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第1節 中小企業グループの現状 [PDFファイル/952KB]

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第1節 中小企業グループの現状 [PDFファイル/952KB]
第 2章 、第 3章 においては、新製品 ・技術開発、受注 ・販降開拓 の現状 と課題、及 びそれ らにお
けるネ ッ トワー クの現状 と新たなネ ッ トワー ク形成 の動 きについてみてきた。
第 4章 では、 そうしたネ ッ トワー クが有効に機能するためのポイ ン トについて、多様 なネ ッ トワー
クの中で も、 その特徴 を提えやす い中小企業 グル ープ (中小製造業 が形成す る異業種交流 などの緩
やかな連携形態)に 注 目して考察を進 めてい く。
司目
1 中 小企業 グループヘの加入 と母体 となる団体
(中小企業 グループヘの加入割合 は17%)
中小企業 グルー プヘ の加入割合は大阪府では17%で
図表 I-4-1 中
あ り、 ほぼ静 岡県 と同程度であった。 これに対 して東
京都 での加入 割合 は32%に 達す る (図表 I-4-1)。
(業界団体のつなが りからグループ結成することが多 い)
中小企業 グル ープの成 り立 ちは様 々であるが、既 に
みてきたように、 同一 の団体や研究会 に属す るという
ように、 それ以前か ら何 らかのつなが りがあることが
多い。 このような団体や研究会 などを、中小企業グルー
小企業 グループヘの加入割合
30
0`)
く
如
プを生み出す 「
母体」 と呼ぶ ことができる。母体 に参
加す る企業 は、問題意識 や価値観を共有 し、互 いに信
頼関係を築 きやす いと考 え られる。
まず、各 グルー プの構成 メ ンバー間に、 どのような
大限席
静田県
つ なか りがあるかをみてお こう。
東京都
資料 :大 阪府立産業開発研究所 「中小工業ネ ッ トワー クに関す
る調査」(平成16年10月)。
とお り。
(注)地 域区分は図表 I-2-1の
大阪で際立 って多 いのは 「
業界団体 が同 じ」 という
ー
スである
I-4-2)。
ケ
大阪で は、業界団
(図表
体 に加入す る企業割合が高 く、業界団体 自体が一定 の
機能を果た しているが、中小企業 グルー プを生 み出す
小企業 グループのつなが り
図表 I-4-2 中
(96)
60
ゆ
20
そ の他
都 道 府 県 市 町 村
の 紹 介
支 援 を 受 け た 公 的
機 関 が 同 じ
運 槻 先 の大 学 が 同 じ
取引金融機関が 同じ
所属経済 団体が同じ
業 界 団 体 ホ 同 じ
受 注 先 が 同 じ
0
鄭∞
大阪府立産業開発研究所 「中小工業ネ ッ トワー クに関する調査J(平 成 16年10月)。
とお り。
複数回答。地域区分は図表 I-2-1の
母体 と して も重要な役割 を担 って い る。 これ は、 同業
( 同 じ下 請 協 力 会 に属 す る仲 間 と共 同 開 発 す る共 和
者 であれば、経 済環境変化 のなかで、共通 の課題 を抱
え ること も多 く、 一 定 の方 向性 を見 いだ し得 る可能性
ゴム )
が高 いか らであ る。 ただ し、 同業者 は城 合先 で もある
樹脂製 品を製造 す る企 業 であ る。
ことか ら、 あ る程度 の地域的なす みわ けや強み とす る
電線 や通信線な どが入 る地 中埋設管 の直線継手 は、
従来、上 か らテ ー プで何 重 に も巻 いて防水 して いた
品 日の相達 な ど、競争 と協調 の バ ラ ンスを取 り得 る グ
ル ー プ とな ってい る。
(業界 団体 を母 体 とす るライ ンゴー ル ド)
ライ ンゴー ル ドは、小麦粉 な どの製粉業 の業界団
体 に加入 す る企 業 の うち有志 6社 が製粉技術研 究を
行 うため に結成 した中小企業 グル ー プであ る。
