこれは政治の言葉なのですが、それ
といろいろなことがあります。日本食も素晴らし
はどういう意味かというと、住んでいる人が喜ぶ
いし、世界一の長寿なのですから、それを外に向
ようなところだったら、遠くから人が来て栄える
かってアピールすると大変なことができます。自
ので、そういう町を作りなさいと。自分たちの町
然が豊かである、民俗文化も豊かであるし、それ
に住んでいる人が喜ぶような町を作りなさいとい
と最新技術が共生している素晴らしいところなの
うのが孔子の答えだったのですが、それは単に政
です。そしてお行儀がいいし、いろいろな小さな
治や経済運営だけではなくて、「まちづくり」全
手の込んだものがある。そういうものを今言った
般につながると思います。
「まちづくり」にうまく生かして取り入れていく
そこに住んでいる人たちが、ここはいいところ
と、大変魅力的な情報発信ができるのではないか
だ、ここは生きがいがある、死にがいがある、死
と思います。
に場所として認められるようなところだと思うよ
しかし、弱みもあるのです。それは例えばどう
うなところ、近い人たち、住んでいる人たちが喜
いうものかといいますと、物価が高いとか表示が
ぶようなところにこそ人々が来るわけです。ここ
分かりにくいとか、日本人は英語が下手だとか、
ではまさに観光とまちづくりが一体になるわけで
混雑しているとか、大都市の風景が醜いとか、無
す。そういうことが21世紀の非常に大きな課題と
視するかおせっかいを焼きすぎるかとか、文化的É
なりえるし、そのときには自然や田舎暮らしなど、
経済的に周辺の国から孤立しているというような
20世紀とは違う価値観がこれから非常に大きくなっ
弱みがあるわけです。我々はこればかり見ている
てくるだろうと思います。そのときに、この東北
と、もう出口がないように思ってしまいます。し
の地域が持っている可能性はまさに無尽蔵であっ
かし強みのほうを見て、強みのほうを生かしてい
て、ここにこそ、これからの地域の栄光の可能性
くということを考えると、幾らでも可能性がある
が秘められているのではないかと私は思います。
のではないかと思います。逆にいうと、そういう
観光とまちづくりはこの地域の未来をリードし
ところにも来てくれるお客さんはインターナショ
てくれるのではないかというお話でした。どうも
ナルにもいらっしゃるのです。そういう人たちが、
ご清聴ありがとうございます。
24
■
福島の進路 2006.3
企業訪問
株式会社 福 永
\ ßHZÉÖíé’NuüðñÄ·é¨Ã­èéÆ \
企業概要
代表者 佐藤
永良
所在地 福島市庄野字一本柳1−14
資本金 2 ,400 万円
従業員 70 人
設
立 昭和26 年6月
T E L 024 −593 −3355
F A X 024 −593 −3315
U
R L http://www.fuku-naga.co.jp/
事業概要
段ボールケース製造、包装資材卸売
佐藤良一 代表取締役副社長
株式会社福永は、福島市に本社を置く段ボール
取引先の家電メーカーが生産拠点を東南アジアに
ケース製造を主力とする老舗企業であり、創業は
移したことを契機に、梱包用段ボールケース専業
明治42年、法人設立は昭和26年となっている。
メーカーから一般顧客向けの製品開発にも取り組
む企業へと転身したことに由来する。
1.事業概要
1
ò
さらに、同社は、「ふたつのやさしさ」をテー
企業理念
マとしている。一つ目は、輸送時の商品へのやさ
同社は、企業理念として「衣食住に関わる健康
しさである。単なる製造だけではなく、顧客の
志向」を掲げている。これは、5、6年前に主要
ニーズに合った強度É耐圧É紙質É緩衝性などを
提案し、大切な製品をやさしく輸送すること
を目標としている。二つ目は、地球環境への
やさしさである。同社の製品は、廃棄物の減
量化が図られ、焼却時にも大気中に有害物質
や有害ガス等を発生させない材質を使用する
など、自然にやさしく、人にやさしい環境作
りを追求している。
2
ò
製品の特性
同社の主力製品は、梱包用段ボールケース、
紙製パレット、紙緩衝材の3つである。
梱包用段ボールケースは、紙製パレットと
本
社
合わせて生産量の70%程度を占めるなど、依
福島の進路 2006.3
■
25
企業訪問
1.当社に適用される環境法規制及び当社の同意
するその他の要求事項を遵守します。
2.省エネ活動を推進し、地球温暖化防止に努め
ます。
3.限りある資源を大切にし、その有効利用と節
約に努めます。
4.適正な廃棄物処理を行い、廃棄物の減量化、
リサイクル化を推進します。
5.環境配慮型製品への取り組みを推進し、環境
負荷の低減に努めます。
然として同社の重要な収益源となっている。顧客
同社では、環境方針に基づいた活動の推進に当
の用途に応じて、落下É振動É圧縮É含水率テス
たり、環境目的É目標を設定し、定期的な見直し
ト等を実施し、顧客満足度の向上と安全性に配慮
を行うことによって、環境マネジメントシステム
した製品づくりを心がけている。
の継続的改善を図ることにしている。また、この
次に、紙製パレットは、従来の木製パレットと
比べると、使用上のメリットとして環境保全とリ
環境方針は文書化するとともに、全従業員に周知
させ、外部からの要求に応じて公開している。
サイクル化への対応が挙げられる。また、焼却処
理の容易さと軽量による持ち運びの良さも顧客に
2.企業戦略
受け入れられている理由の一つである。
1
ò
最後に、紙緩衝材は、精密機器から重量機器ま
新製品開発
同社では、企業理念の「衣食住に関わる健康志
で幅広く対応可能で、緩衝性はもちろん、対候性
向」の集大成として、
「IONIZE(アイアナンツ)
」
や対薬品性などにも優れる自信作となっている。
という製品を開発した。「 IONIZE (アイアナン
なお、すべての段ボール製品について、リサイ
ツ)」とは、イオン化するという意味の英語「ア
クルした古紙が原料の約80%の割合で使用されて
いるということである。
3
ò
環境対策
イオナイズ」からの造語である。
同製品は、トルマリン鉱石の粉末をインクに加
えて塗布した段ボールを使い、防虫剤を使わずに
同社は、既に述べてきたように、環境問題やリ
済む衣類の収納ケースとして販売される予定であ
サイクルに積極的に取り組んでいる企業だが、そ
る。トルマリン鉱石は、マイナスイオンを発生さ
の証として、平成15年に ISO14001を取得してい
る。
同社は、環境保全が CSR(企業の社会的責任)
の最重要事項であることを認識し、製品の製造É
販売において、環境に与える影響を低減し、汚染
包装用インキ
・フレキソ ・オフセット
・シルク 含有
★トルマリン鉱石
(マイナスイオンを発生)
★D-セラミックス
★その他の鉱石を
調合しインクを製造
(特許申請)
印刷
の予防に努め、社会と地球にやさしい企業を目指
すことを理念としている。
包装用インキで段ボールに印刷
また、基本方針として、下記の5項目を定めて
いる。
26
■
福島の進路 2006.3
マイナスイオン発生インキのしくみ
企業訪問
せるため、抗菌É防菌、消臭、遠赤外線効果など
るとのことである。
があるとされている。なお、同製品の効果につい
また、プラスチックÉトレーにより新規市場を
ては、福島大学で衣類害虫の幼虫の成長が抑制さ
開拓していくなかで、新規取引先に対して主力製
れるなどの実験結果により、既に実証済みとなっ
品である梱包用段ボールケースの受注も見込むな
ている。
ど、多面的な事業展開を計画している。
今回の新製品開発は、福島市から補助金を得た
一方、食に関わる健康食品として、「えごま」
上で、福島大学からはデザインや色使いの面でア
を使った商品のネット販売にも取り組んでいる。
ドバイスを受けるなど、産学官連携がうまく機能
「えごま」は、成人病の一因であるリノール酸の
した結果であるとも言える。
同社では、6年ほど前からマイナスイオン効果
弊害を緩和するα-リノレン酸を効果的に体内に
補給し、体脂肪や悪玉コレステロールを減少させ
に注目し、野菜や果物の鮮度を保持する機能があ
る効能があると言われている。
ることから、衣類収納ケースに先駆けて、農作物
3
ò
用鮮度保持ケースを開発した。同製品は、大手宅
ニッチ戦略
同社は、中堅企業ならではの小回りを生かして、
配業者が米の宅配用に、果樹農家が産直用に採用
多品種É小ロットÉ短納期という大手メーカーで
するなど、現在では年間20万ケースを売り上げる
は採算面から真似のできないニッチ戦略を採って
までに成長した。
いると言える。
今後は、マイナスイオン効果を利用して、ダニ
従って、短納期に対応するため、1日に何度も
対策で畳の下に敷く段ボールなどへの応用も検討
配送することとなるが、原料減による軽量化とダ
している。
ウンサイジングを実現し、配送コストの削減に努
2
ò
めている。
新規事業参入
同社では、平成18年8月から大手化学メーカー
の子会社と提携して、電子部品向けのプラスチッ
3.おわりに
クÉトレーの生産を開始する。これは、家電メー
高齢化が進展する現代において、誰もが健康に
カーなどが生産拠点を東南アジアに移転している
関心を持つことは必然である。よって、このよう
なか、付加価値の高い電子部品は、東北を始めと
なニーズを的確に捉えて、新商品開発に速やかに
した国内で好調な生産となっており、同製品に対
取り組むことは、業界を問わず二極化といわれる
する堅調な需要があることを見通した上で参入す
現況で勝ち残るためには必須であると考えられる。
こうした状況下で、同社は、企業理念を変えた
約5年前を転換点として、段ボール製品専業メー
カーから「衣食住に関わる健康志向」を提案する
物づくり企業に変貌を遂げたが、この方向転換は、
起死回生の決断だったのではないだろうか。
現在は、デファクトÉスタンダード(市場競争
の結果として標準化した基準)にみられるように、
スピード経営が業界を凌駕する時代とも言えるた
め、今後も、同社の進取の精神に富んだ経営姿勢
に期待したい。
(担当
和田)
福島の進路 2006.3
■
27
美を訪ねて
第40回
大下藤次郎
23.8×35.2㎝
《晩秋》水彩É紙
1908 郡山市立美術館蔵
■
酒井 哲朗(さかい
てつを)
福島県立美術館長
福島市
水彩画の流行
水彩画専門誌『みづゑ』を創刊した。『みづゑ』
旧制相馬中学第1期卒業の伝説的秀才として知
は誌上で読者の質問にも答えた。こうして水彩画
られ、馬城会(相馬中学É高校同窓会)の初代会
を独習する人々が現れて、絵画愛好家は飛躍的に
長をつとめた折笠晴秀医学博士の若き日の水彩画
増えた。こういった状況は公募展に反映し、明治
を収録した小さな画集が、昨年浪江町の天野史朗
40年(1907)第1回文展の洋画部門の出品作品91
氏によって出版された。折笠博士は小高町出身で、
点のうち、23点は水彩画だった。
