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教養デザイン研究科

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教養デザイン研究科
Graduate School of Humanities
教養デザイン研究科
教養の新しい意義と形を創造(デザイン)する
教養デザイン研究科は、2008年度に「人間性とその適正な環境の探求」を教育研究の目標として開設した、新しい教
養系の研究科です。研究分野として、「倫理・哲学・宗教」、「文化」、「平和・環境」の3コースを設置しています。
研究科の特色は次の3点にあります。
第1には、複数の教員が学際的な研究指導にあたり、1つの専門領域だけに偏らない総合的な研究指導を行っています。
第2には、大学院の国際化に対応して、教育研究における国際的な連携を深め、海外へと開かれた研究科を目指しています。
また、海外指定校制度を設け、本学の海外協定校から優秀な留学生を受け入れています。第3には、社会人に対して広く門
戸を開放していることです。大学卒業後、それぞれの社会経験から得た学問的テーマの探求を希望する社会人を受け入れ、
生涯学習社会に積極的に対応しています。
教養デザイン研究科の人材養成その他教育研究上の目的
教養デザイン研究科は、21世紀において人類が直面している
諸課題を、総合的・学際的に考察し、しかも公共的観点に立って
主体的に行動することのできる人材の養成を目的とします。教育
研究のテーマとして「人間性とその適正な環境の探求」を掲げ、
新時代にふさわしい「知の創造(デザイン)」を目指します。科
学技術の飛躍的発展に伴って生じる倫理的判断の問題、グローバ
ル化が進む現代世界における異文化理解の問題、構造的暴力に
対する平和構築の問題、自然環境との共生問題、これらの諸問
題を総合的に考察し、解決へと導くことのできる高度な教養人と
研究者を育成します。
130
MEIJI UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL
教養デザイン専攻の人材養成その他教育研究上の目的
21世紀社会において人類が直面する諸課題を、「倫理・哲学・
宗教」、「文化」及び「平和・環境」という3つの領域研究コース
に分類し、文理の融合した総合化された知識の創造と人間行動の
倫理性の獲得を目指します。 科学技術の著しい発展、グローバ
ル化の到来など、激変する現代社会において、生涯学習をも視
野にいれて、高度な教養をデザイン(創造)できる人材と研究者
を養成します。
教養デザイン研究科
「文
化
」
ス
コー
究
研
域
領
領
域
言語文化研究
平和構築研究
ス
ー
コ
究
研
「平
和・
環
境
」
● カリキュラム概念図
文化理論研究
地球環境研究
文化論
(コア科目)
地球公共論
(コア科目)
研究演習
地域文化研究
研究演習
人間性と
適正な環境
科学技術史研究
文化マネジメント研究
研究演習
倫理・哲学・宗教学
(コア科目)
思想史研究
宗教学研究
「倫
倫理学研究
理・
哲学研究
哲 学 ・ 宗 教」 領 域研 究
コー
ス
教育課程編成の考え方・特色
本研究科は、
「人間性とその適正な環境の探求」をテーマとして、哲学・
理解ということを中心に、マイノリティの文化にも焦点をあて、文化マ
倫理学などの人文科学、法学・政治学などの社会科学、環境科学・生
ネジメントといった分野にも取り組んでいきます。
命科学などの自然科学の各分野から専門家を集めて教員とし、カリキュ
● 平和・環境領域研究コース
ラムを組みました。学生は、次の3つのコースのうち、1つを選択する
戦争・紛争と平和構築の問題、経済開発や貧困問題と平和の問題、ま
ことになります。
た自然との共生の問題を中心に研究します。民族紛争、環境との関わり、
科学技術と安全性の問題などを、幅広い視点で研究していきます。
● 倫理・哲学・宗教領域研究コース
日本だけではなく、広く現代社会を読み解く鍵となる倫理、哲学、宗教・
これらのコースは、それぞれ「倫理・哲学・宗教学」「文化論」「地
宗教思想についての伝統的な諸問題、現代的倫理や思想を考えていき
球公共論」をコア科目(必修)とします。そのうえで、他の領域研究コー
ます。また、宗教に関する多面的研究にも取り組んでいきます。
スの科目も取り込んだきわめて学際的な研究が行えるよう設計されて
● 文化領域研究コース
います。
人間性の発現として文化をとらえ研究します。共生社会における異文化
2012年度 修士論文一覧
「倫理・哲学・宗教」領域研究コース