ため現場 での作業 に手間取 って いた。 同社 は、樹脂
製継手 の 内狙!に超 高吸水性不織布 を一 体成形 した継
手 を開発 した。接続部 が 水 に触 れ ると、不織布 が瞬
時 に膨張 し止 水す る仕組 みで あ り、現 場 での施工時
間が著 しく短縮 された とい う。
製 品化 に際 して、 当初考 えて いた製法が不可能 で
ある ことが明 らか とな り、 この課題 を解決す るには、
業界 で ある。 大手製粉業者 は、輸入小麦 を用 いて、
金型、樹脂成形、不織布 において工 夫す ることが必
臨海部 の大規模 な工 場 で生産 す ることが多 いか、 中
要 にな った。 そ こで、特殊 な金型 を製作 で きるノウ
ハ ウのあ る企 業 と、課題解決 に役立 つ特許 を保有 し
て いる樹脂 メー カー、小 ロ ッ トの受注 に も対応 して
小製粉業者 は、 内陸部 に規模 の小 さい工場 を保有 し
てい る場合 が多 く、規模 の利益 を享受 しに くい こと
この よ うな状況 に立 ち向か うため に、業界同体 を
くれ る不織布 メー カーを連機先 と して選 んだ。 金型
メー カー と欄脂 メー カー は と もに、 同社 の属す る F
EI体に して、理念を共有 できる中小製造業者が集 まっ
請 協力会 の メ ンバ ーで顔 な じみであ った ことか ら、
た。地域 的には、北海道、群馬県、長野県、愛知県、
大阪府、福 岡県 と全 国的 に広 か り、重複 しない構成
相手先 の能力 や社長 の 人柄 な どを知 って いた。 この
ため に、信頼 関係 の構築 が容易 で連 携 が スムー ズに
とす る ことによ り、販降 開拓面 での競合が生 じに く
進行 した。
くな ってい る。 なお、 業界団体 の集 ま りか毎月東京
で 開催 され ることか ら、 その前 後 にグル ー プでの会
2 中 小企業 クル ー フの特徴
もあ り、厳 しい状況 にあ る。
合 を持 つ ことによ り、 /t国的な広 か りを持 ちなか ら
フェイス ・ツー ・フ ェイスの情報 交換 がで きるよ う
(活動 目的 は情報交換 が 多 い)
大 阪 の 中小 製造業 が属 して い る中小企業 グル ー プの
な仕組 み とな ってい る。
共 同事 業 と しては、 ヨー ロ ッパ で食 され る風 味 の
主 な活動 目的 は、 「情報 交換Jが 68%を 占 め る (図表
I-4-3)。
「製 品 `技 術 の 開発J「共同受注 `販 売と
あるパ ンを 日本 で も広 め るために、 そのよ うなパ ン
はそれぞれ20%、 5%で あ った。 「情報 交換 Jが 活動
いとい うのは静 岡県や東京都 も同様であ るか、
目的 の 中′
大 阪府 では 「製 品 ・技 術 の 開発Jを 目的 とす る割合か
用 の小麦粉 とい う コンセ プ トで企画 開発 し、 その製
品名 を統 一 ブラ ン ド 「ライ ンゴー ル ドJと して各社
で販 売 して い る。
さらに、製粉 工場 で発生す る害虫 を殺虫剤 を使 わ
ず に駆 除す る設備 を ドイツか ら導入 し、 それ を レン
タルす るとい う事業 も始 めた。 そ こで得 た収 入 の一
部 は、今後 の共 同開発資 に充 当す る予定 であ る。
若f高 い ことが特徴 といえ る。
(メ ンバ ー は卸 ・小売業、 ヨ ンサ ルタ ン トな ど多様)
Ⅲ小企業 グル ー プの メ ンバ ー やオ ブザ ー バ ー は、回
答企業 と同 じ中小製造業 だ けでな く、他業種 な どの参
加 かみ られ ることも少 な くな い。 メ ンバ ー やオ ブザ ー
バ ー の所属 は多様 であ るか、「卸売業 ・小 完業J「 コ ン
(下請協 力会を母体 と したグル ー プ)
サルタ ン トJ「公的支援機関Jの 参加が多 い (図表 I―
下詰 協力会 とい うと、親企業 と 下請企業 との取 引関