明治37年(1904)から翌年にかけて、氏が旧制一
水彩画は、水溶性の絵具を用いた絵画技法であ
高の学生だった頃、病気療養のため郷里に帰り、
る。白色顔料を混ぜた不透明水彩(グワッシュ)
その間に描いた水彩画が生家の土蔵に遺っていた
と透明水彩の2種類あり、主として不透明水彩は
のである。これらの絵に惚れ込んで画集刊行を思
ヨーロッパ本土で、透明水彩はイギリスやオラン
い立った天野氏に寄稿を請われ、この時代の水彩
ダで多用された。透明水彩の技術を発展させたの
画ブームのことを書いた。
は、産業革命期のイギリスで発見されたグリセリ
明治34年(1901)に大下藤次郎によって出版さ
ンである。
れた日本最初の水彩画の手引き書『水彩画之栞』
グリセリンは、繊維の洗浄に必要な石鹸工場の
は、たちまち2万部を売りつくして再販を重ね、
副産物として発見された。この工業製品は、空中
日本中の若い人たちに大きな影響を与えた。たと
の水分を吸い易く、練った水性絵具に少量添加し
えば、岩手県で萬鐵五郎、広島県で南薫造が『水
ておくと、長期間固まらないことに気づき、絵具
彩画之栞』によって画家を志し、萬は青梅に住ん
の作り置きができるようになった。親水性がある
でいた大下を訪ね、画家の心得を聞いている。こ
ため、水を加えて絵具を薄めることが容易になり、
の後織田一磨、三宅克己、丸山晩霞ら多くの画家
顔料の微粒子化によって重ね描きができ、また、
による水彩画の技法書が続々と刊行され、その数
紙色を生かした透明感のある絵が描けるように
は17種を数えたという。また、大下は明治38年に
なった。そのうえ携行に便利で、戸外の写生に適
28
■
福島の進路 2006.3
美を訪ねて
している。絵具の製造業者が現れて入手が容易に
年下だが、一足早く曽山幸彦に入門し、明治25年
なり、水彩画の技法書が出版されて、大量のアマ
曽山の没後は原田直次郎の鐘美館で学んでいた。
チュア画家が出現した。
三宅は、ジョンÉバーレイの展覧会を見て水彩画
水彩画が発展したもうひとつの要因は、旅行
に関心をもち、アルフレッドÉパーソンズの水彩
ブームである。前に『福島の進路』276号のター
画展に感銘して、水彩画家を志した。大下、三宅、
ナーのところで書いたが、18世紀にイギリスの貴
真野紀太郎、森脇英雄、早川銕太郎ら5人は写生
族の間に、フランスやイタリアの古典文化を体験
同盟を結んで、競うように写生に出かけた。これ
する「グランドÉツアー」と呼ばれる海外旅行が
がのちに水彩画研究所(明治40年)に発展していっ
流行し、彼らはこの旅に画家を同伴し、あるいは
た。
彼ら自身が絵筆をとった。また、ナポレオン戦争
大下は、明治28年(1898)に中丸の塾で、現在
でグランドÉツアーが途絶えたときは、湖水地方
東京芸術大学資料館に所蔵されている19世紀イギ
やスコットランド、ウエールズの旅がこれに代わ
リスやオランダの水彩風景画の実物(11点)に接
り、「ピクチュアレスク」という風景に対する新
したが、この経験が、それまで油絵の人物表現を
しい美意識が生まれた。イギリスでは、他国に類
学んでいた大下が、水彩風景画に専心する契機に
を見ないほど水彩画が盛行した。こうした旅行熱
なったようである。その前年の明治27年に志賀重
と水彩画の流行は、遠く日本にも波及し、幕末に
昂の『日本風景論』が刊行された。日本の風景を
はジャーナリストのチャールスÉワーグマン、明
自然科学的観察によってとらえ、従来の名所旧跡
治22年にアルフレッドÉイースト、明治24年にジョ
といった因習的な観念や伝統的山水観にとらわれ
ンÉバーレイ、明治26年にアルフレッドÉパース
ない志賀の画期的な風景観は、当時の日本の青年
ンズら著名な水彩画家が日本を訪れている。
たちの新しい自然感情を啓発し、ハイキングや登
山のような新しい旅行のスタイルを生みだした。
画家の経歴
大下藤次郎は、明治3年(1870)東京で旅館や
この著作は、当時の画家たちが、写生という行為
を通じて求めていた自然感情を代弁していた。
馬車問屋、料理屋などを営む商家に生まれた。法
明治31年28歳の大下は、志賀と会って歓談して
律学校に進んだが、明治24年(1892)21歳の頃、
いる。この年、大下は軍艦「金剛」に便乗して
画家を志望し、家業を手伝いながら工部美術学校
オーストラリアに旅行した。横須賀からブリスベ
系の長老画家中丸精十郎に絵の手ほどきを受けた。
ン、メルボルン、シドニー、フィジー島を経て横
その後、森¶外とともにドイツに留学し、明治美
須賀に帰港した半年ほどの旅で、船内では海や水
術会の中心になって活躍していた原田直次郎に師
兵をスケッチし、寄港の都度上陸して、異国の風
事した。
景を写生した。荒々しい野性の自然と初めてみる
翌明治25年に三宅克己と知り合い、彼の鉛筆写
外国の風物を体験したこの旅行は、風景画家大下
生画を見て感動したことが転機になったと、のち
藤次郎にとって重要な意味をもった。もはや習画
に大下自身が回想している。三宅は大下より4歳
期を脱して、自分の眼で見、感じたものを表現す
福島の進路 2006.3
■
29
美を訪ねて
る大下独自の作風が確立した。
明治34年に終の住処となった青梅に居を定めた。
この年、森¶外の序文を依頼し、蒲原有明の勧め
¶外や小島烏水の尽力によって、妻春子が継続す
ることになり、その後水彩画専門誌から一般の美
術雑誌となって100年以上存続した。
で新声社から『水彩画之栞』を出版した。翌年念
願の欧米旅行を実現した。ボストン、ニューヨー
森と湖の旅人
ク、フィラデルフィア、バッファローなどで水彩
《春雪の茶店》(図1É郡山市立美術館蔵)は制
画展覧会を開いて作品を売って資金をつくり、写
作年は不明であるが、比較的初期の作品と思われ
生旅行を続けた。翌36年ロンドン、パリを経て帰
る。大下は、海外旅行のときに、展覧会を開いて
国した。大きな反響を呼んだ『水彩画之栞』に続
描きためた絵を売って資金をつくったが、画面右
いて、明治37年に『水彩画階梯』を出版したが、
下の「東京日本大下藤次郎」という書き込みは、
この本も再販された。活発に著作活動を続け、雑
そのためのものであろう。特徴のある建物や街道
誌『みづゑ』を創刊し、全国各地を巡って水彩画
の情景を点景人物を配して描く手法、対象と距離
講習会を開き、他方で制作活動も旺盛だった。
を置いて客観的に観察する作画態度は、初期の画
明治30年に『若菜集』によって注目された島崎
藤村は、明治34年の『藤村詩集』の序文において、
風の特色である。水彩特有の明るい画面で、観察
の目は細部まで行きとどいている。
「ついに新しき詩歌の時は来たりぬ」と若々しく
しかし、大下の水彩画は、成熟するにしたがっ
言明した。与謝野鉄幹、晶子らの『明星』、上田
て、ある特定の風物や風俗というモチーフから、
敏の訳詩集『海潮音』、蒲原有明、薄田泣菫らの
山や川、林や森や湖、樹木や草花など、自然その
抒情詩などに見られる新しい感情表現、国木田独
ものに関心が集中し、建物や人物が画面から消え
歩の『武蔵野』や徳富蘆花の『自然と人生』、正
ていき、民家の裏庭や浜辺の漁船といった、画家
岡子規の短歌写生論のような新しい自然の見方な
の興味をひくモチーフに限定されていく。《舟の
ど、浪漫主義、自然主義、象徴主義等々、文学の
ある風景》(1906É図2É郡山市立美術館蔵)は、
世界でも大きな変動がおこってい
た。大下は、田山花袋、独歩、藤
村、蒲原らと親交したが、大下の
水彩画は、これらの文学者たちと
時代精神を共有するものだった。
大下は、明治44年(1911)41歳
という若さで惜しまれつつ亡くなっ
たが、多くの作品を遺し、水彩画
の普及に多大の貢献をした。雑誌
『みづゑ』は、大下とともに81号
をもって廃刊される予定だったが、
30
■
福島の進路 2006.3
図1
春雪の茶店
美を訪ねて
砂浜に引き上げられた漁船に焦点
を定めている。前景の砂浜と放置
された木製品、遠景に空と雲、中
景にまばらな防風林、右手に2艘
の漁船、何でもない日常の荒涼と
した場面が、画家の目と手によっ
て風景画として立ち現れてくる。
この絵は講習会の手本といった趣
がある。
大下の本領は、明治40年の第1
図2
舟のある風景
回文展に出品した《穂高山の麓》
(図3É東京国立近代美術館蔵)
、
郡山市立美術館所蔵の《赤城駒ケ
岳の紅葉》(1907É図4)や《晩
秋》(1908É図5)のような山岳
風景にある。湖や川は静寂に包ま
れ、水面は繊細微妙な光に輝き、
画面は清澄な空気に満ちている。
色彩の絶妙の調和と巧みな構成に
よって、自然と親和して一体となっ
た画家の深い感情が表現されてい
る。
図3
穂高山の麓
大下は、「山と湖水の旅人」と
いわれる。自然の中でも、人の気
配も感じられない静かな湖水を愛
した。信州や東北はもとより、日
本各地の山岳風景を精力的に描い
た。勿論東北の名だたる景勝裏磐
梯や檜原湖、十和田湖を描いた。
明治41年に尾瀬沼
(図6É個人蔵)
、
明治43年には十和田湖に旅行した
が、当時この地方はあまり人が訪
れることのない秘境だった。大下
図4
赤城駒岳の紅葉
福島の進路 2006.3
■
31
美を訪ねて
図5
晩
秋
は尾瀬について、「山道十里の間人家もなく、一
一等の作品を『みづゑ』に掲載するなど、その努
夏僅か十数人の往来あるほど」(「尾瀬沼」『みづ
力や工夫はなみなみならぬものであった。大下は、
ゑ』44号)といっており、尾瀬を紹介した功労者
その理由を、彼自身が美術によって救われたため
として顕彰され、「大下藤次郎記念碑」が建てら
だという。青年期に義母と折り合いが悪く、将来
れた。
に希望をもてなかった時、絵に専心して道が開け
ラスキンの『近代画家論』に傾倒した山岳紀行
た。美術は「人を堕落より救い、善に導き、自然
家小島烏水は、登山(アルピニズム)のパイオニ
の楽しみを知らしむ等、消極的であるが一の宗教
アで日本山岳会創設の功労者だが、大下も会員だっ
と信じている」
(『みづゑ』64号)という。大下に
た。ラスキンがターナーの水彩画を著書に掲載し
とって水彩画は福音であり、大下藤次郎は、水彩
たように、小島は大下の水彩画を著書『山水美
画という福音の伝道者だった。
論』の口絵に用いた。小島は、
『みづゑ』の常連寄稿者だった。
大下は、単なる制作者にとど
まらず、洋画普及に情熱をかけ
た。印刷媒体だけでなく、国内
いたるところで講習会を開いて
直接指導した。また、当時の絵
はがきの流行に目をつけ、絵は
がきコンクールを開いて、毎回
32
■
福島の進路 2006.3
図6
尾 瀬 沼
食べ物のちから
第6回
■
小豆(あずき)
神田 あづさ(かんだ
福島学院大学短期大学部
ビタミンB1 やサポニンを多く含み、疲れ目、
あづさ)
講師
と水溶性食物繊維の両方の食物繊維が多量に含ま
便秘、貧血、肌荒れ、脚気、むくみに有効な小豆