●ジェイン・ジェイコブズの都市論 ─都市近隣と自己統治─
●夏目漱石の「則天去私」 ─漢詩を中心とした晩年思想の解読─
●柄谷行人の政治運動と革命性について ─NAMを中心にして─
●越境する精神世界 ─スピリチュアリティに求められるもの─
「文化」領域研究コース
●福沢諭吉と啓蒙期女性論 ─中津改革を通じて─
●アメリカ映画における黒人の新しいイメージ ─スパイク・リーの初期作品─
●日中新聞における国際記事の比較
─2001年9月と2011年9月の朝日新聞、読売新聞と人民日報を通じて─
●コンタクト・インプロヴィゼーションにおける非言語コミュニケーションの可能性
─他者理解と身体─
●日中韓における自然環境をテーマとするアニメーション ─環境教育を中心に─
●マリア・テレジア統治下の金羊毛騎士団
─国制改革期における「名誉の象徴」の役割と意義─
●
『金葉集』の梅の和的イメージ
─夜梅、閑庭梅花、落花、病態梅の諸相から─
●学童保育指導員のあるべき姿をデザインする ─文化の伝承者として─
「平和・環境」領域研究コース
●グリーンピースの組織的考察
●日本が原子力輸出の実現をめざす構造的要因と米国の「核」政策との関係
─日米“連合”が受注した台湾第四原発を事例に─
●首都圏整備法における戦後の西新宿の発展と歴史
MEIJI UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL
131
教養デザイン研究科
Graduate School of Humanities
教養デザイン専攻 博士前期課程 カリキュラム一覧
■コース選択科目
■ コース必修科目
領域研究コース
担当教員
授業科目
担当教員
倫理学研究演習Ⅰ
・
Ⅱ
・Ⅲ・Ⅳ
桜井 直文
倫理学研究特論Ⅰ
(倫理学の諸問題)
合田 正人
宗教学研究演習Ⅰ
・
Ⅱ
・Ⅲ・Ⅳ
金山 秋男
倫理学研究特論Ⅱ(生命倫理領域における現代的状況)
中里 巧
宗教学研究演習Ⅰ
・
Ⅱ
・Ⅲ・Ⅳ 林 雅彦
哲学研究特論Ⅰ(自己究明の諸相)
美濃部 仁
思想史研究演習Ⅰ
・
Ⅱ
・Ⅲ・Ⅳ
岩野 卓司
哲学研究特論Ⅱ(日本の哲学における自己)
美濃部 仁
倫理・哲学・宗教学研究特論Ⅰ
(エウダイモニア[幸福])
合田 正人
宗教学研究特論Ⅰ(死生学へのアプローチ)
金山 秋男
宗教学研究特論Ⅱ
(唱導文化の意義と魅力)
林 雅彦
倫理・哲学・宗教学研究特論Ⅱ
(求められる感情・情動・志操の研究) 中 里 巧
領域研究コース
倫理・哲学・宗教
倫理・哲学・宗教
授業科目
文 化
広沢 絵里子
思想史研究特論Ⅰ(現代フランス思想)
岩野 卓司
文化理論研究演習Ⅰ
・
Ⅱ
・Ⅲ・Ⅳ
小畑 精和
思想史研究特論Ⅱ
(日本政治思想の中の儒教(17~19世紀))
本間 次彦
文化理論研究演習Ⅰ
・
Ⅱ
・Ⅲ・Ⅳ
鈴木 哲也
文化理論研究特論Ⅰ(日本語表現論)
佐藤 政光
地域文化研究演習Ⅰ
・
Ⅱ
・Ⅲ・Ⅳ
虎岩 直子
文化理論研究特論Ⅱ(表象文化)
斎藤 英治
地域文化研究演習Ⅰ
・
Ⅱ
・Ⅲ・Ⅳ
斎藤 英治
文化理論研究特論Ⅲ(比較文化)
中村 幸一
地域文化研究演習Ⅰ
・
Ⅱ
・Ⅲ・Ⅳ
髙遠 弘美
文化理論研究特論Ⅳ(モダニズム)
髙遠 弘美
地域文化研究演習Ⅰ
・
Ⅱ
・Ⅲ・Ⅳ
池田 功
文化理論研究特論Ⅴ(自伝理論)
広沢 絵里子
地域文化研究演習Ⅰ
・
Ⅱ
・Ⅲ・Ⅳ
加藤 徹
地域文化研究特論Ⅰ(日本)
池田 功
地域文化研究演習Ⅰ
・
Ⅱ
・Ⅲ・Ⅳ
菊池 良生
地域文化研究特論Ⅱ(中国語圏)
加藤 徹
地域文化研究演習Ⅰ
・
Ⅱ
・Ⅲ・Ⅳ
山岸 智子
地域文化研究特論Ⅲ(英語圏)
虎岩 直子
文 化
文化理論研究演習Ⅰ
・
Ⅱ
・Ⅲ・Ⅳ
文化論研究特論Ⅰ 山岸 智子・中村 和恵・小畑 精和
地域文化研究特論Ⅳ(ドイツ語圏)
菊池 良生
文化論研究特論Ⅱ
山岸 智子・中村 和恵・小畑 精和
地域文化研究特論Ⅴ(フランス語圏)
小畑 精和
平 和・環 境
鳥居 高
地域文化研究特論Ⅵ(その他語圏)
薩摩 秀登
平和構築研究演習Ⅰ
・
Ⅱ
・Ⅲ・Ⅳ
山泉 進
言語文化研究特論Ⅰ(言語論と批評理論)
鈴木 哲也
平和構築研究演習Ⅰ
・
Ⅱ
・Ⅲ・Ⅳ 佐原 徹哉
言語文化研究特論Ⅱ(東アジアの「国語」)
鈴木 将久
平和構築研究演習Ⅰ
・
Ⅱ
・Ⅲ・Ⅳ 廣部 泉
言語文化研究特論Ⅲ
(中国語と日本語の比較対照)
守屋 宏則
平和構築研究演習Ⅰ
・
Ⅱ
・Ⅲ・Ⅳ
丸川 哲史
文化マネジメント研究特論(芸能と国家・社会)
中村 雅之
地球環境研究演習Ⅰ
・
Ⅱ
・Ⅲ・Ⅳ
森永 由紀
平和構築研究特論Ⅰ(平和思想)
山泉 進
地球環境研究演習Ⅰ
・
Ⅱ
・Ⅲ・Ⅳ
浅賀 宏昭
平和構築研究特論Ⅱ(国際政治史)