係 とい う側面が大 きいか、ド 詰企業 間 の ネ ッ トワー ク
4-4)。
もlt目に値す る。す なわ ち、 同一 の親企業 と取 引 して
い ることか ら、互 いの技 術水準 につ いて理解 で き、顔
関」 の参加キ1合は大 阪府 で低 い。 また、 「製造業 (大
え知 りで もあ ることか ら、新 たな事 業展F15に
発展す る
素地 かで きて いる。
た だ し、静 岡県や束 京都 と比 べ ると、 「公 的支援機
企業)」 や 「大 学Jの 参力Rキ!合 も低 い。 こ う した差 異
は、特 に、静 岡県 との間で顕 著 であ る。
グル ー プにおけるメ ンバ ーやオブザ ーバ ー において、
51
FL
製粉業界 は、大手製粉業者 によ る豪 占化 が進 んだ
共和 ゴム株式会社 (枚方市)は 、工 業用 ゴム製品、
図表 I-4-3 中
小企業グループの主な活動 目的
(%)
80
60
40
20
そ の 他
相 互 発 注
共同受注 販売
製 品 技 術 の
開 発
情 報 交 換
0
司目
資料 ,大 阪府立産業開発研究所 「Ⅲ小工業ネ ットワー クに関す る調査J(平 成16年10月)。
とお り。
(と)地 域区分は図表 I-2-1の
齢︼
0 0
∽ 8 6
図表 I-4-4 中
小企業グループメンパ ー ・オブザ ーバーの所属
岡県
40大
20
そ の他
公的 機 関
大学
弁 聖士 税 理士
﹁シサ ルタ ント
設計 楽
デ ザ イ ン業
市 場 調査 業
卸 売業 小売 業
製造 業 ︵
大 企業 ﹀
0
資料 モ大阪府立産業開発研究所 「中小工業 ネッ トワー クに関す る調査J(平 成 16年10月)。
とお り。
(注)複 数回答。地域区分は図表 1-2-1の
平均回答数 (中イヽ
製造業以外)大 阪府 :17、 静岡県 r25、 東京都 122
回答企業である中小製造業以外の業種や業態などが ど
の程度合 まれているかをみるために、属性数 の平均回
答数 を算 出す ると、大阪府で17、 静 岡県で25、 東京
都 で22で あ った。 業界団体 を母体す ることが多 か っ
た大阪府では、 中小製造業以外 の参加 が静 岡県や東京
都 よりも少 な く、同質性が高 いグループにな っている。
(メンパ ーは定期的 に顔を合わせやす い広が り)
メ ンタヾ―の空間的な広が りにつ いては、 メ ンバーが
フェイス・ソー・フェイスの情報交換や意思決定を行 い
やす いか どうかをみるために重要 である。それをみる
ために、時間距離を確認 した。
メンパ ー の立地 は、大阪府 の場合、 「
車 で片道30分
以内Jと い う地元 メンバ ーのみで構成 される中小企業
52
グル ー プは13%と 少 ないが、 「車 で片道 2時 間以 内J
(51%)を 合 あ ると 6割 強 の グル ー プは、 定期 的 に顔
を会 わせ るのに、 あま り負担 のな い距離 内 にメ ンパ ー
が いる (図表 I-4-5)。
その一 方 で、 「全 国的 な広 が りJも 26%あ る。 この
割合 は静 岡県 や東京都 よ りも高 い。 これ らの都県 では、
地域性 のあ る 「公 的支援機 関」 や 「大学」 とい うつ な
が りの あ るグル ー プが多 か った ことか ら一 定 の地域 内
で結成 された グル ー プが多 いが、大 阪府 で は全 国的 な
組織 を持 つ ことが多 い業界 団体 とい うつ なが りで結成
された グル ー プが多 い ことが反映 されて いる とみ られ
る。
小企業グループメ ンパ ーの地域的広が リ
図表 I - 4 - 5 中
0党
201
車で片道30分
401
車
601
で片道30分超∼
80常
草
で日吊 全目的
工葉ネ ッ トワー クに関する調査J(平 成16年10月)。
資料 :大 阪府立産業開発研完所 「中刀ヽ
は図表
I-2-1の
とお
(注)地 域区分
り。
第 ■ 年
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