れているため、利尿É便通を促す効果もあります。
を積極的に摂取しましょう。
尿がよく出て、むくみが自然にとれ、昔から腎臓
病によいとされてきたのです。さらに小豆に含ま
1.由
来
れるポリフェノールには人間の身体を酸化させ傷
中国北部を原産地とする小豆は、三世紀ごろ、
つけていく活性酸素を除去する働きがあります。
日本に伝わったとされています。少雨で、やや乾
その他にも、小豆に含まれるアントシアニンが疲
燥気味の温かい気候を好みますが、栽培期間が短
れ目を改善してくれます。小豆を加工した「あん
く、質的には、寒冷地のほうが上質のものが採れ
こ」は鉄分も豊富で、貧血予防に効果を発揮しま
るといわれ、日本では北海道や東北地方でも栽培
す。小豆にはビタミンB2 、ビタミンB6 の含有量
されています。
が多く肌荒れを防止してくれる効果があります。
ですから、小豆は古くから生薬名を赤小豆(せき
2.栄
養
しょうず)という漢方薬として利用されています。
小豆の主成分はデンプンとタンパク質ですが、
タンパク質の粒子は大きく、質は大豆ほど優良で
はありません。ビタミンB1 も比較的多く含まれ、
3.保
存
小豆を購入する際には、粒がそろっていて大き
昔から脚気に効くといわれてきました。もう1つ
く、皮が薄く、色つやの良いことを目安に選択し
ビタミンB1 には疲労物質の蓄積を防ぐ効果があ
ます。小豆は虫がつきやすいため、風通しのよい
り、肩こりや筋肉痛、二日酔い、夏バテなどにも
冷暗所に保存しておくことが
効果があります。また、小豆には腸を刺激する作
ポイントです。
用のあるサポニンという物質と、不溶性食物繊維
福島の進路 2006.3
■
33
食べ物のちから
4.調
理
れおよび皮にしわがよるのを防止します。水を加
他の豆類と異なり、小豆を煮る際には、前もっ
えて再び煮立ってきたら、いったん火を止めてア
て水に浸しておく必要はありません。それは吸水
クをとるという渋切り作業をします。その後は水
に長時間がかかりますし、吸水の際に胴切れが生
を加えて軟らかくなるまで煮ます。渋切りは渋み
じやすいからです。水で洗ったあと、豆が浸る程
をとり除くためにも大切ですから、丁寧にアクを
度の水を加えて煮はじめますが、煮立ったら豆の
とりましょう。
量の約1/2の冷水を加えます。これを「びっく
り水」といい、加熱むらをなくして豆の中心部ま
その他、小豆を使用した料理をいくつか紹介し
ます。
で徐々に熱が通るようにするとともに、豆が胴切
きおこわを紹介します。
y¿Ðîz
材料:もち米(3カップ)
`D¬¤ŸiQlªj
うるち米(1カップ)
日本では昔から五穀の豊作と健康を祈り1
小豆(3/4カップ)
月15日に小豆粥を食べるといわれています。
塩胡麻(胡麻大さじ3+塩大さじ1)
材料:米(2/3カップ)
小豆の煮汁(3.5カップ)
:煮汁が足
作り方:
りない場合は水を足します。
①
小豆(1/3カップ)
6時間以上)置きます。そうすることで
塩(少々)
加熱時間が短縮できます。
②
作り方:
①
①を汁ごと鍋に入れ小豆が軟らかくな
るまで煮ます。
鍋に小豆を入れ、水から加熱し煮立っ
たら一度、湯を捨てます。
②
魔法瓶に小豆と熱湯を入れ一晩(5∼
③
といだ米と②の小豆を炊飯器に入れ、
普通に炊飯する炊飯器の印まで小豆の煮
①の小豆と3倍の水で軟らかくなる一
汁(足りないときは水を足します)を入
歩手前まで煮る。
③
れ米が軟らかくなるまで煮る。
④
れ炊飯します。
といだ米と②の小豆に小豆の煮汁を入
仕上げに塩を入れて出来上がり。
④
炊き上がったら器にもって塩胡麻を散
らせば出来上がり。
*ポイント:祝い事のお赤飯には、小豆で
なく「ささげ」が使われることがありま
aD†«¨±í
お祝いの食卓を彩る赤飯ですが、作るとき
««««
34
す。その理由は、小豆は煮ると皮が切れ
に手間がかかり、とかくおっくうになってし
やすく「腹が切れる」として嫌われるた
まいがちです。そこで今回は比較的簡単な炊
めです。
■
福島の進路 2006.3
企業法務セミナー
福
経営者の個人根保証について
■
渡辺 健寿(わたなべ
けんじゅ)
渡辺健寿法律事務所
弁護士
–ÐÍ`ÐÉεÄp±Iɤið̄µÄ¢Ü·ªA¡ÊA`ÐÆÌæøÉ
質
問
æ趶é`Ð̱S”É¢ÄA`ÐÌã\æ÷ðÅ éaÉAÑÛصÄ
à礱ÆƵܵ½B±ÌAÑÛØð¾éÉÛµÄA–ÐƵÄÍÇÌæ¤È
_ɍӷ׫ŵ天BܽAaª`ÐÌã\æ÷ððÞCµ½ê‡âA€
Sµ½ê‡ÍAa̖ÐÉηéÛرÍǤÈéÌŵ天B
1
根保証契約
一定の法律関係から将来生ずる債務でかつ当初
とによって負担する債務を含むもので、保証人が
個人であるものを言います。
からその増減が予定されているものに関する保証
貸金等根保証契約は、極度額を定めなければ、
契約のことを根保証契約といいます。そのうち、
その効力を生じないものとされます(民法465条
保証期間と保証限度額(極度額)の定めのない根
の2第2項)
。
保証契約を一般に包括根保証契約といいます。
また、貸金等根保証契約は、契約締結の日から
今回、当社はBとの間で、A社との取引により
5年以内の日をもって元本確定期日(根保証の担
生じる債務全部について連帯保証を得るというこ
保すべき主債務の範囲を確定する期日)を定めな
とですので、当社とBとの契約は根保証契約にあ
ければならず、これより長い期間を定めても、元
たります。
本確定期日の定めはないこととなります(民法
また、当社とBとが、保証期間や極度額を定め
なかった場合、当社とBとの契約は包括根保証契
465条の3第1項)
。
そして、前記元本確定期日の定めがない場合に
約ということになります。
は、法律上当然に、契約締結の日から3年を経過
2
する日をもって元本確定期日とされます(民法
平成16年の民法改正と貸金等根保証
平成16年の民法改正は、書面によらない保証契
約は一切無効としたほか(民法446条2項)、保証
465条の3第2項)
。
このように、「貸金等根保証」については、保
人が過大な責任を負いがちな根保証契約について、
証人が責任を負う範囲につき金額と期間の両面か
その契約内容を適正化するという観点から「貸金
ら制限が設けられています。
等根保証」について一定の定めをおきましたので、
3
まずこの点について説明しておきます。
ここにいう「貸金等根保証」とは、主たる債務
の範囲に金銭の貸渡し又は手形の割引を受けるこ
売買代金債務に対する根保証
本件の場合は、売買代金債務に対する根保証の
事案ですから、前記の貸金等根保証契約の規定は
適用になりません。
福島の進路 2006.3
■
35
企業法務セミナー
しかし、判例上は、根保証が極度額や保証期間
の定めのない包括根保証であるような場合、包括
保証金額や保証期間の制限が認められたり、解約
告知権が認められたりする場合があります。
根保証の有効性を認めながらも、保証契約に至っ
ですから、役員である根保証人が役員を退任し
た事情、期間の経過状況、主債務者と保証人との
た場合には、債権者側の債権管理上、根保証契約
人的関係、業界における一般的取引慣行、債権者
を更新する、または、当該根保証人から役員退任
が債務者の資産状況をどの程度把握していたか、
後も引き続き根保証の責任を負う旨の確約書を徴
債権者が債権の確保É回収についてどの程度注意
求する等、念のための対応をしておくことも考え
していたか、債権者が保証人に対して債務者の信
られます。
用不安É取引額増大の通知をしたか、保証人が主
5
根保証人の死亡
債務者の信用悪化を知っていたか等の事情を総合
判例上、包括根保証人が死亡した場合、既に発
して、債権者と保証人との公平の見地から保証金
生している債務を除き、根保証人の相続人はこれ
額や保証期間を制限する場合があります。
を承継しないものとされています(最判昭和37年
また、契約締結から長期間の経過や財産状況の
著しい悪化等、事情に応じて保証人の解約告知権
を認める場合があります。
ですから、根保証が売買代金債務に対するもの
であっても、取引の実態等からみた適正な極度額、
11月9日)。
これを受けて、改正民法は、前述の貸金等根保
証について「主たる債務者又は保証人が死亡した
とき」には貸金等根保証契約の元本は確定すると
定めています(民法465条の4第3号)
。
適正な保証期間(即ち元本確定期日)を定めた限
ですから、本件のような売買代金債務に対する
定根保証とし、保証期間が満了する前に根保証契
根保証の場合であっても、根保証人が死亡した場
約を更新する取扱が、債権者側の債権管理上望ま
合には、債権者は根保証人の相続人に対し、根保
しいと思われます。
証人が死亡した時点で存在していた債務の履行を
4
求めることができる一方、根保証人が死亡した後
根保証人たる代表取締役の退任
会社の代表者が会社の根保証人となることは多
に発生した債務の履行を求めることはできないも
くありますが、この場合に当該代表者が代表取締
のと解されます。
役を退任したからといって、当然に保証責任を免
6
れるものではありません。
本件の場合
本件の場合、当社とBとの間で根保証契約書を
代表取締役の退任といっても、平取締役として
作成しておくことは民法上必要不可欠であり(民
残る場合、監査役として残る場合、いずれの役員
法446条2項)、かつ、取引の実態等からみた適正
からも退任する場合等、様々な場合がありますが、
な極度額、適正な保証期間(即ち元本確定期日)
いずれにしても、会社の経営陣とは異なる第三者
を定めておくことが望ましいでしょう。
が根保証人となることもあり、このような場合で
保証期間中に代表取締役を退任したような場合
も根保証は有効ですから、単に代表取締役を退任
従前BがA社の代表取締役として経営を行ってき
したという事情のみで、根保証の責任を否定する
た経緯からすれば、ただちにBの保証責任が制限
ことは合理的とはいえません。
されるとは考えにくいところですが、Bとの間で
特に、前述の極度額、保証期間(即ち元本確定
根保証契約を更新する、または、Bから引き続き
期日)を定めた限定根保証であった場合には、代
根保証の責任を負う旨の確約書を徴求する等、念
表取締役を退任した事実が保証責任に与える影響
のための対応をしておくことが望ましいでしょう。
は小さいものといえます。
保証期間中にBが死亡した場合には、Bの相続
ただし、判例上、役員が根保証人となった場合
人に対し、Bが死亡した時点で存在していたA社
に、当該役員が名目上のものであったか、実質的
の債務の履行を求めることができますが、Bが死
に稼働していたか、また、役員を退任した場合に
亡した後に発生したA社の債務の履行を求めるこ
退任からどの程度の期間が経過したか、その間に
とはできないものと解されます。
債務額がどの程度変動したか等の事情を斟酌して
36
■
福島の進路 2006.3
税務・財務相談Q&A
税務・財務相談
!