ミシュラン・フランク
地球公共論研究特論Ⅰ
(国家と市民社会)
鳥居 高
平和構築研究特論Ⅲ(現代中国の戦争観と革命観)
丸川 哲史
地球公共論研究特論Ⅱ
(自然環境)
丹羽 雄一
平和構築研究特論Ⅳ(経済発展論)
佐原 徹哉
平和構築研究特論Ⅴ(比較ジェノサイド論)
佐原 徹哉
地球環境研究特論Ⅰ(自然環境)
森永 由紀
地球環境研究特論Ⅱ(先端生命科学技術)
浅賀 宏昭
地球環境研究特論Ⅲ(環境と社会)
石山 徳子
科学技術史研究特論(科学と社会)
勝田 忠広
平 和・環 境
平和構築研究演習Ⅰ
・
Ⅱ
・Ⅲ・Ⅳ
■共通選択科目
授業科目
担当教員
論文作成特論
教養デザイン専攻 博士後期課程 カリキュラム一覧
■ コース必修科目
領域研究コース
授業科目
担当教員
倫理・哲学・宗教
研究論文指導Ⅰ
・
Ⅱ
・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ
金山 秋男、林 雅彦、岩野 卓司
文化
研究論文指導Ⅰ
・
Ⅱ
・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ
広沢 絵里子、小畑 精和、虎岩 直子、斎藤 英治、髙遠 弘美、鈴木 哲也、池田 功、菊池 良生
平和・環境
研究論文指導Ⅰ
・
Ⅱ
・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ
鳥居 高、山泉 進、佐原 徹哉
領域研究コース
授業科目
担当教員
倫理・哲学・宗教
倫理学特別研究
桜井 直文
哲学特別研究
美濃部 仁
宗教学特別研究
金山 秋男、林 雅彦
思想史特別研究
岩野 卓司
文化理論特別研究
薩摩 秀登、山岸 智子
地域文化特別研究
加藤 徹、菊池 良生
言語文化特別研究
中村 幸一、鈴木 哲也
平和構築特別研究
鳥居 高、山泉 進
地球環境特別研究
森永 由紀、浅賀 宏昭
科学技術史特別研究
勝田 忠広
授業科目
担当教員
■コース選択必修科目
文化
平和・環境
■共通選択科目
現代教養総合研究Ⅰ
・
Ⅱ
※平成25年4月1日時点のものです。今後変更や見直しを行う場合があります。
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MEIJI UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL
教養デザイン研究科
「映像資料活用による学際的アプローチの醸成プログラム」とは
本研究科では、2009年度より新しい教育プログラム「映像資
お呼びし、作った側と見る側が映像を挟んで、実際に「キャッチボー
料活用による学際的アプローチの醸成プログラム(略称:映像資
ル」することによって、複眼的な思考や視点を醸成することを目
料プログラム)」を実施しています。
的にしています。
異文化理解や環境問題あるいは紛争や貧困など平和に関する
また本研究科は学際的研究をその特徴としており、映像資料に
問題への理解を深めるため、ドキュメンタリーなど映像資料を活
ついて、思想的側面から、文化的側面から、さらには社会経済
用するプログラムです。しかし、映像資料にも限界があるために、
的側面から見ることによって、それぞれの視点を「交差」させて
プログラムでは映像資料の上映と併せて監督やプロデューサーを
いくおもしろさを体験することをねらいとしています。
2012年度「映像資料活用による学際的アプローチの醸成プログラム」一覧
回数
テーマ・映像タイトル
講 師
日 程
1
Earl Lovelace
“Joebe
l
land Amer
i
ca”
管 啓次郎
明治大学理工学研究科教授
2012年 9月 27日
2
「道成寺縁起」
絵解きとその周辺
小野 俊成
道成寺 住職
2012年10月10日
3
『夏休みの宿題は終わらない』
倉岡 明子
映画制作者
2012年11月22日
4
『オオカミの護符
―里びとと山びとのあわいに』
由井 英
映画監督
2013年 1月12日
流山児 祥
演出家・劇作家
2013年 1月18日
5
世界で遊ぶ流山児祥
―カナダ公演と20年の演劇交流について
MEIJI UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL
133
教養デザイン研究科
Graduate School of Humanities
院生メッセージ
院生からのメッセージ
Message
院生からのメッセージ
博士前期課程 教養デザイン専攻 2年
倫理・哲学・宗教領域研究コース
寺西 薫
李 怡雯
LI Yiwen
「もっと勉強したい」と思いながら、
日本に留学することを決意しました。