平成18年度税制改正の内容について
■
田中 伸一(たなか
しんいち)
田中伸一税理士事務所
税理士
OOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO
P
R
P 前回に引き続き平成18年度税制改正について、平成18年度税制改正大綱ならびに平成18年度税R
P
R
P制改正要綱(閣議決定)の内容に基づき説明いたします。
R
P
R
P 今回の改正案は、本年の1月17日に閣議決定されました。今後は国会審議を経て、例年ですとR
P
R
P3月下旬に可決成立されることになります。そして通常ですと、その年の4月1日から施行されR
P
R
Pます。なお、一部の規定については、その年の1月1日に遡って適用されるものもあります。 R
P
R
QQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQ
れ以外の項目の登録免許税についての軽減措置が
〔質問1〕
登録免許税について改正があり、減税の措置
が一部なくなったと聞いたのですが教えてくだ
廃止されることになります。
例えば、相続が原因の所有権移転登記にかかる
登録免許税は、平成18年3月31日までは、1000分
さい。
の2ですが、平成18年4月1日以降についての税
〔回
答〕
平成15年度の税制改正により登
率は1000分の4になり現状の2倍となります。
〔質問2〕
録免許税の軽減措置が行われ、そ
の期間は平成18年3月31日までとなっていました。
不動産取得税については、どのような改正が
あったのでしょうか。
今回の平成18年度税制改正においては、「土地の
売買による所有権移転登記」
、「土地の所有権の信
〔回
答〕
託の登記」については、平成20年3月31日までの
不動産取得税(本則は4%)については、税率
間の措置として「土地の売買による所有権移転登
を3%とする特例が住宅以外の家屋の取得につい
記」については、1000分の10(本則1000分の20)、
て平成18年3月31日で廃止されます。ただし、経
そして「土地の所有権の信託の登記」については、
過措置として平成18年4月1日から平成20年3月
1000分の2(本則1000分の4)とされ、原則とし
31日までの2年間については、標準税率は3.5%
て(マイホーム等の登記にかかるものは除く)そ
とされました。
福島の進路 2006.3
■
37
税務・財務相談Q&A
贈与財産に対する贈与税を
いったん支払い、その後相
続が発生した時に、その贈
与財産と相続財産とを合計
した価額をもとに相続税を
算出します。そしてこの相
続税からいったん支払った
贈与税額を控除することに
より、贈与税É相続税を通
また、宅地および宅地比準土地の取得にかかる
じた納税をすることができる制度です。
不動産取得税の課税標準を価格の2分の1にする
受贈者(相続時精算課税制度適用者)は、贈与
特例については、平成21年3月31日まで延長され
者(特定贈与者)からの贈与財産について、他の
ます。
贈与財産と区別し、特定贈与者からの贈与財産の
〔質問3〕
住宅取得資金贈与の特例についてはどのよう
になったのでしょうか。
価額から2,500万円(特別控除)を控除した後の
金額に一律20%の税率を乗じて算出した税額を納
付するものです。
《適用者の要件》
〔回
答〕
5分5乗方式による住宅取得資金贈与の特例は、
平成17年12月31日をもって廃止
されます(経過措置の終了)
。
ただし、相続時精算課税制度
における住宅取得資金贈与の特
例については平成19年12月31日
まで2年間延長されることにな
りました。
〔参考〕
《相続時精算課税制度とは》
相続時精算課税制度を選択し
た受贈者(子)は、贈与を受け
た年分の贈与税の申告書を提出
し、贈与税がかかる場合には、
38
■
福島の進路 2006.3
①
贈与者(特定贈与者)側の要件としては、贈
与をした年の1月1日現在において65歳以上の
税務・財務相談Q&A
親の場合で、祖父É祖母な
どは該当しません。
②
受贈者(相続時精算課税
適用者)側の要件としては、
贈与を受けた年の1月1日
現在で20歳以上の子である
推定相続人(代襲相続含む)
で直系卑属であることとさ
れています(養子も該当します)
。
ようなものです。
注意点としては、一旦この制度を選択した場合
1
ò
物納不適格財産の明確化
には、従来の暦年課税制度の贈与(基礎控除110
抵当権が設定されている不動産や、境界が不明
万円)への変更は認められません。ただし、この
確な土地等の一定の財産を物納不適格財産(管理
制度は贈与者ごと受贈者ごとに選択できます。
又は処分をするのに不適格な財産)として、その
例えば、父親からの贈与は相続時精算課税制度
を選択し、母親からのものは従来の暦年課税制度
範囲が明確化されます。
2
ò
物納劣後財産の明確化
を選択することもできます。さらに、長男は相続
市街化調整区域内の土地、接道条件を充足して
時精算課税制度を選択し、次男は従来どおりの暦
いない土地(いわゆる無道路地)等の一定の財産
年課税制度(基礎控除110万円)とすることもで
を物納劣後財産(他に物納適格財産がない場合に
きます。
限り物納を認める財産)として定め、その範囲が
また、この制度においては、住宅資金贈与につ
いては、別途、手当てがなされています。住宅取
明確化されます。
3
ò
物納申請の却下と再申請
得資金にかかる相続時精算課税制度を選択した場
物納申請された財産が物納不適格財産に該当す
合には、65歳未満の親からの贈与についても制度
る場合、又は物納劣後財産に該当する場合であっ
の適用があります。ただし、贈与の対象となる資
て他に物納適格財産を有するときは、税務署長に
産については、住宅取得資金等に限定されますが、
より当該物納申請は却下されます。この場合、申
特別控除の額は3,500万円とされます。
請者は当該却下の日から20日以内に、一度限り物
〔質問4〕
相続税における物納制度について改正があっ
たようですが、どのような改正ですか。
納の再申請をすることができます。
4
ò
必要書類の明確化と補正等の請求
①
物納財産の種類に応じて一定の書類を定め、
申請者はこれらの書類を物納申請時に提出し
〔回
答〕
相続税の物納制度についての主な改正点は次の
ます。
②
提出された物納手続きに必要な書類の記載
福島の進路 2006.3
■
39
税務・財務相談Q&A
に不備があった場合又は物納手続きに必要な
られました。
書類の提出がなかった場合には、税務署長は
8
ò
利子税の負担と免除
物納により納付が完了されるまでの期間につい
これらの必要書類の補正又は提出を申請者に
請求することができます。
この場合において、請求後20日以内に物納
ち審査事務に要する期間については、利子税が免
手続に必要な書類について補正又は提出がさ
除されます。
れなかった場合には、物納申請を取り下げた
9
ò
ものとみなされます。
5
ò
ては原則として利子税が課せられますが、そのう
物納の審査期間
税務署長は、物納申請の許可又は却下を申請期
適用時期
上記の改正については、平成18年4月1日以後
に相続又は遺贈により取得した財産に係る相続税
について適用されることとなります。
限から3ヵ月以内に行います。ただし、物納財産
が多数となるなど調査等に相当の期間を要すると
今回の税制改正では、物納についての許可基準
見込まれる場合には、6ヵ月以内(積雪など特別
ならびに各種手続き等について明確化されること
な事情によるものについては、9ヵ月以内)とな
になり、今まで以上に物納申請をする際には、注
ることもあります。
意が必要となってくると思います。また、物納手
6
ò
続きが長引くようであれば、利子税が課せられる
物納申請を却下された者の延納の申請
物納の許可を申請した者については、延納によ
る納付が可能であることから、物納申請の全部又
ことになり、より適切な納税判断が要請されるこ
とになると考えます。
は一部が却下された場合には、20日以内に延納の
申請を行うことができます。
7
ò
延納中の物納の選択
私の担当は今回で終了です。長い間お付き合い
いただきましてありがとうございました。
相続税を延納中の者が、資力の状況の変化等に
より延納による納付が困難となった場合には、申
田中先生のご担当は今回が最後になります。
告期限から10年以内に限り延納税額からその納期
長い間ありがとうございました。
限の到来した分納税額を控除した残額を限度とし
て、物納を選択することができる制度が新しく創
設されます。
この場合における物納財産の収納価額は、その
物納に係る申請時の価額となりますが、収納時ま
でにその物納財産の状況に著しい変化が生じたと
きは、税務署長は収納時の現況によりその物納財
産の収納価額を定めることができる点も付け加え
40
■
福島の進路 2006.3
地方経済天気図
全国地方銀行協会
福
(平成18年2月発表分)から
個人消費、生産活動に持ち直しの動きが広がり、
緩やかな回復傾向
●回復…沖縄
É沖縄は、観光が好調、消費関連にも底固さがみられ、回復の動き。
●回復傾向、回復に向けた動き…東北、関東、甲信越、東海、近畿、中国、九州
É東海、中国は、設備投資や輸出が増加し、生産活動も堅調を持続、関東、近畿は個人消費や雇用にも
明るさがみられ、それぞれ回復傾向。
É甲信越、九州は、設備投資は堅調、個人消費に明るさがみられ、生産も持ち直し傾向にあり、回復に
向けた動き。
É東北は、足踏み感は残るものの、設備投資は堅調、生産が持ち直し、緩やかな回復に向けた動き。
●持ち直しの動き…北海道、北陸、四国
É北陸、四国は、輸出が堅調、設備投資も回復基調にあるほか、生産も改善傾向にあり、着実に持ち直
し。
É北海道は、依然低調の域ながら、一部で持ち直しの動きが継続。
各 地 の 景 気
北海道
晴 :明るい
晴一部曇:一部に明るさ
曇 :停滞、持ち直し
曇一部雨:不振
東北
雨 :厳しい
中国
近畿
北陸
甲信越
関東
東海
九州
四国
沖縄
福島の進路 2006.3
■
41
地方経済天気図
東北経済抜粋
東北の景況は、足踏み感は残るものの、設
で増加。福島は前月に引き続き堅調、全体
的に高水準の設備投資計画を着実に実行。
●公共工事
12月の公共工事請負額は、宮城
備投資が堅調、生産活動も持ち直し、緩や
を除いたすべての県で前年を下回るなど、
かな回復に向けた動き。個人消費は、乗用
依然水準は低調。
車販売の不振が続き、大型小売店販売も、
●輸出
12月の通関輸出額は、青森で、アジ
冬物衣料や暖房器具に好調さがみられたも
ア、韓国向けの鉄鋼が増加し、宮城では事
のの豪雪の影響もあり伸び悩み、全体とし
務用機器が増加、秋田でも、中国、韓国向
ては低調。住宅建築は、依然低水準ながら、
けなどの電子部品製造機器を中心に一般機
足許では前年を上回って推移。設備投資は、
械が増加。
製造業が堅調、非製造業も新規出店などの
●生産活動
11∼12月は持ち直しの動き。
動きがみられるなど堅調。公共工事は引続
[食料品Éたばこ] 青森で、水産加工関連の一
き低調。輸出は、アジア向けの鉄鋼や一般
部が不漁から生産水準引き下げ。
機械などが好調を持続し増勢。生産活動は、
[電気機械] 山形で増加。
鉄鋼や電子部品が高水準、自動車など輸送
[電子部品Éデバイス] 岩手、山形、福島で好
機械も好調を持続するなど持ち直し。観光
調。
は、持ち直す動きもみられるが、全体とし
[精密機械] 福島で堅調。
ては低調。雇用は、依然厳しい状況ながら、
[化学] 福島で好調。
緩やかに改善。先行きは、緩やかながら回
[一般機械] 山形で11月の鉱工業生産指数(季
復に向かうとみられている。
(
「曇」)
調済)が低下。
[情報通信機械] 山形で好調。
●個人消費
11∼12月の大型小売店販売額は、
[輸送機械] 岩手で自動車関連が好調。
冬物衣料、暖房器具に好調さがみられたも
[鉄鋼É非鉄金属] 青森、福島で好調。
のの、宮城を除いて前年割れと低調。12∼
●観光等サービス業
大雪の影響から、青森
1月の乗用車販売も、全ての県で前年比減
や秋田の観光地で観光客の入込みが低調と
少。家電量販店は、青森、福島で薄型、地
なったものの、スキー場の入込みは、ほと
上波デジタル放送対応テレビなどの売上が
んどの県で降雪に恵まれたため好調。
堅調に推移。
●住宅建築
12月の新設住宅着工戸数は全体
●雇用情勢
依然厳しい状況ながら、緩やか
に改善。
的に低調。但し宮城は持家、貸家の増加に
12月の有効求人倍率は、すべての県で前月
より前年を上回る。
比上昇。
●設備投資
堅調。
青森の設備投資計画は、製造業が3年連続
42
■
福島の進路 2006.3
●景気の先行き見通し
緩やかながら回復に向かうとみられている。
福
主要経済指標
県 内
主要経済指標
¶YÖA
項目
年月
平成14年
平成15年
平成16年
16年12月
17年1月
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
調査機関
Pは速報、rは訂正、※は年度計
鉱工業生産指数
(季調済)
(総合)注1
12年=
100
93.0
95.0
99.5
99.1
104.9
102.9
97.7
102.1
99.5
103.7
101.9
106.8
104.8
104.7
P 106.5
―
前年比
%
▲ 1.0
2.2
4.7
1.5
1.1
5.9
0.4
2.9
2.0
4.9
▲ 0.8
7.3
3.0
6.0
7.9
―
製 造 工 業
生 産 指 数
機
12年=
前年比
12年=
100
%
100
▲ 0.9
93.0
92.1
95.0
2.1
95.4
99.5
4.7
104.3
99.1
1.5
101.8
105.0
1.0
112.6
102.8
5.8
112.5
97.7
0.4
106.2
102.1
2.9
109.8
99.5
1.8
106.8
103.8
5.0
108.9
▲ 0.7
101.9
111.1
106.8
7.2
118.4
104.7
3.0
116.2
104.8
6.1
116.9
P 106.5
8.2 P 121.5
―
―
―
県
企
画
調
主
要
化
12年=
100
94.6
98.4
98.0
103.0
101.9
99.6
96.6
95.6
92.9
105.7
90.0
87.4
87.8
87.7
P 88.3
―
部
械
前年比
%
1.1
3.6
9.3
0.5
2.9
9.0
3.5
5.1
3.0
6.3
6.1
11.2
7.0
14.6
18.3
―
整
業
学
前年比
%
▲ 2.7
4.0
▲ 0.4
2.6
▲ 4.5
▲ 2.4
▲ 1.3
2.4
▲ 4.6
3.9
▲ 13.1
▲ 9.8
▲ 4.0
▲ 5.4
▲ 3.2
―
情
種
別
繊
維
食料品Éたばこ
12年=
前年比
12年=
前年比
100
%
100
%
▲ 2.4
▲ 1.5
86.2
100.3
▲ 4.6
▲ 3.1
82.3
97.2
▲ 5.2
▲ 2.1
78.0
95.2
▲ 8.6
73.7
98.8
1.5
▲ 6.7