「教養とはcultureです。反対語はnature、つまり教養とは自然状態に手を加える、知を耕すこと
私の学部専攻は日本言語文化で、現在は日中両国のアニメや漫画の中
なのです。」
にアレンジされた伝統文化要素について研究活動を行っています。今は日
教養デザイン研究科は、21世紀において人類が直面している諸課題を、総合的・学術的に
本語勉強のきっかけのアニメや漫画を学問的な視点でより深く勉強するこ
考察し、解決へと導くことのできる人材を輩出するため、3コースにまたがり、各領域を超えて学ぶ
とができて、毎日充実した院生生活を送っています。
ことのできる環境が整えられています。各専門分野の教授の方々との出会いや幅広い年齢層の
教養デザイン研究科は
「倫理・哲学・宗教」、
「文化」、
「平和・環境」
院生や留学生との時間は非常に刺激的です。教養をデザインする知の開拓の日々は驚きに満ち
という三つの領域研究コースがあり、
自分の所属コース以外の授業も自由
溢れています。
に聴講できます。大学院での授業は学部とは異なり、
自分から問題を探す
私は日本人の霊魂観や他界観、文化のなかの信仰と精神性を追求するために、大学院を選び
ことは非常に大事です。教養デザイン研究科の総合的な研究環境で自分
ました。孤独死・自殺・いじめなど様々な問題、さらには3.11の大震災により、総合的な“いのち”
の問題意識を広げ、
より有意義な研究活動にすることが可能です。私の
の問題に真正面から向き合わざるを得ないこととなった今、身体のなかから沸き起こる素朴な問い
研究はアニメや漫画を中心としていますが、業界の専門知識はもちろん、
を礎に研究していこうと思っています。
市場環境また民族意識なども研究に対する欠かせない知識です。教養デ
“わたしたちの祖先はどのように生きてきたのだろうか?”
この問いを探求していくことが、現代の問
ザイン研究科ならではの刺激を受け、各領域の先生たちのアドバイスを頂
題への示唆となり、これからの時代の道しるべになることと信じ、歩んでいます。学問の道を志すこ
けることは私にとって大変魅力的です。
とは易しいものではありません。あまりのスケールに足をすくめてしまいそうになることもありますが、
総合研究を行いたい、現在大学院への進学を考えている皆さんは、
ぜ
指導してくださる先生方や研究に励む仲間の姿は確実に学問を志す私の道を照らしてくれていま
ひ本研究科にチャレンジしてください。みなさんとの出会いを楽しみにしてい
す。知を耕し、かたちにしていきたいとお思いならば、ぜひ教養デザイン研究科にいらしてください。
ます!
院生からのメッセージ
Message
博士前期課程 教養デザイン専攻 2年 平和・環境領域研究コース
丹治 博司
TANJI Hiroshi
この4月に縁あって教養デザイン研究科博士前期課程に入学した、団塊の世
134
博士前期課程 教養デザイン専攻 2年
文化領域研究コース
TERANISHI Kaoru
「教養とは何でしょうか?」 入学当初にいただいた、ある教授からの言葉です。
Message
院生からのメッセージ
Message
博士後期課程 教養デザイン専攻 3年
文化領域研究コース
仲村 愛
NAKAMURA Ai
私の現在の研究テーマはカナダ・ケベック州におけるインターカルチュラリズムと
代生まれのシルバー新入生で、平和環境コースで、
クリーンエネルギーに関する研
統合政策です。よく知られるカナダ多文化主義は、ナショナリズムの強いケベック州か
究を始めたところである。私は、学生・会社時代を通じて高分子化学をバックグラウ
らは否定的に見られています。同州は多文化主義政策に対抗して、
インターカルチュ
ンドとしてきたのだが、昨年の5月に、病に倒れて、
20日余りの入院生活を送り、考
ラリズムという概念を提示しています。そこで、ケベック州の政策や理念がカナダ連邦
える時間を持った時に、退職後はもう一度、勉強しよう、
また、
どうせやるなら、今まで
政府の多文化主義政策とどう違うのか、
といった点を中心に分析を行っています。
の専門とは異なる分野についても学んでみようと思ったのが、本学受験のきっかけ
私はもともと政治経済学部出身で、博士前期課程も政治経済学研究科で修了し
である。まだ、前期の約半年を過ごしたばかりだが、
自分なりの感想を紹介したい。
ました。ですが、博士後期課程に進学するにあたって、思い切って教養デザイン研究
基本的に大学院の研究である以上、何らかの研究の軸となる主題がなくてはな
科に移籍しました。その理由は、第一に、ケベック研究において第一人者の小畑精和
らない。その一方で「教養」というのは、
あまりに合目的になりすぎたり、
ある分野に
先生がいらっしゃること。小畑先生のご専門は文学ですが、社会問題にも造詣が深い
偏りすぎていても面白味がない。そういう意味では、倫理・哲学・宗教、文化、平和・
方です。第二に、政治学的視点から研究を進めるのに、必ずしも政治経済学研究科
環境の3分野の一つを軸にしながら自らの希望やニーズに応じて他の分野を学べ
に留まり続ける必要はないと思ったからです。なぜなら、博士後期課程においては、授
る設計は絶妙な設計である。もっとも、
自分の好きなことを好きなようにできる反面、
業よりもむしろ、学会や勉強会など学外での活動がより重要になってくるからです。
その分、何を学び、何を研究するかを自分でしっかり考えておかないと迷路に入って
分野が互いに異なる先生や学生が集まる教養デザイン研究科は、自分の専門だけ
しまう恐れ無きにしもあらずだが、
そんな時でも、先生や先輩方、
そして同級生も含
では持ちえない視点から切磋琢磨し合える、貴重なプラットホームとなっています。その
め多士済々の仲間が十分サポートしてくれる環境なので、好奇心と探求心にあふ
ため、
「外」
と
「内」からそれぞれ違う刺激を受けることができ、
よりダイナミックな研究活
れた老若男女、様々な人たちが門をたたいてくれるのをお待ちしている。
動を行うことができていると実感しています。
MEIJI UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL
教員一覧
※平成25年4月1日時点のものです。今後変更や見直しを行う場合があります。
教養デザイン研究科
教 養 デ ザ イ ン 専 攻
「倫理・哲学・宗教」領域研究コース
教 養 デ ザ イ ン 専 攻
「文化」領域研究コース
①最終学歴 ②担当授業科目 ③研究分野 ④研究テーマ ⑤主な著書・論文
①最終学歴 ②担当授業科目 ③研究分野 ④研究テーマ ⑤主な著書・論文
金山 秋男
KANEYAMA Akio
教授
広沢 絵里子
HIROSAWA Eriko
教授
①東京大学大学院
②宗教学研究演習、宗教学研究特論Ⅰ、研究論文指導、宗
教学特別研究
③仏教思想、宗教民俗学および死生学
④日本人の死生観、 霊魂観、 他界観についての仏教民俗学的
アプローチ
⑤『絶後再蘇の構造』
(『生と死の図像学』
・至文堂)
『無常仏法─道元の死生観と宇宙観』『「生と死」の東西文
化史』
(方丈堂出版・2008年)
①立教大学大学院
②文化理論研究演習、文化理論研究特論Ⅴ、研究論文指導
③ドイツ文学、アイデンティティ論
④精神分析と自伝、ドイツ語圏の文化
⑤ゲルマニスティネンの会・光末紀子他編『ドイツ文化を担った
女性たちーその活躍の軌跡』
(共著・鳥影社・2008年)
林 雅彦
小畑 精和
HAYASHI Masahiko
教授
①東京大学大学院
②宗教学研究演習、宗教学研究特論Ⅱ、研究論文指導、宗
教学特別研究
③アジアの仏教民俗学・図像学
④日本を含むアジア(特に東アジア)の仏教説話文学・仏教説
話画・仏教民俗芸能
⑤『穢土を厭ひて浄土へ参らむ─仏教文学論─』
(名著出版・
1995年)
、『絵解きの東漸』
(笠間書院・2000年)
、
『「生と死」の東西文化史』
(編著・方丈堂出版・2008年)
岩野 卓司
IWANO Takuji
Ph.D.
教授
①東京大学大学院、パリ第4大学大学院
②思想史研究演習、研究論文指導、思想史特別研究
③哲学、思想史、精神分析、暴力の系譜学、言語と政治
④西欧思想史における暴力の解釈とそれが抑圧してきたものの考
察、終末論と死の問題の研究、神学・形而上学からファッション
のテキストまで「裸」と「衣服」がどう捉えられてきたかの研究
⑤『語りのポリティクス』
(共編著・彩流社・2008年)
『ジョルジュ・バタイユ─神秘経験をめぐる思想の限界と新たな
可能性─』
(水声社・2010年)
OBATA Yoshikazu
教授
①京都大学大学院、モンレアル大学大学院
②文化理論研究演習、文化論研究特論Ⅰ
・Ⅱ、研究論文指導
③レアリスム、キッチュ論、カナダ研究
④現代文化をキッチュとレアリスムをキーワードに分析する
⑤
『「ヌーヴォー・ロマン」 とレアリストの幻想 』
(明石書店・
2005年)
『ケベック文学研究』
(御茶の水書房・2003年)
鈴木 哲也
SUZUKI Tetsuya
准教授
①英国リーズ大学大学院
②文化理論研究演習、言語文化研究特論Ⅰ、研究論文指導、
言語文化特別研究
③言語社会学
④コミュニケーション・テクノロジーの発達と社会構造の変化の
相関性
⑤『ケルト 口承文化の水脈』
(共著・中央大学出版部・2006年3月)
虎岩 直子
TORAIWA Naoko
Ph.D.