77.7
100.3
1.3
▲ 11.4
71.7
99.7
17.3
▲ 7.6
▲ 2.5
69.8
89.3
▲ 11.5
70.8
101.8
0.9
▲ 11.9
67.9
93.4
5.4
▲ 13.2
68.2
100.1
6.7
▲ 13.5
▲ 9.8
70.0
92.8
▲ 8.0
72.1
97.5
5.3
▲ 8.6
70.0
94.4
1.6
▲ 14.7
▲ 7.1
65.3
88.9
P 68.3
P 84.4
▲ 8.8
▲ 13.7
―
―
―
―
報
統
計
領
域
鉱工業出荷指数
(季調済)注1
12年=
100
94.3
99.1
104.5
104.9
108.6
107.8
104.2
111.1
105.8
107.4
110.6
114.0
112.6
111.5
P 112.4
―
前年比
%
0.3
5.1
5.4
2.0
▲ 0.3
6.6
1.2
3.5
3.7
4.7
3.1
10.2
5.6
8.3
7.7
―
注1.鉱工業生産É出荷É在庫指数の前年比は原指数の増減率。暦年の年平均値は原指数。
月別欄の前年比は前年同月比(以下同様)
¶YEšÝÖA
項目
年月
平成14年
平成15年
平成16年
16年12月
17年1月
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
調査機関
鉱工業在庫指数
(季調済)注1
12年=
100
117.6
124.4
126.9
122.8
134.1
136.5
128.7
120.9
117.1
129.6
131.2
129.9
134.0
128.4
P 138.7
―
使
用
総
電
量
力
量
清酒課税
移 出 量
うち大口電力使用量
前年比
前年比
前年比
103 È/h
103 È/h
%
%
%
0.3 ※13,800,034
3.2 ※5,230,342
5.1
5.8 ※13,924,496
0.9 ※5,423,509
3.7
2.0 ※14,483,706
4.0 ※5,661,429
4.4
▲ 2.7
1,169,748
0.5
459,380
1.2
1,335,799
1.8
460,436
2.0
5.7
7.7
1,279,570
2.7
452,036
1.3
2.2
1,314,805
4.4
489,695
2.4
▲ 3.9
1,241,811
1.3
481,603
0.1
▲ 10.4
1,116,375
2.1
446,258
0.2
▲ 1.9
1,141,190
2.0
492,645
2.1
▲ 0.4
▲ 2.9
1,193,162 505,200
0.6
1.9
1,263,589
2.9
479,528
3.8
1,245,471
4.4
500,745
4.4
7.8
3.6
1,180,081
1.9
503,346
4.3
11.7
1,180,828
3.8
497,034
7.1
―
1,283,286
9.7
504,924
9.9
県企画調整部
情報統計領域
前年比
%
▲ 5.3
▲ 3.5
▲ 11.6
▲ 12.4
▲ 9.4
▲ 6.3
▲ 9.4
▲ 2.9
▲ 3.8
▲ 4.7
▲ 1.5
0.3
▲ 15.4
3.1
▲ 0.2
0.3
kl
25,822
24,913
22,018
3,643
1,123
1,579
1,850
1,882
1,415
1,525
1,527
1,241
1,474
1,773
2,144
3,655
福島県酒造
組合連合会
東 北 電 力 福 島 支 店
公共工事前払金保証実績
公共工事着工
総 工 事 費
百万円
※ 289,409
※ 302,234
※ 170,123
14,926
5,601
6,542
25,078
4,615
5,439
21,781
22,397
26,309
17,995
26,089
12,820
―
発 生 件 数
前年比
%
▲ 20.4
4.4
▲ 43.7
▲ 11.1
▲ 41.4
▲ 42.1
51.9
▲ 35.9
▲ 20.3
▲ 1.1
5.6
70.3
▲ 15.6
47.1
106.2
―
件
※8,838
※7,443
※7,150
731
390
336
268
445
420
931
787
566
732
793
649
623
国土交通省
保 証 金 額
前年比
%
▲ 0.9
▲ 15.8
▲ 3.9
10.6
▲ 7.6
45.5
5.1
35.3
0.5
13.3
▲ 12.0
▲ 2.9
▲ 1.7
▲ 12.7
▲ 10.6
▲ 14.8
前年比
%
▲ 8.9
▲ 13.3
▲ 16.6
▲ 21.6
▲ 12.4
60.1
▲ 43.4
4.4
17.2
▲ 22.9
▲ 0.8
▲ 1.5
▲ 1.7
▲ 23.6
▲ 5.4
17.2
百万円
※128,717
※111,640
※ 93,140
5,172
3,751
2,809
3,685
11,094
7,220
11,442
11,345
7,867
8,693
8,495
6,354
6,062
株 福島支店
東日本建設業保証ò
注1.鉱工業生産É出荷É在庫指数の前年比は原指数の増減率。暦年の年平均値は原指数。
月別欄の前年比は前年同月比(以下同様)
šÝÖA
新
項目
総
年月
平成14年
平成15年
平成16年
16年12月
17年1月
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
調査機関
戸
14,322
13,741
13,481
965
786
1,088
897
1,074
1,154
1,137
1,165
1,026
910
1,209
1,351
1,061
計
前年比
%
▲ 4.6
▲ 4.1
▲ 1.9
▲ 17.1
▲ 4.3
22.9
▲ 8.5
▲ 6.6
▲ 12.7
▲ 29.8
1.6
▲ 20.2
▲ 14.6
6.7
22.0
9.9
国
設
利
持 家
住
用
関
係
貸 家
分 譲
戸
戸
戸
7,363
7,035
6,926
470
378
448
557
601
606
671
581
628
481
556
613
470
5,361
5,428
5,361
402
366
552
265
334
508
335
490
223
338
561
514
566
1,451
1,167
1,153
91
42
87
75
138
29
131
94
151
91
91
222
25
土
宅
別
給 与
戸
147
111
41
2
0
1
0
1
11
0
0
24
0
1
2
0
着
民
資
間
戸
10,572
10,894
10,917
813
680
936
717
789
865
950
922
809
745
1,026
1,059
881
交
工
金
資 金
前年比
%
9.7
3.0
0.2
▲ 8.9
6.6
27.7
▲ 12.2
▲ 13.8
▲ 17.0
▲ 27.4
0.0
▲ 28.3
▲ 8.7
16.6
17.0
8.4
公
的
戸
3,750
2,847
2,534
152
106
152
180
285
289
187
243
220
165
183
292
180
通
別
資 金
前年比
%
▲ 30.2
▲ 24.1
▲ 11.0
▲ 44.1
▲ 42.1
24.6
10.4
21.3
3.2
▲ 39.9
8.0
39.2
▲ 34.0
▲ 27.7
44.6
18.4
着
工
建築物
建
築
物
床 面 積 工事費予定額
むね
百㎡
百万円
13,243
12,699
12,647
914
733
842
977
1,017
1,078
1,161
1,102
1,172
983
1,160
1,216
956
25,816
25,388
25,271
1,801
1,253
1,712
1,875
1,997
2,515
2,814
2,654
2,283
2,919
2,698
2,385
2,751
369,259
360,693
344,956
23,804
16,056
21,558
23,506
26,485
29,140
33,475
33,876
30,090
45,537
35,304
33,327
41,695
省
福島の進路 2006.3
■
43
主要経済指標
県 内
ÁïÖA
項目
百貨店売上高
量販店売上高
注1
注2
年月
百万円
平成14年
平成15年
平成16年
16年12月
17年1月
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
調査機関
54,674
53,121
51,212
5,476
5,009
3,709
4,645
3,458
3,616
3,444
3,933
3,067
3,146
3,769
4,092
P 4,762
経
前年比
百万円
%
▲ 3.7
183,450
▲ 2.8
182,481
▲ 3.6
184,579
0.6
18,854
8.5
16,131
0.9
13,260
▲ 5.8
14,894
▲ 3.7
14,561
5.8
14,742
▲ 1.6
14,347
▲ 3.0
14,898
▲ 2.4
15,117
▲ 1.0
13,772
▲ 7.0
14,863
r 14,363
3.7
P 18,702
3.0
済
産
業
前年比
%
▲ 2.2
▲ 3.2
▲ 2.8
▲ 3.4
▲ 2.3
▲ 7.4
▲ 5.4
▲ 3.3
▲ 5.2
▲ 5.0
▲ 5.3
▲ 7.3
▲ 6.0
▲ 6.1
▲ 2.5
▲ 1.9
省
乗用車新車登録台数
温泉旅館(福島、
郡山、
会津若松)利用者
前年比
台
%
▲ 2.7
77,082
▲ 1.3
76,050
76,175
0.2
▲ 3.8
5,067 ▲ 1.3
5,512 ▲ 4.6
6,788 ▲ 4.0
11,929
5,290
3.4
5,605
11.0
6,506
10.5
6,304
1.4
4,522
1.1
7,298
1.0
5,611
1.3
▲ 7.7
5,964 ▲ 5.9
4,770 県自動車販売店協会
前年比
人
%
▲ 2.1
※3,210,491
▲ 1.1
※3,175,007
▲ 5.8
※2,990,579
▲ 5.5
253,859
▲ 3.2
225,369
▲ 9.0
218,652
▲ 6.3
220,333
▲ 10.0
205,209
▲ 1.2
244,042
▲ 6.0
232,624
232,761
3.5
▲ 2.5
294,899
237,090
14.1
333,376
4.6
299,113
1.0
―
―
当 研 究 所
福 島 空 港 利 用 者 数
国
内
線
国
前年比
人
%
▲ 10.1
※ 512,272 ※ 517,263
1.0
▲ 3.6
※ 498,857 ▲ 12.4
31,989 ▲ 5.8
30,671 ▲ 0.3
35,571 ▲ 4.0
42,247 44,264
4.3
▲ 7.0
38,516 ▲ 8.6
41,021 ▲ 6.5
42,328 44,695
2.0
▲ 6.8
45,502
▲ 8.0
42,818 ▲ 6.9
42,047
32,078
0.3
福
島
空
際
人
※ 64,795
※ 39,961
※ 57,108
4,042
3,973
4,938
5,423
3,925
3,555
3,392
4,741
5,593
5,196
6,386
7,105
6,188
港
ビ
線
前年比
%
▲ 16.6
▲ 38.3
42.9
▲ 0.8
1.7
9.9
60.2
▲ 4.2
▲ 4.7
▲ 12.7
▲ 5.8
▲ 14.3
7.7
21.0
32.5
53.1
ル
注1.前年
(同月)
比については店舗調整済
(平成17年11月時点5店舗)
。
注2.前年
(同月)
比については店舗調整済
(平成17年11月時点71店舗)
。
ÁïÖA
消
項目
総
合
12年=
100
98.2
97.8
98.3
98.4
98.2
97.9
97.5
97.9
98.4
98.0
97.6
97.6
98.3
98.3
97.9
97.8
年月
平成14年
平成15年
平成16年
16年12月
17年1月
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
調査機関
※
前年比
%
▲ 1.1
▲ 0.4
0.5
0.6
0.4
0.1
▲ 0.1
0.3
0.6
▲ 0.3
▲ 0.2
▲ 0.2
0.2
▲ 0.2
▲ 0.3
0.3
費
食
料
者
住
物
価
光熱É水道
居
12年=
前年比
12年=
前年比
100
%
100
%
▲ 1.0
98.2
102.0
0.4
▲ 0.6
97.6
102.0
0.0
98.5
0.9
104.3
2.3
98.0
1.2
104.8
1.6
99.6
0.8
104.7
1.8
▲ 0.7
98.6
105.2
2.6
98.4
0.2
105.0
1.2
98.1
0.3
104.8
1.2
98.6
0.6
105.1
1.3
▲ 1.8
▲ 0.2
97.4
105.1
▲ 0.9
▲ 0.8
96.6
104.5
▲ 1.5
▲ 0.7
95.8
104.5
▲ 0.7
▲ 0.6
97.2
104.6
▲ 3.1
▲ 0.1
96.2
105.0
▲ 2.9
▲ 0.2
95.8
105.0
▲ 1.8
105.1
0.1
95.4
県
企
画
調
整
12年=
100
98.8
98.9
100.0
102.9
100.7
100.7
101.1
102.0
104.8
104.8
105.0
105.1
105.3
106.1
106.4
106.7
部
前年比
%
▲ 1.9
0.1
1.1
3.8
2.0
1.9
1.5
2.8
5.6
5.1
5.2
5.3
4.9
4.8
4.5
4.1
情
指
被服及びはき物
12年=
100
93.0
91.7
91.3
92.6
88.9
87.7
84.4
89.3
90.7
91.1
86.8
83.5
91.4
93.7
92.8
90.9
報
教
数
育
教養É娯楽
前年比
12年=
前年比
12年=
%
100
%
100
▲ 3.0
101.4
0.4
95.0
▲ 1.4
102.4
1.0
92.6
▲ 0.4
103.0
0.6
91.1
0.1
103.1
0.4
90.4
0.3
103.1
0.4
89.0
0.8
103.1
0.4
89.5
▲ 0.6
102.9
0.1
90.8
0.6
103.0
0.1
90.8
▲ 0.1
103.0
0.1
91.3
1.0
103.0
0.1
91.0
0.7
103.0
0.1
92.1
1.6
103.0
0.1
94.3
0.9
103.0
0.1
92.0
1.7
103.0
0.1
90.9
0.2
103.0
0.1
90.0
4.6
103.0
0.1
90.8
統
計
領
域
前年比
%
▲ 2.8
▲ 2.5
▲ 1.6
▲ 1.4
▲ 1.9
▲ 1.1
▲ 1.0
▲ 0.2
0.0
▲ 0.4