教授
①東京大学大学院、Sussex University
②地域文化研究演習、研究論文指導
③現代アイルランド文学、イギリス諸島とカナダの文化
④現代アイルランド社会と文学、トランスレーション論、
パブリック・アート
⑤『近・現代的想像力に見られるアイルランド気質』
(共著・渓水社)
『アイルランド・ケルト文化を学ぶ人のために』
(共著・世界思想社)
斎藤 英治
SAITO E i j i
教授
①明治大学大学院
②地域文化研究演習、文化理論研究特論Ⅱ、研究論文指導
③現代アメリカ文学およびアメリカ映画史
④D.W.グリフィスの映画から現代アメリカ文学まで、アメリカ
文化の魅力と特質を研究
⑤The Sound of Silent Films : Griffith’
s Innovations on Sound in Home, Sweet Home
「『風』とそのハッピーエンドに関する覚え書き」
(『明治大学教養論集第445号』
・2009年)
MEIJI UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL
135
教養デザイン研究科
髙遠 弘美
TAKATO Hiromi
Graduate School of Humanities
教授
①早稲田大学大学院
②地域文化研究演習、文化理論研究特論Ⅳ、研究論文指導
③フランス文学・文化史、日本文学等
④プルースト研究、フランス文化史・生活史、近現代日本文学、
翻訳論等
⑤『乳いろの花の庭から』(ふらんす堂・1997年)、『プルースト研究』(駿河台
出版社・1999年)、プルースト『消え去ったアルベルチーヌ』
(光文社・2008年)、
ポーリーヌ・レアージュ『完訳 Oの物語』
(学習研究社・2009年)、プルースト『失
われた時を求めて』第一巻〜(個人全訳)(光文社・2010年〜)
池田 功
IKEDA Isao
博士(文学)
教授
①明治大学大学院
②地域文化研究演習、地域文化研究特論Ⅰ、研究論文指導
③日本近代における文学と文化及び社会
④日本近代の文芸研究、病と人間の文化研究、死生観の研究、
韓国と日本の比較研究
⑤『啄木 新しき明日の考察』(新日本出版社・2012年)、『啄木日
記を読む』
(新日本出版社・2011年)、
『 新版 こころの病の文化史』
(おうふう・2008年)、
『石川啄木 その散文と思想』(世界思想社・
2008年)、『石川啄木 国際性への視座』(おうふう・2006年)
加藤 徹
KATO Toru
教授
①東京大学大学院
②地域文化研究演習、地域文化研究特論Ⅱ、地域文化特別
研究
③中国伝統演劇(京劇)
、中国文化
④中国の文化を、日本社会との比較という視点もふまえつつ研究
⑤『京劇』
(中公叢書・2001年)
『貝と羊の中国人』
(新潮新書・2006年)
菊池 良生
KIKUCHI Yoshio
教授
①早稲田大学大学院
②地域文化研究演習、地域文化研究特論Ⅳ、研究論文指導、
地域文化特別研究 ③ドイツ・オーストリア文化史
④後期中世から近世にかけての近代国家形成の歴史
⑤『ハプスブルクをつくった男』(講談社現代新書・2004年)、『ハプスブルク帝国の情報メ
ディア革命』(集英社新書・2008年)、『図解雑学・ハプスブルク家』(ナツメ社・2008
年)、
『図説 神聖ローマ帝国』(河出書房新社・2009年)、
『ハプスブルク家の光芒』(ち
くま文庫・2009年)、『ハプスブルク家の人々』(新人物往来社文庫・2009年)、『警察
の誕生』(集英社新書・2010年)、『哀しいドイツ歴史物語』(ちくま文庫・2011年)
山岸 智子
YAMAGISHI Tomoko
博士(学術)
教授
①東京大学大学院 ②地域文化研究演習、文化論研究特論Ⅰ
・Ⅱ、文化理論特別研究
③イラン地域研究、文化論 ④イスラームとグローバル化の諸
問題、イメージとイデオロギーの関連性、など
⑤“Can Japan embrace a Muslim Public? A study on responses to newcomer
Muslims,”K.Ohtsuka & D. F. Eickelman eds., Crossing Boundaries; Gender, the
Public, and the Private in Contemporary Muslim Societies ,Tokyo,ILCAA,2008.
「テロリスト討伐と女性像(イメージ)
」(東北大学『国際法・
国際関係とジェンダー』
・2007年)
中村 和恵
NAKAMURA Kazue
教授
①東京大学大学院
②文化論研究特論Ⅰ
・Ⅱ
③比較文学・比較文化、英語圏文学
④旧英領植民地を中心とする非西洋圏の文化・文学の比較研
究、少数者の目に関心がある
⑤『つきまとう故郷—トランス・ナショナルな英語文学とネイション
の問題』
(「岩波講座文学13」
・2003年)
『帝国を飼いならせ』
(「早稲田文学」1996-2000年)
、『世界中のアフリカへ行
こう』
(岩波書店・共著・編集者・2009年)
136
MEIJI UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL
薩摩 秀登
SATSUMA Hideto
社会学博士
教授
①一橋大学大学院
②地域文化研究特論Ⅵ、文化理論特別研究
③西洋中・近世史、東欧史
④東欧の中・近世における政治および社会構造と文化
⑤『プラハの異端者たち 中世チェコのフス派に見る宗教改革』
(現代書館・1998年)
『 物語チェコの歴史 −森と高原と古城の国 』
(中公新書・
2006年)
『辺境のダイナミズム』
(共著・岩波書店・2009年)
①最終学歴 ②担当授業科目 ③研究分野 ④研究テーマ ⑤主な著書・論文
鳥居 高
TORII Takashi
教授
MORINAGA Yuki
博士(理学)
教授
①筑波大学大学院
②地球環境研究演習、地球公共論研究特論Ⅱ、地球環境研
究特論Ⅰ、地球環境特別研究
③気候学・環境科学 ④モンゴルの遊牧と自然環境
⑤
『多元的環境問題論(増補改訂版)』
(共編著・ぎょうせい・
2006年)
Morinaga, Y., S. Tian, and M. Shinoda Winter Snow
Anomaly and Atmospheric Circulation in Mongolia.,
Int. J. Climatol.23, p.1627 - 1636. 2003.