▲ 0.3
▲ 0.4
0.3
▲ 0.2
▲ 0.2
0.4
平成17年3月以降は福島市の消費者物価指数を福島県の消費者物価指数とみなす。
J­sêÖA
項目
有 効求職 者数
有 効 求 人 数
注1
注1
人
年月
平成14年
平成15年
平成16年
16年12月
17年1月
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
調査機関
45,280
41,004
37,849
33,205
34,045
33,999
37,518
40,724
40,706
40,260
38,308
37,624
37,095
36,866
35,446
32,267
前年比
人
%
12.2 20,476
▲ 9.4
24,586
▲ 7.7
29,064
▲ 4.9
28,392
▲ 4.8
27,634
▲ 5.9
28,243
▲ 6.6
31,166
▲ 6.7
30,022
▲ 3.0
28,677
▲ 0.7
28,823
▲ 0.6
28,204
1.8 29,952
1.3 31,469
3.8 31,830
1.0 31,952
▲ 2.8
28,646
福
島
労
前年比
%
▲ 6.7
20.1
18.2
11.3
8.5
6.5
3.1
3.4
5.8
7.5
4.3
▲ 0.6
▲ 3.9
▲ 3.1
▲ 1.4
0.9
働
局
有効
求人
倍率
注2
倍
0.45
0.60
0.77
0.83
0.78
0.79
0.78
0.80
0.81
0.82
0.82
0.78
0.78
0.79
0.81
0.87
職
新規求人数
雇用保険受給者実人員
注1
注1
人
8,918
10,421
11,765
9,433
11,620
12,119
13,743
11,699
10,968
12,242
11,619
12,835
13,361
12,532
13,021
9,962
業
前年比
%
2.1
16.9
12.9
0.4
4.6
8.4
▲ 1.3
▲ 3.8
21.2
6.5
▲ 3.8
3.2
▲ 1.3
▲ 0.6
7.1
5.6
安
定
注1.各年の年計は月平均。
注2.季節調整値。
注3.調査対象事業所の抽出替えに伴い、前年比はギャップ修正されている。
44
■
福島の進路 2006.3
人
20,210
14,713
11,671
9,969
9,816
9,680
9,889
10,611
9,939
11,496
11,391
11,885
10,743
10,404
10,068
9,537
課
前年比
%
12.7
▲ 27.2
▲ 20.7
▲ 20.2
▲ 18.9
▲ 15.6
▲ 15.2
▲ 13.4
▲ 12.2
▲ 11.4
▲ 11.0
▲ 6.1
▲ 7.9
▲ 3.7
▲ 3.1
▲ 4.3
常用雇用指数
(産業計)
12年=
100
96.1
95.8
94.9
94.8
93.5
91.9
91.4
93.3
93.1
92.7
92.8
93.4
93.1
92.6
92.8
―
実質賃金指数
(産業計)
所定外労働時間
(産業計)
前年比 12年= 前年比
時間
%
100
%
▲ 1.0
▲ 4.2
96.2 10.3
▲ 0.3
97.2
1.0
10.9
▲ 0.9
99.7
2.5
13.6
▲ 0.8
189.2
5.6
13.5
▲ 0.8
▲ 1.7
81.7 13.3
▲ 2.0
83.3
1.8
14.1
▲ 2.0
85.7
1.8
13.2
▲ 1.4
85.1
2.9
14.0
▲ 2.0
▲ 1.8
82.4 13.1
▲ 3.0
153.1
7.0
13.7
▲ 3.0
▲ 1.3
109.7 13.4
▲ 2.7
86.6
3.6
13.8
▲ 2.3
▲ 0.6
82.1 14.2
▲ 2.6
▲ 1.1
82.9 14.7
▲ 2.5
87.0
1.0
15.3
―
―
―
―
県企画調整部情報統計領域 注3
前年比
%
▲ 11.2
5.8
24.8
8.9
▲ 2.9
1.4
▲ 6.4
4.5
0.0
3.8
▲ 3.6
7.0
1.4
6.5
7.7
―
主要経済指標
県 内
àZEà­ÖA
項目
日 銀 券
発行状況
▲ 発行超)
( 全
預
金
年月
億円
億円
平成14年
平成15年
平成16年
16年12月
17年1月
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
▲ 515
▲ 1,384
▲ 1,151
▲ 814
452
▲
71
▲ 407
▲ 271
168
▲ 226
▲ 113
▲ 125
23
▲ 267
▲
53
▲ 866
32,546
32,357
32,434
32,434
31,810
31,890
32,007
32,717
32,447
32,832
32,541
32,135
31,797
31,822
31,928
32,435
調査機関
国
日本銀行
福島支店
前年比
%
▲ 0.3
▲ 0.6
0.2
0.2
▲ 0.7
▲ 0.4
0.1
0.9
▲ 0.5
0.5
▲ 0.1
▲ 1.0
▲ 0.8
▲ 0.6
▲ 0.2
0.0
東
銀
貸
行
出
金
預
前年比
%
▲ 10.1
▲ 1.5
▲ 0.4
▲ 0.4
▲ 1.7
▲ 2.5
▲ 2.7
▲ 0.4
▲ 1.0
▲ 0.2
0.0
▲ 1.9
0.4
0.0
1.7
0.5
億円
21,192
20,875
20,795
20,795
20,671
20,626
20,498
20,752
20,540
20,788
20,989
20,695
20,818
20,732
20,822
20,894
北
注1
財
第二地銀
金
信 用 金 庫
貸出金
預
金
信 用 組 合
貸出金
預
金
億
11,597
11,750
11,669
11,669
11,543
11,578
11,541
11,531
11,397
11,692
11,716
11,737
11,788
11,653
11,640
11,868
務
局
福
不
渡
手
信
貸出金
円
9,078
8,874
8,742
8,742
8,639
8,623
8,748
8,644
8,559
8,628
8,607
8,578
8,643
8,531
8,584
8,695
島
12,423
12,590
12,712
12,712
12,614
12,652
12,409
12,686
12,591
12,707
12,631
12,669
12,557
12,658
12,627
12,708
財
務
7,083
6,856
6,632
6,632
6,567
6,571
6,530
6,510
6,443
6,454
6,481
6,480
6,514
6,512
6,523
6,560
事
務
3,846
3,890
3,907
3,907
3,900
3,921
3,864
3,940
3,926
3,948
3,934
3,950
3,946
3,957
3,929
3,961
所
用
件
件
2,935 ※14,101
2,883 ※19,047
2,796 ※18,388
2,796
2,219
2,781
1,031
2,769
1,294
2,742
1,902
2,709
1,026
2,695
1,236
2,697
1,956
2,713
1,647
2,720
1,615
2,738
1,738
2,734
1,389
2,735
1,495
2,751
2,128
県
注2
保
証
数
前年比
%
▲ 3.3
35.1
▲ 3.5
▲ 5.7
▲ 2.3
▲ 35.6
▲ 21.4
▲ 5.3
7.9
24.3
▲ 3.4
▲ 4.8
▲ 3.6
▲ 7.5
4.2
▲ 4.1
信
用
申
込
金
額
百万円
※121,086
※176,752
※155,263
17,092
8,266
10,757
16,854
8,988
11,148
21,941
18,100
14,748
15,502
12,797
14,197
18,599
保
証
前年比
%
▲ 3.6
46.0
▲ 12.2
▲ 18.3
▲ 17.4
▲ 51.0
▲ 26.5
▲ 5.5
10.1
62.0
20.4
8.8
1.2
0.4
13.9
8.8
協
会
注1.第二地銀協加盟行
注2.各年の年計は12月の末残
éÆocÖA
県 内 4 市 手 形 交 換 高
項目
枚
年月
千枚
平成14年
平成15年
平成16年
16年12月
17年1月
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
調査機関
1,268
1,167
1,068
85
87
78
89
71
91
82
72
90
77
76
77
76
数
金
注1
額
前年比
前年比
百万円
%
%
▲ 8.4 1,123,674 ▲ 15.8
▲ 8.0 1,013,324 ▲ 9.8
▲ 8.4
▲ 5.9
953,080 ▲ 18.1
▲ 15.1
80,037 0.4
82,575
11.6
▲ 14.0
▲ 7.7
69,443 ▲ 17.4
▲ 16.0
79,647 ▲ 21.4
▲ 18.8
69,059 3.4
95,846
16.5
▲ 8.9
▲ 1.2
92,973 ▲ 11.2
▲ 1.1
63,600 ▲ 7.2
91,489
0.4
▲ 8.8
70,853
1.1
3.2
70,772
15.3
▲ 17.3
▲ 17.6
66,433 ▲ 10.5
▲ 2.7
77,868 当
研
枚
枚
4,829
4,594
2,485
191
222
117
149
43
211
91
43
137
100
143
100
63
究
数
形
金
企
注1
額
前年比
前年比
百万円
%
%
▲ 9.7
6,189
4.9
▲ 4.9
▲ 13.4
5,359 ▲ 45.9
▲ 34.0
3,535 ▲ 40.3
▲ 61.8
296 ▲ 7.9
▲ 47.3
166 ▲ 45.8
▲ 60.9
101 ▲ 25.9
▲ 25.8
136 ▲ 71.7
▲ 67.0
44 ▲ 19.5
▲ 56.7
209 ▲ 57.7
▲ 58.8
120 ▲ 31.7
▲ 7.7
49 ▲ 57.8
▲ 73.2
127 ▲ 36.3
▲ 59.4
108 ▲ 15.4
▲ 66.7
105 ▲ 65.9
▲ 81.8
85 ▲ 67.0
▲ 70.2
88 所
注1.県内4市手形交換所É累計
件
業
数
倒
産
金
信 用 保 証 協 会 代 位 弁 済
額
件
数
額
前年比
%
22.0
▲ 20.5
▲ 30.9
▲ 32.9
▲ 45.8
161.9
▲ 17.6
260.9
▲ 8.8
▲ 71.4
12.9
112.8
20.5
▲ 36.1
47.8
96.8
会
※平成17年4月から任意整理を除く。
国 内
項目
金
前年比
前年比
前年比
千
円
件
百万円
件
%
%
%
▲ 16.3 176,624 ▲ 17.8 ※ 823
242 14.5 ※8,207,769
▲ 21.5 116,444 ▲ 34.1 ※ 678 ▲ 17.6 ※6,528,616
190 ▲ 15.8 105,577 ▲ 9.3 ※ 495 ▲ 27.0 ※4,512,169
160 ▲ 15.1
▲ 37.5
14
0.0
9,364 30 285,885
▲ 11.1
▲ 74.0
▲ 34.0
8 738 31 223,808
▲ 43.8
▲ 6.6
9 3,805 39
25.8
498,474
▲ 47.4
▲ 1.3
▲ 16.8
10 2,565 79 790,928
▲ 38.5 32,282
8 701.2
25
150.0
165,369
▲ 33.3
▲ 91.9
8 899 57
7.5
530,102
▲ 15.4
▲ 46.3
▲ 75.0
11 1,710 10 97,359
▲ 2.9
9
12.5
1,652
89.2
34 316,712
▲ 16.7
▲ 2.0
10 7,273
126.1
50 636,443
▲ 10.4
16
0.0
9,481
250.4
43 410,999
▲ 58.8
▲ 95.9
▲ 6.8
7 2,380 41 360,115
▲ 18.2
▲ 52.5
9 1,886 49
40.0
384,961
▲ 64.3
▲ 91.3
5 812 63
110.0
562,516
帝国データバンク福島支店
県 信 用 保 証 協
P印は速報、r印は訂正
国庫対民間収
支尻(総計)
▲ 払超)
( 年月
億円
平成14年
平成15年
平成16年
16年12月
17年1月
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
調査機関
※645,134
※358,504
※653,173
4,131
121,798
51,008
▲ 13,648
44,636
71,800
▲ 40,109
109,367
26,495
▲ 6,901
14,055
25,937
▲ 6,875
財務省
マ ネ ー サ 日銀券
プ ライ残高
(M2+CD) 平均発
(平
残) 行 高
国内銀行勘定
実質預金
注1
貸出残高
前年比 前年比
前年比
百億円
百億円
%
%
%
3.3
13.1 50,163
3.2 43,164
1.7
5.5 51,168
2.0 41,385
1.8
2.0 51,868
1.4 40,400
2.0
2.4 51,868
1.4 40,400
2.0
2.6 51,632
1.6 40,032
1.9
2.5 51,712
1.2 40,046
2.1
3.7 52,546
1.2 40,196
1.9
4.5 52,540
1.4 39,893
1.5
4.0 52,512
1.0 39,558
1.6
3.5 52,383
1.0 39,547
1.7
3.4 52,360
1.2 39,879
1.7
3.1 52,348
1.5 39,847
2.1
2.6 52,777
2.2 40,412
2.0
2.9 52,107
1.0 40,195
2.1
1.1 52,736
1.4 40,419
2.0
1.9 52,641
1.5 40,855
日
本
銀
全国銀行 コ ー ル
手形交換高(全国)
貸出約定 レ ー ト
(有 担 保
金
額
平均金利 翌 日 物) 枚 数
前年比
年利% 年利%
%
▲ 3.7
1.834 0.0010
▲ 4.1
1.799 0.0010
▲ 2.4
1.732 0.0010
▲ 2.4
1.732 0.0010
▲ 2.6
1.729 0.0010
▲ 2.3
1.724 0.0010
▲ 2.4
1.704 0.0010
▲ 1.4
1.699 0.0010
▲ 1.7
1.698 0.0010
▲ 1.6
1.687 0.0010
▲ 1.1
1.675 0.0010
▲ 0.9
1.666 0.0010
▲ 0.1
1.640 0.0010
0.2
1.645 0.0010
0.9
1.636 0.0010
1.1
― 0.0010
行
企業倒産(負債総額千万以上)
件
前年比
%
▲ 19.6
187,080
7,053 ▲ 10.3
171,980
6,330 ▲ 4.7
159,169
6,034 ▲ 10.3
13,169
492 ▲ 0.9
12,777
469 ▲ 7.2
11,551
427 ▲ 11.3
13,066
566 ▲ 19.6
10,518
430 ▲ 4.0
13,801
470 ▲ 10.8
12,345
485 ▲ 18.7
11,825
364 ▲ 14.1
13,655
448 ▲ 13.8
11,708
437 ▲ 11.4
11,498
388 ▲ 23.2
11,617
376 ▲ 12.2
12,100
432 全国銀行協会
千
枚
千億円
件
19,087
16,255
13,679
1,109
1,022
1,014
1,140
946
1,072
1,207
1,024
1,152
987
1,171
1,114
1,149
数
金
前年比
億円
%
▲ 0.4 137,824
▲ 14.8 115,818
▲ 15.8
78,177
▲ 2.0
8,957
▲ 13.5
6,218
▲ 12.5
7,441
▲ 14.2
6,217
▲ 23.5
3,966
▲ 1.6
6,051
12.0
5,027
▲ 8.8
4,789
5.0
3,251
▲ 9.4
5,897
4.2
6,350
4.7
8,083
3.6
3,744
東京商工リサーチ
額
前年比
%
▲ 16.6
▲ 16.0
▲ 32.5
87.4
35.3
▲ 30.7
▲ 38.4
▲ 52.0
40.8
37.7
▲ 16.9
▲ 34.5
27.0
▲ 19.3
86.2
▲ 58.2
注1.国内銀行勘定の各指数は、オフショア勘定を含む数値。
福島の進路 2006.3
■
45
主要経済指標
国 内
企業物価指数
項目
(総平均)
年月
平成14年
平成15年
平成16年
16年12月
17年1月
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
調査機関
消費者物価指数
全国総合
(167都市町村)
輸出入物価指数
輸 出
12年= 前年同 12年= 前年比
100 月比%
100
%
▲ 2.0
▲ 0.9
95.7 98.4 ▲ 0.8
▲ 0.3
94.9 98.1 96.1
1.3
98.1
0.0
96.7
1.8
98.1
0.2
▲ 0.1
96.4
1.3
97.6 ▲ 0.3
96.5
1.3
97.4 ▲ 0.2
96.8
1.4
97.7 97.5
1.9
97.9
0.0
97.4
1.8
98.2
0.2
▲ 0.5
97.3
1.4
97.7 ▲ 0.3
97.9
1.5
97.6 ▲ 0.3
98.1
1.7
97.7 ▲ 0.3
98.3
1.7
98.0 ▲ 0.7
98.6
2.0
98.1 ▲ 0.8
98.6
1.9
97.8 P 98.8
▲ 0.1
2.2
98.0 日 本 銀 行
総務省統計局
鉱
輸 入
生
工
産
指
数
業
生産者出荷指数
(季調済)注1
生産者製品在庫指数
製造業
稼働率
指 数
機械受注(280社
分)
船舶«電力除
く民需(季調済)
12年=100
12年= 前年同 12年= 前年同 12年= 前年比 12年=
前期比
億円
(円ベース)
100 月比%
100 月比%
100
%
100
%
▲ 1.3
▲ 0.2
▲ 8.0
▲ 12.0
101.9
101.0
92.0 93.5 90.4 93.5 99,875 ▲ 2.4
97.8
100.1
95.0
3.3
97.2
4.0
88.2 97.3 110,545
10.7
▲ 0.3
96.4
104.3
100.2
5.5
102.4
5.3
87.9 102.0 115,442
4.4
▲ 0.3
▲ 7.1
95.5
104.5
100.0
1.9
102.0
1.1
89.5 101.6
9,804 ▲ 1.5
94.9
103.7
103.2
2.0
104.3
0.4
91.4
2.5
104.8
9,656 ▲ 0.1
96.3
106.6
100.8
1.0
101.3 92.6
3.3
103.0 10,121
4.8
96.9
108.5
100.6
1.2
102.0
1.4
92.3
2.7
101.8 10,311
1.9
▲ 1.0
97.9
116.4
102.5
0.3
104.8
0.6
92.3
1.1
106.2 10,207 ▲ 0.6
▲ 6.7
96.6
115.8
99.6
0.3
101.7 92.4
2.8
103.8
9,525 97.0
115.8
101.2
0.2
104.0
0.6
92.2
2.4
104.4 10,585
11.1
▲ 2.3
▲ 2.6
▲ 4.3
98.8
120.7
100.0 102.4 92.7
5.1
102.7 10,133 98.4
120.8
101.1
1.5
104.7
3.3
93.7
4.2
103.1 10,959
8.2
▲ 10.0
98.5
123.0
101.5
1.2
103.9
1.3
94.5
3.3
103.2
9,859 100.4
127.2
102.1
3.0
105.9
3.9
92.9
2.6
104.6 10,337
4.8
102.0
129.3 r 103.6
3.4 r 106.5
4.1
94.3
3.8
105.5 10,575
2.3
P 102.0 P 128.8 P 105.0
3.8 P 107.7
4.4 P 94.6
5.7
―
―
―
日 本 銀 行
経
済
産
業
省
内 閣 府
注1.鉱工業の各指数の前年比は原指数の増減率。
建設工事受注
(50社分)
(季調済)
項目
総
年月
平成14年
平成15年
平成16年
16年12月
17年1月
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
調査機関
額
前年比
億円
%
▲ 9.4
129,862 ▲ 3.5
125,346 130,611
4.2
10,984
1.4
9,157
15.8
▲ 14.8
7,565 28,900
22.8
7,938
7.5
7,071
0.5
▲ 5.1
10,464 11,348
20.8
▲ 0.4
9,830 17,164
0.6
8,382
0.6
▲ 5.2
8,718 ―
―
国
土
民
大 型 小 売 店 販 売 額
新設住宅着工戸数
間
百
前年比
前年比
億円
千戸
%
%
▲ 10.7
▲ 1.9
80,979 1,151 83,651
3.3
1,160
0.8
92,008
10.0
1,189
2.5
▲ 2.0
8,113
12.4
99 6,510
30.5
95
6.9
▲ 15.6
4,826 85
0.4
▲ 2.7
16,277
5.5
91 6,566
11.9
97
0.6
5,231
1.1
102
3.0
▲ 1.9
7,729 109
2.4
6,949
6.8
115
8.3
7,234
5.3
109
7.0
▲ 4.6
▲ 0.2
12,623 108 ▲ 1.0
5,560 116
9.1
▲ 4.2
6,326 111
12.6
―
―
―
―
交
通
省
貨
億円
93,652
91,067
88,536
10,208
7,836
5,889
7,503
6,917
6,848
6,873
8,510
5,828
6,275
7,283
7,695
―
経
店
前年比
%
▲ 2.1
▲ 2.6
▲ 2.8
▲ 2.8
0.7
▲ 7.2
▲ 3.2
▲ 0.5
▲ 1.4
0.7
0.6
▲ 1.1
0.0
▲ 0.4
3.1
―
済
産
ス ー パ ー
億円
126,677
126,526
126,137
12,757
11,469
9,278
9,939
10,231
10,307
10,272
10,770
10,496
9,557
10,203
10,235
―
業
前年比
%
▲ 2.2
▲ 3.7
▲ 4.1
▲ 5.3
▲ 2.6
▲ 6.3
▲ 5.5
▲ 3.6
▲ 4.2
▲ 3.6
▲ 3.4
▲ 4.0
▲ 4.5
▲ 5.4
▲ 1.0
―
省
常用雇用 所 定 外 有 効 求 完全
指数 注 1 労働時間 人 倍 率
失業
乗用車新車登録台数 (製造業)
注2
(未季調)(製造業)(季調済) 者数
前年比 12年
時間
倍
万人
% =100
4,441
3.5 92.6 13.5 0.54
359
4,460
0.4 90.6 14.9 0.65
350
4,768
1.1 90.0 15.9 0.83
313
372
― 90.1 16.3 0.90
270
▲ 1.1 89.9 14.5 0.91
325 296
▲ 0.4 89.7 15.9 0.91
441 308
▲ 1.9 89.6 16.3 0.91
685 313
329
8.9 90.7 16.1 0.94
310
345
7.9 90.8 14.7 0.94
307
417
8.3 90.8 15.7 0.96
280
▲ 2.0 90.6 15.8 0.97
422 289
▲ 0.3 90.5 15.3 0.97
291 284
458
0.4 90.4 15.8 0.97
285
▲ 1.6 90.4 16.3 0.98
345 304
▲ 6.6 90.5 16.6 0.99
366 292
▲ 12.4
326 ―
―
―
―
注3
注4
厚生労働省
千台
注1.従業員30人以上から5人以上、季調済から未季調に変更
注2.従業員30人以上から5人以上に変更
注3.日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会
平成15年12月までシャシーベース、平成16年以降登録車種(ナンバー)ベース。
注4.総務省統計局、各年の年計は月平均。
項目
通
輸
年月
平成14年
平成15年
平成16年
16年12月
17年1月
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
調査機関
関
出
輸
入
前年同
前年同
百万ドル
百万ドル
月比%
月比%
▲ 4.1
415,876
2.6
336,830
469,858
13.0
381,533
13.3
565,094
20.3
454,715
19.2
52,021
14.0
41,117
16.6
42,593
6.4
40,694
14.9
46,625
3.7
36,184
13.8
55,100
10.5
44,423
12.0
51,373
6.9
42,447
11.9
45,259
6.0
42,476
23.6
50,766
6.6
42,721
14.4
50,044
2.5
42,207
9.8
46,817
7.9
45,796
20.0
53,762
8.3
45,116
17.0
52,159
5.1
44,930
14.8
50,692
4.8
45,577
6.7
―
―
―
―
財
務
省
国 際 収 支 (I M F 方 式)注1
貿易Éサービス収支
所得収支
経常収支
投資収支
141,397
157,668
186,184
16,103
7,778
20,795
18,033
16,066
13,931
10,950
r 16,899
r 12,086
r 18,507
P 13,768
P 14,182
―
務
▲ 80,559
82,012
22,503
3,025
▲ 8,115
▲ 18,181
▲ 17,560
▲ 6,631
▲ 7,456
▲ 10,891
r ▲ 18,111
r ▲ 4,813
r ▲ 10,257
P ▲ 8,929
P ▲ 9,484
―
省
億
64,691
83,552
101,960
9,955
▲ 178
10,879
10,548
7,396
3,192
7,592
r 7,384
r
356
r 8,541
P 6,017
P 5,437
―
82,666
82,814
92,734
6,649
8,689
10,288
10,275
9,791
11,302
3,792
r 9,908
r 12,396
r 10,154
P 8,552
P 9,267
―
財
円
■
福島の進路 2006.3
直物終値
注2
月中最安値
百万ドル
▲ 84,775
77,341
17,369
1,756
▲ 8,511
▲ 18,321
▲ 18,245
▲ 6,697
▲ 7,941
▲ 11,051
r ▲ 18,208
r ▲ 4,947
r ▲ 10,406
P ▲ 8,995
P ▲ 9,528
―
注1.発表形式の変更により項目を改定。および単位を円ベースに変更。なお、計数はN及して変更済。
注2.平成7年2月以前は終値ないし15時30分時点の出来値、それ以降は17時時点の気配値ベース。
46
(東京市場)
外貨準備高 外貨1米ドルあたり
資本収支 (年月末)
469,728
673,529
844,543
844,543
840,966
840,564
837,718
843,601
842,468
843,537
839,378
847,766
843,563
841,792
843,268
846,897
財務省
月中最高値
円
119.37
106.97
103.78
103.78
103.20
105.26
106.97
105.87
108.17
110.37
112.18
111.42
113.28
115.67
119.46
117.48
日
本
135.04
121.48
114.80
105.74
105.06
105.87
107.70
108.90
108.40
110.57
113.19
112.77
113.41
116.24
119.88
121.40
銀
115.63
106.93
101.83
101.83
101.87
103.40
103.70
105.50
104.47
106.53
110.33
109.05
109.08
113.27
116.38
115.52
行
年間索引
年
間 索
引(平成17年4月∼平成18年3月)
◇しんろ
É『物の見方
考え方』
共同印刷株式会社
代表取締役
鈴
木
有限会社會津きり屋
代表取締役
唐
橋
―電源地域からのレポート
富岡町長
遠
藤
勝
也 (17.6)
理事長
太
田
保
世 (17.7)
代表取締役
山
口
謙太郎 (17.8)
取締役社長
菅
家
洋
一 (17.9)
取締役兼 ISO 事務局長
石
黒
英
男 (17.10)
É日本の田舎集落の崩壊危機と未来
É富岡町の現状と今後の方向性
É法食一如
財団法人太田綜合病院
充
夫 (17.4)
宏 (17.5)
É若い世代から見る日本社会
株式会社アースエレメント
Éヒューマンエラーとコミュニケーション
会津土建株式会社
É団塊世代の環境管理責任者
株式会社阿部紙工
É当社の中国進出と現況(中国の変化:
「世界の製造工場」から「世界の市場」へ)
株式会社ザイン
É「社運を賭けた戦い!!