浅賀 宏昭
ASAGA Hiroaki
理学博士
教授
①中央大学
②平和構築研究演習、地球公共論研究特論Ⅰ、研究論文指導、
平和構築特別研究
③多民族国家における政治・経済システムの研究
④多民族国家の社会安定装置について、市民権、政党、選挙、
経済テクノクラートなどに焦点を当てている
⑤
『マハティール政権下のマレーシア』
(編著・アジア経済研究所・
2006年)
、
『アジア中間層の生成と特質』
(共編著・アジア経
済研究所・2002年)
①東京都立大学大学院
②地球環境研究演習、地球環境研究特論Ⅱ、地球環境特別研究
③多細胞動物を対象とした生命科学
④ヒトを含む多細胞動物におけるタンパク質シトルリン化の機 能的意義について
⑤
『知っておきたい最新科学の基本用語』
(技術評論社・2009年)
Abnormal Accumulation of Citrullinated Proteins Catalyzed by
Peptidylarginine Deiminase in Hippocampal Extracts from Patients
with Alzheimer’
s Disease., J. Neurosci. Res. 80, p.120-128, 2005.
山泉 進
勝田 忠広
YAMAIZUMI Susumu
教授
①早稲田大学大学院
②平和構築研究演習、平和構築研究特論Ⅰ、研究論文指導、
平和構築特別研究
③社会思想史研究
④初期社会主義思想、「大逆事件」の国際的反響
⑤『平民社の時代─非戦の源流』
(論創社・2003年)
『大逆事件の言説空間 』
(編著・論創社・2007年)
『布施辰治研究』
(共著・日本経済評論社・2011年)
佐原 徹哉
SAHARA Tetsuya
教養デザイン研究科
森永 由紀
教 養 デ ザ イ ン 専 攻
「平和・環境」領域研究コース
KATSUTA Tadahiro
博士(工学)
准教授
①広島大学大学院 ②科学技術史研究特論、科学技術史特別研究
③使用済核燃料管理、プルトニウム処分問題
④核の国際管理構想
⑤Japan’
s Spent Fuel and Plutonium Management Challenges,A research
report of the International Panel on Fissile Materials, September 2006.
原子力発電の経済性に関する考察─1999年と2003年の政府試算の検
証─、公益事業研究、第58巻 第1号(通巻155号)、pp.1-12. 2006年1
月.「日本のプルトニウム需給バランス」
(岩波『科学』p.192・2010年2月号)
博士(文学)
教授
①東京大学大学院 ②平和構築研究演習、平和構築研究特
論Ⅴ、研究論文指導 ③東欧現代史・中東現代史・紛争研
究 ④ジェノサイドの比較研究、東欧・中東の近現代史
⑤『近代バルカン都市社会史ー多元主義空間における宗教とエスニシ
ティ』(刀水書房・2003年)、Forced Ethnic Migrations on the
Balkans - Consequences and Rebuilding of Societies(共著 IMIR, Sofia, 2006)、Gerila na Balkanu - borci za slobodu,
buntovnici ili banditi(共著 Beograd, 2007)、『ボスニア内戦
─グローバリゼーションとカオスの民族化』(有志舎・2008年)
廣部 泉
HIROBE Izumi
Ph.D.
教授
①東京大学教養学部、ハーバード大学大学院
②平和構築研究演習、平和構築研究特論Ⅱ ③国際関係史
④日米関係史、移民をめぐる国際関係
⑤Japanese Pride, American Prejudice (単著:Stanford
University Press) 、『グルー』
(単著・ミネルヴァ書房)
丸川 哲史
MARUKAWA Tetsushi
博士(学術)
教授
①一橋大学大学院
②平和構築研究演習、平和構築研究特論Ⅲ
③東アジア文化論
④ナショナリズムと知識人
⑤
『冷戦文化論』
(双風舎・2005年)
『日中一〇〇年史 二つの近代を問い直す』
(光文社・2006年)
『台湾における脱植民地化と祖国化─二.二八事件前後の文
学運動から』
(明石書店・2007年)
、
『 台湾ナショナリズム』
(講
談社・2010年)
、『魯迅と毛沢東』
(以文社・2010年)
MEIJI UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL
137
教養デザイン研究科
「入学者受入」、
「教育課程編成・実施」
、
「学位授与」方針
入学者受入方針
【博士後期課程】 教養デザイン研究科博士後期課程の教育研究の総合的なテーマで
ある「人間性とその適正な環境の探求」を行ないうる、個別学問分野に
【博士前期課程】 教養デザイン研究科博士前期課程は、科学技術の発展により惹き起
おける深い専門性と高い倫理性を持った研究者を養成するため、次の
こされた諸問題に対する倫理的判断、グローバル化が進む現代社会に
ような方針に基づきカリキュラムを編成し、実施します。
おける異文化への理解、構造的暴力に対する平和構築と自然環境との
○指導教員の指導のもと、専門分野における知識の高度化と研究の独
共生、
これらの現在人類が直面している諸課題を総合的・学際的に考察
創性を育成すると同時に、専門分野に関連する幅広い知識の修得と
し、公共的観点に立ち、問題解決にむかって主体的に行動することがで
アカデミック・スキルの向上を配慮します。
きる人材の養成を目的とします。このため、次のような資質と意欲を持
つ学生を積極的に受け入れます。
○出身学部にとらわれることなく、現代的な諸課題を総合的・学際的に
○博士前期課程において培った総合的・学際的知識と複眼的視野の深
化を目指します。
○学会誌等への投稿を促して、研究の対外的評価を求めていきます。
考察し、問題解決にむけて主体的・積極的に行動しようとする意欲の
ある者。
学位授与方針
○現代的な課題に関心を持ち、国際的な場での活躍を希望する者。
○自己の社会的経験に基づき、現代社会への学問的考察の意欲を持つ
【博士前期課程】 教養デザイン研究科博士前期課程は、現在人類が直面している諸課
社会人。
以上の入学者受け入れ方針に基づき、学内選考入学試験、一般入学
題を総合的・学際的に考察し、公共的観点に立って主体的に行動するこ
試験、外国人留学生入学試験、社会人特別入学試験を実施し、入学者選
とができる人材の養成を目指しています。そのため、所定の単位を修得
抜を行ないます。なお、社会人特別入試には50歳以上を対象とするシ
したうえで、優れた学業成績を上げ、かつ、次に示す資質や能力を備えた
ニア入学試験を含みます。
と認められ、優れた修士学位論文を作成した学生に対して、修士(学術)
の学位を授与します。
【博士後期課程】 教養デザイン研究科博士後期課程は、
「倫理・哲学・宗教」「文化」「平
○総合的・学際的な視点に立ち、各自が専攻した研究分野のみならず、
和・環境」の3研究領域において、優れた修士学位論文を作成したこと
他研究領域に関しても、学士課程よりも深い教養や専門的知識を得て
を前提として、さらに専門性と複眼的視野とを深め、独創的な研究成果
いること。
を発表することのできる研究者の養成を目的とします。このため、次の
ような資質と意欲を持つ学生を積極的に受け入れます。
○修士学位論文をさらに高度な研究に深化させるアカデミック・スキル
(外国語能力を含む)
と研究計画を持つ者。
○自立した研究者、または高度な教育研究活動を職業とすることを目
○現代的な課題に対して、地球公共的な視点から行動しうる能力を有し
ていること。
【博士後期課程】 教養デザイン研究科博士後期課程では、人材養成の目的を踏まえ、
所定の単位を修得したうえで、学業成績と研究業績を上げ、かつ、次に
示す資質や能力を備えたと認められ、優れた博士学位論文を作成した
指す者。
以上の入学者受け入れ方針に基づき、一般入学試験、外国人留学生
学生に対して、博士(学術)の学位を授与します。
入学試験を実施し、入学者選抜を行ないます。
○総合的・学際的な視点に立ち、各自が専攻した研究領域のみならず、
他研究領域との関連性を十分に認識して、高度な研究能力と豊かな
教育課程編成・実施方針
【博士前期課程】 教養デザイン研究科博士前期課程は、教育研究の総合的なテーマと
して「人間性とその適正な環境の探求」を掲げています。「人間性」
「環
境」「行動倫理」がキーワードとなります。この3つのキーワードを研究
対象として統合化し、整理したものが「倫理・哲学・宗教」「文化」「平和・
環境」の3つの領域研究コースです。学際的知識の修得と主体的に倫理
的行動をとりうる人材を養成することを目的として、次のような方針に
基づきカリキュラムを編成し、実施します。
○人文科学・社会科学・自然科学の分野にまたがる総合的・学際的知
識を修得するための科目を配置します。
○専門的知識を深めると同時に、専門的知識の殻に自閉させず、総合
的・学際的知識を深め、複眼的視野を育成することを配慮します。
○指導教員と副指導教員の複数体制をとり、研究科全体で段階的に研
究指導を行ないます。
138
MEIJI UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL
学識により、独創的な研究成果を発表できること。
○自立した研究者として高い倫理性、地球公共的な視点に立って、現代
社会のかかえる問題の解決への企画力と行動する能力を有している
こと。
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