代表取締役
鈴
木
廣
哉 (17.11)
代表取締役
岡
田
利
一 (17.12)
日本銀行福島支店長
鉢
村
塩田博文歯科院長
塩
田
博
文 (18.2)
鈴
木
隆
雄 (18.3)
未知の地ベトナムへの工場進出」
フジモールド工業株式会社
É新しい地方時代の到来
É∼お客様はお値段にデリケート∼(割安は割得)
Éスローフード・和菓子の世界
◇調
株式会社長門屋本店
代表取締役
健 (18.1)
査
É緩やかな持ち直しの動きが続く中で足踏む県内景気
―平成17年度上期の県内景気見通し調査―
(17.4)
É夏のボーナス推計とアンケート調査について
∼「平成17年夏季ボーナス及び暮し向き」アンケート調査∼
É最近の福島県の小売業における構造変化
É高齢者介護第三者評価システムの構築
(17.7)
(17.7)
∼福島県の実践的調査から∼
(17.8)
É地方の自立が叫ばれる中で変革を求められる地域経済活性化戦略
∼地域による地域のための豊かな地域社会づくりを目指して∼
(17.9)
É一進一退を続けつつも緩やかに回復する県内景気
―平成17年度下期の県内景気見通し調査―
(17.10)
É「官から民へ」―指定管理者制度の概要
(17.11)
É平成17年の県内経済活動の回顧と平成18年の見通し
(17.12)
福島の進路 2006.3
■
47
年間索引
◇トピックス
É平成17年度福島県予算の概要
(17.5)
É個人情報保護の対策は十分ですか?
∼経済産業分野における個人情報保護法への対応∼ (17.5)
É
「地方経済天気図」にみる全国各地方の景気動向最前線
∼平成17年4月より更に内容も充実、地域情報満載の景気レポート∼
É地域経済の活性化について
(17.6)
∼県内の地域ビジネスの現状と展望∼
(17.6)
É地域経済におけるM&A
(17.7)
É平成17年国勢調査の実施について
福島県企画調整部情報統計領域生活統計グループ参事
山
口
力
利 (17.9)
É福島県農業の概況と新しい動き
(17.11)
É福島市における白鳥の里親事業について
É都心部再生への提言
福
島 観 光 協 会 (17.12)
∼自分達で創るふくしまのこれから∼
(18.2)
É八十里越
(18.2)
É
“シニアが主役”
◇特
∼少子高齢化社会
(18.3)
集
É平成18年の景気展望と企業経営者への期待
年頭所感
(18.1)
福島県商工会議所連合会会長
佐
藤
勝
福島県商工会連合会会長
田
子
正太郎
福島県中小企業団体中央会会長
新
澤
昌
福島経済同友会代表幹事
花
田
福島県信用保証協会会長
菊
地
俊
(18.1)
∼不可欠な「理の組織」と「利の組織」∼
福島大学経済経営学類教授
É産学連携・地域連携とふくしまふれあいカレッジ
É海資源を活用した新たな地域活性化プランの探求
福島学院大学教授
É地域経済における観光の役割
川
和
下平尾
明 (17.8)
勲 (17.9)
奥
本
英
樹 (17.10)
―飯坂、土湯、高湯温泉の経済的波及効果について―
福島学院大学教授
下平尾
勲 (18.2)
演
É日本の再生
∼21世紀の日本社会に向けて∼
元経済企画庁長官
福山大学一般教育部教授É「民権塾」主宰
É観光地活性化による地域おこし
■
西
∼原町市サーフツーリズム構想∼
福島大学経済経営学類助教授
48
彦
稿
É継続性のある“地域づくり”を考える
◇講
英
勗
É福島県内の経営者による平成18年の景気見通し
◇寄
三
福島の進路 2006.3
東京大学工学部教授
田
中
秀
征 (17.4)
西
村
幸
夫 (18.3)
年間索引
◇企業訪問
É会津三菱自動車販売株式会社
∼社員が生き生きと働ける企業づくりを目指して∼
(17.10)
É株式会社 宮本樹脂工業
(17.12)
É株式会社 福 永
(18.3)
―衣食住に関わる健康志向を提案する物づくり企業―
◇ FERI'S NEWS
É「うつくしまものづくり研究所」を開設!
福島県商工労働部 (17.6)
◇美を訪ねて
福島県立美術館長
酒
井
哲
朗
É第29回
福島県立美術館
É第30回
クロード・モネ 《ジヴェルニーの草原》
(17.5)
É第31回
カミーユ・ピサロ 《エラニーの菜園》
(17.6)
É第32回
ポール・ゴーギャン 《ブルターニュの子供》
(17.7)
É第33回
ジョセフ・マロード・ウイリアム・ターナー 《サン・ゴタール峠の下り道》
(17.8)
É第34回
ジョン・コンスタブル 《デダムの谷》
(17.9)
É第35回
エドワード・コーリー・バーン=ジョーンズ 《フローラ》
(17.10)
É第36回
ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ 《座る農婦》
(17.11)
É第37回
亀井竹二郎 《懐古東海道五十三駅真景》
(17.12)
É第38回
天野方壺 《漁樵問答》
(18.1)
É第39回
高橋由一 《栗子山昔時景》
(18.2)
É第40回
大下藤次郎 《晩秋》
(18.3)
―ワイエスのある美術館
(17.4)
◇イサベラÉバードが見た会津
福島県立博物館長
赤
坂
憲
雄
Éイサベラ・バードが見た会津 第11回
(17.4)
Éイサベラ・バードが見た会津 第12回
(17.5)
◇コーヒーブレイク
日本野鳥の会福島県内支部連合会会長
É野鳥歳時記
スズメ
É野鳥歳時記
カッコウ
É野鳥歳時記
カラス
―意外な生活史―
―不思議な習性―
かしこ
―賢く生き抜く―
白
岩
康
夫
(17.7)
(17.8)
(17.9)
福島の進路 2006.3
■
49
年間索引
◇食べ物のちから
福島学院大学短期大学部
講師
神
田
あづさ
É第1回
米
(17.10)
É第2回
りんご
(17.11)
É第3回
かぼちゃ
(17.12)
É第4回
大
根
(18.1)
É第5回
魚介類
(18.2)
É第6回
小
(18.3)
豆
◇企業法務セミナー
渡辺健寿法律事務所
弁護士
渡
辺
健
寿
É店舗建物の瑕疵による損害賠償責任
(17.4)
É新株予約権について
(17.5)
É抵当権付き債権の譲り受け
(17.6)
É強制執行手続について
(17.7)
É期間限定の土地賃貸借について
(17.8)
É死亡による逸失利益について
(17.9)
É建物賃貸人死亡時の賃借人の対応
(17.10)
É所在不明となった建物賃借人の明渡を得る方法
(17.11)
É既存有限会社の新会社法への対応について
(17.12)
É会社から従業員に対する損害賠償請求
(18.1)
É民事再生計画の不履行に対する対応
(18.2)
É経営者の個人根保証について
(18.3)
◇税務・財務相談 Q & A
田中伸一税理士事務所
税理士
田
中
伸
一
É消費税の改正とその内容及び留意点について
(17.4)
É相続税の制度とその内容について(その1)
(17.5)
É相続税の制度とその内容について(その2)
(17.6)
É保証債務の履行における譲渡の特例について(個人)
(17.7)
Éゴルフ会員権の譲渡に関する税務(個人)
(17.8)
É会社法について(その1)
(17.9)
É会社法について(その2)
(17.10)
É最近の裁決例・判例から税務上留意すべき事項の検討
(17.11)
É本年中に検討・留意したい事項(個人)
(17.12)
ÉM&Aについて
(18.1)
É平成18年度税制改正大綱の内容について
(18.2)
É平成18年度税制改正の内容について
(18.3)
50
■
福島の進路 2006.3
å
編 集 後 記
å
暖かな日に阿武隈河畔を歩くとカモの群れが北へ向かって空高く飛んでいきました。北帰行です。
しばらくして、白鳥の北帰行が始まると、福島市では花見山が賑やかになってきます。
福島県のように観光資源の豊富な地域においては、多彩な観光スポットを回遊型ゾーンとして形
成することが重要といわれています。先月号の下平尾教授寄稿の「地域経済における観光の役割
―飯坂、土湯、高湯温泉の経済的波及効果について」に続き、今月号では、福島市で開催された経
済同友会東北ブロック会議の基調講演「観光地活性化による地域おこし」
(東京大学 西村幸夫教授)
を掲載しました。
一つの観光ホテルや一つの観光施設を目的としたレジャーという観光の形態から抜け出して、こ
れからはエコロジーや趣味É教養の要素を持った心豊かな観光の形態を提供できる「観光ゾーン」
を明確に形成したいものです。
(大槻)
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